EY Japan 年次報告書2014

EY について
EY は、アシュアランス、税務 、トランザクション・アドバイザリー およ
EY とは、アーンスト・アンド・ヤング・グロー バル・リミテッドのグロー バル
ネットワークで あり、単体 、もしくは複数のメンバ ーファー ムを指し、各
メンバーファームは法的に独立した組織です 。アーンスト・アンド・ヤング・
グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービス
は提供していません 。詳しくは、ey.com をご覧ください 。
新日本有限責任監査法人について
新日本有限責任監査法人は、EYメンバーファームです 。全国に拠点
を持つ日本最大級の監査法人業界のリーダ ー です 。監査および保
証業務をはじめ、各種財務アドバイザリー の分野で高品質なサービ
スを提供しています 。EY グロー バルネットワークを通じ、日本を取
り巻く経済活動の基盤に信頼をもたらし、より良い社会の構築に貢
献します 。
詳しくは、www.shinnihon.or.jp をご覧ください 。
EY Japan について
EY Japan は、EY の日本におけるメンバーファームの総称です 。新
日本有限責任監査法人 、EY 税理士法人 、EYトランザクション・アドバ
イザリー・サービス株式会社 、EY アドバイザリー株式会社などの 13
法人から構成されており、各メンバ ーファー ムは法的に独立した法
人です 。詳しくは eyjapan.jp をご覧ください 。
© 2014 Ernst & Young ShinNihon LLC.
All Rights Reserved.
本書は一般的な参考情報の提供のみを目的に作成されており、会計、税務およびその
他の専門的なアドバイスを行うものではありません 。新日本有限責任監査法人および
他の EYメンバーファームは、皆さまが本書を利用したことにより被ったいかなる損害
についても、一切の責任を負いません 。具体的なアドバイスが必要な場合は、個別に
専門家にご相談ください 。
年
次
報
告
書
2014
びアドバイザリーなどの分野における世界的なリーダーです 。私た
ちの深い洞察と高品質なサービスは、世界中の資本市場や経済活動
に信頼をもたらします 。私たちはさまざまなステークホルダー の期
待に応えるチー ムを率いるリーダーを生み出していきます 。そうす
ることで 、構成員 、クライアント、そして地域社会のために 、より良
い社会の構築に貢献します 。
EY Japan
EY | Assurance | Tax | Transactions | Advisory
信
頼
と
品
質
よ
り
良
い
社
会
の
構
築
を
目
指
し
て
EY Japan
年次報告書 2014
信頼と品質
より良い社会の構築を目指して
輝ける日本
人工衛星で宇宙から見た地球の中で、日本はひときわ強い光を発し、輝いています 。これは、日本経済のポテ
ンシャルの象徴です 。かつて 、
「メイド・イン・ジャパン」は世界を席巻し、日本製品の技術と品質の高さの代
名詞でした 。ジャパン・アズ・ナンバ ーワンの原動力は 、自動車 、エレクトロニクス、光学機器などの分野に
お いて 、日本のそうそうたる企業が壮絶な競争を繰り広げたエネルギ ー でした 。日本企業の優位性は 、優れ
た研究、高い教育水準、高い道徳観念およびロイヤリティーを持つ「人」と、画期的発明と飽くなき生産プロセ
ス改善および品質管理高度化の「技術」にありました 。
不安と混迷の時代
その後、世の中の流れは 、アナログテレビからデジタルテレビへ 、携帯電話からスマ ートフォンへ 、PC からタ
ブレット端末へと急速に変化しました。日本企業はエレクトロニクスの分野などでビジネスモデルの革新が求
められ、コスト戦略、マーケティング戦略、ソフトウェアのグロー バル展開やハードウェア普及戦略などでこの
急激な変化への対応に苦戦し、今日に至っています 。今、社会は、事態の進展が急すぎて、思考が追いつかな
い状況になっています 。高度情報化社会の中で大量のデ ータが行き交い 、ある日、日本中が大騒ぎをするよ
うな事件があったとしても、次の日にまた別の大事件が起こるとたちまち人々の脳裏から消え去ってしまいま
す 。日本経済と日本企業は、まさに、不測の事態の連続と戸惑いの中で「不安と混迷の時代」にあると言えるで
しょう。
日本経済のポテンシャルは「人と技術」
しかし、依然として日本経済のポテンシャルは「人と技術」にあると考えます。日本人の不屈の精神、忍耐強さ、
規律正しさは、世界の驚きの対象です。東日本大震災のときも、毎年のように起こる地球温暖化に伴う異常気
象 、台風 、豪雨 、大雪 、火山の噴火などの大災害が起きても 、日本人は 、すべての財産を失うような状況に
ありながら、ひたすら耐え、平静と秩序を保っています 。古来からの「人様に迷惑をかけてはいけない」とは、
日本の親の教えであり、人への思いやり、おもてなしに通ずる精神です。また、日本の「技術」は、ものやサー
ビスの要所で高い付加価値を創出します 。これは 、日本の全産業に共通です 。日本人の創意工夫や感性は 、
自動車、電化製品から文房具に至るまで、便利さの追求、機能の高度化、多様化を見れば一目瞭然です。
JAPAN POTENTIAL
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01
年次報告書 2014
より良い社会の構築を目指して
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02
日本企業のグロー バル展開
鎖国をしていた江戸時代のように日本企業がクローズドな世界で生きることは、もはや不可能であることは言
うまでもありません 。で あるならば 、日本企業は 、持続的に成長・発展するた めにオ ー プンな行動を取ら
ざるを得ませ ん 。
日本企業のグローバル展開には、生産拠点を移す場合、新たな技術を求める場合、新たな市場を求める場合な
どいろいろなケースが考えられますが 、何をどのようにオープンにするのか 、しないのか 、また 、何を変えて
何を変えないのかは難しい判断です。なぜなら、激動する環境下では、何が正しい選択で何が正しくない選択
か判断が非常に困難になるからです 。というよりは、むしろ、判断した直後に状況が急変してしまい 、正しかっ
たはずの判断が正しくなくなってしまうということなのかもしれません 。
海外進出した先の市場では、ローカルの「多様性」をいかに取り込めるかが成功の鍵となります。成長著しい新
興国では、消費者の嗜好が瞬く間に変化し、一瞬にしてマーケットを失うリスクをはらんでいます。また、先進
国においても、金融危機や財政問題への対応などで規制・ 制度が次々に変更され、女性の活躍やシニア層の
拡大という新たな市場が成長するなど、事業環境は刻一刻と変化しています。
また、一つの成功により長期的な成長が約束される時代ではありませ ん 。日本企業は、海外市場の多様性に
向き合い、敏感に変化の兆しをとらえ、行動する必要があります 。
ビジョン
(理念)が大事
不安と混迷の時代には、ビジョン
(理念)が大事であると考えます 。
ビジョンとは 、将来の あるべ き姿で す 。戦略を立てることが困難なときには 、ビジョンに従っ て日々行動
することが重要で す 。
GLOBAL / LOCAL
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03
年次報告書 2014
より良い社会の構築を目指して
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04
アイデアがなければチャレンジできない
不安と混迷の時代には戦略は立てにくく、その場その場でビジョンに基づきアイデア
(創意工夫)
を出し、チャレ
ンジ
(挑戦)
していくほかはありません 。チャレンジには、アイデアが不可欠です。
アイデアには、以下のポイントが重要であると考えます。
アイデアはビジョンから生まれる
不安と混迷の時代には、ビジョン
(理念)が大事で あると考えます 。
ビジョンとは、将来の あるべき姿です 。戦略を立てることが困難なときには、ビジョンに従って日々行動す
る必要が あります 。
アイデアは、既知の知識の組み合わせです 。アイデアは、心の奥底でビジョンを考えることによって生まれま
す 。ビジョンのないアイデアは、目的適合性がないという意味で、役に立ちません 。
すばらしいアイデアは衝撃的(センセーショナル)である
すばらしいアイデアに気づいたとき、体に電流が走る、背中がゾクッとする、あるいは、暗闇に「ポッ」と明かり
がついたような気がします。
そのアイデアが別の人に伝わったときも、驚きに目を見開くような光景があるはずです。
アイデアには二面的な思考がある
優秀な経営者は、二面性を持っています。大胆にして細心、不変と豹変、危機感と安定感を併せ持っています。
これは二面的な思考が備わっているからだと思います。物事には表と裏があり、人は建前と本音を使い分けま
す。不正解があるから正解があり、不正義があるから正義があるわけです。何が正しいことなのか分からない
時代には、常に裏を見る心や懐疑心が必要です。
アイデアにはシナリオがある
アイデアは、ビジョンをチャレンジに変換するアクションプラン
(行動計画)
です。
アクションにはシナリオが必要です 。アクションを起こす の は人ですから、シナリオが ありドラマが あ れば、
やる気が出ますし、エネルギーも湧いてきます。また、シナリオは、リスク管理にも大切な役割を果たします。
チャレンジしてみなければ分からない
アイデアの次にはチャレンジが必要です。チャレンジは時として試行錯誤です。しかし、チャレンジしなければ
何も生まれません 。たとえ失敗しても、チャレンジの後には必ず何かが生まれます 。その変化が将来の成功の
ステップとなるのです 。
チャレンジの先にはイノベーション
(変革)
があります。イノベーションは、すなわち、成長であり発展です。
CHALLENGE
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年次報告書 2014
画像はイメージです ©JAXA
より良い社会の構築を目指して
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現場重視型のイノベーション
(変革)
プロセス
環境激変時には、出来上がった組織や仕組みはその瞬間から陳腐化し、さらには成長の妨げになる可能性もあ
ります 。全てが変化しますが、変化に対応するプロセスだけが不変です。ビジョンの共有 → アイデア創出 →
チャレンジ → イノベーションをその一連のプロセスと考えると、このプロセスこそが重要です。このプロセス
を現場重視で行うことこそが、不安と混迷の時代には大切ではないでしょうか。
現場重視型のイノベーション
(変革)
プロセスとは、現場を軸足として、従来の方法にとらわれず 、個人レベル、
グループレベル、組織レベル、全社レベルにおいて、業務・システムを変革することを意味します。
私たちのミッション
私たちは、グローバルのネットワークによる多様な市場への深い理解と業種別のナレッジをフル活用し、アシュ
アランス、税務、
トランザクション・アドバイザリー、アドバイザリーの 4 つのサービスラインが一体となって、日
本企業の革新(イノベーション)
を支援します。
日本経済の発展のため、未来に向けた都市や街のインフラづくり、関連する会計や税制の諸問題、東京を含む地
域振興策の産業別、業態別の検討などのさまざまな分野で調査および研究、ならびに発信を行っていきます。
EY Entrepreneur Of The Year 、企業成長サポートセンターなどの起業家支援や、女性経営者支援のための
ネットワーク Winning Women Network( WWN )などを通じ、新規ビジネスの創出と日本の競争力強化を
支援します。
また、日本の成長戦略の一つとして重要であるパブリック分野の改革においても、空港の PPP(官民連携パー
トナーシップ)
プロジェクトやコンセッション支援業務をはじめとした先進的な取り組みを積極的に支援するサー
ビスを提供していきます。
や新興国コンサ
ますます進展する日本企業のグローバル化については 、JBS(ジャパン・ビジネス・サ ービス)
ルティング室を通じ、M&A などのトランザクションサービス、連結決算早期化やIFRS の導入支援、監査、国際税
務戦略などの会計・税務サ ービス、リスク評価、内部統制、システム面のアドバイザリー サ ービスなど、総合的
なサービス提供をグローバルベースで行います。
INNOVATION
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07
年次報告書 2014
より良い社会の構築を目指して
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08
トップメッセ ー ジ
∼日本 企 業 の現場重視型の イノベ ー ション( 変革 )プロセスの構築に向け て∼
現実の出来事が走馬灯のように展開する。事態の進展が急すぎて 、思考が追いつかない 。
トップメッセージ
「 心あ る仕 事 」で 未 来 へ
さらには 、地面が揺れ動い て自分の立ち位置が大きく変わることさえある。現代は 、不測の
事態の連続と戸惑い 、すなわち、
「 不安と混迷の時代」にあると思います 。成功が約束される
方程式などありませ ん 。
そのような時代には、出来上がったものよりもプロセスが大事です 。激変する環境下では、
すでに出来上がっている、組織、制度、仕組み、プロセス、規則、規程などは、かえって対応の
足かせになるかもしれません 。不安と混迷の時代には戦略は立てにくく、現場の情報や状況を
Quick to Know
重視して、シンプルな意思決定の下に、即、行動に移さなければなりませ ん 。
現場重視型のイノベ ーション
(変革)
プロセスとは 、現場を軸足として 、個人レベル、グル ー
プレベル、部門レベル、全社レベルにおいて業務やシステムを変革することです 。企業の戦略
を中央の企画部門のみで行うと、激動の時代にはタイムリーに現場の情報が上がってこないため、
結果として有効な戦略が策定されない危険性があります 。現場重視型のプロセスでは 、創意
EY Japan の取り組み
工夫の機会を現場に与え 、同時に現場の情報をより早くかつ的確に中央の企画部門に伝達で
きる利点があります 。創意工夫の権限を現場に与えることで、組織はより活性化し、環境に対
する感応度が高まり、同時に対応力も高まります 。全社レベルから個人レベルまで 、ビジョン
の共有 → アイデア創出 → チャレンジ → イノベーションというプロセスを浸透させることが
「 不安と混迷の時代」には大切です 。
ビジョンとは 、将来のあるべき姿です 。現場重視型のイノベ ーションプロセスでは 、まず全
社レベルのビジョンを見直します 。次に、全社レベルのビジョンをより具体的に、部門、グルー
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
プ、個人などそれぞれのレベルに落とし込んでいきます 。それぞれがビジョンを強く想うこと
からアイデアが生まれます 。想いが強ければ強いほど、良いアイデアが生まれます 。アイデア
には二面的な思考と、シナリオが大事です 。また、アイデアの次にはチャレンジが必要です 。そ
して、チャレンジの先には革新があるはずです 。
私たちは、今、日本企業にとって現場重視型のイノベーションプロセス構築が必要であると
いう認識の下、クライアントをより動態的に理解し、ビジョンを共有し、アイデアを出し、ともに
EY Japan の基盤
チャレンジし 、イノベ ー ションを起こすために 、地球上の あらゆる地域で 、アシュアランス、
税務、
トランザクション・アドバイザリー、アドバイザリー などの あらゆる分野にお い て ベスト
のチー ムで ベストのサービスを提供することをお約束いたします 。
プロフェッショナル・ファームとして「信頼と品質」を重視し、皆さまから「新日本だから安心 、
EY に頼んで良かった」とおっしゃっていただきたい 。そのために私たちは常に「心ある仕事」
を行う所存です 。
EY Japan の基本情報
より良い社会の構築のため 、私たちのさまざまなかたちでの支援により沸き起こる日本企
業の不断のイノベーション、そして日本経済のさらなる繁栄を願っています 。
EY ジャパンエリア・マネージング・パートナー
新日本有限責任監査法人 理事長
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09
年次報告書 2014
より良い社会の構築を目指して
page
10
Quick to Know
01 イントロダクション
page 09 トップメッセージ
Contents
page 11
Quick to Know
page 12
EY は、150 カ国に約 19 万人の構成員を有し、世界各国で均一で高品質なサービスを提供する体制を整備して
page
13 EY Japan の取り組み
page
27 EY Japan のプロフェッショナル・サービス
私たちはクライアントの課題に向き合い、
業種別専門性を備えたグロー バルでシー ムレスな
総合的サービスを提供し続けていきます 。
41 EY Japan の基盤
私たちは、高品質なサービスを提供するための基盤を整え、
より良い社会の構築を目指して、次世代への貢献を推進しています 。
page
page
11
60
年次報告書 2014
人財
組織風土
コミュニティ活動
運営体制
リスク管理体制
新日本有限責任監査法人のガバナンス体制
EY Japan の基本情報
37
国内拠点数
人員数
売上高
7,159
1,074
13
メンバーファーム
カ所
人
億円
法人
EY
拠点数
150
人員数
売上高
約
US$
19
カ国
万人
274
EY Japan の基本情報
43
49
51
55
57
59
EY Japan
EY Japan の基盤
page
品質で業種別専門性を備えたプロフェッショナル・サービスを提供しています 。
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
29 サービスライン
29 アシュアランス
31 税務
32 トランザクション・アドバイザリー
33 アドバイザリー
34 品質管理体制
37 業種別セクター
39 地区拠点網
人が相互に連携し、アシュアランス、税務 、
トランザクション・アドバイザリー、およびアドバイザリーからなる高
EY Japan の取り組み
クライアントの課題解決とさらなる成長を
サポートすることが私たちの使命です 。
15 1 日本の金融・資本市場の発展に貢献
17 2 日本企業のグロー バル化を支援
19 3 企業の競争力強化をサポート
22 4 新規ビジネスの創出を支援
25 5 パブリック分野にお けるガバナンス改革および成長戦略の支援
います 。EY Japan は、EY のグロー バルネットワークの日本におけるメンバーファームの総称であり、13 法
Quick to Know
page
トップメッセージ
Contents
億
より良い社会の構築を目指して
page
12
EY Japan の取り組み
1
詳細は page 15
被監査会社数
社
( 2014 年 9 月 30 日現在)
環境変化が激しいグロー バル社会の中で 、企業経営に
は 迅 速 で 的 確 な 経 営 判 断 が 求 められて います 。EY
日本企業の
グロー バル化を支援
詳細は page 17
Japan は世界のビジネス潮流に対する分析を踏まえ、ク
世界に展開する
JBS(ジャパン・ビジネス・サービス)拠点数
ライアントの皆さまが直面する課題をとらえ、その課題
表するプロフェッショナル・ファームとして、一つ一つの
3
応えられるよう努めていきます 。そして、高品質なサー
ビスを提供することで、より良い社会の構築に少しでも
企業の競争力強化を
サポート
詳細は page 19
貢献したいと考えています 。
4
新規ビジネスの
創出を支援
人
EY アントレプレナー・
日本の未来を切り開く
起業家を応援
EY Japan の基盤
詳細は page 22
約
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
サポートする
部門の人員
拠点
EY Japan の取り組み
を解決するサ ービスを提供します 。私たちは日本を代
Quick to Know
2
課題に真摯に向き合い 、クライアントの皆さまの期待に
4,024
105
2,000
トップメッセージ
クライアントの課題解決と
さら な る成長を
サポ ートす ることが
私た ち の使命で す 。
日本の金融・資本市場の
発展に貢献
オブ・ザ・イヤー
( EY Entrepreneur Of The Year )
パブリック分野における
ガバナンス改革および
成長戦略の支援
詳細は page 25
1,143
PPP を含めた国・地方公共団体
などに対するサービスの契約数
page
13
年次報告書 2014
EY Japan の基本情報
5
件 より良い社会の構築を目指して
page
14
EY Japan の取り組み
トップメッセージ
監査品質のさらなる向上
私たちは、監査品質の向上を常に追求しています 。ステークホルダーの皆さまの監査に対する期待は資
本市場の発展とともに変化しています 。私たちはリーディング・ファームとして、社会からの期待の変化を
とらえ、時代の要請に合わせて品質管理システムを整備し、監査手続を強化しています 。
( 詳細 P.34 )
さまざまな開示制度の動向への対応
日本市場のさらなる発展のためには、日本企業の魅力を日本をはじめ、世界の投資家に知ってもらうこ
とが必要です 。EY Japan は、世界の最新の開示制度に関するサービスやナレッジを提供することにより、
Quick to Know
クライアントの皆さまが自社の魅力を投資家に広く伝えていくサポートをしていきたいと考えています 。
IFRS 導入支援サービス
政府の成長戦略では 、金融・資本市場活性化施策の一つとして「 IFRS(国際財務報告基準)の任意適用
企業の拡大促進」が取り上げられています 。EY Japan は 、日本の金融・資本市場の発展に貢献すること
を意図して 、さまざまな企業の皆さまに IFRS 導入支援サ ービスを提供しています 。IFRS 導入支援に当
たっては、これまでに会計監査などで培った知識に加え、EY のグロー バルネットワークを活用して高品質
なサービスを提供しています 。また、IFRS セミナーの開催、刊行物やメー ルマガジンの発行や IFRS アプ
1
日本の金融・資本市場の発展に貢献
EY Japan の取り組み
リなどにより、IFRS の最新情報を発信しています 。
持続可能な経営を支援( CCaSS )
企業は短期的な利潤追求のみならず、社会の課題解決にも貢献しながら、より長期的な経営と投資を実
践すべきという国際的な議論の高まりを背景に、グロー バル企業は CSR やサステナビリティを経営と統合
日本の金融・資本市場をアジアのナンバ ーワンに押し上げ 、海外からの投資を呼び込み 、
させた活動を展開しています 。
そ の地位を確立することは、日本の成長戦略の一つです 。
EY Japan の CCaSS( Climate Change and Sustainability Services )では、こうした経営の長期的な
価値創造、国際基準への準拠、グローバルな世論形成への関与や法を超えたリスクへの対応という視点で 、
せるという重要な社会的使命を担っており、その使命を果たしてきました 。監査業務を提
時代とともに変化するグローバル社会と企業の経営課題を支援しています。具体的には、非財務情報の保証、
供する新日本有限責任監査法人では 、最先端の監査手法や監査ツー ルを強化しつつ 、不
気候変動や人権などCSR(企業の社会的責任)
に関するマネジメント構築、統合報告やCSV( Creating Shared
正リスクへ の着実な対応を図るなど 、効果的かつ効率的に最高品質の監査を提供するこ
Value:共通価値の創造)に関するアドバイスなどを、グローバルな視野を取り入れながら行っています。
とによって、日本の金融・資本市場のさらなる信頼性向上や活性化に貢献していきます 。
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
EY Japan は、アシュアランス業務を提供することで、資本市場の信頼性を維持し向上さ
クロスボー ダー上場支援の取り組み
また、常に開示制度の動向を把握し、日本企業の魅力をアピー ルし、投資家から適正な評
世界の証券取引所に上場する日本企業が増加するなど、日本企業のグロー バル化が進む一方で、外国籍
価を受けられるようクライアントの皆さまの情報開示をサポートしていきます 。
企業も東京証券取引所に上場するなど、資本市場のクロスボーダー化の流れが一層加速しています 。2013
年度に設置したクロスボーダー上場支援室では、NASDAQ 、香港、シンガポー ル、台湾の海外資本市場の
を対象にアップデートセミナーを開催しています 。また、日本での上場を視野に入れている外国籍企業に
信頼の証としての監査の実績
日本の市場が世界で最も信頼されるマー ケットとなるためには、透明性の高い適正な財務報告に加え、
信頼性の高い監査が行われることが必要であると新日本有限責任監査法人は考えています 。監査によっ
てクライアントの皆さまの財務諸表の信頼性を高め 、ひいては日本の金融・資本市場の発展に貢献するこ
とを目指し、監査業務を提供してきました 。東証一部上場会社における監査業務提供会社数は全対象会社
の 30% 以上を占めています 。これは、私たちが積み上げてきた監査業務の品質に対するステークホルダー
の皆さまからの信頼の証であると確信しています 。
上場会社数
内訳
東証一部上場会社
札証、東証二部、名証、福証上場会社
新興市場(アンビシャス、マザーズ、JQS 、JQG 、セントレックス)上場会社
※ 6 月末上場会社数から「東証リート」、
「 ベンチャーファンド」を除く
page
15
年次報告書 2014
対しては、日本の資本市場を紹介する説明会を実施しています 。
海外企業の日本上場支援 ― 米国クライアントの東証上場 ―
2014 年2 月13 日、米国EY のクライアントであ
引 所 や 金 融 庁 に提 出 する書 類(Ⅰの 部 、目 論 見
るバイオベンチャー企業、アキュセラ・インク
(米
書 、届出書 、四半期報告書等)の国内規則への適
国)が、東証マザーズに単独上場しました。
外国企業の東証上場は 2007 年 11 月の米金融
(会社数)
915 社
536 社
141 社
238 社
合性や開示項目の網羅性 、さらに「 米国と日本に
おける会計原則及び会計慣行の主要な相違」に
大手シティグループ以来約 6 年ぶりで、米国企業
つ い て の 妥 当 性や 網 羅 性 等 の 検 討を行 いまし
の東証マザーズへの単独上場( IPO )は史上初で
た 。財務書類の開示や登録などについては米国
す( 2014 年 10 月末現在、東証に上場している外
と日本で ル ー ルが異なる点が多く、新日本有限
国企業は 12 社)。
責 任 監 査 法 人 の 監 査 チ ー ムとクロスボ ー ダ ー
アキュセラ・インクは 、米国で は EY が財務書
EY Japan の基本情報
監査業務提供会社数( 2014 年 6 月 30 日現在)
EY Japan の基盤
動向を 、最新の事例に基づき 、内外の証券会社・法律事務所・IPO コンサルタントなどと共催で 、日本企業
チー ムが 、米国の監査チー ムや JBS(ジャパン・
類を監査する独立監査人として担当し、日本にお
ビジネス・サービス)
と協力し、EY の総合力で対
いては、新日本有限責任監査法人が東京証券取
応しました 。
より良い社会の構築を目指して
page
16
EY Japan の取り組み
トップメッセージ
① JBS の海外拠点体制の強化
(アシュアランス、税務、
トランザクション・アドバイザリー、アドバイ
EY Japan の 4 つのサービスライン
ザリー )の中で特にニーズの高かった次の領域に新たに人財配置を行い、JBS 体制をさらに強化しました 。
・ 税務業務の専門家を配置 ̶ ロンドン、フランクフルト、シンガポー ル、ジャカルタ
・ 金融の専門家を配置 ̶ 上海、アムステルダム
・ 新興国における幅広いニーズに対応するために配置 ̶ ヤンゴン、ハノイ、プノンペン
② JBS の情報連携の強化
Quick to Know
海外拠点の JBS メンバーとの情報連携を深めるため、EY Japan の構成員を対象とする社内研究会や、
クライアントを対象としたセミナー などを開催しました 。
・ ロシアやメキシコなどに関するクライアント向けのビジネス・会 計・税 務など の アップデ ートセミナ ー
・ 海外駐在員による EY Japan 構成員向けの海外ビジネスセミナー
新興国への支援体制の強化
新興国の成長が加速する中、クライアントの海外展開支援を目的として 、新興国における情報発信を中心
に活動を進めてきました。2013 年度は、新興国ニュースレター やメールマガジンで最新のビジネス情報を
EY Japan の取り組み
発信するとともに、各国の税務、会計など投資のポイントを解説した国別の新興国ハンドブックを発行しました。
また、2013 年 9 月に駐日大使を招いて開催したインドネシアセミナーは1,000 人以上の応募があり、盛況で
2
した。2013 年 12 月には、アセアンの 2025 年までを予測した「アジアの未来 2014−2025[ ASEAN 編]」
日本企業の グロ ー バル化を支援
(日経 BP 社)
を発刊しました。
新興国コンサルティング室では 、アジアのみならず 、中南米やアフリカにも国別デスクを新設し、EY の
知見と人材の集約を図っています 。今後も各国の実情に通じた経験豊富な専門家が、EY のグロー バルネッ
日本企業のグロー バル化が急速に進む中で、現地では、言葉の壁や商習慣の違いなどの
トワークと一体となって、新興国で事業展開するクライアントの皆さまを総合的に支援します 。
課題が生じています 。EY Japan は日本企業が海外進出の際に抱える課題に対して 、豊
富な経験とEY のグロー バルネットワークを生かし、きめ細かな対応で支援していきます 。
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
移転価格税制への対応
日本の多くの企業が世界のさまざまな地域でビジネスを展開している昨今、各企業が移転価格ル ー ル
を守り、税務上・経営上のメリットを考えた移転価格戦略が不可欠とされています 。EY Japan の移転価
格チームは、専門性の高いスタッフを増員し、クライアントの事業戦略に沿った移転価格の方針とプロセス
EY のグロー バルネットワークの活用
EY は世界に約 19 万人からなるネットワークを有しています 。EY Japan ではこのネットワークを有効
の設計、文書化および事前確認取得、管理、税務調査に対応しています 。
に活用することにより、日々、グロー バル市場における最新のトレンドを把握しながらナレッジを蓄積して
おり、クライアントの皆さまの課題解決を支援する手法やツー ルを用いてサービスを提供しています 。
また、近年は大企業だけでなくさまざまな規模の企業が海外に進出しています 。EY Japan では、個々
きます 。
JBS(ジャパ ン・ビ ジ ネ ス・サ ー ビ ス)
のサポート体制
JBS( Japan Business Services )は 、日本企
業の海外展開をサポートする EY のグロー バルネッ
トワークです 。日本企業が海外で直面する課題の
日本語対応が可能なプロフェッショナルを460 人配
して います 。2013 年度は 、JBS の海外拠点体制
とそ の情報連携をさらに強化する取り組みを行い
105
87
86
89
アメリカズ 三木 拓人
しています。JBS の豊富な日本企業支援実績に
2013 年度に JBS を設置した EY ミャンマ ー事
務所では、ミャンマーに進出するさまざまな多国
レタリアル サ ービスを一 貫して 提 供 するほか 、
M&Aに関連したデューディリジェンスなどのサー
ビスやその他のアドバイザリー サービスを提供し
ています 。
2011年
7月
2012年
7月
2013年
7月
欧州・中東・インド・アフリカ 2014年
10月
アジア・パシフィック
現 地 の 有 力 大 手 総 合 会 計 事 務 所 UTW
Consulting Limited をメンバーファームに加え
たEYミャンマー事務所は、約60 人の人員を有し、
page
17
年次報告書 2014
かりやすくクライアントの皆さまにお伝えし、サ
ポートいたします。
籍企業に対し、会社設立、投資許可申請の支援か
30
ました 。
リソースを組み合わせ、多様化するニーズに対応
ら、その後の会計監査、税務アドバイザリー、セク
60
0
現地での長年の経験・知識と、EY のグローバルな
新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー
基づき、ミャンマー進出・投資に関する情報を、分
120
90
EY ミャンマー事務所 駐在
EY Japan の基本情報
解決をサポ ートするため 、高品質なサ ービス提供
を目指し、全世界 105 拠点( 2014 年 10 月現在)
に
JBS 拠点数推移
日本企業の海外進出を豊富な実績でサポート
EY Japan の基盤
のクライアントの皆さまの ニ ー ズに合わせたきめ細か い サ ービスを提供し、そ の成長をサポ ートして い
EY ミャンマー事務所開所式
より良い社会の構築を目指して
page
18
EY Japan の取り組み
トップメッセージ
カスタマーリレーションシップマネジメント
クライアントの顧客の評価、費用対効果を考慮したアプロー チなど 、最適なサ ービスの再定義を支援し
ます 。
人材・組織マネジメント
国内外の経営課題解決のため 、あるいは M&A 後のシナジー創出などのために 、ヒュー マンキャピタル
の戦略立案から人材マネジメントを総合的に支援します 。企業の海外拠点先における労務管理や人材マネ
ジメントの仕組みの設計を支援するほか、駐在に関する税務アドバイスも提供します 。
Quick to Know
ビジネスリスクマネジメント
在外子会社などへの内部統制の構築、業種や企業規模に応じたリスク管理体制の構築、先進的な内部監
査モデルの構築などを支援します 。
ITリスクマネジメント
IT システム投資の最適化、IT サービス管理レベルの最適化、情報セキュリティ管理態勢構築などを支援
します 。
3
企業の競争力強化を サポ ート
社会が加速度的に変化し複雑化していく中で、EY Japan は業務効率化やリスク管理の支
援を行うとともに、蓄積されたナレッジを積極的に発信・活用していくことにより、企業の
競争力強化をサポートしていきます 。
EY Japan の取り組み
〈サイバー セキュリティフォーラムの設立〉
EY Japan は 、2013 年 10 月、サイバ ー攻撃から企業を守るため 、大学およびセキュリティー事業の
一線に携わる有識者の方々と情報セキュリティリスクの課題に対応できる調査・研究を行い、情報を発信す
る組織として 、サイバ ー セキュリティフォーラムを設立しました 。2013 年度は 、有識者や EY の専門家と
ともにセミナーを開催するなど、企業のニーズに対応した情報を発信しました 。
M&A 支援サービス
業種事情に精通したプロフェッショナルが、M&A 戦略立案・実行・統合後の処理などを独立した立場から
業務効率化、リスク管理をサポート
EY Japan は多様な専門性により、国内・海外を問わずクライアントの皆さまが抱えるさまざまな経営
課題の解決のため、以下のようなサポートを行ってきました 。これからも業種別に蓄積されたナレッジや
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
総合的に支援します 。
事業再生・リストラクチャリングサービス
企業が抱えるさまざまな問題解決に向け、経営課題の抽出、事業戦略の構築や財務戦略の立案、事業計
画・資金計画の作成、さらに計画実行段階での実行プロジェクトの運営や経営管理体制の構築を含む経営
改革・経営改善のためのすべてのプロセスを支援しています 。
グロー バルネットワークを活用し、競争力強化のための サポートを充実していきます 。
不正対策・係争サポート
( FIDS )
(贈
FIDS( Fraud Invenstigation & Dispute Services )は、不正調査・不正対策・コンプライアンス
企業は、経営環境が変化する中 、複雑化する会計基準や開示規制の下 、ステークホルダーに適切な開示
収賄 、カルテル対応など)に特化したサ ービスを提供します 。元検事や元証券取引等監視委員会の検査
をしなければなりませ ん 。EY Japan は 、そ の過程で発生する会計上の課題の解決や会計プロセスおよ
官 、デジタル・フォレンジックス
(解析)やサイバ ー犯罪調査の専門家などを採用し、高い品質を維持する
び統制に関するサポ ート業務 、企業結合などによる財務報告支援 、グル ープ会社管理支援など 、クライア
ために EY の全世界共通の品質管理体制を導入するとともに、EY 独自の各種方法論について研修の徹底
ントニ ー ズに合ったサ ービスを提供しています 。2013 年度は 、IFRS 導入支援業務や海外企業の日本国
を図りました 。これにより、企業の粉飾案件の不正調査や贈収賄にかかわる米国司法省対応案件のサポー
内での決算サポートなどに多数携わりました 。
( FAAS:Financial Accounting Advisory Services )
トなどを多く受注しました 。また、2014 年度からは e-Discovery(電子証拠開示手続)
やカルテルのモニ
EY Japan の基盤
財務会計アドバイザリー( FAAS )
タリングなどの新サービスも提供していきます 。
業務プロセスの効率化
EY Japan の基本情報
在外子会社を含むグル ープ経営管理の高度化 、決算早期化などの経理・財務部門の効率的な業務運営
体制の構築を支援します 。
サプライチェーンマネジメント
戦略策定から IT システムを含む業務プロセス改革まで最適なサプライチェーンの構築を支援します 。
page
19
年次報告書 2014
より良い社会の構築を目指して
page
20
EY Japan の取り組み
トップメッセージ
ナレッジの発信
EY Japan には、各種プロフェッショナルサービスの提供 、日本独自の研究活動 、そして EY のグロー バ
ルネットワークを通じて、専門的なノウハウや質の高いナレッジが蓄積されています 。私たちは、これらの
ノウハウやナレッジを、ウェブサイト、セミナー、書籍、月刊誌の 4 つのチャネルで発信しています。2014 年
には、モバイルアプリ
「 EY ナレッジナビゲーター 」を新たに開発し、情報発信能力を高めました 。
今後もEY Japan は、クライアントが直面する問題を解決するナレッジを、適時適切に発信していきます 。
― ナレッジを発信する 4 チャネルとモバイルアプリ―
セミナー ※
年間多数のセミナーを国
内主要都市で開催
モバイルアプリ
「 EY ナレッジナビゲーター 」
モバイルデバイスからナレッジ
に手軽にアクセスできるアプリ
4
新規ビジネスの創出を支援
EY Japan は、日本経済の健全な発展に向けて新たな産業や新興企業の育成支援に積極
※これらは Facebook 、Twitter 、メー ルマガジンなどでも紹介しています 。
的に取り組んでいます 。
企業成長サポートセンターによる新規株式公開( IPO )支援や、起業家表彰制度により、数
催しました 。また 、EY 総研の調査研究の成果を
る諸課題の解決を支援するため、2013 年 9 月にベンチャー企業を支援する専門会社であ
るEY 新日本クリエーション株式会社を設立しました 。また、スタートアップ企業にCFO 人
9 月に EY 総合研究所株式会社( EY 総研)を設立
情報発信するための機関誌「 EY 総研インサイト」
しました 。EY 総研では、一流のエコノミストと各
の創刊や、
「 EY 総 研フォー ラム」を 開 催したほ
専門分野の第一人者である研究員が、EY の豊富
か、専門知識やビジネスナレッジの強化を目的と
農業 、医療 、クリーンエネルギ ー、インフラ輸出などの新たなビジネス分野においても 、
な経験とノウハウを活用し、幅広い情報発信(機
したEY Japan 構成員への情報提供・教育を行い
農林水産ビジネス推進支援センター などの専門部署を設置しており、新規産業の創出の
関誌の発行 、セミナー の開催など)および調査業
ました 。
支援を一層強化しています 。
EY 総研は 、今後も専門家の知見をさらに向上
させ 、クライアントの皆さまが抱えるさまざまな
2013 年度には、業種ごとの市場や技術に関す
課題をより高い次元で解決するための情報を提
るグロー バルなナレッジに、日本独自の視点を融
供し、ひいては、日本およびグロー バル経済・社
合させた情報を発信する各種セミナ ー を多数開
会の構築に貢献していきます 。
― EY 総研の活動内容 ―
情報発信
先進的知見の発信 、セミナー の開催など
材として公認会計士を派遣する取り組みも行っています 。
― 調査研究の成果を発信 ―
企業の成長過程に応じたプロフェッショナルサービス
創業期
事業計画・資本政策
策定支援
内部統制構築支援
機関誌
「 EY 総研インサイト」
年次報告書 2014
財務調査
組織再編支援
合併・買収後の
統合支援
EY Japan の基本情報
21
ショートレビュー
上場のための
アドバイザリー
会計監査
安定成長期
再生支援
I
P
O
(株式上場)
「 EY 総研フォーラム」
page
成長期
M
&
A
調査業務
パブリック機関 、事業会社からの調査受託
構成員へ の情報提供
セミナー などの開催
EY Japan の基盤
務(公的機関や事業会社からの調査受託)を行っ
ています 。
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
多くの起業家の輩出を促してきました 。さらに、経営者のパートナーとして創業期におけ
〈 EY 総合研究所〉
ナレッジ発信を強化する一環として 、2013 年
EY Japan の取り組み
書籍 ※
最新のトピックスやニーズ
に応じた書籍を約 40 タイ
トル発刊
(2014 年 6 月期)
月刊誌
「 情報センサー 」※
国内外の会計・監査・税務
情報、企業経営トピックなど
を掲載
Quick to Know
ウェブサイト
「 企業会計ナビ」※
企業会計に関する最新の
情報を発信
海外進出・海外上場
組織・業務改善
事業基礎の確立
決算早期化支援
中国・アジア事業支援
内部監査支援
アジア上場支援
企業・事業再生支援
より良い社会の構築を目指して
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22
EY Japan の取り組み
企業の成長過程においてはさまざまな課題や事象が発生します 。IT 技術の進化やグロー バル化など 、
企業を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中で、社内管理体制の整備や株式上場 、M&A などの成長のた
めのアクションまで、企業は各ステージに応じた対応が求められます 。
企業成長サポートセンター は、企業成長を支援するため、創業期の企業から IPO を志向する企業、新た
なる成長を目指す企業まで、そ の成長過程に応じたサービスを提供しています 。
トップメッセージ
EY Entrepreneur Of The Year
企業成長サポートセンター
EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー( EY Entrepreneur Of The Year )は 1986 年にEY が創設した
起業家表彰制度であり、世界 60 カ国 145 都市以上で実施されています 。日本のアントレプレナー を国際
舞台 EY World Entrepreneur Of The Year( 世界大会)
に輩出する唯一の制度として、EY Japan は、
2001 年から、EY Entrepreneur Of The Year Japan(日本大会)を開催しています 。
日本の未来を切り開く企業活動の奨励や、成功した起業家をロー ルモデルとして紹介することにより、新
しい価値や産業を創造し、雇用を生み出す起業
女性経営者ネットワーク
( WWN )
家の持続的輩出を支援しています 。
2013 年度の日本代表は 、株式会社クロスカ
トワークです 。2013 年度は、経営に必須の内容を学ぶセミナーを、株式会社日本政策投資銀行と共同で
ンパニー(岡山県)の代表取締役社長 石川康晴
開催しました 。2013 年 12 月 3 日の 1 周年記念イベントでは、
氏となりました 。選考は、各界有識者により構成
若手女性起業家のビジネスプランの発表を行い 、参加者から
された審査委員会(審査委員長:椎名武雄氏)
に
熱心な質問や意見・感想が寄せられました 。さらにウェブサイ
より、① 起業家精神、② 業績、③ 戦略性、④ 国
トでは、女性経営者向けに分かりやすく会計や管理の情報提供
際性、⑤ 革新性、⑥ 社会貢献などの 6 つの審査
を行っています 。また 、WWN では 、さまざまなイベントや事
基準に基づき実施されました 。
Quick to Know
Winning Women Network( WWN )は 、女性経営者と女性エグゼクティブをサポ ートするためのネッ
業にも協力・協賛をしています 。
企業経営の知識を提供し、女性ならではの視点を生かした新
(主催:米日カウンシル/在日米国商工会議所)
に協賛
たなビジネスの創造や企業成長をサポートしていきます 。
EY World Entrepreneur Of The Year に参加して
雇用創出への取り組み( JC )
日本代表として参加した世界大会( 2014 年 6 月、モナコ公国で
2013 年度より、雇用を創出した新興企業を表彰するプログ
開催)には 、個性豊か な起業家が集い 、そ の大半の方々 と交流し
ラムで ある Job Creation( JC )を実施して います 。
ました 。各国代表の起業家と直接語り合い 、彼らのスケー ルの大
新興企業の雇用創出効果は高く、雇用を通じて従業員個人が
きなビジネスモデルや事業にかける想いに触れられたことは収穫
さまざまな技術や知識 、経験を蓄積することが 、企業の成長の
また、日本大会や世界大会の審査を通じて、自社の優位性や課題
EY Japan は 、新興企業を率いるアントレプレナ ー を支援する
ていきたいと考えています 。
を整理することができ 、起業家としての自分を見つめ直す良い機
Job Creation( 2013 年 12 月)
産学連携への支援
EY Japan は社会のオープンイノベーションを推進するため、大学および研究機関の産学連携活動を支
2013 年度には、産業競争力強化法や改正研究開発力強化法の成立に伴い 、国立大学や公的研究機関の
一部がスタートアップ企業へ出資することが可能になりました 。EY Japan は 、ベンチャー キャピタル子
会社の設立支援や投資検討にかかわる各種デューデリジェンスを通じ、大学および研究機関の研究成果の
実用化を促す取り組みを行っています 。
株式会社クロスカンパニー 代表取締役社長 石川康晴氏
Strategic Growth Forum( SGF )に参加
SGF は、EY が主催する世界のトップクラスの経営者、
EY Japan の基盤
援しています 。
会となりました 。
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
でした 。
みならず、社会の中長期的な成長を支えていくと考えています 。
ことで 、日本経済を活性化させ 、より良い社会の構築につなげ
EY Entrepreneur Of The Year Japan( 2013 年 11 月)
「 Women Business in Summit 」
2014 年 5 月、
EY Japan の取り組み
WWN は、今後も女性経営者と女性エグゼクティブに必要な
政府関係者、オピニオンリーダー、投資家、市場関係者
などが参加し、新たなネットワークの構築や知識・経験
をシェアすることを目的としたイベントで、世界の成長
市場で事業展開をするグロー バル企業から好評を得て
います 。2014 年にはアジアで初めて上海で開催され、
EY Japan も参加し、日本からの参加企業や団体に有
意義な機会を提供することができました 。
EY Japan の基本情報
page
23
年次報告書 2014
より良い社会の構築を目指して
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24
EY Japan の取り組み
トップメッセージ
官民連携パートナーシップ
( PPP )のフロントランナーとしての取り組み
2013 年度、PPP( Public Private Partnership )
がいよいよ本格的に動き出し、政府は 2014 年 6 月
策定の「日本再興戦略」改訂 2014 にて 、向こう3 年
間で空港・上下水道・道路のコンセッション案件を19
件創出すると宣言しました 。
この 動 きの 最 先 端 を 行 く仙 台 空 港 案 件 で は 、
2014 年 6 月に事業運営を担う企業の募集要領が公
Quick to Know
表され 、EY Japan は 、この日本初の取り組み の政
府に対する総合アドバイザーを務めています 。
2014 年度以降も 、空港や上下水道などで続く案
件 が 、実 施 方 針 の 公 表 に 入 る 見 通 しで す 。EY
Japan では、このマーケットのフロントランナーとし
仙台空港 PPP プロジェクトメンバーと、
国土交通省、仙台空港事務所の皆さん
てこの動きに貢献していきます 。
EY Japan の取り組み
PPP を含めた国・地方公共団体などに対するサービス実績
EY Japan は 、PPP に関する専門組織を設置し、新関西(関西・伊丹)空港のほか 、仙台、広島、高
5
パブリック分野に お ける ガバナンス改革
お よ び成長戦略の支援
日本は、国および地方の債務残高が増大し財政状態が大きく悪化しています 。より円滑な
制が必要です 。EY Japan は 、国家の財政健全化を目途として 、政府に適切な財政規律
が働くような公会計に関する基準の見直しや各種ガバナンス制度の見直しを積極的に提
言するとともに 、企業会計的手法の導入による財政の透明化、新たな官民協働の枠組み
でいます 。2014 年 6 月期の PPP を含めた国・地方公共団体などに対するサービス契約件数は1,143
件となりました 。
地方公会計制度の導入支援
地方自治体では 、持続可能な行政運営のための複式簿記に基づく新しい地方公会計の導入が進められ
ています 。
新日本有限責任監査法人は、日本版 LOLF という
「 ICT を活用した予算・公会計・行政評価が三位一体で
機能する行政運営システム」の構築を支援しています 。日本版 LOLF は 、自治体が持つ膨大な資産や人的
資源データを会計的手法で整理し、可視化することで政策体系に基づく予算策定を可能とし、予算決算と
による監査強化など、これまで培ってきた経験を基に、行政運営の効率化に向けた支援を
活動を政策部局セグメンテーションごとに評価を行うことで 、透明性の高い行政運営を実現することがで
しています 。
きます 。新日本有限責任監査法人は、先進自治体の地方公会計への取り組みを多数支援してきた実績を基
また、財政健全化のためには、成長戦略に向けた取り組みも不可欠だと考えています 。具
体的には 、地域活性化支援のほか 、農林水産業分野における産業力の強化など 、政府が
特にこれまで「官」が行ってきたインフラ経営分野にコンセッションという新しい官民連携
のあり方を模索できる制度が導入され、イノベーション創出や効率的経営にチャレンジす
ることが可能になりました 。EY Japan は 、本分野の実務アドバイザリー のフロントラン
ナーとして取り組んでおり、今後も社会の先導的革新プロジェクトを積極的にサポートし
ていきます 。
に、真に必要とされる公会計モデルの仕組みづくりに貢献できるサービスを提供しています 。
農林水産ビジネス支援業務
EY Japan の基盤
取り組む新しい「国のかたち」の創造に積極的にかかわっています 。
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
経済運営のためには 、財政の透明性を確保し、第三者的立場からの規律と規範による牽
松、富士山静岡の 4 空港などの PPP 改革プロジェクトに参画するなど 、多くの先駆的案件に取り組ん
政府は、農業法人大規模化、全国農業協同組合中央会をはじめとした組合改革、企業の参入促進などの
多角的な政策の一環として、技術開発を軸にした成長戦略を推進しています 。
新日本有限責任監査法人は、2013 年 3 月に農林水産ビジネス支援センターを設置し、地区事務所のネット
ワークを生かし、EY Japan 各社と連携してサービスを提供しています 。
2013 年度は、農林水産省の成長戦略事業の一つである「農業界と経済界の連携による先端モデル農業
確立実証事業」を受託し、これまで農業界に参入していなかった企業と農業法人で組成した 16 のプロジェ
クトの進捗管理・補助金確認や、2014 年度以降に予定されている約 20 の新たな技術開発プロジェクトの
EY Japan の基本情報
組み立てを 、地区事務所と連携して行っています 。また 、2015 年に開催されるミラノ国際博覧会の日本
館の未来技術展示にも協力しています 。
スポーツ事業などへの取り組み
2014 年 3 月に設置されたスポーツ事業支援室は、EY とEY Japan の専門知識と人材を集約し、メガス
ポーツイベントや競技関連団体、各種団体が行っているスポーツ事業の運営を支援する各種アドバイザリー
サービスを提供しています 。
page
25
年次報告書 2014
より良い社会の構築を目指して
page
26
EY Japan の
プロフェッショナル・サ ー ビス
サービスライン
は、第一に、アシュアランス、税務、
トランザクション・ア
業種別セクター
これらの専門性は 、複数のプロフェッショナルが一体と
なってグロー バルネットワークを駆使することで 、さら
にその真価を発揮しています 。
詳細は page 32
アドバイザリー
詳細は page 33
地区拠点網
小売
金融 ―
銀行・証券
● アセットマネジメント
● 保険
電力・ガス
●
テクノロジー
メディア・エンター テインメ
ント
石油
鉱業・金属
商社
化学
テレコム
クリーンテック
ライフサイエンス
自動車
ヘルスケア
不動産・建設・ホスピタリティ
詳細は page 37
消費財
首都圏ブロック
東京、横浜、千葉、さいたま、那覇、名護※
北海道ブロック
札幌
東北ブロック
仙台、秋田、山形、福島、青森※
EY Japan の基盤
甲信越・北関東ブロック 新潟、長岡、長野、松本、高崎、甲府、水戸
東海・北陸ブロック
名古屋、岐阜、豊橋、浜松、静岡、富山、金沢、福井
関西・中四国ブロック 大阪、神戸、京都、広島、高松、松山
九州ブロック
(※連絡事務所)
EY Japan の基本情報
事務所
パブリック
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
セクター
年次報告書 2014
トランザクション・アドバイザリー
EY Japan の取り組み
との専門性であり、第二に、業種別の専門的知見です 。
27
詳細は page 31
サービスライン
ドバイザリー、アドバイザリーといったサービスラインご
page
税務
Quick to Know
私たちのプロフェッショナル・サ ービスを支えているの
4
19
37
詳細は page 29
トップメッセージ
私たちはクライアントの
課題に向き合い、
業種別専門性を備えた
グロー バルでシー ムレスな
総合的サービスを
提供し続けていきます 。
アシュアランス
福岡、宮崎、熊本※ 、鹿児島※
詳細は page 39
より良い社会の構築を目指して
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28
EY Japan の プロフェッショナル・サ ー ビス
サ ー ビスライン
アシュアランス
トップメッセージ
Assurance
主なサービス内容
保証業務(法定監査、任意監査、各種保証業務)
FAAS(財務会計アドバイザリー )
CCaSS(統合報告・環境報告に関するサポート、サステナビリティ情報の
提供など)
FIDS(不正調査および係争サポートなど)
Quick to Know
クライアントの視点に立った最高品質のクライアントサービス
( ECS:Exceptional Client Service )の提供
新日本有限責任監査法人は、監査業界のリーダーとして、資本市場の健全な発展と日本経済の成長に寄与す
「 品質」のさらなる向上を目指して
スを変革するための Audit transformation( AT )
というグ
おいて私たちが一番大切にしていることは、
「信頼と品質」に基づく最高品質のクライアントサービス
( ECS )
ロー バル規模の監査ツー ルなどの導入に取り組んでいます 。
EY Japan の取り組み
監査品質を維持・向上するため 、未来に向けて監査サ ービ
ることを社会的使命としています 。保証業務、FAAS 、CCaSS および FIDS からなるアシュアランス業務に
また、サービスの品質を継続的に向上させていくためには、
の提供です 。法令や規則を遵守することはいうまでもなく、クライアントの立場に立って考え、期待に応え、
常にクライアントの立場になって考えることが重要となります。
価値あるサービスを提供できるよう努めています 。
監査の経過や結果を報告する場合などでも、クライアントの視
点から、明快に伝えなければなりません。そして、自ら提供する
サービスの価値を把握し、それをしっかり伝えることも大切です。
新日本有限責任監査法人では、アシュアランス業務として、
4 つのサービスを提供しています 。
セクター(業種)に特化したサービス体制
企業活動がグロー バル化し、取り引きが複雑化してくると、
世界的な業界特性や、業界に固有の会計・監査に関するナレッ
保証業務においては 、監査品質の維持・向上に継続して注
ジがますます重要になってきます 。こうした動きに対応し、ク
力しています 。そして、新しい監査ツー ルの導入に取り組むな
ライアントのビジネスの視点に立ったサービスを提供できるよ
ど 、未来に向けて高品質な監査サ ービスを提供できるよう努
う、監査チ ームにおいてセクター(業種)
にフォーカスした人
めています 。
財がクライアントにサ ービスを提供する体制を整えていきま
す 。従来のジェネラリスト的な人財から 、今後は複数のセク
ターを担当できる専門性を身に付けた人財を育成し、クライア
、FIDS( Fraud Investigation & Dispute Services )
Services )
ントの期待にタイムリーに応えていきます 。
の 3 つのサービスがあります。
FAAS は、IFRS(国際財務報告基準)や米国会計基準などの
「信頼」のさらなる向上を目指して
最高品質のクライアントサ ービス
( ECS )を提供するために
アドバイスなどを行っています 。CCaSS は 、統合報告・環境
は、クライアントの話に耳を傾け、クライアントの立場になって
報告に関するサポ ート、サステナビリティ情報の提供などを
考えることが必要です 。そ のため 、セクター(業種)
にフォー
行って います 。FIDS は 、不正調査および係争サポートなど
カスしたサービス体制 、心ある業務の推進 、クライアントとの
の サ ービスを提供して います 。FAAS 、FIDS は 、企業の海
協働など、クライアントのニーズに対応する取り組みを行って
外展開や企業の不正に対する意識の高まりにより、2013 年
いきます 。
度は依頼が増加しました 。2014 年度は CCaSS も含め 、さ
イアントサービス
( ECS )
を実現していきます 。また、リーディ
ングファームとして、監査のみならず、さまざまなスキルを身
に付けた会計プロフェッショナルの育成に努め 、人財という基
盤を基に高品質なサービスを提供し、ひいては社会に貢献して
いきたいと考えています 。
Audit Transformation( AT )の導入
AT は 、監査サ ービスを 、ステ ークホルダ ー の ニ ー ズ
により合致したサービスへと変革することを目指してい
ます 。
次世代の監査ツー ル
( ATF:Audit tool of feature )
は、進捗管理やコミュニケーション機能なども追加され、
監査業務全体をマネジメントする監査業務の中心に据え
られるシステムです 。EY のツー ル開発プロジェクトに日
本から職員を派遣し、開発の段階から日本の環境に対応
EY Japan の基本情報
適用に関するサポ ート、特定事象に関する会計処理に関する
し、それらを活用していただくことによって 、最高品質のクラ
EY Japan の基盤
こ の ほ か に、FAAS( Financial Accounting Advisory
、CCaSS( Climate Change and Sustainability
Services )
EY Japan が提供するさまざまな価値をクライアントに紹介
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
4 つ の サービスを提供
できるよう積極的に関与しています 。
らに需要が あると見込ん で います 。
EY ジャパンエリア
アシュアランスリーダー
新日本有限責任監査法人
経営専務理事
大木 一也
page
29
年次報告書 2014
より良い社会の構築を目指して
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30
EY Japan の プロフェッショナル・サ ー ビス
税務
主なサービス内容
グロー バル・コンプライアンス・アンド・レポーティング
(コンプライアンスとリスク管理に関する税務支援)
ビジネスタックスサービス
(法人税務支援)
インター ナショナルタックスサービス
(国際税務支援)
TAS
トランザクション・
アドバイザリー
トランザクションタックスサービス
( M&A などに関連する税務支援)
主な サービス内容
M&A アドバイザリー
バリュエーション & ビジネス・モデリング
(バリュエーション関連業務)
不動産アドバイザリー
オペレーショナル・トランザクション・サービス
(経営統合支援など)
トランザクションサポート
(財務デュー デリジェンス)
インダイレクトタックス
(間接税関連支援)
リストラクチャリング
(事業の再構築支援)
Quick to Know
ヒュー マンキャピタル
(人事・組織に関する支援)
企業のグロー バル展開に伴う税務課題に応える
クライアントの事業変革をサポート
経済環境の変化を背景に、経営統合や海外での M&A などを検討する企業が増加しています 。EY Japan で
面することが増えています 。EY 税理士法人( EYTAX )は、税務のみならず、法務、
トランザクション・アドバ
は、各国の会計・法務・税務・規制に精通したプロフェッショナルが、クライアントの事業変革をさまざまな側
イザリー などのサービスラインと連携を図り、クライアントの税務課題などの解決をサポートしています 。
面からサポートしています 。
税務課題の解決を支援
事業価値の最大化 、リスクの最少化をサポート
ツー ル導入と人財の両面から品質向上に取り組む
日本企業のグロー バル展開に伴い 、リスク管理へ の関心が
EY Japan において、トランザクション業務を担うのが EYト
また 、これらの サ ービスの基盤となる拠点の充実にも取り
組み、西日本を中心に人員増強などを進めています 。
移転価格税制への対応や、海外での M&A 、税務報告の透明性
高まっています 。EYTAX では、EY が全世界で活用している
ランザクション・アドバイザリー・サービス株式会社( EYTAS )
に対する要求の高まりなど 、国内外の税務はますます複雑化
先進的な情報ツー ルを活用し、日本企業の海外子会社におけ
です 。企業の事業価値・投資価値の最大化および事業リスク
し、高度な専門知識が求められています 。こうした企業活動に
る税務リスク管理の一元化や見える化などのコンプライアン
の最少化を実現するために 、M&A における各プロセスの検
対応するには適切な税務管理が必要です 。EYTAX では、EY
スを高めるサービスを提供しています 。
討 、トランザクション実務、バリュエ ーションなどの業務を 、
が占める割合が年々高まっています 。EYTAS では、EY のグ
EY および EY Japan 各社と連携してグロー バルに展開して
ロー バルネットワークを活用するとともに 、各国の規制や商
います 。
習慣のみならず日本企業に精通したエキスパ ートがクライア
また 、セ ク ター(業 種)ごとの 専 門 性 を 高 めるため 、EY
Japan の他の サ ービスラインとの情報交換なども積極的に
ワンストップで全国均一なサービスを提供
れた人財の採用 、EY のグロー バルネットワークを生かした語
行っています 。さらに、高品質なサービスを提供するため、優
2013 年度の主な取り組みとして、EY 弁護士法人の設立が
学研修などの人財育成も継続的に行っています 。
日本企業の視点に立ったグロー バルな サポート
昨今の急速なグロー バル化により、クロスボーダー な案件
ントの視点に立ったサポートを提供しています 。
事業戦略立案から経営統合後までクライアントの
ニー ズに対応
また 、クライアントの皆さまにさらに高品質な サ ービスを
提供できるよう、EY Japan の他の サービスラインと連携し
近年、EYTAS では、デューデリジェンスやバリュエーション
プロフェッショナルが連携して取り組まなければならない局面
といったサ ービスの みならず 、そ の上流・下流に及ぶサ ービ
ロスボ ー ダ ー に活躍できる
が多く、EY Japan としてワンストップでサービスを提供でき
スに注力しています 。2013 年度に新設した CAS(コマーシャ
人財の育成強化にも取り
る体制が整いました 。クライアントのニーズに応じて、税務以
ル・アドバイザリー・サービス)もその一つで、より上流の事業
組ん で います 。
外のサービスも紹介できるようEY Japan 各社と連携してい
戦略立案などを支援しています 。2013 年度は、M&A におけ
きます 。
る資金調達に関連するサービス、M&A を成功に導くための経
また 、2014 年 5 月に福岡事務所を新設したほか 、エグゼク
営統合後のアドバイザリー業務であるOTS(オペレーショナル・
ティブクラスのパートナーを大阪事務所に異動させるなど、西
トランザクション・サービス)などにおいても体制を強化しまし
日本エリアでの活動に注力し、全国に均一なサ ービスの提供
た 。また、新日本有限責任監査法人と連携して、パブリック分
た研修 、EY の各国事務所で の実践的な研修の実施など 、ク
EY Japan の基盤
挙げられます 。近年 、税務課題の解決において税務と法務の
野のインフラ関連業務( PPP など)のアドバイザリー に多く携
EY Japan の基本情報
ができる体制を目指しました 。
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
のグロー バルネットワークを活用し、EY Japan 各社と連携し
て、クライアントが抱える税務課題の解決を支援しています 。
EY Japan の取り組み
国内外の税制はますます複雑化しており、日本企業がグロー バル展開を進めるに当たって税務的な課題に直
近年、企業活動のグローバル化や社会情勢の変化とともに、
トップメッセージ
Tax
わり、今後も需要の拡大が見込まれています 。財務デュー デ
リジェンスなどのトランザクションタックスに関する業務は 、
EY 税理士法人( EYTAX )と協働しながらサービスを提供して
EY ジャパンエリア
EY 税理士法人 統括代表社員
EYトランザクション・
アドバイザリー・サービス
株式会社
マネージングパートナー
網野 健司
ケネス G. スミス
タックスリーダー
page
31
年次報告書 2014
います 。
EY ジャパンエリア
TASリーダー
より良い社会の構築を目指して
page
32
EY Japan の プロフェッショナル・サ ー ビス
主なサービス内容
アドバイザリー
リスクアドバイザリー
EY Japan では、高品質なサービスを提供するため、各サービスラインで
トップメッセージ
Advisory
品質管理体制
品質管理体制を整備し、運用しています 。
戦略アドバイザリー
ファイナンス・トランスフォーメーション
サプライチェーン・マネジメント
( SCM )
カスタマー・リレーションシップ・マネジメント
( CRM )
人事・組織変革
Quick to Know
IT アドバイザリー
多様なアドバイザリー をワンストップで提供
2014 年 4 月に 、金融機関を対象としたアドバイザリー を専業とする EY フィナンシャル・サ ービス・アドバイ
EY Japan の取り組み
ザリー株式会社( EYFSA )
を設立したほか、人財活用に注力するなど、2013 年度は、クライアントの課題を
的確にサポートするサービス提供体制と人財へ の投資を行いました 。
EY Japan の 3 法人でサービスを提供
EY Japan では、新日本有限責任監査法人のアドバイザリー
部門、EY アドバイザリー株式会社( EYA )
と、EY フィナンシャ
ナリティクスサ ービス、アウトソーシングの課題に対応する
ソーシングアドバイザリー、サイバー セキュリティに関するア
ドバイサリー も提供していきます 。
アシュアランス業務の品質管理
アシュアランス業務を担う新日本有限責任監査法人は 、理事長が最終的な責任を負うことを「品質管理
規程」に明記しており、監査法人全体として品質管理システムを整備・運用する体制を取っています 。
ル・サービス・アドバイザリー株式会社( EYFSA )
の3 法人でア
クライアントの声をサービス提供に生かす
提供するサービスは、内部統制や内部監査、エンタープライ
EY Japan では 、お客様満足度調査を実施し、そ のフィー
ズ・リスク マ ネ ジ メント
( ERM )を 主 とするリスク サ ービ ス
ドバックを生かして 、クライアントの期待を超えるサービスの
( Risk )
、戦略アドバイザリー、ファイナンス・トランスフォーメー
提供を目指しています 。さらに、事例の研究や研修による人
財育成の ほか 、EY の海外事務所との人財の交流を行い 、プ
ロフェッショナルとしてのスキルやキャリアアップのトレー ニ
アドバイザリーなど多岐にわたる PI サービス
( Performance
ングを行っています 。また、クライアントや私たちを取り巻く
Improvement )、さらに、新設した EYFSA は、特に専門性が
多様性のある社会に対応していくことも高品質なサービスを
要求される金融業界に特化してアドバイザリー サ ービスを提
生み出すための土壌づくりになると考え 、D&I( ダイバ ー シ
供しています 。
ティ& インク ル ー シブ ネ ス)の
多様なアドバイザリー をワンストップで
活用して います 。
観 点 から 、多 様 な 人 財を
2013 年度は 、企業の課題解決のためのプロセス、組織変
アシュアランス業務の品質管理体制
契約の受嘱
審査
独立性等の遵守
業務の実施
品質管理レビュー
契約の受嘱
監査契約等の新規受嘱および更新に関する方針および手続きを定め 、契約受嘱に関する専門部署を設
置し、当該契約に係る利害関係および独立性を確認するとともに 、個々 の契約等のリスクに応じた受嘱審
査を実施しています 。
EY Japan の基盤
ション、サプライチェーン・マネジメント
( SCM )
、カスタマ ー・
リレーションシップ・マネジメント
( CRM )
、人事・組織変革、IT
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
ドバイザリー サービスを提供しています 。
審査
すべてのアシュアランス業務に係る監査計画から意見形成までの業務全般を対象として、業務遂行に直
接関与しない独立審査担当社員を任命し、第三者的な視点による審査を実施しています 。また、検討事項
革や IT 対応、リスクマネジメントなど、クライアントのさまざま
の重要性や業種の特殊性等に応じて 、本部審査会や専門審査会による合議制の審査の受審を義務付けて
な変革をサポートするアドバイザリー サービスをワンストップ
います 。
で提供する仕組みづくりを行いました 。名古屋 、札幌などの
独立性等の遵守
ドバイザリー人財の配置も行い 、クライアントの要望に応えら
独立性および職業倫理の遵守に関する方針および手続きを定め 、定期的に全構成員を対象とした利害
れるサービス体制を整えました 。今後もアジアパシフィックや
関係調査を実施して います 。また 、一定以上の職階者に対しては 、本人および家族が保有する株式など
新興国を中心としたサービス体制を強化していきます 。
また、クライアントを取り巻く環境の変化に速やかに対応し、
最近注目を集めるビッグデータの活用などに関するデータア
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33
年次報告書 2014
EY Japan の基本情報
地区事務所におけるアドバイザリー人員の強化のほか、シンガ
ポー ルにスタッフを常駐させるなど、EY の海外事務所へのア
EY ジャパンエリア アドバイザリーリーダー
EY アドバイザリー株式会社 代表取締役会長
加藤 節雄
のデー タベー スへの登録を義務付けるほか 、当該登録内容については弁護士などによる調査を実施して
います 。
なお、業務執行社員や独立審査担当社員については、公認会計士法等の規定をより厳格にしたローテー
ションルー ルを定め、適切に選任および交代を実施しています 。
より良い社会の構築を目指して
page
34
EY Japan の プロフェッショナル・サ ー ビス
わが国の監査の基準に準拠するとともに、EY のメソドロジーに整合する規程 、監査マニュアルおよび監
ASQ:グロー バルのサービス品質調査
実施年:2013 年
また、アシュアランス業務を遂行する社員・職員に対して、職業専門家として求められる項目に関する研修
3%
3%
などの解釈 、監査上の専門事項につ い ては 、そ れぞ れ専門の部署を設置して監査チ ー ムをサポ ートし、
象に、EY が全世界で実施している調査です 。
「貴社とチームとの間に緊密で有効な
2013 年の調査では、
関係を築いているか」という質問に対して全体の 87% から「非
常に満足」または「満足」という評価を得ました 。
7%
アシュアランス業務の品質の維持・向上を図っています 。
調査結果については、業務チームが即時に対応をするほか、
アシュアランス業務の品質をモニタリングするため、監査チー ムとは独立した第三者による品質管理レ
47 %
ビュー を毎年実施して います 。この品質管理レビュー では 、個別業務だけではなく法人レベル
(組織全
レビューも実施しています 。これらの品質管理レビュー の結果 、改善すべき事項を発見した場合には、速
やかに改善策を策定し、また 、適切にフォロー アップを行うことにより、継続的な品質管理の向上を図っ
非常に満足 満足 完全には満足していない
不明
全体の 87% から
「非常に満足」もしくは「満足」
との評価を得ました 。
EY Japan の取り組み
不満足 質向上に役立てていきます 。
87 %
体)を対象とするレビューを実施しています 。また、法人内のレビュー だけではなく、EY による品質管理
このような品質管理レビュー のレベルをより一層向上させる施策として 、予防的な事前レビュー も行っ
マネジメントでも分析結果を共有し、EY のサービス全般の品
Quick to Know
40 %
品質管理レビュー
て います 。
ASQ( Assessment of Service Quality:サ ービス品質
調査)は、海外でのサービス実績の高いクライアントなどを対
査支援ソフトウェアを整備・開発し、これらの規程などに準拠したアシュアランス業務を実施しています 。
コンテンツの開発および e ラー ニングの提供により、研鑽・啓発を行っています 。さらに、高度な会計基準
トップメッセージ
業務の実施
クライアント満足度調査( ASQ 、CS 調査 )
ています 。
税務、トランザクション・アドバイザリー、アドバイザリー業務の品質管理
CS 調査:国内の監査サービス品質調査
実施年:2013 年
とらえ、その問題意識を監査チームにフィードバックすること
税務 、トランザクション・アドバイザリー、アドバイザリー業務の各サ ービスについては 、EY のポリシー
により監査サービスの品質向上につなげるための調査です 。
〈監査役〉
第三者がモニタリングを実施する体制を構築するとともに、適切な専門家によるチーム編成を行い、業務
13%
担当者には専門技能の向上のための研修を徹底しています 。品質管理の運用状況については 、サ ービス
1%
13%
「監査役」の86% 、
「経理担当」の83%
2013 年の調査では、
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
に準拠した品質管理システムを構築しています 。また 、各サ ービスラインでは品質管理の責任者を置き 、
CS 調査(顧客満足度調査)は、監査クライアントのニーズを
から、
「非常に満足」または「満足」という評価を得ました 。
この結果を構成員の意識向上・啓発に活用し、サ ービス品
ラインごとに EY が主宰する品質管理レビューも実施しており、継続的な品質管理の向上を図っています 。
質の一層の向上に努めていきます 。
73%
〈経理担当〉
1%
16%
19%
EY Japan の基盤
80
% 以上
「監査役」
「経理担当」ともに
全体の約 80% 以上から「非常に満足」
もしくは「満足」との評価を得ました 。
EY Japan の基本情報
64%
非常に満足 満足 完全には満足していない
不満足・非常に不満足
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35
年次報告書 2014
より良い社会の構築を目指して
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36
EY Japan の プロフェッショナル・サ ー ビス
業種別セクタ ー
トップメッセージ
EY Japan は、プロフェッショナル・サービスの提供において最も大切である「信頼と
品質 」を高めるためには 、クライアントが属する業種の特性やクライアントの課題・
思いを理解しつつ 、業種に関する知見や経験を生かしてサ ービスを提供することが
ますます重要だと考えています 。
EY Japan は 19 の業種別セクター を設置し、EY のグロー バルセクター センター と
連携してナレッジ面のサポート体制を整備し、各業種別セクターの活動体制を強化し
グロー バル天然ガスセミナー
Quick to Know
ています 。また、ビジネス環境やクライアントのニーズに合わせて各セクターが連携
し、高品質なクライアントサービスを提供しています 。
業種にフォーカスしたレポート
政府の経済活性化策の恩恵は不動産市場にも及んでおり、さらなる需要拡大へ の期待感から 、不動産・
EY Japan の取り組み
不動産・建設・
ホスピタリティ
建設業界も活況を呈しています 。不動産・建設業界に対する監査・アドバイザリーなどにおいてトップクラ
スの実績を有する EY Japan は 、各種セミナ ー やエグゼクティブとのラウンドテーブルによる最新情報の
発信、EY のグロー バルネットワークによる海外進出支援など、クライアントの長期的な成長や課題解決に
向けたサービス品質の向上に努めています 。
ダイナミックに変動するエネルギ ー業界における石油・ガス資源へ の関心の高まりを受け 、EY Japan
消費財
消費財セクター では 、2014 年 4 月に東京で開催された世界的な消費財・流通企業の会員制フォーラム
The Consumer Goods Forum の Japan Day において 、急速なオムニチャネル時代の中でビジネスを
オイル・アンド・ガスセクタ ー では 、前年度に引き続き 2013 年度は 、国内外の EY グル ープ各社の豊富な
成功させる上での経営課題について提言を行い 、約 250 人の日本企業の経営者と活発な意見交換を行い
経験と知識を持つメンバーによる「グロー バル天然ガスセミナー 」を開催しました 。第 2 回セミナー( 2013
ました 。世界の消費財業界の動向を把握するグロー バル・コンシュー マープロダクツ・センターとのコラボ
年 11 月開催)では世界のコアエリアにおける資源開発の最新情報を、第 3 回セミナー( 2014 年 3 月開催)
レーションを通じた洞察を提供していきます 。
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
石油
電力・ガス
では化学や船舶などの業界がエネルギ ー業界の変動によって受けるさまざまな影響に関する情報を発信
しました 。
自動車
小売
自動車セクターでは、EY のグロー バル・オートモーティブ・センターや他業種セクターと連携し、業種を
小売セクター では、タイムリー に対応すべきテー マと業界の未来を眺望するテー マの両輪で情報提供を
実施しています 。具体的には、2014 年 4 月の消費税率の改定に伴い、消費税率引き上げが小売業に与える
影響と対策を会計 、税務 、システム、法務の各観点からまとめた一連の ニュー スレタ ー を発行しました 。
また 、デジタル化がもたらす小売業界への影響を扱った「デジタルリテー ル」、サステナビリティに対する米
による企業価値の創出に関するラウンドテーブルを開催しました 。また、海外事業の拡大・強化を推進する
国小売業界の動きを扱った「サステナビリティ」などのレポートを発行しています 。
EY Japan の基盤
またぐ市場の創出に取り組んでいます 。2014 年 6 月には、関連産業に属する企業を招き、テレマティクス
企業が抱える課題に対しては、EY のグロー バルネットワークを活用して業種特有の知見を生かし、その課
題解決をサポートしてきました 。
テクノロジー
テクノロジー、自動車 、メディア産業やライフサイエンスの各企業が連携を深め、モバイル 、ソーシャル、
クラウドやビッグデ ータといったテクノロジー の革新を活用することで 、社会や生活を大きく変えていま
金融
銀行・証券
アセットマネジメント
保険
す 。テクノロジー セクター では 、自動車 、テレコムや保険の各セクター とともに、テレマティクスに関する
金融業界では、グロー バル金融規制への対応、競争激化に伴うビジネスモデルの再構築、収益力拡大、ク
ライアントの海外進出への対応、リスク管理態勢の高度化、コンプライアンス強化、内部監査の高度化といっ
た多様な経営課題を抱えています 。私たちは 、これらの多様な経営課題へ の支援体制を強化するため 、
2014 年 4 月にEYフィナンシャル・サービス・アドバイザリー株式会社( EYFSA )を設立しました 。また、EY
のグロー バル金融部門との連携を一層深め、知見の提供あるいはクライアントのグロー バルビジネスの支
ラウンドテーブルを開催するなど、他業種セクター の持つ強みと組み合わせて情報発信をしています 。
援を拡大してきました 。さらに、規制当局や市場からの期待が高まっている金融機関の外部監査において
ライフサイエンス
EY Japan の基本情報
は、一層の品質向上に努めています 。
ライフサイエンス業界は、イノベーション、規制 、IT テクノロジーなどの動向により環境変化を続けてい
ます 。ライフサイエンスセクターは、専門誌の発行や各種セミナー の開催などにより、こうした変化に対し
て企業の進むべき指針を示してきました 。特に 2013 年度は 、業界内ベンチャー企業に着目し、ヘルスケ
ア・バイオベンチャーを対象としたカンファレンスの開催や、EY が協賛する日米ヘルスサイエンスダイアロ
グなどの業界イベントへ の参加などを通じて、業界内企業の支援に注力してきました 。
パブリック
EY Japan は 、日本のパブリックセクター における先駆者として 、多くの公的機関の会計監査や課題解
決に向けたさまざまな支援サービスを 30 年以上提供してきました 。
近年は、パブリック分野の構造改革や、ガバナンス改革に関する業務に注力しており、業務を通じて、日本
経済の発展に貢献していきたいと考えています 。特に民間資本を活用した官民連携パートナーシップ
( PPP )
による公共インフラの整備・更新などに関するアドバイザリー業務については 、EY Japan の政策、投資、
会計、税務、ファイナンスなどの専門知識と、海外での豊富な実績を持つ EY のノウハウを活用して支援し
ています 。
page
37
年次報告書 2014
ほか
より良い社会の構築を目指して
page
38
EY Japan の プロフェッショナル・サ ー ビス
地区拠点網
トップメッセージ
EY Japan は豊富なナレッジや幅広い実績を、地域経済を支えるクライアントの皆さ
まの課題解決の支援をすることで、日本経済の活性化に貢献したいと考えています 。
全国 37 の地区拠点を首都圏ブロックのほか、6 ブロックに集約し、企業再編、海外進
首都圏ブロック
出支援、ベンチャー サポート、パブリック分野へ のサービスなどを提供しています 。
東京、神奈川、千葉、埼玉、沖縄の事務所で構成する首都圏
Quick to Know
ブロックは、2013 年度に、圏央道エリアを横断的につなぐプロ
ジェクトを立ち上げ 、主に中堅企業やベンチャー企業の IPO 、
地域金融機関、パブリック分野に注力したサービス提供をして
います 。ブロック内の各事務所で培ってきた経験とノウハウを
集約し、一貫したサービスを提供いたします 。
地区ブロック
甲信越・北関東ブロックは 、独自の文化的背景を有し、発展
東海・北陸ブロックの 2013 年度の大きなイベントは 、名古
する新潟、長野、群馬、山梨、茨城にまたがる 7 つの事務所を
屋事務所を中心とした中部地区での EY Japan の 4 つのサービ
多くの企業や金融機関 、国公立大学 、学校法人 、公益法人、自
擁しています 。
スラインの活動を開始したことです 。監査業務に加え IPO 業務
治体などに幅広い サービスを提供しています 。
2013 年度は高品質なクライアントサ ービスを提供すべく、
関西・中四国
北海道
地域経済の専門家として地元企業・経済に貢献すべく、約
100 人の EY Japan の構成員が、本部事務所(東京)およびEY
の異動や大阪事務所の協力を得て強力に進め 、また 、パブリッ
Japan の各サービスラインと連携しながら、パブリック分野へ
クの分野でも大きな前進が見られました 。アドバイザリーとも
アントニーズに対応できるフルサービス体制への投資を行い、
のサービス、IPO サポート、海外進出支援、監査業務を提供し、
交流を進め、EY 税理士法人は同じビル内で活動をしています 。
クライアントの付加価値を向上する仕組みを構築しました 。
地域経済に貢献しています 。
北陸 3 事務所も一体運営が軌道に乗りました 。
2014 年度は、東海地区におけるブロック運営の基礎固めを
2014 年度は 、この成果をクライアントに提供し、北海道地
するとともに、非監査分野およびパブリック分野などで他の地
域の経済・文化の活性化に貢献します 。
区ブロックとの連携強化を進めていきます 。
東北
九州
および事業再生業務を 、本部事務所(東京)からのパ ートナ ー
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
EY Japan の専門チームとの連携強化など、さまざまなクライ
東海・北陸
東海・北陸ブロック
する北海道ブロックは、この地域で最大級の会計事務所として、
豊かな観光資源や食糧生産などで世界水準のブランドを有
(地区事務所 33 カ所 、連絡事務所 4 カ所)
EY Japan の取り組み
甲信越・北関東ブロック
北海道ブロック
甲信越・北関東
39
年次報告書 2014
九州ブロック
東北ブロックでは、仙台 、福島など5 つの事務所を展開し、約
関西・中四国ブロックは 、大阪事務所を中核とした活発な人
九州ブロックでは 、2013 年度、監査業務を中心に多方面に
70 人のプロフェッショナルが地域に密着したサービスを提供し
財異動により、ブロック内のクライアントへ多様なサ ービス提
わたる業務に取り組みました 。監査業務では、ニーズに応じた
ています 。
供を図ってきました 。アシュアランスの品質強化はもちろん 、
サ ービスの提供と、さらなる品質向上に努め 、非監査業務で
加速する人口減少という課題に直面する中で、従来からの監
企業のニーズに応じ、EY Japan の各サービスラインとの連携
は、IPO 、公会計支援、海外進出支援、再生事業などのサービ
査業務に加え、パブリック分野では、仙台空港民営化業務への
による効果的なサービス提供に注力してきました 。重点分野と
ス提供を、九州ブロックと本部事務所(東京)
やブロック間の協
働により実施しました 。
参画や、被災地の経営者のサポート、農業の 6 次産業化支援に
しては、新興国などへの海外進出支援、企業や病院などの事業
も力を入れています 。また、大学などへの講師派遣を通じて、
再生、海外グループ会社管理、社会インフラ整備を含めたパブ
地域を担う人財の育成にも寄与しています 。
リック分野、IPO 志向企業などへ のトータルサービスです 。
今後も、他の地区ブロックや EY Japan の各サービスライン
2014 年度も「信頼と品質」および地域経済へ の貢献を念頭
との連携を一層深め、地域の課題に合ったサービスをいち早く
に、本部事務所(東京)および近隣ブロックと連携し、さまざま
提供することにより、東北経済の活性化に貢献していきます 。
な分野でのサービス体制を強化していきます 。
EY Japan の基本情報
page
関西・中四国ブロック
EY Japan の基盤
東北ブロック
首都圏
2014 年度は、九州ブロックの特徴を生かし、本部事務所(東
京)
および他の地区ブロックやEY 税理士法人などのEY Japan
各社との協力を進め、より充実したサービスの提供を目指して
いきます 。
より良い社会の構築を目指して
page
40
EY Japan の基盤
人財
詳細は page 43
私たちは、高品質な
サービスを提供する
ための基盤を整え、
より良い社会の
構築を目指して、
次世代への貢献を
推進しています 。
トップメッセージ
グローバル人財の育成
女性活躍推進
Quick to Know
組織風土
詳細は page 49
品質なサ ービスを提供するために必要な基盤は「人財」
にあると考えています 。個人の能力を最大限に発揮でき
る場をつくるために、採用から育成、配置までを、積極的
かつ計画的に進めています 。組織風土が人を生かすとい
う考えから、コミュニケーションの活性化、現場力強化、
次世代への貢献のため、3E(教育・アントレプレナー・環
境)の観点からコミュニティ活動を推進しています 。
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
コンプライアンスの推進にも力を入れています 。また 、
コミュニケーション力強化
現場力強化
コンプライアンス
EY Japan の取り組み
日本を代表するプロフェッショナル・ファームとして 、高
コミュニティ活動
EY Japan の基盤
詳細は page 51
EY Japan の基本情報
3E 活動の推進
Education(教育)
Entrepreneur(アントレプレナー )
Environment(環境)
page
41
年次報告書 2014
より良い社会の構築を目指して
page
42
EY Japan の基盤
人財
トップメッセージ
Quick to Know
人を育てる
「育成」
人財開発のフレー ムワーク EYU
EY Japan では 、人財開発のフレームワーク EYU による体系的な人財育成を行っています 。 EYU
では 、能力開発の 70% は実務経験によるとして 、研修と上司からのコー チングを適時に提供しています 。
構成員は各自のカウンセラー と毎年キャリア目標や能力開発計画を策定し、その計画に従った実務経験や
適切な研修の受講によって、効果的に EY Japan の求める人財に向けて自らの成長を図っています 。全構
成員の業務経験の状況はキャリアデータベースとして構築されており、一人一人の成長を強力にサポート
最高の プロフェッショナルチ ー ムを つくる た め に
「人財」という言葉を用いています 。
EY Japan では、人こそが財産であると考え、
クライアントの皆さまの課題解決に貢献する最高のサービスを提供するためには、多様な
プロフェッショナルから最適な人財を集めたチームを組成することが鍵であり、チームを
プロフェッショナルを育てる研修制度
EY Japan では、一人一人の役割とキャリア目標に合わせて柔軟に組み立てることができる体系的な研
修カリキュラムを用意し、より広い視野でプロフェッショナル・サービスを提供できる人財を育成しています 。
EY Japan 各社の研修内容は相互に利用可能であり、昇格時研修は EY Japan 共通で実施しています 。
研修内容は、経済環境の変化や構成員の多様なニーズに応じて設定されており、職階別に求められる能力
を養うプログラムや 、分野別・専門別の専門性を高めるプログラムのほか 、コー チングやプレゼンテーショ
ンなどの人的スキルの育成研修、グロー バル人財育成研修、次世代リーダー の育成研修など、幅広く用意
活動を行い、幅広い研修制度や人員配置を通じて、構成員一人一人の専門能力を高め、知
しています 。
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
構成する個々 の人財の育成が重要です 。EY Japan では、求める人財を明確にした採用
識・経験の豊富な人財を育成・輩出しています 。
EY Japan の取り組み
しています 。
また 、最新の e ラー ニング環境を整備し、構成員がいつでも受講可能な環境を整備しています 。一方で
構成員の中から優秀な人財を「認定インストラクター 」として起用し、実務に即した研修を提供しています 。
EY Japan の求める人財は、誠実で相互に敬意を払いチームワークや信頼関係を大事にする人であると
同時に、情熱と勇気を持ってリーダーシップを発揮し、時代の変化に対応した創造性や物事の本質をとらえ
る洞察力を兼ね備えた人です 。
EY Japan では、サービスラインが協働して採用活動を行い 、定期採用のほか 、通年で事業にかかわる
さまざまな分野の専門家や経験者を採用しており、多様なバックグラウンドを持つ人財が活躍しています 。
プロフェッショナル・ファームへの就職を考えている学生に対しては、EY Japan をより良く理解していた
だくため、大学の就職担当窓口などを訪問して資料を配布し、やりがいのある仕事やキャリアアップ、職場
環境について説明しているほか 、一部の教育機関と連携して 、職場体験ができるインターンシッププログ
ラムを用意するとともに、オフィスツアーを実施しています 。
グロー バル人財の育成
EY Japan では 、語学力や海外生活の経験だけではなく、
日本と異なる価値観の受容力や環境適応力、グロー バルなビ
ジネスマインドを有する人財を育成するため 、EY の海外派遣
プログラムを通じた人財派遣や 、採用・研修、海外語学研修
年次報告書 2014
海外派遣人数
〈 GEP( Global Exchange Program )〉
GEP は 、EY のメンバ ーファームが職員を相互に受け入れ 、
現地の環境で業務に携わりながら実務的なプロフェッショナル
[単位:人]
2012 年
6 月末
2013 年
6 月末
2014 年
6 月末
駐在
71
70
72
GEP
13
7
7
海外派遣
※ 駐在期間は 3 年間 、GEP の派遣期間は 18 ∼ 24 カ月間(状況に応じて期間延長
あり)
より良い社会の構築を目指して
EY Japan の基本情報
43
人程度が海外に派遣されています 。
(約 1 カ月間)などのさまざまな施策を行っています 。
を育成するプログラムです 。一定の選考プロセスを経て、英語
page
力をはじめグロー バルで活躍するプロフェッショナルとしての
素養を備えた職員が選抜されます 。EY Japan から、毎年 10
EY Japan の基盤
人を惹き付ける
「採用」
page
44
EY Japan の基盤
EY Japan ではクライアントの皆さまのニ ー ズに常に応えられるよう、適材適所の人財配置を行ってい
ます 。また変化に向き合い 、新しい環境にチャレンジする人財の育成にも力を入れています 。
具体的には、多様なプロフェッショナルによる総合的なサービスの提供を強化するために、サービスライ
人をつなげる
「関係継続」
EY Japan では、退職した構成員と継続的なより良い関係を構築する取り組みを行っています 。多様な
トップメッセージ
人を生かす
「人財配置」
キャリアやネットワークを生かして各業界で活躍する OB・OG と各業界の動向や専門知識を共有し、お互い
のシナジー効果が生み出せるような関係づくりとして「 EY Japan Alumni(卒業生)」を 2013 年度に設立
ン間での異動や国内各拠点間の異動を行っているほか 、海外対応を強化するために 、JBS の海外拠点へ
しました 。EY Japan 出身者をメンバ ー として 、機関誌の発行、定期的な懇親会や研修会の開催、交流サ
の駐在や EY の海外事務所へ の出向などを行っています 。
イトの開設などの活動を展開しています 。
さらに 、専門的な知見や経験を生かして 、日本公認会計士協会や財務会計基準機構などの専門機関や 、
政府などの審議会・委員会へ積極的に委員として参加し、これらを通じて、日本の経済社会の発展にも貢献
しています 。
D&I
(ダイバーシティ&
外部機関への人財輩出状況( 2014 年 6 月末)
主な輩出先
日本公認会計士協会
一般企業
役職等
主な輩出先
委員
286*
役員
11
出向
を価値あるものとして受け入れ、人財を活用する風土の醸成を目指しています 。女性を含む多様な人財が
活躍できる環境の整備は、日本経済のグロー バル化の観点からも大切だと考えています 。
役職等
EY Japan では 、各部門から選任された委員で D&I 委員会を組成し、組織全体から意見を吸い上げ 、提
中央官公庁および関連団体
委員
34
地方公共団体および関連団体
委員
50
8
独立行政法人
委員
6
委員
7
学校法人
委員
5
出向
3
財団法人/社団法人
委員
30
委員
9
NPO
委員
4
出向
154
海外派遣
の前提となるのが D&I( ダイバーシティ& インクルーシブネス)です 。性別、国籍、年齢、専門性などの違い
74
案事項の実現をサポートしています 。
育児支援
EY Japan では、男女問わず家庭と職場を両立し、育児をしながらでも働き続けやすい職場を目指して、
EY Japan の取り組み
財務会計基準機構
[ 単位:人]
職場づくりを通じて優秀な人財を確保し、一人一人の能力を最大限に引き出すことが必要となります 。そ
Quick to Know
インクルーシブネス)
「最高の成果を上げるチ ーム」の構築を通じて 、クライアントの期待を超えるサ ービス
EY Japan では 、
を提供することにより、より良い社会の構築を目指しています 。そのためには 、多様性に満ちた魅力ある
業界に先駆けて各種支援制度の整備や意識改革に取り組んできました 。
新日本有限責任監査法人では、育児を支援する各種制度を整備しており、2013 年 10 月にくるみんマーク※
を取得しました 。
※くるみ んマーク… 子育て支援に積極的に取り組む企業として厚生労働大臣の認定を受けたことを表わす認定マーク
*2013 年 11 月時点
女性の活躍推進
女性の活躍推進により新たな発想や活発な議論が生まれ 、社会の多様なニ ー ズへ の柔軟な対応や 、業
close - up
一般企業へ の出向経験を生かして います
2010 年 7 月から2013 年 6 月までの 3 年間 、大手商社に出
People
「クライアント対応」と「 監査チームの運営」の視点から、出向
新日本有限責任監査法人の女性パートナー比率は、2008 年には 4.5% でしたが、2014 年 6 月には 6% に
上昇しました 。さらに 2020 年には 10% にするという目標を掲げています 。この目標達成に向けて 、人事
経験を構成員へ伝えています 。今後も、出向経験を生かして、
制度、研修、採用方針へ の反映など 、実効性のある仕組みの構築に組織全体で取り組んでいます 。また 、
ならず、
「監査人」として自社決算に対するいろいろな角度か
企業と監査法人の双方の視点を踏まえた監査の品質向上を目
目標達成に必要な管理職を育成するため、女性管理職の目標比率も設定しています 。
らのチェック能力が求められたことが刺激になりました 。
指していきたいと思います 。
向しました 。出向先の企業から、
「 会計士」としての知識のみ
監査法人帰任後は 、大手メーカー の監査を担当していま
的に理解できるようになり、クライアントとのコミュニケ ー
EY Japan の基盤
ジェンダー活動
出向前に比べて、企業全体が何を目標としているのか、企業
ションが 円 滑に なっ たと感じて い ます 。また 、帰 任 後 は 、
なお 、公認会計士試験合格者に占める女性の割合は 20% 前後ですが 、公認会計士を新規採用する際の
女性の割合もほぼ同等となっています 。
す 。企業の予算・決算のプロセスの中に身を置いたことで 、
の各担当者が組織内でどのような立場にいるのかをより具体
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
務の効率化といった効果が期待されます 。EY Japan では 、女性の自律的な成長を支援し、働き続けや
す い組織風土を醸成することを目指して います 。
D&I 委員会ジェンダー分科会は、女性が輝きながら働き続けることができるように、EY Japan に所属す
新日本有限責任監査法人
マネージャー
るすべての女性構成員のためのネットワーク
「 WindS 」と連携して、女性が活躍できる土壌づくりを進めて
飯田 圭一
います 。また、さまざまな支援制度の周知・利用促進活動を実施し、仕事と家庭の両立や、女性の管理職層
への登用・育成に向けた支援を行っています 。
EY Japan の基本情報
page
45
年次報告書 2014
より良い社会の構築を目指して
page
46
EY Japan の基盤
バ ル 化 などの ニ ー ズ に 対 応 するために 、外 国 人 構 成 員 や EY
WindS( Women’s Interactive Network for Dreams
Japan の 各 法 人 間 の 連 携を深めるための 活 動を行って います 。
2013 年度は 、異文化へ の理解を深めるため 、EY Japan の各法
人から参加者を募り交流会を開催するとともに 、外国人構成員へ
の定期的なインタビュー記事を紹介しています 。
close - up
WindS ̶ 女性が活躍するために
D&I 委員会クロスカルチャー分科会では、クライアントのグロー
ドイツ担当者を招いて日独の商習慣について議
論し、異文化への理解を深めました
障が い者の雇用や職場で の定着を促進さ せるため 、ハロ ー ワー クや各種支援施設と連携を強化して
い ます 。
人事・総務・経理などの本部業務 、監査事業部における事務業務 、応接室エリアにおける給茶業務 、メー
ル便などを扱う庶務業務 、マッサ ージル ー ムにおける理療業務など 、法人内の あらゆるところで自身の
特性に合ったフレキシブルな働き方を導入して います 。聴覚障が い者のための音声認識ソフトや要約筆
記の導入 、視覚障が い者のためのテキスト読み上げソフトの導入など情報を確保するための環境整備に
も力を入れており、また健康面のサポートとして 、産業医・看護師と情報を共有し、体調管理の徹底を図っ
ためのネットワーク組織です 。EY Japan のダイバーシティ
目標に向かう人を元気づけることをイメージしました 。
に活動を開始しました 。
テ ー マに沿った主な活動として 、女性構成員の ため のプ
レゼンテ ー ションスキル向上の ため の研修やリー ダ ー シッ
WindS は、経営執行部に対し、女性が働き続けるための環
プ研修 、意識改革を促す講演会の ほか 、早稲田大学寄付講
境整備のための各種施策の提案を積極的に行うとともに、成
座「ウー マンキャリアクリエイト講座」への講師派遣 、構成員
長を目指す女性構成員には多様な経験とチャンスを得ること
の子どもを対象とした「 子ども職場見学会 一日会計士にな
ができるように女性関連の施策推進をサポートし、男性構成
ろう!」などを実施して います 。
員には女 性 活 用 の 気 付きと理 解 の 場を提 供してきました 。
リーダー育成部会、ワークライフマネジメント部会、イベント
部会の 3 部会を中心に活動を展開しています 。
さらに 、より顔が見える身近なところで手厚い サポ ートを
していくために、部署ごとの活動である事業部 WindS の展開
EY Japan の取り組み
て います 。
「 Energize 」で
2014 年度のWindS の年間活動テーマは、
す 。これは、太陽のように周囲の人にエネルギーを吹き込み、
Quick to Know
障が い者の雇用促進
Diversity
and Success )は、EY Japan で働くすべての女性構成員の
戦略の一つであるジェンダー(性差)
に焦点を当て、2008 年
トップメッセージ
クロスカルチャー
にも注力しています 。
「女性が自分らしく、イキイキと
WindS が目指すゴールは、
階層別の男女および外国人(内数)の人数( 2014 年 6 月末)
[ 単位:人]
男性
外国人
(比率)
(新日本有限責任監査法人)
47
(6.6%)
19
(2.7%)
708
管理職
1,626
319
(16.4%)
49
(2.5%)
1,945
非管理職
2,954
1,552
(34.4%)
78
(1.7%)
4,506
総計
5,241
1,918
(26.8%)
146
(2.0%)
7,159
躍推進の追い風が吹いている中で、業界のリーディングカンパ
ニーとしての役割を果たしていきたいと思っています。
関口 依里
2014 年
6 月期
総計
661
[ 単位:人]
WindS 代表
新日本有限責任監査法人
シニアパートナー
複線型勤務制度(育児・介護)
202
(3)
育児
201
(3)
介護
1
(0)
ベビーシッター利用補助制度(のべ人数)
429
(52)
育児休業制度
139
(8)
介護休業制度
4
(1)
看護休業制度
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
パートナー・
プリンシパル
女性
(比率)
輝いて活躍している職場の実現」です。EY Japan は、女性活
多様な人財の活用を支える各種制度とそ の利用人数
706 (331)
EY Japan の基盤
( )内は男性の利用人数
EY Japan の基本情報
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47
年次報告書 2014
より良い社会の構築を目指して
page
48
EY Japan の基盤
組織風土
トップメッセージ
Quick to Know
現場力強化
私たちは、構成員一人一人が真のプロフェッショナルとして、業務を通じて自ら成長し社会に貢献できる
よう、現場力の強化に力を入れています 。特に、業務手続きが膨大になり複雑になっていく中で、ともする
と失われがちな人と人とのつながりを大事にしています 。
「信頼と品質」の構築に向けて、各構成員が自ら
の年度目標を具体的に設定することで、浸透を図っています 。
現場力強化に向けた取り組み
EY Japan の取り組み
現場力の強化に向けて部門や事務所またはエンゲ ージメントチ ームで行っている良い取り組み事例を 、
構成員間で共有し、チームコミュニケーションによって改善活動につなげています 。また、他部門と業務を
協調して円滑に進めることができるよう、部門を越えた相互理解を促すためのコミュニケ ーションも行っ
活気あ ふ れ る組織風土の醸成
ています 。部門においては 、自ら企画提案力を高めるためのコンペティションを開催するなど 、現場力を
強化しようというマインドが醸成されてきています 。
構成員一人一人が力を発揮し、チ ームが一丸となって最高のサ ービスを提供するために
は、理念を確実に浸透させ、健全な組織風土を醸成することが重要です 。
EY Japan では、コミュニケーションを大切にした風通しの良い職場づくりを進めるとと
コンプライアンス
もに、構成員間の意識共有、現場の強化活動、コンプライアンス活動などを中心とした取
EY Japan では、コンプライアンスを単なる法令遵守ではなく、社会からの期待や要請に応え、信頼を得
て持続的に成長していくための前提ととらえ、新日本有限責任監査法人のコンプライアンス委員会を中心
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
に、各部門が連携しながら、各種制度の整備や活動を行っています 。
り組みを行っています 。
新日本有限責任監査法人の取り組み
コンプライアンス委員会
コミュニケーション
EY Japan は本業を通じて社会に貢献したいと考えています 。そこで重視しているのは、現場でのクラ
イアントとのコミュニケーションや 、構成員間のコミュニケーションです 。コミュニケーションに基づき互
いに敬意を持って行動することで築かれた信頼関係の上にこそ 、高品質なサービスの提供が成り立つと考
向上につなげたいと考えています 。
パートナー間双方向コミュニケーション
EY Japan が一体となって業務を推進していくには、その中核となるパートナー間の信頼関係が必要に
なります 。そこで、パートナーが相互に理解を深め、意識を共有・共感する少人数単位での双方向コミュニ
ケーションの機会を設けています 。
本部事務所(東京)
と地区事務所の意識のギャップが生じないよう地区事務所で対話集会を実施していま
す 。業務へ の取り組み方 、人財育成の方法 、コミュニケーションの取り方などについてディスカッションを
行っています 。
地区事務所では、若手職員が率先して課題へ の取り組みを開始し、パートナー がこれをサポートする実
例も出てきており、こうした動きを広めていけるよう、地区事務所間の交流や地区事務所と本部事務所間
の交流を推進していきたいと考えています 。
page
49
年次報告書 2014
法令違反、不正行為などの防止および早期発見、自浄機能
の向上を通じた社会からの信頼を確保するため 、内部通報制
しています 。クライアントに対する監査サービス品質調査( CS
度を設けています 。また 、外部弁護士にも窓口を依頼するな
調査)や構成員調査( ES 調査)の結果も取り上げ 、各種施策に
ど、その実効性を確保しています 。
役立てています 。また 、当委員会が「行動指針」を設け 、構成
員一人一人が行動指針に沿った行動を取り続けることによって
インサイダー取引防止
社会からの信頼を得、社会へ貢献し続けていくことを目指して
インサイダー取引を防止し、また外部からも疑念を持たれる
います 。なお、コンプライアンス推進室は同委員会の事務局と
ことがないよう、株式取引に関する厳格な規定を設けて遵守し
して、各部門と連携して関連活動を展開しています 。
ています 。全構成員に株式取引の登録を義務付けるほか 、年
に 1 回、規則に違反していない旨の誓約書を提出させていま
研修制度や各種媒体を通じた啓発活動
入所時のコンプライアンス研修のほか、毎年、全構成員を対
象にディスカッションを中心とした研修を行い 、職業倫理や情
す 。一定数の構成員に対しては株式取引の有無について随時
モニタリングを行っています 。さらに、構成員の意識を高める
EY Japan の基本情報
地区事務所対話集会
理事長を委員長とするコンプライアンス委員会を月 1 回開催
し、外部弁護士が参加してコンプライアンス上の諸課題を議論
EY Japan の基盤
えています 。また、コミュニケーションによって得られたさまざまな気付きから意識改革を促し、現場力の
内部通報制度
ために効果的な研修や掲示も随時実施しています 。
報管理などのコンプライアンス上の課題について 、主体的に
考え 、相互に確認する機会を提供しています 。また 、イントラ
ネットで月 1 回配信するコンプライアンス通信や社内報・掲示
板での注意喚起など 、各種媒体を通じた啓発活動を継続的に
行っています 。
より良い社会の構築を目指して
page
50
EY Japan の基盤
コミュニティ活動
トップメッセージ
Quick to Know
次世代の た め のコミュニティ活動
教育
「 Building a better working world(より良い社会
EY Japan のコミュニティ活動は、
の構築を目指して)」という理念に従って行われています 。私たちはコミュニティを構成す
る一員である以上、高品質なサービスを提供するとともに、組織として、また構成員個人
が重要だと考えています 。
組織にとって最も重要なリソースは「人」であるという考えの下、将来を担う若い人財を育成する目的で、
さまざまな活動を教育活動として行っています 。
大学への寄付講座と講師の派遣
EY Japan では、各種業務の中で培った最先端のナレッジや経験を社会に還元するために、大学へ寄付
講座を設置するほか、多くの講師の派遣も実施しています 。今後も国内外問わず、将来の社会を担ってい
く人財の育成活動の機会を増やし、より良い社会の構築を目指していきます 。
2013 年度寄付講座の内容
大学名
東北財経大学
(中国・大連)
3E 活動
コミュニティ活動にはさまざまな種類が ありますが 、私たちは EY Japan の事業活動に深い かかわり
教育
page
51
年次報告書 2014
アントレプレナー
E nvironment
明治大学
会計・監査諸制度の最新動向
多岐にわたる公認会計士の
業務範囲
明治学院大学
経営学特講(会計実務入門)
環境
EY Japan の基本情報
会計学特殊講義
(経営学部企業連携講義)
会計・監査諸制度の最新動向
EY Japan の基盤
専修大学
また、EY Japan はこの「 3E 活動」の考えに添って、引き続き東日本大震災の復興支援活動を行い、被災
E ntrepreneur
中国人学生に対する日本語による
日本の会計・監査の講義
キャリアを続ける秘訣
∼資格を活かして
キャリアクリエイト∼
(ウー マンキャリア・クリエイト講座)
が あり、次 の 世 代 の 人 た ち へ 貢 献 す ること が で きる 、教 育( Education )、ア ント レ プ レ ナ ー
地の復興に向けた課題解決に向けてさまざまな取り組みを行っています 。
寄付講座のテー マ
早稲田大学
( Entrepreneur )、環境( Environment )の 3 つをテー マにした「 3E 活動 」に注力して います 。
E ducation
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
として、コミュニティに対して何ができ何をなすべきかを常に念頭に置いて行動すること
EY Japan の取り組み
Education
より良い社会の構築を目指して
page
52
EY Japan の基盤
トップメッセージ
キャリア大学
復興リー ダー会議
「キャリア大学」は、大学生向けにさまざまな業種や
EY Japan は、慶應義塾大学グロー バルセキュリティ研究所が被災地復興に携わるリーダー を支援する
企業の紹介を行うインターンシッププログラムで、大
ために立ち上げた「復興リーダー会議」を支援しています 。
手企業や団体約 50 社が参加し、官民を巻き込んだ一
被災地復興を担うさまざまな業界のリーダーが集まり、対話や議論を重ね、ネットワークを構築すること
大イベントとして大学生に好評です 。EY Japan は、
で復興支援や推進活動のモデルづくりを行い、被災地の復興につなげています 。
「すべての人が夢を持ってキャリア選択できる未来づ
くりに貢献する」というキャリア大学の使命に共感し、
2013 年より本プログラムに協賛しています 。
アントレプレナー
私たちの成長は社会や経済、企業の発展とともにあるという視点から、アントレプレナー活動として、起
業家の支援や女性の社会進出支援を行っています 。
( 詳細 P.24 )
Quick to Know
EY Japan の 講 義「『 企 業と共に歩 み 、あらゆる
Entrepreneur
ビ ジ ネ ス ニ ー ズ に 応 える』̶ Building a better
working world ̶ より良い社会の構築に向けて」には、約 50 人の学生が参加し、シミュレーションゲーム
形式のワークショップや交流会を通じて 、EY Japan の活動内容を体感するとともに 、アカウンティング
ファームに対する理解を深めていただきました 。
Environment
環境活動
また 、2014 年 10 月 3 日に開催された「キャリア大学アワード 2014 」で 、EY Japan はキャリア大学ア
人の成長や企業の成長の そもそもの前提として 、より良い自然環境が必要と考え環境活動に取り組ん
で います 。社会経済が持続可能な発展を遂げて いくためには 、持続可能なシステムを構築して いくこと
が必要です 。そ のような持続可能な社会を構築するために 、EY Japan は環境活動に継続して取り組ん
で います 。
ワード 2014 部門賞「 ベストキャリアデザイン賞」を受賞し、併せてキャリア大学アワード 2014「 総合グラ
ンプリ」ファイナリストにノミネートされました 。
東日本グリーン復興モニタリングプロジェクト
パンが実施する「東日本グリーン復興モニタリングプ
長期にわたる東日本大震災の被災地復興には 、地
ロジェクト」の調査補助ボランティア活動に2011 年か
元事情に精通した次世代リーダー が必要です 。公益
EY Japan の取り組み
EY Japan は、認定 NPO 法人アースウォッチ・ジャ
チャリティー・リレー マラソン
ら参加しています。
このプロジェクトは、津波の被害を受けた被災地の
グラムは、被災地の中学生が、自分たちの住む地域に
干潟や田んぼ、蝶の生態系などを調査し、東日本大震
自ら貢献し、さらにリーダーシップを学ぶ機会を提供
災が生態系にどのような影響を及ぼしたかを長期に
することを目的としています 。その象徴的イベントと
わたって分析しています 。自然との共生に対する意
して 2014 年 7 月にチャリティー・リレー マラソンが開
識を高め、市民の環境リテラシーを促進し、持続可能
催され、被災地と東京の中学生が 1 本のタスキをつな
な地域復興を目指しています 。
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
社団法人日本フィランソロピー協会が実施する本プロ
いで 、都内約 40km を走りました 。なお 、本イベント
で集まった寄付金は、被災地中学生が熟議して自ら活用方法を決定します 。
里山保全
EY Japan はこの活動を 2011 年から支援しており、チャリティー・リレー マラソンに特別協賛し、伴走者
特定 NPO 法人樹木・環境ネットワーク協会は、多摩丘陵(東京)の美しい里山と谷戸の復元と多様な生物
や運営ボランティアとして参加しました 。
相を復活するため、町田・三輪里山保全活動を実施しています 。
2013 年度は、環境保全活動に積極的に取り組んでいる企業を担当する EY Japan の構成員が、密集林
被災地の子どもたちへの教育支援活動
の間伐などの作業に参加しました 。今後も環境保全活動に継続して取り組んでいきます 。
地の中で特に被害が大きかった宮城県女川町と岩手
県大槌町に子どもたちのための放課後学校「コラボ・
スクー ル」を設立し学習指導と心のケアを行っていま
す 。EY Japan は 、被災地の子どもたちへ の教育支
援活動に共感し、寄付金支援を行っています 。
2013 年 11 月に大槌臨学舎新校舎が建設され、開
所式のボランティアにEY Japan 構成員が参加し、子
ショップを行いました 。また 、そ の一環として 、子どもたちの新日本有限責任監査法人の事務所見学も受
け入れました 。
東北未来創造イニシアティブ
EY Japan は、東北大学地域イノベーション研究セ
ンター と一般社団法人東北ニュービジネス協議会な
どが運営する「東北未来創造イニシアティブ」に参加
し、震災復興支援を行っています 。
「東北未来創造イニシアティブ」は、
「東北の東北の
手による東北再生、それを支える全国の民間有志」と
いうかたちで 、多くの企業や個人有志が集まり、
「人
EY Japan の基本情報
どもた ちに 自 分 の「これから」を 考 えさせるワーク
その他の活動
EY Japan の基盤
認定 NPO 法人カタリバでは 、東日本大震災の被災
材育成道場」、
「復興計画の具現化」、
「東北未来創造
会議」の 3 つを柱に活動を行っています 。
EY Japan からも構成員を送り、気仙沼、大船渡、釜石の若手経営者の一人一人に、伴走者として寄り添
いながら実践型の人材育成をする「人材育成道場」を支援しています 。また 、
「復興計画の具現化」におい
ては、地域メンター の一人として気仙沼の観光業の振興支援に貢献しています 。
page
53
年次報告書 2014
より良い社会の構築を目指して
page
54
EY Japan の基盤
運営体制
する各法人は 、それぞれにおいて経営執行体制を構築し運営するとともに 、各々 の
EY ジャパンエリア エグゼクティブ
トップメッセージ
EY Japan は、EY の日本におけるメンバーファームの総称です 。EY Japan を構成
独立性を遵守しながら連携を図っています 。また 、経営執行の透明性および経営執
行に対するモニタリング機能を確保し、EY Japan が全体としてプロフェッショナル・
ファームの総合力を発揮するために 、エリアエグゼクティブを選任し、毎月定期的に
会議を開催しています 。さらに、エリア運営に関するアドバイス機能として、エリアカ
英 公一
CFO
プランニングリーダー
タレントリーダー
リスクマネジメントリーダー
荒尾 泰則
坂本 満夫
渡邉 秀俊
持永 勇一
EY Japan の取り組み
中村 雅一
デュプティー・
マネージング・パートナー
Quick to Know
ウンシル
(評議会)
を設けています 。
マネージング・パートナー
EY Japan メンバ ー ファー ム
新日本有限責任監査法人
EY 税理士法人
ケネス G. スミス
TASリーダー
タックスリーダー
アドバイザリーリーダー
FSOリーダー
ストラテジーリーダー
アカウンツ/ BDリーダー
JBSリーダー
BMCリーダー
アドバイザリーカウンシル
EY Global Vice Chair
for Japan
網野 健司
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
EYトランザクション・アドバイザリー・サービス株式会社
大木 一也
アシュアランスリーダー
EY アドバイザリー株式会社
EY 新日本サステナビリティ株式会社
EY 新日本クリエーション株式会社
EYリアルエステートアドバイザーズ株式会社
EY 弁護士法人
加藤 節雄
松重 忠之
松村 直季
EY Japan の基盤
EY ソリューションズ株式会社
EY 総合研究所株式会社
EY ビジネスイニシアティブ株式会社
EY フィナンシャル・サービス・アドバイザリー株式会社
新日本パブリック・アフェアーズ株式会社
宗像 雄一郎
page
55
年次報告書 2014
松村 洋季
EY Japan の基本情報
原 勝彦
中谷 喜彦
ハーマン A.H. ハルスト
より良い社会の構築を目指して
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56
EY Japan の基盤
リスク管理体制
トップメッセージ
EY Japan は、各サービスラインだけではなく、サービスライン全体で一貫したリス
ク管理体制を構築しています 。また 、グロー バルにおける EY のリスク管理メンバ ー
と密接な情報交換を行い 、EY のグロー バルネットワークに影響を及ぼす問題が発生
した際、EY 全体で首尾一貫した一体的な対応ができる体制を構築しています 。
Quick to Know
新日本有限責任監査法人の情報セキュリティ体制
情報セキュリティ最高責任者
EY Japan の取り組み
リスク管理本部長 セキュリティ管理責任者
個人データ 管理責任者
ERM(全社的な
部/地区事務所
個人セキュリティ
責任者
部/地区事務所
個人データ 担当者
部/地区事務所
個人セキュリティ
担当者
情報システム部
業務関係諸部門
具体的には、EY Japan のトップマネジメントが陣頭指揮を執って ERM に取り組み 、組織運営における目
的達成を阻害する潜在的リスクを洗い出し、優先的に対応すべきリスクを評価しています 。各 ERM 担当者
は、当該リスクに基づいて組織横断的なリスク対応計画を策定し、定期的なモニタリングを実施することに
よって、適時 EY Japan のトップマネジメントにそ の状況を報告しています 。
情報セキュリティ
の確立
セキュリティ部
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
リスクマネジメント)
EY Japan は、さまざまなリスクに対応するため、全組織を挙げた ERM を推進しています 。
部/地区事務所
個人データ 責任者
新日本 有 限 責 任 監 査 法 人 全 構 成 員
EY Japan は、クライアントの機密情報を守る情報セキュリティは極めて重要であると認識しています 。
そのため、個人情報保護法をはじめとする関連法令や EY グロー バルポリシーを体系的に規程に盛り込み、
IT などのセキュリティ基盤を構築してセキュリティ責任者を置くことにより、情報セキュリティを組織的に
規程類の整備と共有
技術的取り組み
EY Japan は 、関連法令 、日本公認会計士協会
情報技術は 、情報セキュリティや個人情報保護
独立性の遵守
EY Japan は、独立性の保持をアシュアランス業務の遂行における重要な要素であると認識しています 。
このため、独立性の遵守に関する方針には、独立性に関する法令および倫理規則のほか、EY グロー バルポ
リシー に準拠した厳格なル ー ルを加味しています 。この方針に基づき 、監査クライアントへ の非監査業務
の自主規制ル ー ルである委員会報告 、EY グロー
の実現に不可欠です 。EY Japan は 、暗号化やワ
提供に関して監査責任者などによる事前承認を求め 、非監査業務を提供する一定以上の職階者に対し、事
バルポリシー などに準拠したルー ルを体系的に整
ンタイムパスワード、セキュリティプログラムの自
前の利害関係調査などを実施しています 。
備しており、これらの新設・改訂などが行われた際
動更新など、情報技術を積極的に活用し、セキュリ
には、速やかに関連する規程類を更新しています 。
ティ基盤を整備しています 。
EY Japan の基盤
遵守しています 。
構成員に対する独立性
・ 全構成員からの定期的な独立性確認書の徴求
セキュリティ監査
EY Japan の基本情報
人的取り組み
・ マネ ージャー以上の構成員およびそ の家族が保有する有価証券銘柄につ い てデ ー タベ ー スへ の登録
義務化
情報セキュリティや個人情報の管理は 、IT を含
情 報 セ キュリ ティの 運 用 状 況 につ い て 、EY
む外部環境に大きく影響されるため 、最新情報を
Japan は 、内部監査およびモニタリングを継続的
・保証業務クライアントからの借入などの事前承認
全構成員で共有することが重要です 。EY Japan
に行っています 。また、EY グロー バルポリシー に
・ 外部役員・委員等就任の事前承認
は、必要な情報を構成員に適時に周知し、年次研修
準拠したセルフチェックに加え、EY によるセキュリ
・ 弁護士などによる個人財産の状況調査
などによって徹底しています 。
ティ監査を定期的に受けています 。
組織に対する独立性
・クライアントからの調達取引や共同投資およびアライアンスなどのビジネス上の関係などの事前承認
・ 定期的な財務データの分析・モニター
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年次報告書 2014
より良い社会の構築を目指して
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58
EY Japan の基盤
EY Japan の基本情報
新日本有限責任監査法人の ガバナンス体制
れる経営会議を設置しています 。これらの機関決定に基づく経営
執行は 、経営執行役員(理事長 、副理事長 、経営専務理事および
社会からの信頼を確保するために 、経営執行の透明性と経営執
常務理事)が担います 。
行に対するモニタリングに重点を置く独自のガバナンス体制を構
また、経営執行に対するモニタリング機関としては、
(社員総会
築しています 。
において社員の中から選出された)評議員によって構成される社
経営執行機関としては 、全社員による社員総会と、
(社員総会
員評議会と、そ の内部に監査委員会を設けています 。
EY
EY の売上高と人員数の推移
[ 単位:千人]
40,000
において社員の中から選出された)経営執行役員によって構成さ
社員総会
21,255
22,880
24,420
188
200
27,369
150
175
25,829
100
10,000
50
0
0
人員
売上高
アメリカズ
58 千人
11,542
欧州・中東・インド・アフリカ
91 千人
11,780
アジア・パシフィック
32 千人
2,949
7 千人
1,098
188 千人
27,369
日本
経営会議
社員評議会
コンプライアンス委員会
理事長
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
6月期 6月期 6月期 6月期 6月期
売上高 監査委員会
理事長室
経営管理室
EY Japan の取り組み
EY Japan
コンプライアンス推進室
副理事長
EY Japan の売上高と人員数の推移
PCM 室
[ 単位:百万円]
海外企画室
[ 単位:人]
115,000
コーポレートカルチャー推進室
8,000
7,252
110,000
105,000
6,531 6,613
7,159
6,769
107,438
105,462
第Ⅰ監 査 事 業 部
第Ⅱ監 査 事 業 部
第Ⅲ監 査 事 業 部
戦 略マ ー ケッツ事 業 部
首 都 圏 ブロック
北 海 道 ブロック
東 北 ブロック
100,000
5,000
∼
∼
0
6,000
∼
∼
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
6月期 6月期 6月期 6月期 6月期
売上高 0
人員数
EY Japan の基盤
甲 信 越・北 関 東 ブロック
東 海・北 陸 ブロック
関 西・中 四 国 ブロック
九 州 ブロック
金融事業部
アカウンティング
ソリュー ション事 業 部
アドバイ ザリ ー 事 業 部
品質管理本部
リス ク 管 理 本 部
人財開発本部
財務管理本部
企 画マ ー ケッツ本 部
本部
ナレッジ本 部
103,570
102,670
101,918
7,000
EY Japan の
プロフェッショナル・サービス
クライアントサービス本部
B
M
C
合 計
人員数
[単位:百万米ドル]
Quick to Know
20,000
167
152
141
30,000
法人組織図
EY のエリア別人員数と売上高(2014 年 6 月期)
[ 単位:百万米ドル]
トップメッセージ
新日本有限責任監査法人は、公認会計士法に基づく有限責任監
査法人です 。パートナーシップ制の特性を踏まえながらも、特に、
新日本有限責任監査法人
経営執行機関とモニタリング機関
経営執行機関
全社員により構成され、経営に関する重要な事項を審議決定する機関(毎年 8 月に定時開催)
経営会議
社員総会において社員の中から選出された経営執行役員により構成され、経営に関する意思決定を行う機関
立
資 本 金
913 百万円
事 務 所
主たる事務所
東京都千代田区内幸町二丁目 2 番 3 号
日比谷国際ビル
TEL 03( 3503 )1100(代表)
国内事務所 37 事務所
海外駐在事務所 42 事務所
(原則 、月 1 回開催)
モニタリング機関
社員評議会
経営執行役員とは異なる社員により構成され、経営執行に対するモニタリング機能を担う機関(原則 、年 4 回開催)
内部に監査委員会を設置
監査委員会
経営執行役員の職務の執行の法令等への準拠性、会計監査人の監査等の相当性を監査し、社員評議会に報告する機関
2000 年 4 月 1 日
人員構成
公認会計士 3,506 人
公認会計士試験合格者等 959 人
その他 1,536 人
合 計 6,001 人(非常勤除く)
沿 革
設立 1967.01
設立 1969.12
監査法人太田哲三事務所
昭和監査法人
上記 2 法人の合併
1985.10
太田昭和監査法人
EY Japan の基本情報
社員総会
設
設立 1986.01
センチュリー監査法人
2000 年 4 月 監査法人太田昭和センチュリー
2001 年 7 月 新日本監査法人に名称変更
2008 年 7 月 新日本有限責任監査法人となる
( 2014 年 9 月 30 日現在)
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年次報告書 2014
より良い社会の構築を目指して
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EY Japan 各法人
新日本有限責任監査法人
〒100-0011 東京都千代田区内幸町二丁目 2 番 3 号 日比谷国際ビル
www.shinnihon.or.jp
EY 税理士法人
〒100-6032 東京都千代田区霞が関三丁目 2 番 5 号 霞が関ビルディング 32F
www.eytax.jp
EYトランザクション・アドバイザリー・サービス株式会社
〒100-6027 東京都千代田区霞が関三丁目 2 番 5 号 霞が関ビルディング 27F
www.eytas.co.jp
EY アドバイザリー株式会社
〒100-6029 東京都千代田区霞が関三丁目 2 番 5 号 霞が関ビルディング 29F
www.eyadvisory.co.jp
EY 新日本サステナビリティ株式会社
〒100-0011 東京都千代田区内幸町二丁目 2 番 3 号 日比谷国際ビル 8F
sustainability.shinnihon.or.jp
EY 新日本クリエーション株式会社
〒100-6033 東京都千代田区霞が関三丁目 2 番 5 号 霞が関ビルディング 33F
eyc.shinnihon.or.jp
EYリアルエステートアドバイザー ズ株式会社
編集方針
〒100-6032 東京都千代田区霞が関三丁目 2 番 5 号 霞が関ビルディング 32F
EY 弁護士法人
〒100-6032 東京都千代田区霞が関三丁目 2 番 5 号 霞が関ビルディング 32F
www.eyjapan.jp
EY ソリューションズ株式会社
〒100-6028 東京都千代田区霞が関三丁目 2 番 5 号 霞が関ビルディング 28F
www.eysolutions.co.jp
EY 総合研究所株式会社
〒100-6031 東京都千代田区霞が関三丁目 2 番 5 号 霞が関ビルディング 31F
eyi.eyjapan.jp
EY ビジネスイニシアティブ株式会社
年次報告書 2014 について
EY Japan は、より良い社会の構築を目指して、さまざまな取り組み
を行っています 。
私たちは 、ステークホルダ ー の皆さまにこれまでの取り組みをご報
告するとともに 、私たちがこれからどこへ向かおうとしているのかを
お伝えするため、この年次報告書を作成しています 。
報告対象組織
EY Japan( EY Japan を構成する各法人は P.55 および P.61 をご参
照ください)
報告対象期間
2013 年 7 月 1 日∼ 2014 年 6 月 30 日
一部報告対象期間外の内容も含みます 。
発行月
〒100-0011 東京都千代田区内幸町二丁目 2 番 3 号 日比谷国際ビル 4F
2014 年 11 月
EY フィナンシャル・サービス・アドバイザリー株式会社
お問い合わせ窓口
新日本有限責任監査法人 広報室
電話:03( 3503 )3447
www.eyjapan.jp
〒100-0011 東京都千代田区内幸町二丁目 2 番 3 号 日比谷国際ビル 20F
www.shinnihon.or.jp/eyfsa/
新日本パブリック・アフェアー ズ株式会社
〒100-6033 東京都千代田区霞が関三丁目 2 番 5 号 霞が関ビルディング 33F
www.snpa.jp
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61
年次報告書 2014
用語の定義
・構成員:EY Japan の社員・役員および職員(従業員)
を指します。
・社 員:新日本有限責任監査法人において 、法人に出資し、業務を執
行する権利を有するほか 、法人の意思決定に関与する者を指
します 。登用年数や保有資格によりパートナー、シニアパート
ナー、プリンシパル、シニアプリンシパルに分かれています 。
・職 員:構成員から社員・役員を除いた従業員を指します。