(写) 25 大 監 発 第 10334 号 平 成 26 年 3 月 27 日 大 田 区 長 大 田 区 議 会 議 長 大田区教育委員会 大田区選挙管理委員会 様 大田区監査委員 大田区監査委員 大田区監査委員 大田区監査委員 森 透 中 井 恭 子 大 森 昭 彦 冨 田 俊 一 平成 25 年度後期定期監査及び財政援助団体等 監査の結果について(報告) 地方自治法第 199 条第1項、第2項、第4項及び第7項の規定に基づき定期監査 及び財政援助団体等監査を実施したので、同条第9項の規定により、その結果を下 記のとおり報告します。 本監査の結果に基づき、又は本監査の結果を参考として措置を講じたときは、同 条第 12 項の規定に基づき、速やかにその内容を通知願います。 記 第1 監査実施期間 平成 25 年 10 月4日(金)から平成 26 年3月 14 日(金)まで 第2 監査対象所属 1 定期監査 (1) 区長政策室 政策課、区民の声課、広報課 (2) 計画財政部 計画財政課、情報システム課、施設管理課 (3) 総務部 総務課、人権推進課、男女平等推進課、人事課、経理管財課 (4) 地域振興部 地域振興課、防災課、大森東特別出張所、大森西特別出張所、美原文化 1 (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (15) (16) センター、入新井特別出張所、馬込特別出張所(ライフコミュニティ西 馬込を含む)、池上特別出張所(池上会館を含む) 、新井宿特別出張所(新 井宿会館・山王会館を含む)、嶺町特別出張所(嶺町文化センターを含む)、 田園調布特別出張所(田園調布富士見会館を含む)、鵜の木特別出張所、 久が原特別出張所、雪谷文化センター、雪谷特別出張所、千束特別出張 所、石川町文化センター、糀谷特別出張所、羽田特別出張所(コミュニ ティセンター羽田旭を含む)、萩中集会所、萩中文化センター、六郷特 別出張所、六郷文化センター、矢口特別出張所(矢口区民センターを含 む)、蒲田西特別出張所(ふれあいはすぬまを含む)、大田区民センター、 蒲田東特別出張所(北蒲広場を含む) 区民部 戸籍住民課、課税課、納税課、国保年金課 産業経済部 産業振興課、観光課 福祉部 福祉管理課、高齢福祉課、介護保険課、障害福祉課、大森地域福祉課、 調布地域福祉課、蒲田地域福祉課、糀谷・羽田地域福祉課、大森生活福 祉課、調布生活福祉課、蒲田生活福祉課、糀谷・羽田生活福祉課、新蒲 田福祉センター、上池台障害者福祉会館 保健所 保健衛生課、生活衛生課、健康づくり課、大森地域健康課、調布地域健 康課、蒲田地域健康課、糀谷・羽田地域健康課 まちづくり推進部 まちづくり管理課、都市開発課、建築調整課、建築審査課、住宅課 都市基盤整備部 都市基盤管理課、建設工事課、大森まちなみ維持課、調布まちなみ維持 課、蒲田まちなみ維持課、糀谷・羽田まちなみ維持課 連続立体事業本部 連続立体事業課 環境清掃部 環境清掃管理課、環境保全課、大森清掃事務所、調布清掃事務所、蒲田 清掃事務所、多摩川清掃事業所 会計管理室 選挙管理委員会事務局 監査事務局 議会事務局 2 財政援助団体等監査 (1) 補助金の交付団体(4か所) ① 社会福祉法人 大田区社会福祉協議会 (所管部課 福祉部福祉管理課) 2 ② 公益社団法人 大田区シルバー人材センター (所管部課 福祉部高齢福祉課) ③ 社会福祉法人 池上長寿園[本部] (所管部課 福祉部介護保険課) ④ 社会福祉法人 大田幸陽会[本部] (所管部課 福祉部障害福祉課) (2) 出資団体(1か所) ① 蒲田開発事業株式会社 (所管部課 まちづくり推進部まちづくり管理課) (3) 出資及び補助金交付団体(3か所) ① 大田区土地開発公社 (所管部課 総務部経理管財課) ② 公益財団法人 大田区文化振興協会 (所管部課 地域振興部地域振興課) ③ 公益財団法人 大田区産業振興協会 (所管部課 産業経済部産業振興課) (4) 公の施設の指定管理者(9か所) ① アクティオ株式会社 (所管部課 地域振興部雪谷特別出張所) 指定管理の施設[洗足区民センター] ② 野村ビルマネジメント株式会社 (所管部課 産業経済部産業振興課) 指定管理の施設[大田区中小企業者賃貸住宅] ③ 社会福祉法人 有隣協会 (所管部課 福祉部高齢福祉課) 指定管理の施設[山王高齢者センター] ④ 社会福祉法人 池上長寿園 (所管部課 福祉部介護保険課) 指定管理の施設[特別養護老人ホーム蒲田] [特別養護老人ホームたまがわ] [蒲田高齢者在宅サービスセンター] [たまがわ高齢者在宅サービスセンター] ⑤ 社会福祉法人 大田幸陽会 (所管部課 福祉部障害福祉課) 指定管理の施設[しいのき園] [大森東福祉園] 3 監査実施数 監査対象所管部局のうち、今回、監査を行った実施数は次に掲げるとおり である。 対象所管部局 対象所属・施設等 監査実施数 区長政策室 所属課 3 計画財政部 総務部 所属課 所属課 3 5 3 出資及び補助金交付団体 所属課等 1 27 地域振興部 出資及び補助金交付団体 指定管理者の管理する施設 1 1 区民部 所属課 所属課 出資及び補助金交付団体 4 2 1 指定管理者の管理する施設 所属課 1 14 補助金の交付団体 指定管理者の管理する施設 所属課 4 7 7 まちづくり推進部 所属課 出資団体 5 1 都市基盤整備部 連続立体事業本部 所属課 所属課 6 1 環境清掃部 所属課 会計管理室 選挙管理委員会事務局 6 1 1 監査事務局 議会事務局 1 1 産業経済部 福祉部 保健所 合 計 104 第3 監査の方法 1 定期監査 地方自治法第 199 条第1項及び第2項に基づき、区の財務に関する事務の執 行、経営にかかわる事業の管理及び事務の執行等につき合規性はもとより、経 済性、効率性、有効性の観点にも留意し監査を実施した。 なお、次の表左欄に掲げる部局においては、同表右欄の事項を重点事項とし て監査を実施した。 部 局 重 点 事 項 区長政策室 計画財政部 総務部 (1) 区民相談 (2) 大田区公式ツイッターの運用 (1) 指定管理者の管理運営に対するモニタリングの実 施 (2) 大規模災害に耐えられる情報システムBCP(業務 継続計画)の実現 (1) 更生保護団体に対する補助金交付 (2) 職員住宅の維持管理 (3) 入札・契約制度改革の取組み 4 地域振興部 (1) 地域力応援基金助成事業 (2) 津波防災対策の推進事業 (3) 特別出張所窓口における収納事務 (1) 平日夜間・休日窓口サービスの拡充 区民部 産業経済部 (2) 軽自動車税の減免 (3) 納付受付センター業務委託 (4) 保健推進事業 (1) 大田区新・元気出せ!商店街事業 (2) 大田区観光協会に対する補助金交付 (1) 福祉有償運送に係る運営協議会・同補助金 (2) 老人クラブ助成事業 (3) 通所型介護予防事業 福祉部 (4) グループホーム・ケアホームの整備促進 (5) 高齢者等緊急通報システム事業 (6) 生活保護受給者に対する就労支援 (7) 就労継続支援B型事業 保健所 まちづくり推進部 都市基盤整備部 (8) 身体障害者・知的障害者就労継続支援事業 (1) 小児救急支援事業 (2) 猫の去勢・不妊手術事業 (3) 乳がん検診 (4) 両親学級(育児学級を含む) (1) 移動等円滑化推進計画の策定・推進 (2) 地域のまちづくり支援 (3) 狭あい道路拡幅整備事業に伴う助成金及び奨励金 の交付 (4) 指定確認検査機関の検査・指導の強化 (5) 高齢者世帯等転居一時金助成事業 (1) 大田区交通安全協会に対する補助 (2) ふれあいパーク活動事業 連続立体事業本部 (1) 都心共同住宅供給事業補助 (1) 小型家電等の資源化事業 環境清掃部 (2) 生垣造成助成事業 (3) リサイクル活動グループ報償金 2 財政援助団体等監査 地方自治法第 199 条第7項に基づき、補助金等の交付団体、出資団体及び公 の施設の指定管理者に対し実施した。 第4 監査の結果 監査の結果、指摘及び意見・要望事項に記載するものを除き、概ね適正に執 5 行されているものと認められた。 なお、監査の過程において、口頭で注意した事項については速やかに対応さ れたい。 1 区長政策室 (1) 区民相談に関する監査 区民の声課では、区民福祉の向上に資するため、法律、不動産取引、登 記、社会保険労務等各専門家による相談の場として、区民相談を実施して いる。区民相談が、大田区法律相談設置要綱等各相談設置要綱や業務委託 契約等に基づき適正に実施されているか監査した。 区民相談は、相談設置要綱、業務委託契約等に基づき、概ね適正に行わ れていた。今後とも、区民からの相談に応じ、適正な指導助言を行うこと により、区民福祉の増進を図られたい。 <区民の声課> (2) 大田区公式ツイッターの運用に関する監査 大田区総合防災力強化の一環として導入したツイッターが、区の催事情 報や旬のお楽しみ情報など、区民にとって有益な情報を発信していくこと で、区民のツイッターへの関心がどのくらい高まっているか把握するため、 ツイート、フォロワー等、大田区公式ツイッターの運用状況について監査 した。 監査時点における大田区のツイート数は 1,110 件、 フォロワー数は5,288 件であった。これを、大田区と人口が同程度の区と比較して見ると、A区 はツイート数が 567 件、フォロワー数は 19,158 件、B区はツイート数が 407 件、フォロワー数は 13,623 件であった。大田区はフォローしているユ ーザーが少ない状況にあると思われる。 今後も、大田区公式ツイッターが、運用目的である災害発生時の緊急情 報発信の強化や情報の拡散に力を発揮できるよう努められたい。<広報課> (3) その他財務等に関する監査 ア 意見・要望事項 有償刊行物である大田区地図帳について、金券受払簿と残数が一致し ていなかった。物品管理規則等に基づき適正に処理されたい。<広報課> (4) 服務・給与に関する監査 ア 意見・要望事項 (ア) 旅費の支給額に誤りがあった。職員の給与に関する条例等に基づき 適正に処理されたい。 <政策課><区民の声課> (イ) 超過勤務手当の申請もれがあった。職員の給与に関する条例等に基 づき適正に処理されたい。 <政策課> 6 2 計画財政部 (1) 指定管理者の管理運営に対するモニタリングの実施に関する監査 区では、平成 20 年1月に指定管理者モニタリングガイドラインを策定 し、指定管理者によるサービス水準の維持向上を図り、適切な管理を担保 するため、施設の管理状況をチェックし指導することを目的としてモニタ リングを実施している。 指定管理者のモニタリングについて、ガイドラインに基づき適正に行わ れているか監査した。 平成 24 年度は、平成 24 年4月1日現在、指定管理者制度を導入してい る 119 施設を対象に実施している。実施方法は、利用者満足度調査(アン ケート)、指定管理者によるセルフ(自己)モニタリング、施設所管課によ るモニタリングを行い、施設所管課が総合的に評価を行っている。評価は 全体としては概ね良好な水準を満たしているという結果であった。評価結 果は大田区ホームページで公表されている。 平成 25 年度は、平成 25 年1月 28 日、2月6日に実施された大田区指 定管理者制度検討会議の検討内容を踏まえて、実施方法を見直し、実施す ることになっている。指定管理者のサービス水準の維持向上や適切な管理 を担保するため、引き続き検討されたい。 なお、モニタリング実施起案、モニタリング実施方法はガイドラインに 基づき適正に行われていた。また、検討会議開催起案決定、会議出席者へ の謝礼の支出は適正に行われていた。 <計画財政課> (2) 大規模災害に耐えられる情報システムBCP(業務継続計画)の実現に関 する監査 区では、住民基本台帳など区民の重要な情報を電子媒体で管理している。 東日本大震災を踏まえ、大規模災害に耐えうる情報システムBCP(業務 継続計画)を実現し、区民の暮らしを守るための電子情報システム基盤を 整備することが目的の事業である。当事業が、区民の大切な情報をどのよ うに災害から守り、かつ、行政サービスを継続するための仕組みとなって いるかを監査した。 平成 25 年2月以降、外部データセンターで、区政の根幹となる区民の 基本情報である「住民記録システム」 「印鑑登録システム」 「受給・資格情 報管理システム」等、小規模な複製システムを稼働させることで、オンラ インシステムとデータを二重化し、大規模災害発生時に、電子計算組織を 用いた区の行政サービスが全面的にストップしうるリスクを分散してい る。 行政サービスの著しい低下を回避するためのバックアップシステムが 稼働していることは評価できるが、このバックアップシステムを運用する 職員が災害時に使用できるような訓練(研修)を実施し備えるなど、今後 も大規模災害発生時にも行政サービスを継続するために、有効性や経済性 7 を配慮した情報システムBCP事業を執り行われたい。<情報システム課> (3) 服務・給与に関する監査 ア 意見・要望事項 (ア) 旅費の支給額に誤りがあった。職員の給与に関する条例等に基づき 適正に処理されたい。 <計画財政課><情報システム課><施設管理課> (イ) 超過勤務手当の申請もれがあった。職員の給与に関する条例等に基 づき適正に処理されたい。 <情報システム課> 3 総務部 (1) 更生保護団体に対する補助金交付に関する監査 大田区更生保護関係団体がその活動上必要な集会等に要した費用や、構 成員の資質向上に必要な研修に要した費用を補助することによって、非行 や犯罪で保護観察を受けた対象者の生活相談や社会復帰支援を行う、保護 司の活動を援助する事業である。 当事業が大田区更生保護関連団体補助金交付要綱、更生保護関連団体研 修補助金交付要綱に基づき、補助金の交付申請、補助金交付決定及び通知、 補助金の請求及び交付が適正に行われているか監査した。 要綱第4条の交付申請、要綱第5条の決定起案や交付決定通知書、要綱 第6条の請求及び交付の手続きについて適正に行われていた。 <総務課> (2) 職員住宅の維持管理に関する監査 人事課は、職員の福利厚生、災害初動時活動職員の確保などを目的とし て、職員に貸与する住宅の維持管理を実施している。 職員住宅の維持管理が大田区職員住宅設置及び管理規則、大田区職員住 宅管理要綱に基づき適正に管理されているか、また、職員住宅が、入居状 況も含めて、有効に活用されているか監査した。 ア 意見・要望事項 職員住宅は、上記規則及び要綱に基づいて、職員住宅運営委員会の審 議も含めて、適正に管理されていた。また、職員住宅使用料等の調定や 日常及び清掃業務委託契約等も、仕様書に基づき概ね適正に行われてい た。 しかし、職員住宅の入居状況については、平成 25 年4月時点で家族 住宅 11 世帯、独身住宅 106 世帯、平成 26 年 1 月時点で家族住宅 12 世 帯、独身住宅 94 世帯であった(居室数は、家族住宅 17 世帯、独身住宅 109 世帯) 。人事課は、職員住宅の利用促進策として、平成 24 年 12 月に 収入基準の緩和を行っているが、さらなる入居率の向上を目指して努力 されたい。 <人事課> 8 (3) 入札・契約制度改革の取組みに関する監査 区は、入札・契約制度のあり方を整理するため、平成 23 年 10 月に大田 区入札・契約制度改革検討委員会を設置し、平成 25 年4月「入札・契約 制度改革検討結果報告書」をまとめた。この報告書の中で掲げられた課題 に対する経理管財課の取組み状況について監査した。 主な課題への取組み状況は以下のとおりであった。 平成 25 年度取組んだ随意契約の適正化については、 平成 26 年1月に 「随 意契約ガイドライン」及び「プロポーザル方式実施ガイドライン」を制定 した。要綱・基準等の見直しについては、検討の結果、大田区競争入札参 加資格者指名停止基準を廃止し、新たに大田区競争入札参加資格者指名停 止措置要綱(平成 26 年1月1日施行)を制定した。 総合評価落札方式の試行状況を確認したところ、平成 24 年度、平成 25 年度で成立した 19 件のうち、価格以外の要素で逆転したのは2件であっ た。継続して取り組む課題とされている総合評価落札方式の検証、改善に ついては、総合評価の技術評価点の評価項目を見直した。価格以外の要素 を含めて総合的に評価するという入札方式の趣旨が十分反映されるよう、 入札監視委員会での検討等引き続き改善に取組んでいる。 その他中間前払金制度の導入等の課題についても、具体的な取組みや検 討が行われていた。今後も引き続き入札・契約制度改革の推進に努められ たい。 <経理管財課> (4) その他財務等に関する監査 ア 意見・要望事項 指定医師診断書料の支払いについて、証拠書類を確認したところ正し い金額で支出されていた。しかし、支払予定金額を超える金額に変更さ れていたが、変更の起案決定がされていなかった。事案決定手続規程及 び会計事務規則に基づき適正に処理されたい。 <人事課> (5) 服務・給与に関する監査 ア 意見・要望事項 旅費の支給額に誤りがあった。職員の給与に関する条例等に基づき適 正に処理されたい。 <男女平等推進課><人事課><経理管財課> 4 地域振興部 (1) 地域力応援基金助成事業に関する監査 区は地域力応援基金を活用し、大田区区民協働推進条例に定める区民活 動団体を育成支援することを目的とし、区民を対象として公益性が認めら れ、社会貢献につながる地域に開かれた非営利事業に対して助成金(スタ ートアップ助成、ステップアップ助成、ジャンプアップ助成)を交付して いる。 9 助成金の交付が、地域力応援基金助成金交付要綱(以下「要綱」という。 ) に基づき適正に行われているか監査した。 ア 指摘事項 補助金の交付決定について、大田区事案決定手続規程では金額により 事案の決定権者が定められ、100 万円以上は区長、20 万円以上 100 万円 未満は部長が決定権者となっている。平成 25 年度ステップアップ、ジ ャンプアップ助成の新規事業助成金7件(最低 78 万円、最高 300 万円) が一括で課長により事案決定されていた。適正な事務を行われたい。 イ 意見・要望事項 (ア) 要綱には、本助成金の交付対象団体は、あらかじめ大田区区民活動 情報サイトに登録している団体であること等、対象団体に関する規定 がある。しかし、助成金の交付決定等の起案文書には、団体がこれら の要件を満たしていることが記載されていなかった。助成金の交付を 受ける団体としての要件を満たしていることを、起案文書等で明確に されたい。 (イ) 要綱では、助成団体は助成金の事業の内容を変更するときは、あら かじめ区の承認を受けることとされている。助成事業が終了し実績報 告が提出された後に、変更の届出がされているケースがあった。助成 団体への指導を徹底されたい。 (ウ) 助成金交付決定の文書の保存年限が統一されていなかった。文書管 理規程等に基づき適正な文書管理を行われたい。 <地域振興課> (2) 津波防災対策の推進事業に関する監査 津波防災対策の推進事業は、大田区総合防災力プログラムに位置付けら れており、平成 24 年度に緊急対応として、海抜調査、サイン表示の設置、 津波避難所の確保、津波ハザードマップの作成等の津波関連事業が行われ た。本事業が、適正に行われているか合規性の観点から監査した。 海抜調査、サイン表示の設置、津波避難所の確保、津波ハザードマップ の作成等関連事業は概ね適正に行われていた。今後も、区民の命を守るた め、津波防災対策を含め、総合防災力の着実な向上を図られたい。 <防災課> (3) 特別出張所窓口における収納事務に関する監査 特別出張所で収納している証明閲覧手数料や税、保険料などの収納金の 原符、領収証書等は正しく処理されているか、収納金日報や現金出納簿等 は正しく記載されているか、収納金は取りまとめ後速やかに払い込まれて いるか等、収納金の事務処理とそのチェック体制について監査した。 ア 意見・要望事項 (ア) 大田区会計事務規則では、歳入徴収者は歳入をしようとするとき は、当該歳入に係る法令、契約書、その他の関係書類に基づいて、 10 所属年度、歳入科目、納入すべき金額、納人、納期又は納付期限及 び納付場所を調査決定(以下「調定」という。 )しなければならない と規定している。しかしながら、調定起案作成に際し、歳入科目の 記載のない収納金日報兼現金出納簿の写しを起案内容の内訳として いる特別出張所6か所、また、内訳書を作成しているが歳入科目の 記載のない特別出張所が1か所あった。規則に基づき適正に処理さ れたい。 (イ) 会計管理者通知(平成 20 年6月 18 日付)では、調定起案決定後財 務会計システムに調定登録をする際は、調定書摘要欄に決定文書番 号を入力すること、また、窓口サービス担当係長の収納金を保管す る預金口座に預金利子が付された場合は、収納金日報兼現金出納簿 にその旨を記載することとされている。しかしながら、決定文書番 号を入力していない特別出張所や、預金利子の記載もれ等記載方法 に誤りのある特別出張所が見受けられた。通知に基づき適正な事務 を行われたい。 <各特別出張所> (4) その他財務等に関する監査 ア 指摘事項 (ア) 資金前渡受者用現金出納簿の記載で、残額欄の現金額と預金額及 び合計金額の記載に誤りがあった。また、宿泊旅行中に要する有料 道路代等について、資金前渡を受け支出しているが、現金出納簿の 記帳日が旅行日当日となっていた。会計事務規則等に基づき適正に 処理されたい。 <地域振興課> (イ) 資金前渡受者用現金出納簿の受払欄に記載もれがあった。会計事務 規則等に基づき適正に処理されたい。 <地域振興課> <萩中集会所><蒲田西特別出張所> (ウ) 金銭出納員用現金出納簿の受払欄に記載もれがあった。会計事務 規則等に基づき適正に処理されたい。 <美原文化センター> (エ) 田園調布富士見会館業務委託総括仕様書では「各業務内容につい ては、毎日報告書を提出すること」とされているが平成 24 年度、平 成 25 年度に報告書が提出されていなかった。適正に処理されたい。 <田園調布特別出張所> (オ) コピー機使用代金について、収納金日報が作成されていなかった。 また、金銭出納員用現金出納簿の受払欄に記載もれがあった。会計事 務規則等に基づき適正に処理されたい。 <石川町文化センター> 11 (カ) 資金前渡における報償費について、現金がなく一時的に立替払い をしていた。会計事務規則等に基づき適正に処理されたい。 <羽田特別出張所> (キ) シャワー利用料の収納金日報が作成されていなかった。会計事務 規則等に基づき適正に処理されたい。 <萩中集会所> (ク) 収納金日報が作成されていない日があった。会計事務規則等に基 づき適正に処理されたい。 <萩中文化センター> イ 意見・要望事項 (ア) 幹部職員による宿直業務に供するため、毛布等の寝具をリースして いるが、リースとは別に宿直業務用として三種類計5枚の毛布を平成 24 年度に購入している。平成 25 年度においても引続き毛布をリース しているが、毛布の必要枚数やリースの必要性について検討されたい。 <防災課> (イ) 資金前渡受者用現金出納簿の戻入が受欄ではなく、払欄に記載され ていた。会計事務規則等に基づき適正に処理されたい。 <防災課> (ウ) ガソリン券(軽油)について、平成 25 年3月に購入の際、年間使 用枚数以上の残があるにもかかわらず購入し、次年度へ繰越していた。 また、平成 25 年 12 月においても年間使用枚数をかなり上回る残があ った。受払簿による適正な管理を行うとともに適正な予算執行を行わ れたい。 <防災課> (エ) 平成 25 年度のライフコミュニティ西馬込健康器具保守点検委託契 約書では、定期点検を9月に実施することになっているが、10 月に定 期点検が行われていた。契約書等に基づき適正に実施するよう指導さ れたい。 <馬込特別出張所> (オ) 新井宿会館受付業務委託の仕様によると、新井宿集会室の使用料の 収納及び還付についても委託する内容になっている。実際は新井宿会 館受付では新井宿集会室使用料についてシステムで対応できないた め、新井宿特別出張所で使用料の収納及び還付を行っており、仕様の 内容と実態に齟齬があった。適正に処理されたい。 <新井宿特別出張所> (カ) 有償刊行物である大田区地図帳の受払が、金券類受払事務取扱要領 に定める受払簿の様式でなく、独自に作成したエクセル表で記録され 12 ていた。また、月ごとの主管係長の確認がされていなかった。適正に 処理されたい。 <嶺町特別出張所> (キ) 資金前渡受者用現金出納簿で、会計事務規則第 88 号様式を使用し ていなかった。適正に処理されたい。 <雪谷文化センター> (ク) 備品(カラーテレビ1台)の廃棄手続きがもれていた。物品管理規 則等に基づき適正に処理されたい。 <雪谷文化センター> (ケ) 会計事務規則第 123 条に基づく資金前渡受者の事務引継ぎが行われ ていなかった。規則に基づき適正に事務引継ぎを行われたい。 <糀谷特別出張所> (コ) 平成 24 年度の郵券受払簿の受払欄に記載もれがあった。物品管理 規則等に基づき適正に処理されたい。 <糀谷特別出張所> (サ) 郵券の購入起案について、起案決定日より前に納期が設定されてい るものがあった。適正に処理されたい。 <羽田特別出張所> (シ) 「矢口特別出張所の樹木管理について」の決定文書では、仕様書の 決定を受けていたが、請書兼請求書には、仕様書が添付されていなか った。適正に処理されたい。 <矢口特別出張所> (ス) ふれあいはすぬま等複合施設業務委託契約では、ふれあいはすぬま 使用料の利用者への還付について、受託者が必要な資金を区に請求し 行うとしている。現年度使用料の還付の資金は契約書に定めるとおり 受託者が区に請求し、利用者への返還が行われている。 しかし、過年度使用料の還付に要する資金は、受託者が区に請求を 行わず、資金前渡受者である蒲田西特別出張所長が資金を受け受託者 に渡し、返還業務を行っていた。契約書等に基づき適正な事務を行う ように指導するとともに適正な事務を行われたい。 <蒲田西特別出張所> (5) 服務・給与に関する監査 ア 意見・要望事項 (ア) 旅費の支給額に誤りがあった。職員の給与に関する条例等に基づき 適正に処理されたい。 <地域振興課><防災課><大森西特別出張所><入新井特別出張所> <馬込特別出張所><池上特別出張所><新井宿特別出張所> <田園調布特別出張所><鵜の木特別出張所><久が原特別出張所> 13 <雪谷特別出張所><千束特別出張所><石川町文化センター> <糀谷特別出張所><羽田特別出張所><萩中集会所> <六郷特別出張所><六郷文化センター><矢口特別出張所> <蒲田西特別出張所><蒲田東特別出張所> (イ) 旅費の申請もれがあった。職員の給与に関する条例等に基づき適 正に処理されたい。 <地域振興課><大森東特別出張所> (ウ) 超過勤務手当の申請もれがあった。職員の給与に関する条例等に 基づき適正に処理されたい。 <地域振興課><大森西特別出張所> <鵜の木特別出張所><久が原特別出張所><六郷特別出張所> (エ) 超過勤務手当の申請時間に誤りがあった。職員の給与に関する条 例等に基づき適正に処理されたい。 <大森西特別出張所> (オ) 宿日直手当の申請もれがあった。職員の給与に関する条例等に基 づき適正に処理されたい。 <六郷特別出張所> 5 区民部 (1) 平日夜間・休日窓口サービスの拡充に関する監査 大田区窓口サービス改善計画で目標として掲げた「区民の多様なライフ スタイルへの対応」を推進するため、年度別の「本庁舎窓口サービスの拡 充」に「平日夜間、土・日曜日の取扱いサービスの拡充」と「本庁舎総合 窓口の配置変更」を掲げている。本計画に基づき窓口サービスの拡充が実 施されているか監査した。 第一段階として、平成 23 年 10 月1日から平日夜間、土・日曜日に税証 明書、現在戸籍証明書の発行、平日夜間に住民票異動届、印鑑登録申請書 の受領を開始している。平成 24 年度の取扱い件数は、税証明書発行 4,528 件、現在戸籍証明書発行 6,796 件、住民票異動届(受領)2,015 件、印鑑登 録申請書(受領)468 件であった。また、平成 25 年5月に戸籍住民課郵送担 当が本庁舎8階フロアから1階フロアへ移動している。 ア 指摘事項 戸籍住民窓口及び郵送請求業務委託契約の支払い事務において検査 員受理年月日以前の日付の請求書があった。適正な事務を行われたい。 イ 意見・要望事項 第二段階として平成 25 年7月から実施予定であった住民異動届、印 鑑登録申請書の土・日曜日での受領事務については、実施が見送りとな っている。平成 24 年 10 月に策定された「区民部業務改善計画」や共通 番号(マイナンバー)制度等の社会情勢も踏まえて、引き続き窓口サービ スの拡充について検討し、窓口サービスの改善に取り組まれたい。 14 <戸籍住民課> (2) 軽自動車税の減免に関する監査 課税課では、生活が困難になった者等必要があると認める者に対して、 軽自動車税の減免を行っている。減免手続きが、大田区特別区税条例、大 田区特別区税条例施行規則、大田区軽自動車税減免処理要綱に基づき適正 に実施されているか監査した。 ア 意見・要望事項 減免申請書の減免理由欄が未記入のものが見受けられた。大田区特別 区税条例では、減免申請書に減免を必要とする理由を証明する書類を求 めており、減免理由の記載は、減免を受ける上で必要である。申請者に 記載をするように指導されたい。 また、大田区特別区税条例施行規則では、大田区特別区税条例第 46 条の対象者と同条第 46 条の2の対象者の減免申請書の様式を定めてい る。しかし、実際には、第 46 条の2の対象者用減免申請書を第 46 条の 対象者にも使用していた。同規則との相違がみられるので、見直しを検 討されたい。 <課税課> (3) 納付案内センター業務委託に関する監査 納税課では、特別区民税・都民税の収納率の向上・歳入確保のため、電 話及び訪問による納付催告業務を納付案内センターに委託することによ り、早期収納促進を図っている。納付案内センター業務委託契約は、特別 区民税・都民税、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料を対象として、 国保年金課が契約起案・支出命令を行い、対象税目ごとに納税課と国保年 金課が日常業務における受託事業者の管理を行っている。納税課において 委託業務が仕様書に基づき適正に行われているか、また、納付案内センタ ーの業務委託の有効性について監査した。 ア 意見・要望事項 納税課における納付案内センター業務委託契約による業務は、仕様書 に基づき概ね適正に行われていた。しかし、電話及び訪問催告業務につ いて、仕様書の業務内容では催告リストを打ち出しとあるが、実際には 区が打ち出して受託事業者に渡していた。また、実績報告として処理経 過表を作成することになっているが、収納支援システムに処理経過を入 力しているため、処理経過表は作成されていなかった。仕様内容と実際 の処理に差異が生じている。本業務委託契約は複数課にわたる契約のた め、関係課と調整し実態に即した仕様書の見直しをされたい。 納付案内センターによる電話勧奨を月4回から月8回に増やした結 果、納付金額と納付件数が増加した。今後とも早期収納促進のため、納 付案内センターの効果的な活用に取り組まれたい。 <納税課> 15 (4) 保健推進事業に関する監査 国保年金課は、大田区国民健康保険の被保険者の健康保持・増進のため、 医療費通知関連及び児童歯科フッ化物塗布事業を委託し、夏季施設(区営 プール)利用引換券及びはり・きゅう・マッサージ割引券の配布事業を実 施している。この保健推進事業が、各種委託契約等に基づいて適正に実施 されているか監査した。 保健推進事業について、完了届、フッ化物塗布実施児童名簿、プール利 用引換券回収状況集計表、回収した使用済みの割引券・プール券等を確認 したところ、各種委託契約等に基づいて概ね適正に実施されていた。引き 続き適正な事務の執行に努められたい。 <国保年金課> (5) その他財務等に関する監査 ア 指摘事項 資金前渡受者用現金出納簿に記載もれがあり帳簿記載額と前渡受額及 び支払額が一致していなかった。会計事務規則等に基づき適正に処理さ れたい。 <国保年金課> イ 意見・要望事項 資金前渡受者用現金出納簿について組戻金を受欄に記載したため、帳 簿記載額と前渡受額が一致していなかった。会計事務規則等に基づき適 正に処理されたい。 <納税課> (6) 服務・給与に関する監査 ア 意見・要望事項 (ア) 旅費の支給額に誤りがあった。職員の給与に関する条例等に基づき 適正に処理されたい。 <戸籍住民課><課税課><納税課><国保年金課> (イ) 旅費の申請もれがあった。職員の給与に関する条例等に基づき適正 に処理されたい。 <戸籍住民課> (ウ) 超過勤務手当の申請もれがあった。職員の給与に関する条例等に基 づき適正に処理されたい。 <国保年金課> 6 産業経済部 (1) 大田区新・元気出せ!商店街事業に関する監査 商店街が行う、地域の特性を生かしたイベントや商店街づくりに対して 助成することにより、商店街の活性化を促すとともに地域の核としての商 店街機能の充実を図ることを目的とした事業である。 この商店街等が実施する「魅力ある商店街づくり事業」に対し交付され る補助金が、大田区新・元気出せ!商店街事業補助金交付要綱に基づき適 16 正に交付申請、審査、支出等が行われているか監査した。 ア 意見・要望事項 全体的には、補助金の交付申請から支出まで要綱に基づき概ね適正な 処理がされていた。 要綱第5条の補助金の交付申請と第 11 条の実績報告で、添付書類別 紙2で「イベント用」の様式が定められている。 しかし、この様式の注意書に、注1)アルバイト賃金は、従事内容を 具体的に記入すること、注2)謝礼は、目的と相手先を記載すること、 注3)景品購入に要する経費は、経費名称欄でそのことが確認できるよ うにすること、との記載があるが、記載のない交付申請や実績報告が見 受けられた。補助金の審査を適正に行うために、交付申請及び実績報告 の際に、注意書の趣旨に基づいた記載をするよう指導されたい。 <産業振興課> (2) 大田区観光協会に対する補助金交付に関する監査 大田区の観光振興を促進するため、一般社団法人大田観光協会の実施す る事業を支援することを目的として、補助金を交付している。 補助金の交付が、大田観光協会に対する補助金交付に関する要綱(以下 「要綱」という。 )に基づき適正に行われているか監査した。 ア 意見・要望事項 大田観光協会に対する補助金について、補助金交付申請書、補助交付 額変更申請書、四半期ごとの実績報告書及び精算書が提出され要綱に基 づき適正に支出されていた。ただし、補助金交付決定通知書、補助概算 交付額変更承認通知書の交付にあたり、文書管理システムの施行情報欄 に、公印押印に関する情報の記録がないものがあった。通知書の作成に ついては、大田区文書管理規程第 29 条及び第 29 条の2に基づき適正に 処理されたい。 <観光課> (3) その他財務等に関する監査 ア 意見・要望事項 (ア) 商店街活性化推進事業(商店経営指導講習会事業)補助金について、 バス借り上げ料等の補助対象経費を補助金交付団体に概算で事前に 交付している。実績報告書に添付されている補助対象経費の領収書 をみると、講習会実施日以降に支払っているものがあった。事後の 支払で済むのであれば、区が事前に補助金を団体に交付する必要が あるのか、補助金交付を行う時期や方法について検討されたい。 <産業振興課> (イ) 京急品川駅大田区観光情報コーナーの管理運営業務委託契約では、 毎月業務実施計画書を提出することになっているが、4月と5月に 17 業務実施計画書が提出された後、毎月の打合せでの口頭報告のみで、 業務実施計画書が提出されていなかった。業務委託契約書との相違 がみられるので、見直しを検討されたい。 <観光課> (4) 服務・給与に関する監査 ア 意見・要望事項 (ア) 旅費の支給額に誤りがあった。職員の給与に関する条例等に基づ き適正に処理されたい。 <産業振興課><観光課> (イ) 超過勤務手当の申請もれがあった。職員の給与に関する条例等に 基づき適正に処理されたい。 <観光課> 7 福祉部 (1) 福祉有償運送に係る運営協議会・同補助金に関する監査 福祉有償運送に係る運営協議会と福祉有償運送団体への助成は、区内の 移動困難者の移動手段の確保のために、NPO等が行う自家用自動車によ る有償運送を支援することを目的としている。 大田区福祉有償運送運営協議会は、同設置要綱に基づき、平成 25 年度 は8月 30 日(金)に開催され、協議会の構成、報償金の支払も適正に行 われていた。 また、大田区福祉有償運送事業補助金は、同交付要綱に基づき、証拠書 類も添付されており、適正に申請、審査、請求、交付されていた。 <福祉管理課> (2) 老人クラブ助成事業に関する監査 老後の生活を健全で豊かなものにするためのボランティア、健康の増進、 生きがいを高めるための活動を行っている老人クラブに対し、運営をサポ ートするために助成金を支出している。この老人クラブに対する助成金が 大田区老人クラブ助成要綱に基づき、適正に事務処理が行われているか監 査した。 ア 意見・要望事項 要綱第5項に定められている助成金交付申請に必要な書類については、 申請書及び添付書類の活動計画書、活動報告書、予算書、決算書等は、 要綱に基づき適正に提出されていた。しかし、助成金の請求について、 要綱第7項第2号には請求の時期が上半期分を6月、下半期分を 11 月に 請求するように定められている。しかしながら、実際は、すべての請求 (上半期及び下半期分)が、4月の助成金交付申請と同時に提出されて おり、要綱の規定と実際の事務処理がかい離している。要綱に基づき適 正な事務処理をされたい。 大田区老人クラブ助成要綱の表記について、例えば、要綱文中に第9 18 項第4号と表記している箇所と4号を(4)と表記している箇所などが 散在し、表記が統一されていない、また、 「前号」を「前項」と誤った表 記がされている箇所があり、要綱の解釈で誤解等を生じやすい。要綱の 表記を統一し内容を分かりやすくされたい。 <高齢福祉課> (3) 通所型介護予防事業に関する監査 通所型介護予防事業は、介護予防上の支援が必要と認められる虚弱高齢 者を対象とし、生活機能の維持や向上を目的として、運動器の機能向上、 栄養改善、口腔機能の向上といった内容の介護予防教室を実施している。 本事業は、各地域健康課が実施する直営分と介護保険課が実施する社会 福祉法人等への委託分に分けられる。本監査では、通所型介護予防教室(委 託分)の実施状況を確認するとともに、大田区介護予防事業実施要綱、大 田区通所型介護予防事業実施要領等に基づき、適正に実施されているか監 査した。 ア 指摘事項 通所型介護予防教室(委託分)について、事業の完了届の検査員受理年 月日以前の日付の請求書で委託料の請求がされていたものや検査日から 30 日以上経過してから委託料を支払っているものがあった。適正な事務 を行われたい。 イ 意見・要望事項 実施施設によっては、定員に対して参加者が少ない教室も見られるた め、より多くの対象者の方が参加するように勧奨するなど、今後も効率 性を考慮した事業運営を行われたい。 <介護保険課> (4) グループホーム・ケアホームの整備促進に関する監査 親なき後や介護者の高齢化・疾病等の場合に、障害者が地域で安心して 暮らすための生活の場を確保するため、民立民営の障害者グループホー ム・ケアホームの整備に係る経費の一部を区が補助し、区内への施設整備 を促進している。本事業が大田区障害者グループホーム・ケアホーム等整 備費補助要綱(以下「要綱」という。)に基づき適正に行われているか監 査した。 ア 意見・要望事項 補助金の交付申請書、補助事業完了後の補助金実績報告書の提出は、 要綱に基づき適正に行われていた。申請に基づく交付決定の通知、実績 報告に基づく補助金の額の確定及び支払も適正に行われていた。 平成 25 年3月 24 日に改正された要綱第2条第2項では、補助対象事 業のグループホーム等について、障害者施策推進区市町村包括補助事業 実施要綱(平成 19 年3月 30 日付け東京都 18 福保障在第 1751 号)3(2) カに定める事業と規定している。しかし、この東京都の要綱は、平成 20 年5月 13 日に改正されていた。区の要綱改正の際は、引用する他の法令 19 等が最新のものであることを確認し適正に行われたい。 また、要綱第 18 条では、法人は補助事業に係る関係書類を事業完了 後 10 年間保存しておかなければならないとしているが、区の補助金の 交付決定文書は長期保存、金額確定の決定文書は5年保存となっていた。 決定文書の保存年限については、要綱を考慮して適切な文書管理を行わ れたい。 <障害福祉課> (5) 高齢者等緊急通報システム事業に関する監査 高齢者・重度身体障害者等が家庭内で病気や事故など緊急事態に陥った とき、無線発信機(ペンダント型)のボタンを押すことで自動的に東京消 防庁に通報され、更にあらかじめ組織された地域協力体制による速やかな 援助を得て救護等を行うことを目的とした事業である。 高齢者等緊急通報システム事業の申請、審査、決定の事務処理及び緊急 通報協力員(以下「協力員」という。)の活動に要する費用の支払が、大 田区高齢者・重度身体障害者緊急通報システム事業実施要綱に基づき適正 に行われているか監査した。 ア 意見・要望事項 協力員の活動費(謝礼金)について、実際は4所属共通で協力員の活 動費として、ひとり月額 1,000 円を支払っている。要綱第 12 条第4項 及び第5項に協力員の活動費を予算の範囲内で支出するという規定が あるが、 「ひとり月額 1,000 円を支給する」という具体的な根拠規定が ない。協力員の活動費の金額について具体的な根拠規定を定められたい。 また、要綱第 12 条第4項ただし書きには、協力員の活動費について 支給対象外の規定として、利用者と2親等以内の協力員には支給の限り ではないと定めている。実際は協力員と利用者との関係が「友人」 「隣 人」「民生委員」等で活動費の支給対象である協力員に対しても活動費 を支給していないケースが数件見受けられた。協力員が申請時に活動費 の受領を辞退したとのことであるが、辞退届を受領している所属と口頭 での受付のみの所属がある。また、要綱には辞退の取り扱いに対する規 定もなく、辞退に対する別の定めもない状態である。活動費辞退の取り 扱いについて、4所属共通の取り扱い規定等を定めるなど、統一的な事 業執行をされたい。 <各地域福祉課> (6) 生活保護受給者に対する就労支援に関する監査 生活保護受給者に対する就労支援は、稼動能力を有する生活保護受給者 に対して、各種の就労支援の取り組みを組織的に行うことにより、被保護 者の経済的自立を図ることを目的としている。 平成 24 年4月から就労支援対策を強化するために、大森生活福祉課と 蒲田生活福祉課に自立支援促進担当(係)が設置された。そこで、平成 24 年度、平成 25 年度上半期の就労者等の実績も含めて各生活福祉課の就労 20 支援対策が有効に機能しているか監査した。また、各生活福祉課が大田区 生活保護受給者就労支援実施要領等各種要領に基づき就労支援を適正に 行っているか監査した。 ア 意見・要望事項 各生活福祉課の就労支援は、就労支援状況報告書、アセスメントシー ト等を確認したところ、各種要領に基づいて概ね適正に行われていた。 平成 24 年度、平成 25 年度上半期の就労支援対策による就労者の実績 については、4生活福祉課全体で就労者 529 人に対して、大森生活福祉 課と蒲田生活福祉課で 403 人を占めていた(ケースワーカーの支援によ るものを除く) 。平成 24 年4月から設置された自立支援促進担当(係) が有効に機能していることを確認できたが、引き続き現在の就労支援対 策を強化していくとともに、調布生活福祉課及び糀谷・羽田生活福祉課 も含めた4生活福祉課全体の就労支援対策の強化を検討されたい。 <各生活福祉課> (7) 就労継続支援B型事業に関する監査 新蒲田福祉センターでは、18 歳以上の知的障害者を対象に、生活活動 その他の機会の提供及び就労に必要な知識や能力向上のため、指定就労継 続支援B型の事業所として、知的障害者作業室及び馬込分室で、就労の機 会を提供している。新蒲田福祉センターにおける工賃の支払等が適正に行 われているか監査した。 ア 意見・要望事項 (ア) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に 基づく指定障害福祉サービス事業等の人員、設備及び運営に関する 基準(以下「基準」という。 )では、指定就労継続支援B型の事業を 行う者は、年度ごとに、工賃の目標水準を設定し、当該工賃の目標 水準及び前年度に利用者に対し支払われた工賃の平均額を利用者に 通知するとともに、都道府県に報告しなければならないと規定され ているが、利用者への通知がされていなかった。基準に基づき適正 に処理されたい。 (イ) 大田区立新蒲田福祉センター条例第4条で規定されている区長と 施設を利用する者との契約書の一部に区長印のないもの、契約締結 日が記載されていないものが見受けられた。大田区新蒲田福祉セン ター条例施行規則等に基づき適正に処理されたい。 <新蒲田福祉センター> (8) 身体障害者・知的障害者就労継続支援事業に関する監査 上池台障害者福祉会館の身体障害者作業室及び知的障害者作業室は、指 定就労継続支援B型の事業所として、企業などでの就労が困難な障害者に 就労の機会を提供している。上池台障害者福祉会館における工賃の支払等 21 が適正に行われているか監査した。 ア 意見・要望事項 (ア) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 に基づく指定障害福祉サービス事業等の人員、設備及び運営に関する 基準(以下「基準」という。 )では、指定就労継続支援B型の事業を 行う者は、年度ごとに、工賃の目標水準を設定し、当該工賃の目標水 準及び前年度に利用者に対し支払われた工賃の平均額を利用者に通 知するとともに、都道府県に報告しなければならないと規定されてい るが、利用者への報告がされていなかった。基準に基づき適正に処理 されたい。 (イ) 利用者との利用契約書には利用施設の名称及び所在地等を記載し なければならないと「上池台障害者福祉会館条例施行規則」で定め ているが、契約書には所在地の記載がなかった。規則に基づき適正 に処理されたい。 (ウ) 「授産施設受託加工契約取扱要領」で定めている、受注契約及び 加工代金の納入状況を記録するための受注整理簿(第5号様式)を 備えていなかった。要領に基づき適正に処理されたい。 <上池台障害者福祉会館> (9) その他財務等に関する監査 ア 指摘事項 (ア) 平成 25 年5月の金銭出納員用現金出納簿に平成 24 年5月の受・ 払分 57,000 円が重複して記載されていた。会計事務規則等に基づき 適正に処理されたい。 <福祉管理課> (イ) 金銭出納員が収納した収納金について、資金前渡受者用現金出 納簿に記載されており、収納金日報及び金銭出納員用現金出納簿が 作成されていなかった。会計事務規則等に基づき適正に処理された い。 <高齢福祉課> (ウ) 大田区障害者地域自立生活支援センター事業運営委託契約書で は、契約締結後速やかに事業計画書の提出を求めているが、提出さ れていなかった。契約書等に基づき適正に処理されたい。 また、同契約書で、遅延利息の率を年 3.4%と規定しているが、政 府契約の支払遅延防止等に関する法律第8条第 1 項の規定に基づく、 平成 25 年度の遅延利息の率は、年3%となっていた。契約事務規則 等に基づき適正に処理されたい。 <障害福祉課> (エ) 平成 25 年度資金前渡受者用現金出納簿の9月の総括口座及び預金 利子科目口座が作成されていなかった。会計事務規則等に基づき適 22 正に処理されたい。 <調布地域福祉課> (オ) 健診用多目的室を目的外使用に供しており、使用の際は光熱水費 相当額として 1 利用時間区分 500 円を実費徴収することが調布地域 庁舎「健診用多目的室」使用要綱に定められているが、実費免除で 使用させているケースがあった。要綱等に基づき適正に処理された い。 <調布地域福祉課> (カ) 施設の改修や修理等について、工事や作業完了後に事案の決定が 行われているものがあった。適正な事務を行われたい。 <蒲田地域福祉課> (キ) 資金前渡受者用及び金銭出納員用の現金出納簿について、誤記訂 正に伴い遡及記帳及び差替えが行われていた。会計事務規則等に基 づき適正に処理されたい。 <糀谷・羽田地域福祉課> (ク) 郵券購入において、事案決定前に納品されているものが見受けら れた。適正な事務を行われたい。 <調布生活福祉課><糀谷・羽田生活福祉課> イ 意見・要望事項 (ア) 平成 24 年度受験生チャレンジ支援貸付事業申請手続支援業務委 託契約について、仕様書では年度実施状況の報告を事業終了後4月 10 日までに福祉部長あてに報告しなければならないとされている。 また、契約書では事業終了後、精算書を作成し、4月 19 日までに提 出することが定められている。 しかし、年度実施状況の報告は精算書とともに4月 19 日に提出さ れていた。仕様書の内容と実際の処理に差異が生じているため、仕様 書で定めた報告や精算書の提出時期の根拠を確認するとともに仕様 書の見直しを検討されたい。 <福祉管理課> (イ) 物品購入について、事案決定前に発注しているものがあった。適 正な事務を行われたい。 <福祉管理課><蒲田地域福祉課> (ウ) 資金前渡受者用現金出納簿について、本来科目を分けて記載す べき報償費と扶助費が同じ科目口座に記載されていた。会計事務規 則等に基づき適正に処理されたい。 <高齢福祉課> (エ) 1万円以上の前渡金を保管する場合は、収支命令者の決定が必 要であるが、決定がされていなかった。会計事務規則等に基づき適 23 正に処理されたい。 <高齢福祉課> (オ) 事案決定手続規程では、決定権を委譲されている係長が不在のと きは課長が決定にあたるものと規定されているが、係員が代理決定 していた。規程等に基づき適正な事務を行われたい。<介護保険課> (カ) 寿祝金用の商品券は贈呈が完了し数量が確定した後、残について は購入契約先に返還することとなっている。しかし、受払簿に返還 の記載がされていなかったため、実際の残は0であったが、受払簿 上は残 17(大森地域福祉課) 、残 19(蒲田地域福祉課)となってい た。適正に処理されたい。 <大森地域福祉課><蒲田地域福祉課> (キ) 契約書受託者の肩書き・氏名を訂正していた。契約事務規則等に 基づき適正な事務を行われたい。 <調布地域福祉課> (ク) 資金前渡受者用現金出納簿の戻入が受欄ではなく、払欄に記載さ れていた。会計事務規則等に基づき適正に処理されたい。 <調布地域福祉課> (ケ) 平成 25 年度に受領した都営交通無料乗車券が受払簿に記載されて いなかった。物品管理規則等に基づき適正に処理されたい。 <調布地域福祉課> (コ) 郵券受払簿について、平成 24 年度から平成 25 年度への繰越枚数 が 80 円切手2枚、90 円切手2枚が一致していなかった。物品管理規 則等に基づき適正に処理されたい。 <調布地域福祉課> (サ) 資金前渡受者用現金出納簿について、摘要欄の記載事項の記入も れ等が多数見受けられた。また、預金利子を受けた時のみ、 「受」 「払」 が同一行に記載されていた。会計事務規則等に基づき適正に処理さ れたい。 <調布生活福祉課> (10) 服務・給与に関する監査 ア 意見・要望事項 (ア) 旅費の支給額に誤りがあった。職員の給与に関する条例等に基づき 適正に処理されたい。 <福祉管理課><高齢福祉課><介護保険課><障害福祉課> <大森地域福祉課><調布地域福祉課><蒲田地域福祉課> <糀谷・羽田地域福祉課><大森生活福祉課><調布生活福祉課> <蒲田生活福祉課><糀谷・羽田生活福祉課> 24 <新蒲田福祉センター><上池台障害者福祉会館> (イ) 超過勤務手当の申請に誤りがあった。職員の給与に関する条例等に 基づき適正に処理されたい。 <高齢福祉課> (ウ) 旅費の支給もれがあった。職員の給与に関する条例等に基づき適正 に処理されたい。 <調布地域福祉課> (エ) 超過勤務手当の申請もれがあった。職員の給与に関する条例等に基 づき適正に処理されたい。 <蒲田生活福祉課><糀谷・羽田生活福祉課><新蒲田福祉センター> (オ) 非常勤職員の平成 24 年度の出勤簿に年休表示もれがあり、年休の繰 越日数が誤っていた。勤務時間、休日、休暇に関する条例等に基づき 適正に処理されたい。 <新蒲田福祉センター> 8 保健所 (1) 小児救急支援事業に関する監査 区は、小児救急医療を維持継続していくために、医療体制の充実、救急 医療を担う医師の確保と育成、区民意識の啓発の事業に取組み、平成 24 年度から3年間の緊急支援事業として小児科医の雇用経費等の事業経費 の一部を補助している。 本補助事業が、大田区小児救急支援事業補助要綱(以下「要綱」という。 ) に基づき適正に行われているか監査した。 ア 意見・要望事項 要綱第 14 条に定める当該年度の事業終了後の実績報告書は、事業の 実施主体から適正に提出されていた。この実績報告書の他に、要綱第6 条では事業の実施状況について、別に定める様式により報告することと なっている。しかし、所管課では要綱第6条に規定する報告の様式を定 めておらず、報告されていなかった。要綱に基づき適正な事務を行われ たい。 <保健衛生課> (2) 猫の去勢・不妊手術事業に関する監査 大田区は、望まない猫の繁殖や飼い主のいない猫を増やさないようにす るため、猫の去勢・不妊手術を奨励し、公益社団法人東京都獣医師会に業 務委託し手術料金の一部助成を行っている。本事業における事務処理が大 田区猫の去勢・不妊手術助成要綱等に基づき、適正に行われているか監査 した。 ア 意見・要望事項 公益社団法人東京都獣医師会への業務委託については、概ね適正に行 25 われていた。ただし、助成対象となる猫について、大田区猫の去勢・不 妊手術助成要綱第3条で「生後6カ月以上経過した猫」と定めているが、 猫(去勢・不妊)手術申込書を確認したところ、月齢6カ月未満のも の、年齢不明の手術申込書が散見された。猫の出生日が不明な場合も多 く、要綱で定めている「対象となる猫の月齢」については、実態に合わ ない内容となっているため、要綱の見直しを検討されたい。 <生活衛生課> (3) 乳がん検診に関する監査 健康づくり課では、区の検診事業としての乳がん検診と国のがん検診推 進事業の一環としての乳がん検診無料クーポン券配布事業を行っている。 また、無料クーポン券を使用せず、区の乳がん検診を受診し、自己負担金 を支払った場合は、自己負担金の返還を実施している。本事業が大田区乳 がん検診実施要綱及び大田区乳がん検診実施要領等に基づき適正に行わ れているか監査した。 ア 意見・要望事項 (ア) 実施医療機関が、大田区乳がん検診実施要領で規定されている基 準を満たしているかどうかについては、年度当初に調査していた。 しかし、同要領では、診療放射線技師等のうち、少なくとも1名は、 指定する講習会を修了している者としているが、調査の回答で講習 会修了者の氏名等を記載していない医療機関があった。調査により 基準を満たしているか明らかでない場合は、再度確認するようにさ れたい。 また、大田区乳がん検診実施要領では、実施医療機関ごとに実施す る検診の予定数を医師会に通知することになっているが、実際には、 医師会ごとの検診予定数を通知していた。要領と実際の事務処理が一 致するよう検討されたい。 (イ) 平成 25 年度乳がん検診用帳票類の印刷契約の契約条項では、検査 は支障のない限り、持込み又は完成した旨の通知を受けた日から 10 日以内に完了しなければならないと規定されているが、納入日から 20 日後の検査となっていた。また、検査前の請求となっていた。適 正な事務処理をされたい。 <健康づくり課> (4) 両親学級(育児学級含む)に関する監査 両親学級(育児学級)は、事業を通じて、妊娠、出産、育児等に関する 知識の習得、地域での仲間づくり、母子保健サービスの紹介等を行うこと を目的として実施されている。各地域健康課での両親学級(育児学級)の 実施状況を確認するとともに大田区両親学級実施要綱等に基づき、適正に 実施されているか監査した。 ア 意見・要望事項 26 本事業の事業開催起案、講師等派遣起案、物品購入起案、支払等の事 務について、概ね適正に行われていた。 両親学級(1日制)では申請方式に電子申請方式を導入した。また、参 加者名簿を一元管理することによりキャンセル時に繰り上げ参加に対応 するなど、利用者の方の利便性が向上しており応募者数も増加している。 しかし、両親学級(1日制)については、応募者数が増加した分、落選 者数も増加しているため、今後も引き続き多くの方が参加できるように 実施方法等を検討されたい。 <各地域健康課> (5) その他財務等に関する監査 ア 指摘事項 郵券購入において、事案決定前に納品されているものが見受けられた。 適正な事務を行われたい。 <糀谷・羽田地域健康課> イ 意見・要望事項 (ア) 保菌者検索事業委託契約書の仕様書の「5委託業務内容(7)計 画書の提出」で定めている計画書が提出されていなかった。契約書 等に基づき適正に処理されたい。 <生活衛生課> (イ) 資金前渡受者用現金出納簿の預金欄の記載に誤りがあった。また、 平成 24 年度の年度の最終処理として戻入処理がされていたが、現金 出納簿に記載されていなかった。会計事務規則等に基づき適正に処 理されたい。 <健康づくり課> (ウ) 資金前渡受者用現金出納簿の戻入が受欄ではなく、払欄に記載さ れていた。会計事務規則等に基づき適正に処理されたい。 <糀谷・羽田地域健康課> (6) 服務・給与に関する監査 ア 意見・要望事項 (ア) 旅費の支給額に誤りがあった。職員の給与に関する条例等に基づき 適正に処理されたい。 <保健衛生課><大森地域健康課><調布地域健康課> <蒲田地域健康課><糀谷・羽田地域健康課> (イ) 旅費の申請もれがあった。職員の給与に関する条例等に基づき適正 に処理されたい。 <大森地域健康課><調布地域健康課> (ウ) 超過勤務手当の実績入力もれ、申請もれがあった。職員の給与に関 する条例等に基づき適正に処理されたい。 <蒲田地域健康課> 27 9 まちづくり推進部 (1) 移動等円滑化推進計画の策定・推進に関する監査 区は、高齢者や障がい者が安心して円滑な移動等ができるよう「高齢者、 障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づき、蒲田駅周辺地 区・大森駅周辺地区を重点整備地区に設定し、地区ごとに「大田区移動等 円滑化推進計画」 (以下「推進計画」という。 )を策定し事業を推進してい る。まちづくり管理課は、事業の推進にあたって、推進計画に基づく特定 事業計画の検討・策定、特定事業計画に基づく事業の進捗管理等の業務へ の支援を委託している。 所管課の事業推進に係る業務が適切に行われているか、委託業務が仕様 に基づき適正に行われているか監査した。 ア 意見・要望事項 大森駅周辺地区推進計画に基づく特定事業計画の検討と策定及び蒲田 駅周辺地区特定事業計画に基づく進捗管理等の委託業務は業務計画に沿 って行われ、区の担当者による進捗管理がされていた。 業務委託契約の仕様では、受託者は「請負者等提出書類処理基準・同 実施細目(大田区都市基盤整備部) 」に準じて関係書類を提出するよう定 めているが、着手届等の関係書類が提出されていなかった。仕様に基づ き適正に提出するよう指導されたい。 <まちづくり管理課> (2) 地域のまちづくり支援に関する監査 地域のまちづくり支援事業は、まちづくり認定審査会の報告を踏まえた 指導・助言を行いながら、地区まちづくり協議会の適正で円滑な運営を促 していくことを目的としている。地域力を生かした大田区まちづくり条例、 同施行規則及び同施行規則実施要領に基づいて、地区まちづくり協議会へ の支援等が適正に行われているか監査した。 地区まちづくり協議会5団体に対する運営経費と活動経費の助成は、申 請書、請求書、活動報告書、精算書、大田区まちづくり認定審査会報告書 等を確認したところ、上記条例及び条例施行規則に基づき概ね適正に行わ れていた。 また、大田臨海部地区に対するまちづくり専門家派遣の経費助成につい ても、申請書、派遣依頼書、承諾書、完了報告書、業務報告書等を確認し たところ、条例、同施行規則及び同施行規則実施要領に基づき概ね適正に 行われていた。引き続き適正な事務の執行に努められたい。<都市開発課> (3) 狭あい道路拡幅整備事業に伴う助成金及び奨励金の交付に関する監査 本事業は、区民の理解と協力の下に、狭あい道路の拡幅整備を推進する ことにより、安全で快適な住環境の形成と災害に強いまちづくりに資する ことを目的としている。 本事業が大田区狭あい道路拡幅整備条例、同施行規則等に基づき事務処 28 理が適正に行われているか監査した。 平成 24 年度は、助成金交付件数 117 件、助成金交付金額 729 万円、奨 励金交付件数 49 件、奨励金交付金額 1,032 万 5,900 円であった。平成 25 年度(平成 26 年1月末日現在)は、助成金交付件数 87 件、助成金交付金 額 501 万 7,300 円、奨励金交付件数 40 件、奨励金交付金額 744 万 2,500 円であった。 ア 指摘事項 助成金及び奨励金交付の基となる拡幅工事について、工事期間が平成 25 年4月2日から4月 18 日の拡幅工事の確認書類である工事写真帳に 工事期間以前の平成 25 年3月 11 日から3月 13 日の日付の警備報告書 の写しがあった。契約は4月1日から3月 31 日までの単年度契約であ り、当該年度の契約期間である3月 31 日までに履行されなければなら ない。地方自治法第 208 条会計年度及びその独立の原則に従い適正な事 務を行われたい。 イ 意見・要望事項 助成金申請書に添付されている委任状に交付決定前の日付のものが あった。適正な事務を行われたい。 <建築調整課> (4) 指定確認検査機関の検査・指導の強化に関する監査 指定確認検査機関への指導・監督を徹底することは、「大田区建築安全 マネジメント計画」の取組項目に挙げられている。建築審査課では、指定 確認検査機関の確認・検査業務が適正に実施されるように、大田区内の建 築確認数の多い指定確認検査機関を対象に立入検査を実施している。指定 確認検査機関の確認・検査業務の強化に向けた取り組み状況について監査 した。 ア 意見・要望事項 指定確認検査機関への立入検査は、平成 23 年度に4機関、平成 24 年 度と平成 25 年度は8機関実施している。平成 25 年度からは、立入検査 時間を2時間から、3時間半に増やすとともに、重点目標を定め立入検 査を実施するなど、指定確認検査機関の検査・指導強化に努めているこ とを確認した。 立入検査実施後は、議事録が作成されていたが、課長が確認した公文 書として管理されていなかった。議事録は、区が実施した立入検査の記 録であり、文書管理システムにより適正な文書管理を行われたい。 <建築審査課> (5) 高齢者世帯等転居一時金助成事業に関する監査 民間の賃貸住宅に居住し、取壊し等のため転居を余儀なくされ、又は老 朽等著しく劣悪な住環境のために転居が必要とされる高齢者世帯に対し、 転居に伴う賃貸借契約時に一時的に要した費用の一部を助成することで、 29 高齢者世帯等の住まいの安定を図ることを目的にした事業である。 当事業が大田区高齢者世帯等転居一時金助成要綱に基づき、助成の申請、 助成の審査、助成額の決定及び支給が適正に行われているか監査した。 ア 指摘事項 助成額の誤りが以下のとおり2件あった。この2件の助成額の誤りに ついては要綱に基づき正しく訂正し、支給されたい。 (ア) 仲介手数料の助成額が 2,750 円少ない(1件) 要綱第5条には転居の仲介手数料として要した額を助成する、という 規定がある。申請者が提出している証拠書類では、仲介手数料として 57,750 円支払っていた。実際の助成額は 55,000 円であった。消費税 分の 2,750 円分を支給していない。 (イ) 礼金・権利金の助成額が8万円多い(1件) 要綱第4条には転居の礼金・権利金として要した額を助成する、と規 定されている。しかしながら、礼金・権利金ではない「敷金・保証金」 の8万円を助成金として支給している。 <住宅課> (6) その他財務等に関する監査 ア 指摘事項 (ア) 平成 25 年度金銭出納員用現金出納簿について、払込日の記載誤り や払込額の記載もれがあった。会計事務規則等に基づき適正に処理 されたい。 <建築審査課> (イ) 大田区住宅リフォーム助成事業において、助成金額を誤って決定し、 交付しているものがあった。適正に処理されたい。 <住宅課> イ 意見・要望事項 (ア) 有償刊行物である「大田区都市マスタープラン」について、平成 25 年度金券受払簿に所属変更分 30 部の記載もれがあり残数と一致し ていなかった。物品管理規則等に基づき適正に処理されたい。 <まちづくり管理課> (イ) 有償刊行物である「大田区地域地区図」 「大田区都市計画施設図」 について、平成 24 年度金券受払簿に所属変更分各9部と不用品組 替・廃棄分各9部の記載もれがあった。また、備品異動申請書につ いて、平成 25 年3月 29 日付けの所属変更に対し、廃棄の日付が平 成 25 年3月 25 日となっていた。物品管理規則等に基づき適正に処 理されたい。 <まちづくり管理課> (ウ) 寄付金及び公文書開示請求の写しの交付費用の調定起案について、 調定内容である所属年度、歳入科目、金額、納人、納期等の記載がも 30 れていた。会計事務規則等に基づき適正に処理されたい。 <まちづくり管理課> (エ) 大田区吹付けアスベスト分析調査において、要綱では、発行日よ り6か月以内の建物登記事項証明書を添付書類として求めているが、 他の添付書類から建築物が明らかに助成対象であることが分かると 判断したため、建物登記事項証明書が添付されていないものがあっ た。また、発行日より6か月以降の建物登記事項証明書が添付され ているものがあった。要綱に基づき適正な事務を行われたい。 <建築調整課> (7) 服務・給与に関する監査 ア 意見・要望事項 (ア) 旅費の支給額に誤りがあった。職員の給与に関する条例等に基づき 適正に処理されたい。 <都市開発課><建築調整課><建築審査課> (イ) 旅費の申請にもれがあった。職員の給与に関する条例等に基づき 適正に処理されたい。 <建築審査課> (ウ) 宿日直手当の申請にもれがあった。職員の給与に関する条例等に基 づき適正に処理されたい。 <建築審査課> 10 都市基盤整備部 (1) 大田区交通安全協会に対する補助に関する監査 都市基盤管理課は、交通の円滑化と安全を促進するために、大森交通安 全協会、田園調布交通安全協会、蒲田交通安全協会、池上交通安全協会、 東京空港交通安全協会及び東京湾岸交通安全協会(以下「各協会」という。 ) が行う、交通安全に関する啓発、宣伝、講習、指導その他交通安全対策事 業に対して、補助金を交付している。 この補助金が、大田区交通安全協会に対する補助金交付要綱(以下「要 綱」という。 )に基づき適正に申請、請求、支出されているか監査した。 ア 意見・要望事項 各協会に対する補助金については、申請書、請求書、事業計画書、収 支予算書、事業報告書、決算報告書を確認したところ、要綱に基づき概 ね適正に処理されていた。 しかし、申請書に添付されている「交通安全資材購入及び交通安全事 業支出計画書」について、年度終了後に各協会全体の収支決算書は提出 されていたが、上記支出計画書に対する支出内容の確認が行われていな かった。要綱改正も含めて、支出内容を確認する方法を検討されたい。 <都市基盤管理課> 31 (2) ふれあいパーク活動事業に関する監査 まちなみ維持課では、地域住民及び企業等のボランティアが区との協働 により、公園を自主的に管理することで、公園が地域の財産として愛され、 有効に活用されることを目的としたふれあいパーク活動を実施している。 本事業は、「グリーンプランおおた」に位置付けられており、ふれあいパ ーク活動の広がりを示す指標として、目標年度ごとの活動団体数を掲げて いる。そこで、目標達成への取組み状況、及びふれあいパーク活動がふれ あいパーク活動実施要綱(以下「要綱」という。)に基づき適正に実施さ れているか監査した。 ア 意見・要望事項 (ア) 「グリーンプランおおた」に掲げる指標では、目標年度平成 27 年 度は、ふれあいパーク活動団体数を 150 団体としている。平成 25 年 度の活動団体数は、128 団体(平成 26 年 1 月現在)であった。すべ てのまちなみ維持課では、地域の自治会・町会やNPO等への声掛 けや、地域力推進会議やふれあいパーク活動団体との交流会等での PRを実施しているとのことであった。今後も、 「グリーンプランお おた」の目標が達成できるよう、更なる努力をされたい。 <各まちなみ維持課> (イ) 要綱では、活動団体は、翌月の 10 日までに活動連絡書を提出する ように規定している。しかし、すべてのまちなみ維持課で、活動連 絡書を提出していない団体が毎月あった。各課とも、活動団体との 交流会の場や個別に活動連絡書の提出を依頼しているとのことであ った。今後とも、活動連絡書の提出に向け、活動団体への働きかけ を実施されたい。また、要綱が実態に即していない場合は、要綱の 見直しを含めて検討されたい。 <各まちなみ維持課> (ウ) 活動申請の承認については、要綱で、審査委員長(都市基盤整備 部長)は、活動団体が明らかに要件を満たしている時は、審査委員 会を招集せず、承認を決定することができると規定している。調布 まちなみ維持課、蒲田まちなみ維持課、羽田・糀谷まちなみ維持課 は、審査委員長決定(都市基盤整備部長決定)で承認していたが、 大森まちなみ維持課は課長決定で承認していた。4まちなみ維持課 共通の内容にもかかわらず、課により扱いが異なっていた。要綱に 基づき適正に承認されたい。 <大森まちなみ維持課> (エ) 要綱では、申請対象となる公園を所管する特別出張所長へ承認結 果を通知することと規定しているが、大森まちなみ維持課と調布ま ちなみ維持課は通知していなかった。適正に処理されたい。 <大森まちなみ維持課><調布まちなみ維持課> (3) その他財務等に関する監査 ア 指摘事項 32 (ア) 資金前渡受者用現金出納簿の受払欄に記載もれがあった。会計事 務規則等に基づき適正に処理されたい。 <都市基盤管理課> (イ) ガソリン券について、金券受払簿と残数が一致していなかった。物 品管理規則等に基づき適正に処理されたい。 <都市基盤管理課> (ウ) 資金前渡受者用現金出納簿の総合口座、報償費の科目口座の支払額 が所得税込みの金額で記載されていたため、所得税分が実際の支払額 より多く表示されていた。会計事務規則等に基づき適正に処理された い。 <大森まちなみ維持課> イ 意見・要望事項 (ア) 区民交通安全教室開催委託契約について、仕様書では開催計画ごと に実施計画書を作成し、開催初日の 14 日前までに提出すること、開 催終了後 14 日以内に実施結果報告書を提出することとされているが、 提出期限内に提出されていないものがあった。適正に処理されたい。 <都市基盤管理課> (イ) 大田区公印規則第7条に規定する公印の印影の印影簿への保存に ついて、平成 25 年4月1日現在の印影が保存されていなかった。適 正に処理されたい。 <建設工事課> (ウ) 金銭出納員用現金出納簿について、つり銭留置き金の精算処理は行 われていたが、戻入の現金出納簿が作成されていなかった。会計事務 規則等に基づき適正に処理されたい。 <調布まちなみ維持課> (エ) 千鳥町駅前自転車駐車場、蒲田駅消費者生活センター横自転車駐車 場、蒲田駅東口環八横自転車駐車場の各塗装工事の工事写真台帳中に 当該工事ではない工事記録写真6枚を受領していた。受領に際しては、 十分確認し、適正なものを受領されたい。 <蒲田まちなみ維持課> (オ) 廃棄物等収集運搬作業委託契約(河川敷)について、仕様書では、受 託者は受託時に作業計画書を提出することになっているが、提出され ていなかった。適正に処理されたい。 <蒲田まちなみ維持課> (カ) 下丸子公園維持収納業務委託契約について、仕様書では、受託者は 当該月の 10 日前までに月間予定表を提出することになっている。実 際は月間予定表は必要がないので提出させていないとのことであっ た。月間予定表の必要性を検討したうえで、仕様書の見直しを行われ たい。 <蒲田まちなみ維持課> 33 (4) 服務・給与に関する監査 ア 意見・要望事項 (ア) 旅費の支給額に誤りがあった。職員の給与に関する条例等に基づき 適正に処理されたい。 <都市基盤管理課><建設工事課> <大森まちなみ維持課><調布まちなみ維持課> <蒲田まちなみ維持課><糀谷・羽田まちなみ維持課> (イ) 旅費の申請もれがあった。職員の給与に関する条例等に基づき適 正に処理されたい。 <都市基盤管理課><建設工事課> (ウ) 超過勤務手当の申請もれがあった。職員の給与に関する条例等に基 づき適正に処理されたい。 <都市基盤管理課><大森まちなみ維持課> <調布まちなみ維持課><蒲田まちなみ維持課> (エ) 宿日直手当の申請にもれがあった。職員の給与に関する条例等に 基づき適正に処理されたい。 <都市基盤管理課><蒲田まちなみ維持課> 11 連続立体事業本部 (1) 都心共同住宅供給事業補助に関する監査 連続立体事業課では、良質な中高層の共同住宅を供給し、防災性の向上 や賑わいの創出、オープンスペースの確保など地域のまちづくり事業を推 進し、もって区民の福祉の向上に寄与することを目的とし都心共同住宅供 給事業を実施している。蒲田4-1地区における都心共同住宅供給事業が、 大田区都心共同住宅供給事業補助金交付要綱等(以下「要綱等」という。 ) に基づき適正に行われているか監査した。 蒲田4-1地区における都心共同住宅供給事業は、平成 22 年度から事業 を開始し平成 24 年度に終了した。この事業の補助対象額は3億 9,120 万円 で、この内2億 6,080 万円が補助金である。補助金は、国が補助金総額の 1/3、都が 1/6、区が 1/6 を負担している。 補助金の交付申請や補助金額の決定と補助金の交付、事業遂行状況報告 等、事案の決定は要綱等に基づき適正に行われており、国及び都が負担す べき補助金の請求受領も適正に行われていた。 今後も事務の適正な執行に努められたい。 <連続立体事業課> (2) 服務・給与に関する監査 ア 意見・要望事項 旅費の支給額に誤りがあった。職員の給与に関する条例等に基づき適 正に処理されたい。 <連続立体事業課> 34 12 環境清掃部 (1) 小型家電等の資源化事業に関する監査 区は平成 24 年4月 1 日より粗大ごみの資源化事業を実施していたが、 平成 25 年 10 月1日から使用済小型電子機器等(以下「小型家電等」とい う。)の回収事業を実施することとした。粗大ごみの資源化事業における 売却対象物の主たるものは、小型家電等であり小型家電等の資源化事業と 同種事業であるため、事業を統合し実施することとなった。小型家電等の 資源化事業について小型家電等の資源化事業実施要領、小型家電等の売却 契約に基づき適正な事務処理が行われているか監査した。 ア 意見・要望事項 小型家電等の資源化事業について概ね適正な事務処理が行われていた。 ただし、売却契約の仕様書では「契約後、売却対象品目の処理工程を 示した計画書を、速やかに区へ提出すること」とされているが、処理の 流れ等が分かる資料のみが提出されていた。また、 「契約期間における 総処理実績について、別途指定する期日までに書面により報告するこ と」とされているが、毎月提出されている報告書で実績の確認ができる ため、総処理実績の報告書の提出は求めていないとのことであった。売 却契約の仕様書に基づく履行確認を行われたい。 <環境清掃管理課> (2) 生垣造成助成事業に関する監査 生垣造成助成事業は、区内の道路に隣接する敷地の部分や隣地境界に生 垣を造成する所有者等に助成を行うことにより、生垣を奨励し、もって安 全で緑豊かな生活環境造りの推進を図ることを目的に実施している。生垣 造成助成が、大田区生垣造成助成要綱(以下「要綱」という。)に基づき 適正に行われているか監査した。 ア 意見・要望事項 生垣造成助成事業は要綱に基づき行われていたが、助成対象者に交付 されている助成金交付額が、交付決定通知書記載額と異なっているもの があり、その内2件は記載額を上回っていた。これは、要綱に基づき助 成対象者に通知している「生垣造成助成金交付決定通知書」記載の交付 額が、生垣造成工事計画に基づき算定した予定額であり、実際に交付す る助成額は、完了した生垣造成工事に基づき助成金額を確定・交付して いるためである。工事内容が計画段階とは異なり、交付額に変更が生じ ることは十分考えられることである。 要綱に規定がないため、実際の交付額を確定、決定し助成対象者に通 知をする事務手続きをしないまま、助成対象者からは確定金額記載の請 求書を受領し交付している。 事務処理及び要綱の整備について検討されたい。 <環境保全課> 35 (3) リサイクル活動グループ報償金に関する監査 自主的に資源回収を行っているリサイクル活動グループ(以下「グルー プ」という。)に対し、活動意欲の高揚を図り、リサイクル活動の一層の 発展を促すことを目的として報奨金を支給している。 グループの申請登録事務、報奨金の算定及び支給等が大田区リサイクル 活動グループ報奨金支給要綱(以下「要綱」という。 )に基づき適正に行わ れているか監査した。 ア 意見・要望事項 (ア) グループの登録の決定は、要綱第3条に規定するリサイクルグル ープ登録申請書の簡易決定欄で行われているが、決定日が記載され ていないものがあった。適正に処理されたい。 <大森清掃事務所><調布清掃事務所> (イ) 登録グループの登録事項等の変更は、要綱第 13 条に規定するリサ イクルグループ登録事項等変更届により行われているが、届出をし た代表者住所・氏名欄が未記入のまま受付けているものがあった。 適正に処理されたい。 <大森清掃事務所> (ウ) 要綱第8条では、登録グループは回収した資源を業者に引渡した 翌月 20 日までに、集団回収実績報告書を区に提出することとなって いるが、遅れて提出されているものがあった。登録グループに対し、 期限までに提出するよう、引き続き指導されたい。 <大森清掃事務所><調布清掃事務所><蒲田清掃事務所> (エ) 要綱第8条では、集団回収実績報告書には集団回収登録業者の押 印がなければならないと規定しているが、押印のないまま提出され ているものがあった。適正に処理されたい。 <調布清掃事務所><蒲田清掃事務所> (オ) リサイクル活動グループ登録申請書、リサイクル活動グループ登 録事項等変更届、集団回収実績報告書に清掃事務所の収受印、受付 印の押印がないものがあった。適正に処理されたい。 <大森清掃事務所> (カ) リサイクル活動グループに対し、登録証に公印を押印し交付して いる。公印押印に際しては、公印管理者又は公印取扱主任が決定文 書の公印欄又は公印押印簿に押印又は署名をする必要があるが、い ずれもなされていなかった。公印規則に基づき適正に処理されたい。 <大森清掃事務所> (4) その他財務等に関する監査 ア 指摘事項 (ア) 平成 24 年度資金前渡受者用現金出納簿の2月分の作業運営費・使 用料及び賃借料について2月2日分のみ記載され、その後は記載が なく3月には立替払いが生じていた。現金出納簿の記載はその事実 36 発生後に直ちに記載するべきである。会計事務規則等に基づき適正 に処理されたい。また、前渡金についても適正に管理されたい。 <大森清掃事務所> (イ) 平成 24 年度後期定期監査において指摘事項とした資金前渡受者用 現金出納簿の記載もれ、支払額の誤記等について、監査後の訂正処理 が備考欄への記載のみで帳簿記載額と前渡受額、支払額が一致しない ままであった。現金の管理及び現金出納簿の重要性を再認識し、会計 事務規則等に基づき適正に処理されたい。 <多摩川清掃事業所> イ 意見・要望事項 (ア) 郵券受払簿について平成 24 年度から平成 25 年度への繰越枚数が 120 円切手2枚、200 円切手2枚が一致していなかった。物品管理規 則等に基づき適正に処理されたい。 <環境清掃管理課> (イ) 平成 24 年度資金前渡受者用現金出納簿に資金前渡受者の引継ぎが 金銭出納員により行われていた。会計事務規則等に基づき適正に処理 されたい。 <大森清掃事務所> (ウ) 平成 25 年度の資金前渡の運転記録証明書交付費用の支出について、 2件のうち1件が手数料で支出すべきところを負担金で支出してい た。会計事務規則等に基づき適正に処理されたい。<大森清掃事務所> (エ) 資金前渡受者用現金出納簿の戻入が受欄ではなく、払欄に記載され ていた。会計事務規則等に基づき適正に処理されたい。 <蒲田清掃事務所> (オ) 第一種圧力容器検査について、事案決定前に委託業者に依頼し、作 業を実施していた。適正な事務を行われたい。 <多摩川清掃事業所> (5) 服務・給与に関する監査 ア 意見・要望事項 (ア) 旅費の支給額に誤りがあった。職員の給与に関する条例等に基づ き適正に処理されたい。 <環境清掃管理課><環境保全課> <大森清掃事務所><調布清掃事務所><蒲田清掃事務所> (イ) 宿日直手当の申請にもれがあった。職員の給与に関する条例等に 基づき適正に処理されたい。 <環境保全課><調布清掃事務所> 37 13 選挙管理委員会事務局 (1) 財務等に関する監査 ア 意見・要望事項 資金前渡受者用現金出納簿の戻入、前渡金の受入日に記載の誤りがあ った。会計事務規則等に基づき適正に処理されたい。 <選挙管理委員会事務局> (2) 服務・給与に関する監査 ア 意見・要望事項 旅費の支給額に誤りがあった。職員の給与に関する条例等に基づき適 正に処理されたい。 <選挙管理委員会事務局> 14 議会事務局 (1) 服務・給与に関する監査 ア 意見・要望事項 (ア) 旅費の支給額に誤りがあった。職員の給与に関する条例等に基づ き適正に処理されたい。 <議会事務局> (イ) 超過勤務手当の申請もれがあった。職員の給与に関する条例等に基 づき適正に処理されたい。 <議会事務局> (ウ) 宿日直手当の申請にもれがあった。職員の給与に関する条例等に基 づき適正に処理されたい。 <議会事務局> 15 財政援助団体等 (1) 補助金の交付団体 ア 指摘事項 「大田区立特別養護老人ホーム及び大田区立高齢者在宅サービスセン ターの管理代行に関する基本協定書」の別表の備考6に基づき、30 万円 以上の施設修繕については、施工結果の詳細を区へ報告することとなっ ているが、施設から本部へ未報告のため区へ報告されていないもの、本 部を介さず施設から区へ直接報告されているものがあった。適正に処理 されたい。 <社会福祉法人 池上長寿園> イ 意見・要望事項 予算の流用について、財務規程第 45 条に会長の承認を受けなければ ならないとあるが、常務理事(事務局長)までの承認で、会長の承認は 受けていなかった。適正に処理されたい。 <公益社団法人 大田区シルバー人材センター> 38 (2) 出資及び補助金交付団体 ア 指摘事項 施設修繕工事において、基本協定書に定められていない 30 万円以上 の工事については、地域振興課長の承認を得ることとなっているが、 承認前に工事が施工されていた。適正な事務を行われたい。 <公益財団法人 大田区文化振興協会> イ 意見・要望事項 簡易起案書の検査員印を代理で押印していた。財務規程では代理が定 められていない。規程に基づき押印されたい。 <公益財団法人 大田区文化振興協会> (3) 公の施設の指定管理者 ア 指摘事項 (ア) 大田区立特別養護老人ホーム及び大田区立高齢者在宅サービスセ ンターの管理代行に関する基本協定書では 30 万円以上の施設修繕を 行った場合はその内容、経費の詳細、工事前後の写真等を区に報告 することとなっているが、ダクト消火装置改修工事について報告が されていなかった。適正に処理されたい。 [特別養護老人ホーム蒲田] <社会福祉法人 池上長寿園> (イ) 指定管理者は、清掃業務を第三者に委託し行っている。清掃業務 受託業者から提出されている作業完了報告書の作業内容と、その月 の請求書の作業内容を照合し確認したところ、内容が一致していな かった。適正に処理されたい。 [大森東福祉園] <社会福祉法人 大田幸陽会> イ 意見・要望事項 (ア) 年度協定書に「職員の異動があったときは、その旨を遅滞なく届 出なければならない」とあるが、年度当初の届出のみで、年度途中 の異動の届出がされていなかった。適正に処理されたい。 [山王高齢者センター] <社会福祉法人 有隣協会> (イ) 調理に関する業務を第三者に委託し、平成 25 年度大田区立特別養 護老人ホーム及び大田区立高齢者在宅サービスセンターの管理代行 に関する基本協定書第7条第3項に基づき物品貸付契約を締結して いるが、物品のみの契約で付属設備に関する貸付契約が行われていな かった。適正に処理されたい。 [特別養護老人ホームたまがわ] 39 <社会福祉法人 池上長寿園> (ウ) 清掃管理業務委託契約書の仕様書と報告書の項目が相違している 日があった。適正に処理されたい。 [特別養護老人ホームたまがわ] <社会福祉法人 池上長寿園> 40
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