920MHz帯無線モジュール の基本構造

第1部
第
3章
標準通信プロトコル・スタック対応
920MHz 帯無線モジュール
の基本構造
鈴木 信幸,大内 洋,福島 英人
表 1 無線モジュールの主な仕様
アンテナ用コネクタ
項 目
RF チップやマイコンがシールドされている
写真 1 通信部分は無線モジュールにおまかせ
920MHz の無線モジュールは,ハードウェアと通信
部分のソフトウェアがセットになり,電波法の認証を
取得し た 形 で 入 手 で き ま す. こ の よ う な 便 利 な モ
ジュールが増えてきたので,920MHz 帯無線が最近使
われ始めてきた,といえるかもしれません.
それでは920MHz帯無線モジュールのハードウェア
とソフトウェアについて具体的に見ていきましょう.
例としてあげるのはTPWM09M2( テレパワー)です.
外観を写真1に,仕様を表1に示します.
920MHz
無線
モジュール
加速度,ジャイロ,
温湿度など
マイコン
シリアル
無線の変復調回路や通信用
ファームウェア内蔵
センサ
UART
I2C
SPI
図 1 基本は無線モジュール+マイコン+センサ
30
TPWM092M2
周波数
920MHz 帯
空中線電力
20mW 以下
通信レート
50kbps
外形寸法
20 × 35.5mm
動作電圧
DC2.7 ~ 3.3V
アンテナ
チップ,U.FL
適合規格
ARIB STD-T108
● 基本の使い方…無線モジュール+マイコン+
センサ
図 1 に 920MHz 無線モジュールを使うときの構成を
示します.無線モジュールのほかにホスト・マイコ
ン,センサと接続するのが基本です.ホスト・マイコ
ンから無線モジュールを制御します.
920MHz 無線モジュールの
ハードウェア
モジュールの制御やデータ変換,
アナログ・データの取り込みなど
仕 様
型名
● 無線モジュールの中身は RF チップとマイコン
市販されている無線モジュールの構成を図 2 に示し
ます.RF チップを通信用のマイコンで制御します.
このマイコンの通信ファームウェアはモジュール・
メーカが用意しています.ユーザは,通信部分の回路
とファームウェアはモジュールにまかせて,アプリ
920MHz無線モジュール TPWM09M2(テレパワー)
外部
アンテナ
端子
40MHz
RFチップ
CC1200
(テキサス・
インスツルメンツ)
変調回路部
通信用ファーム
ウェアが書き
込まれている
32.768kHz
マイコン
MSP430
(テキサス・
インスツルメンツ)
レギュレータIC
UART
3.3V
電源回路
図 2 無線モジュール内のマイコンは通信用
市販品の中にはユーザ・プログラムを内蔵マイコンに書き込めるものも
ある
2015 年 1 月号