2.テレビ放送の受信機器

2.テレビ放送の受信機器
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●アンテナで受信する場合に必要な受信機器類
一般的な戸建の受信モデル例
UHFアンテナ
BS・110度CSアンテナ
ブースター
(増幅部)
分配器
同軸ケーブル、接栓
ブースター
(電源部)
直列ユニット、
壁面TV端子
分波器
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2-1
UHFアンテナ
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● 電界強度とアンテナ選択
中電界
14~20素子相当の八木式アンテナ
平面アンテナ
弱電界
14~27素子パラスタック式アンテナ
20~25素子相当の平面アンテナ、八木式アンテ
ナ
強電界
室内アンテナ、4~8素子アンテ
ナ
A
地形の影響により
電波が弱い地域
B
電界強度
電界強度
「中」
「強」
80dBμV/m 70dBμV/m
11
C
電界強度
「弱」
60dBμV/m
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● 地上デジタル放送受信用アンテナの種類
家庭用
共同受信用
戸建
アパート、ビル、マンション等
平面アンテナ 八木式アンテナ
室内アンテナ
パラスタック式アンテナ
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八木式アンテナ パラスタック式アンテナ
小型アンテナ
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● 電波を受けるしくみ
・・・受信したい電波
・・・受信しない電波
親局、中継局
導波器
受信する周波数の電波を集めます
放射器
反射器
受信した電波を取り出します
後方からの不要な電波をさえぎります
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● アンテナの選定
受信する中継局の電波、電波状況にあったアンテナを選びます。
選ぶポイントは3つです。
①使用チャンネル
各地域の中継局で違います。
受信する中継局に合わせて選びます。
①
②
③
②偏波面
各地域の中継局で違います。
受信する中継局にあわせて選びます。
③動作利得
受信する電波の強さにあわせます。
中継局からの距離と位置関係で電波状況
が変わります。
電界強度(空間の電波の強さ)が低いとこ
ろでは電波を集める性能(動作利得)が高
い機種を選びます。
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● 使用チャンネルと偏波面
高松局は、13~27ch、水平偏波 ですので
・ローチャンネル用またはオールチャンネル用
・水平偏波を受信できるアンテナ
しょうどしま
小豆島中継局は、20~51ch、水平偏波 ですので
・オールチャンネル用
・水平偏波を受信できるアンテナ
たくまなまり
宅間生里中継局は、15~31ch、垂直偏波 ですので
・ローチャンネル用またはオールチャンネル用
・垂直偏波を受信できるアンテナ
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①使用チャンネルについて
・UHF放送は、470~710MHzの電波を6MHzずつにわけて13ch~52chに割り
当てられています。
これを「物理チャンネル」と言います。 (注意:テレビリモコンのチャンネルと
は違います。)
・UHF放送では、各中継局によって使用する物理チャンネルが異なっており、UHFア
ンテナを選ぶ際、使用チャンネルが受信する中継局にあっているか確認が必要です。
UHF放送
(地上波デジタル放送)
・・・・・・・・・・
周波数 470MHz
13ch
物理チャンネル
~
~
710MHz
52ch
物理チャンネル
物理チャンネル
周波数(MHz)
13
470~476
14
476~482
・
・
・
・
・
・
52
704~710
※弊社総合カタログに一覧表があります
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②偏波面について
UHF放送では、水平偏波と垂直偏波の2種類あり、各中継局によって偏波面が異な
ります。
UHFアンテナを選ぶ際、受信する中継局の偏波に対応しているか確認が必要です。
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③動作利得について
動作利得とは、半波長ダイポールアンテナに対する相対利得を「dB」で表したもの
(1) アンテナの受信性能(感度)を表す数値です。
(2) 素子(エレメント)数が多いものほど利得は高くなる。
例)
14素子八木式アンテナ UA14P3では、7.8dB~12.2dB
20素子八木式アンテナ UA20P3では、8.2dB~13.2dB
(3) 同じ素子数では受信帯域が狭いほど利得は高くなる。
例)
オールチャンネル用20素子八木式アンテナ UA20P3では、8.2dB~13.2dB
ローチャンネル用20素子八木式アンテナ UL20P1では、10.4dB~14.0dB
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● BS・110度CS放送受信用
・・・ BSアンテナ
BS・110度CS放送を受信するには、BS・110度CS受信用のアンテナを使用します。
設置する建物により戸建用、共同受信用に分かれます。
家庭用
共同受信用
アパート、ビル、マンション等
戸建
45cm
※北海道北部では、50cmです。
60cm
75cm
90cm
120cm
※北海道北部では、75cm以上です。
家庭用では北海道北部を除いて全国共通で使用できます。
共同受信用では受信の規模に合わせてアンテナ口径の大きさを選びます
。
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● BSアンテナのしくみ
BSデジタル
110度CSデジタル
12GHz帯域
・・・受信したい電波
赤 道 上 空 約
35800km
の静止軌道
・・・受信しない電波
反射鏡
放物面で、受信したい衛星からの
電波を反射し、焦点にあるコ
ンバーターに集める
※ 放送衛星からの微弱な電波を受信するので、
コンバーターが低雑音であることがポイント
です!
コンバーター
反射鏡の焦点にあり、
反射鏡で反射した電波を
受信システムで伝送でき
る低い周波数に変換する
1032~
2150MHz
(CS/BS-IF帯域)
コンバーターへの電源供給
(DC15V)
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● BSアンテナの調整方法
(1)テレビ、またはブースターからアンテナへ電源供給を行なう
(2)仰角を地域に合わせて、仮固定する
仰角の調整
都市名
札幌
仙台
東京
横浜
名古屋
大阪
都市名
神戸
広島
高松
福岡
鹿児島
那覇
仰角(°) 方位角(°)
31.2
221.7
35.3
224.0
38.0
224.4
38.3
224.5
40.1
221.5
41.5
220.0
仰角(°)
方位角(°)
41.6
219.6
43.4
216.2
42.6
218.4
45.2
213.9
47.0
215.6
53.6
215.9
(3)テレビの受信状況(受信レベル)を見ながら、方位角を少しずつ微調整する
(4)受信できることを確認し、最後にテレビの受信レベルが最大になるように調整して固
定する
時計の秒針のように
ゆっくり動かしては
受信レベルの確認!
方位角の調整
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2-2
同軸ケーブル
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● 同軸ケーブルの種類
アンテナ(FM、UHF、BS/110度CS)やCATVから受信した信号をテレビ、レコー
ダーやブースター等の受信関連機器への配線に使用します。
ケーブルの太さや色、長さ、種類(規格)などの特長別に、さまざまな機種があります。
機種により、配線環境(屋内、屋外)や伝送する放送波周波数(帯域)が違いますので
同軸ケーブルは、ご使用方法に合わせて機種を選びます。
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● 同軸ケーブルによる信号の減衰
同軸ケーブルで信号の大きさ(端子電圧)が
減衰します。
0
・同じ長さでは周波数が高いほど信号が減
衰する
・同じ周波数では長いほど信号が減衰する
減衰
端子
レベル
[dBμV]
470~710MHz
1032~2150MHz
周波数[MHz]
同軸ケーブルの長さが長くなると、端子レベルが下がります。
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● 同軸ケーブルの構造
中心導体(心線)の周囲を同心円状に外部導体(編組線)があります。
外部導体(編組線)にアルミ箔も使用している機種もあります。
中心導体
(心線)
例
S-5C-FBの場合のイメー
ジ図
内部絶縁体
アルミ箔
(機種による)
外部胴体
(編組線)
外皮
(ビニ
ル)
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● 同軸ケーブルの太さ
種類
外形(太さ)
弊社製品例
1.9C
約3.6mm
1.9C-FB
3C
約5.4mm
3C-FV
4C
約6.0mm
5C
約7.7mm
BS-CDX(S-4C-FB相当)
5C-FV、S-5C-FB、S-5C-FBD
細いほど、引き回しやすいが減衰量が大きい。
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2-3
混合器、分配器、分岐器、分波器
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● 混合器、分配器、分岐器、分波器の役割
FM、UHFもしくはCATVとBS・110度CSアンテナで受信した後、テ
レビ信号を合成したり(混合器)、各受信機(テレビ、チューナー)の数に
分けたり(分配器、分岐器)、受信機の手前でUHFとBS・CSなどの信号
の種類に分けたり(分波器)します。
BS・110度CS
地上波
または
CATV
混合記
※分波器はテレビの
直前で使用します。
分派器
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● 混合器の種類
別々の放送波がある2つの同軸ケーブルの信号を1つの同軸ケーブル
にまとめる機器です。機種は大きく下記の2つに分類されます。
(1)
(2)
UHF(地デジ放送)またはCATV + BS・110度CS
UHF(地デジ放送) + UHF(地デジ放送)
入力1
(UHF)
入力1
入力2
(BS・110度CS)
出力
入力2
(UHF)
入力1
(UHF)
出力
(UHF+UHF)
出力
(UHF+BS・110度CS)
入力1
出力
出力信号は入力信号より信号の大きさ(端子電圧)が小さく(減衰)なります。
この損失を通過帯域損失と言います。
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混合器で減衰する!
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● 分配器の種類
UHF、CATV、BS・110度CS放送の信号などを複数に等しく分ける
(分配する) 機器です。
分配数によって、2分配器、3分配器、4分配器、・・・があります。
2分配器
4分配器
3分配器
入力
入力
入力
出力1 出力2
出力1 出力2 出力3 出力4
出力1 出力2 出力3
出力信号は入力信号より信号の大きさ(端子電圧)が小さく(減衰)なります。
この損失を分配損失と言います。
入力
30
出力
分配器で
減衰する!
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● 通電端子の役割と種類
屋内のブースター用電源部から屋外のブースター本体に電源を供給する
ために必要です。
全端子通電形
1端子通電形
・指定出力端子
⇔
入力端子
・出力全端子
・AC通電、DC通電
両方OK
・DC通電のみ
※電気を通す部品がチョークコイル
⇒
入力端子
※電気を通す部品がダイオード
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● 通電に関する注意点
テレビの機種によっては、CS/BS入力端子から電気を送る設定でも自身の電源が
切れたとき、電気を送る事をやめる機種があります。
1端子通電形分配器を使用している場合、その出力端子のテレビの電源が切れる
と他のテレビでCS/BS放送を受信できなくなります。
分配器 (1端子通電形)
通電端子に接続した
テレビの電源を切る
↓
送電をやめる
↓
切
他のテレビで受信不可!
通電端子に接続し
たテレビから送電
他のテレビで受信不可!
全テレビで受信可能
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● 分岐器の種類
・出力端子と分岐端子の2種類の出力があります。
・分配器のように等しい値を出力するのではなく、出力端子は入力端子より若干
低い値で、分岐端子はさらに低い値で出力します。
・分岐端子同士は、同じ値で出力します。
・分岐端子の数によって、1分岐器、2分岐器、3分岐器、4分岐器があります。
出力端子
入力端子
2分岐器
分岐端子2
分岐端子1
出力端子、分岐端子の信号は入力信号より信号の大きさ(端子電圧)が小さく(減衰)なります。
出力端子の損失値を挿入損失と、分岐端子の出力を分岐結合損失と言います。
入力
出力
分岐
減衰する!
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2-4
ブースター
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● ブースターの役割
アンテナで受信したテレビ信号は、同軸ケーブルや分配器などを通過する事で、信号の大
きさ(端子電圧)が小さく(減衰)なります。
アンテナ直下で受信できても、テレビの入力端子で必要な最低レベルを下回ると、視聴で
きなくなります。テレビ放送の信号を高く(増幅)するのがブースターの役割です。
同軸ケーブル、混合器な
ど通過後受信できない
地上波、CATV
BS・110度CS
同軸ケーブル、混合器、分配
器、分岐器、分波器など
受信できる!
アンテナ直下では
受信できる!
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● ブースターの選定
①使用帯域
受信する放送に対応した機種
を選定します。
②標準利得
アンテナ出力レベルに応じて
機種を選定します。
①
②
③定格出力
家庭用では気にする必要はあ
りませんが、共同受信用では
受信端末数の規模に応じて
選定します。
③
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● ブースターの使用帯域
帯域には
(1)
増幅
する周波数帯域
(2)
増幅せずに、通過(
パス
)する周波数帯域
(3) 使用できない(通過も増幅もしない)周波数帯域
があります。
このうち(1),(2)の帯域を 使用帯域
と言います。
ブースターでは、フィルターがあり、使用できる帯域と使用できない
帯域が
決まっています。
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● フィルターの役割
フィルターとは、一般的に(空調フィルター、コーヒーフィルターなど)混ざった
物の中から希望する物を取り出す機能を言います。
ブースターでのフィルターとは、必要な周波数の信号成分を取り出す機能を言います。
入力側
・・・UHF帯域
・・・BS/110°
CS-IF帯域
・・・UHF帯域
出力側
出力端子
入力端子
フィルター部
(例) UHF帯域の
みパス(通過)
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● 標準利得
入力した信号をどれだけ増幅できるかを表す数値です。
・入力した信号を基準として、[dB]で表します。
・同じ機種でも、使用帯域別に値が変わります。
(1)
利得(例:0~-4dB) の数値内で
(2)
利得(例:27~33dB) の数値内で
(1)の場合
入力
します
増幅
します。
(2)の場合
入力
出力
入力
通過
出力
出力
入力
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出力
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● 定格出力
受信品質を保ったまま増幅できる最大の出力レベルです。
出力が定格出力範囲内の場合
入力
出力が定格出力範囲以上の場合
入力
出力
出力
定格出力
定格出力
入力
出力
入力
40
出力
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