資料2 医療・介護情報の分析・検討ワーキング グループにおける検討状況について② ~データに基づく医療機能別病床数の推計方法の検討~ 医療・介護情報の分析・検討ワーキンググループ主査 松田 晋哉 医療・介護情報の分析・検討ワーキンググループについて 1.構成員等 - 構成員 <主査> 佐藤 主光 一橋大学国際・公共政策大学院教授 筒井 孝子 兵庫県立大学大学院経営研究科教授 土居 丈朗 慶應義塾大学経済学部教授 伏見 清秀 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医療政策情報学分野教授 藤森 研司 東北大学大学院医学系研究科・医学部医療管理学分野教授 松田 晋哉 産業医科大学医学部教授 石川 ベンジャミン光一 - 参考人 独立行政法人国立がん研究センターがん医療費調査室長 1 2.開催状況 - 第1回会議(9月1日) ・医療費等の地域差について ・シミュレーションについて - 第2回会議(10月10日) ・医療費等の地域差について ・地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会について ・シミュレーションについて - 第3回会議(11月5日) ・地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会における検討状況について ・シミュレーションについて - 第4回会議(12月4日) ・シミュレーションについて - 第5回会議(12月8日) ・医療費適正化計画について ・シミュレーションについて - 第6回会議(12月17日) ・地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会における検討状況について ・シミュレーションについて 2 第2回専門調査会(11月11日)における会長とりまとめ発言要旨 ○ 現在ワーキンググループで松田主査を中心に作業を進めていただいている病床数等 の推計方法については概ね了解をいただけたと思うので、引き続きワーキンググループ で作業を進めてもらいたい。 ○ その際、各都道府県別の将来推計に当たっては、人口推計など全国統一のルールで 行う必要があること、地域の実情についても客観的なデータに基づくものの範囲にとどめ る必要があることについても、その方向で進めていくこととしたい。 ○ さらに、前回もご意見をいただいていた現状追認型では必ずしもなく、地域差の解消や 効率化、医療の質を織り込むべきという指摘については、具体的な内容を引き続きワー キンググループでも検討いただきたい。 ○ その他貴重なご意見をいただいているので、これらも踏まえて、ワーキンググループで 引き続き検討いただき、しかるべきタイミングで、また、この専門調査会に報告いただきた い。 3 分析の具体的手順(1) ○ まず、DPCデータについて、以下の分析を実施。 ① 1日当たりの医療資源投入量(入院期間の平均ではなく、入院1日ごとに計算。入院基本料、 リハビリテーション料を除く。)を入院経過日数順に並べて、高度急性期と急性期の境界点(C1)、 急性期と回復期の境界点(C2)、回復期と居宅施設等医療(通院を含む。以下同じ)の境界点 (C3)となる医療資源投入量を分析。 ② リハビリテーション料を含んだ医療資源投入量がC3を超えている場合は、回復期に配分する。 ただし、医療資源投入量によらず、回復期リハビリテーションは回復期に、療養病床は慢性期に 配分する。 DPCごとに集計 高度急性期 高度急性期 C1 C1 急性期 急性期 C2 回復期 C2 C3 回復期 C3 居宅施設等 医療 居宅施設等 医療 DPCごと、患者ごとにC1以上を高度急性期部分、 C2以上C1未満を急性期部分、 C3以上、C2未満を回復期部分 C3未満を居宅施設等医療部分に分解し、集計 day 4 分析の具体的手順(2) ③ 疾患ごとに、当該疾患の全患者の1日当たりの医療資源投入量を入院経過日数順に並べて、 ①で算出したC1~C3の基準に該当する患者数(人・日)を計算し、合計。 ※1日1人と数える 医療資源投入量 高度急性期 C1 急性期 C2 回復期 C3 居宅施設等 医療 該当する延べ人数※を合計し、 ⾼度急性期の医療需要とする。 該当する延べ人数※を合計し、 急性期の医療需要とする。 該当する延べ人数※を合計し、 回復期の医療需要とする。 該当する延べ人数※を合計し、 居宅施設等医療の医療需要とする。 入院からの日数 全てのDPCで合計し、各医療機能の医療需要とする。 5 分析の具体的手順(3) ○ 次に、NDBのデータについては、以下の分析を実施。 ① 対象は、非DPC病院または有床診療所に入院した患者とし、結核病床、感染症病床、精神病 床の入院分は除外する。 ② レセプトには、日計表があり、その日に行われた診療行為が記録されていることから、各患者 の1日毎の入院基本料・リハビリテーション料を除いた出来高点数(医療資源投入量)を計算。 DPCデータと同様に、C1、C2、C3の基準に該当する患者数(人・日)を計算し、合計する。 ③ また、リハビリテーション料を含んだ医療資源投入量がC3を超えている場合は、回復期に配分 する。ただし、医療資源投入量によらず、回復期リハビリテーションは回復期に、療養病床は慢 性期に配分する。 6 病床の機能別分類の境界点(C1~C3)の考え方【案】 基本的考え方 高度急性期と 急性期の境界点 (C1) 急性期と回復期 の境界点 (C2) 回復期と居宅施設等 医療の境界点 (C3) 対象が重症者に限られ、 充実した人員配置等が要件 となっているハイケアユニッ ト等を退室する段階の医療 資源投入量 急性期における治療が終 了し、医療資源投入量が一 定程度落ち着いた段階にお ける医療資源投入量 患者像の例 人工呼吸器は離脱したが、抗菌薬治療等の標準治 療が必要。画像や血液検査等による評価も継続して実 施する必要がある状態。 抗菌薬治療等の標準治療は終了したが、経口摂取 不十分や術後の体液排出のため、輸液管理や術後の ドレーン管理は継続している状態。 (急性期の医療需要の考え方) 医療資源投入量が落ち着いていても、状態の安定 化に向けて急性期としての医療が必要な患者もいる ことから、そうした患者をどのように見込むか。 輸液管理や術後のドレーン管理が不要となり、定期 薬以外の治療は終了。 療養病床または在宅にお いても実施できる医療やリハ ビリテーションの密度におけ (調整期間の医療需要の考え方) 境界点に達してから退院調整等を行う期間の医療 る医療資源投入量 需要をどのように見込むか。 7 地域の実情に応じた慢性期と居宅施設等医療の需要推計の考え方【案】 ○ 今後、高齢化により増大する医療需要に対応するためには、入院医療の機能分化と連携により、2025年 には、居宅施設等医療への移行を促進することが必要。 ○ よって、各地域で療養病床の入院受療率を一定程度、見直し、それに相当する患者を、各地域で居宅施設 等医療に移行する患者として推計する。 ○ 療養病床の入院受療率には現状、都道府県差があるが、2025年に向けて、これを見直しする。その際、地 域の在宅医療や介護施設等の整備の見込みなどを踏まえて、一定の幅の中で設定することを認めるか。 B A 最も入院受療率の高い二次医療圏を 全国中央値レベル(県単位)にまで 低下させ、他の医療圏も全国最小 との差を等比的に低下する。 全ての二次医療圏が 全国最小レベル(県単位)まで 入院受療率を低下する。 最小(二次医療圏) 現在 最大(二次医療圏) 最小(二次医療圏) 最大(二次医療圏) 現在 入院受療率 2025年 最小(県) 入院受療率 2025年 最小(県) 中央値(県) 8
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