介護保険事業計画

《素
案》
第7期 岩内町高齢者保健福祉計画
第6期 岩内町介護保険事業計画
(平成27年度~平成29年度)
平成27年 3 月
北海道岩内町
~
目
次
~
《総 論》
第1章 計画の策定に当たって
1 計画の基本事項
⑴
⑵
⑶
⑷
………
2 計画の目標
⑴
⑵
⑶
⑷
3
高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画とは
基本理念
他の計画との関係
計画策定のための体制
……… 6
計画の期間と日常生活圏域の設定
第5期計画の実施状況
平成37年度の姿
第6期計画の目標
第2章 高齢者の状況
1 高齢者の状況と見込み
……… 11
⑴ 総人口の状況
⑵ 高齢者世帯の状況
⑶ 総人口と高齢者人口の見込み
2 要介護等認定者の状況と見込み
3 高齢者日常生活調査の結果
……… 16
……… 17
⑴ 調査の目的等
⑵ 調査の方法
⑶ 調査結果の概要
《各 論》
第3章 地域包括ケアシステム構築のための重点事項
1 在宅医療・介護連携の推進
……… 20
⑴ 現状と課題
⑵「在宅医療・介護連携の推進」に関する目標
2 認知症支援策の推進
……… 22
⑴ 現状と課題
⑵「認知症支援策の推進」に関する目標
3 生活支援・介護予防サービスの基盤整備の推進
……… 24
⑴ 現状と課題
⑵「生活支援・介護予防サービスの基盤整備の推進」に関する目標
4 高齢者の居住安定に係る施策との連携
……… 25
⑴ 現状と課題
⑵「岩内町の住宅に関する住民アンケート調査」について
⑶「岩内町住生活基本計画」における基本目標との整合性
⑷「高齢者の居住安定に係る施策との連携」に関する目標
5 岩内町独自の生活支援サービスの充実
⑴ 独自の生活支援サービスの種類
⑵ 独自の生活支援サービスの状況と見込み
1
……… 27
第4章 介護保険事業の計画
1 介護保険事業の状況
……… 31
⑴ サービス基盤の現状
⑵ 介護給付等対象サービスの実績
2 介護給付等対象サービスの確保方策
……… 38
⑴ 介護給付等対象サービスの取り組み
⑵ 地域密着型サービスに係る必要定員総数等の設定
⑶ 計画の公表と普及啓発
第5章 地域支援事業の推進
1 地域支援事業の状況
……… 41
⑴ 地域支援事業とは
⑵ 地域支援事業の実績
2 地域支援事業の確保方策
⑴
⑵
⑶
⑷
……… 44
介護予防事業の取り組み
包括的支援事業の取り組み
任意事業の取り組み
介護予防・日常生活支援総合事業等の実施
第6章 その他必要な事項
1 介護給付等対象サービス等の円滑な提供
……… 47
⑴ 介護給付等対象サービスの円滑な提供
⑵ 地域支援事業の円滑な提供
2 地域包括支援センター等の情報公表
……… 48
⑴ 地域包括支援センターの情報広報
⑵ 生活支援サービス等の情報公表
3 介護給付等に要する費用の適正化に関する事項
4 療養病床の円滑な転換に関する事項
第7章 第1号被保険者の保険料
1 保険料の推計方法
2 介護給付等対象サービスの見込み
⑴
⑵
⑶
⑷
……… 51
……… 52
施設・居住系サービス見込量の推計について
在宅サービス等見込量の推計について
介護給付等対象サービス見込量の推計について
標準給付見込額の推計について
3 地域支援事業の見込み
4 保険料の見込み
⑴
⑵
⑶
⑷
⑸
……… 49
……… 50
……… 60
……… 61
保険給付に対する負担割合
第1号被保険者の負担割合の補正
保険料の標準段階の見直し
第1号被保険者の保険料の見込み
公費による低所得者の保険料軽減
《資料編》
……… 69
2
《総 論》
第1章
1
計画の策定に当たって
計画の基本事項
⑴ 高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画とは
「高齢者保健福祉計画」は、老人福祉法第20条の8に規定する老人福
祉計画を指します。
この計画は、全ての高齢者を対象に、介護保険事業も含めた保健福祉事
業の全般にわたる総合的な計画として作成するもので、これまでに6回策
定しました。
「介護保険事業計画」は、介護保険法第117条に規定する計画であり、
高齢者保健福祉計画に包含される位置付けにあります。
介護保険給付の円滑な実施を図るため、介護保険の運営における事業計
画として作成するもので、これまでに5回策定しました。
介護保険事業計画では、要介護者等の人数や介護給付等対象サービスの
種類ごとの量、介護保険の事業費などについて、年次ごとの見込みを明ら
かにし、計画期間中における第1号被保険者の保険料の額を定めます。
なお、高齢者保健福祉計画(老人福祉計画)と介護保険事業計画は、老人
福祉法と介護保険法の双方の規定により、一体のものとして策定する必要
があります。
したがって、両法の趣旨を踏まえ、計画の名称については、
「高齢者保健
福祉計画・介護保険事業計画」という一体的な呼称を用います。
⑵ 基本理念
介護保険制度は、今後の超高齢社会における介護問題の解決を図るため、
要介護者等を社会全体で支える仕組みとして、平成12年に創設されたも
のであり、14年を経た現在では、制度の普及により、介護保険の活用も
進んできたといえます。
3
こうした中、高齢化の進行とともに、一人暮らしや夫婦のみの高齢者世
帯、認知症の高齢者が徐々に増加しており、いわゆる団塊の世代が後期高
齢者(75歳)になる10年後の平成37年には、後期高齢者の急増から、
大きな課題として顕在化することが懸念されています。
この状況に対処するため、国は、制度の持続可能性を維持しながら、
「地
域包括ケアシステム」を地域の実情に応じて構築していく必要があるとし
ています。
「地域包括ケアシステム」とは…
・高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、
・その有する能力に応じ、
・自立した日常生活を営むことを可能としていくため、
・介護サービスの充分な確保に留まらず、
・医療、介護、介護予防、住まい及び自立した日常生活の支援が
包括的に確保される仕組み
この計画は、以上の内容と、これに基づく平成26年度の介護保険制度
の改正を踏まえ、岩内町における地域包括ケアシステムの構築を目指すこ
ととし、以下のとおり、基本理念を定めます。
基本理念
住み慣れた地域で 自分らしく
安心して 暮らし続けられるよう
医療・介護・介護予防など 様々なサービスを
切れ目なく利用できる 地域社会の実現
この基本理念を実現するため、平成37年度の姿を示した上で、計画期
間である平成27年度から平成29年度までの目標を設定します。
基本理念の実現に当たっては、介護支援専門員や介護サービス事業者等と
の連携を密にするとともに、民生委員や町内会、ボランティア等の活動への
きめ細やかな支援が重要となります。
4
⑶ 他の計画との関係
この計画は、岩内町の最上位計画である「新たな岩内町総合計画(平成
21年度~平成30年度)」との整合性を図りながら策定します。
また、北海道が策定する「第6期北海道介護保険事業支援計画」や、高
齢者福祉施策に関連する他の計画と調和を保ったものとします。
⑷ 計画策定のための体制
この計画の策定に当たっては、社会福祉や保健医療の関係者、介護保険
被保険者の代表、学識経験者からなる「岩内町高齢者対策計画策定委員会」
を設置し、専門的な見解や当事者としての意見の反映を図ります。
また、岩内町の公式ホームページや岩内町広報等を活用したパブリック
コメントを実施し、町民の方々の幅広い声を活かします。
5
2
計画の目標
⑴ 計画の期間と日常生活圏域の設定
計画の期間は、介護保険法第117条第1項において3年間の規定があ
るため、平成27年度から平成29年度までをその期間とします。
この3年間については、いわゆる団塊の世代が後期高齢者となる平成3
7年度を見据える最初の期間であり、これ以降は超高齢社会へと続いてい
くため、社会全体で高齢者を支え合う仕組みづくりが必要となります。
日常生活圏域については、コンパクトな市街地形成の状況や、歴史的地
理的な特性、人口の動向等を踏まえ、これまでの設定の考え方を変更する
ことなく、岩内町全域をもって一つの日常生活圏域とします。
⑵ 第5期計画の実施状況
第6期計画を策定する前提として、高齢者の課題の検討に資するため、
現時点での第5期計画の実施状況を整理します。
第5期計画の主な取り組みとその実施状況
①介護保険制度の普及
・介護保険制度の周知を図り、保険料納付の意義等の理解を深める。
→パンフレットやリーフレット、ホームページを作成し、介護
保険制度等の啓発普及を実施した。
②介護保険サービス見込量の確保
・施設サービスを主に重度者が利用するサービスに位置付ける。
→介護老人福祉施設の入居対象者を平成27年4月から介護度
3以上に制度改正。
・施設入所の待機者の解消等を早期に図るため、地域密着型特定施設
入居者生活介護の整備を行う。
6
→平成26年10月と12月に、それぞれの定員が27人と2
9人の介護付有料老人ホーム(地域密着型)を開設した。
(要支援認定者の入居を開始するため、平成27年4
月に、地域密着型から混合型に変更予定)
・地域包括支援センターが軽度者に対する生活機能の回復のためのケ
アマネジメントを実施する。
→指定介護予防支援及び地域支援事業の中で実施した。
③介護予防事業の取り組み
・二次予防事業を実施する。
→高齢者日常生活調査、介護予防プログラム(運動器の機能
向上等)、生活支援短期宿泊事業(ショートステイ)、二次
予防高齢者への個別訪問等を実施した。
・一次予防事業を実施する。
→介護予防普及啓発事業(介護予防講演会等)、高齢者運動教
室(講師派遣)等を実施した。
④包括的支援事業の取り組み
・地域包括支援センターが介護予防ケアマネジメント、総合相談支援、
権利擁護、包括的継続的ケアマネジメント支援を実施する。
→主任ケアマネジャー、ケアマネジャー、看護師、社会福祉
士の5~6名体制で実施した。
⑤任意事業の取り組み
・家族介護支援事業等を実施する。
→家族介護教室、成年後見制度利用支援事業(町長申立て等)、
訪問給食サービス事業等を実施した。
⑥介護予防・日常生活支援総合事業の検討
・新設された「総合事業」の実施に向け、検討を行う。
→事業に関する詳細な情報の収集に努めた。
7
⑦高齢者の居住に係る施策との連携
・住生活基本計画の基本目標である「高齢者等が住み続けられる住ま
い・住環境づくり」を進める。
→公営住宅のバリアフリー化やコミュニティ施設の整備、ボ
ランティア団体等による除雪サービスの実施、町道除排雪
事業の充実、緊急通報システムの普及などを行った。
⑧「医療との連携」に関する目標
・医療と介護の連絡調整を行う環境づくり、看護師や介護士など在宅
療養を支える人材の確保、研修会の実施などを進める。
→医療と介護の従事者研修会等を実施した。
⑨「認知症支援策の充実」に関する目標
・認知症の早期発見等の環境づくりや、医療による早期治療、訪問看
護・訪問介護などの提供、生活支援サービスの充実を図る。
→SOSネットワーク(警察、行政、福祉団体等)の強化、各
種サービスの提供を実施した。
・介護予防担当等による相談業務の充実、介護・医療・住民・ボラン
ティア等による見守りなど支え合いの取り組みを進める。
→介護予防訪問事業や、様々な主体(町内会、老人クラブ、民
生委員、行政等)による見守りの取り組みを実施した。
・認知症高齢者の権利擁護、認知症予防のための健康相談等、認知症
講演会などの取り組みを実施する。
→成年後見制度利用支援事業、介護予防訪問事業、認知症講
演会等の取り組みを実施した。
⑩生活支援サービスの充実
・二次予防高齢者等に対し、介護予防事業や生活支援サービスを実施
し、心身の状態の改善と生活機能全般の維持・向上を図り、居宅で
の活動的な生活のための支援を充実する。
→介護予防事業や生活支援サービスを実施した。
8
⑶ 平成37年度の姿
団塊の世代が後期高齢者となる平成37年度においては、後期高齢者の
急増による超高齢社会の到来が大きな課題となります。
この状況に対処するには、介護保険制度の持続可能性を維持しながら、
「岩内町における地域包括ケアシステムの構築」を進める必要があります。
計画の基本理念においては、平成37年の「目指すべき姿」として、
住み慣れた地域で 自分らしく
安心して 暮らし続けられる 地域社会
を掲げました。
その実現のためには、次章以下に示す様々な施策を着実に展開すること
により、医療・介護・介護予防など様々なサービスを切れ目なく提供してい
く必要があります。
平成37年の「目指すべき姿」においては、総人口は11,286人(平
成27年比 ▲16.7%)にまで減少していると推計されます。
一方、高齢者人口については、4,091人(同 ▲8.8%)であり、総
人口と比較し、半分程度の減少率に留まることから、高齢化率は平成27
年より3.1%増の36.2%に達すると見込まれます。
【総人口と高齢者人口の推計】
区
(単位:人)
分
平成 27 年
平成 28 年
平成 29 年
平成 32 年
平成 37 年
総 人 口
13,547
13,321
13,096
12,419
11,286
高齢者人口
4,485
4,483
4,481
4,424
4,091
(高齢化率)
33.1%
33.7%
34.2%
35.6%
36.2%
(年度末現在。国立社会保障・人口問題研究所 推計(改))
このような「人口規模が縮小した中での超高齢社会」においては、高齢
者の生活を地域で支える「就労世代の人材」を十分に確保できない状況に
あると予想されます。
このため、高齢者比率の高さから、高齢者が日常的に互いに支え合う場
9
面が多くなることが予想されるとともに、健康で時間に余裕のある高齢者
の実態に即し、高齢者の余暇活動の場や就業の場が充分に確保される必要
があります。
支援を必要とする高齢者に対しては、介護給付等対象サービスの量の現
状維持又はそれ以上の確保が必要となります。
また、様々な主体による様々なサービスの提供が実現していることが予
想されるため、提供されるサービスの質の面においても、充分に確保され
ることが必要です。
以上を踏まえ、この計画は、超高齢社会においても介護保険が持続可能
であるための「中長期的な視点に立った計画」とする必要があることから、
以下のとおり、平成37年度の高齢者の状況、標準給付費見込額、そのた
めに必要となる保険料の水準等を推計しました。
【平成37年度の保険料水準等の推計】
区
分
総人口
高齢者人口
要介護等認定者数
標準給付費見込額
第1号被保険者の保険料
(基準段階の月額)
(単位:人)
平成 29 年度
平成 32 年度
平成 37 年度
13,096 人
12,419 人
11,286 人
4,481 人
4,424 人
4,091 人
935 人
947 人
956 人
1,407,054 千円 1,405,664 千円 1,495,128 千円
5,600 円
6,475 円
7,884 円
⑷ 第6期計画の目標
第6期計画は、平成37年度の姿を実現するための、最初の計画期間で
あることから、第5期計画の取り組みを継続しつつ、新たな取り組みにも
着手し、それらを本格的な取り組みへと発展させていくこととします。
10
第2章
1
高齢者の状況
高齢者の状況と見込み
⑴ 総人口の状況
岩内町の総人口は、昭和50年の25,823人(国勢調査)をピークに
減少を続けており、近年においても、平成22年と平成26年の比較では、
4年間で1,090人(住民基本台帳)減少しました(▲7.3%)。
総人口については、産業の疲弊に伴う就労人口の減少と、それに付随す
る少子化により、今後も減少傾向が続くことが予想されます。
【総人口の推移】
(単位:人)
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
平成26年
総人口
14,904
14,627
14,319
14,014
13,814
男
6,946
6,836
6,698
6,559
6,489
女
7,958
7,791
7,621
7,455
7,325
区
分
(年度末現在。平成 26 年は 10 月末現在。住民基本台帳から作成)
(人)
16,000
14,000
12,000
男
10,000
女
総人口
8,000
6,000
4,000
2,000
0
平成22年
平成23年
11
平成24年
平成25年
平成26年
人口減の主因である「年少者や就労世代の減少」が進む一方で、65歳
以上の高齢者人口が横ばい傾向にあるため、相対的に高齢化率が高まる結
果、平成26年度末では高齢者が全体の32.7%を占める見込みであり、
今後は、一層の高齢化が進むことが予想されます。
【年齢区分別の人口推移】
区
65歳以上
40~64歳
0~39歳
分
平成22年
平成24年
平成25年
平成26年
4,476人
4,501人
4,508人
4,495人
4,522人
30.0%
30.8%
31.5%
32.1%
32.7%
5,197人
5,099人
5,023人
4,889人
4,788人
34.9%
34.8%
35.1%
34.9%
34.7%
5,231人
5,027人
4,788人
4,630人
4,504人
35.1%
34.4%
33.4%
33.0%
32.6%
14,904人
14,627人
14,319人
14,014人
13,814人
人 口
高齢化率
人 口
構成割合
人 口
構成割合
総 人 口
平成23年
(年度末現在。平成 26 年は 10 月末現在。住民基本台帳から作成)
(人)
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
平成22年
65歳以上
平成23年
平成24年
40~64歳
12
平成25年
0~39歳
平成26年
総人口
【5歳階級別の人口推移(参考)】
年
齢
(単位:人)
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
平成26年
0 ~
4歳
472
476
478
458
445
5 ~
9歳
565
520
467
453
442
10 ~ 14歳
626
602
589
565
564
15 ~ 19歳
724
706
665
632
590
20 ~ 24歳
551
560
548
541
554
25 ~ 29歳
655
632
598
583
544
30 ~ 34歳
683
655
628
633
617
35 ~ 39歳
955
876
815
765
748
40 ~ 44歳
933
936
948
926
920
45 ~ 49歳
930
925
906
902
883
50 ~ 54歳
909
917
935
916
937
55 ~ 59歳
1,136
1,026
958
907
860
60 ~ 64歳
1,289
1,295
1,276
1,238
1,188
65 ~ 69歳
1,088
1,107
1,101
1,068
1,122
70 ~ 74歳
1,163
1,151
1,106
1,087
1,054
75 ~ 79歳
980
980
994
1,017
1,036
80 ~ 84歳
708
688
711
690
685
85 歳以上
537
575
596
633
625
14,904
14,627
14,319
14,014
13,814
計
(年度末現在。平成 26 年は 10 月末現在。住民基本台帳から作成)
⑵ 高齢者世帯の状況
65歳以上の高齢者のいる世帯は、国勢調査をみると、平成12年では
2,678世帯(全体の38.4%)でしたが、10年後の平成22年では
3,007世帯(45.9%)に増加しています。
また、高齢者のみ世帯 (一人暮らし+夫婦のみ)については、平成12
年は1,695世帯(24.3%)でしたが、平成22年では1,984世帯
(30.3%)に増加しており、引き続き、増加が予想されます。
13
【高齢者世帯の推移】
(単位:世帯)
65歳以上の高齢者のいる世帯
年 次
総世帯数
(単身世帯) (夫婦のみ) 高齢者のみ 家族同居
計
平成2年
7,201
557
550
1,107
999
2,106
平成7年
7,069
695
688
1,383
1,001
2,384
6,969
825
11.8%
870
12.5%
1,695
(24.3%)
983
(14.1%)
2,678
(38.4%)
6,853
984
871
1,855
1,105
2,960
6,555
1,097
16.7%
887
13.5%
1,984
(30.3%)
1,023
(15.6%)
3,007
(45.9%)
平成12年
(構成割合)
平成17年
平成22年
(構成割合)
(国勢調査から作成)
《参 考》
平成26年
(構成割合)
7,150
1,662
23.2%
875
12.2%
2,537
(35.5%)
852
(11.9%)
3,389
(47.4%)
(住民基本台帳 10 月末)
(世帯)
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
総世帯数
平成2年
単身世帯
平成7年
夫婦のみ
平成12年
14
家族同居
平成17年
高齢世帯計
平成22年
⑶ 総人口と高齢者人口の見込み
計画期間である平成27年から平成29年までの総人口については、新
たな岩内町総合計画の計画期間(平成21年度~平成30年度)が終盤を
迎えることから、代替となる指標として国立社会保障・人口問題研究所の
推計を採用しました。
岩内町の平成27年度以降の総人口は、平成27年度末で13,547人、
平成28年度末で13,321人、平成29年度末で13,096人となり、
順次、減少します。
一方、高齢者人口については、団塊の世代の参入を考慮した上で、平成
26年度見込みによる補正を加えると、計画期間中は横ばい傾向となり、
平成27年度で4,485人、平成28年度で4,483人、平成29年
度で4,481人と見込まれ、高齢化率の上昇が予測されます。
【総人口と高齢者人口の推計】
区
(単位:人)
分
平成 27 年
平成 28 年
平成 29 年
平成 32 年
平成 37 年
総 人 口
13,547
13,321
13,096
12,419
11,286
高齢者人口
4,485
4,483
4,481
4,424
4,091
(高齢化率)
33.1%
33.7%
34.2%
35.6%
36.2%
(年度末現在。国立社会保障・人口問題研究所 推計(改))
40.0%
14,000 (人)
12,000
36.0%
10,000
34.2%
33.7%
8,000
32.0%
33.1%
総人口
高齢者
6,000
28.0%
4,000
24.0%
2,000
0
20.0%
平成27年
平成28年
15
平成29年
高齢化率
2
要介護等認定者の状況と見込み
要介護等認定者数については、平成24年度末の880人(19.4%)
から、平成26年10月末では918人(20.0%)となり、約2年間
で38人の増(+4.3%)となっています。
このため、数値上は、今後も要介護等認定者数が増加していくという予
想ができます。
しかし、平成24年度にスタートした介護予防訪問事業により、支援を
必要とする高齢者を要介護等認定に導いた結果、平成23年(826人)
と平成24年の1年間で54人の増(+6.5%)となり、このことから、
数年間の急激な増加現象と捉えることが適当と思われます。
したがって、状況的には、第1号被保険者数や高齢者のみ世帯数の推移
等から勘案すると、平成27年以降は、要介護認定者、要支援認定者とも
に微増傾向が続くものと考えます。
【要介護等認定者数の推計(第1号被保険者)】
区
分
平成 24 年
平成 25 年
平成 26 年
(単位:人)
平成 27 年
(推計)
平成 28 年
(推計)
平成 29 年
(推計)
要支援1
61
82
96
89
89
90
要支援2
119
127
129
131
131
132
要介護1
242
206
213
205
205
206
(支1~介1)
(422)
(415)
(438)
(425)
(425)
(428)
要介護2
164
196
183
189
189
187
要介護3
119
111
109
120
122
124
要介護4
80
96
101
103
104
105
要介護5
95
89
87
89
90
91
(介2~介5)
(458)
(492)
(480)
(501)
(505)
(507)
880
907
918
926
930
935
第1号被保険者
4,538
4,540
4,581
4.544
4,542
4,540
認定者割合
19.4%
20.0%
20.0%
20.4%
20.5%
20.6%
合
計
(年度末現在。平成 26 年度は 10 月末現在)
16
3
高齢者日常生活調査の結果
⑴ 調査の目的等
計画の策定に当たっては、高齢者の日常生活上の課題等をあらかじめ明
らかにしておく必要があることから、事前に、高齢者の生活実態や身体の
状況等を把握するための調査を実施しました。
調査は、今後の介護保険事業の運営に必要となる「サービス」について、
「種類や量」などを推計する際の参考資料とするものであり、認知症対策
や在宅サービス等の需要把握に活用を図ることが期待されます。
また、二次予防高齢者や家族介護の課題などにおいて、「介護予防事業」
「訪問給食サービス事業」「家族介護支援事業」などの必要性の確認や、
サービスの充足度合いを推測することに役立てます。
一方、アンケートの設問は、高齢者一人一人の情報に関するものである
ことから、自己申告とはいえ、個々の状態の把握が可能です。
このため、閉じこもりや認知症、現に一人暮らし状態の方など、支援を
必要とする高齢者の早期発見のため、当該高齢者への個別訪問を通じた見
守りの充実など、日常的な取り組みに活用を図ります。
⑵ 調査の方法
・調査の期間
平成26年8月1日 ~10月31日
・調査対象者
平成26年7月1日現在で 満65才以上の方
(施設入所者や入院患者を除く)
・調 査 項 目
記名式・全8問・84項目(113小項目)
・調査票の回収状況(有効回収数)
(単位:人、%)
年
齢
対 象
回 収
回収率
男
対象
性
回収
女
回収率
対象
性
回収
回収率
65~69 歳
1,064
851
80.0
469
362
77.2
595
489
82.2
70~74 歳
1,056
864
81.8
425
332
78.1
631
532
84.3
75~79 歳
992
851
85.8
405
339
83.7
587
512
87.2
80~84 歳
624
535
85.7
259
216
83.4
365
319
87.4
85 歳以上
468
390
83.3
138
118
85.5
330
272
82.4
4,204
3,491
83.0
1,696
1,367
80.6
2,508
2,124
84.7
計
17
⑶ 調査結果の概要
①介護予防訪問事業の対象者等の状況
(単位:人、%)
回収数
分
類
一般高齢者
3,491
介護予防訪問事業
の対象者
介護サービスの
利用者
該当者
該当率
説
明
・非認定者で二次予防
高齢者以外の高齢者
1,913
54.8
1,237
・二次予防高齢者
35.4 ・要介護等認定者で
サービス非利用の者等
341
・要介護等認定者の
9.8
うち、居宅サービス
等を利用している者
注)二次予防高齢者とは、要介護状態等になるおそれの高い
65才以上の者のこと。「運動機能」「低栄養」「口腔機能」
「虚弱」のリスクのうち、一つ以上が該当する。
②生活機能の評価
(単位:%)
リスクの種類
高齢者
に占める割合
運動機能が低下
31.5%
64.4%
92.5%
閉じこもりがち
14.9%
24.4%
34.6%
転倒しやすい
37.0%
58.2%
82.2%
栄養が不充分
2.2%
4.7%
5.8%
口腔機能が低下
26.7%
60.5%
52.4%
認知症のおそれ
46.9%
60.0%
79.8%
うつの傾向
39.4%
58.2%
66.1%
虚弱な体質
18.8%
34.2%
74.0%
18
二次予防高齢者 サービス利用者
に占める割合
に占める割合
③日常生活の評価
(単位:%)
指
標
評 価 の 結 果
買物や洗濯、電話など活動的な日常生活のための能力
手段的自立度
(IADL)
高い
80.5%
やや低い
低い
6.5%
不明
6.0%
7.0%
食事や排泄、入浴など基本的な動作に関する能力
日常生活動作
(ADL)
完全自立
やや自立
介助必要
92.7%
2.4%
1.8%
不明
3.1%
④社会参加の評価
(単位:%)
指
標
評 価 の 結 果
余暇や創作など生活を楽しむ能力
知的能動性
高い
49.8%
やや低い
21.7%
低い
22.7%
不明
5.8%
地域で社会的な役割を果たす能力
社会的役割
高い
38.8%
やや低い
20.6%
19
低い
33.7%
不明
6.9%
《各 論》
第3章
1
地域包括ケアシステム構築のための重点事項
在宅医療・介護連携の推進
⑴ 現状と課題
高齢者の多くは、介護が必要な状況になったとしても、住み慣れた地域
での生活を望んでいると考えられます。
介護が必要になっても、住み慣れた岩内町において、可能な限り、安定
した日常生活を送るためには、
「医療・介護・介護予防・住まい・自立した
日常生活の支援が包括的に確保される仕組み(地域包括ケアシステム)」の
構築に向けた取り組みが必要となります。
一方、要介護状態等にある高齢者は、その大部分が介護サービスを受け
ていると同時に、通院や往診等の医療サービスについても、日常的に利用
しているのが現状です。
特に、75歳以上の後期高齢者は、「疾病の罹患率が高い」「医療機関を
受診する機会が多い」
「認知症の有病率が高い」といった特徴があるといわ
れています。
今後は、こうした医療サービスと介護サービスの両方を必要とする高齢
者がますます増加するものと予想されることから、高齢者の在宅生活を支
えるためには、介護と医療が連携し、個々の心身の状態とニーズを踏まえ、
適切なサービスを提供していくことが重要です。
中でも、認知症高齢者については、早期発見と迅速な診断に基づく、適
切な医療サービスと介護サービスの提供が必要であることから、医療と介
護が一体的に対応しなければなりませんが、情報の共有化や連絡調整など
の面でまだまだ不十分な状況にあります。
⑵「在宅医療・介護連携の推進」に関する目標
医療と介護の連携について、情報の共有化や連絡調整などを図るため、
医療関係者と介護サービス関係者がお互いに理解を深め、協力し、在宅療
養の高齢者に関する情報を相互に提供し合うことが必要となります。
20
したがって、医療機関と介護サービス機関の間で、日頃の連絡調整を密
に行う環境づくりを進めるとともに、訪問看護師や訪問介護士など在宅療
養を支える人材の確保に対する支援を図ることとします。
また、医療関係者と介護サービス関係者の連絡会議や他職種連携会議の
実施、認知症に関する勉強会の開催、従事者向けの研修会への参加、町民
を対象とした講演会の開催などを通じ、相互の情報交換や協力体制の整備
などを進めます。
なお、平成26年度の介護保険法の改正により、地域支援事業の包括的
支援事業の中に「在宅医療・介護連携の推進」が新たに位置付けられ、市
町村は平成27年4月1日から事業を開始することになりました。
しかし、事業の適切な実施を確保するためには、一定の準備期間が必要
であることを踏まえ、改正介護保険法においては、市町村が条例を定める
場合、事業の開始を平成30年4月1日まで猶予することが認められてい
ます。
岩内町においては、地域支援事業の「在宅医療・介護連携の推進」につ
いて、事業内容の検討や準備に充分な期間が必要と判断し、改正介護保険
法の猶予規定を踏まえ、事業の開始を平成30年4月1日とします。
21
2
認知症支援策の推進
⑴ 現状と課題
要介護等認定者の中には、アルツハイマー病などの認知症が認められる
高齢者も多数おり、そうした方の多くは、見守りなど日常生活上の支援を
必要としています。
認知症は、高齢者自身が症状を自覚していない場合や、周囲の者に体調
の変化を的確に伝えられないという特徴があります。
このため、要介護等認定を受けていない高齢者においても、認知症を潜
在的に抱えながら、在宅生活をしている可能性があります。
平成26年度に実施した高齢者日常生活調査の結果をみると、アンケー
トに回答した高齢者のうち、いわゆる認知症予備軍の方の割合を示す「認
知症のおそれの項目」の該当者は60.0%でした。
この調査は、自己申告による主観的なものであり、自身の不安感をその
まま記入するため、客観的な診断とは異なりますが、認知症のおそれのあ
る高齢者が相当な割合で在宅生活をしている実態が浮かび上がりました。
認知症のおそれのある高齢者が多数、在宅生活をしているという実態か
ら、今後は、認知症を発症する高齢者が増加するものと予想されます。
介護予防訪問事業や見守り事業などにより、認知症の早期段階での発見
に努め、早期段階から適切な治療や支援を行うことが必要であり、医療と
介護の連携により、医療サービスや介護保険サービス、さらには生活支援
サービスの充実強化が必要です。
若年者を含む認知症の方は、在宅において家族等との同居生活を行って
いることも多く、認知症高齢者等に対する取り組みはもとより、介護する
家族等の心身の負担を少しでも軽減する取り組みが必要です。
そのためには、地域住民やボランティア団体等の協力やネットワーク化
による支え合いの体制づくり、作業療法士による専門的な支援も必要とな
ります。
⑵「認知症支援策の推進」に関する目標
認知症高齢者が住み慣れた岩内町で日常生活を送るためには、個人の尊
22
厳を保ちながら穏やかに暮らし続けられ、家族も安心して社会生活を営む
ことができる環境の整備が求められます。
その第一段階として、介護予防担当や地域包括支援センターによる高齢
者のみ世帯等への個別訪問や相談業務、民生委員・町内会・老人クラブ等
による見守り事業などを実施し、認知症の早期段階での発見を図ります。
早期発見した認知症高齢者に対しては、早期の段階から適切な治療や支
援を行うことが重要であるため、医療機関による早期治療の実施や介護サ
ービス機関等による訪問看護・訪問介護などのサービスの提供、行政によ
る生活支援サービスの充実等を図ります。
また、認知症高齢者や介護する家族等が安心して地域で日常生活を営む
ことができるよう、医療と介護の連携により、医療サービスや介護サービ
ス、さらには生活支援サービス、ボランティア活動等の一体的な提供を図
ります。
こうした対応のための環境の整備として、行政や医療機関、作業療法士、
警察、地域住民、ボランティア団体等によるネットワークづくりを行い、
きめ細やかな見守りや支援、支え合いの取り組みを進めます。
その一方で、
「どのように認知症の人を地域で支えていくか」を高齢者や
家族に明示することが重要であることから、認知症の状態に応じた「適切
なサービス提供の流れ」を標準化する取り組みについて検討します。
また、認知症予防の観点から、一般住民向けの講演会などを実施し、認
知症サポーターやキャラバンメイトの養成を図り、認知症患者への関心や
理解を高めて、偏見や誤解の解消に努め、認知症に対する正しい知識の普
及啓発に取り組みます。
さらに、認知症高齢者の尊厳ある生活を守るため、虐待の防止や虐待か
らの救済を目的として高齢者の権利擁護に努め、成年後見制度の活用や市
民後見人の育成を図ります。
なお、改正介護保険法により包括的支援事業に位置付けられた「認知症
施策の推進」については、事業内容の検討や準備に充分な期間が必要と判
断し、事業の開始を平成30年4月1日とします。
23
3
生活支援・介護予防サービスの基盤整備の推進
⑴ 現状と課題
高齢者のみ世帯や認知症高齢者など、支援を必要とする在宅生活の高齢
者が増加しており、こうした高齢者やその家族に対する支援については、
サービスの質と量、ともに充実を図る必要があります。
支援の内容として、まずは、要介護等認定者に対する介護給付等対象サ
ービスなどの提供がありますが、要介護等認定者を含め、こうしたサービ
スを利用していない高齢者に対しては、個々の状況に応じ、様々な主体が
生活支援・介護予防サービスの提供を行っていくことが重要です。
現状においては、個別訪問や見守り、相談、安否確認、配食サービス、
運動教室等の事業が着実に成果を挙げており、ボランティアによる除雪な
どの日常支援についても、仕組みづくりが進んでいます。
また、
(社福法人)渓仁会によって介護予防サロンが平成26年11月に
開設され、退院後のリハビリテーションや運動する習慣づくり、仲間づく
りなど、商店街での新たなアプローチとしての事業展開が期待されます。
⑵「生活支援・介護予防サービスの基盤整備の推進」に関する目標
行政や福祉団体等が実施している生活支援・介護予防サービスには、介
護予防の個別訪問や見守り、相談支援、安否確認のほか、運動教室、通院
等の外出支援、掃除等の家事支援、配食サービスなどがあり、他のサービ
スの実施も含め、なお一層の充実を図ります。
また、民間企業やボランティア団体等が主体的に実施しているサービス
には、介護予防サロンの運営、除雪や草刈りなどの日常支援、地域での見
守り、余暇活動や生きがいづくりの支援、ボランティア活動の場の提供な
ど多様なものがあり、今後は、関連団体との連携のもと、担い手となる人
材の確保や育成などを進めます。
なお、改正介護保険法により包括的支援事業に位置付けられた「生活支
援サービスの体制整備」については、事業内容の検討や準備に充分な期間
が必要と判断し、事業の開始を平成30年4月1日とします。
24
4
高齢者の居住安定に係る施策との連携
⑴ 現状と課題
高齢者の居住については、高齢者の生活の根幹に関わる重要な問題であ
り、地域包括ケアシステムの基礎となるものです。
高齢者が要介護状態等になっても、住み慣れた岩内町で、可能な限り平
穏な生活を続けるためには、家族構成や心身の状況等に応じた「適切な生
活空間(住まい)」が確保され、その住まいの中で生活支援サービス等を利
用しながら、個々の尊厳が確保されることが重要です。
高齢者の居住の確保については、持ち家や賃貸住宅など、個人で確保す
る住まいに加え、有料老人ホーム等の高齢者向け住宅など、高齢者の家族
構成や心身の状況等に応じた適切な住まいの供給が必要です。
また、計画の基本理念に基づき、高齢者の居住を支えるため、医療・介
護・介護予防など様々なサービスが切れ目なく提供される必要があります。
一方、岩内町の地域特性として、老朽化した公営住宅に居住する高齢者
が多く、高層団地においても高齢者のみ世帯が多いことから、適切な住ま
いへの計画的な住み替えの促進や、公営住宅での生活を支える生活支援サ
ービス等の提供が必要です。
⑵「岩内町の住宅に関する住民アンケート調査」について
平成23年度に実施した「住宅に関する住民アンケート調査」の結果、
高齢化や一人暮らし高齢者の増加を背景に、「高齢者等への配慮が少ない」
「周辺の防犯に不安がある」といった回答が多くあり、
「住まいに関する要
望」の設問では、「敷地内の除雪サービス」「緊急通報システムの設置」が
最多でした。
「今後の住宅対策に関する要望」でも、
「一人暮らし高齢者が安心して生
活できる仕組み」「除排雪への支援」が多く、「公営住宅に関する要望」で
は、「一人暮らし高齢者の安否確認」が多くありました。
25
⑶「岩内町住生活基本計画」における基本目標との整合性
岩内町住生活基本計画(平成24年度~平成33年度)においては、
「高
齢者等が住み続けられる住まい・住環境づくり」を基本目標の一つとして
います。
住生活基本計画では、アンケート調査の結果を踏まえ、基本目標の達成
のため、住宅のバリアフリー化やユニバーサルデザインの導入のほか、一
人暮らし高齢者が安心・安全に暮らせる仕組みづくりなど、ソフト施策と
の連携のもと、高齢者の生活支援を図るとしています。
この計画においても、住生活基本計画の基本目標の達成に向け、高齢者
の家族構成や心身の状況等に応じた適切な住まいが供給され、また、医療・
介護・介護予防など様々なサービスが切れ目なく提供されるよう、取り組
みを進めます。
⑷「高齢者の居住安定に係る施策との連携」に関する目標
高齢者が要介護状態等になっても、住み慣れた岩内町で、可能な限り安
定した生活を続けるためには、家族構成や心身の状況等に応じた適切な住
まいが供給される必要があります。
そのため、公営住宅や民間住宅、その周辺環境におけるバリアフリー化
やユニバーサルデザインの導入、コミュニティ施設の整備、道路除排雪の
強化など、高齢者に配慮した取り組みを進めます。
老朽化した公営住宅に居住する高齢者については、他の公営住宅や有料
老人ホーム等の高齢者向け住宅など、家族構成や心身の状況等に応じた適
切な住まいへの計画的な住み替えを促進します。
また、持ち家や賃貸住宅などの住宅改修支援や、個別訪問・相談、見守
り、安否確認サービス、家事支援、緊急通報システムの設置、ボランティ
ア等による除雪サービスなどの取り組みを進め、医療・介護・介護予防な
ど様々なサービスを切れ目なく提供することに努めます。
26
5
岩内町独自の生活支援サービスの充実
⑴ 独自の生活支援サービスの種類
①在宅生活支援事業(有料のもの)
生活支援指導訪問事業
(対象者)
在宅で自立した生活を送るため、家
高齢者で心身の虚弱のため
事の支援や生活習慣の改善指導及
に日常生活を営むのに支障
び身体介護支援のサービスを提供
があり、支援を必要とする者
する訪問ヘルパーを派遣します。
(居宅要介護被保険者及び
居宅要支援被保険者を除く)
生きがい活動支援通所事業
(対象者)
日常生活を営むのに支障があり、社
高齢者で身体の虚弱のため
会的孤立感の解消や生きがいづく
に日常生活を営むのに支障
りを図るため、デイサービスセンタ
があり、支援を必要とする者
ーにおいて日常動作訓練、生きがい
(居宅要介護被保険者及び
活動、入浴、給食等のサービスを提
居宅要支援被保険者を除く)
供します。
生活支援短期宿泊事業
(対象者)
基本的な生活習慣の欠如や、介護を
高齢者で身体の虚弱のため
行う者の疾病等により日常生活に
に日常生活を営むのに支障
不安があるなど、一時的に支援を必
があり、支援を必要とする者
要とする場合に、特別養護老人ホー
(居宅要介護被保険者及び
ムにおいて短期間の宿泊入所サー
居宅要支援被保険者を除く)
ビスを提供します。
訪問給食サービス事業
(対象者)
食事を賄うことが困難な者の居宅
高齢者及び身体障害者で身
を訪問し、給食を提供することによ
体の虚弱等のために日常生
り、孤立感の解消及び健康保持・増
活を営むのに支障があり、支
進を図ります。
援を必要とする者
27
②生活支援サービス(無料のもの)
老人福祉センター移送サービス事業
(対象者)
老人福祉センターの利用に当たり、
満65歳以上でタクシーの
徒歩による来館が困難な高齢者等
利用が必要と認められる者
に対して、月曜日と木曜日、指定場
所間のタクシー往復乗車サービス
を1日に2回行います。
車いす移送サービス事業
(対象者)
在宅の寝たきりの人や車いす利用
在宅で車いすを利用してい
者に対し、車いす移送車による通院
る者及びその家族
や外出等の支援を行い、本人又は介
護者の負担を軽減します。
訪問介護移送サービス事業
(対象者)
訪問介護サービスを利用する高齢者
介護保険の訪問介護サービ
に対し、民間タクシーによる通院や
スを利用している者
外出等の支援を行い、本人又は介護
者の負担を軽減します。
在宅老人除排雪サービス事業
(対象者)
除排雪することが困難な高齢者の
おおむね65歳以上の高齢
み世帯等に対し、日常の維持、災害
者のみ世帯等で、除排雪の労
などの被害、家屋の損壊等を防止す
力確保が困難な、町民税の非
るため、冬期間の除排雪の援護を行
課税又は均等割のみの世帯
います。
老人交通安全杖支給事業
(対象者)
老人の外出時に、交通事故の危険か
満65歳以上で身体が虚弱
ら身を守る一助とするため、道路交
と認められる者
通の安全に配慮した杖を希望者に
支給します。
28
③生活支援サービス(その他)
緊急通報システム事業
(対象者)
一人暮らし高齢者及び身体障害者
・おおむね65歳以上の一人
の緊急時の連絡体制を整備するた
暮らし高齢者で、電話機を
め、電話回線を使用した専用通報器
有し、身体上の慢性疾患等
及びペンダント型無線発信機の無
により、又は、
償貸与(通話料等は自己負担)を行
・1級の身体障害者手帳を
所有する一人暮らしの者で、
います。
・日常生活上注意を要する状
態である者
老人日常生活用具扶助事業
(対象者)
要援護老人及び一人暮らし高齢者
おおむね65歳以上の低所
に対し、日常生活用具の給付(有償
得の一人暮らし高齢者等
等~電磁調理器、火災警報器、自動
消火器)及び貸与(無償~老人用電
話)を行います。
家族介護慰労金
(対象者)
在宅で重度の要介護者を介護して
過去1年間にわたり要介護
いる家族に対し、日常の介護の慰労
4又は5の状態で、介護保険
として年額1人に10万円の支給
サービスを受けていない認
を行い、介護者の精神的及び経済的
定者等を、過去1年間にわた
負担を軽減します。
り同居で介護している、町民
税非課税世帯の者
⑵ 独自の生活支援サービスの状況と見込み
平成26年度の高齢者日常生活調査の結果、介護給付等対象サービスの
利用が必要にもかかわらず、要介護等認定を受けていない方や、認定者で
あってサービスを利用していない方、要介護状態等になるおそれの高い高
齢者(二次予防高齢者)が多数、存在することが明らかとなりました。
一方、一人暮らしや夫婦のみの高齢者世帯の中には、日頃、様々な悩み
29
を抱えていながら、周りに相談できる相手がなく、社会的に孤立している
方も潜在化していると思われます。
平成37年の超高齢社会を控え、一人暮らしや夫婦のみの世帯、認知症
の高齢者、身体機能が低下した高齢者等の増加が見込まれており、今後は、
上記のような高齢者が多くなることが予想されます。
こうした高齢者に対しては、支援が必要な高齢者の個々の状況に応じ、
医療・介護・介護予防など様々なサービスが切れ目なく、適切に提供され
る必要があり、特に、二次予防高齢者等については、介護予防の支援を行
うことで、要介護等認定者の増加を抑制することが重要です。
このため、地域支援事業の介護予防事業や、岩内町独自の生活支援サー
ビス等の実施を通じ、心身の状態の改善と生活機能の維持・向上を図り、
在宅生活を送るための支援の充実を図ります。
【生活支援サービスの実績と推計】
区
分
H24 実績 H25 実績 H26 見込 H27 推計 H28 推計 H29 推計
生活支援指導訪問事業(回)
196
235
216
224
232
241
生きがい活動支援通所事業(日)
131
62
25
43
43
43
0
0
0
1
1
1
訪問給食サービス事業(食)
7,400
8,084
8,120
8,160
8,200
8,240
老人福祉センター移送サービス事業(件)
3,016
3,057
3,514
3,549
3,584
3,620
訪問介護移送サービス事業(件)
0
0
3,139
7,900
7,950
8,000
車いす移送サービス事業(件)
437
427
350
367
385
404
在宅老人除排雪サービス事業(世帯)
193
181
193
204
212
220
老人交通安全杖支給事業(本)
45
24
15
17
19
21
緊急通報システム事業(件)
66
67
75
78
81
85
老人日常生活用具扶助事業(件)
0
0
0
1
1
1
家族介護慰労金(件)
0
0
0
1
1
1
生活支援短期宿泊事業(泊)
30
第4章
1
介護保険事業の計画
介護保険事業の状況
⑴ サービス基盤の現状
岩内町は、平成26年度現在で、次の3つの事業所を運営しています。
・岩内町デイサービスセンター(通所介護(予防) →委託)
・岩内町指定居宅介護支援事業所(居宅介護支援)
・岩内町地域包括支援センター(介護予防支援 →委託)
平成24年3月までは、岩内町特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設・
短期入所生活介護(予防))の運営も行っていましたが、(社福法人)渓仁会
が運営する「介護老人保健施設 コミュニティホーム岩内」との一体的な運
営を図る観点から、当該施設を渓仁会に譲渡しました。
今後については、
「医療・介護・介護予防・住まい・自立した日常生活の
支援が包括的に確保される仕組み(地域包括ケアシステム)」の構築に向け
た取り組みが求められることから、行政の役割として、様々なサービスが
切れ目なく提供される基盤の確保を図ることが重要となります。
したがって、高齢者が可能な限り住み慣れた岩内町で生活を続けられる
よう、地域包括ケアシステムの構築に向けて、採算性がなくても高齢者に
は必要な事業の実施など、行政の役割を踏まえた基盤の確保を図ります。
一方、民間施設の状況としては、平成24年6月に(有)栗林家具店が福
祉用具貸与(予防)と特定福祉用具購入(予防)に参入したほか、平成26年
10月に(株)ウエストンが介護付有料老人ホーム七福神 恵比寿館を開設
し、高齢者の状況に応じた住まいの供給者としての役割が期待されます。
また、同年11月には、
(社福法人)渓仁会が介護保険対象外の施設「介
護予防サロン りはる」を開設し、これまでにない介護予防の新たなアプロ
ーチとしての事業展開が期待されます。
以上により、平成26年度末の介護保険のサービス基盤の状況としては、
町有の事業所が3箇所、民間が19箇所、合計22箇所となります。
このほか、介護保険対象外のものとして、町有施設が1箇所、民間施設
が1箇所あります。
31
【サービス区分別の事業所の設置状況】
サービス区分
施
設
名
・通所介護
・岩内町デイサービスセンター
・介護予防通所介護
・デイサービスセンター ま~れ(渓仁会)
・通所リハビリテーション
・通所リハビリテーション ななかまど(協会病院)
・コミュニティホーム岩内
通所リハビリテーション(渓仁会)
・介護予防通所
リハビリテーション
・訪問介護
・介護予防訪問介護
・訪問介護 いわない(社会福祉協議会)
・訪問看護
・訪問看護ステーション のぞみ(協会病院)
・介護予防訪問看護
・訪問看護ステーション 岩内(渓仁会)
・短期入所生活介護
・介護予防短期入所生活介護
・岩内ふれ愛の郷 ショートステイセンター(渓仁会)
・福祉用具貸与 いわない(社会福祉協議会)
・福祉用具貸与
・介護予防福祉用具貸与
・(有)大橋畳家具店 福祉用具貸与事業所
・(有)栗林家具店 福祉用具貸与事業所
・特定福祉用具購入
・(有)大橋畳家具店 福祉用具貸与事業所
・特定介護予防福祉用具購入 ・(有)栗林家具店 福祉用具貸与事業所
・岩内町指定居宅介護支援事業所
・居宅介護支援
・岩内協会病院指定居宅介護支援事業所
・居宅介護支援 いわない(社会福祉協議会)
・ケアプランセンター さつき(渓仁会)
・介護予防支援
・岩内町地域包括支援センター
・認知症対応型共同生活介護
・グループホーム そよかぜ岩内
・介護予防認知症対応型
共同生活介護
・介護老人福祉施設
・介護老人福祉施設 岩内ふれ愛の郷(渓仁会)
・介護老人保健施設
・介護老人保健施設 コミュニティホーム岩内(渓仁会)
・特定施設入居者生活介護
・介護付有料老人ホーム 七福神恵比寿館
・介護保険対象外サービス
・介護予防サロン りはる(渓仁会)
・岩内町老人福祉センター
32
⑵ 介護給付等対象サービスの実績
①居宅サービス(介護給付)の実績
要介護等認定者数が微増傾向の中、居宅サービスについては、介護給
付と予防給付を合わせると、利用状況は全体的に安定しています。
通所介護と短期入所生活介護は、今後の需要増が予想されます。
訪問介護
訪問看護
通所介護
平成26年度
平成25年度
通所リハビリ
平成24年度
特定施設
短期入所
0
区
20,000
分
訪問入浴介護
訪問看護
80,000
平成 25 年度
100,000
(円)
平成 26 年度
1,657 人
1,700 人
1,537 人
数
21,976 回
19,697 回
17,811 回
給 付 費
71,091,439 円
63,260,211 円
57,205,347 円
延利用者
7人
5人
4人
数
23 回
16 回
13 回
給 付 費
262,620 円
183,978 円
148,896 円
延利用者
441 人
476 人
461 人
数
4,370 回
4,220 回
4,091 回
給 付 費
17,003,268 円
15,330,600 円
14,861,868 円
延利用者
10 人
7人
9人
数
84 回
48 回
219 回
給 付 費
235,116 円
134,352 円
615,373 円
延利用者
906 人
1,043 人
1,154 人
数
6,859 回
8,217 回
9,096 回
給 付 費
54,383,713 円
65,422,234 円
72,421,243 円
回
回
回
訪問リハビリテーション 回
通所介護
60,000
平成 24 年度
延利用者
訪問介護
40,000
回
33
延利用者
1,430 人
1,408 人
1,201 人
数
10,319 回
10,114 回
9,670 回
給 付 費
88,906,951 円
85,492,738 円
83,261,960 円
延利用者
69 人
109 人
102 人
給 付 費
970,452 円
1,250,964 円
1,169,818 円
延利用者
170 人
210 人
173 人
給 付 費
31,983,191 円
39,075,512 円
32,051,205 円
延利用者
245 人
216 人
241 人
数
1,915 日
1,788 日
2,003 日
給 付 費
14,186,234 円
13,136,136 円
14,721,634 円
延利用者
66 人
63 人
8人
数
422 日
530 日
68 日
給 付 費
3,761,280 円
4,757,482 円
611,093 円
延利用者
1,097 人
1,139 人
1,056 人
給 付 費
12,264,723 円
12,892,104 円
11,958,770 円
延利用者
34 人
50 人
35 人
給 付 費
938,730 円
1,332,648 円
824,638 円
延利用者
31 人
46 人
26 人
給 付 費
2,683,326 円
3,423,170 円
1,563,780 円
延利用者
3,073 人
3,199 人
3,048 人
給 付 費
36,102,132 円
37,300,514 円
35,542,592 円
通所リハビリテーション 回
居宅療養管理指導
特定施設入居者生活介護
短期入所生活介護
短期入所療養介護
(介護老人保健施設)
福祉用具貸与
特定福祉用具販売
住宅改修
居宅介護支援
日
日
②居宅サービス(予防給付)の実績
介護予防訪問事業等により制度の周知が進み、要支援等認定者が大幅
に増加しました。しかし、サービスを利用していない認定者も存在する
ため、個別訪問や相談等による利用の普及が必要です。
区
介護予防訪問介護
介護予防訪問看護
分
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
延利用者
703 人
761 人
972 人
給 付 費
16,270,743 円
15,065,415 円
15,971,608 円
延利用者
138 人
165 人
162 人
数
1,042 回
1,118 回
1,103 回
給 付 費
3,585,267 円
3,768,741 円
3,720,265 円
回
34
介護予防居宅療養管理指導
介護予防通所介護
介護予防通所リハビリテーション
延利用者
1人
0人
0人
給 付 費
37,800 円
0円
0円
延利用者
239 人
244 人
204 人
給 付 費
8,166,751 円
8,083,697 円
6,771,870 円
延利用者
409 人
390 人
460 人
給 付 費
16,723,184 円
16,827,804 円
21,371,726 円
延利用者
4人
10 人
8人
数
18 回
34 回
27 回
給 付 費
84,366 円
179,757 円
144,441 円
延利用者
8人
11 人
9人
給 付 費
916,251 円
882,674 円
745,586 円
延利用者
115 人
136 人
231 人
給 付 費
710,325 円
765,000 円
1,314,381 円
延利用者
12 人
23 人
31 人
給 付 費
306,431 円
607,518 円
626,794 円
延利用者
11 人
25 人
23 人
給 付 費
817,668 円
1,933,967 円
1,563,780 円
延利用者
1,180 人
1,252 人
1,369 人
給 付 費
5,076,800 円
5,377,960 円
5,881,840 円
介護予防短期入所生活介護 回
介護予防特定施設入居者生活介護
介護予防福祉用具貸与
介護予防福祉用具購入
介護予防住宅改修
介護予防支援
予防・訪問介護
予防・訪問看護
平成26年度
予防・通所介護
平成25年度
平成24年度
予防・通所リハ
予防・特定施設
(円)
0
5000
10000
35
15000
20000
25000
訪問介護
(介護+予防)
平成26年度
通所介護
(介護+予防)
平成25年度
平成24年度
通所リハ
(介護+予防)
0
20000
40000
60000
80000
100000
(円)
③施設サービスの実績
施設サービスについては、介護療養型医療施設を除き、給付費が増加
しています。利用者の増加や介護度の上昇が要因と思われますが、高止
まり傾向や特定施設への利用分散などから、今後は全体的に横ばいの推
移と予想されます。
区
分
平成 24 年度
延利用者
平成 25 年度
823 人
平成 26 年度
917 人
1,070 人
介護老人福祉施設
給 付 費 194,666,356 円 225,265,618 円 263,090,612 円
延利用者
1,524 人
1,643 人
1,666 人
介護老人保健施設
給 付 費 390,632,936 円 418,721,861 円 424,707,799 円
延利用者
175 人
187 人
160 人
給 付 費
65,658,413 円
68,124,555 円
58,287,129 円
介護療養型医療施設
介護老人福祉施設
平成26年度
介護老人保健施設
平成25年度
平成24年度
介護療養医療施設
(円)
0
100000
200000
36
300000
400000
④地域密着型サービスの実績
平成26年10月と12月に、地域密着型の介護付有料老人ホームが
開設し、地域密着型サービスの事業所は3箇所となりましたが、当該施
設は平成27年4月から北海道指定に変更され、居宅サービスに移行す
る予定です。
グループホーム等については、今後も、これまで同様の状況が予想さ
れます。
区
分
認知症対応型共同生活介護
地域密着型特定施設入居者生活介護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
延利用者
188 人
207 人
213 人
給 付 費
46,246,338 円
50,433,435 円
53,978,415 円
延利用者
0人
0人
60 人
給 付 費
0円
0円
11,388,600 円
延利用者
0人
1人
12 人
給 付 費
0円
220,663 円
2,565,299 円
認知症対応型
共同生活介護
平成26年度
地域密着型特定施設
入居者生活介護
平成25年度
平成24年度
定期巡回・随時対応型
訪問介護看護
(円)
0
10000
20000
37
30000
40000
50000
60000
2
介護給付等対象サービスの確保方策
⑴ 介護給付等対象サービスの取り組み
高齢者が可能な限り住み慣れた岩内町で生活を続けるためには、地域包
括ケアシステムの構築に向けた取り組みを進める必要があり、医療・介護・
介護予防・住まい・自立した日常生活の支援が包括的に確保されるよう、
様々なサービスが切れ目なく提供される必要があります。
したがって、その中心となる介護給付等対象サービスの確保については、
現状のサービス基盤の水準が低下することのないよう、在宅サービスと施
設サービスの連携を進め、特に、特別養護老人ホームの重点化等によって
重要度が増す「在宅のサービス」と「居住系サービス」については、全体
的なサービス水準の維持向上を図る必要があります。
①施設サービス
施設サービスについては、特別養護老人ホームが平成27年4月から、
中重度の要介護認定者を支える施設に重度化されることから、特定施設
等への利用分散により、今後の利用は横ばいになると予想されます。
なお、介護療養型医療施設は、今後の廃止が決定しています。
このため、軽中度者に対しては、認知症高齢者が環境変化の影響を受
けやすいことに留意しつつ、地域密着型サービスを含め、在宅のサービ
スと居住系サービスの安定的な確保を図る必要があります。
②地域密着型サービス
地域密着型サービスについては、入所待機の解消等を目的に、地域密
着型の介護付有料老人ホーム七福神 恵比寿館の整備を進めたところで
あり、
「居住系サービス」として、高齢者の状況に応じた住まいの供給の
役割や、不足が指摘される短期入所生活介護の受け皿(保険外等)の役
割が期待されます。
認知症対応型共同生活介護については、新たな居住系サービスが整備
済であることから、今後もこれまで同様とします。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護、複合型サービス、小規模多機能型
居宅介護については、事業の担い手の確保が課題となっています。
38
なお、七福神 恵比寿館(地域密着型:定員29人、27人)は、平成
27年4月から北海道指定の特定施設入居者生活介護(混合型:定員5
6人)に変更され、居宅サービスに移行する予定です。
③居宅サービス
居宅サービスについては、施設サービスとの連携を進め、特別養護老
人ホームの重点化等によって重要度が増す「在宅のサービス」と「居住
系サービス」の水準の維持向上を図る必要があります。
要介護等認定者数が微増傾向の中、
「在宅のサービス」については、介
護給付と予防給付を合わせると、利用状況は全体的に安定しており、通
所介護と短期入所生活介護については、今後の需要増の予想があること
から、岩内町デイサービスセンターの定員増(18名→20名)や七福
神 恵比寿館による対応を検討します。
軽度者に対しては、住み慣れた岩内町で継続的に安心して生活できる
ように、地域包括支援センターを中心に、サービス利用者の生活機能の
回復につながるケアマネジメントを実施し、介護給付等対象サービスや
介護予防事業の一層の利用促進を図ります。
なお、予防給付のうち、
「訪問介護」及び「通所介護」については、地
域支援事業の「介護予防・日常生活支援総合事業」の開始と同時に、新規
の給付は停止となり、それまでの間は予防給付が継続されます。
⑵ 地域密着型サービスに係る必要利用定員総数等の設定
①老人福祉事業の量の目標
養護老人ホームについては、岩内町に施設がないものの、平成26年
11月末現在で7人の措置を行っており、今後も措置を行う必要があり
ます。
区
分
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
養護老人ホーム(措置者数)
8人
9人
10 人
老人福祉センター(施設数)
1 箇所
1 箇所
1 箇所
39
②地域密着型サービスに係る必要利用定員総数
介護給付等対象サービスの見込みを推計するに当たり、次の地域密
着型サービスについて、必要利用定員総数を定めます。
地域密着型の介護付有料老人ホームである七福神 恵比寿館は、要支
援認定者の入居を可能とするため、平成27年4月から北海道指定の
特定施設入居者生活介護(混合型:定員56人)に変更され、居宅サ
ービスに移行する予定です。
このため、地域密着型特定施設入居者生活介護については、今後、
新たな需要が生じる状況となるまで、整備を行わないこととします。
区
分
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
認知症対応型共同生活介護
9人
9人
9人
地域密着型特定施設入居者生活介護
0人
0人
0人
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
0人
0人
0人
なお、必要利用定員総数には、医療療養型病床が「これらの事業を
行う施設等に転換する場合の利用定員」を含まないものとします。
⑶ 計画の公表と普及啓発
介護保険制度の適切な運営のためには、65歳以上の第1号被保険者は
もとより、40歳以上の第2号被保険者や納税による間接的負担者に対し、
制度の趣旨や仕組みを充分に理解していただく必要があります。
したがって、パンフレットやリーフレット、ホームページ等を活用して
制度等の周知を行い、保険料納付の意義や必要性の理解を深めていただく
よう努めます。
40
第5章
1
地域支援事業の推進
地域支援事業の状況
⑴ 地域支援事業とは
介護保険制度の本体を成す事業は、要介護等認定者に対する保険給付で
あり、施設サービス等の介護給付等対象サービスの費用のうち、原則9割
を介護保険から給付します。
一方、介護保険制度には、もう一つの顔があります。
・「高齢者が要介護状態等になることを予防する」 とともに、
・「要介護等になっても、可能な限り自立した日常生活を営むことが
できるように支援する」
というもので、これが地域支援事業です。
地域支援事業の柱は、大きく分けて、
「介護予防事業」
「包括的支援事業」
「任意事業」の3つです。
①介護予防事業
65歳以上で、要介護状態等ではないが、生活機能の低下があり、介
護予防サービスの利用が必要な方を対象に、要介護状態等になることを
防ぎ、元気で生き生きとした生活を続けてもらうための事業。
二
次
予
防
事
業
二次予防高齢者
の把握事業
二次予防高齢者の早期発見や、高齢者の実態を把
通所型介護予防
事業
通所により、
「運動器の機能向上」
「栄養改善」
「口
訪問型介護予防
事業
高齢者の自宅等を訪問し、生活機能に係る問題を
介護予防評価事
業
介護予防事業計画において定める目標値の達成状
握するためのアンケート調査を行う。
腔機能の向上」等の介護予防プログラムを行う。
総合的に評価して、必要な支援を行う。
況等を検証して事業評価を行い、改善を図る。
41
一
次
予
防
事
業
介護予防普及啓
発事業
介護予防の基本的な知識の普及啓発のため、パン
地域介護予防活
動支援事業
介護予防に関するボランティア等の人材育成、地
介護予防評価事
業
介護予防事業計画において定める目標値の達成状
フレットや介護予防手帳等の配布等を行う。
域活動組織の育成・支援等の事業を行う。
況等を検証して事業評価を行い、改善を図る。
②包括的支援事業
地域包括支援センターが行う事業であり、センターには、主任ケアマ
ネジャーや社会福祉士、保健師等を配置し、介護予防サービス等の提供
を含めた医療・介護・介護予防等に関する相談・支援等を包括的・継続的に
実施します。
介護予防ケアマネジ
メント業務
総合相談支援業務
権利擁護業務
包括的継続的ケアマ
ネジメント支援業務
二次予防高齢者を対象に、アセスメントや介護予
防ケアプランの作成、評価等の支援を行う。
訪問や電話等により支援が必要な高齢者を適切な
サービスにつなぐ。情報提供や連絡調整も行う。
高齢者の虐待の防止や早期発見、成年後見制度の
啓発、消費者被害の防止などを行う。
ケアマネジャーや事業者のネットワークづくりや
人材育成、研修会等の開催などを行う。
③任意事業
法令の趣旨に沿って、市町村の判断により、市町村が必要とする事業
を行うことができます。
42
介護給付等費用適正
化事業
家族介護支援事業
その他の事業
保険者として介護給付等に要する費用の適正化の
ための事業等を行う。
介護知識等の習得のための教室の開催や、認知症
高齢者見守り事業等を行う。
成年後見制度利用支援、福祉用具・住宅改修支援、
その他生活支援に必要な事業を行う。
⑵ 地域支援事業の実績
区
分
① 介護予防事業
二次予防高齢者の把握事業
主
な
事
業
通所型介護予防事業
訪問型介護予防事業
平成 24 年度
主
な
事
業
872 件
233 件
4,204 件
20 回
21 回
20 回
370 人
354 人
400 人
971 件
771 件
1,338 件
45 件
118 件
125 件
③ 任意事業
主
な
事
業
4,017,881 円 5,119,109 円
介護予防ケアマネジメント事業
総合相談支援業務
訪問給食サービス事業
合
計(①+②+③)
平成26 年度(見込)
24,040,000 円 25,286,000 円 25,824,000 円
介護予防普及啓発事業
② 包括的支援事業
平成 25 年度
6,000,000 円
20 件
21 件
20 件
162 件
184 件
185 件
3,018,107 円 4,416,864 円 6,913,000 円
530 人
533 人
508 人
7,400 食
8,084 食
8,540 食
31,075,988 円 34,821,973 円 38,737,000 円
43
2
地域支援事業の確保方策
⑴ 介護予防事業の取り組み
介護予防事業には、要介護状態等の予防や悪化防止のため、要介護状態
等になるおそれの高い65歳以上の高齢者を対象とする事業(二次予防事
業)と、65歳以上の全員を対象とする事業(一次予防事業)があります。
介護予防事業の各事業の実施に当たっては、前段で高齢者日常生活調査
による二次予防高齢者の数的把握を行い、これを基に、各事業の対象者の
状況等を確認し、事業の周知や参加者の募集などを進めています。
①二次予防事業
要介護状態等になるおそれの高い65歳以上の方(二次予防高齢者)
を把握するための調査や、「健康相談」「運動器の機能向上」「栄養改善」
「口腔機能の向上」等のためのプログラムを実施するとともに、
「閉じこ
もり予防・支援」「認知症予防・支援」「うつ予防・支援」等の介護予防
施策に取り組みます。
・高齢者日常生活調査(二次予防高齢者の把握事業)
・介護予防プログラム、はつらつ元気塾(通所型介護予防事業)
・介護予防訪問事業(訪問型介護予防事業)
②一次予防事業
全ての高齢者を対象に、転倒予防等のための体力づくり指導や介護予
防に関する知識の普及啓発などに取り組みます。
・老人クラブや町内会等での啓発活動等(介護予防普及啓発事業)
⑵ 包括的支援事業の取り組み
包括的支援事業では、
「介護予防ケアマネジメント」
「総合相談支援」
「権
利擁護」
「包括的継続的ケアマネジメント支援」の4つを必須事業としてお
り、業務はすべて地域包括支援センターが実施しています。
岩内町の場合は、地域包括支援センター業務を(社福法人)渓仁会に委
託しており、事務所を介護老人保健施設 コミュニティホーム岩内に置き、
44
主任ケアマネジャーや看護師、社会福祉士などの6名体制で、それぞれの
専門分野を生かしながら事業を行っています。
なお、地域包括支援センターは、包括的支援事業の実施とは別に、
「岩内
町指定介護予防支援事業者」として介護予防支援の業務を行っているほか、
岩内町から介護予防事業や任意事業の一部を受託しています。
【地域包括支援センターの実施事業】
1) 介護予防事業
通所型介護予防事業(二次予防事業)
訪問型介護予防事業(二次予防事業)
介護予防普及啓発事業(一次予防事業)
2) 包括的支援事業
介護予防ケアマネジメント業務、総合相談支援業務
権利擁護業務、包括的・継続的ケアマネジメント支援業務
地域ケア会議の設置・運営業務
3) 任意事業
家族介護支援事業、認知症高齢者見守り事業
4) 指定介護予防支援
予防給付に係るケアマネジメント業務
⑶ 任意事業の取り組み
①介護給付等費用適正化事業
・縦覧点検 / 医療情報と介護の突合
・点検住宅改修等の点検
・介護給付費通知、ケアプラン、要介護認定の適正化
②家族介護支援事業
・家族介護慰労扶助費(家族への介護慰労金の支給)
・家族介護教室(適切な介護知識や技術等の習得)
③その他の事業
・訪問給食サービス事業(夕食の自宅配達と安否確認)
・認知症高齢者見守り事業(認知症の啓発、徘徊高齢者対応等)
・成年後見制度利用支援事業(町長申立てと後見人報酬の助成)
・生活支援短期宿泊事業(特別養護老人ホームのショートステイ)
45
⑷ 介護予防・日常生活支援総合事業等の実施
①介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)の実施について
総合事業は、市町村を中心に住民等の多様な主体が多様なサービスを
提供し、支え合いの体制づくりを進め、要支援者等を支援するものです。
平成26年度の介護保険法の改正により、現行の「介護予防事業」を
「総合事業」に再編した上で、この中に、予防給付のうち、「通所介護」
及び「訪問介護」を完全移行することになりました。
総合事業の構成としては、大きく次の2つの事業からなります。
・介護予防・生活支援サービス事業
(訪問型サービス、通所型サービス、生活支援サービス、介護予防支援事業)
・一般介護予防事業
総合事業については、平成27年4月1日からの開始が制度化されま
したが、事業の適切な実施の確保には、一定の準備期間が必要であるこ
とを踏まえ、市町村が条例を定める場合、介護予防・生活支援サービス事
業のうち、
「訪問型サービス」
「通所型サービス」
「生活支援サービス」の
開始を、平成29年4月1日まで猶予することが認められています。
岩内町においては、多様な事業主体によるサービス提供の体制や人材
の確保、実施基準の精査等、その検討や準備に充分な期間を設ける必要
があるため、当該サービスの開始を平成29年4月1日とします。
②包括的支援事業の拡充について
包括的支援事業については、改正介護保険法により拡充が図られ、平
成27年4月1日から、次の4事業が追加されることになりました。
・在宅医療・介護連携の推進
・認知症支援策の推進
・生活支援サービス・介護予防サービス基盤整備の推進
・地域ケア会議の充実
「地域ケア会議の充実」を除く3事業は、市町村が条例を定める場合、
平成30年4月1日まで開始を猶予できることから、岩内町においては、
事業内容の検討や準備に充分な期間が必要と判断し、当該事業の開始を
平成30年4月1日とします。
46
第6章
1
その他必要な事項
介護給付等対象サービス等の円滑な提供
⑴ 介護給付等対象サービスの円滑な提供
指定居宅介護支援や指定介護予防支援の事業者は、介護給付等対象サー
ビスの事業者や在宅医療を提供する医療機関等との連携を図ることにより、
適切な居宅サービス計画、介護予防サービス計画を作成することが可能と
なります。
このため、居宅介護支援事業者など、これらの事業者に関する情報提供
のための体制や事業者相互の情報交換のための体制の整備など、事業者間
の連携の確保に関する取り組みを図ることとします。
また、介護給付等対象サービスの適切な利用を促進するため、情報収集
や相談、支援を適切に行うことができる体制の整備についても、取り組み
を図ることとします。
⑵ 地域支援事業の円滑な提供
地域支援事業の介護予防事業については、主に介護予防担当と地域包括
支援センターが各事業の実施を担っており、適切な人員配置や人材の確保
とともに、業務の役割分担の明確化と連携強化、他職種との連絡調整、取
り扱うサービスの情報提供などの取り組みを進めます。
総合事業については、平成29年4月に事業の開始を予定していること
から、それまでの間、事業の適切な実施を確保するための検討及び準備を
行い、住民や関係者等に対する事業開始に向けた情報発信や、総合事業の
多様な主体相互の情報交換のための体制の整備を図ることとします。
47
2
地域包括支援センター等の情報公表
⑴ 地域包括支援センターの情報公表
平成26年度の介護保険法の改正では、市町村を中心とする地域包括ケ
アシステムを構築していく中で、地域で暮らす住民が「地域にある社会資
源」を把握することができるよう、市町村は地域包括支援センターと生活
支援サービス等の情報を公表することに努めることとされました。
「地域にある社会資源」とは、
「日常生活上の相談窓口となる機関の所在
や、生活支援サービス等の具体的な内容」を指します。
これらの情報を市町村が公表する際は、平成27年の秋頃から、厚生労
働省が運用する「介護サービス情報公表システム」を活用することができ
るようになります。
「地域包括支援センター」に関しては、センターが市町村に設置されたと
き等において、その業務内容や運営状況などの情報が対象であり、名称・
運営主体・住所・業務内容・活動実績など、相談する地域住民にとって必
要な項目を具体的に公表することが想定されます。
⑵ 生活支援サービス等の情報公表
「生活支援サービス等」に関しては、生活支援サービス等を提供する事業
者から、サービス内容などの情報の提供を受け、その提供された情報を公
表することになります。
市町村が把握する生活支援サービス等の項目としては、事業所名・運営
主体・住所・サービス分類・サービス提供地域・利用料など、具体的な情
報が想定されています。
48
3
介護給付等に要する費用の適正化に関する事項
介護給付の適正化とは、介護給付を必要とする利用者を適切に認定し、
利用者が真に必要とするサービスを、事業者が過不足なく適切に提供する
よう、保険者である市町村が事業者に対して促すことです。
介護給付の適正化により、適切なサービスの提供を促し、費用の効率化
を進め、結果として保険料の上昇の抑制を図ることで、制度の信頼度が高
まり、持続可能な介護保険事業の運営を行うことが可能となります。
1) 縦覧点検 / 医療情報と介護の突合
縦覧点検は、利用者個々の介護報酬の請求明細書を確認し、提供サ
ービスの整合性、算定回数・日数等の点検を行い、請求内容の誤り等
を早期発見し、適切な処理を行うもの。
医療情報との突合は、利用者の後期高齢者医療や国民健康保険の入
院情報と、介護保険の給付情報を突合し、給付日数や提供サービスの
整合性を点検し、医療と介護の重複請求の排除等を行うもの。
2) 住宅改修等の点検
住宅改修においては、改修工事を行う利用者宅の実態確認や工事見
積書の点検、施工時の訪問調査等を実施し、利用者の状況にそぐわな
い不適切、不要な改修を排除するもの。
福祉用具購入・貸与においては、福祉用具使用者等に対する訪問調
査等を実施し、福祉用具の必要性や利用状況等の点検を行うもの。
3) 介護給付費通知
利用者等に対し、事業者の介護報酬請求や給付状況等の情報を通知
することで、適切なサービス利用の普及等を行うもの。
4) ケアプラン点検
居宅介護サービス計画等の記載内容について、事業者資料の確認や
訪問調査を実施し、市町村職員等の第三者が点検・支援を行うもの。
5) 要介護等認定の適正化
介護認定調査の内容について、市町村職員等が訪問審査や書面審査
等を実施し、適切で公平な要介護等認定を確保するもの。
49
4
療養病床の円滑な転換に関する事項
岩内町においては、平成29年度末までに老人保健施設等への転換をし
なければならない「介護療養型医療施設」はありません。
一方、岩内協会病院の入院病棟には、医療保険適用の療養病床が90床
あり、このうち37床が現在は休床中となっています。
岩内協会病院としては、
「休床中の37床の方向性については、他の機能
への転換を図ることも含め、検討課題である」としています。
国は、
「 療養病床の他の機能への円滑な転換を促進する」としているため、
町としては、岩内協会病院の療養病床のあり方について、関係機関等と充
分に検討を行うとともに、療養病床に入院中の患者や住民等に対する「検
討状況の情報提供」や「相談支援体制の整備」などの取り組みを進めます。
50
第7章
1
第1号被保険者の保険料
保険料の推計方法
第1号被保険者の保険料の推計に当たっては、その前段として、計画期
間中(平成27年度~平成29年度)の介護給付等対象サービス見込量を割
り出す必要があるため、次の手順によって見込量を算出します。
次節以降では、この手順に従い、各見込量の推計を行います。
● 給付実績の整理(平成24年度~平成26年度)
・各サービスの利用者数、利用回(日)数、給付費の実績(見込)
● 人口・要介護認定者数の推計
・認定状況の推移を踏まえ、自然体推計を行う。
・自然体推計した認定者数に、特殊要素を反映する。
A 施設・居住系サービス見込量の推計
□
・推計認定者数から、居住系サービスの利用者数の自然体推計を行う。
・将来の世帯状況や今後の動向等を踏まえる。
B 在宅サービス等(施設・居住系サービスを除く) 見込量の推計
□
・「推計認定者数 - Aの利用者数」から、利用者数の自然体推計を行う。
・自然体推計した利用者数に、特殊要素を反映する。
・介護予防「訪問介護」「通所介護」の総合事業への移行を見込む。
C 介護給付等対象サービス見込量の推計
□
・推計した各見込量に、介護報酬改定等の影響を反映し、標準給付費
見込額を推計する。
● 保険料の推計
・標準給付費見込額に、地域支援事業費の見込みを加え、負担割合の
補正等を行う。
51
2
介護給付等対象サービスの見込み
A 施設・居住系サービス見込量の推計について
⑴ □
①介護保険3施設等・介護専用型居住系サービスの設定
施設・居住系サービスの利用者数の推計に当たっては、国の指針によ
り、第4期計画までは、
要介護2以上の人数に対し、介護保険3施設・地域密着型
介護老人福祉施設・認知症高齢者グループホーム・介護専
用型特定施設の総利用者割合を37%以下にすること
を基準としてきました。
この基準は、平成22年度の制度改正で撤廃されたものの、平成24
年度からの第5期計画では、利用者数の推計の参考とするため、当該割
合の設定を行いました。
しかし、第6期計画では、推計自体の必要がなくなったため、介護保
険3施設等・介護専用型居住系サービスの設定を行いません。
②介護保険3施設・地域密着型介護老人福祉施設の設定
上記のほか、施設・居住系サービスの利用者数の推計に当たっては、
介護保険3施設・地域密着型介護老人福祉施設の利用者数
のうち、要介護4以上の総認定者割合を70%以上にする
こと
を国の指針により、基準としてきました。
この基準は、平成26年度の制度改正により撤廃されましたが、代わ
りに、介護老人福祉施設の入居者要件が要介護3以上に改正されたこと
から、これを踏まえ、平成27年度以降の当該割合を設定します。
【介護保険3施設・地域密着型介護老人福祉施設の利用者割合】
区
分
「3施設+地域密着型
介護老人福祉施設」
のうち、
要介護4以上の者
平成24 年度 平成25 年度 平成26 年度 平成27 年度 平成28 年度 平成29 年度
96/211
105/230
109/239
109/240
108/238
108/238
45.5%
45.7%
45.6%
45.4%
45.4%
45.4%
52
③施設・居住系サービスの利用者数の推計
施設・居住系サービス見込量の推計に当たっては、将来の世帯状況や
今後の動向等を踏まえ、施設・居住系サービスの利用者数を推計する必
要があります。
当該利用者数については、「② 介護保険3施設・地域密着型介護老人
福祉施設の設定」において定めた利用者割合を考慮し、推計を行います。
【施設・居住系サービスの利用者数の推計 (月間)】
区
分
平成24 年度 平成25 年度 平成26 年度 平成27 年度 平成28 年度 平成29 年度
211 人
230 人
239 人
240 人
238 人
238 人
介護老人福祉施設
69 人
77 人
82 人
83 人
83 人
83 人
介護老人保健施設
127 人
137 人
142 人
142 人
142 人
142 人
介護療養型医療施設
15 人
16 人
15 人
15 人
13 人
13 人
地域密着型介護老人福祉施設
0人
0人
0人
0人
0人
0人
15 人
18 人
18 人
56 人
63 人
63 人
14 人
17 人
17 人
51 人
57 人
57 人
1人
1人
1人
5人
6人
6人
16 人
17 人
22 人
18 人
18 人
18 人
認知症対応型共同生活介護
16 人
17 人
17 人
18 人
18 人
18 人
介護予防認知症対応型
共同生活介護
0人
0人
0人
0人
0人
0人
地域密着型
特定施設入居者生活介護
0人
0人
5人
0人
0人
0人
242 人
265 人
279 人
314 人
319 人
319 人
介護保険3施設
居宅サービス
特定施設入居者生活介護
介護予防特定施設
入居者生活介護
地域密着型サービス
合
計
53
④施設・居住系サービス見込量の推計
施設・居住系サービス見込量を推計するため、「⑴ ③ 施設・居住系
サービスの利用者数の推計(月間)」を基礎とする数値に「12月」を乗
じて「サービス別の利用者数(年間)」を算出し、さらに「サービス利用
率」と「給付費の単価」を乗じます。
【施設サービス費の見込み (年間)】
区
分
介護老人福祉施設
介護老人保健施設
介護療養型医療施設
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
996 人
996 人
996 人
242,335 千円
242,398 千円
243,377 千円
1,704 人
1,704 人
1,704 人
422,713 千円
422,880 千円
423,157 千円
180 人
156 人
156 人
50,265 千円
46,658 千円
43,051 千円
【居宅サービス費(居住系サービス)の見込み (年間)】
区
分
特定施設入居者生活介護
介護予防
特定施設入居者生活介護
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
612 人
684 人
684 人
116,951 千円
131,224 千円
131,224 千円
60 人
72 人
72 人
4,552 千円
6,040 千円
6,040 千円
【地域密着型サービス費(居住系サービス)の見込み (年間)】
区
分
認知症対応型共同生活介護
介護予防
認知症対応型共同生活介護
地域密着型
特定施設入居者生活介護
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
216 人
216 人
216 人
57,913 千円
58,089 千円
58,264 千円
0人
0人
0人
0 千円
0 千円
0 千円
0人
0人
0人
0 千円
0 千円
0 千円
54
⑵ □
B 在宅サービス等(施設・居住系を除く)見込量の推計について
①在宅サービス等(施設・居住系を除く)の利用者数の推計
第2章の「要介護等認定者数の推計」から、「⑴ ③ 施設・居住系サ
ービスの利用者数の推計(月間)」を減じ、介護度別の在宅サービス等
の利用者数を推計します。
【介護度別の在宅サービス等(施設・居住系を除く)の利用者数の推計 (月間)】
区
分
平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度 平成 28 年度 平成 29 年度
要支援 1
61人
81人
95人
86人
86人
87人
要支援 2
118人
127人
129人
129人
128人
129人
(支援計)
(179人)
(208人)
(224人)
(215人)
(214人)
(216人)
要介護 1
205人
167人
184人
168人
167人
169人
要介護 2
112人
138人
114人
116人
117人
116人
要介護 3
73人
58人
46人
54人
54人
54人
要介護 4
29人
37人
38人
32人
32人
33人
要介護 5
41人
34人
26人
27人
27人
28人
(介護計)
(460人)
(434人)
(408人)
(397人)
(397人)
(400人)
639人
642人
632人
612人
611人
616人
合
計
②在宅サービス等(施設・居住系を除く)見込量の推計
在宅サービス等(施設・居住系を除く)見込量を推計するため、「⑵
① 介護度別の利用者数の推計(月間)」に「12月」を乗じ、これに特
殊要素加味して「サービス別の利用者数(年間)」を算出し、さらに「サ
ービス利用率」と「給付費の単価」を乗じます。
なお、平成29年度については、予防給付の「訪問介護」及び「通所
介護」の総合事業への移行を見込みます。
55
【居宅サービス費 (介護給付) 見込み (年間)】
区
分
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
1,671 人
1,658 人
1,626 人
19,576 回
19,544 回
19,548 回
延利用者
訪問介護
回
数
給 付 費
58,713 千円 59,267 千円 59,798 千円
延利用者
訪問入浴介護
訪問看護
6人
6人
7人
数
10 回
10 回
13 回
給 付 費
115 千円
115 千円
118 千円
延利用者
496 人
489 人
488 人
4,338 回
4,249 回
4,268 回
回
回
数
給 付 費
15,415 千円 15,070 千円 15,226 千円
延利用者
訪問リハビリテーション
居宅療養管理指導
通所介護
8人
8人
8人
数
14 回
14 回
14 回
給 付 費
39 千円
39 千円
40 千円
延利用者
118 人
122 人
129 人
給 付 費
1,089 千円
1,143 千円
1,223 千円
延利用者
1,062 人
702 人
697 人
回
8,538 回
5,658 回
5,650 回
回
数
給 付 費
70,642 千円 48,067 千円 49,336 千円
延利用者
通所リハビリテーション
日
数
給 付 費
1,420 人
1,424 人
1,436 人
10,211 日
10,246 日
10,340 日
84,393 千円 84,728 千円 85,845 千円
延利用者
短期入所生活介護
日
数
給 付 費
福祉用具貸与
特定福祉用具販売
202 人
203 人
1,645 日
1,718 日
1,736 日
14,818 千円 15,401 千円 15,923 千円
延利用者
短期入所療養介護
196 人
51 人
48 人
48 人
数
443 日
425 日
438 日
給 付 費
4,086 千円
4,031 千円
4,127 千円
延利用者
1,084 人
1,085 人
1,080 人
日
給 付 費
12,223 千円 12,366 千円 12,448 千円
延利用者
35 人
34 人
34 人
給 付 費
908 千円
901 千円
906 千円
56
住宅改修
居宅介護支援
延利用者
35 人
35 人
39 人
給 付 費
2,777 千円
2,870 千円
2,874 千円
延利用者
2,952 人
2,953 人
2,974 人
給 付 費
34,184 千円 34,257 千円 34,526 千円
【居宅サービス費 (予防給付) の見込み (年間)】
区
介護予防訪問介護
分
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
880 人
897 人
450 人
14,141 千円 14,407 千円
7,229 千円
延利用者
給 付 費
延利用者
介護予防訪問看護
介護予防通所介護
介護予防通所リハビリテーション
187 人
190 人
194 人
数
1,236 回
1,243 回
1,256 回
給 付 費
3,850 千円
3,870 千円
3,879 千円
延利用者
266 人
275 人
133 人
10,124 千円 10,407 千円
5,004 千円
回
給 付 費
延利用者
給 付 費
439 人
10 人
11 人
11 人
数
34 日
37 日
37 日
給 付 費
185 千円
195 千円
197 千円
延利用者
246 人
245 人
244 人
給 付 費
1,236 千円
1,234 千円
1,240 千円
延利用者
32 人
32 人
34 人
給 付 費
872 千円
893 千円
915 千円
延利用者
26 人
25 人
26 人
給 付 費
1,573 千円
1,587 千円
1,614 千円
延利用者
1,386 人
1,394 人
1,433 人
給 付 費
5,956 千円
5,995 千円
6,160 千円
介護予防短期入所生活介護 日
介護予防特定福祉用具販売
介護予防住宅改修
介護予防支援
445 人
20,141 千円 20,343 千円 20,448 千円
延利用者
介護予防福祉用具貸与
442 人
57
【地域密着型サービス費の見込み (年間)】
区
定期巡回・随時対応型
訪問介護看護
分
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
延利用者
12 人
12 人
12 人
給 付 費
2,565 千円
2,565 千円
2,565 千円
延利用者
0人
348 人
348 人
0回
2,825 回
2,821 回
地域密着型通所介護 回
数
給 付 費
0 千円 23,997 千円 24,631 千円
⑶ □
C 介護給付等対象サービス見込量の推計について
介護給付等対象サービス見込量の推計に当たり、まずは、下記の □
A と□
B
の推計値を合わせ、給付費合計額(推計額)を算出します。
・□
A 施設・居住系サービス見込量の推計
・□
B 在宅サービス等(施設・居住系サービスを除く)見込量の推計
給付費合計額
(推計額)
平成 27 年度
1,254,774 千円
平成 28 年度
1,271,037 千円
平成 29 年度
1,261,385 千円
上記の給付費合計額(推計額)に対し、次の3点を踏まえた修正を加え、
介護給付等対象サービス見込量に係る「総給付費見込額」を算出します。
・平成27年度: 介護報酬の改定(
.
%の減)
・平成27年度: 一定所得者の利用者負担の見直し(1割→2割)
・平成29年度: 消費税率の引き上げ(8%→10%)
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
※ 総給付費見込額
1,251,715 千円
58
1,266,413 千円
1,262,088 千円
⑷ 標準給付費見込額の推計について
総給付費見込額の中には、高額介護サービス費等や特定入所者介護サー
ビス費等が含まれないため、これらの費用の実績に基づき、別途推計した
見込額を総給付費見込額に加算し、「標準給付費見込額」を算出します。
なお、特定入所者介護サービス費については、制度改正による補足給付
の見直しの影響を反映します。
区
分
総給付費見込額
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
1,251,715 千円
1,266,413 千円
1,262,088 千円
高額介護サービス費等
40,092 千円
40,128 千円
40,509 千円
特定入所者介護サービス費等
113,809 千円
105,561 千円
104,457 千円
1,405,616 千円
1,412,102 千円
1,407,054 千円
●標準給付費見込額
59
3
地域支援事業の見込み
地域支援事業費の推計については、総合事業の生活支援サービス事業の
うち、訪問型サービス・通所型サービス・生活支援サービスの開始を平成
29年4月1日としているため、平成29年度の介護予防事業費の見込み
については、予防給付の「訪問介護」及び「通所介護」に要する費用相当
額を加算します。
なお、包括的支援事業の拡充については、事業の開始を平成30年4月
1日としているため、第6期計画に対する影響はありません。
【地域支援事業の見込み (年間)】
区
分
① 介護予防事業
平成 27 年度
28,112 千円
平成 28 年度
28,242 千円
平成 29 年度
64,956 千円
(介護予防事業は、平成29年度から総合事業に再編)
② 包括的支援事業
6,531 千円
6,561 千円
6,538 千円
③ 任意事業
7,525 千円
7,560 千円
7,533 千円
42,168 千円
42,363 千円
79,027 千円
合
計(①+②+③)
60
4
保険料の見込み
⑴ 保険給付に対する負担割合
保険給付に対する負担割合は、受益者である被保険者が全体の50%、
公費(国、都道府県、市町村)が残り50%と定められています。
第1号被保険者(65歳以上の方)の保険料は、第2号被保険者(40歳か
ら64歳までの方)の負担割合と連動し、3年に一度の介護保険事業計画の
策定の中で改定されます。
被保険者分50%の分担については、今般の制度改正により、第6期計
画の期間中は、第1号被保険者(介護保険料)22%、第2号被保険者(各医
療保険の介護負担分)28%に見直されました。
第5期と比べ、第1号被保険者の負担が1ポイント増加したため、これ
による保険料の上昇率は4.8%となり、保険料標準月額は、単純計算で第
5期の4,850円から5,081円(+231円)となります。
さらに、平成26年と平成29年(予定)の消費税率引き上げに伴う介護
報酬の増により、単純計算で5,118円(+37円)に増額となります。
一方、公費50%の分担については、従前のとおり、国25%、北海道
12.5%、岩内町12.5%となります。
⑵ 第1号被保険者の負担割合の補正
第1号被保険者の負担割合は22%ですが、保険者である各市町村等の
後期高齢者割合や所得段階割合が一様ではないため、このままでは保険料
収入にばらつきが起こり、保険者間で介護保険の運営に格差が生じます。
このため、
「後期高齢者加入割合補正係数」と「所得段階別加入割合補正
係数」による第1号被保険者の負担割合の補正を行い、保険者間の格差是
正を行う必要があります。
岩内町の場合は、2つの補正係数による計算を行った結果、第1号被保
険者の負担割合22%は、平成27年度が 17.73%に、平成28年が
17.85%に、平成29年度が 18.16%に下がります。
これに伴う保険料収入の減少分は、国の調整交付金によって補てんされ
ます。
61
⑶ 保険料の標準段階の見直し
国は、第6期計画の第1号被保険者の保険料について、所得水準に応じ
た、きめ細やかな保険料設定を行う観点から、政令を改正し、標準段階を
これまでの「6段階」から「9段階」に見直しました。
(標準段階の見直しは、64ページのとおり)
この見直しは、改正前政令の特例規定により、岩内町が標準6段階より
も多い「7段階」を設定しているように、自治体の多くが各段階の細分化
を行っている状況を踏まえ、実態に即して多段階化するものです。
多段階化と同時に、
「住民税課税層の細分化・高負担化」と「中所得層の
負担軽減」も規定されましたが、制度上、市町村は、住民税課税層のさら
なる多段階化、住民税課税層の所得金額区分の任意設定、各段階の負担割
合の任意設定が可能となっています。
岩内町の対応としては、
・町の現行7段階より細分化された9段階となり、よりきめ細やか
な対応ができること、
・後述の「⑸ 公費による低所得者の保険料軽減」のとおり、住民税
非課税層の負担軽減が図られること、
以上により、政令に規定する標準段階を変更すべき「特別の必要」がない
ため、この計画における保険料段階の設定については、政令の標準段階を
そのまま適用することとします。
また、住民税課税層の所得金額区分の任意設定と、各段階の負担割合の
任意設定についても、同様とします。
なお、新第7段階以上の所得金額区分の基準については、
「新第1段階~
新第4段階」の軽減分と、
「新第6段階~新第9段階」の増加分が、全国で
均一になるように設定されています。
62
⑷ 第1号被保険者の保険料の見込み
第1号被保険者の保険料については、
①「標準給付費見込額」から、
②「1人当たり保険料基準額・年額」を算出し、
③「所得段階別の基準額に対する割合」を定めた上で、
④「所得段階別の保険料(年額・月額)」を、以下のとおり見込みます。
【1人当たり保険料基準額・年額】
区
分
総給付費見込額
高額介護サービス費等
特定入所者介護サービス費等
① 標準給付費見込額
地域支援事業費
第1号被保険者負担分相当額
調整交付金相当額
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
合
計
1,251,715 千円 1,266,413 千円 1,262,088 千円 3,780,216 千円
40,092 千円
40,128 千円
40,509 千円
120,729 千円
113,809 千円
105,561 千円
104,457 千円
323,827 千円
1,405,616 千円 1,412,102 千円 1,407,054 千円 4,224,772 千円
42,168 千円
42,363 千円
79,027 千円
163,558 千円
318,513 千円
319,982 千円
326,938 千円
965,433 千円
70,281 千円
70,605 千円
70,353 千円
211,239 千円
調整交付金見込交付割合
9,27%
9.15%
8.84%
-
後期高齢者加入割合補正係数
0.9441
0.9505
0.9668
-
所得段階別加入割合補正係数
0,8536
0.8536
0.8538
-
調整交付金見込額
130,301 千円
財政安定化基金拠出金
財政安定化基金償還金
129,207 千円
124,384 千円
17 千円
0 千円
準備基金取崩額
0 千円
17 千円
0 千円
25,000 千円
財政安定化基金借入金
市町村特別給付費等
0 千円
25,000 千円
0 千円
0 千円
0 千円
0 千円
0 千円
保険料収納必要額
0 千円
767,796 千円
予定保険料収納率
所得段階別補正後被保険者数
383,892 千円
98%
3,885 人
3,883 人
②1人当たり保険料基準額・年額
63
-
3,881 人
11,649 人
67,200 円
【所得段階別の基準額に対する割合】
所得段階別の加入者数
③基準額に対する割合
段階区分(対象者)
平成27 年度 平成28 年度 平成29 年度
生活保護被保護者。
第
1
段
階
世帯全員が町民税非課税の、
老齢福祉年金受給者。
第5期
第6期
旧第1段階
0.50
1,564 人
1,563 人
1,563 人
0.50
旧第2段階
世帯全員が町民税非課税で、
本人年金収入等 80 万円以下の者。
0.50
第
2
段
階
世帯全員が町民税非課税で、
本人年金収入等 80 万円超~
120 万円以下の者。
525 人
525 人
524 人
第
3
段
階
世帯全員が町民税非課税で、
本人年金収入等 120 万円超の者。
419 人
419 人
419 人
第
4
段
階
本人が町民税非課税で、
世帯に課税者がいる、
本人年金収入等 80 万円以下の者。
453 人
453 人
453 人
第
5
段
階
本人が町民税非課税で、
世帯に課税者がいる、
本人年金収入等 80 万円超の者。
362 人
362 人
362 人
第
6
段
階
町民税課税で、
合計所得金額 120 万円未満の者。
555 人
554 人
554 人
第
7
段
階
町民税課税で、
合計所得金額 120 万円以上~
190 万円未満の者。
336 人
336 人
336 人
1.30
第
8
段
階
町民税課税で、
合計所得金額 190 万円以上~
290 万円未満の者。
192 人
192 人
191 人
1.50
第
9
段
階
町民税課税で、
合計所得金額 290 万円以上の者。
計
旧第3段階
0.65
旧第4段階
0.75
旧第5段階
1.00
0.75
0.75
0.90
《基準段階》
1.00
1.20
旧第6段階
1.25
旧第7段階
1.50
138 人
138 人
138 人
4,544 人
4,542 人
4,540 人
64
1.70
【所得段階別の保険料 (年額・月額) 】
④ 所得段階別保険料
段階区分(対象者)
第5期
第
1
段
階
上段: 年額
下段:(月額 )
第6期
差引き
生活保護被保護者。
世帯全員が町民税非課税の、
29,100円
老齢福祉年金受給者。
(2,425円)
世帯全員が町民税非課税で、
本人年金収入等 80 万円以下の者。
第
2
段
階
世帯全員が町民税非課税で、
本人年金収入等 80 万円超~
120 万円以下の者。
第
3
段
階
世帯全員が町民税非課税で、
本人年金収入等 120 万円超の者。
第
4
段
階
本人が町民税非課税で、
世帯に課税者がいる、
本人年金収入等 80 万円以下の者。
第
5
段
階
本人が町民税非課税で、
世帯に課税者がいる、
本人年金収入等 80 万円超の者。
第
6
段
階
町民税課税で、
合計所得金額 120 万円未満の者。
第
7
段
階
町民税課税で、
合計所得金額 120 万円以上~
190 万円未満の者。
第
8
段
階
町民税課税で、
合計所得金額 190 万円以上~
290 万円未満の者。
第
9
段
階
町民税課税で、
合計所得金額 290 万円以上の者。
33,600円
(2,800円)
+4,500円
(+375円)
37,800円
50,400円
(3,150円)
(4,200円) (+1,050円)
43,700円
50,400円
(3,642円)
(4,200円)
60,500円
(5,042円)
+12,600円
+6,700円
(+558円)
+2,300円
(+192円)
58,200円
(4,850円)
67,200円
(5,600円)
80,600円
72,800円
(6,067円)
(6,717円)
87,400円
+9,000円
(+750円)
+7,800円
(+650円)
+14,600円
(7,284円) (+1,217円)
100,800円
87,300円
(7,275円)
+13,500円
(8,400円) (+1,125円)
114,200円
+26,900円
(9,517円) (+2,242円)
65
⑸ 公費による低所得者の保険料軽減
①保険料に対する低所得者の減額賦課の実施
第1号被保険者の保険料は、保険給付に対する「被保険者50%、公
費(国、都道府県、市町村)50%」の負担割合に基づき、
「⑷ ①~④」
の流れにより決定します。
一方、今後の超高齢社会に向け、介護費用の増加と保険料水準の上昇
が避けられない中、介護保険制度が持続可能であるためには、低所得者
にとって無理のない保険料負担であることが必要です。
今般の介護保険法の改正により、「⑶ 保険料の標準段階の見直し」に
加え、通常の公費負担とは別に、公費を投入した「低所得者の保険料軽
減」の(補助金的な)新たな仕組みを設けることになりました。
具体的には、政令(平成26年度末に公布予定)の定めるところによ
り、市町村条例に規定を設けた上で、低所得者の保険料の減額賦課を実
施し、保険料から減じた総額(算定額)に対し、別枠で公費(国 1/2、
都道府県 1/4、市町村 1/4)を投入するというものです。
公費の財源は、消費税率の引き上げ(5%→8%→10%)のうち、
社会保障の充実枠で対応するとされており、岩内町においても、介護保
険条例の改正後、平成27年度の保険料賦課から実施します。
②各段階の軽減幅の設定
減額賦課の対象者は、政令の規定により、
「第1段階~第3段階」の者
となっています。
また、保険料の軽減額は、政令が定める軽減幅(基準額に対する割合
の更正の幅)の範囲内で、市町村が任意に設定することができます。
上記のとおり、市町村は減額幅の任意設定が可能であるため、この計
画の保険料軽減額の設定に当たり、町としての対応を検討した結果、最
大限の低所得者対策を講ずるべきと判断し、政令に規定する「各段階の
軽減幅の上限割合」を適用することとします。
66
【 「基準額に対する割合」の更正 】
区
分
更正前
更正の幅(上限)
更正後
第1段階
0.50
▲0.20
0.30
第2段階
0.75
▲0.25
0.50
第3段階
0.75
▲0.05
0.70
③減額賦課による町財政等への影響
低所得者への減額賦課の実施に伴い、保険料収入の減少が生じ、この
減少額は、1年間で約1,800万円になる見込みです。
減少額の約1,800万円は公費で補填することになり、このうち、岩
内町が負担する額は 1/4 の約450万円です。
なお、減額賦課の対象外である「第4段階~第9段階」の方に対する
上乗せ負担はありません。
67
④第6期計画における保険料(年額・月額)~最終
以上のことから、第6期計画における第1号被保険者の保険料につい
ては、次の表のとおりとします。
● 所得段階別の保険料(年額・月額) ~更正後
所得段階別保険料
区
分
第1段階
第2段階
第3段階
第5期
第6期 (更正後)
差引き
29,100円
20,200円
▲8,900円
(2,425円)
(1,684円)
37,800円
33,600円
(3,150円)
(2,800円)
43,700円
47,000円
(3,642円)
(3,917円)
60,500円
第4段階
58,200円
《基準段階》
第5段階
(4,850円)
(5,042円)
67,200円
(5,600円)
80,600円
第6段階
(▲741円)
▲4,200円
(▲350円)
+3,300円
(+275円)
+2,300円
(+192円)
+9,000円
(+750円)
+7,800円
72,800円
(6,717円)
(6,067円)
87,400円
+14,600円
(7,284円)
(+1,217円)
第7段階
100,800円
第8段階
87,300円
(7,275円)
第9段階
上段: 年額
下段:(月額)
(8,400円)
114,200円
(9,517円)
68
(+650円)
+13,500円
(+1,125円)
+26,900円
(+2,242円)
基準額に
対する割合
(更正後)
0.30
0.50
0.70
0.90
1.00
1.20
1.30
1.50
1.70
《資料編》
岩内町高齢者対策計画策定委員会委員名簿
区
分
氏
名
団
体
丸山
誠一
岩内町社会福祉協議会
佐々木和彦
岩内町民生委員協議会
村上
賢治
(社福)渓仁会 コミュニティホーム岩内
藤田
淳
介護付有料老人ホーム七福神 恵比寿館
花田
敏正
岩内町老人クラブ連合会
宮川
文雄
岩内町ボランティアセンター
高橋
幸子
岩内町認知症の人を支える家族の会
大井
成夫
(一般社団)岩内古宇郡医師会
山家
浩之
(社福)岩内協会病院 地域医療室
窪内
稔恵
(主任ケアマネジャー)
小川
徳之
(作業療法士)
奥
新
(社会福祉士)
社会福祉関係者
被保険者代表者
保健医療関係者
学識経験者
岩内町高齢者対策計画策定委員会の審議経過
平成26年10月29日
会長の互選及び職務代理者の指定
(会長 佐々木和彦、副会長 丸山誠一)
岩内町長からの諮問
平成26年12月25日
審 議
平成27年 1月
日
審 議
平成27年 2月
日
岩内町長への答申
69
岩
保
号
平成26年10月29日
岩内町高齢者対策計画策定委員会会長
様
岩内町長
上
岡
雄
司
第7期岩内町高齢者保健福祉計画及び第6期岩内町介護保険
事業計画の策定について(諮問)
平成27年度から平成29年度までの3年間を期間とする第7期岩内町
高齢者保健福祉計画及び第6期岩内町介護保険事業計画の策定について
諮問いたします。
記
諮問理由
平成24年度から平成26年度までの3年間を期間とする岩内町老人保
健福祉計画・第4期介護保険事業計画が平成27年3月31日を持って満了
となるため。
平成27年2月
岩内町長
上
岡
雄
司
日
様
岩内町高齢者対策計画策定委員会
会
長
佐 々 木
和
彦
第7期岩内町高齢者保健福祉計画及び第6期岩内町介護保険
事業計画の策定について(答申)
平成26年10月29日、岩内町長から諮問のあった第7期岩内町高齢者
保健福祉計画及び第6期岩内町介護保険事業計画の策定については、老人福
祉事業及び介護保険事業の実施状況を踏まえ、当委員会において慎重な審議
を重ねた結果、ここに答申いたします。
70
岩内町高齢者対策計画策定委員会条例
(平成10年12月18日 条例第12号)
(趣旨)
第1条 この条例は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、
岩内町高齢者対策計画策定委員会の設置及び運営に関する事項を定めるものとする。
(設置)
第2条 町長の諮問に応じ、岩内町の老人保健福祉計画及び介護保険事業計画に関し必要な調査及び
審議を行う機関として、岩内町高齢者対策計画策定委員会(以下「委員会」という。)を置く。
(組織及び定数)
第3条 委員会は、次の各号に掲げる者のうちから町長が委嘱した委員をもって組織する。
(1) 社会福祉関係者
(2) 被保険者代表者
(3) 保健医療関係者
(4) 学識経験者
2 前項の委員の定数は、12人とする。
(会長)
第4条 委員会に会長を置く。
2 会長は、委員が互選する。
3 会長は、委員会を代表し、会務を総理する。
4 会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、会長があらかじめ指定した委員が会長の職務
を代理する。
(任期)
第5条 委員の任期は、1年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。
(会議)
第6条 委員会は、会長が招集する。
2 委員会は、委員の半数以上が出席しなければ会議を開くことができない。
3 委員会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
(庶務)
第7条 委員会の庶務は、民生部において処理する。
(委任)
第8条 この条例に定めるもののほか、委員会に関し必要な事項は、町長が定める。
附則
(施行期日)
第1条 この条例は、公布の日から施行する。
(岩内町老人保健福祉計画策定委員会条例の廃止)
第2条 岩内町老人保健福祉計画策定委員会条例(平成5年岩内町条例第1号)は、廃止する。
(岩内町の特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
第3条 岩内町の特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和45年岩内町
条例第30号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
71