中海・宍道湖の自然史研究 ーそのー0.中海底質中の貝類遺骸群集と

﹂
島根大学地質学研究報告 8.33∼50ページ(1989年6月)
Geol.Rept.Shimane Univ., 8.p.33∼50(1989)
中海・宍道湖の自然史研究
その10.中海底質中の貝類遺骸群集とその変遷
高安克己*・小野俊彦**・住田耕一***
Natural history of the Nakano−umi and Shinji Lakes
X.Molluscan thanatocoenoses from the bottom deposits of
Lake Nakano−umi and their historical distribution一
Katsumi TAKAYAsu,Toshihiko ONO and Koichi SuMITA
貝類群集の変遷を検討した.
1.はじめに
本研究は文部省科学研究費補助金・一般研究A r中
中海における貝類の分布については,これまでに次
海・宍道湖の環境変化にかんする研究』(課題番号
のような報告が知られている.宮地ほか(1945)では
60400009,代表者 三梨 昂)の一環として行ったも
1944年4月と同年7月に中海全域の47地点で調査した
ので,試料採取においては研究組織のメンバーや中海
結果が報告されており,貝類については44種が同定さ
・宍道湖自然史研究会の方々に大変お世話になった.
れている.また,主な種について生貝と死貝を区別
また,微小な貝類の同定や研究方法については,大阪
し,それぞれの分布が示されている.KIKucHI(1964)
在住の金子寿衛男氏に多くのご教示をいただいた.こ
では1959年4月,7月,10月および1960年1月に18地
れらの方々に深謝する次第である.
点で調査を行った結果にもとづぎ,季節的に変化する
H.試料採取および処理
貝の産出状況が議論されている.さらに,水野ほか
A.表層試料
(1969)では1965年から1966年に行った底質中のウラ
試料は中海・宍道湖自然史研究会によって,1986年
ン含有量の調査結果とあわせて,貝類の分布について
もふれている.そこでは遺骸と生体の分布を総合的に
7月17∼20日に,中海から27地点(N−01∼N−27),
判断し,群集を5つに分けている.
境水道から5地点(N−28∼N−32),美保湾から2地
その後,中海は干拓・淡水化事業の進行にともな
点(N−33∼N−34)の合計34地点(図一1)から採取
い,1981年までに大根島南西端と松江市の大海崎の間
されたものである.これらの試料を用いて,すでに有
を仕切る大海崎堤,および大根島北東から江島にのび
孔虫と珪藻については分析が行われており,結果は中
る馬渡堤が完成し,中海中央部と境水道とを結ぶ淡水
海・宍道湖自然史研究会ほか(1987)で公表されてい
と海水の出入経路は江島と弓ケ浜半島の間に建設され
る.今回は,有孔虫分析用に処理された試料の残りを
た中浦水門のみに限定されることになった.今回貝類
用いている.それらの採取方法と処理方法について
を検討した試料は1986年7月に採取されたもので,堰
は,上記の報告を参照されたい.なお,処理過程で
堤完成後の貝類分布状況を広域にわたって調査したも
ローズベンガルによって生体の染色を試みているが,
のとしては,はじめての資料となろう.ここでは,従
ふるいで水洗しているあいだに軟体部が殻体から分離
前の資料と比較することによって,堰堤完成前後の貝
してしまうことがしばしばあって,十分に効果を上げ
類分布や環境の変化を考察するとともに,1985年から
ることができなかった.したがって,ここでは生貝と
1988年に中海中央部から米子湾で採取された柱状試料
死貝の区別は行わなかったが,有孔虫の場合と同様,
についても分析をおこない,1400年頃から現在までの
生貝の死貝に対する比率は一般に低く,大局的には遺
骸群集とみなしてよいと思われる.
*島根大学理学部地質学教室
**三菱コント・一ルソフトウェアー株式会社
個体数の計数は,二枚貝の場合は殻頂が認められる
もののみ行い,合弁のものを一個体,片弁のものを
***米子市役所
33
34
高安克己・小野俊彦・住田耕一
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0 50』。
1 2 3(km〕
N−13
N−12
N−23
●N−04 Nto5
N:14
00mi50ki
N−24
N−22
NU86−81N舶
Nの11
陸$ N二15●NU88−04・02
Nto2
●
グr響発駕黙細
Aro5himO N:19
・表層試料 ●柱状試料 NU88−06−01●醇、。,
図一1 試料採取地点
0.5個体とした.また,巻貝の場合は殻が半分以上
べて2.5cm毎に分割した.またNU86−81とNU85−6で
残っているものを一個体とした.こうして計数しなが
は分割した試料の全量を貝類分析に用いた.こうして
ら,合計が200個体以上なるまで,二分法で分割した
分割された試料を200メッシュのふるいで水洗した後,
残渣から標本を摘出し,後に表層堆積物100mlあたり
そこに含まれる全ての貝を摘出した.
の個体数に換算した.
柱状試料の場合,二枚貝が合殻の状態で含まれてい
B.柱状試料
ることはほとんど無い.また同一試料中で左右の片弁
ヤ
同士がもともと一つの合殻の個体であった,という確
これも中海・宍道湖自然史研究会によって採取され
率もきわめて低い.したがって計数に際しては,殻頂
たもので,コア番号NU85−6(1985年8月23日採取),
部が残っていれば片弁であっても1個体とした.1試
NU86−81(1986年11月11日採取)及びNU88−01−
料から得られる標本数が表層試料の場合より少ないこ
02,一〇3−OL−04−02,一〇6−01(1988年8月9∼11
とも,そうした理由の一つである.巻貝については表
日採取)を用いた.このうちNU85−6とNU86−81は
層試料の場合と同様な方法で計数した.
重力式採泥器(コア内径11cm)で採泥され,それ以外
は押し込み式採泥器(コア内径11cm)で採泥された.
皿.表層試料中の貝類群集とその分布
採泥位置はアトラスデソにより浚渫跡のない平坦な湖
A.主な種の分布
底を選び,六分儀によって地図上におとした(図一
表層試料中より識別した貝類は85種であったが,そ
のなかには同定の決めてとなる形質が欠損していた
1).
NU88ナンバーの柱状試料は2.5cm毎に分割され,さ
り,幼貝のため特徴的な形質が不鮮明で種が決定でぎ
らにその四分の1量(約60ml)を貝類分析用とした.
ないものも含まれている表一1.図一2に,比較的個
NU86−81については上部30cmまでは2.5cm毎に分割
体数が多く,後述する各群集の主構成種となっている
し,それ以深では5cm毎に分割した.NU85−6ではす
いくつかの種の分布を示す.
T
表一1
中海底質表層試料中より産出した貝類
(N一)
1
2
一
一
一
槽
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種 種 サンプル番号
4
5
6
一
一
一
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一
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一
7
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11
12
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一
一
一
一
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一
8
13
14
一
一
一
一
一
1「止)
16
腹足類
L4η説。規03‘α椛加θα(A.Adams)クチキレエビスガイ
2MfnoZfoρμη‘‘α‘αA.Adamsコシダカシタダ・
3Con‘hαrf4μs‘αZZfchroα(Philippi)ハナチグサガイ
4・4ωαプf‘roohμ5規硲飽Zfηo(Gould)アワジチグサガイ
5Coηo‘α’o♪fαoプη躍。(Sowerby)ヒナシタダミガイ
一
層
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一
一
『 −
}
『
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1.5
一
『
遡.6
i.2
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一
一
一
一
『
11ρんos加θ∫Zα孟。〆ηo‘f∠fs(Gould)カゴメチョウジガイ
一
一
一
12、4∬fアηf麗α∠躍θα掴♪oη∫σαv.Martensカワザンショゥガィ
一
『
13Brochf肱sp.・ジンツツガイの一種
一
一
14Eμ∫θηθ’Zα5μわ♪θZZμ‘f40KurodaetHabeツヤモツボ
一
一
鞠
『
一
一
}
一
15SσoZfoZα加ZZαA.Adamsスナモチツボ
一
一
一
一
一
一
一
一
一
6Lfo‘加αrfα3θ’ηfdα疏rα‘μ1α(Schrenck)ヒメタカベカイ
7丁耀nεα‘召ZZαρ∫θf∫∫θrf v.Martensヤマトクビキレガイ
8S£θηoオh』yrαθ40gαtuθη3f3(Yokoyama)エドガワミズゴマツボ
gFZμり∫o‘fηgμZαnfρか。ηf60KurodaetHabeカワグチツボ
10Folsfc加gμZocf.θZθgαη3(A.Adams)
161)f∫∫o∠αわαh㍑ηgθr∫or4f(Sowerby)ウネハマ、ツボ
一
i
』
一
一
一
輔
尋
一
一
一
2.6
2.6
一
一
一
一
一
『
一
『
巳.7
1.2
1.3
2.6
一
一
『
一
『
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一
一
『
一
尋
一
一
一
一
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『
一
一
一
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一
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一
一
一
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一
一
一
一
『
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「 −・
m 一・ノ
16.2
一
一
一
一
『
一
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一
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一
一
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一
一
一
一
一
一
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昌
一
一
一
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一
一
一
一
軸
1706んθ’ocZαりoρ∫θf∫∫θプf Dunkerヒメカニモリガイ
一
一
一
一
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一
一
一
}
一
一
一
一
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一
一
18Cθ〆f‘hfoρ3∫εsp.アミメケシカニモリガイの一種
}
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一
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一
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一
一
一
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一
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一
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喜
一
一
A
19Zα∫紹sp、ノ・ニナの一種
一
一 一
一
一
20Rθεf‘μηα∬α∫θsff∂o(Powys)アラムシロガイ
一
一
『
輯
21L‘zθレ∫3‘αZααη9μ3‘α(Dunker)シノブガイ
}
一
一
一
『
一
一
一
『
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一
一
一
一
一
一
22Triphoridae gen.et sp,indet,
一
『
一
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一
一
一
『
一
一
一
一
『
一
帰
一
23EわαZαραgo4μZα(Yokoyama)ナガセトモノクチキレ
一
『
一
②.6
2.3
2.6
『
一
『
一
1.5
巳.6
4.2
一
240403孟。η軍ぬrO.フ4θsアη∫απαDalletBartschクチキレガイモドキ
一
一
一
一
『
一
一
一
一
一
一
一
一
『
一
一
25040舘。加。加rμ々。αθNomura
一
一
『
一
『
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
巳.8
一
一
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2.7
}
2.6
『
一
一
一
1.3
“
一
8.5
一
図.8
一
一
一
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一
一
一
一
一
一
一
一
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一
一
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一
一
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一
一
一
一
一
一
一
一
一
}
一
260403‘o舵∫αZ加ψf40Dall et Bartsch
270408‘o所ぬrル〆αrg加0405幻m∫αジhfZgθη40r方(Clessin)オリイレクチキレガイ モドキ
28S‘〆fo‘μrわ。ηfZZαα∫∫θ‘‘μ03α(Yokoyama)
29S‘rfo伽rわ。π∫ZZαsp.
30Cfπg㍑Zf肥sp.ヨコイトカケギリの一種
つ 7」.」 1
21.3
16.3
31Rfηgf‘μZorRfηgf6μ∠fηαジ40Zfαr∫3Gouldマメウラシマガイ
32C』yZf‘hηαま』y3αηgμ舘α(Gould)カミスジカイコガイダマシ
一
一
『 一
一
“
引
一
33CッZf6ゐηαオ』y5sp、
一
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34LfZoαρo〆‘6〃αηα(Gould)カイコガイダマシ
一
→
酔
一
辱
『
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一
一
一
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一
一
『
一
35・46孟召ocfηαrTorηα‘fηαヲcf,θ∬fZf3(Dunker)ヨワコメツブガイに近似
一
一
一
一
辱
一
一
一
一
軸
一
一
一
一
一
一
一
一
『
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一
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一
一
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一 一
一
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一
『
一
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一
一
一
一
一
一
一
一
『
一
36Haminoeidae gen.et sp,indet.
37Z)f40ηfogZos3αた。』yα3麗η5f3(Yokoyama)コヤスツララガイ
一
旧.7
( 一
1
一
38∠)θ‘orf∫θr fn5fgnf3(Pilsbry)コメッブガィ
一
一
一
}
5.3
一
一
一
『
一
一
一
哨
39」Dθcorf∫召r椛α‘μ3∫勉αημs(Nomura)マツシマコメツブガイ
1.5
2.5
2.7
1.8
8.9
2.7
4.2
2.6
『
図.6
1.9
2.6
12.1
1.9
4.2
1.8
40Gen.et sp,indet、(sp.G−1)
2.8
一
『
』
旧.7
3.o
1.2
2.6
巳.6
『
一
4.6
57.臼
3.8
52.8
35.9
41Gen、et sp.indet.(sp、G−2)
42Gen.et sp.indet.(sp,G−3)
哨
一
一
一
『
一
〕
一
『
一
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一
』
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一
一
一
一
一
一
一
一
』
一
』
}
帰
43Gen,et sp.indet.(sp,G−4)
44Gen.et sp.indet.(sp,G−5)
45Gen.et sp,indet.(sp.G−6)
46Gen、et sp.indet.(sp.G−7)
47Gen.et sp,indet.(sp.G−8)
48Gen.et sp.indet.(sp.G−9)
49Gen.et sp,indet.(sp.G−10)
50Gen.et sp.indet.(sp.G−11)
’) 一》r梼
一二枚貝類
T1Bαrわα‘如rAわαrわα‘fα刀∫解α(Reeve)エガィ
52Sσαρhαrσ05μわ6rθη躍α(Lischke)サルボウガィ
53Mo4∫oZμ3rM.フη奴rgαrf蝕‘θμs(Nomura et Hatai)マメヒバリガイ
}
一
一
『
一
『
一
一
一
一
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一
一
一
『
一
2.4
一
一
一
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一
『
一
一
一
−
一
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一
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一
一
一
一
一
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一
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一
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一
一
一
一
一
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一
一
一
噛
一
{
『
}
一
一
一
54ん404∫oZμ∫sp.
55M㍑5‘堀f5‘αsθηho翼5fα(Benson)ホトトギスガイ
22.5
2.6
5.5
2.3
3.巳
1.2
6.7
9.2
56ハηo規fαch腕θnεf5Philippiナミマガシワガイ
57Crα∬03‘rεαg∫gα3(Thunberg)マガキ
一
一
身
一
一
一
一
『
一
一
一
一
一
一
一
一
『
一
一
一
一
一
『
一
一
“
一
『
一
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一
一
58Cor4∫’θ〃。ηαんαπzαωαf(Nomura)ケシザルガイ
一
一
一
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一
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一
一
一
一
一
一
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『
『
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一
『
一
一
一
一
一
一
一
一
一
『
一
}
『
』
1.8
2.3
−
}
2.3
59C』ycZα4f‘α脱。 Zμπαrfs Yokoyamaマンゲツシオガマガイ
60ムθρ雄∫加μ30』yα拠α∫Habeマルハナシガイ
61Pf』』撹cfηo rp.)ρ∫訂d∫μ暇(Dunker)ウメノハナガイ
15.5
1四.2
8.4
13.7
3巳.2
一
『
一
一
2.4
1.o
一
1.8
一
一
一
一
一
一
臼.3
雫
一
辱
一
一
一
一
一
一
一
一
『
}
一
一
』
}
一
一
一
『
,
一
}
噛
一
一
}
一
一
『
66Pαρんfαr」ρ.ヲリ召■ηf60sα(Gould)アケガイ
一
一
一
一
一
』
一
一
}
『
一
67ρoρんfαr/Vθo蝕ヵθの襯4鴛Zo‘α(Bom)イヨスダレ
o.4
∼.3
}
巳.6
8.2
1.の
一
『
→
1.‘
』
}
一
62F認知αh撹ηgθr∫or4∫(Sowerby)チゴトリガイ
63κ2ZZfoaff.ρor‘μZμ5Pnsbryコハクノツユガイ?
64ル〆fcro‘froθ4∫Zθ6緬(Gould)ミジンシラオガイ
65Pんαoo50規。廿03cんθZf(Lischke)マルヒナガイ
68」Poρhfo sp,
一
一
『
2.6
巳.8
O.7
臼.3
701rμ5r∫rμ3)η1∫々3(Deshayes)マツカセ“ガイ
一
71Vθrθη30Zpαアη∫cro(Pilsbry)ヒメカノコアサリ
72M‘z‘孟rαrル〆」‘んfn2η5f5Philippiバカガイ
73Rαθ‘θZZo♪5ρ認chθZZα(AdamsetReeve)チヨノハナガイ
74Thθoro Z必r此αGouldシズクガイ
75/Vf’∫40‘θZZ∫η‘z〃2∫πμ’‘z(Lischke)ウズザ’クラガイ
76Cα4εZZo3θ辮∫‘or雄(Sowerby)ナミノコザラ
77Mα‘oη昭rM.)∫ηooηg耀α(v.Martens)ヒメシラトリ
78Gen.et sp.indet.(sp.B−1)
79Gen.et sp.indet.(sp.B−2)
80Gen.et sp,indet、(sp.B−3)
81Gen、et sp.indet.(sp.B−4)
82Gen,et sp.indet.(sp.B−5)
82Gen.et sp.indet.(sp.B−6)
84Gen.et sp.indet.(sp.B−7)
85Gen.et sp.indet.(sp.B−8)
一
五9.3
55.2
唖
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一
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一
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一
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一
一
2.6
一
図.6
1.9
2.6
19.1
1.9
4.2
1.8
一
一
13.7
一
39.3
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9.6
4.2
一
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一
一
一
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『
『
一
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の.6
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5の.8
35.9
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一
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一
一
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68.8
一
354.6
253.3
旧1.3
∼7姻.3
一
2.3
一
1.5
ウ ビ、
17.3
一
103②.2
46.8
6.7
548.9
一
93.4
一
2児2.3
『
5a.7
一
4.1
,
一
791.5
332.4
一
『
3.8
8.1
一
→
一
3敏3.7
121.3
一
一
一
一
3.8
7.7
一
64.9
4.1
12.2
一
一
−
一
一
一
一
344.6
232.2
127.2
779.8
734.5
156.8
一
一
一
一
響
12.2
一
228.2
3.3
24.3
69.1
13.4
23.2
5.3
113.7
23.4
旧1.3
42.1
56.8
19.4
23.2
『
11.7
→
3.8
8.1
『
7.8
23.の
一
『
一
一
一
禰
一
姻.3
雫
23.4
『
一
一
一
7.3
一
23.4
17マ.3
11.5
一
一
27.1
58.4
582.6
42.1
一
一
19.2
7.8
→
28.8
一
53.5
一
25.3
一
一
25.3
}
}
一
一
17.3
13.4
一
13.4
一
甲
一
一
一
一
一
一
一
一
}
一
一
一
一
一
『
一
一
一
一
一
一
一
一
一
A
}
一
一
一
{
一
一
尋
,
一
一
一
一
一
一
『
一
一
一
一
『
弓
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
『
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
『
一
引
一
一
一
一
一
一
辱
一
一
一
}
一
一
一
一
一
一
一
帰
口
一
口
『
一
一
一
一
一
一
一
唱
一
甲
24.3
36.5
一
23.3
一
一
15.5
一
一
11.7
一
52.7
25.3
』
一
25.3
3.8
}
25.3
蒔
一
ム
中海・宍道湖の自然史研究一その10
35
a.チゴトリガイ
F祝加ガαhμngθげ。縦ガ(Sowerby)
● 100−500
● 50−100
・ 10−50
1−10
● ・﹂
誌
● 500−1000
ぴ β・心
●1…一
ゆ . ●●・
ラ ﹃ ●●
緯 .﹄
100ml中の個体数
c.シズクガイ
ル1祝3α乙1∫3頗3θnhoμ3∫α(Benson)
Thθoプα1祝わか6αGould
気
透〆.
,6グ
n
﹂●
● ●
●グ●
●
n
〆●﹄
b.ホトトギスガイ
● ●
●
●
●
ゼ
●● ●
●
●
●
●
●
●
d.アサリ
e.ヒメカノコアサリ
R裾物pθ3ph∫1ψμnαプπアη(Adams et Reeve)
VθプθηzoJPα nzio〆α (Pilsbry)
プ●く,●●
●
,6グ
●
い
気
寒
図一2 主な貝類の分布
.●
高安克己・小野俊彦・住田耕一
36
g.カワグチツボ
f.巻貝未同定種 (“sp.G−1”)
Fl祝∂ガ060ng祝1αnψρon∫cαKuroda et Have
ノ:●40
●9二● ● ●
【 グ
●蕊
●
鼠
●.
﹄
●
●
●
虹
●●
●
図一2 主な貝類の分布(つづき)
チゴトリガイ17㍑1∂∫αh娩goげ。〆4∫(Sowerby)は今回
かの幼貝である可能性もある.25地点から産出し巻貝
の試料では最も多産した種で,34地点中19地点で第1
の中では最も普遍的であるが(図一2f),生貝はほとん・
位の産出頻度を示した.とくに大根島東部から境水道
どなく飯梨川河口付近でわずかにみられる程度であ
にかけて多く,N−32地点では100mlあたり2,000個体
る.カワグチツボFlμ加oo∫ng認αn∫pρonたαKuroda
以上の産出があった(図一2a).合弁の割合が高く保
et Habeは前種に次いで巻貝では普通に産するが,中
存も良いが,ほとんどが殻長2mm以下の幼貝であ
海では沿岸部に分布し中央部では分布しない(図一
る.中海の東半部には生貝もしばしばみられる.ホト
2g).境水道では多産する.ただし,生貝はほとんどみ
トギスガイ〃粥6祝1∫3顔3θnho祝3宛(Benson)もかなり普
られない.
遍的に産出し,とくに大根島南岸から境水道にかけて
多産する(図一2b).ただし,前種と違って2∼4
mm程度の破片が多く,生貝は中海南西部の大橋川や
意宇川河口近くに集中してい分布している.また,こ
B.種組成からみた群集区分とその分布
各地点における産出種と個体数のデータより,棄却
水準を5%としたとぎの有意な産出とみなせる種を選
の付近では殻長1cm程度の成貝もみられる.シズク
び出し,そのうち各地点で1位から5位くらいまでの
ガイThoo瓶1めプ∫6αGouldも前2種と似た分布を示す
産出頻度を持つ種の組合せを検討した結果,次のよう
が,産出地点は25地点であり,多産する地点が島状に
に群集を分けることがでぎた.それらの分布を図一3
散在する傾向がみられる(図一2c).破片が多いが殻
に示す.
長1cm程度の保存の良い成貝は大根島南東部にみら
チゴトリガイーヒメカノコアサリ群集:チゴトリガ
れ,そこには生貝も比較的おおい.アサリRμ4i厩餌3
イとヒメカノコアサリを代表とする群集であるが,そ
ρh漉pρ∫nα耀解(Adams et Reeve)ではさらに散在型分
のほかにもホトトギスガイ,シズクガイ,カワグチツ
布の傾向が強く境水道のN−31地点,大根島南部,米
ボなど,多くの種がふくまれる.境水道から美保湾に
子湾口部で比較的多産する(図一2d).殻長6∼7
mm程度のものが多く,多産する地点では生貝もしば
チゴトリガイーカワグチツボ群集:この群集も標記
しばみられる.ヒメカノコアサリVθ紹勉olρα吻6瓶
種のほかに,ホトトギスガイ,ヒメカノコアサリ,シ
(Pilsbry)は境水道に極端に偏って分布する(図一2e).
ズクガイ,“sp.G−1”など多くの種から構成され
かけて分布する.
殻長は0,8∼4mmで保存状態も良い.しかし,生貝は
る.境水道の最も中海よりのところに分布する.
少ないようである.巻貝は種数が多いが多産するもの
チゴトリガイー“sp.G−1”群集:N−27を除くと
は少ない.未同定種でsp.G−1としたものは,淡黄色
チゴトリガイが総個体数の70%以上を占め,標記種以
の薄質の殻をした殻高05∼1mmの微小な巻貝で,何
外にはシズクガイ,ホトトギスガイ,ナガセトモノク
T
五
中海・宍道湖の自然史研究一その10
37
670〈ρ○
○:チゴトリガイーヒメカノコアサリ群集
0 1 2 3km
一
◎:チゴトリ,ガイーカワグチツボ群集
●:チゴトリガイー“sp.G−1”群集
☆:チゴトリガイーホトトギスガイ群集
★:シズクガイーホトトギスガイ(アサリ)群集
●
/
☆
△:ホトトギスガイ群集
●
☆★︵
管
μ△★ハ
☆☆
臥★●.●一
●●
楓
●
糞婆
▲△
・4 !
へ
▲:シズクガイ群集
’☆
管
曇 そ の 他
図一3 中海における貝類群集の分布
チキレE加1αPαgo4祝1α.(Yokoyama)などをわずかに
まれる.N−8ではカワグチツボやアサリなど11種が
含む.大根島の東から中海中央部よりやや東の水域を
認められたが,いずれも個体数はわずかである.
経て米子湾の湾口まで分布する.N−27は最も中浦水
N−20ではチゴトリガイの死殻がわずかに含まれてい
門に近い位置にあり,チゴトリガイ カワグチツボ群
ただけであった.
集との中間的性質を持つ.
チゴトリガイ ホトトギスガイ群集:後述するよう
C.群集構造からみた群集型の区分
に前記群集より多少種の多様度が高く,標記種のほか
上記の各群集は,構成種の多様性や総個体数に関し
にシズクガイ,マツシマコメツブガイ」Dθoo〆∫∫θ〆
てそれぞれ特徴がみとめられる.ここでは多様性を表
7ηα加3∫7ηαn粥(Nomura),ナガセトモノクチキレ,チヨ
現する指数として,Shannon−Weaver関数のH’を用
ノハナガイRα碗θlloρ3P配6hθllα(AdamsetReeve)な
いた.H’は次の式でもとめられる.
どをしばしば含む.大根島南部と米子湾口部に分布す
H’=一Σ(n、/N)log、(n、/N)
る.
ここで,n、はi番目の種の個体数,Nは総個体数で
シズクガイ ホトトギスガイ(アサリ)群集=シズ
ある.対数の底は2とし,H’の単位はビットである.
クガイとホトトギスガイを特徴とするが,地点によっ
Hナの値が大ぎいほど多様度が高いと言える.
てはアサリを比較的多く含む.ほかにマツシマコメツ
縦軸にH’,横軸に総個体数をとって各地点の値をプ
ブガイ,ヒメシラトリガイル1α60ηzαrM.万noong耀α
ロットすると,図一4のように9群集型に分けること
(v.Martens)などもみられる.中海中央部から南西部,
ができる.
および米子湾に分布する.
A型群集は総個体数も種多様度も最も高い型で,境
ホトトギスガイ群集:総個体数が少なく,その中で
水道の各地点はすべてこの型に属する(図一5).A’
ホトトギスガイだけが他種より産出頻度が突出してい
型は総個体数は多いが種多様度はA型よりやや低いも
る.中海南西部の沿岸に分布する.
ので,中浦水門のすぐ南側にあるN−27地点がこれに
シズクガイ群集:これも総個体数が少なく,シズク
あたる.B型群集は総個体数は比較的多いが種多様度
ガイだけが目だつ群集である.中海南部のN−10地点
が低い型で,前項で述べたチゴトリガイ ”sp.G一
のみにみられる.
一1”群集がこの型である.C型とE型は総個体数が
その他:有意な産出とみなせる種がないもので,中
比較的多く,種多様度もかなり高いもので,前者はチ
海南部のN−8地点と米子湾奥のN−20地点がこれに含
ゴトリガイ ホトトギスガイ群集のうちアサリを多く
高安克己・小野俊彦・住田耕一
38
《制
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\、 B●15’、
、
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H
・覇、
100
10
1ρ00 1qoOO
nind.!句00ml
図一4 各地点の群集の種多様度と総個体数との関係
含む地点に,また後者はシズクガイーホ
トトギスガイ(アサリ)群集の一部に認
総個体数が少ない.D型では総個体数が
の一部に分布している.チゴトリガイ
ーホトトギスガイ群集とシズクガイーホ
トトギスガイ(アサリ)群集の大部分が
この型に相当する.G型とF型は総個体
数が10個体/100ml前後で非常に少な
く,種多様度ではB型に比較するとG型
◎
0 1 2 3km
一
③
㊤
⑭
南西部のホトトギスガイ群集やシズクガ
④
◎
ではやや高く,F型ではやや低い.中海
③瑠◎㊦
◎㊦
◎
中央部と大橋川河口,および弓ケ浜沿岸
◎◎◎◎
気 一 /
10∼100個体/100mlと少なくなるが,種
多様度ではB型よりやや高い型で,中海
蹴◎⑧⑧⑧㈱
φ調
められる.両者を比べるとE型のほうが
季
イ
種多様度指数としてShannon−Weaver関数のH’を用いた.
A∼Hの群集型に分けられる.
イ群集にこれらの型がみとめられる.H
型はほとんど貝類が存在しないもので,
図一5 群集型の分布
米子湾奥のN−20地点がこれにあたる.
以上のように,構成種の特徴で分けた
各群集は,それぞれ特有の構造を持った群集型にほぼ
取時に測定されたものが中海・宍道湖自然史研究会ほ
か(1987)で公表されている.これらに基づいて採取
対応していることがわかる(表一2).
地点の湖底環境を総合的に判断するために主成分分析
D 湖底環境と貝類群集との関係
試料採取地点の底質や底層水に関するデータは,採
をおこなった.図一6からわかるように,第1主成分
はとくに強い相関を示す環境要素はないが,溶存酸素
下
1
39
中海・宍道湖の自然史研究一その10
表一2 貝類群集と群集型との関係.
数字は試料採取地点の番号.
A
チゴトリガイーヒ幼ノコアサリ群集
29,31.32
チゴトリガィ雪加グチツボ群集
28.30
27
チゴトリガイー”sp.G−1”群集
D
C
B
A,
E
H
G
F
13,14.15
P6,17.22
チゴトリガイ一跡トギスガイ群集
6,4,12,
5.21
P8
19
1,7,11,
シズクガイーホトトギスガイ群集
2
3.9
ホトトギスガィ群集
シズクガイ群集
10
その他
8
Z2
3
可
2B2
メ勃
一 ︸
ロ ロ コ ノ
鴻ρ
3−%訓
、τ、
−
4 、
、、、
、t一一1ーー/し・、ーー‘
訓 蹄◎一
/
^033 ‘
/
\
A /o訓
/D甲、、
/
第 2 第 3
主成分
主成分 主成分
主成分
深 さ
含 泥 率
有機炭素量
一〇.38010
0.44256 0.04634
一〇,20843
0.38128
0.38157 −0.06784
0.42033
0.26949 −0.11186
0.58325
0.26230
C/N比
一〇.39149
一〇.09054 0.71018
0.48229
塩分濃度
一〇.16878
0.74920 0,15129
一〇.15115
溶存酸素量
一〇.42281
一〇.09047 −0.39686
0.53811
pH
一〇.41588
0,09085 −0.54406
1.49358 0.43990
0.05059
0.32361
寄与率・
4.34582
0.62083
0.21337 0.06284
0.04623
累積寄与率
0.62083
0.83420 0,89704
0.94327
ノ’ @ 1
ノ
1
ノノ
◎26
■』 、
一2
一1
駐鰍
.3懸繍
寵騰F
0 塾
3
4
Z1
1¥△,
ヤ
7 3‘
一1
叉菅》rG
ト\△、
2’
一2
一3
E 辱1
塵
H
イゾD
,重、
∼20∂
一4・
図一6
第 4
第 1
個 有 値
のト
/一行●、
20
第1,第2主成分軸平面上での各採取地点の位置
記号については図一3,4を参照.説明は本文参照.
右上の表は試料採取地点の底質,環境についての主成分分析結果
40
高安克己・小野俊彦・住田耕一
量,pH,C/H比,および深さで弱い負の相関を,また
余地がある.ホトトギスガイ群集あるいはシズクガイ
有機炭素量や含泥率で弱い正の相関を示すことから,
これは底層水の滞留状況を示している成分と考えられ
群集からなるF型とG型はD型より多少塩分濃度が低
い環境で,より沿岸部に分布している.米子湾奥の
る.第2主成分は塩分濃度に関してかなり強い正の相
N−20地点は,塩分濃度低いものの,底層水の循環に
関を示していることから,底層水の塩分の濃さを表し
関してはそれほど悪くないようにみうけられる.これ
ているものとみなせる.また,第2主成分までで累積
は測定時にこの地点のpHと溶存酸素量が比較的高
寄与率が83%以上に達していることから,この2つの
かったことによるものと思われるが,貝類がほとんど
主成分を用いて湖底環境の概要はほぼ把握でぎるもの
存在しないことから常時このような湖底環境にあると
と考えられる.そこで,各地点の第1,第2主成分得
は考えにくい.測定値を含めて再検討する必要があ
点を算出してZ、軸(第1主成分軸)とZ2軸(第2主
成分軸)で示される平面にプロットすると図一6のよ
うになる.
この図で,第2象限は相対的に底層水の交換が良
る.
IV.柱状試料中の貝類群集とその垂直分布
A.各柱状試料にみられる主な種の垂直分布
く,海水の流入によって塩分濃度も高い環境を示して
柱状試料より識別した貝は約70種であるが,表層試
いる.境水道出口から美保湾にかけてのN−32,33,
料と同様に微小貝が多く,また保存が悪いものも含ま
34の各地点がこの領域に入る典型的な環境で,いずれ
れるため,未同定種もかなり残っている.主要な貝類
もA型のチゴトリガイーヒメカノコアサリ群集で特徴
の産出状況を,各柱状試料毎に垂直方向に追跡してみ
づけられる.A型群集でもN−29,30,31は中海よりの態
る.
境水道にあり,底層水の交換は良いが塩分濃度は上述
NU86−81:大海崎鼻の約700m南東沖合い,水深
のグループよりはやや低い.そこにはチゴトリガイー
5.7mの地点で採取された90.Ocmのコアである。図一
ヒメカノコアサリ群集とともにチゴトリガイーカワグ
7aに示されるように,貝類の産出頻度についてはおも
チツボ群集が分布する.A型のN−27地点,B型の
に3つの山がみられる.それぞれの深さはa)70∼90
N−26地点も第2象限にあり,中浦水門が海水の流入
cm,b)42.5∼675cm,c)5∼35cmで,b)と。)はさらに2
経路になっていることを明瞭に示しているが,中海中
つの山に細分でぎる.種類別ではチゴトリガイが。)の
央部に向かって次第に底層水の循環は悪くなっている
山に特徴的に産し,ホトトギスガイがおもにb)に産出
こともわかる.チゴトリガイー’sp.G−1”群集から
する.シズクガイやカミスジカイコガイダマシ
なるB型の中海における分布も,その延長上にあると
Cッ1∫6hnα砂3αng薦椎(Gould)はほぼ全層準に産出する
みてよいだろう.
が,c)の一L部では少ない.ヒメカノコアサリとイヨス
チゴトリガイーホトトギスガイ群集からなるC型は
ダレガイPαPh∫4/Vθo厩餌3勉n4π1α‘α(Bom)はa)に特
B型よりやや塩分濃度が低い.これは岸に近いため局
徴的である.
地的に陸水の影響を受けているものとみられる.底層
NU85−6:意東鼻沖約2,500mの水深6m地点で採
水の循環はB型程度である.D型群集はこれらよりさ
取された95.Ocmのコアである.深さ10∼30cm付近で
らに底層水が滞留しているところで,中海中央部がそ
貝類の産出が多く,70∼90cmでもやや多い(図一
の典型的な場所である.そこにはシズクガイーホトト
7b).ここでも10∼30cmでチゴトリガイが特徴的であ
ギスガイ(アサリ)群集とチゴトリガイーホトトギス
り,70∼90cmでサルボウガイ86αρhα〆6α鍬眈〆θnα頗
ガイ群集が優勢である.大橋川河口に近く,極端に塩
(Lischke)やマツシマコメツブガイ∠)θ60r∫∫θ〆
分濃度が低いN−1地点にも例外的にD型のシズクガ
糀α顔3fアnαn鰐(Nomura)もみられる.
イーホトトギスガイ(アサリ)群集がみられる.ま
た,同様に塩分濃度が低く底層水が停滞しがちな環境
NU88−04−02:飯梨川河口沖約1,200m,水深7
mのところで採取された77.5cmのコアである.他のコ
としてE型のN−19地点があり,ここでもシズクガイ
アのように特に顕著な山は認められない.60∼72.5
ーホトトギスガイ(アサリ)群集が分布する.N−1と
cm付近で貝が最も多くなるが,チゴトリガイはむし
N−19地点の群集については種多様度に大ぎなひらき
ろ50cm前後に多い(図一7c).
があるために群集型を区別したが,他の点ではあまり
NU88−01−02:安来沖約2,300m,水深6.5mの地
点で採取された90.Omのコアである.深度40cm以浅
差異が認められない.その理由については今後検討の
T
ム
中海・宍道湖の自然史研究一その10
41
b.Nu85−6
cm
O
﹂
a.Nu86−81
2 ﹁響
cm
9
4 5 6了 8
TO1
9
2
●
o
一 』一一τ一一 一』一一一一一一一一一
@ 200 300
(Total)
0200
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d.NU88−01−02
cm
O
cm
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(Tota1)
図一7
各柱状試料における貝類の総個体数と主な種の垂直分布
( )内の種の略号については図一8のキャプションを参照.
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(Tota1)
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(Tota1)
高安克己・小野俊彦・住田耕一
42
で貝が多く,25∼27.5cmにピークがみられる.ここで
みられる,NU85−6の45∼55cmでもヒメカノコアサ
はシズクガイ,ホトトギスガイ,イヨスダレガイなど
リが1位で産出するが,共産する貝の種類も個体数も
が多い.また55∼67.5cmにも小さな山がみられる.チ
少なく,この群集に含めるのは問題がある.標記種の
ゴトリガイは27.5cm以浅に産出し,17.5∼20cmで最
表層試料における分布からもわかるように,この群集
も多い(図一7d).
は現在の境水道のように底層水の交換が良く,塩分濃
NU88−03−01:沖姐岩の北東沖約100mの水深5.3
度も高い環境を示すものと考えられる.
mのところで採取された90cmのコアである.55.5∼
シズクガイーイヨスダレガイ群集:標記種の他にカ
60cmで貝の産出がみられないところがあり,これを
境に上下に分けられる.0∼10cmでも貝が産出しな
ミスジカイコガイダマシなどを含む群集で,NU
86−81の75∼90cmとNU85−6の75∼80cmにみられ
い.チゴトリガイやカミスジカイコガイダマシは上部
る.シズクガイは宮地ほか(1947)によれば,環境に
で多く,シズクガイは下部に多い.ホトトギスガイは
対して耐性が強くさまざまなところに分布するが,イ
両方にみられるが,上部ではチゴトリガイなどが多く
ヨスダレガイは夏季に底層水の循環が悪くなり夏季死
なる以前の40∼45cmにも多産する層準がある(図一
圏となる水域には生息が困難とされていることから,
7e).
比較的底層水の交換が良いところを示すと考えられ
る.本種は表層試料でも境水道の中海よりに多く分布
NU88−06−01:米子湾奥,水深3.1mで採取され
・た62.5cmのコアである.深度47.5∼50cmで13個体を
している.
摘出したのが最高で,全体に貝の産出が非常に少ない
チゴトリガイ群集:標記種の他にシズクガイ,ホト
(図一7f).ヒメシラトリガイ,ホトトギスガイ,サル
トギスガイ,カミスジカイコガイダマシなどを含んで
いる.NU88−06−01以外の5本のコアの上部に広く
ボウガイなどが散見される.
分布している.チゴトリガイは宮地ほか(1947)で
も,また今回の表層試料中でも中海で最も多産する貝
B.貝類群集の垂直変化
表層試料の場合と同様に,棄却水準を5%としたと
である.すでに述べたように,現在では中浦水門から
きの有意な産出とみなせる種を選び出し,そのうち各
進入する海水の経路に相当するところに分布し,塩分
試料で高位の産出頻度をもつ種の組合せを検討した結
濃度が中海内部では高いほうで,底層水の交換もある
果,次のような群集に分けることができた.
程度あるような環境と考えられる.
ヒメカノコアサリ群集:ヒメカノコアサリを中心に
シズクガイーホトトギスガイ群集:標記種の他にア
多くの種を含み個体数も多い群集である.H’の値は一
サリやマツシマコメツブガイなどを含む.各コアの中
般に3以上を示す.NU86−81の70∼75cmに典型的に
部層準に散見するがNU88−03−01では下部にもみら
図一8 各柱状試料における上位5位までの有意な産出種と群集の垂直変化
Ss;サルボウガイS6αρh灘6α鍬玩解nα頗(Lischke),Ms;ホトトギスガイル毎36祝1ガ3頗
3θnho鰐ぬ(Benson),Fh;チゴトリガイF祝1∂ぬh祝ngθげor読(Sowerby),Rp;アサリ
R祝4ガ彪pθsρh∫1∫ρρ∫n灘μ解(AdamsetReeve),Tl;シズクガイThθorα1めプ∫oαGould,
Pu;イヨスダレガイPαph∫αrノ〉θo雄Pθの祝n4μ1厩α(Bom),Vm;ヒメカノコアサリ
Vθ1のnolpαア加6m(Pilsbry),Rap;チヨノハナガイRα窃θlloρ3PμlchθIZα(Adamset
Reeve),Mi;ヒメシラトリガイMα60アηαrM.万noong耀α(v.Martens),Se;エドガワミ
ズゴマツボS陀no疏ツ紹θ409αωθn3fs(Yokoyama),Ep;ナガセトモノクチキレE加1α
ραgo4躍α(Yokoyama),Od;クチキレガイモドキ0403孟。糀ぬrO.フ4θ37nぬnαDall et
Bartsch,Ca;カミスジカイコガイダマシCッ1∫ohnα砂3αng鰐雄(Gould),Dm;マツシマ
コメツブガイ∠)θ60ガ∫θr規α顔3∫アnα鰍3(Nomura),Di;コメツブガイZ)θooガ∫卯
ガn3∫gnガ3(Pilsbry)
0;有意な産出とみなせる種が無い,1;その他の群集,2;ヒメシラトリガイ群集,3;
シズクガイ群集,4;ホトトギスガイ群集,5;ホトトギスガイーエドガワミズゴマツボ
群集,6;シズクガイーホトトギスガイ群集,7;チゴトリガイ群集,8;シズクガイーイ
ヨスダレガイ群集,9;ヒメカノコガイ群集
( )で示した数値は鉛一210法による堆積速度から求めた推定年代(西暦).
下
b)NU 85−6
a)NU 86−81
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Tl/Ns/Ca
■
60.0−62.5
T1!Hs/Ca/Dm
●
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Tl/Ca/卜1s/Pu
■
65.0−67.5
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Ns/Tl/Dm
●
[s/TI/Rp/Dm
■
合
46
高安克己・小野俊彦・住田耕一
れる.表層試料中のシズクガイーホトトギスガイ(ア
ほか,1945;宮地・波部,1947).このことをふまえて
サリ)群集に対応するものとみられる.
当時の遺骸群集の分布をみると,例えばヒメカノコア
ホトトギスガイーエドガワミズゴマツボ群集:NU
サリでは大根島の北部から西南部にかけて分布し,大
88−03−01の内部から上部に分布している.チゴトリ
橋川河口付近や中海東部にはみられない.チゴトリガ
ガイ,シズクガイ,アサリなど,共産種も比較的多
イでは大根島の北,西,南と回り,中海南東部から米
い.エドガワミズゴマツボS飽no疏ッ瓶θ40gαωθn3∫3
子湾にまで分布している.中海東部には産出しない.
(Yokoyama)は河口域の泥底に生息し,表層試料中で
すなわち,大根島の周りを反時計回りで進入してぎた
も伯太川河口付近や米子湾でみられた.シズクガイ
海水は中海中央部から米子湾にまで達し,そのコース
ーホトトギスガイ群集のうち,淡水の影響を受け易い
にあたるところでは,少なくとも冬から春にかけては
場所を代表する群集であろう.
チゴトリガイが生息しうる環境にあった.当時中海で
ホトトギスガイ群集:各コアの中部とNU88−03−
最も産出頻度が高かった貝はホトトギスガイで,’死殻
01の上部に分布している.いずれも産出種数と個体数
は全域に分布し,沿岸部には生貝も多くみられた.ま
が少ない試料にみられる.表層試料中の同名の群集に
た,大根島南東部の夏季貝類死圏にはヨコハマチヨノ
相当する環境を示すと考えられる.
ハナガイ(本論文のチヨノハナガイと同じと思われ
シズクガイ群集:NU88−01−02の下部と各コアの
る)とシズクガイの死殻が大量に堆積していたとい
中部の産出個体数が非常に少ない試料にみられる.ま
う.
た,共産する貝もほとんどないことから,環境耐性の
この状況は,1959∼60年(KIKucHI,1964),および
強いこの種のみが生息できるところとして,底層水が
1965∼66年(水野ほか,1969)でも基本的には変わっ
停滞しやすい湖の中央部のような環境が考えられる.
ていない.水野ほか(1969)では,ほぼ大根島と飯梨
表層試料の同名の群集に対応する.
川河口を結ぶ線より西域にサルボウガイーイヨスダレ
ヒメシラトリガイ群集:NU88−06−01の下部にみ
ガイ群集が,また東城にチヨノハナガイーシズクガイ
られる群集で,個体数が少なく,共産する種も一部を
群集が分布していたことが示されている.前者は酸化
除いてきわめて少ない.宮地ほか(1945)によれば,
型Eh分布地域に,後者は還元型Eh分布地域に対応し
標記種は下部潮間帯に特徴的な強内湾性の種で,生貝
ている.米子湾は宮地らの調査結果に比べると貝類が
は中海では大橋川河口や米子港の近くで採取されたと
非常に貧弱になっており,20年間に貝類の生活条件が
いう.湾奥の浅海域を示す群集と考えられる.
著しく悪化したことが指摘されている.
その他:有意な産出とみなせる種はあるが,種数・
堰堤完成後にはそれまでとはまったく異なった状況
個体数ともに少なく,群集として区分するのが適当で
が生まれた.海水は中浦水門をへて,中海中央部から
ないと判断したものである.
南東部に進入するようになった.そのコースに沿って
図一8には各コアにおける上位5位までの有意な産
チゴトリガイが多産しており,調査が行われた夏季で
出種と,上記に従った群集区分を示してある.
も生貝がしばしば認められた.また,本種の死殻はほ
ぼ中海全域に分布しており,今回の調査では最も産出
V.貝類群集と底質環境の変遷
頻度が高い貝であった.その意味で海水の進入コース
A.堰堤完成以前と以後
の変更は,中海の環境に若干の改善をもたらしたもの
これまでの研究によれば,大海崎堤や馬渡堤がでぎ
といえる.一方底層水が滞留し易く,夏季に貝類の死
る以前は海水は境水道から大根島の北,西を通る反時
圏が生じていると考えられる場所は湖盆の南西部に移
計回りのコースで中海に進入していた.堰堤完成以前
動しており,サルボウガイやイヨスダレガイはほとん
の貝類の分布にもそれは明瞭に現れている.
ど分布していなかった.また,米子湾には依然として
宮地ほか(1945)で報告されている1944年当時,大
貝類がほとんどみられなかった.
根島南東の黒色の還元性泥土からなる湖盆にはすでに
夏季に貝類の死圏が存在していた.しかし春季にはそ
B.過去500年間の変化
のような水域にも各種の貝類が生息しており,また黒
中海のいくつかの柱状試料については,すでに鉛
色泥土上の死殻はあまり浮動していないことから,死
一210法などを用いて堆積速度が求められている
殻の分布はその種の最大分布圏を示すとされた(宮地
(MATsuMoTo,1981;中海・宍道湖自然史研究会ほ
T
⊥
中海・宍道湖の自然史研究一その10
47
か,1987).堆積速度が一定であったという仮定にた
る状況は確立していたと考えられる.
てば,これによって柱状試料に年代の目盛りをうつこ
南東水域から米子湾におけるNU88−04−02,
とができる.とくにNU86−81とNU85−6については
それぞれ同一時,同一地点で採取されたNU86−82と
一〇1−02,および一〇3−01については,同一地点やそ
の付近で堆積速度を求めた資料はない.また,これら
NU85−4で堆積速度が求められている(中海・宍道
のコアに共通した顕著な特徴や傾向もあまりない.飯
湖自然史研究会ほか,1987;前者は0.054±0.003g/
梨川など南岸から流入する河川の影響や,米子湾内で
cm2 ^y,後者は0.045±0.003g/cm2/y).ここではま
の特殊な環境が複雑な状況をつくりだしていると考え
ず,これら2つのコアについて過去数百年間の貝類群
られる.これらについては有孔虫や貝形虫など,他の
集の変遷と環境変化を検討してみよう.
化石分析の結果を待って,その意味を考察したい.
NU86−81では西暦1400年頃(深度70∼75cm)まで
米子湾奥のNU88−06−01については,その北東約
比較的塩分濃度が高く,底層水の交換も良好な環境が
500m地点で採取されたNU79のコアで堆積速度が
続いている.,ヒメカノコアサリ群集やシズクガイーイ
推定されている(MATSuMOTO,1981:0.077±0.002g
ヨスダレガイ群集がみられることから,おそらく現在
/cm2/y).これを参考にすると,NU88−06−01のコ
の境水道か堰堤完成以前の大根島北部水域のような環
アの基底はほぼ1600年頃であり,深度30∼55cmにみ
境であったと思われる.それ以降環境が悪化し,底層
られるヒメシラトリガイ群集やサルボウガイが産出す
水が滞留し易く,夏季には貝類の死圏となるような状
る層準は1700年前後のものと考え●られる.水野ほか
況が1600年代の中ごろまで続いたようである.1600年
(1972)は中海南部から米子湾にかけての底質中,深
代なかばから1700年代のはじめにかけて,環境は極端
度40∼80cm前後のところにかなり広域にわたって貝
に悪化し,貝類相が非常に貧弱になる.これは,1635
殻の密集層が存在することを指摘し,そのころ弓ケ浜
年頃に起こった斐伊川の東流という事件に関連してい
の頸部が開口しており,そこから海水が進入していた
るかもしれない.その後,チゴトリガイ群集が成立す
と述べている.そして貝殻の1540±100年B.P.という
b年代を参考にすれば,これはr出雲国風土記』の時
る程度まで環境は回復し,一時的に悪化することは
14
あってもこの状況は1900年代のなかばまで続いてい
代の「夜見島」の存在を支持する資料である,として
る.前述したような堰堤が完成する以前の状況は,こ
いる.もしこの貝殻層がNU88−06−01の下部にみら
れる含貝類層準と同じものだとすると,年代がくい違
のステージの末期を示すものであろう.現在では,貝
類が生息するのが困難な程度まで,再び環境は悪化し
うことになる.また,1700年前後の貝殻層ならば前述
ている.
したように,中海全体の環境が若干好転した時代のも
NU85−6では堆積速度が遅いため,西暦1400年頃
の堆積物は深度60cm程度のところに見積られる.NU
86−81と違ってそのころまでの貝類群集は,75∼80
cmでシズクガイーイヨスダレガイ群集がみられる以
のとしても説明がつく.この点についても再検討が必
要である.
VI.ま
と め
外は全体に貧弱である.すでに貝類の生活条件には適
1985年から1988年にかけて採取された中海底質の表
さない強還元的な環境が存在していたと考えられる.
層試料と柱状試料について貝類群集を検討した結果,
1500年前後にみられるヒメカノコアサリ群集について
次のことが明らかになった.
は,産状に問題があることをすでに述べた.この層準
1)表層試料中の貝類でもっとも多産した種はチゴト
を無視すれば,このような状態は1700年代のはじめま
リガイであり,死殻はほぼ中海全域に分布していた.
で続いていたことになる.その後,NU86−81と同様
産出頻度の高いところは中浦水門から中海南東部,米
に環境は若干改善される.そして1900年代にはいって
子湾口部にいたる水域で,そこには生貝もかなり分布
再び環境悪化したと考えられる.
していた.
この2つのコアについて,同時代と考えられる層準
2)表層試料中の貝類はチゴトリガイーヒメカノコア
の環境を比べた場合,全体にわたって北西側にある
サリ群集,チゴトリガイーカワグチツボ群集,チゴト
NU86−81の方が海水の循環がよく,塩分濃度も高
リガイー“sp.G−1”群集,チゴトリガイーホトトギ
かったと推定される.すなわち,少なくとも1400年代
スガイ群集,シズクガイーホトトギスガイ(アサリ)
には,大根島の北から反時計回りに海水が進入してく
群集,ホトトギスガイ群集,シズクガイ群集,および
48
高安克己・小野俊彦・住田耕一
その他の群集に分けられた.それらは,種の多様性と
引 用 文 献
総個体数に関して特性が認められ,いくつかの群集型
に対応していることが示された.
KIKucHI,T.(1964):Ecology and Biological Product−
3)各群集郭よび群集型は,底層水の滞留状況や塩分
ion of Lake Naka−umi and Adjascent Regions.3.
濃度などに関連した底質環境の違いによって,中海に
Macrobenthic Communities of Lake Shinji−ko and
おいて特有の分布を示していた.とくに,夏季の貝類
Lake Naka−umi.Spθo.P麗麗.Sθ診。ル1αプ.B∫o.Lαわ.,
死圏に特有の群集は,堰堤が完成する以前とは逆に大
根島の南西域に移動していた.
4)柱状試料の貝類は,ヒメカノコアサリ群集,チゴ
トリガイ群集,シズクガイーホトトギスガイ群集,ホ
3θ〆.2,pt.1,no.3,21−44.
MATsuMoTo,E.(1981):Sedimentation Rates in
Several Lakes of Japan Measuered with210Pb
トトギスガィーエドガワミズゴマツボ群集,ホトトギ
Method.Vθrh./n孟.Vθ〆θ∫n.乙伽noZ.,21,603−608.
スガイ群集,シズクガイ群集,ヒメシラトリ群集,お
水野篤行・関根節郎・中沢次郎・高久昭子・小野寺公
よびその他の群集に分けられた.
児・小野美代子(1969):宍道湖・中海底泥中のU
5)堆積速度が分かっているコアについて年代を外挿
分布,とくに沈積環境との関係(予報).地調報告,
し,貝類群集の変遷と時代ごとの位置関係を検討し
(232),317−352.
た.その結果,少なくとも西暦1400年頃にはすでに大
根島の北から反時計回りに海水が進入する状況は確立
していた,と推定された.また,1400年代後半から
1700年代はじめ頃には貝類の夏季死圏が大根島の西部
水野篤行・大嶋和雄・中尾征三・野口寧世・正岡栄治
(1972):中海・宍道湖の形成過程とその問題点.
地質学論集,(7),113−124.
にまで広がり,環境が悪化した.その後若干改善はさ
宮地伝三郎・波部忠重・川口正雄・山根謹爾(1945):中
れたが,1900年代に再び貝類の生育には適さない状況
ノ海の底棲動物群集と遺骸群集.京大生理生態業
となり,現在に至っている.
績,(31),1−24.
中海南東部から米子湾にかけて採取された柱状試料
については,群集変化が複雑で十分解析が進んでいな
い.今後,微化石資料などと比較するなかで,その意
味を検討していかなくてはならない.また,今回の分
析で貝類の夏季死圏の出現や拡大が,中海の環境変遷
を論じる上で重要な鍵となることがますますはっきり
した.今後は幼貝と成貝とを区別するなどして,夏季
死圏の範囲や出現の時代をより鮮明にしていく必要が
ある.
T
宮地伝三郎・波部忠重(1947):内湾の遺骸群集の研
究.生理生態,1(2),110−124.
中海・宍道湖自然史研究会,松本英二・井内美郎・鹿
島 薫(1987):中海・宍道湖の自然史研究一その
6.中海における1986年度柱状採泥と湖底堆積物中
の有孔虫・珪藻群集(予報)一.島根大地質学研
報,(6),61−84.
﹄
中海・宍道湖の自然史研究一その10
図 版説 明
図版
1
1 チゴトリガイF堀∂∫αh祝ngθげ。〆漉(Sowerby),x5,Loc.N−5.
2 ,3.サルボウガイSoαphαプ。α鍬6c紹nα頗(Lischke),x3.5,Loc.N−5.
4 .イヨスダレガイPαρhぬr/Vθo頗ρθの祝n4㍑1厩α(Bom),x3.5,Loc.NU88−04−02
(15.0−17.5cm)
5 ホトトギスガイM鰐。祝1ガ3頗sθnho粥ガα(Benson),x5,Loc.N−5.
6 アサリR祝4ガ如ρθ3ph漉ρρfn俳祖アη(AdamsetReeve),x3.5,Loc.NU88−01−02
(22.5−25.Ocm)
7 ウメノハナガイPガ1彪。∫nαrP.フρ∫3ガ4∫卿n(Dunker),x4,Loc.N−29.
8 オキナノエガオガイPlα伽7加3彪r祝gα雄Habe,x3.5,Loc.NU86−81
(25.0−27.5cm)
9 ウラカガミガイ∠)03fnθllαρθ勉。ガllα孟α(Reeve),x1,Loc.NU86−81(60.0」62.5
cm)
10.クサビザラガイCα4θllα4θ1彪(Yokoyama),x3.5,Loc.NU86−81(25.0−27.5cm)
11.ヒメカノコアサリVθ7のnoゆα吻6雁(Pilsbry),x5,Loc.N−3L
図版 H
1.フジノハナガイChion4”onf so加9緬no3粥(Dunker),x2.5,Loc.N−5付近.
2.チヨノハナガイRα窃θllop3ρ躍chθJlα(AdamsetReeve),x3.5,Loc.N−27.
3.ヒメシラトリガイMαooη3αrM.万n60ng耀α(v.Martens),x3.5,Loc.N−L
4.ウズザクラガイノV伽40観lfnα加n厩α(Lischke),x3.5,Loc.N−5付近.
5.シズ’クガイ Thθorα1μわか。αGould,x3.5,Loc.N−5.
6.シラギクガイP3θ祝401ガ。加伽lchθllα(Dunker),x3.5,Loc.N−5付近.
7.S加。顔めonガllααガθ6古プ03α(Yokoyama),x6,Loc.N−29.
8.S診ガ。伽めonガllαsp.,x6,Loc.N−31.
9.Gastropoda gen.et sp.indet.(“sp.G−1”),x6,Loc.N−5.
10.Cθプ琵h∫op3ガ3sp.,x6,Loc.N−29.
11.Gastropoda gen.et sp.indet.(“sp.G−3”),x6,Loc.N−32.
12.シマモツボEμ∫θnθIZα耀∫odnα雄(A.Adams),x6,Loc.NU86−81,(77.5−80.O
cm)
13.ツヤモツボE祝∫θnθllα3μわpol彪d4αKurodaetHabe,x6,Loc.N−29.
14.040s診。加αhαプ嘘。αθNomura,x6,Loc.N−28.
15.ゴマツボPθllα規om孟プ06hlθ灘ガ3(Gould),x6,Loc.N−5付近.
16.アラムシロガイR窃比祝nα33α∫θ舘∫∂α(Powys),x2,Loc.N−5.
49
50
高安克己・小野俊彦・住田耕一
図版 皿
1.シノブガイ ム‘zθ∂∫scα1ααng㍑3頗(Dunker),x6,Loc.N−31.
2.エドガワミズゴマツボS惚no孟hly緬θ40gαωθn3∫3(Yokoyama),x6,Loc.N−5.
3,4.カワグチツボFZ卿foc∫ng堀αnfρpon∫oαKuroda et Habe,いずれもx6,Loc.
N−5.
5.マメウラシマガイR加gガ。配αrR加gガ。認fnαジ40」∫α〆f3Gould,x4,Loc.N−28.
6 Gastropoda gen.et sp.indet.(“sp.G−7”),x6.5,Loc.N−29.
7 カリバガサガイCα1ッρ診rα即ッ。々。ッα解αi Kuroda,x6,Loc.N−5付近.
8,9.0403孟07π∫α伽nρ昭αDall et Bartsch,いずれもx6,Loc.N−5.
10 ナガセトモノクチキレEδα1αραgo4π1α(Yokoyama),x6,Loc.N−5.
11 Gastropoda gen.sp.indet.(“sp.G−8”),x6,Loc.N−29.
12丁躍如nfllα3ρ.,x6,Loc.N−5付近.
13 スナモチツボSoα1ガolα加IJαA.Adams,6,Loc.N−29.
14 カミスジカイコガイダマシCッ1捲hnの”αng鰐頗(Gould),x6,Loc.N−5.
15 カイコガイダマシ」L∫loαρorogllαnα(Gould),x6,Loc.N−5.
16,17,24.マツシマコメツブガイZ)θco万∫卯規α顔3i解αnμ3(Nomura),16,24,;x6.5,
17;x5,いずれもLoc.N−5.
18.ヨワコメツブガイ?ノ10陀06inαrToプnα〃nαフcf.θ漉1∫3(Dunker),x5,Loc.N−29.
19.040sめ禰α9sp.,x5,Loc,N−5付近.
20.C』yolガ6hα孟ly3sp.,x5,Loc.N−5.
21,23 コメツブガイ ∠)θooプ∫∫卯ガn3∫gnガ3(Pilsbry),21;x6.5,23;x6,いずれも Loc.
N−5.
22 コヤスツララガイZ)∫40彫oglo33α為。ッα3祝θn3ガ3(Yokoyama),x5,Loc.N−19.
T
●
●
蓼諺
’蓼
継
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藩
灘灘
擁
◎鋤
灘
獺
磁
灘
肇
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難
華
ざ
轟
1
欝
舞
継
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・購
鐸靉
簗撚
靆 磁
妻
掛
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鍵灘襲灘
灘慧叢鰺 構燐
難灘
辮
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欝
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雛
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癖鍵 齢
辮
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◎
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