要旨 - 総務省

平成 27 年2月5日
9割の施設に食物アレルギー児が在籍し、5割の保育所で事故発生
総務省中部管区行政評価局及び富山行政評価事務所は、初めて、乳幼児の食物アレルギー対策について実態調
査を実施
○
調査した施設の約9割に食物アレルギー児が在籍し、保育所の約5割で配膳ミス等の事故が発生
○
各施設では、調理時・配膳時におけるダブルチェック、食器・トレーの色を変えるなどの事故防止対策を採
っているものの、人手が手薄な土曜日に配膳ミス等の事故が発生
○
国のガイドラインについて、私立幼稚園の約5割は知らず、約7割で食物アレルギーに関する研修が未実施
本実態調査の結果が、各方面において、今後の食物アレルギー対策の促進に参考となることを期待
〔照会先〕
総務省 中部管区行政評価局
第二部第2評価監視官室
評価監視官 森野 高司
電 話:052-957-2952
富山行政評価事務所
評価監視官 加藤 雄一
電 話:076-432-6347
※
食物アレルギー児用の代替食
アドレナリン自己注射
薬の練習用トレーナー
結果報告書は、中部管区行政評価局ホームページに掲載
(http://www.soumu.go.jp/kanku/chubu/menu_11.html)
調査の背景
・ 乳幼児は、保育所や幼稚園のほか、認可外保育施設など多様な施設に入所(園)しているが、それら
施設における食物アレルギー対策の実態は必ずしも明らかではない。
・
中部地方において、小学生及び幼稚園児が給食による食物アレルギーで救急搬送される事故が発生
調査の対象
・愛知県、富山県(教育委員会を含む。
)、8市(教育委員会を含む。)
・8市に所在する公立保育所、私立保育所、認可外保育施設、公立幼稚園、私立幼稚園 (484 施設)
・食物アレルギーを有する乳幼児の保護者
主な調査結果
1
保育所、幼稚園等の約9割に食物アレルギー児が在籍
2 保育所の約5割で給食の配膳ミス等の事故が発生
事故防止対策が採られているものの、配膳ミス等の事故が発生
3 私立幼稚園の約5割が、国が示した食物アレルギー対応に係るガイドラインを知らない
また、約7割は食物アレルギーに関する研修を未実施(認可外保育施設は約6割)
4
食物アレルギー児がいる施設のうち、エピペンⓇ(※)処方児のいる施設は約2割
エピペンⓇ処方児のいる施設のうち、約2割の施設が緊急時に備えた訓練を未実施
※ P3(注 3)参照
- 1 -
1
保育所等における食物アレルギー児数の状況
(結果報告書 P25~26)
◆
食物アレルギー児の割合は、5.2%(平成 26 年5月1日現在、2,656/50,630 人。473 施設(有効回答))
この割合は、全国調査結果(平成 21 年、4.9%)より 0.3 ポイント高くなっている 。
◆
約9割 (414/473)の施設に 食物アレルギー児 が在籍。うち約2割 (77/414)の施設に エピペンⓇ処方児
○
園児、食物アレルギー児の人数及び割合
区 分
0歳児
(単位:人、%)
1歳児
2歳児
3歳児
4歳児
5歳児
合
計
1,448
4,974
6,417
12,198
12,720
12,873
50,630
食物アレルギー児数 B
103
494
446
669
524
420
2,656
食物アレルギー児の割合(B/A)
7.1
9.9
7.0
5.5
4.1
3.3
5.2
(参考)平成 21 年全国調査結果
7.7
9.2
6.5
4.7
3.5
2.5
4.9
園児数 A
食物アレルギー児の割合(年齢別合計)
(%)
10.0
8.0
6.0
日本保育園保健協議会が実施した全国調査結果
(平成 21 年)(953 施設、105,853 人を対象)
4.0
※「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」
(平成 23 年3月、厚生労働省)P4、P32 から引用
2.0
0.0
当局の本実態調査結果(平成 26 年5月1日現在)
0歳
1歳
2歳
3歳
4歳
5歳
- 2 -
合計
○
食物アレルギー児がいる施設及び食物アレルギー児数の割合
(単位:施設、人、%)
食物アレルギー児数
回 答 食物アレルギー児がいる施設 園児数
うちエピペンⓇ
うちエピペン 園児に占める
施設数
処方児がいる施
Ⓡ処方児数
エピペンⓇ処
区 分
(注)
設
方児の割合
1 平成 26 年5月1日
B(B/A)
C(C/B) D
E(E/D)
F(F/E)
(F/D)
A
現在
公立保育所
187
175(93.6)
31(17.7)
18,285
869(4.8)
35(4.0)
(0.19) 2 愛知県:291 施設
(園児数 31,716 人)
私立保育所
126
123(97.6)
24(19.5)
17,244
963(5.6)
36(3.7)
(0.21)
認可外保育施設
59
27(45.8)
1(3.7)
875
86(9.8)
1(1.2)
(0.11)
公立幼稚園
28
22(78.6)
2(9.1)
2,685
151(5.6)
4(2.6)
(0.15) 3 エピペンⓇ(商品名)
私立幼稚園
73
67(91.8)
19(28.4)
11,541
587(5.1)
27(4.6)
50,630 2,656(5.2)
103(3.9)
合
計
77(18.6)
(%)
私立幼稚園
公立幼稚園
認可外保育施設
私立保育所
公立保育所
合計
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
(%)
473 414(87.5)
- 3 -
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
(0.23)
(0.20)
富山県:182 施設
(園児数 18,914 人)
アナフィラキシー症状
の進行を一時的に緩和
し、ショックを防ぐた
めの補助治療薬(アド
レナリン自己注射薬)
B/A(食物アレルギー児が
いる施設の割合)(左目盛)
C/B(エピペンⓇ処方児が
いる施設の割合)(左目盛)
E/D(食物アレルギー児の割合)
(右目盛)
(%)
F/E(食物アレルギー児に占める
エピペンⓇ処方児の割合)
(右目盛)
2
食物アレルギーに関する事故の発生状況とその防止対策
◆
(結果報告書 P68~72)
保育所 の 約5割 (161/312)で食物アレルギーに関する 事故が発生
「配給・配膳ミス 」が 7割強 (154/204)
◆
○
各施設では、調理時・配膳時におけるダブルチェック、食器・トレーの色を変えるなどの 事故防止対
策 一方、人手が手薄な土曜日に配膳ミス等の事故が発生
※ 事故には、ヒヤリ・ハット事例を含む。
施設区分ごとの事故発生「有り」の割合
70(%)
60
50
40
30
20
10
0
47.6
57.5
37.4
19.2
7.1
1.6
合計
公立保育所
私立保育所
認可外保育施設
(179/479施設) (88/185施設) (73/127施設) (1/61施設)
公立幼稚園
(2/28施設)
私立幼稚園
(15/78施設)
51.6%(161/312 施設)
○
事故の内容別内訳(全 204 件、複数回答)
○
おかわり時に
誤食
(19件)
9.3%
事故防止対策を採っているものの事故が発生
・
人員が手薄あるいはパート職員で対応する土曜日に
給食の配膳ミスが発生【公立保育所】
・
食物アレルギー児と他の子供の箸が食事中に入れ替
わり誤食【私立幼稚園】
他の園児の分を食べ
た
(31件)
15.2%
・
配給・配膳ミス
(154件)
75.5%
- 4 -
ワゴンにあった食物アレルギー児の除去食の除去カ
ードが落ちてしまい、配膳時に、食物アレルギー児に
一般児の給食を配膳【公立保育所】
○
事故防止対策の例
◆
食器、トレーの色を変える 【公立保育所】
(一般児用)
食べられるもの、食べられないもの
(食物アレルギー児用) を記入したネームプレート
名前
名前
ピンクのトレー
個々の園児で色の異なる食器
白の食器
個々の園児で色の異なるトレー
◆
個々の専用トレーに園児名と食べられないものを記入したテープを貼付 【私立保育所】
(食物アレルギー児用)
園児名と食べられないもの(写真では、
「乳」、
「卵」、
「鮭」)が記入されたテープ
- 5 -
◆
食物アレルギー児に代替食を用意 し、食器の色を変える 【私立保育所】
(食物アレルギー児用)
色の異なる食器
(一般児用)※写真はおかずのみ
卵抜きの代替食
卵
◆
食物アレルギー児の給食(一部除去食)を食品
ラップで覆い、名札を貼り付け 【公立幼稚園】
(食物アレルギー児用)
◆
給食室に個別の 食物アレルギー児のチェック
ボードを掲示 【私立保育所】
名札
食物ア
レルギ
ー児名
食品ラップ
- 6 -
個 別の 食物 アレ
ル ギー 児ご との
対応を記入
(例:
「×卵」、
「マ
ヨ×」、
「マヨ○」、
「×アーモン
ド」)
3
各施設に対する支援に課題(ガイドラインの周知、研修、情報共有)
◆
私立幼稚園の約5割 (37/76)が ガイドラインを知らない (認可外保育施設は2割強(14/58))
※
◆
公立保育所は約1%(2/183)、私立保育所は約6%(7/127)、公立幼稚園は2割弱(5/28))
結果報告書 P59~62
認可外保育施設 や 私立幼稚園 は、誤飲・誤食等について他施設との情報共有なし (重篤な事故を県等
結果報告書 P68~72
に報告する仕組みのみ)
※
○
結果報告書 P32~37
私立幼稚園の約7割 (52/75)が食物アレルギーに関する研修を未実施 (認可外保育施設は約6割(34/58))
※
◆
公立保育所は約1%(2/184)、私立保育所は約4%(5/127)、公立幼稚園は約7%(2/28))
公立・私立保育所、公立幼稚園については、市が誤飲・誤食等について情報収集し、園長会等で周知・共有
食物アレルギー対応に係るガイドライン
・保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(平成 23 年3月、厚生労働省)
・学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン(平成 20 年3月、財団法人日本学校保健会)
《資料》P5~6
(注)本ガイドラインでいう「学校」とは、学校教育法における学校を意味し、「幼稚園」を含む。
ガイドラインの利用状況
区
分
公立保育所
私立保育所
認可外保育施設
公立幼稚園
私立幼稚園
合
計
(単位:施設、%)
有効回答数
A
利 用 し て い る
B(B/A)
184
127
58
28
76
171(92.9)
107(84.3)
29(50.0)
19(67.9)
19(25.0)
473
345(72.9)
- 7 -
利用していない
うち、ガイドラインを知らない
C(C/A)
D(D/A)
13( 7.1)
2( 1.1)
20(15.7)
5( 3.9)
29(50.0)
14(24.1)
9(32.1)
2( 7.1)
57(75.0)
37(48.7)
128(27.1)
60(12.7)
○
食物アレルギーに関する研修「未実施」の割合
100(%)
合計
90
80
69.3
70
58.6
60
公立保育所
私立保育所
50
40
30
20
10
認可外保育施設
21.2
17.9
1.1
公立幼稚園
5.5
私立幼稚園
0
(100/471 施設)(2/183 施設)(7/127 施設)(34/58 施設)(5/28 施設)(52/75 施設)
○
研修の必要性に係る主な意見・要望等
・自己流の対応では不安。できるだけ行政機関等から情報提供してほしい。【私立幼稚園】
・認可外保育施設には情報が届かない。情報が必要となった場合は、自分たちで調べて対応している。【認可外保育施設】
・助言を受ける窓口を設けてほしい。【私立幼稚園】
・今後、重篤な食物アレルギー症状の子供が入園してきたら困るので、行政の支援を受けたい、もっと情報がほしい。
【認可外保育施設、私立幼稚園】
・研修参加により、職員の意識が格段に向上。ガイドライン等に沿った体系的な対策(生活管理指導表の活用、事故時のフ
ローチャート、誤食対策等)を実施【私立幼稚園】
・平日の研修への参加は困難。研修日時の配慮も必要【公立保育所、認可外保育施設】
・県などから案内の研修は県外の時もあり、受講不可能。私立幼稚園は行政との接点が少なく研修の機会があまりにも乏し
い。頻繁に食物アレルギーについて学べる機会が必要【私立幼稚園】
・食物アレルギーに関する DVD の貸出しなどで、簡単な職場研修を実施することも必要【私立保育所、私立幼稚園】
- 8 -
4
緊急時に備えた訓練の必要性
(結果報告書 P102~105)
◆
エピペンⓇ処方児がいる施設の約9割(69/77)が、エピペンⓇを預かり
◆
エピペンⓇの使用方法など 緊急時に備えた訓練を実施していない施設 が 約2割 (17/77)
○
エピペンⓇ処方児がいる施設におけるエピペンⓇの預かり状況、訓練未実施の割合
うち、エピペンⓇを預かっている エピペンⓇの使用方法など緊急時に
D(D/A)
施設数
B(B/A) 備えた訓練を未実施
分
エピペンⓇ処方児がいる施
設数
A
公立保育所
31
30( 96.8)
2(
私立保育所
24
21( 87.5)
8( 33.3)
認可外保育施設
1
1(100.0)
1(100.0)
公立幼稚園
2
1( 50.0)
0(
私立幼稚園
19
16( 84.2)
6( 31.6)
77
69( 89.6)
17( 22.1)
区
合
○
(単位:施設、%)
計
(注)P3 参照
6.5)
0)
緊急時に備えた訓練に関する主な意見・要望等
・(訓練は)全職員が食物アレルギー対応の重大性について認識する契機【公立保育所】
・エピペンⓇを預かることや食物アレルギーの事故等は、どの施設でも起こり得るもの。対象者がいないからといって、安
心できるものではない【公立保育所】
・エピペンⓇの使用方法を全職員が経験しておく必要がある。職員全員が一度は受講できるよう、講習会は頻繁に
【公立幼稚園、私立幼稚園】
・行政機関主催の訓練以外に、施設内訓練など、エピペンⓇの使用方法を全職員が経験しておく必要
【私立保育所、私立幼稚園】
・(訓練内容を忘れないように)全職員が職場内で定期的に訓練を行う必要【私立保育所】
- 9 -
5
推奨すべき取組例
◆
「学校における食物アレルギー対応マニュアル」(平成 25 年9月)は、主に小・中学校向けの記載。公
立幼稚園においては同マニュアルを準用
26 年7月に同マニュアルを一部改訂し、公立幼稚園における食物アレルギーへの対応に関する各項目を
追加し、準用から適用に明確化(富山市教育委員会)
《資料》P7、結果報告書 P36~37
◆
保育所向けに、アレルギーにより発症するおそれがある具体的な症状とそれら症状に応じた対応(エピ
ペンⓇ処方を含む。
)を記載した緊急時のチェック表やフローチャートを作成(名古屋市、岡崎市、高岡市)
《資料》P8、結果報告書 P90
◆
6
◆
消防部局、医療機関に搬送患者(乳幼児)の発症及び手当に関する個別の状況を迅速かつ的確に伝達す
ることを考慮し、必要な情報を盛り込んだ統一様式(アレルギー緊急時個別対応票)を作成(富山市・富
山市教育委員会)
《資料》P8、結果報告書 P90~91
食物アレルギーを有する乳幼児の保護者からの意見・要望等
施設での事故や対応等に関するものなど
《資料》P9~14、結果報告書 P121~122
- 10 -
○
保護者からの意見・要望等(抜粋)
①
職員の食物アレルギーに関する知識(6件)
・子供が幼稚園に通っているとき、アレルギーのことをくまなく伝えてあったにもかかわらず、おやつのときに年中の子
供に食べられると聞いて間違えられて誤食し、軽いアナフィラキシーを起こした。そのとき、園からは、
「何か喘息の発
作が出ているのですが。」と軽い感じで連絡を受け、私が迎えに行き病院に連れて行った。
②
受入施設の研修(10 件)
・保育士の確認ミスで誤食事故を起こしたことがある。保育所の年齢の子供に自己防衛できる力はない。先生がくれたも
のは何でも食べてしまう。先生方に食物に対しての知識を持ってもらいたい。
③
施設における事故情報等(8件)、事故防止・再発への不安(3件)
・保育園に通う私の子供は重度の小麦アレルギーであるが、栄養士の伝達ミスもあり、おやつに麩菓子やチヂミを誤食さ
せられて救急搬送となった。
・幼稚園の委託先給食業者の除去食給食で誤配があり、誤食してアナフィラキシー症状が出た。事故後の事故防止対処は、
個々での話し合いが主になるため、理解の尺度で話し合いが進まず事故が再発しないか不安だ。
・入園前から何度も説明したが、保育士の確認ミスで誤食事故を起こした。アナフィラキシーショックで、私が急いで病
院に連れて行き事なきを得たが、次回は救急車を呼ぶよう、医師から指導を受けた。
・子供が3歳のときに保育園でヨーグルトを誤飲し、アナフィラキシーショックを起こし、意識低下、血圧低下の経験あ
り。
・アレルギーの子が増えている中、工作や遊びで小麦粘土、小麦のりを使ったりすることがある。微量でも、アナフィラ
キシーを起こす心配がある我が子にとっては、すごく気になる。小麦のりでなくても、片栗粉のりでもいいのではないか。
(経口摂取以外での食物アレルギー反応)
- 11 -
④
緊急時に備えた対応の充実(5件)、食物アレルギーを有する乳幼児の受入状況(4件)
・エピペンⓇを持っていると、民間の保育園・幼稚園から3年保育の受入れは難しいと断られた。また、子供は預かって
もエピペンⓇは預かれないとも言われた。
・市立の幼稚園に通園しているが、風邪薬などと同様にアレルギー薬を預かってもらえず、毎日心配である。
・市内での情報の共有が進んでいない。学校、消防、保護者、医療関係との情報共有もできれば、事故防止、緊急時の対
応もスムーズになる。個人情報保護として情報が途絶えてしまっている。保護される側が共有を望んでいるので検討し
てほしい。
・年少児の年齢だが、園には通えていない。食事のアレルギーだけではなく、皮膚も弱く、砂場でも遊べないし、クレヨ
ン、絵の具、のり、粘土などの教材や塩素にも反応するので、息子に手がかかる。入園を断られることが多かった。昼
食時は、息子のために別の部屋を用意してもらえないかと打診すると、必ず入園を断られた。
・ここ数年以内で、患者会の仲間が、
「食パンも食べられないような子は入園できません」、
「保育園に行かれたらどうです
か?」「アナフィラキシーになったことのある子の受け入れは難しい」などと言われ、入園を断られたケースがある。
・
「保育園に行かれたらどうか」と逃げる幼稚園もいくつかある中、保育園はアレルギーがあるからという理由では受け入
れてもらえないし、下の兄弟があったりする中では仕事もできず、行き場を失うか、選択肢がないかという状態に陥る。
⑤
その他(46 件)
・給食は、主食は米飯、和食の惣菜にすることで、多くのアレルギー児が食べられるものとなる。アレルゲンを持ち込ま
ない献立にすることで、事故のリスクを大幅に下げるだけではなく、食事内容もアレルギーの有無にかかわらず、子供
達にとって、本来、体に良い食事になる。そして、調理員や教職員の負担も大幅に減らせる。
・アレルギー児は弁当持ちとされるため、毎日頑張って作らなければいけない。その労力と、食費、アレルギー対応食材
は高いので、とてもつらい。毎日3食、おやつを含めたらもっと、一日中食事のことを考えたり、弁当の準備など、と
てもじゃないが、働きたくても働けない。正社員などはもっと無理。安心して預けられる場所が欲しいが肝心なこども
園などの給食対応が追い付いていない。もっと早く給食への対応をしていくべきである。
- 12 -
《資料》
乳幼児の食物アレルギー対策に関する実態調査の結果
【実態調査の目的】
食物アレルギーの有病率が特に高い乳幼児について、保育所、認可外保育施設及び幼稚園における食物アレルギー対策の実態並
びに保護者の意見・要望を調査し、その結果を公表することにより、関係機関、関係事業者等の理解と認識を促し、食物アレルギ
ー対策の一層の推進に資するため
【調査対象】
① 地方公共団体
・愛知県、富山県(教育委員会を含む。)
・8市(教育委員会を含む。指定都市1、中核市3、その他4)
②
8市に所在する保育所等の施設(下表参照)
表
調査対象とした施設
施設の種類
書面
依頼
左のうち
回答
訪問
電話
公立保育所
195
188
9
3
私立保育所
163
129
5
7
認可外保育施設
126
61
1
9
公立幼稚園
29
28
4
3
私立幼稚園
102
78
6
10
(注) 615
484
25
32
合
③
(単位:施設)
計
(注)両県内の全施設数(※)は、2,469 施設(愛知
県 2,039 施設、富山県 430 施設)
うち 615 施設を抽出(回答率は 78.7%)等
※ 平成 24 年社会福祉施設等調査(平 24.10.1 現
在の保育所数)
平成 24 年度認可外保育施設の現況取りまとめ
(平 25.3.31 現在の認可外保育施設数)
平成 26 年度学校基本調査(平 26.5.1 現在の幼
稚園数)
食物アレルギーを有する乳幼児の保護者(平 26.5.13~6.20 までインターネット、FAX等により意見・要望を募集)
26 人から意見・要望等を受付
- 1 -
○
食物アレルギーの定義等
食物アレルギーは、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎など、代表的なアレルギー疾患
の一つであり、特定の食物を摂取した後にアレルギー反応を介して皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身性に生じる症状とされて
いる。
食物アレルギーは、生活の基本である食事で摂取した特定の食物を原因として、さまざまな症状(アレルギー反応)を引き起
こすことに加え、約 10%がアナフィラキシーショックにまで進むとされており、時に生命に関わることから、社会的な関心を
集めている。
表
代表的なアレルギー疾患とその定義
名
称
① 気管支喘息
定
義
発作性に笛声喘鳴(てきせいぜんめい)を伴う呼吸困難を繰り返す疾患
呼吸困難は自然ないし治療により軽快、治癒するが、ごく稀には死に至ることも。
② アトピー性皮膚炎
皮膚にかゆみのある湿疹が出たり治ったりを繰り返す疾患
多くの人は遺伝的になりやすい素質(アトピー素因)を持つ。
③ アレルギー性結膜炎
目に飛び込んだアレルゲンによって、目の粘膜、結膜(しろめ)にアレルギー反応による炎症(結膜炎)が
起こり、目のかゆみ、なみだ目、異物感(ごろごろする感じ)、目やになどの特徴的な症状を起こす疾患
④ 食物ア
ⅰ 食物アレルギー
レ ル ギ
ー・アナ
フ ィ ラ
特定の食物を摂取した後にアレルギー反応を介して皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身性に生じる症状
ほとんどは 食物に含まれるタンパク質が原因 。食物に含まれる物質そのものによる反応や症状は含めない。
ⅱ アナフィラキシ
ー
キシー
アレルギー反応により 、蕁麻疹などの 皮膚症状 、腹痛や嘔吐などの 消化器症状 、ゼーゼー、息苦しさなど
の 呼吸器症状が、複数同時にかつ急激に出現した状態をアナフィラキシー
中でも、血圧が低下し意識レベルの低下や脱力を来すような場合を、特にアナフィラキシーショック と呼び、
直ちに対応しないと生命にかかわる重篤な状態
また、アナフィラキシーには、アレルギー反応によらず運動や物理的な刺激などによって起こる場合がある。
保育所に入所する乳幼児のアナフィラキシーの原因のほとんどは食物 。それ以外にも医薬品、昆虫刺傷など
が原因となりうる。
⑤ アレルギー性鼻炎
鼻に入ってくるアレルゲンに対しアレルギー反応を起こし、発作性で反復性のくしゃみ、鼻水、鼻づまりな
どの症状を引き起こす疾患
(注)1 保育所ガイドラインの「第3章 アレルギー疾患各論」(P9~)を参考
2 下線は、当局が付した。
- 2 -
○
保育所における食物アレルギーの原因となる食物
(注)
1 保育所ガイドライン(P5)から引
用
2 保育所ガイドライン(P32)では、
「原因食物は多岐にわたるが、保育所
で除去されている食物は鶏卵が最も多
く、次いで乳製品である。その他の原
因食物としては小麦、ピーナッツ、大
豆製品、そば、ゴマ、甲殻類(エビ、
カニ)などである」とされている。
○
アレルギー表示対象品目
区
分
表
示
名
称
定
義
特定原材料
(7品目)
義務付け
卵、乳、小麦、落花生、えび、そば、かに
食物アレルギー症状を引き起こすことが明ら
かになった食品のうち、特に発症数、重篤度
から勘案して表示する必要性の高い食品
特定原材料に
準ずるもの
(20 品目)
推
いくら、キウイフルーツ、くるみ、大豆、バナ
ナ、やまいも、カシューナッツ、もも、ごま、
さば、さけ、いか、鶏肉、りんご、まつたけ、
あわび、オレンジ、牛肉、ゼラチン、豚肉
食物アレルギー症状を引き起こすことが明ら
かになった食品のうち、症例数や重篤な症状
を呈する者の数が継続して相当数みられる
が、特定原材料に比べると少ないもの
奨
(注)1 食品衛生法等による。
2 アレルギー物質の名称は、発症数の多い順に記載
- 3 -
○
保育所、認可外保育施設及び幼稚園に関わる行政機関等(概略)
(注)1 上記は概略図であり、社会福祉法人以外の者による私立保育所の設置、学校法人以外の者による私立幼稚園の設置等もあり。
また、記載した権限等は主なもの
2 指定都市(愛知県:名古屋市)及び中核市(愛知県:豊橋市、豊田市及び岡崎市。富山県:富山市)に所在する保育所につ
いては市長が認可等を実施(認可外保育施設の届出について同じ)
- 4 -
○ ガイドラインによる食物アレルギー対応の概要
(保育所)
区分
現
状
情
報
の
把
握
・
共
有
事
故
防
止
(幼稚園)
保育所におけるアレルギー対応ガイドライン
学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン
(平成 23 年3月、厚生労働省)
(平成 20 年3月、財団法人日本学校保健会)
◇平成 21 年に日本保育園保健協議会が実施した、保育所にお ◇平成 19 年4月に文部科学省が発表した「アレルギー疾患に関
ける食物アレルギーに関する全国調査(953 保育所、園児
する調査研究報告書」によると、公立の小、中、高等学校の
105,853 人を対象に調査)によると、食物アレルギーの有病
児童生徒のうち、食物アレルギーの有病率は 2.6%、アナフ
率は約 4.9%。年齢別では0歳が 7.7%、1歳が 9.2%、2歳
ィラキシーの有病率は 0.14%(平成 16 年6月末時点)
が 6.5%、3歳が 4.7%、4歳が 3.5%、5歳が 2.5%
保育所に入所する乳児や幼児では食物アレルギーの有病率
が学童期より高いので、アナフィラキシーを起こすリスクは
高い可能性あり
◇原因食物は多岐にわたるが、保育所で除去されている食物は ◇児童生徒の年代での原因食物としては、鶏卵、乳製品が約
鶏卵が最も多く、次いで乳製品。その他の原因食物としては
50%を占め、主要な上位 10 品目(以下甲殻類、そば、果物
小麦、ピーナッツ、大豆製品、そば、ゴマ、甲殻類など
類、魚類、ピーナッツ、軟体類、木の実類、大豆)で全体の
88.8%
◆医師の診断に基づく「保育所におけるアレルギー疾患生活管 ◆医師の診断に基づく「学校生活管理指導表(アレルギー疾患
用)」の活用による児童生徒の食物アレルギーに関する正確
理指導表」の活用による乳幼児の食物アレルギーに関する正
な情報の把握
確な情報の把握
◆提出された情報を教職員全員で共有
◆保育所内職員による共通理解
◆常に食物アレルギーに関する最新で、正しい知識を職員全員 ◆教職員全員の食物アレルギーに関する基礎知識の充実
が共有
◆学校給食での食物アレルギー対応
① 詳細な献立表対応
◆給食・離乳食の工夫・注意点
① 献立を作成する上で
献立の詳細な内容を事前に提示し、それを元に保護者や
- 5 -
担任などの指示若しくは児童生徒自身の判断で原因食品
ⅰ)除去を意識した献立
を除去
ⅱ)新規に症状を誘発するリスクの高い食物の少ない献立
② 一部弁当対応
ⅲ)調理室における調理作業を意識した献立
除去食や代替食対応が困難な場合に弁当を持参
② 保育所で“初めて食べる”ことを避ける
③ 除去食対応
③ アレルギー食対応の単純化
原因食品を除いた給食を提供
「完全除去」か「解除」の両極で対応
④ 代替食対応
④ 加工食品の原材料表示をよく確認する
原因食品を除き、それに代わる食材を補い栄養価を確保
⑤ 保育所職員による誤食予防の体制作り(知識の習熟、意識
した給食を提供
改革、役割分担と連携など)
⑥ 食材を使用するイベントの管理
※①は、全ての対応の基本であり、②~④でも対応
⑦ 保護者との連携
①から④に向かうに従って、より充実した望ましい方策
※調理室の環境が整備されていたり、対応人員に余裕があ
といえる。
る、また栄養士・調理員の能力が高ければ、個別に対応
現状で行える最良の方策を検討することが大切である。
することを制限するものではない。
緊
急
時
の
対
応
備
考
◆アナフィラキシー発症時の全職員の迅速、かつ適切な対応
(エピペンⓇの使用)
◆食物アレルギー発症時にとる対応の事前確認(必要に応じて
訓練の実施)
◆職員全員がエピペンⓇの保管場所、注射をするタイミングと ◆アナフィラキシー発症時にエピペンⓇを携行している場合、
できるだけ早期に注射
方法、緊急時対応に必要な書類一式の保管場所を知っている
ことが必要
◆エピペンⓇに関する一般知識や、処方を受けている児童生徒
についての情報を教職員全員で共有
本ガイドラインでいう「学校」とは、学校教育法における学
校を意味し、「幼稚園」を含む。
-
また、「児童生徒」には「幼児」を含む。
(注)各ガイドラインに基づき当局が作成した。
- 6 -
○
幼稚園における食物アレルギー対応に関する項目が追加されたマニュアルの例(富山市教育委員会)
以下、略
(注)富山市ホームページから引用(URLは、下記のとおり)
http://www.city.toyama.toyama.jp/data/open/cnt/3/11913/1/almanualall.pdf
- 7 -
○
緊急時に用いられるチェック表、対応票の例
アレルギーにより発症するおそれがある具体的な症状とそれら
の症状に応じた対応(エピペンⓇ処方を含む。)を記載した緊急
時のチェック表【名古屋市(保育所所管部局)
】
消防部局、医療機関に搬送患者(乳幼児)の発症及び手当に関する個別
の状況を迅速かつ的確に伝達することを考慮し、必要な情報を盛り込ん
だ統一様式【富山市(保育所、公立幼稚園所管部局)
】
- 8 -
○
保護者の意見・要望等(主なもの)
① 職員の食物アレルギーに関する知識
・子供が幼稚園に通っているとき、アレルギーのことをくまなく伝えてあったにもかかわらず、おやつのときに年中の子供に食べられると聞いて
間違えられて誤食し、軽いアナフィラキシーを起こした。そのとき、園からは、
「何か喘息の発作が出ているのですが。
」と軽い感じで連絡を受
け、私が迎えに行き病院に連れて行った。
・過去に子供を預けたことがある職場併設の認可外保育施設で誤食事故があったが、その際に子供が嘔吐したことを職員が「胃腸風邪」だと思っ
ており、職員の意識の低さに呆然とした。
・保育園に関しては保育士の方にも食材について知ってほしいと思う。栄養士の方は何に小麦が入っているかを理解しているが、保育士レベルだ
と分からない方がほとんどである。
・行政には、除去食を作る給食支給先(自施設での調理・業者委託に関わらず)にアレルギー除去食のガイドラインだけではなく1歩踏み込んで
環境・手順などの取り決め、講習の義務付けをお願いしたい。アレルギーの知識があまりない環境が多い。
・アレルギー児を持つ母として園をみると、まだまだ知識不足だし、調理師さんでさえ、アレルギーについての教育はされていないと感じる。そ
れは、日本の教育機関の問題だと思うし、時代の流れ故と思うが、食品表示一つとっても、知らないと分からないこと、危険なことはたくさん
ある。
・保育士の方々に食物アレルギーに対する知識がない。知識どころか興味もないと感じる。
②
職員に対する研修
・保育所の誤食の大半は、臨時職員によるもの。保育所のスタッフには、アレルギー対応の知識、経験、技術習得が重要。子供の命を守るため
に、行政には、その対策を抜け目なくお願いしたい。
・正規職員だけでなく、臨時職員、パート職員までもがアレルギーの知識、対応、エピペンⓇの使用ができるよう研修などを徹底してほしい。
・施設の対応が、どこに引っ越しても同じになるように、市の関係職員、保健師、保育士、給食の管理栄養士、調理員などには、一貫したアレル
ギーの専門知識の研修の機会等を設けていただきたい。
・アレルギー児の心のケアにも配慮できる園長、現場の保育士、幼稚園の先生を育ててほしい。食物アレルギーがあることが理由で、食べられる
給食の日でも弁当持参ということがないように、アレルギーの研修などを設けて知識を高めるための教育をお願いしたい。
・学校教育等において食物アレルギー患者に対する正しい知識・理解を持っていただけるように教員研修・昇格試験等々で食物アレルギーの知識
確認テスト、実地テスト(アナフィラキシー誘発時のエピペンⓇ、119 番通報の対応)を各教職員さんへ課してほしい。
・緊急時の対応もアレルギー大学に通ってもらったり、エピペンⓇ講習参加、園児や保護者への啓発(行事で手作り紙芝居、毎月の園便り、ブロ
グでアレルギー対応食を掲載)
、市の研修会での発表等、取り組んでいただいているが、ここまで対応している園は市内でも少なく、現状は施
設や人員の問題などで対応できず、困っている方がたくさんいらっしゃると思う。
・幼稚園の教職員、行政の職員の方々にも、アレルギーの対処の仕方や生活上の注意点について研修を受けられるようにしてほしい。
・保育士の確認ミスで誤食事故を起こしたことがある。保育所の年齢の子供に自己防衛できる力はない。先生がくれたものは何でも食べてしまう。
- 9 -
先生方に食物に対しての知識を持ってもらいたい。
・エピペンⓇ講習の必須化。マニュアルの徹底、確認など。もしものときを考えて命を預かる立場にあることを考えてもらいたい。
・誤飲時など事故発生時に職員が対応できるよう、定期的な講習会や訓練を実施してほしい。
③ 施設における事故情報等
・保育園に通う私の子供は重度の小麦アレルギーであるが、栄養士の伝達ミスもあり、おやつに麩菓子やチヂミを誤食させられて救急搬送となっ
た。
・幼稚園の委託先給食業者の除去食給食で誤配があり、誤食してアナフィラキシー症状が出た。事故後の事故防止対処は、個々での話し合いが主
になるため、理解の尺度で話し合いが進まず事故が再発しないか不安だ。
・過去に子供を預けたことがある職場併設の認可外保育施設で、給食は除去食を用意してもらっていたが、3度の誤食があった。
・入園前から何度も説明したが、保育士の確認ミスで誤食事故を起こした。アナフィラキシーショックで、私が急いで病院に連れて行き事なきを
得たが、次回は救急車を呼ぶよう、医師から指導を受けた。
・子供が幼稚園に通っているとき、アレルギーのことをくまなく伝えてあったにもかかわらず、おやつのときに年中の子供に食べられると聞いて
間違えられて誤食し、軽いアナフィラキシーを起こした。そのとき、園からは、
「何か喘息の発作が出ているのですが。
」と軽い感じで連絡を受
け、私が迎えに行き病院に連れて行った。
・子供が3歳のときに保育園でヨーグルトを誤飲し、アナフィラキシーショックを起こし、意識低下、血圧低下の経験あり。
・子供が幼稚園の年少時に、1度は担任の間違いでシューアイスを口にする誤食事故(幸い大事には至らなかった)
、もう1度は給食で出たキウ
イ(1歳の時に保育園への通園に当たり食べさせてみて大丈夫であったが、しばらく食べていなかった)でアナフィラキシーを起こし、病院に
駆け込んだことがあった。
・アレルギーの子が増えている中、工作や遊びで小麦粘土、小麦のりを使ったりすることがある。微量でも、アナフィラキシーを起こす心配があ
る我が子にとっては、すごく気になる。小麦のりでなくても、片栗粉のりでもいいのではないか。
(経口摂取以外での食物アレルギー反応)
④
事故防止・再発への不安
・幼稚園の委託先給食業者の除去食給食での誤配事故があったが、事故後の事故防止対処が、個々での話し合いが主になるため、理解の尺度で
話し合いが進まず事故が再発しないか不安だ。(再掲)
・保育園へ子供を預けているが、年度が代わり先生が代わった場合、子供のアレルギー状況の引継ぎが不十分だと感じる。
・事故の際に、きちんと第三者機関が事故防止のための指導が入れる環境、事故の際にきちんと公的機関へ届出できるシステムが欲しい。
⑤ 緊急時に備えた対応の充実
・入園前から何度も説明したが、保育士の確認ミスで誤食事故を起こした。アナフィラキシーショックで、私が急いで病院に連れて行き事なきを
得たが、次回は救急車を呼ぶよう、医師から指導を受けた。
(再掲)
・子供が幼稚園に通っているとき、アレルギーのことをくまなく伝えてあったにもかかわらず、おやつのときに年中の子供に食べられると聞いて
間違えられて誤食し、軽いアナフィラキシーを起こした。そのとき、園からは、
「何か喘息の発作が出ているのですが。
」と軽い感じで連絡を受
- 10 -
け、私が迎えに行き病院に連れて行った。
・エピペンⓇを持っていると、民間の保育園・幼稚園から3年保育の受入れは難しいと断られた。また、子供は預かってもエピペンⓇは預かれな
いとも言われた。
・市立の幼稚園に通園しているが、風邪薬などと同様にアレルギー薬を預かってもらえず、毎日心配である。
・市内での情報の共有が進んでいない。学校、消防、保護者、医療関係との情報共有もできれば、事故防止、緊急時の対応もスムーズになる。個
人情報保護として情報が途絶えてしまっている。保護される側が共有を望んでいるので検討してほしい。
⑥ 食物アレルギーを有する乳幼児の受入状況
・年少児の年齢だが、園には通えていない。食事のアレルギーだけではなく、皮膚も弱く、砂場でも遊べないし、クレヨン、絵の具、のり、粘土
などの教材や塩素にも反応するので、息子に手がかかる。入園を断られることが多かった。昼食時は、息子のために別の部屋を用意してもらえ
ないかと打診すると、必ず入園を断られた。
・エピペンⓇを持っていると、民間の保育園・幼稚園から3年保育の受入れは難しいと断られた。また、子供は預かってもエピペンⓇは預かれな
いとも言われた。(再掲)
・ここ数年以内で、患者会の仲間が、
「食パンも食べられないような子は入園できません」、
「保育園に行かれたらどうですか?」
「アナフィラキシ
ーになったことのある子の受け入れは難しい」などと言われ、入園を断られたケースがある。
・
「保育園に行かれたらどうか」と逃げる幼稚園もいくつかある中、保育園はアレルギーがあるからという理由では受け入れてもらえないし、下
の兄弟があったりする中では仕事もできず、行き場を失うか、選択肢がないかという状態に陥る。
⑦ 受入体制等に関するもの(職員の増員等)
・特別支援教育の一つに食物アレルギーを位置付けてほしい。そして、安全安心な生活を送るために、支援教諭を付けてほしい。
・障害を持つお子さんには、加配の先生が1人付くなどの配慮があるが、アレルギー児にはそれがない。死に至る危険性があるので、給食時など
には、加配の先生が付いてくれる配慮などがほしい。
・担任の目だけでは難しい。是非しっかりした知識を持った支援の先生を園が付けられるように制度を整えてほしい。看護師の支援が有ればなお
心強い。
・
「食物アレルギー=給食=食べなければいい」という概念しかもっていない行政の人が多すぎる。しっかりした知識を持った支援の先生を園が
付けられるように制度を整えてほしい。
・緊急時の対応もアレルギー大学に通ってもらったり、エピペンⓇ講習参加、園児や保護者への啓発(行事で手作り紙芝居、毎月の園便り、ブロ
グでアレルギー対応食を掲載)
、市の研修会での発表等、取り組んでいただいているが、ここまで対応している園は市内でも少なく、現状は施
設や人員の問題などで対応できず、困っている方がたくさんいらっしゃると思う。(再掲)
・現場は大変な思いをして頑張っているが、役所は対応が難しいと説明するだけで動いてくれない。コンロ一つ、鍋一つ、人一人、配置してくだ
さるだけでも、現場の負担、不安は軽減されて安心、安全となる。現状を把握するだけでなく、考えて動いていただきたい。
- 11 -
⑧ 経口摂取以外での食物アレルギー反応
・園では禁止されているが、登降園時にパンやクッキーを子供に食べさせる保護者もいて、食べた手で子供に接触されたり、食べかすに子供が接
触する可能性もあって大変である。
・アレルギーの子が増えている中、工作や遊びで小麦粘土、小麦のりを使ったりすることがある。微量でも、アナフィラキシーを起こす心配があ
る我が子にとっては、すごく気になる。小麦のりでなくても、片栗粉のりでもいいのではないか。
(再掲)
・年少児の年齢だが、園には通えていない。食事のアレルギーだけではなく、皮膚も弱く、砂場でも遊べないし、クレヨン、絵の具、のり、粘土
などの教材や塩素にも反応するので、息子に手がかかる。入園を断られることが多かった。昼食時は、息子のために別の部屋を用意してもらえ
ないかと打診すると、必ず入園を断られた。
(再掲)
⑨
献立表
・給食の献立の詳細としてアレルギー一覧を毎月もらうが、含まれているアレルゲンが抜け落ちているミスがあった。
・幼稚園の給食のお弁当の原材料の紙が欲しいと先生に伝えたところ、
「お弁当屋からもらえないのです。
」と言われたが、原材料次第では、アレ
ルギーの子も食べられるものがあるかもしれないので、原材料の紙はできるだけ欲しいし、もしお弁当屋からもらえないのだとしたら、きちん
と原材料の表をもらえるお弁当屋に変えてほしい。
⑩ 献立等、食物アレルギー児への配慮
・給食で除去できる物は除去をお願いし、不可能な場合は代替品を持参しているが、牛乳だけは代わりにお茶を出してもらっているので、牛乳の
代替品が出ると良いと感じる。
・現在子供を預けている幼稚園は米食しか出ないが、他の園でも給食にパンは必要ないと思う。パンだと卵・乳製品・小麦アレルギーの子が食べ
られない。
・給食でお米の日が少ないと思う。国がTTPとかでも米農家を守るとか言って関税のことなどに取り組んでいるが、子供の給食でもパンの日が
ほぼ 10 日以上あったり、油もサラダ油であったり、消費する方の推進が進んでいないと思う。
・給食で完全対応できるように、早急に進めてほしい。
・給食は、主食は米飯、和食の惣菜にすることで、多くのアレルギー児が食べられるものとなる。アレルゲンを持ち込まない献立にすることで、
事故のリスクを大幅に下げるだけではなく、食事内容もアレルギーの有無にかかわらず、子供達にとって、本来、体に良い食事になる。そして、
調理員や教職員の負担も大幅に減らせる。
・友達のお子さんは、アレルギーのため毎日お弁当持参のようである。アレルゲンを含まないメニューの日を設け、一日でも一緒に給食を食べら
れる日があったら良いと思う。
・1歳から3歳まで認可外保育施設に通ったが、食事、おやつ、イベントでの摂食全て対応してもらえず、自宅からの弁当持参で、皆が一緒の物
を食べる中、子供が寂しい思いをした。
・食物アレルギーがあると、皮膚が弱かったり、ぜんそくがあったりいろんなことを抱えている方が多いと思う。体育や運動は午前中とか、全校
生徒アレルギー児は一緒の教室でまとまって食べられるようにとか、給食はお弁当の選択制ができたり、もう少し融通が利くといいと思う。
・幼稚園で毎週金曜日はパン給食だが、アレルギーのある子供には毎回プチクロワッサンと米粉のジャムパンが提供される。毎週×3年間、同じ
- 12 -
パンであり、また、菓子パンなので砂糖過多である。改善を求めたところ、米粉のジャムパンがチョコパン等になり呆れた。
・運動会等のイベント参加賞が、卵やアレルギー物質が含まれている物ばかりの駄菓子詰め合わせで、うちの子供は食べられる物がなかった。な
かなか改善されない。
・今この時期だからこそ、
「食べられる食材の中からメニューを組む」
、その子のために食事を作る、と言うやり方を始めなければならないと考え
る。
・アレルギー児以外への説明不足がある。
⑪ 経済的負担等
・給食で食べられるものは、一部の果物などのみだが、ひと月のうち1回でも食べたら1か月分の給食費を支払ってもらいますと言われ、とても
悲しい思いをしている。
・安心して預けられる場所が欲しいが、肝心な保育園などの給食対応が追いついていない。もっと早く給食への対応をしていくべきである。少し
でもみんなと同じものをと思い、給食の中から一品でも食べられればそれを食べさせていいと思う。実際にそういう人が多い。毎日一品しか食
べられなくても、アレルギー児の家庭は皆と同じ全額の給食費を払い、なお、弁当持ちなので、アレルギー対応食材の費用も掛かっている。
・食物アレルギー患者の支援策を拡充してほしい。アレルギー患者は何事もお金が掛かる。食べる物に気を使わないといけなく、対応している食
品はどれも無添加等高い物ばかり。わずかでもいいので行政が関わっている施設の入場料を免除又は割引するとか、配慮していることを形に表
してほしい。
・アレルギー児は弁当持ちとされるため、毎日頑張って作らなければいけない。その労力と、食費、アレルギー対応食材は高いので、とてもつら
い。毎日3食、おやつを含めたらもっと、一日中食事のことを考えたり、弁当の準備など、とてもじゃないが、働きたくても働けない。正社員
などはもっと無理。安心して預けられる場所が欲しいが肝心なこども園などの給食対応が追い付いていない。もっと早く給食への対応をしてい
くべきである。
⑫ 市町村・施設間の格差
・私の市では、給食センターがいくつかに分かれているが、アレルギー対応をするのは1か所の給食センターのみである。同センターのある学区
内の学校は対応でき、それ以外の学区は弁当持ち。同じ市でありながら違いがある。コストが掛かる、人がいないなどが理由だが、市民全員が
税金を払っているのであり、同じ市内でこの差は本当に困る。
・一刻も早く、給食センターの増設や給食のアレルギー対応をしてほしい。アレルギー対応食材は高いというが、アレルギー児をもつ家庭は生ま
れてからずっと自己負担で頑張ってきた。給食も対応してもらいたい。市町村で別々な対応ではなく、なるべく一定にしてほしい。
・市町村合併で市になったが、アレルギー児への除去食の提供のあり、なしがあり、一律化していない。せっかく市に統合したので、そちらも統
一してほしい。
・市は、予算がない、人手もない、難しい、できないの回答。一刻も早く、給食センターの増設や給食のアレルギー対応をしてほしい。
・給食センターを除去食対応のバリアフリー型にしてほしい。
- 13 -
⑬ 情報提供
・国が率先して基本的なマニュアルを作成してほしい。
・食育やアレルギーについての広報企画を企業に提案する機会があるが、営利企業としては「利益につながらない」と一蹴されることがほとんど。
今後増えることはあれど減ることはないと思われる食物アレルギーに関して、認知・広報・啓蒙活動は行政のバックアップが必須だと考える。
・アレルギー児の理解が広く伝わるよう市民へ情報をもっと流してほしい。
⑭ 施設外での対応
・県内の飲食店に条例でアレルギー表示表を義務化してほしい。アレルギー患者に対する認識が高まる効果と、食べられる飲食店の区別が付けら
れる。程度にもよるがアレルギー患者は食べられる飲食店がかなり限られる。各法人さんに個別でお願いをして現在までに 300 店舗程度導入し
てもらっているが、行政からの支援もいただきたい。
・妊婦マークのような、誰が見てもアレルギーと分かるマークを作り、全国に広めてほしい。災害時など、子供とはぐれた場合、周りからもらっ
たお菓子等でショックを起こすのではないかと心配
・
「お菓子をちょっとくらい与えても大丈夫でしょう?」とお菓子を渡されるのですごく困る。特に年配の方から、
「自分の時代はアレルギーなん
てなかった、除去しているから余計何も食べられなくなるんだ!」と持論を主張され説教されることもある。
・周りの方の認識不足で、良かれと思い飲食させられないかどうか不安が付きまとう。実際1回飲食させられたことがあり、意識不明となった。
・保健センターの対応は、あまりにアレルギーの専門知識に乏しい状態であり、栄養士による相談コーナーがあったとしても、アレルギーについ
て学ばれていなければ、するべき指導内容とならない。保健センター全体で、全ての方が知識を深めるのは難しいかもしれないが、これだけア
レルギー患者が増え続けている今、せめて、アレルギーに関する専門知識の研修を受けたスタッフを1人常駐させる等の体制が欲しい。
・非常食についても、食物アレルギー対応をしてほしい。
・市立小学校で保管している緊急時用のカレーにはアレルゲンが含まれていると聞いた。アレルギー対応へ早急に切り替えをお願いする。
⑮ 卒園後の対応
・小学校に入学すると、保育園のような対応はなく、給食はほとんど食べられないので、毎日弁当を持参。2年ほど前までは小学校での給食も除
去食対応がされていたのに、突然中止になった。
保育園での給食、小学校での給食は食べるだけではなく、子供の成長において、いろいろな意味での教育の場であり、アレルギーによっての事
故をなくすことも必要だが、だからといって責任逃れのような対応はとても悲しく思う。
・乳幼児期だけではなく、小学校以降も長いスパンでアレルギーと向き合っていく必要のある子もいるので、調布の事故を他人事とは思わず生徒
を預かる立場の人はしっかりと対応してほしい。
・学童保育には菓子をおやつに持ち込む子供が多く、利用することができないので、子供が小学校に入学する際には妻が会社を辞める予定であ
り収入も減る。
・何百人の生徒がいる中でなかなか息子のためにと思うと気が重いが、もっと先生方にもアレルギーに関して勉強してもらいたい。
(注) 分類の都合上、同一の意見・要望等を複数個所で記載したものあり
- 14 -
○
施設の意見・要望等(主なもの)
① 行政からの情報提供、ガイドラインに関するもの
・自己流の対応では不安。できるだけ行政機関等から情報提供してほしい。
【私立幼稚園】
・認可外保育施設には情報が届かない。情報が必要となった場合は、自分たちで調べて対応している。
【認可外保育施設】
・助言を受ける窓口を設けてほしい。
【私立幼稚園】
・今後、重篤な食物アレルギー症状の子供が入園してきたら困るので、行政の支援を受けたい、もっと情報がほしい。
【認可外保育施設、私立幼稚園】
・学校ガイドラインは作成された当時、送付等された気はするが、現在所在が分からない。
【私立幼稚園】
・ガイドラインを全職員に回覧等しているが、日常の保育業務が多忙のため全職員が読むには至っていない。
【公立・私立保育所、公立・私立幼稚園】
・ガイドラインは記載されている量が多く、内容が細かい。ガイドラインのポイントを簡潔にまとめたパンフレット等を作成してほしい。
【公立・私立保育所】
②
食物アレルギーを有する乳幼児を把握するための「生活管理指導表」に関するもの
・生活管理指導表等を作成することにより保護者や職員の食物アレルギーについての意識が高まる。
【公立保育所】
・
(市内の保育所では統一様式なので)施設職員の異動があっても同じ様式が使える、保護者にとっても転園の際に同じ様式が使えるなど、使
用のメリットがある。
【公立保育所】
・様式については、文字が小さく見にくい、完全除去ベースで作成され、アレルゲンの記載部分が簡単すぎるため、給食提供側には使い勝手が
悪い。
【私立保育所】
・生活管理指導表を導入したが、医師によって記入の仕方が違ったりして再度問い合わせる場合もあり多少混乱した。医療機関との意識統一が
必要【私立保育所】
③ 食物アレルギーに関する研修に関するもの
・どの施設も重篤な子供がいつ入所してきてもおかしくない時代であり、研修の受講は、その時に備えた対応を準備する契機になり、有益であ
る。
【公立保育所】
・研修に参加したことにより、職員の意識が格段に向上し、当園においても、ガイドライン等に沿った体系的な対策(生活管理指導表の活用、
事故時のフローチャート、誤食対策等)を講じるようになった。
【私立幼稚園】
・土曜日の研修があり、3人を参加させることができた。研修日時の配慮も必要である。
【公立保育所】
・小規模な施設であり、職員の人数も限られているため、平日の研修会に参加することは困難である。土曜日などに研修会を実施してほしい。
【認可外保育施設】
・県などから研修の案内はあるが、会場が県外である時もあり、研修を受講したいと思ってもなかなか受講できなかった。私立幼稚園は、行政
- 15 -
との接点が少ないため研修を受ける機会があまりにも乏しい。もっと、頻繁に食物アレルギーについて学べる機会を与えてほしい。
【私立幼稚園】
・研修を受講しても月日が経つと意識が薄れてくるので、一定間隔での研修が必要である【公立保育所、私立保育所、公立幼稚園】
・少ない体制の中、日々の業務もあって研修に参加する機会を作ることは困難である。参加した職員が他の職員に内部研修を行うことが現実的
である。
【公立保育所】
・行政機関等から食物アレルギーに関する DVD などの貸出しを受けることにより、簡単な職場研修を実施することも必要である。
【私立保育所、私立幼稚園】
④ 事故防止に関するもの
・ヒヤリ・ハットの事例を多く検証することで事故防止につながると思う。
【公立保育所】
・他園で今までにどのような事故があり、そのときどのような処置をされたか知りたい。
【認可外保育施設】
・調理業務に当たる職員にゆとりがほしい。離乳食、除去食等の対応は時間に追われると事故が起こりやすい。
【公立保育所】
・食物アレルギーを持つ子供が増え、その除去が複雑になってきている。給食を作る調理員等の人員配置の定数を増やすことを検討してほしい。
【私立保育所】
・幼稚園には専門の栄養士がおらず、アレルギーに対して専門の教育を受けた人がいないため、大変恐ろしい【公立幼稚園】
⑤
緊急時の対応に関するもの
・緊急時の対応表など、一枚で保育室に貼っておけるものが欲しい。
【認可外保育施設】
・
(食物アレルギーに関する)研修に参加したことにより、職員の意識が格段に向上し、当園においてもガイドライン等に沿った体系的な対策
(生活管理指導表の活用、事故時のフローチャート、誤食対策等)を講じるようになった。
【私立幼稚園】
・行政からの指針では、消防署(救急など)、医療機関などとの連携を取ることとされているが、末端まできちんと伝わっていないことがある。
【公立保育所】
・エピペンⓇの対応では、消防や病院と連携がスムーズに取れるように行政がレールを敷いてほしい。
【公立保育所】
⑥
緊急時に備えた訓練に関するもの
・全職員が食物アレルギー対応の重大性について認識する契機となった。
【公立保育所】
・エピペンⓇを預かることや食物アレルギーの事故等は、どの施設でも起こり得るものであり、対象者がいないからといって、安心できるもの
ではないと強く感じた。継続的に職員が食物アレルギー対応の重大性について認識するためには、研修や訓練が必要である。
【公立保育所】
・エピペンⓇの使用方法を全職員が経験しておく必要があると思うが、全員が1回に参加できないため、講習会を頻繁に行ってほしい。
【公立幼稚園】
・私立幼稚園の場合、行政との接点が少ないため、研修を受ける機会があまりにも乏しい。職員全員が1度は受講できるように講習会を頻繁に
行ってほしい。
【私立幼稚園】
・
(訓練内容を忘れないように)
、全職員が職場内で定期的に訓練を行う必要がある。
【私立保育所】
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・行政機関が主催する訓練への参加のほか、施設内でも訓練を行うなどして、エピペンⓇの使用方法を全職員が経験しておく必要がある。
【私立保育所、私立幼稚園】
⑦ 食物アレルギーを有する乳幼児の受入れに関するもの
・施設で誤食をさせないために人的な配慮(作るところ、食べさせるところ)が必要だが、現状は、何の配慮もないまま、独自で対応している。
【公立保育所】
・他児の食物を誤食してしまう危険性もあり、付きっきりの対応が必要である。
【私立保育所】
・乳アレルギー児を他児と離して職員室で食事対応することに対し、一緒の食事ができずかわいそうとクレームがあるが、保育室での牛乳が危
険な状況を保護者にも理解してほしい。
【私立保育所】
・食物アレルギー対応をしっかりと行えるよう栄養士、看護師等の職員の配置や費用面で考慮してほしい。
【公立保育所、私立保育所、公立幼稚園】
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