5. 標準的指標例及び代表的教訓(貿易・投資促進) 本レファレンスに記載のモデルと対応する中間サブ目標 モデル名 モデル①産業基盤制度の整備(うち、知的財産制度) モデル②産業基盤制度の整備(うち、基準認証制度) モデル③貿易手続円滑化 対応する中間サブ目標 1-1-2 産業基盤制度の整備(うち、知的財産制度) 1-1-2 産業基盤制度の整備(うち、基準認証制度) 2-1-2 貿易手続円滑化 モデル④海外市場へのアクセス向上 2-2-1 海外市場へのアクセス向上 モデル⑤投資促進政策の策定・実施 3-1-1 投資促進政策の策定・実施 モデル⑥投資促進能力・体制の強化 3-2-1 投資促進能力・体制の強化 42 技術協力プロジェクト/開発課題別の標準的指標例及び代表的教訓(貿易・投資促進) モデル① 「産業基盤制度の整備(うち、知的財産制度)」 開発戦略目標 開発戦略目標 中間目標 プログラム目標レベルの指標 中間サブ目標 協力プログラム 相手国政府の 個別のプロジェクトで解決 が対応する開発課題 セクター・地域開発計画における目標年・指標との関 すべき課題レベル レベル 連性 上位目標・プロジェクト目標と指標例 ~により (アウトプット) ~を図り (アウトカム) ~に寄与する (インパクト) 指標作成の方法・方針 代表的な教訓 指標の設定に 当たっての考え方、留意点やポイント 当該「中間サブ目標」に対応するプロジェクト実施の際に、必ず活用・反映すべ き教訓・リスクを、 1)計画段階 2)マネジメント の視点から記載。 事業目標例(プロジェクトのイメージ) レファレンスプロジェクト 参照すべきグッドプラクティス を有するプロジェクト情報 指標の例 1.ビジネス環境整備 1-1 関連政策・制 度整備 模倣品取り締まり件数(日本企業 の被害例等) 1-1-2 産業基盤制度の 整備(うち、知的財 産制度) (モデル記載案) 知財庁(局)の出願審査制度や、審査能力 及び知的財産権の取締り、執行能力の強化 を行うことにより、 (アウトプット) 知的財産制度の整備と運用強化を図り、 (アウトカム) 当該国で事業を行う企業からの投資呼び込 みなど投資環境の改善に寄与する。 (インパクト) ・知財の審査・登録は主に知財局・知財庁をカウンターパートとし、日 本の特許庁のノウハウを移転しており、過去JICAでは多数の実績・ 成果を有している。一方で、知財の執行取締り(エンフォースメント) に関しては、審査・登録に比べると過去の実績は必ずしも多くない。 執行取締には関税局、警察、裁判所といった執行機関の能力向上と 連携強化が必要となり、相手国側の複数カウンターパートのプロジェ クトへの参画、活動における機関間の調整が不可欠となる。また、日 本側もそれに合わせたリソースの確保が必要となる。 エンフォースメント関連機関の機能が向上し、法務人権省知的財産権 総局(DGIPR)の審査の能力が向上し、大学を中心とした研究・教育機 関において知財の活用が促進し、知財が普及されることにより、 DGIPRを主体としたインドネシア政府の知的財産権の保護実施体制が 強化され、知的財産権制度の活用促進を図り、 知的財産権の適切かつ効果的な保護・活用の観点から見た投資環境 の魅力が増大することに寄与する。 1.インドネシア 知的財産 権保護強化プロジェクト (協力期間: 2011年4月8 ~2015年 4月) 知的財産権情報システムに必要な機器・設備が整備され、利用され、 検索システムが知的財産権実体審査業務で利用可能になり、知的財 産権情報がインターネットを通じて一般に提供され、電子化されたIP出 願の受付けが可能になり、知的財産権情報システムが適切に運用・管 理されることにより、 知的財産権庁(NOIP)において、知的財産権情報システムの活用を通 じて、知的財産権の効率的な処理・管理・情報提供が行われることを 図り、 ベトナムにおいて知的財産権が適切に管理・保護されることに寄与す る。 3.ベトナム 知的財産権 情報活用プロジェクト(協 力期間: 2005年1月~ 2009年3月) 知的財産権エンフォースメントの適切な執行が実効あるものとして実 施され、知的所有権関連の普及啓発が促進され、知的財産権行政に かかるサービス能力が向上し、審査及び方式審査マニュアル等の整 備が促進されることにより、 知的財産権のエンフォースメントの確立、制度の啓発・普及を中心に、 法制度の運用・執行面での改善が図られ、 実効ある知的財産権行政が実施されることにより、模倣品等の被害が 減少し、公正な事業活動・投資環境整備が図られることに寄与する。 4.インドネシア 工業所有 権行政改善プロジェクト フェーズ 1 (協力期間: 2005年2月 ~2007年7月) プロジェクトの組織・運営体制が整備され、特許事務処理の現状分析 と改善策の提示ができる人材が育成され、適切な機材が導入され、適 切に維持・管理され、書誌データベースが構築され、活用され、文献 データベースが構築され、活用され、特許事務処理システムを運用で きる人材が育成されることにより、 フィリピン知的所有権庁(IPO)において、特許事務処理が促進される ことを図り、 フィリピンにおいて工業所有権が早期に正確さを増して付与されること に寄与する。 6.フィリピン 工業所有 権近代化プロジェクト(協 力期間: 1999年5月~ 2007年3月) プロジェクト・マネジメント・ユニット(PMU)の設置・強化、必要な機器 の設置・維持管理、業務分析能力の強化、IPAS(Industrial Property Administration System)のデザインとインストールを行う能力の強 化、IPASの運用・管理を行う能力の強化、IPASの日常業務での円滑 な活用を行うことにより、 知的所有権庁(NOIP)の出願事務処理能率が向上することを図り、 NOIPがより迅速かつ的確に産業財産権を付与できるようになることに 寄与する。 7.ベトナム 工業所有権 業務近代化プロジェクト (協力期間: 2000年4 月~2004 年6月) ベトナムやインドネシアの事例では、知財局・知財庁をカウンター パートの核とし、そこから執行機関間のネットワーク強化を行う方法 をとったが、途上国の執行取締の状況、課題によっては別のカウン ターパート機関を選定し、その機関に焦点を当てた協力を行うことも 考えられる。各国で行う執行取締りの協力にあたっては、相手国のカ ウンターパート機関や日本国内のリソースの状況を踏まえ、効果的 でかつ現実的なプロジェクトの内容・範囲を検討する必要がある。 (「課題別指針 貿易・投資促進」P43より) (標準的指標例) 1.上位目標の指標例 (基本) ①知的財産権保護・活用の観点から見た事 業環境に関する投資家・企業等の評価 ・適切な指標に基づくモニタリング 事前評価時には成果、プロジェクト目標の一部で不明確な指標が設 定されており、運営指導調査の結果、より具体性のある指標へと修 正された。また、事業効果の発現を確認する指標の多くが、プロジェ クト実施中や事後評価時点でデータ収集がなされていなかった。プロ ジェクト実施中から、出願増や審査期間の長期化は始まっており、そ れらの指標を踏まえて、プロジェクト内での対応を検討すべきだった と考えられる。プロジェクト計画時に関係機関が組織運営のためデー タ収集している指標を確認した上で、継続的にデータ収集が可能な 指標を選定し、モニタリング体制を確立することを検討することが望 ましい。(右記レファレンスプロジェクト3.より) 2.プロジェクト目標の指標例 (基本) ①審査、エンフォースメント、活用の一体的強化 に関する国家知的財産権タスクフォースの活動 事例等 ②審査、エンフォースメント、活用の一体的強化 に関するユーザー(企業、個人等)の○●国の 知財行政サービスに関する満足度評価 ③特許、意匠、商標の出願数と登録件数の推 移 ・コンティンジェンシープランの検討 システム開発を行うローカルベンダーの経験不足により、専門家が 望むレベルの成果品が計画通りに作成されず、またNOIPのカウン ターパート、派遣専門家、ローカルベンダー間でのシステムの技術仕 様に関して意思疎通が難しかった。その結果、プロジェクト終了時ま でに、既存の検索システムと比較して、IP Seaのユーザーインター フェースは審査官を満足させるものに至らず、プロジェクト終了後の システム利用の制約となった。システム開発を行うプロジェクトにおい て、カウンターパート、派遣専門家、ベンダーで技能面の格差、意思 疎通の制約が想定されうる場合には、どのような対応が可能かを計 画段階から精査し、実施監理を行っていくことが望ましい。(右記レ ファレンスプロジェクト3.より) ・法制度運営に必要となる政府機関の確認 事前評価時には電子出願に関する法規整備は重要な外部条件とし て認識され、現況が把握されていたが、電子出願にあたり必要となる 公的認証機関の設立は外部条件として認識されていなかった。本事 業実施中に電子出願に関する法規整備は進んだものの、公的認証 機関の設立が遅れた結果、出願のオンライン化は見送られた。効果 発現にかかるリスクを広く適切にとらえ、計画時、実施中を通じて、効 果発現にかかり必要な対応を取ることが必要だったと思料される。法 規整備を外部条件とする場合、単に外部条件として整理するだけで なく、法制度運営に必要な政府機関の有無や設立の見通しを予め確 認し、政府機関が設立されないことによるプロジェクトへの影響、プロ ジェクト内での対応の可否といった事業効果発現のリスク要因を十分 把握することが望ましい。(右記レファレンスプロジェクト3.より) 43 技術協力プロジェクト/開発課題別の標準的指標例及び代表的教訓(貿易・投資促進) モデル② 「産業基盤制度の整備(うち、基準認証制度)」 開発戦略目標 中間目標 開発戦略目標 協力プログラム が対応する開発課 題レベル プログラム目標レベルの指標 中間サブ目標 相手国政府の 個別のプロジェクトで解決す セクター・地域開発計画における目標年・指標との関連 べき課題レベル 性 上位目標・プロジェクト目標と指標例 ~により (アウトプット) ~を図り (アウトカム) ~に寄与する (インパクト) 指標作成の方法・方針 代表的な教訓 事業目標例(プロジェクトのイメージ) 当該「中間サブ目標」に対応するプロジェクト実施の際に、必ず活用・ 指標の設定に 反映すべき教訓・リスクを、 当たっての考え方、留意点やポイ 1)計画段階 ント 2)マネジメント の視点から記載。 レファレンスプロジェクト 参照すべきグッドプラクティスを 有するプロジェクト情報 指標の例 1.ビジネス環境整 1-1 ①TBT(Technical barriers to trade、 1-1-2 備 関連政策・制 貿易の技術的障害)通報件数 産業基盤制度の整 度整備 備(うち、基準認証 制度) (モデル記載案) 標準化に必要な技術指導や制度構築/強化支 援を行うことにより、 (アウトプット) 基準認証制度の整備と運用強化を図り、 (アウトプット) 同国で生産する工業製品の国際競争力強化に 寄与する。 (インパクト) (標準的指標例) 1.上位目標の指標例 ①貿易額(輸出入額、貿易収支、経常収支) ②貿易構造(各国輸出先内訳、輸入元内訳/各 国商品別) 2.プロジェクト目標の指標例 ①基準及び規格の開発件数 ②基準及び規格の認定件数 ③製品試験件数 44 ・ものを正確に測るための基盤となる国家計量標準制度の 導入は、タイやマレーシア等で協力を行っているが、数多く の測定項目をカバーするため、指導のための専門家や整 備するべき機材・設備は多数にわたり、規模の大きな支援 事業となる。この際、数多くの測定項目の中で優先的に整 備する項目の選定、整備後の測定・維持管理体制の構築を 適切に行わないと、協力によるインプットが効果的・継続的 に活用されなくなるリスクもあるため、留意が必要である。 一方で、一定の時間をかけて支援を行うことによって、計量 標準制度が根付き、製造業振興の基盤として成果を上げて いる例が多い。 規格化、認証制度は、どのような製品のどのような性能を 評価する規格・認証制度を協力の対象とするか、相手国内 の、日本を含めた(周辺)地域の生産・貿易の市場ニーズの 状況による。電気製品の安全基準といった国内の消費者保 護を目的とするもの、電気製品の省エネルギー性能評価と いった国内のエネルギー政策に資するものなど、相手国の 政策的要求に合致するものが対象となることが多い。一方 で、域内の貿易が活発な製品で、国内の基準認証を国際 的な相互認証が認められるレベルとし、国内輸出産業や地 域経済の発展を目的とすることもある。また、日本の優れた 技術を適切に評価する規格・認証制度を対象とし、相手国 のみならず、日本との互恵的な協力を行う場合もある。本 分野の協力を行うにあたっては、以下なる分野を協力対象 とするか、相手国、周辺地域、日本企業等のニーズ、意義 を十分に確認し、事業の形成・実施を行うことが重要であ る。なお、当該分野の協力は特定の行政機関、関係機関に 知見が存在するため、日本国内のリソース確保は必ずしも 容易でない。案件の実施に際しては、国内リソース確保の 可否も注意を払う。(「課題別指針 貿易・投資促進」P47よ り) タイ国家計量標準機関(NIMT)側のプロジェクト に対する運営管理体制が強化され、NIMTの計 量標準機材が適切に操作・維持管理され、カウ ンターパート(NIMT職員)の技術力が向上し、 NIMTにおける計量標準の精度が向上し、NIMT が国家計量標準を適切に供給することにより、 NIMTが国際的に承認されるレベルの正確さで 国家計量標準を設定・維持することを図り、 タイにおける国家計量システムが強化されること に寄与する。 3.タイ 国家計量標準機関 プロジェクトフェーズ2(協 力期間: 2004年10月~ 2007年10月) マレーシア工業標準研究所(SIRIM)がIEC335 及びIEC598の製品試験が出来るようになり、 SIRIMのスタッフがIEC335及びIEC598の部品 および絶縁体試験についての手法を理解し、 SIRIMのスタッフがIECEE-CB体系の概要につ いてより深く理解することにより、 ECEE-CB体系に位置づけられる試験機関 (CBTL)及び認証機関(NCB)になるため、 IEC335(家電用電気機器の規格番号)及び IEC598(照明器具の規格番号)についての SIRIMの試験能力が向上することを図り、 SIRIMがIEC認証機関のIECEE-CBという体系 に加盟することに寄与する。 1.マレーシア 電気用品 国際基準試験能力向上プ ロジェクト(協力期間: 2005年1月~2009年3月) 電気・電子分野における基準認証政策の立案能 力が強化され、電気・電子分野における基準及 び規格を作成する能力が向上され、認定能力が 向上され、電気・電子分野における認証能力が 向上され、電気・電子分野における試験能力が 改善されることにより、 科学技術省標準・計量・品質総局(STAMEQ)お よび他の関連機関の電気・電子分野における基 準認証制度の運用体制が強化されることを図 り、 「ベ」国で製造された電気・電子製品の品質及び 消費者の安全確保状況が改善されることに寄与 する。 4.ベトナム 基準認証制度 運用体制強化プロジェクト (協力期間: 2009 年11 月~2013 年4 月) 技術協力プロジェクト/開発課題別の標準的指標例及び代表的教訓(貿易・投資促進) モデル③ 「貿易手続円滑化」 開発戦略目標 開発戦略目標 中間目標 協力プログラム が対応する開発課 題レベル プログラム目標レベルの指標 相手国政府の セクター・地域開発計画における目標年・指標との関連性 中間サブ目標 個別のプロジェクトで解 決すべき課題レベル 上位目標・プロジェクト目標と指標例 ~により (アウトプット) ~を図り (アウトカム) ~に寄与する (インパクト) 指標作成の方法・方針 指標の設定に 当たっての考え方、留意点やポイント 代表的な教訓 事業目標例(プロジェクトのイメージ) 当該「中間サブ目標」に対応するプロジェクト実施の際に、必ず活用・反映 すべき教訓・リスクを、 1)計画段階 2)マネジメント の視点から記載。 レファレンスプロジェクト 参照すべきグッドプラクティ スを有するプロジェクト情報 指標の例 2.貿易促進のため 2-1 の体制整備 貿易阻害要 因の削減 ①貿易額(輸出入額、貿易収支、経常収 2-1-2 支) 貿易手続円滑化 ②貿易構造(各国輸出先内訳、輸入元内訳 /各国商品別) ・貨物の輸出入手続には多くの官公庁が関係する。このため、輸 出入手続を簡素化・合理化しようとする際、省庁間の調整に多く の時間を要することも少なくない。こうした事態を避けるために は、①貿易手続合理化に関する相手国の政策的取り組み状況 (例:ASEANシングル・ウインドウ計画など)を確認するとともに、 ②右取り組みにおいてフォーカルポイントとなる省庁をカウンター パートとすることが必要である。(「課題別指針 貿易・投資促進」 P58より) 貿易関連法令の統廃合、簡素化について実現可能性の高い 提言が取りまとめられ、達成状況のモニタリング体制が確立さ れ、 データベース及びその更新・更改の維持体制が整備さ れ、貿易関連手続きが改善され、貿易推進制度が改善され、 貿易関連省庁と輸出入者間の官民対話が促進されることによ り、 インドネシア国において、貿易手続きに係る行政が効率化する ことを図り、 インドネシア国において、貿易が円滑化することに寄与する。 2.インドネシア 貿易手 続行政キャパシティ向上 プロジェクト(協力期間: 2009年7月~2012年7 月) (標準的指標例) 1.上位目標の指標例 (基本) ①貿易額(輸出入額、貿易収支、経常収 支) ②貿易構造(各国輸出先内訳、輸入元内訳 /各国商品別) ③○●国における貿易手続きに対する輸出 入業者の満足度 ④世銀/IFC Doing Business調査の “Trading Across Borders”指標 ⑤年間貿易手続き申請者数 プロジェクトの運営・管理が強化され、効果及び効率の改善と NSW システムの構築を伴い、貿易関連の法令、システム及び 手続きが簡素化、整理され、貿易関連の法令、システム及び 手続きにかかる人材育成(の質)が高められ、関連省庁・機関 の間のより良い調整、連携により、貿易関連の法令、システム 及び手続きが改善し、以上の達成をつうじて貿易関連の法令、 システム及び手続きの透明性が 向上されることにより、 特にタンジュン・プリオク港における貿易関連の法令、システム 及び手続きが改善されることを図り、 貿易手続システムに関するビジネス環境が改善されることに 寄与する。 1.インドネシア 貿易手 続行政改善プロジェクト (協力期間: 2005年10 月~2008年1月) 関税分類にかかる統括機能(タイ税関における関税分類の統 一的適用をサポートするために必要なハード・ソフトの体制)が 強化され、関税分類及び関税評価にかかる透明性・予見性が 向上することを図り、 貿易円滑化のための税関手続きがさらに効率化・近代化され ることに寄与する。 3.タイ 関税分類及び関 税評価における透明性 及び予見性向上プロジェ クト(協力期間: 2012年 10月~2015年10月) 2.プロジェクト目標の指標例 (基本) ①貿易手続きに要する時間・費用 ②貿易関連手続きに係る輸出入業者による 提出書類・情報の数・量 輸出入・港湾関連情報処理システム/通関情報総合判定シス テム導入にあたって、法規程の整備及びベトナム税関総局の 人材育成や体制整備を行うことにより、当該システムの円滑な 運用維持管理を図り、もって通関手続きの迅速化・効率化に寄 与するものである。 4.タイ 通関電子化促 進プロジェクト(協力期 間: 2012 年4 月~2015 年3 月) (モデル記載案) 貿易関連法令の統廃合・簡素化、貿易関連 法令データベース及びその更新・更改の維 持体制の整備、輸出入関連手続き、貿易推 進制度の改善、貿易関連省庁間と輸出入者 間の官民対話の促進を行うことにより、 (アウトプット) ○●国において、貿易手続きに係る行政が 効率化することを図り、 (アウトカム) ○●国において、貿易が円滑化することに 寄与する。 (インパクト) 45 技術協力プロジェクト/開発課題別の標準的指標例及び代表的教訓(貿易・投資促進) モデル④ 「海外市場へのアクセス向上」 開発戦略目標 開発戦略目標 中間目標 プログラム目標レベルの指標 中間サブ目標 協力プログラム 相手国政府の 個別のプロジェクトで解 が対応する開発課 セクター・地域開発計画における目標年・指標との 決すべき課題レベル 題レベル 関連性 上位目標・プロジェクト目標と指標例 ~により (アウトプット) ~を図り (アウトカム) ~に寄与する (インパクト) 代表的な教訓 指標作成の方法・方針 指標の設定に 当たっての考え方、留意点やポイント 事業目標例(プロジェクトのイメージ) 当該「中間サブ目標」に対応するプロジェクト実施の際に、必ず活用・反映すべ き教訓・リスクを、 1)計画段階 2)マネジメント の視点から記載。 レファレンスプロジェクト 参照すべきグッドプラクティ スを有するプロジェクト情報 指標の例 2.貿易促進のため 2-2 の体制整備 国際競争力 強化 ①貿易額(輸出入額、貿易収 支、経常収支) ②貿易構造(各国輸出先内訳、 輸入元内訳/各国商品別) (モデル記載案) 2-2-1 海外市場へのア 貿易促進機関職員の貿易促進に係る知識 実務及び企業への研修実施能力を強化す クセス向上 ることにより、 (アウトプット) 現地企業の貿易実務やマーケティング能 力の向上を図り、 (アウトカム) 現地企業の海外市場へのアクセスが向上 し、ビジネスマッチングが増加すること に寄与する。 (インパクト) ・地方分権化における中央政府と州政府の協力のあり方 州政府の強いリーダーシップと中央政府のきめ細かい支援との融合 は、プロジェクトを成功へと導く。本プロジェクトで、州政府は土地、建物 の設備、RETPC のスタッフ及び活動経費を負担し、中央政府は RETPC 支援要員の派遣、活動経費等の一部負担を行なった。両政府 の密接な協力関係の下、プロジェクト運営が行われたことが、本プロ ジェクト成功の大きな要因であった。(右記レファレンスプロジェクト1.よ り) 商業省・輸出振興庁(NAFED)の組織改編が促進され、NAFED の輸出中小企業向 けの輸出情報サービスが改善され、NAFED の輸出中小企業向けの輸出振興サー ビスが改善され、NAFED の輸出中小企業向けの製品開発サービス(ブランド/デ ザイン振興)が改善し、インドネシア国内の輸出促進関連機関とのネットワーク及び 連携機能が強化されることにより、 NAFED の輸出関連サービスが改善されることを図り、 NAFEDのサービスを利用する輸出中小企業の数と輸出実績額が増加することに寄 与する。 2.インドネシア 輸出振 興庁機能改善プロジェク ト (協力期間:2010 年5 月 ~2015 年5 月) (標準的指標例) 1.上位目標の指標例 (基本) ①貿易促進機関のサービスを利用した輸 出現地企業の輸出実績額 ・貿易研修サービスと貿易情報・振興サービスの統合の有効性 多くの国々で地方分権化が推進されている中で、地方に各地方貿易研 修・振興センター(RETPC)のように貿易研修サービスと貿易振興サー ビスの二つのサービスを統合し、相乗効果を生み出すサービスを実施 する政府機関は稀であり、このプロジェクトから学ぶべき点が多いと思 われる。(右記レファレンスプロジェクト1.より) 各地方貿易研修・振興センター(RETPC)において、貿易研修・情報/振興サービス を提供するためのプロジェクト運営実施体制が、プロジェクト・チームとの協力によ り、確立され、RETPC のC/P が貿易研修サービスの運営・管理に習熟し、RETPC 及びプロジェクト・チームのC/P が、貿易研修サービスのためのIT 利用(遠隔研修を 含む)に習熟し、RETPC 及びプロジェクト・チームのC/P が、貿易情報・振興サービ ス(常設展示、ミニ・リソース・センター、及びオフライン情報発信)の運営・管理に習 熟し、RETPC 及びプロジェクト・チームのC/P が貿易情報・振興サービスにおけるIT 利用(バーチャル見本市、ウェブ上のビジネス・マッチング等)に習熟し、プロジェクト・ チームの C/P がRETPC の能力形成プログラムを他地域で繰り返すためのノウハウ を獲得することにより、 モデルRETPC(スラバヤ、メダン、マカッサル、バンジャルマシン)が、貿易研修・貿易 情報/振興サービスを地域の中小企業に提供することを図り、 RETPC設立地域の中小企業の輸出を促進することに寄与する。 1.インドネシア 地方貿 易研修・振興センタープ ロジェクト (協力期間:2002年7月 ~2006年6月) 2.プロジェクト目標の指標例 (基本) ①輸出情報サービス、輸出促進サービ ス、製品開発サービスといった貿易促進 機関のサービスを利用した現地企業の満 足度のレベル ②貿易促進機関のサービスを継続的に、 繰り返し利用する顧客の数 ③貿易促進機関のサービスを利用した輸 出現地企業数 ・PDM の策定プロセス 本プロジェクトで行った改定は、当初の記載がエジプト輸出振興セン ター(EEPC)の活動に照らして必ずしも適切ではないとの認識から生じ ている。事前評価調査において、集中的な協議、調整を行っているもの の、特に新たに設置される組織、機関の機能強化を図る事業では、プ ロジェクト開始直後の一定期間を組織機能把握にあて、PDM の調整、 確定を行うことが適当であろう。(左記レファレンスプロジェクト6.より) 貿易促進に係る関係機関の連携が強化され、貿易促進に係る実施計画の策定・実 施・レビュー・フィードバックの一連のサイクルが確立され、民間セクター向け、貿易 促進局(DPTP)職員向けの貿易促進に係る知識・実務能力が強化され、貿易促進 に係る情報の収集機能及び提供機能が強化され、貿易促進のための効果的なビジ ネスマッチング機能が強化されることにより、 DPTPの貿易促進に係る機能が強化されることを図り、 DPTPが民間セクターに対してラオス国の貿易促進のための効果的なサービスを提 供することに寄与する。 3.ラオス貿易促進強化 プロジェクト(協力期間: 2009年3月~2012年3 月) ・関係団体との協力 本件では、JETRO など他の機関との連携もスムースに行われ、又同活 動によるインパクトも大きなものであった。一方で、PDM 上は明確に他 機関による投入が整理されているわけではなく、プロジェクト上、その位 置づけは明確となっていないのが現実である。成果の因果関係の特定 という視点では、類似の事業においては、PDM 上の他機関による投入 の位置づけを検討する必要もあろう。(右記レファレンスプロジェクト6. より) 貿易・投資に関する研修機能が強化され、情報提供・ビジネスコンサルティング機能 が強化され、展示・イベント機能が強化されることにより、 貿易投資促進人材育成センターが、輸出及び投資に関する研修、企業へのビジネス コンサルティング支援、展示・イベントにおいて質の高いサービスを持続的に提供で きるようになることを図り、 「ド」国の輸出業者数・輸出額、及び投資件数・投資額が増加することに寄与する。 4.ドミニカ共和国 貿易 投資促進人材育成セン ター強化プロジェクト(協 力期間: 2008年 7月 ~ 2011年 6月) エジプト輸出振興センター(EEPC)の組織構成が改善され、輸出審議会(EC) との共 同作業を通じて、EEPC 職員の能力が拡大し、EEPC とEC の組織的連携が強化さ れることにより、 EC及びビジネス界に対する、EEPC による支援システムが構築されることを図り、 エジプトビジネス界に対する、EEPCによる支援システムが十分に機能することに寄 与する。 6.エジプト 輸出振興セ ンター(EEPC)プロジェク ト(協力期間: 2006年 11月~ 2010年 11月) プロジェクトの実施体制が整備され、必要な機材が提供され適切に管理・運営・維持 され、研修ニーズに関する詳細な情報が収集・分析され、研修プログラムの企画・運 営・評価が行われ、ニーズ調査結果及び研修プログラムの評価結果を元に、エジプ ト貿易研修センター(FTTC)の本格的な活動のための諸計画が作成されることによ り、 FTTCが本格稼働する準備が整えられることを図り、 FTTCが本格稼働を開始することに寄与する。 5.エジプト 貿易研修セ ンター(FTTC)計画 フェーズ1(協力期間: 2002年8月~2004年7 月) 貿易研修計画、カリキュラム及び貿易研修マニュアルが作成され、中小企業輸出業 者向けの貿易研修が実施され、貿易研修計画の策定や貿易研修の実施を通して貿 易産業省・輸出促進協会(EPC)職員の能力が向上することにより、 貿易研修の効果的・効率的実行により、ケニア中小企業輸出業者の輸出貿易に関 する技術が強化されることを図り、 ケニア中小企業の輸出量と中小企業の輸出割合が増加することに寄与する。 7.ケニア 中小輸出業者向け貿易 研修プロジェクト(協力期 間: 2007年 2月~ 2010年 2月) 貿易研修プログラムの質の改善及び実施、中小企業向けの支援体制及び中小企業 のネットワークの強化、カウンターパート機関の中小企業支援に関する能力強化に より、 貿易研修プログラムの実施を通じ、中小業者及びカウンターパートの能力が強化さ れることを図り、 ケニアの中小業者の競争性が強化されることに寄与する。 8.ケニア 中小輸出業者向け貿易 研修プロジェクトフェーズ 2(協力期間: 2010年 8 月~ 2012年 12月) 46 技術協力プロジェクト/開発課題別の標準的指標例及び代表的教訓(貿易・投資促進) モデル⑤ 「投資促進政策の策定・実施」 開発戦略目標 中間目標 開発戦略目標 プログラム目標レベルの指 標 協力プログラム 相手国政府の が対応する開発 セクター・地域開発計画における目標年・指標と 課題レベル の関連性 中間サブ目標 個別のプロジェクトで解 決すべき課題レベル 上位目標・プロジェクト目標と指標例 ~により (アウトプット) ~を図り (アウトカム) ~に寄与する (インパクト) 指標作成の方法・方針 代表的な教訓 事業目標例(プロジェクトのイメージ) 当該「中間サブ目標」に対応するプロジェクト実施の際に、必ず活用・反映すべき教訓・リスクを、 指標の設定に 1)計画段階 当たっての考え方、留意点やポイント 2)マネジメント の視点から記載。 レファレンスプロジェクト 参照すべきグッドプラクティスを 有するプロジェクト情報 指標の例 3.投資促進のた めの体制整備 ①直接投資受入額・推移 3-1 3-1-1 投資政策・ ②海外直接投資受入額・推移③ 投資促進政策の 制度の整備 海外直接投資受入れ件数・推移 策定・実施 ④進出外国企業数 ⑤進出企業国別内訳 ⑥外国投資企業雇用者数 ⑦海外直接投資受入額―固定資 本形成比率 ⑧海外直接投資―GDP比率 (モデル記載案) 投資促進に係る政策、法律、制度、規制及び行政 サービスが改善されることにより、 (アウトプット) 海外直接投資及び国内投資を増加させる経済・ビジ ネス環境が整備されることを図り、 (アウトカム) 海外直接投資及び国内投資が増加することに寄与す る。 (インパクト) ・近年、開発途上国から投資促進アドバイザーの派遣要望が増加しているが、「投資政 策全般の助言」と「投資促進(プロモーション)」(サブ目標3-2-1に近い)は求められる 専門家の知見が異なる。前者については投資政策アドバイザー/投資振興政策アド バイザーといった名称として、専門家人材として本邦行政官(経済産業省等)が主たる 人材となる。後者については投資振興/促進アドバイザーといった名称として投資促 進に係る業務経験のある商社OB等がリソースの候補となりうる。両者とも当該国の ニーズに適合した専門性のある人材の確保は必ずしも容易ではないところ事業形成・ 採択に当たっては留意が必要となる。加えて、後者については中央省庁から独立した 投資促進機関に配属されるなど途上国政府内の位置づけが異なるところ、相手国の ニーズを見極める必要がある。(「課題別指針 貿易・投資促進」P70より) アクションアジェンダ、TOH(トライアングル・オブ・ホープ)関連プロジェ クトの実施状況をモニタリングするしくみ(ステアリングコミッティの設 置)が構築されるとともに、投資促進に係る政策、法律、制度、規制及 び行政サービスが改善され、投資家に必要な情報が適切に整備され、 公開され、行政管理インフラに係る実施計画を作成することにより、 海外直接投資及び国内投資を増加させる経済・ビジネス環境が整備さ れることを図り、 12政策提言書/活動計画で示されているターゲットセクターにおいて、 海外直接投資及び国内投資が増加し、また、それに伴い、雇用機会及 び富が増加することに寄与する。 2.ザンビア 南南協力を通 じた投資促進環境整備プロ ジェクト(協力期間:2006年7 月~2009年3月) (標準的指標例) 1.上位目標の指標例 (基本) ①海外直接投資(FDI)件数・額 ②国内投資件数・額 ・アジアの経験の重要性 日本人専門家は、日本の経済・産業政策に係る経験を技術移転する優位性は有して いるが、東南アジアの専門家は、日本や欧米の経験や知見を受け入れ、異なる環境に 適用する経験を有している。また、1970年代の東南アジアの経済成長を経験した人材 を活用することは、意義が高いと思われる。その意味では、アフリカ諸国にとって、日本 の経験のみならず、東南アジアからの経験を学ぶことは有効である。(右記レファレン スプロジェクト2.より) ザンビア開発庁(ZDA)の組織・能力構築、ZDAの情報機能の強化、 民間セクターとの関係構築、投資環境改善に係る政策提言・助言によ り、 投資家に好ましい環境が整備されることを図り、 国内外からの外国直接投資が促進されることに寄与する。 3.ザンビア 投資促進プロ ジェクト-トライアングル・オ ブ・ホープ-(協力期間: 2009 年8 月~ 2012年8 月) 2.プロジェクト目標の指標例 (基本) ①投資に係るサービスや政策環境に対する投資家/顧客 の満足度 ②Doing Business指標(注:同指標は国内中小企業の ビジネス環境についての指標) ・投資促進ミッションを通じた能力強化の有効性 投資促進に関する能力強化において、研修による知識、技能の移転だけでなく、実際 に投資促進ミッションを通じて、投資実践経験を積むことは極めて有効である。(右記レ ファレンスプロジェクト3.より) 外国直接投資に関わるスタッフが、投資管理・促進のための適切な知 1.ベトナム 外国投資環境整 識とスキルを習得することにより、 備プロジェクト(協力期間: 外国投資庁及びモデル地域における投資関係機関において外国直接 2007年8月~2010年8月) 投資案件の効果的管理・促進にかかる体制が強化されることを図り、 ベトナムにおいて、プロジェクトで実施された情報管理手法や人材育成 が他の地域でも実施され、外国投資の管理および促進が効果的に実 施されることに寄与する。 ・非伝統的な分野への投資の多角化 本プロジェクトでは教育や医療等の非伝統的な分野への民間投資を促進させ、投資の 多角化を図った。このようにして産業構造の多角化を推進することは、国の産業・経済 構造の多角化を推し進めることにおいて有効である。(右記レファレンスプロジェクト3. より) ・経済協力開発機構(OECD)の投資のための政策枠組み(PFI)の活用 本プロジェクトでは能力開発活動の実施に先立って、国際的な投資政策のベンチマー クであるOECD のPFI に基づいてサーベイを実施した。PFI はザンビア開発庁(ZDA) の投資促進活動をレビューするのに非常に有用であったと考えられ、今後も他の投資 促進機関の能力強化プロジェクトにあたって有効利用することが可能である。(左記レ ファレンスプロジェクト3.より) 47 技術協力プロジェクト/開発課題別の標準的指標例及び代表的教訓(貿易・投資促進) モデル⑥ 「投資促進能力・体制の強化」 開発戦略目標 中間目標 開発戦略目標 プログラム目標レベルの指 標 協力プログラム 相手国政府の が対応する開発 セクター・地域開発計画における目標年・指標と 課題レベル の関連性 中間サブ目標 個別のプロジェクトで解 決すべき課題レベル 上位目標・プロジェクト目標と指標例 ~により (アウトプット) ~を図り (アウトカム) ~に寄与する (インパクト) 指標作成の方法・方針 代表的な教訓 事業目標例(プロジェクトのイメージ) 当該「中間サブ目標」に対応するプロジェクト実施の際に、必ず活用・反映すべき教訓・リスクを、 指標の設定に 1)計画段階 当たっての考え方、留意点やポイント 2)マネジメント の視点から記載。 レファレンスプロジェクト 参照すべきグッドプラクティスを 有するプロジェクト情報 指標の例 3.投資促進のた めの体制整備 ①直接投資受入額・推移 3-2 3-2-1 投資促進機 ②海外直接投資受入額・推移③ 投資促進能力・ 海外直接投資受入れ件数・推移 体制の強化 能の強化 ④進出外国企業数 ⑤進出企業国別内訳 ⑥外国投資企業雇用者数 ⑦海外直接投資受入額―固定資 本形成比率 ⑧海外直接投資―GDP比率 (モデル記載案) 投資促進機関の計画・運営に関する能力強化を行う ことにより、 (アウトプット) 投資促進機関が、投資に関する研修、企業へのビジ ネスコンサルティング支援、展示・イベントにおい て質の高いサービスを持続的に提供できるようにな ることを図り、 (アウトカム) 投資促進機関がサービスを提供した企業による投資 件数・投資額が増加することに寄与する。 (インパクト) ・開発途上国の投資促進機能・体制の強化は、上述のとおり、専門家の指導等によっ て投資促進活動の具体・実践的な活動をとおして行われる。このため、東南アジア等を 中心に日系企業等の具体的な海外直接投資の実現に至った例など、目に見える成果 をあげている協力もある。一方で、投資誘致は投資促進活動だけでなく、当該国の市 場の魅力、現地の労働力の質、各種法制度、治安等の投資環境(中間目標3-1の事 項)も大きな決定要因となっており、特に日系企業等の関心がそれほど強くない地域、 国においてすぐに目に見える成果が発現するものではないことに留意する必要があ る。 貿易・投資に関する研修機能が強化され、情報提供・ビジネスコンサ ルティング機能が強化され、展示・イベント機能が強化されることによ り、 貿易投資促進人材育成センターが、輸出及び投資に関する研修、企 業へのビジネスコンサルティング支援、展示・イベントにおいて質の高 いサービスを持続的に提供できるようになることを図り、 「ド」国の輸出業者数・輸出額、及び投資件数・投資額が増加すること に寄与する。 2.ドミニカ共和国 貿易投資 促進人材育成センター強化 プロジェクト(協力期間: 2008年 7月~ 2011年 6月) モンゴルにおける投資環境改善に係る実行計画が策定され、投資 サービスの提供にかかる外国投資貿易庁(FIFTA)の機能改善に向け た分析が行われ、関連機関との協力のもとで、FIFTAの投資サービス にかかるワーキング・プランが改善されることにより、 投資促進にかかる調査・コーディネーションが強化されることを図り、 民間セクターに対する投資促進サービスが改善されることに寄与す る。 1.モンゴル 外国直接投資 促進のためのキャパシティ・ ディベロップメントプロジェク ト(協力期間: 2010年11月 ~2013年5月) 日系企業向け投資案内情報ツールが整備され、投資促進庁による日 系企業対象の投資促進セミナーが検討され、妥当と判断された場合実 施されることにより、 投資促進庁の日系企業を対象とする投資誘致体制・能力が強化され ることを図り、 投資促進庁の日系企業を対象とする投資誘致体制・能力が強化され、 日系企業のマケドニアに対する投資ポテンシャルについての理解が進 むことに寄与する。 3.マケドニア 投資促進能 力向上プロジェクト(協力期 間: 2008年8月~2009年7 月) カンボジア開発評議会(CDC)による必要な情報およびデータを投資家 に提供するサービスが向上し、CDCの広報活動、コンサルテーション・ サービス及び政策提言が向上することにより、 投資促進サービスを提供するCDCの能力が強化されることを図り、 カンボジアへの海外直接投資(FDI)が増加することに寄与する。 4.カンボジア 開発評議会 投資関連サービス向上プロ ジェクト(協力期間: 2010年 12月~2013年3月) また、協力期間中の目に見える成果に加え、持続的な投資促進機能・体制の強化が重 要であることは論をまたず、カウンターパートの能力強化、組織内の業務改善といった 技術移転の要素も重視することが重要である。近年では、技術協力プロジェクトや開発 計画調査型技術協力による技術移転、提言策定の例も増えており、具体的にはベトナ ム「外国投資環境整備プロジェクト」、カンボジア「開発評議会投資関連サービス向上 プロジェクト」、また、ザンビアにおいては「投資促進プロジェクト トライアングル・オブ・ ホープ」を通じた支援を行っている。また、開発計画調査型技術協力(旧開発調査)に よる協力の事例としては、インドネシアの「投資政策改善調査」、カンボジアの「投資誘 致窓口の機能強化調査」などがあげられる。(「課題別指針 貿易・投資促進」P77よ り) (標準的指標例) 1.上位目標の指標例 (基本) ①投資促進機関がサービスを提供した企業による投 資件数・投資額 2.プロジェクト目標の指標例 (基本) ①投資促進機関による情報提供(セミナー、投資ポ テンシャル情報、投資ミッション等)・コンサル テーションに対する満足度 ②投資促進機関による行政手続き(ワンストップ サービス)及び投資後のアフターケアの満足度 ③政策提言の件数 48
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