NEWS RELEASE 2015年1月5日 2014年の信用格付変更実績 格付投資情報センター(R&I)は、2014年の信用格付変更実績をまとめた。対象は国内外の発行体格付 または保険金支払能力。国内事業法人等は格上げ37回、格下げ9回と格上げが格下げを大幅に上回った。 格上げの6割弱が製造業。海外事業法人等は格上げ1回、ソブリン等は格上げ5回、格下げ4回だった。政 府系機関等、地方自治体、J-REITの格付変更はなかった。 国内 事業法人等 政府系機関等 地方自治体 ソブリン等 J-REIT 合計 格上げ 37 0 0 0 0 37 海外 格下げ 9 0 0 0 0 9 格上げ 1 0 0 5 0 6 格下げ 0 0 0 4 0 4 【国内事業法人等】 <製造業> 製造業は、格上げ20社21回、格下げ7社7回。格上げは2013年の8社8回から大幅に増加した。リーマン ショック以降、構造改革を進め収益基盤が強化され資本負債構成が改善した企業を中心に格上げが優勢 となった。一方、市場の縮小や競争激化など事業環境の悪化や投資回収の遅れなどを主因に格下げとな る企業が見られた。 2012年に8社14回、2013年に5社5回を格下げするなど2年続けて大幅な格下げ超過だった電気機器が格 上げ5社6回、格下げ1社1回と格上げ超過に転じた。不振事業の赤字縮小で収益基盤が安定し、純有利子 負債を大幅に削減したパナソニック、プリンター事業の構造改革などをテコに損益が改善、優先株の普 通株への転換もあって財務基盤の立て直しが進んだ沖電気工業、高付加価値品の品揃え拡充やコストダ ウンによって空調機器部門の収益基盤が強化されている富士通ゼネラルなどを格上げした。 医薬品業界は、医療費抑制傾向が強まり、特許満了後の後発医薬品による浸食スピードが上がってい るほか、新薬開発の難度が高まるなど、世界的に事業環境が厳しさを増している。かつてのような高収 益を取り戻すのは難しいと判断した業界最大手の武田薬品工業をAA+からAAに1ノッチ格下げしたほか、 格付は変更しなかったものの、エーザイ、第一三共、大塚ホールディングスの格付の方向性を安定的か らネガティブに変更している。一方、ジェネリック医薬品大手で、開発力、供給力、コスト競争力など で優位にある沢井製薬を格上げした。 このほか、比較的高水準の収益力・キャッシュフロー創出力を確保できると判断したブリヂストン、 富士重工業などを格上げし、設備の不調で半導体用多結晶シリコンを製造する予定だったマレーシア第 一プラントの商業生産開始が事実上不可能になったトクヤマ、買収を相次いで行っている中、国内事業 の収益力に下振れリスクが出てきているLIXILグループなどを格下げした。 <非製造業> 非製造業は、格上げ10社10回、格下げ2社2回。2012年、2013年に格下げが相次いだ電力の格付変更が なかったことを主因に格下げが大幅に減少した。 採算重視の受注スタンスを堅持しつつ資金効率の改善と資産売却により有利子負債を大きく減らして きた大成建設など建設4社、資源価格の軟化を非資源分野でカバーし、事業ポートフォリオが改善、自己 ■お問合せ先 ■報道関係のお問合せ先 株式 会社 : インベスターズ・サービス本部 : 経営企画室(広報担当) TEL. 03-3276-3511 TEL. 03-3276-3438 格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 E-mail. [email protected] 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信 用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の 検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発 行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ©Rating and Investment Information, Inc. NEWS RELEASE 資本の充実でリスク耐久力も向上した総合商社の伊藤忠商事、丸紅などを格上げした。一方、オフィス 立地の多様化が進み、極めて強固と見ていた東京・丸の内、同・大手町地区の賃貸事業の優位性がかつ てに比べ薄れてきた三菱地所、供給力過剰が続いている海運事業で、市況に影響を受ける船舶の比率が 相応に高く、船隊規模に見合った利益・キャッシュフローを確保するには時間がかかると判断した商船 三井を格下げした。 <金融業> 金融業は、11、12月に2グループ6社を格上げしたのみで、動きの少ない1年だった。顧客部門の収益力 が向上し、リスク耐久力も着実に改善基調にあるみずほフィナンシャルグループと傘下の4社を格上げし た。また、2014年7月に住友生命保険の完全子会社となり、同社にとって戦略的な重要性の高いメディケ ア生命保険を住友生命と同格に上げた。 【海外事業法人等】 米国に本社を置く半導体メモリーの世界的な大手のMicron Technologyを格上げ。DRAM市場はサプライ ヤーが減り上位3グループで約9割のシェアを握る状態にあり、収益基盤が安定するとともに財務基盤も 強化されていることを評価した。 【ソブリン等】 ソブリンは、格上げ5カ国5回、格下げ3カ国4回。経済がようやく底入れしつつあり、財政健全化計画 が進捗、資金調達環境も改善したギリシャ共和国、競争力のある産業群に支えられた輸出に加え、内需 も上向き、経済が速いペースで回復、財政収支も計画以上に改善しているアイルランド、外部経済・金 融環境の急変に対する経済の耐性が高まったラトビア共和国の欧州3カ国を格上げした。また、比較的高 い経済成長が続き国民の所得水準も着実に高まっていく公算が大きいと判断したフィリピン共和国、貿 易の多角化や金融システムの強化を通じて外部環境変化への耐性を高め、海外からの投資も堅調なウル グアイ東方共和国を格上げした。 一方、ヤヌコビッチ政権の崩壊後、政治・社会の混乱が続き、対外支払い能力が著しく低下、資金繰り は国際通貨基金(IMF)などの金融支援頼みとなっているウクライナ、経済構造改革があまり進んでおら ず、まだしばらくは厳しい経済・財政状態が続きそうなクロアチア共和国、世界経済の減速や資源ブーム 鎮静化の影響で、経済成長が鈍化し、経常収支の赤字も膨らんでいる南アフリカ共和国を格下げした。 ■お問合せ先 ■報道関係のお問合せ先 株式 会社 : インベスターズ・サービス本部 : 経営企画室(広報担当) TEL. 03-3276-3511 TEL. 03-3276-3438 格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 E-mail. [email protected] 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信 用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の 検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発 行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ©Rating and Investment Information, Inc. NEWS RELEASE ◇2014年の業種別信用格付変更回数 国内 製造業 計 食品 繊維 パルプ・紙 化学 医薬品 ゴム ガラス・土石 鉄鋼 非鉄金属 金属製品 機械 電気機器 輸送用機器 精密機器 その他製造 非製造業 計 建設 陸運・倉庫 海運 空運 情報・通信 卸売 小売 不動産 サービス 電力・ガス 金融業 計 銀行 証券 生命保険 損害保険 その他金融 政府系機関等 地方自治体 ソブリン等 J-REIT 海外 格上げ 21 1 格下げ 7 1 2 1 1 1 1 1 1 格上げ 1 格下げ 0 1 1 1 3 6 3 1 10 4 1 1 1 1 2 0 0 1 3 1 1 1 6 4 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 0 0 0 4 0 ◇四半期別の国内信用格付変更回数 1-3月 年 2010 2011 2012 2013 2014 ■お問合せ先 ■報道関係のお問合せ先 株式 会社 格上げ 9 7 2 8 5 4-6月 格下げ 17 7 12 7 2 格上げ 3 1 5 5 10 : インベスターズ・サービス本部 : 経営企画室(広報担当) 7-9月 格下げ 7 21 27 8 1 TEL. 03-3276-3511 TEL. 03-3276-3438 格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 格上げ 9 8 13 5 10 格下げ 4 4 8 4 2 10-12月 格上げ 格下げ 9 3 5 29 13 20 18 13 12 4 E-mail. [email protected] 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信 用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の 検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発 行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ©Rating and Investment Information, Inc. NEWS RELEASE ◇2010年~2014年の国内信用格付変更回数 2010年 製造業 格上げ 15 格下げ 12 非製造業 格上げ 7 格下げ 13 金融業 格上げ 5 格下げ 5 政府系機関等 格上げ 0 格下げ 0 地方自治体 格上げ 0 格下げ 0 J-REIT 格上げ 3 格下げ 1 合計 格上げ 30 格下げ 31 2011年 10 22 2 21 7 8 0 10 0 0 2 0 21 61 2012年 9 30 7 20 15 14 0 0 0 0 2 3 33 67 2013年 8 11 5 16 18 2 0 0 0 0 5 3 36 32 2014年 21 7 10 2 6 0 0 0 0 0 0 0 37 9 <集計上の注意点> (注1)「国内信用格付変更回数」は、国内の事業法人等、政府系機関等、地方自治体、J-REITの発行体格付または保険 金支払能力による集計。 (注2)調査対象期間中に、同一法人に対して実施した格付変更を全て集計する。 (注3)ソブリンの対象は外貨建発行体格付。 ■お問合せ先 ■報道関係のお問合せ先 株式 会社 : インベスターズ・サービス本部 : 経営企画室(広報担当) TEL. 03-3276-3511 TEL. 03-3276-3438 格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 E-mail. [email protected] 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信 用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の 検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発 行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ©Rating and Investment Information, Inc. NEWS RELEASE <対象発行体一覧> <国内事業法人等> 格上げ一覧 公表日 証券コード 1/14 6703 3/20 2267 3/24 1801 3/24 1812 3/31 7211 4/8 6965 4/17 1808 4/17 1820 4/28 6461 5/13 6754 5/30 8001 5/30 8002 6/12 4046 6/17 8840 6/30 7270 7/7 4205 7/28 3880 7/28 7242 8/6 7832 8/12 5108 8/12 9678 8/18 9042 8/21 6471 8/28 5233 9/12 6703 10/7 5714 10/20 6752 10/22 6755 11/6 8411 11/6 11/6 11/6 11/6 12/1 12/5 4555 12/12 6367 12/26 7485 ■お問合せ先 ■報道関係のお問合せ先 株式 会社 発行体名称 沖電気工業 ヤクルト本社 大成建設 鹿島建設 三菱自動車工業 浜松ホトニクス 長谷工コーポレーション 西松建設 日本ピストンリング アンリツ 伊藤忠商事 丸紅 ダイソー 大京 富士重工業 日本ゼオン 大王製紙 カヤバ工業 バンダイナムコホールディングス ブリヂストン カナモト 阪急阪神ホールディングス 日本精工 太平洋セメント 沖電気工業 DOWAホールディングス パナソニック 富士通ゼネラル みずほフィナンシャルグループ みずほ銀行 みずほ信託銀行 みずほ証券 資産管理サービス信託銀行 メディケア生命保険 沢井製薬 ダイキン工業 岡谷鋼機 : インベスターズ・サービス本部 : 経営企画室(広報担当) TEL. 03-3276-3511 TEL. 03-3276-3438 格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 旧格付 BBA ABBB+ (BB) A BBB BBB BB+ BBB+ A ABBB (BBB) BBB+ A(BB) BBB AAABBBAABBB BB AABBB A A+ A+ A+ A+ A BBB+ A BBB+ 新格付 BB A+ A ABBBA+ BBB+ BBB+ BBBAA+ A BBB+ BBB+ AA BBBBBB+ A AA BBB A A BBB+ BB+ A A BBB+ A+ AAAAAAAAA+ AA+ A- E-mail. [email protected] 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信 用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の 検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発 行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ©Rating and Investment Information, Inc. NEWS RELEASE 格下げ一覧 公表日 1/16 1/23 4/17 7/4 9/3 10/31 11/7 11/18 12/24 証券コード 8802 3864 5301 7912 4062 4043 5938 9104 4502 発行体名称 三菱地所 三菱製紙 東海カーボン 大日本印刷 イビデン トクヤマ LIXILグループ 商船三井 武田薬品工業 旧格付 AA BBBA AA A+ BBB+ A+ AAA+ 新格付 AABB+ AAAA BBB A BBB+ AA <海外事業法人等> 格上げ一覧 公表日 証券コード 12/4 - 発行体名称 Micron Technology 旧格付 BB+ 新格付 BBB- <ソブリン等> 格上げ一覧 公表日 証券コード 5/12 7/9 8/29 12/22 12/22 - 発行体名称 ギリシャ共和国 フィリピン共和国 ウルグアイ東方共和国 アイルランド ラトビア共和国 旧格付 CC BBBBB+ BBB+ BBB 新格付 BBBB BBBABBB+ 発行体名称 ウクライナ ウクライナ クロアチア共和国 南アフリカ共和国 旧格付 B+ (B-) BBB A- 新格付 (B-) CCC BBBBBB+ 格下げ一覧 公表日 証券コード 2/24 5/1 6/16 10/30 ※ソブリンの対象は外貨建発行体格付 ■お問合せ先 ■報道関係のお問合せ先 株式 会社 : インベスターズ・サービス本部 : 経営企画室(広報担当) TEL. 03-3276-3511 TEL. 03-3276-3438 格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 E-mail. [email protected] 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信 用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の 検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発 行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ©Rating and Investment Information, Inc.
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