立位トモシンセシスを用いた 骨盤矢状面パラメータの評価

透視・トモシンセシス1‐3‐2
立位トモシンセシスを用いた
骨盤矢状面パラメータの評価方法の検討
東京女子医科大学病院 中央放射線部
東京女子医科大学 整形外科学教室
㈱島津製作所 医用Gマーケ部アプリG
〇森田
橘田
!西
康介/堀内
綾菜/油井
章
悠平/青葉
充/大鶴
薫/川島
任彦
春一
ず立位 TS、CT を計測するには、imageJ にて両側大腿骨
【背景・目的】
頭と仙骨の画像合成したが、アナトミカルノイズが発生し
骨盤矢状面パラメータは脊椎矯正術後の矢状面アライメ
見にくくなった。3D ワークステーションでは、画像を重
ントを決定する重要な因子の一つとして推奨されている。
ね合わせることなく画質の低下もなく使用でき、左右大腿
当院でトモシンセシス撮影(以下 TS)が可能となったた
骨頭のプロットを残したまま、仙骨上縁の計測ができた。
め、立位 TS を用いた骨盤矢状面パラメータ計測の有用性
そこで 3D ワークステーションを使用しそれぞれの PI 角
を骨盤形態角(PI 角)を用いて検討した。
を求めた。その検者内級内相関係数は0.
9
5
5以上、検者間
級内相関係数は0.
9
3
2以上と再現性は高かった。またそれ
【対象】
当院倫理委員会の承認の下、同意を得られた腰椎および
ぞれの Pearson の相関係数は0.
9
3
8以上と高い正の相関関
係が認められた。
股関節に疾患を有する患者2
8例(金属挿入患者9例、金属
なし患者1
9例)を対象とした。
【考察】
PI 角は立位と臥位で変化する可能性もあったが、今回
【使用機器】
それぞれの相関関係が高いことから影響は無視できると考
島津製作所 SONIALVISION safire17
えた。立位骨盤側面は他論文から相関係数は低いと予測し
解析ソフト R-2.
8.
1
たが、0.
9
5以上あり、透視下でポジショニングすることで
両側大腿骨頭を揃えることができ、計測時に大腿骨頭が確
【撮影方法】
立位 TS と立位骨盤側面は、透視下にて両側大腿骨頭前
後を揃え仙骨上縁を入射点とした。
認できず推測で骨頭中心を決めても、ずれが小さく相関係
数に影響しなかったと考えた。但し人為的な計測による偶
然誤差の可能性は否定できない。また仙骨上縁の形状で PI
角が変わる可能性があるため脊椎専門医で仙骨上縁を決め
【計測方法】
る必要がある。
立位 TS、CT、立位骨盤側面から PI 角を計測する。計
測順序は立位骨盤側面→立位 TS→CT とし、計測者2名
で1週間の間隔をあけ2回計測を行なった。
【結語】
立位 TS は骨盤矢状面パラメータの評価方法として有用
である。
【検討項目】
1.計測ソフトの選択は従来使用されている Surgimap
SpineTM と、3D ワークステーションで比較した。2.立
位 TS、CT、立位骨盤側面の PI 角を計測し、検者内と検
者間の級内相関係数を求めた。3.各2回計測した平均の
PI 角からモダリティー間の Pearson の相関係数を求めた。
【結果】
計測ソフト Surgimap SpineTM は、2D 画像しか取り込め
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42 日本放射線技術学会東京部会雑誌 No.