事例集 材料分析ステーション 表面・微小領域分析グループ

事例集
中核機能部門.
電界放射型走査電子顕微鏡
試料材質:SW-CNT、グラファイト、パイロフィライト
事例:STEMモードによる高分解能像観察
試料履歴:TEM用メッシュに固定
分析倍率:400k~2,000K倍
二次電子像
暗視野STEM像
グラファイト(002)面の格子像(BF-STEM像)
明視野STEM像
反射電子像
検出器の位置の違いによるSE像
の解像度比較(SW-CNT)
パイロフィライト(002)面の格子像(BF-STEM像)
SW-CNT (002)面の格子像(BF-STEM像)
特徴:
1. 超高分解能 0.4 nm(30 kV) 1.6 nm(1 kV)
2. 明視野STEM像と暗視野STEM像の同
時観察が可能。また暗視野STEMモード
では検出角が変更可能。
千現
S-5500
主な仕様:
二次電子像分解能
高加速電圧(30 kV): 0.4 nm
低加速電圧(1 kV) : 1.6 nm
加速電圧:0.5~30kV
倍率:×60~×2,000,000
試料ステージ移動量 (X、Y軸)
±3.5 mm×±2.0 mm
最大搭載可能試料サイズ
平面 5.0mmx9.5mmx3.5mmH
断面 2.0mmx6.0mmx5.0mmH
試料ステージ
サイドエントリーゴニオメーター
ステージ
事例集
中核機能部門.
電界放射型電子線プローブマイクロアナライザー装置
試料材質:SnAgCu系はんだ
事例:鉛フリーはんだとNi-P/Cu接合界面の分析
千現
並木
JXA-8900R改(千現)
JXA-8500F(並木)
試料履歴:断面研磨
主な仕様
1. 電界放射型電子銃
2. 加速電圧:1〜30 kV
3. 照射電流:10 pA 〜500 nA
4. 波長分散型X線分光器:5基搭載
5. 測定可能元素:Be~U
6. 分析最大領域:80×80 mm
7. 最大試料サイズ:100×100×50 mm
適用範囲:
金属、半導体等の表面分析
分析範囲:50μ m×50μ m
各元素の特性X線強度の散布
図から元の画像へ対応
Sn intensity
Sn、Cu、Niの特性X線強度の散布図
Cu6Sn5
(Cu, Ni)6Sn5
NiP
(Cu,Ni)6Sn5
Cu
Cu intensity
10mm
Cu6Sn5
(Cu,Ni)6Sn5
Ni intensity
(Cu,Ni)6Sn5
Sn intensity
特徴:
1. FE電子銃搭載の高感度微小領域EPMA
2. 分析対象元素の特性X線強度を、画像
位置に対応させた二次元の相関図(散
布図)へ展開する解析法を確立。
事例集
中核機能部門.
電界放射型電子線プローブマイクロアナライザー装置
試料材質:ステンレス鋼
事例:ステンレス鋼の結晶粒界の解析
(a)
試料履歴:熱影響部研磨面
(b)
Mo X-ray Intensity (counts/pixel)
MoSi2
MoSi2
50
M23C6
0
0
1000
500
Cr X-ray Intensity (counts/pixel)
50
0
M23C6
Mo X-ray Intensity (counts/pixel)
150
100
2mm
40
90
140
190
Si X-ray Intensity (counts/pixel)
Mo X-ray Intensity (counts/pixel)
20
CrとMo欠乏相
0
200
各元素の特性X線
強度の散布図から
元の画像へ対応
粒界の露出したステンレス鋼表面のBSE像(a)。
Cr、Mo及びSi特性X線強度の散布図(左図)
から、CrとMoの欠乏相が粒界に沿って存在
する事が判明した(図bの緑)。
10
300
400
Cr X-ray Intensity (counts/pixel)
並木
JXA-8900R改(千現)
JXA-8500(並木)
分析範囲:10μ m×10μ m
100
千現
特徴:
1. FE電子銃搭載の高感度微小領域EPMA
2. 分析対象元素の特性X線強度を、画像位
置に対応させた二次元の相関図(散布図)
へ展開する解析法を確立。
主な仕様
1. 電界放射型電子銃
2. 加速電圧:1〜30 kV
3. 照射電流:10 pA 〜500 nA
4. 波長分散型X線分光器:5基搭載
5. 測定可能元素:Be~U
6. 分析最大領域:80×80 mm
7. 最大試料サイズ:100×100×50 mm
適用範囲:
金属、半導体等の表面分析
事例集
中核機能部門.
走査型オージェ電子分光分析装置
千現
試料材質:Fe-60wt.ppmS-83wt.ppmB合金
事例: 鉄合金粒界破断面の異物分析
試料履歴:冷却破断面
分析範囲:2.4μ m×1.85μ m×深さ<10 nm
a) SE Image
b) SE Image
型式:PHI680
R: Fe
G: N
B: S
Y: B
d) AES Line Scan
Fe
Intensity (a.u.)
c) AES Map
N
S
B
Al
0
0.2
0.4 0.6 0.8
Distance (mm)
1.0
1.2
主な仕様:
1. ショットキー電界放射電子銃
同軸型CMA型分析器
2. 空間分解能:<10 nm
3. 加速電圧:0.5~20 kV
4. 照射電流:0.1~10 nA
5. 測定元素:Li~U
6. 最大試料サイズ:φ 20×5
mm
7. 試料破断装置有り
適用範囲:
1. 金属、半導体等の表面分析
2. 絶縁物及び有機物測定は困
難
加速電圧:20 kV
超高真空下で冷却破断した鉄合金試料粒界破断面の
SE像(a)。粒界面に観測された微少な異物のSE像(b)。
Fe、N、S、Bの元素マップ(c)より、異物の中心に核が
存在を確認。水平方向の線分析結果(d)より、核はBN
とAlNで異物全体はFeS2と判明。
特徴:
1. 検出深さは、~10nm以下。
2. 表面微小領域の化学組成分析や、高倍率で元素の2次元分布分析
(マップ)が可能。
3. 深さ方向分析も可能。
4. 分析室内で試料冷却破断が可能。
事例集
中核機能部門.
走査型オージェ電子分光分析装置
+超低角度イオンスパッタリング(独自開発)
試料材質:Si/Ge多層膜
千現
事例:シリコン/ゲルマニウム多層膜の深さ方向分析
Siデプスプロファイル
試料履歴:スパッタ
型式:JAMP-9500F
分析深さ:約250 nm
Geデプスプロファイル
Si/Ge試料の断面TEM像
電子線とイオンの入射角度を超低角度にす
ることを可能にする高傾斜ホルダー回転法
を開発し、Si/Ge多層膜における単原子層
であるGe層を観測する事が出来た。
主な仕様:
1. ショットキー電界放射電子銃静電
半球型分析器
2. 空間分解能:<8 nm
3. 加速電圧:0.5~30 kV
4. 照射電流:0.1~100 nA
5. 測定元素:Li~U
6. 最大試料サイズ:14×14× 5 mm
適用範囲:
1. 金属、半導体等の表面分析
特徴:
1. 検出深さは、~10nm以下。
2. 表面微小領域の化学組成分析や、
高倍率で元素の2次元分布分析
(マップ)が可能。
3. 高い深さ分解能で深さ方向分析が
可能。
4. 試料冷却機能を備えており、イオ
ンスパッタと組み合わせた深さ方
向分析も可能。
事例集
中核機能部門.
走査型マイクロX線光電子分光分析装置
試料材質:Ni3(Si,Ti)金属間化合物
事例:金属間化合物表面の分析
試料履歴:メタノール改質反応後
XPS分析範囲:φ 100μ m×深さ<10 nm
Ni 2p3/2
c
b
Intensity (a.u.)
d
Ni
e
20 min
3 min
Ni(OH)2NiO
1 min
0 min
860 858 856 854 852 850 848
Binding Energy (eV)
[1] Y. Kanano et al, Materials Transactions, Vol. 51, No. 5
(2010) pp. 1002-1010 日本金属学会より転載許可
2.5時間の反応後のNi3(Si,Ti)箔表面SE像(a)、BS
像(b)、TEM明視野像(c)、制限視野像(d)及びNi
2p3/2 XPSスペクトル(e)[1]。金属間化合物表面は
反応経過とともに炭素ナノファイバーで覆われるが、
主成分であるNi が純金属粒子として基板箔から
遊離し、その密度増大と相まって顕著な触媒活性
をもたらすものと考えられる。
千現
型式:Quantera SXM
主な仕様:
1. 走査型単色Al Kα 集束X線源
2. 最小X線ビーム径:<10 μ m
3. エネルギー分解能:<0.5 eV(Ag
3d5/2)
4. 最大感度:>3 Mcps, 1.3 eV FWHM
(Ag 3d5/2)
5. 測定元素:Li~U
6. 最大試料サイズ:φ 75 x 15 mm
適用範囲:
1. 金属、半導体、有機物等の表面
分析
2. 絶縁物測定は容易
特徴:
1. 表面の組成分析のほか、元素の
価数や化学状態分析が可能。
2. 検出深さは~10 nm以下。
3. 最小10μ mのX線ビームを走査す
ることが可能な微小領域X線光電
子分光分析装置。
4. 低エネルギーの電子とイオンの同
時照射により、絶縁物試料を全自
動で容易に帯電中和可能。
5. 試料冷却機能を備えており、イオ
ンスパッタと組み合わせた深さ方
向分析も可能。
事例集
中核機能部門.
走査型マイクロX線光電子分光分析装置
試料材質:Bi-Sr-Ca-Cu系高温超伝導体
試料履歴:スパッタ
事例:
高温超伝導体のウィスカー側面の分析
Bi 5d
分析範囲:幅50μ m及び幅100μ m、10 nm深さ
valence
導電性カーボン粘着テープ
ウィスカー試料
Intensity (a.u.)
a-b plane
(as received)
Sr 4p
a-b plane
(stripped)
a-c plane
(sample A)
a-c plane
(sample B)
40
30
20
10
Binding Energy (eV)
二次電子像
光学顕微鏡像
ウィスカーの幅の狭い側面(a-c面、幅50μ m)
と広い側面(a-b面、幅100μ m以上)の比較を
行った結果、Bi元素の化学状態や価電子帯に
差があることを世界で初めて解析した。
0
千現
型式:Quantera SXM
主な仕様:
1. 走査型単色Al Kα 集束X線源
2. 最小X線ビーム径:<10 μ m
3. エネルギー分解能:<0.5 eV(Ag
3d5/2)
4. 最大感度:>3 Mcps, 1.3 eV FWHM
(Ag 3d5/2)
5. 測定元素:Li~U
6. 最大試料サイズ:φ 75 x 15 mm
適用範囲:
1. 金属、半導体、有機物等の表面
分析
2. 絶縁物測定は容易
特徴:
1. 表面の組成分析のほか、元素の
価数や化学状態分析が可能。
2. 検出深さは~10nm以下。
3. 最小10μ mのX線ビームを走査す
ることが可能な微小領域X線光電
子分光分析装置。
4. 低エネルギーの電子とイオンの同
時照射により、絶縁物試料を全自
動で容易に帯電中和可能。
5. 試料冷却機能を備えており、イオ
ンスパッタと組み合わせた深さ方
向分析も可能。
事例集
中核機能部門.
マルチターゲットX線光電子分光装置
(独自開発)
試料材質:Si基板
事例:
Si単結晶表面自然酸化膜厚みの非破壊解析
試料履歴:処理無し
Zr La励起
INTENSITY (normalized)
分析範囲:1 × 3.5 mm
酸化物Si
金属Si
Ag La励起
Ti Ka励起
Ti Kb励起
1,900
エネルギーの低いZrLα 励起では、信号
のほとんどが表面酸化被膜から発生して
いる事が判り、この酸化膜の厚さは約1.
4 nmと見積もられる。励起エネルギーを
変えると、非破壊で深さ方向分析が可能
であることが判る。
1,850
BINDING ENERGY [eV]
1,800
千現
型式:5500改
主な仕様:
1. X線源エネルギー
Mg Kα 線:1,253.6 eV
Zr Lα 線:2,042.4 eV
Ag Lα 線:2,984.3 eV
Ti Kα 線:4,510.8 eV
Ti Kβ 線:4,931.8 eV
2. エネルギー分解能:<0.8 eV(Ag
3d5/2)
3. 最大感度:>7 Mcps, 1.4 eV FWHM
(Ag 3d5/2)
4. AES分析可能
5. 測定元素:Li~U
6. 最大試料サイズ:φ 20 x 5 mm
適用範囲:
金属、半導体、有機物等の表面分析
特徴:
1. 5種類の特性X線(Mg Kα 、Zr
Lα 、Ag Lα 、Ti Kα 、Ti Kβ )の
使用が可能で、約1.2~4.9 keVで
の5種類のエネルギーによる励起
が可能な装置。
2. 単色化電子銃を搭載し、高エネル
ギー分解能でEELS測定が可能。
事例集
中核機能部門.
時間飛行型二次イオン質量分析装置
試料材質:anilinium tetrathiafulvalene2-carboxylate (TTFCOONH3Ph)
事例:有機単結晶試料のTOF-SIMS分析
試料履歴:小林由佳博士(有機材料G)分析依頼
TTFCOO、TTF及びそのフ
ラグメントイオンのみ観測
測定
TTF
TTFCOO
C3H5
C3H7
Si
分析範囲:350×350μ m
C6H5
測定
測定
S
H
N
S
アニリンのフラグメ
ントイオンも観測
H
TFF
TTFCOO
TTF
測
定
a
Salt bridge coils
0.02×0.2×0.9 mm3
単結晶
c
b
Unit cell
a: ~0.63 nm
b: ~0.88 nm
c: ~2.6 nm
有機単結晶のようなユニットセルが大きな結晶を測定する場合、
結晶方位により分子イオン及びフラグメントイオンが大きく異なる。
TOF-SIMSの分析深さは約1~2 nmで、XPSより浅いと言われて
いるが、これらの測定から確認できた。
千現
TRIFT V nanoTOF
主な仕様:
1. 空間分解能
アンバンチモード:<100 nm
バンチングモード:<1.0 μm
2. 質料分解能
SiH+:
>11,000
>200 Da:>15,000
3. スパッタビーム
Bi+、Cs+、Ar+またはO2+
4. 試料サイズ
通常:<~15×15×1mm
最大:φ90×10mm
特徴:
1. 元素情報に加えて化学構造に
関する情報が得られる。
2. 無機物はもとより、有機物の最
表面(1nm)を分析可能。
3. 有機物の表面分析として、最も
微小な領域(<1μm)の分析が
可能。
4. 高感度(ppmレベル)
5. 特定の化学種の2D表示が可能
6. 深さ方向分析が可能
7. 3D分析が可能