会報H26/10 - 杵家会ホームページ

杵家会に向けて
杵家
弥七
セミの声が何時しか虫の音に変わり、その
虫の音も小さくなってしまいました。今年の
夏は各地で大雨の影響により甚大な被害が報
告されておりますが、皆様のお宅は如何でし
たでしょうか。お見舞い申し上げます。
毎年思うことですが、七月を過ぎると、暑
い暑いと言っている間に秋が来て、すぐにク
リスマス、そして新年が来てしまいます。昔
はもっと長かったように思いますが、これも
年のせいなのかもしれません。今年も早々、
杵家会の事を話題にする時期となりました。
今回は北海道、東北、九州の各支部の出曲に
加え、
本部及びファミリーによる出曲が三曲、
私と弥佑による曲が二曲演奏されます。トリ
には、去年の﹁道成寺﹂に引き続いて、十二
挺十四枚での﹁鏡獅子﹂を演奏させて頂きま
す。また、去年同様男ばかりの曲として、干
支にちなんだ﹁春駒﹂を二挺独吟で演奏させ
て頂きます。春駒は十二年に一度しか出ない
たのでは、トンと面白みのない曲になってし
︵中略︶そのまま単調平板に唄い、また弾い
て、唄も三味線も皮肉な手がなく平易なので、
も 長 唄 名 曲 要 説︵ 補 遺 ︶ に、
﹁曲全体を通じ
た 型 で や ろ う と 思 っ て お り ま す。 浅 川 先 生
ので、今回のノリは六多郎師よりお伝え頂い
は逆に大変魅力的な仕立てをなさる方でした
いけない﹂というご意見でしたが、六多郎師
行ってしまう曲なのだから、面白くやっては
て頂きました。栄二師は常々﹁稀曲は消えて
ような曲で、私は栄二師と六多郎師から教え
VOL.43 No. 144
まう恐れがある﹂と書いてらっしゃいますの
で、そのようなことがないよう演奏出来れば
と思っております。十一月二十二日︵土︶紀
尾井小ホールで午後一時より開演致しますの
で、応援宜しくお願い申し上げます。
今 年 の 夏 期 講 習 会 は、 盛 り 沢 山 の 内 容 で
あったにも拘わらず、参加人数が大変少のう
ございました。その分注意が行き渡って、参
加の方は大いに徳をしたことと思いますが、
夏期講習会に限らず本部主催の催し物には少
しでも多くの会員の皆様に御参集頂き、それ
をきっかけとしてより大きな杵家の輪が広が
る事を願って止みません。次は杵家会本会が
あり、続いてお弾き初めが一月七日に催され
ます。特にお弾き初めは、従来第一会員のみ
の参加であったのが、数年前より杵家会員で
あれば誰でもご参加頂けるシステムに変更さ
れております。ご希望の方は遅くとも十二月
二十六日︵金︶までにお申し込み頂きますよ
う、こちらも宜しくお願い申し上げます。
杵家彌七出版新譜のお知らせ
A4版楽譜
三四三〇
竹生島
杵家派おけいこCD
竹生島
君が代松竹梅
─1─
発行者 杵 家 弥 七
発行所 杵 家 会
〒 150-0021 渋谷区
恵比寿西 2-18-6
郵便振替
00110-2-36161
TEL. 03
(3461)
1953
FAX. 03(3477)2207
http://www.kine-ie.com
[email protected]
甲斐駒ヶ岳山頂にて 7/30
平成 26 年 10 月
27 15
6 24 20 19 8 3 1 31
2
26
演
奏
会
予
定
・ ︵日︶ 県民会館 周年記念事業 邦楽・コラボ
﹁小鍛冶﹂﹁越後獅子﹂
せんだいメディアテーク
・ ︵土︶ 稀音家義丸稀曲の試み︵弥佑師︶
武原舞台
・ ︵月︶ 徳島県邦楽大会
あわぎんホール
・ ︵水︶ 長唄協会秋季定期演奏会
国立劇場小劇場
・ ︵日︶ 宮城県芸術協会長唄演奏会
2
1
11
11
11
11
10
10
10
10
10
10
24
12
30
22
16
9
1
26
19
15
13
11
5
行事予定 ︵平成二十六年十月∼二十七年六月︶
18 7 7 6 5
20 17 14 29 10 7 5 4
・
21
30 25 18 18 17 16 7 27
3 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1
・
・
・ ∼
徳島教室・講習会
・ ︵土︶ 九州支部常任理事会議
・ ︵日︶ 仙台教室講習会︵弥佑師︶
・ ︵日︶ 関西支部定例常任理事会・理事会
・ ︵木︶ 長唄出張授業︵弥佑師/世田谷区立
桜丘中学校︶
・ ︵日︶ 弥葉音会納会
・
東北支部臨時理事会・役員会
平成 年
・ ︵水︶ お弾き初め
・ ︵金︶ 長唄協会新年会
・ ∼
関西第二教室
・ ︵日︶ 長唄協会北海道支部新年会
・ ︵日︶ 室蘭邦楽舞踊協会総会・新年会
・ ︵日︶ 伊達邦楽邦舞協会総会・新年会
・ ︵金︶ 女流名家長唄大会
・
東北支部臨時理事会・役員会
・ ︵土︶ 長唄協会関西支部新年会
・ ∼
関西第一教室
・ ∼
名古屋教室
・ ︵日︶ 北海道支部臨時理事会
・ ︵木︶ 長唄協会春季定期演奏会下浚い
・ ∼
徳島教室・講習会
・ ︵火︶ 長唄協会春季定期演奏会
・ ∼
仙台教室
東北支部定例理事会・役員会
・ ︵日︶ 北海道支部定例理事会
・ ︵金︶ キッズ伝統芸能体験プログラム
発表会
東北支部臨時理事会・役員会
︵土︶ 師範試験用講習
︵日︶ 定期名取試験
∼
名古屋教室
︵日︶ 名取免状式
徳島教室・講習会
∼
︵日︶ 杵家会定例総会・理事会
九州支部稽古
∼
仙台教室
∼
12 12 12 12 12
3 3
・
・
・
・
・
・
・
・
・
2
﹁操三番叟﹂﹁菖蒲浴衣﹂﹁喜三の庭﹂
仙台市民会館小ホール
・ ︵日︶ 関西杵家会演奏会
国立文楽小劇場
・ ︵土︶ 県民会館 周年記念事業 邦楽・コラボ
﹁越後獅子﹂
宮城県民会館大ホール
・ ︵日︶ 長栄座錦秋公演︵弥佑師︶
滋賀県立文化産業交流館
・ ︵日︶ 伊達ふるさと芸能祭り
伊達カルチャーセンター
・ ︵土︶ 第五十四回杵家会
紀尾井小ホール
平成二十七年
・ ︵金︶ 女流名家長唄大会
日本橋三越劇場
・ ︵木︶ 伝統長唄伝承の会
日本橋劇場
・ ︵火︶ 長唄協会春季定期演奏会
国立劇場大劇場
─2─
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
∼ ・ 関西第二教室︵弥佑師︶
︵土︶ 九州支部常任理事会議
︵日︶ 宮城県民会館 周年記念事業
﹁邦楽・コラボ﹂
︵土︶ 稀音家義丸稀曲の試み︵弥佑師︶
関西第二教室
∼
︵月︶ 杵家会ツボ合わせ
︵月︶ 徳島県邦楽大会
︵水︶ 長唄協会秋季定期演奏会
︵土︶ 宮城県芸術協会長唄演奏会下浚い
︵日︶ 宮城県芸術協会長唄演奏会
︵日︶ 平成 年度版キッズ伝統芸能体験
プログラム開講
︵火︶ 常任理事会
︵土︶ 杵家会関西支部演奏会下浚い
︵日︶ 杵家会関西支部演奏会
︵月︶ 長唄協会旅行会
︵土︶ 宮城県民会館 周年記念事業
﹁邦楽・コラボ﹂
︵日︶ 徳島県板野町芸能祭︵弥津穂社中︶
︵月︶ 鹿島市文化祭︵弥栄葉社中︶
名古屋教室︵家元・弥佑師︶
∼
︵土︶ 講習会︵義丸師﹁熊野﹂︶
︵日︶ 竹田市祭︵弥佳社中︶
︵月︶ 長唄出張授業︵弥佑師/芝浦工業
大学中学高等学校︶
︵火︶ 邦楽社打合せ
∼
竹田市﹁竹楽﹂︵弥佳社中︶
∼
関西第一教室
︵日︶ 伊達ふるさと芸能祭り
︵月︶ 長唄出張授業︵弥佑師/芝浦工業
大学中学高等学校︶
︵金︶ 杵家会下浚い
︵土︶ 第五十四回杵家会
︵日︶ 杵家会定例理事会
︵火︶ 杵家会山楽部定例山行
長唄出張授業︵弥佑師/松戸市立
松戸高等学校︶
50
50
50
50
7
18
4 2
22
8
8
31
21 18
12 12
6 6 6 5 5 4 4 4 3
10
12
6
16 16
30
5 4
19 19 18 15 13 13 11 11
1 27 26 25 21
10 9 8 5 3 2
17 16 15 14 11
25 23 22 21
10 10 9
10 10 10 10 10 10 10 10
11 10 10 10 10
11 11 11 11 11 11
11 11 11 11 11
12 11 11 11 11
演奏会報告
︿杵家会徳島支部
第四回長唄演奏会﹀
平成二十六年六月十五日︵日︶
会場
あわぎんホール
大ホール
一、鶴
亀︵四部合奏︶
二、若 菜 摘
三、竹 生 島
元禄花見踊︵三部合奏︶
四、
五、汐
汲
六、時雨西行
七、四季山姥
八、助
六
九、 勝三郎
連 獅 子
十、靱
猿
演奏会を終えて
徳島支部
弥穂多佳
梅雨の時季の演奏会、雨になりませんよう
にと願っておりました。お陰様で天候にも恵
まれ、無事三年に一度の徳島支部の演奏会を
終える事が出来ました。又、遠くは県外から
のご来場もあるとの事で、一層の緊張と、身
の引きしまる一日でもありました。
お家元先生、弥佑先生には、何度も足を運
んでご指導下さいました事、御礼申し上げま
す。言われた事をすぐ理解出来るようになる
には程遠い私ではありますが、一言一言がと
ても勉強になりました。
初めて演奏会に出演させて頂いたのは、習
い始めの頃で、合同曲﹁鶴亀﹂でした。大勢
の中で右往左往するばかりで、先輩方の堂々
と し た 演 奏 に、 私 は あ ん な こ と 絶 対 に 無 理、
とても出来ないわと、他人事のように見てお
りました。あれからあっという間に、三回目
の演奏会を迎え、プレッシャーの中に座って
おりました。又、
今回唄では﹁竹生島﹂
﹁靭猿﹂
三味線では﹁四季山姥﹂と手に余る曲を頂き
ました。演奏会の日程と曲目が決まり、お稽
古が始まった頃は、不安ばかりで、なげ出し
たくなる日々でした。それでもお稽古、合わ
せと練習を重ねるうちに、どの曲も、唄えば
唄う程、弾けば弾く程に増々、曲の素晴らし
さ、魅力に引き込まれ、先生の熱心なご指導
にも助けられながら何とか本番を迎える事が
出来ました。
弥佑先生が座っ
本番では、横にお家元先生、
て下さっている事がすごく心強く、又お囃子
の迫力ある音に感動しつつ、できはともかく
としまして、精一杯頑張れたかと、こんな機
会を下さいました先生に感謝しております。
何か趣味をと始めた長唄、三日坊主で、し
かも仕事があるからお稽古出来ないなどと、
言い訳ばかりの私を気長くご指導下さいまし
た弥津穂先生、社中の皆様と末長く長唄を続
けられたら、又、今以上の精進をと、心を新
たにした演奏会でした。これからもよろしく
ご指導の程、お願い致します。
─3─
︿長唄協会夏季定期演奏会﹀
風流船揃
家
家
家
家
七 可 佐
弥
佳
陽
子
弥七東生
三味線
平成二十六年七月八日︵火︶
会場 東京・国立劇場小劇場
唄
杵 家 弥佳清
杵
杵 家 七 汐
杵
杵 家 弥重久
杵
杵
家
弥司一
杵
各地のお便り
岩槻支所
弥緒八
去る四月二十日、さいたま市産業文化セン
ター︵大宮︶にて藤巳流︵新舞踊︶の記念発
表会がありまして、地方として、古典二曲に
出演させていただきました。会主の﹁黒髪﹂
と 会 員 の﹁ 晒 女 ﹂ で す。 地 方 都 市 の 公 演 で、
地方で踊ることが珍しく、会主はもちろん観
客の皆さんにも大変喜ばれました。
演奏は教科書通りとはいかず、抜き差しのこ
と、掛声、気合い、と仲々大変でした。
弥佑先生に教えていただき、何とかこぎつけ
ました。先生には感謝でいっぱいです。
ありがとうございました。
岩槻支所
渡辺
光子
弥緒八先生のご指導のもと、踊りの伴奏者
として出演させて頂きました。立方︵踊り手︶
の舞う振りの気配を感じとりながら早さを調
整したり又、衣装の着替えの間のもたせ方な
どたいへん勉強になりました。
─4─
私の弥しゃご会
弥江宏社中
弥寿江
んだのですが、合わせ稽古やリハーサルと重
なる毎に、与えられた機会の大きさを実感し
て参りました。
難しいことは楽しく、その難しいことのあ
るのは倖せなことと、思い信じます。
ご協力下さいました先生方の素敵な笑顔や
お優しいお言葉が今も心に響いております。
─5─
第五十回弥しゃご会
七月二十日︵日︶東京証券会館ホールに於
いて第五十回弥しゃご会が開催されました。
長引く梅雨の影響でお天気が心配されました
が、
閉幕までは降らずに我慢してくれました。
今回は、弥葉音会十三曲、弥延次社中、弥
江宏社中︵名披露目︶の全十五曲の演奏があ
りました。また、弥葉音会の弥恵澄さんが過
日九十歳を迎えられたということで、﹁八島
落官女﹂の演奏後、舞台上で家元先生より花
束が贈られました。
︹Y︺
その幕の内側、赤い毛せんの中程に私は三
味線を構えている。お家元先生、弥江宏先生
と私の尊敬する先生方とご一緒に。
いつもは正面から見上げる舞台に自分が居
る。此の様な、私にとっては逆さまの景色を
経験する日の来ることを、どうして想像でき
たでしょう。
やがて、五郎時致の幕は開きます。勿論の
緊張!私の心臓はとっくに口から飛び出して
しまった様です。
十年前、若い頃に少しかじった三味線を再
び始めました。弥江宏先生の真綿に包んで、
ぐいぐい引っ張る絶妙なご指導の下、杵家の
お名前まで頂くことができました。
弥しゃご会のお話を頂いた時には大変尻込
立三味線の弥寿江さん
弥七塾のお知らせ
─6─
師範試験受験者のために開催されておりま
すが、長唄に関する理論を知りたい方や、第
一会員で不得意分野をもう一度見直したい方
に良い機会です。上手にご利用頂いて、情報
の取得、知識の再確認、ご自身の向上などに
お役立てくださる事をお勧め致します。
●講義割一覧
月
内
容
4月・ 月
歴史・音楽的特質
5月・ 月
基礎知識
6月・ 月
五線譜
7月・1月
文化譜基礎①・書取り①
8月・2月
文化譜基礎②・書取り②
9月・3月
文化譜書取り③
文化譜基礎①
文化譜の歴史及び理論
文化譜基礎②
転調及び旋律形
書 取 り①
リズムの基本パターン等
書 取 り②
演奏からの書取り
書
取
り③
演奏からの書取り
*お申し込み・お問い合わせは事務局まで
*開始時間は事前に事務局にご確認ください
* USTREAM配信は、一ヶ月に生放送一回
再放送三回の全四回です
●日
時
お問い合わせください
●参加資格
第二会員以上
●実施時間
二時間半
●受講費用 五千円︵当日集金︶
● USTREAM配信四万五千円
︵六ヶ月分一括振込︶
12 11 10
夏期講習
八月一日から三日まで恒例の夏期講習会が
行われました。今年は残念ながら受講者が少
なかったのですが、アメリカ支部の弥蝶之助
さん、
直門の中村蓮くん
︵高一︶
、
中学生になっ
た直紀くんなどが参加しました。
弥蝶之助さんに三味線で﹁スー
茶話会では、
パ ー マ リ オ ﹂ の テ ー マ 曲 や、
﹁進撃の巨人﹂
のテーマ﹁紅蓮の弓矢﹂を披露していただき
ました。古典ではない曲を弾くのは大変そう
で、譜面におこしている弥七蝶さんのご苦労
が垣間見られました。
︹Y︺
─・─・───・─・───・─・───・─・───・─・───・─・───・─・───・─・─
杵屋淨貢師講習会を受講して
釜石支所
弥多寿
六月七日、盛岡は朝から岩手富士に梅雨の
雲がわき、雨と一緒に上京しおけいこの末席
に加えさせていただいた一日でした。杵家会
館で、杵屋淨貢先生が、おじい様の五世杵屋
巳太郎作曲、出雲のお国の講習が行われ、棒
しばりや茶壺等、狂言をテーマとした、楽し
い曲を作曲しておられます。又、私達講習生
に、家元先生は、弟分みたいなので、かたく
ならずに、けいこして下さいとおっしゃり、
けいこが始まりました。歌舞伎おどりの創始
者、お国の縁起ものみたいな事がその時代背
景にあって、文章が歌詞になっていて、その
文章にも価値があるとおっしゃられ、この曲
には、長唄の手法が沢山とり入れてあり、簡
単 に 覚 え ら れ る け れ ど、 簡 単 に 忘 れ る と も
おっしゃり、私達に一生懸命におけいこし、
忘却を繰り返すことを言っているんだと思い
ながらのけいこでした。又名古屋山三は、お
国と歌舞伎踊を創始した。とされているが時
代がずれていると教えていただき、お国は、
時代のスター的な人だったので、名古屋山三
は、思い焦がれていたのではと、私は思案し
ました。花見の場面は、踊りたくなるような
拍子で、念仏踊りも一緒で身体でリズムをと
りたくなるような楽しい、一節一節でした。
譜面は、文化譜に直して下さり、初見でも弾
くことが出来たのは、三線譜の偉大な力だと
思いつつのけいこでしたが、二時間余の間は、
時を感じることなく終了しました。又同様の
講習会の機会に恵まれることを思いつつ、小
雨の中家路に着きました。
─7─
古屋の杵屋六喜一版︵名古屋本︶は初演正本
こちらの文句に近い気がしました。
政四年正月、大坂中座﹁勧進帳﹂が出ましたが、
は、キチンと区別して演奏されていました。
代目芳村伊十郎師も松島庄三郎師などの方々
前回芝居の﹁勧進帳﹂と素の演奏の﹁勧進
帳﹂は別曲といわれたお話をしましたが、七
これが七代目団十郎の四回目の公演で、﹁勧
七代目と初めて御一緒させて頂いた時
それつらつら﹂が書かれています。安
の歌詞に従っていて、この本は別頁に勧進帳
進帳﹂の最後となりました。江戸の﹁勧進帳﹂
御手﹂を分け口に頂いたのですが、終わって
本文
稀音家
義丸
の正本は何れも中頁に舞台の絵が入っていま
から﹁判官さんが浮かれていては困るね﹂と
長唄聞書︵九五︶
==勧進帳︵二︶==
前回中途半端になってしまったので続きを
書きます。又新発見もありましたゆえ。
すが、正本の中頁に絵があるのは正次郎作曲
前回おろくさんの事に一寸ふれましたが、
この人は美人の名人で乗馬が得意であった由
囃子作調は大正十年以後との事です。
流し﹂
として流行したのは関東大震災以後で、
けて演奏することは余り無いそうです。﹁滝
は﹁大滝の合方﹂の方です。両方を一緒に続
方﹂と﹁滝の合方﹂の二種で、
現在の﹁滝流し﹂
正次郎が名古屋で作曲をしたのは﹁大滝の合
記されています。作者が如何に苦労したかが
の草稿だけでも半紙に五・六十枚はあり﹂と
ありますがその中に﹁五瓶の手許には勧進帳
木五瓶の子が書いた﹃五柳耳袋﹄という本が
弁慶今は大汗流し﹂などとあります。作者並
みの、墨で塗り潰した草稿がありますが、
この歌詞が完成するまで色々試行錯誤が
あったようで、早稲田大学の演劇博物館に試
﹁土蜘﹂とこの曲のみです。
の表現が必要という事でしょう。
もあるのですから、品位と、ある意味の強さ
いという事です。義経は源氏の嫡男で武将で
いたり振ったりした感じに聞こえてはいけな
とり給い﹂の︿ま﹀の生み字の扱いで、抜
時やっと御注意の意味が判りました。それは
て、ある若い声の良い方の演奏を聞きました
言われました。この意味が、若造で何も知ら
判官
﹁滝流し﹂ですが吉川英史先生のお書きに
なった記事を見つけましたので追加します。
です。この方に﹁滝流し﹂を習った人は多い
察せられます。
ない頃ですから随分考えました。数十年たっ
ようです。
は 露けき袖やしぼるらん﹂で現在の
しお
正本は表紙に﹁寿﹂の字があります。この本
五年九月・明治十八年二月があります。初演
保 十 一 年 三 月︵ 初 演 ︶・ 嘉 永 二 年 三 月・ 嘉 永
されています。先生の御本によりますと、天
照下さい。人気曲だけあって度々新しく出版
正本の事ですが、竹内道敬先生の﹃近世邦
楽考﹄二九〇頁に記載されていますのでご参
崎八郎という方ですが、どういう方か私は存
御説です。此の説をお出しになられたのは岩
るさい故、講釈師から取った事にしたという
がいて、武家の式楽の能から取ると幕府がう
考にしたのではないかという説を出された方
能楽金剛流﹁安宅﹂の小書﹁問答乃習﹂を参
り入れた事が通説になっていますが、これは
弁慶と富樫の山伏問答ですが、当時名人の
講釈師太陵・南窓の山伏問答を参考にして取
文字は変われど﹂の︿は﹀も同じです。︶
の が 正 し い そ う で す。︵ 六 三 郎﹁ 老 松 ﹂ の
随分受けました。生み字をふらないでカエス
の関﹂の︿の﹀の扱いも先輩諸師のご注意を
は五十過ぎでお恥ずかしい限りです。
えて頂いたのですが、これがやっと判ったの
オヒャイトシャイトを聞けばよいのだ、と教
終わり近く 鳴は滝の水﹂の間が中々判ら
ず先輩に伺いました所、笛のヒッピーリュイ
るらん﹂と異なっています。今一つ 一期の
じません。文楽の﹁安宅﹂は長唄よりむしろ
人目
浮枕﹂が 一期の不審﹂となっています。名
─8─
芝浦工業大学中学高等学校
日本音楽体験授業
去る六月十七日と二十四日の二週にわたり
中学三年生五クラスに三味線体験授業を行い
ま し た。 こ ち ら の 学 校 に お 邪 魔 す る よ う に
なって四年がたちますが、毎回子ども達の素
直な様子に、
ゆったりとした校風を感じます。
授業を通して一人でも多くの子ども達が邦楽
に興味を持ってもらえたら、
と思っています。
︿Y﹀
杵家会
島
東
北
支
部
祭
弥重久
陽
子
唄
線
三味 於
紀尾井小ホール
午後一時開演
平成二十六年十一月二十二日︵土︶
田
第五十四回
一、神
二、浦
八
雀
弥佳清
七
三
景
九 州 支 部
三、風 流 船 揃
北 海 道 支 部
四、巽
原
休 憩
五、吉
獅
子
弥 佑 弥 七
駒
弥
佑
弥
七
六、高 砂 丹 前
弥江宏 かをる
七、春
八、鏡
囃子
堅田喜三久
社中
─9─
演 奏
かをる
財 務
七 三
弥東弘
会員管理
七可佐
弥七篤
弥寿治
事 業
弥多緒
弥左洋
弥佳清
教 育
弥 萩
弥七東生
弥江宏
弥左洋
資 料
弥多次
弥寿鳳
弥七篤
陽 子
(書記兼任)
弥東弘
杵家弥優仁
杵家七可美
杵家弥万寿
杵家弥津音
杵家弥栄葉
杵家弥七蝶
関 西 支 部
徳 島 支 部
九 州 支 部
教育委員会
アメリカ支部
070-5563-3387
[email protected]
070-6575-3387
[email protected]
070-6576-3387
[email protected]
070-6457-3387
[email protected]
070-6453-3387
[email protected]
070-6461-3387
[email protected]
[email protected]
稀音家義丸師講習会のお知らせ
本部事務局および各支部事務局の連絡先をお知ら
せいたします。お手元に置いてご活用ください。
杵家七美裕
杵家弥登通
杵家弥久輔
杵家弥津穂
杵家弥 瑩
杵家弥七蝶
︵十一月六日〆切︶
* USTREAM配信は再放送一回を含みます。
*お申し込みは事務局まで
多数のご参加お待ちしております。
記
曲
目
﹁熊野﹂
日
時
平成二十六年十一月八日︵土︶
午後一時∼三時
場
所
杵家会館二階
参加資格
第二会員以上
受講料
五千円︵当日集金︶
USTREAM配信
七千五百円︵振込︶
以上
昨年に引続き﹁熊野﹂の後半をお稽古して
いただきます。
事務担当者
北 海 道
東 北
関 西
徳 島
九 州
米 国
東 北 支 部
お弾初め
副会長 杵 家 弥 佑
北 海 道 支 部
平成 26 年度杵家会組織図
本 部
平成二十七年一月七日︵水︶
於
杵家会館大広間
弥 佑
七喜美
弥司一
七 花 *(会計)
事務局よりお知らせ
一、杵家会費について
平成二十六年度の杵家会費納入期限は九月
末日でございます。まだお済みでない方は、
四月号会報に同封の払込用紙にてお早めに
納入くださるよう、ご協力をお願い申し上
げます。
二、登録情報変更について
ご連絡先等が変わられました際には、取立
師匠へはもとより、本部事務局へもお届け
くださいますようお願いいたします。
三、各種申請用紙について
新入会、修了証、住所変更等主な申請用紙
の現行版を杵家会ホームページの﹁会員用
のページ﹂に掲載いたしました。
︵ http://kine-ie.com/kaiin/
からメニュー
ボタン﹁会員ページ﹂をご参照ください。
︶
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編集後記
杵家
杵家
杵家
杵家
杵家
陽
子
七
汐
弥七之
弥容之
弥寿治
急に肌寒い日が続くようになりました。皆
さま体調管理にお気をつけ下さいませ。
弥佑先生のお手伝いで中学校の授業に伺う
機会が増えました。子供たちの様子を見てい
ると昨今では、正座をするというのは特別な
ことになりつつあるのかなあと、淋しく思い
ました。
︹陽子︺
編集委員
インターネット担当
─ 10 ─
曲
目
一、操三番叟
一、喜三の庭
一、娘 七 種
一、鶴
亀
一、七 福 神
終 演 後、 新 年 宴 会 が あ り ま す。 事 務 局
までお申し込み下さい。
会費 一万円︵当日集金︶
以上
担当理事(杵家)
〃(兼任)
弥寿治(インターネット担当)
七 汐 (会 報 担 当)
広 報
弥七之 *( 〃 )
弥容之 *( 〃 )
* 印は理事外
支 部
支部長
〃(兼任)
担当理事(杵百)
委員会名
常任理事
会 長 杵 家 弥 七