メーカーごとの違いを解説 これだけ知っていれば大丈夫 目的別 BIOS設定ガイド GIGABYTE TECHNOLOGY編 BIOS設定画面には多くの項目があり、メーカーごとにメニュー構成や呼び方が異なる。だが基本的な内容はどの製品もほぼ同 じだ。各メーカーの代表的な製品を取り上げ、目的別に設定方法を紹介する。今月はGIGABYTE TECHNOLOGYだ。 文/ SPOOL (宮川 泰明) LGA1155プラットフォームまで従来 up Program」がある。3D BIOSは直感 文字中心の設定画面だ。3D BIOS の画 の BIOS を 採 用し て き た GIGABYTE 的に操作できるとするインターフェース。 面下に並んでいるアイコンをクリックし TECHNOLOGY も、LGA2011プラッ マザーボードの大きな画像が現れ、各所 て切り替える。3D BIOS には無い項目 トフォームでは UEFI(Unified Exten- をクリックすると該当する部分の設定を変 もあるので、より詳しく設定したい場合 sible Firmware Interface)を全面的に 採用した。今月は「GA-X79-UD5」を使 って BIOS 設定画面を紹介する。 と 「BIOS Set 設定画面は 「3D BIOS」 えられる。設定項目と内容の関係が分か はこちらを使う。右上にある3D BIOS りやすい。余白部分をクリックすると、反 のロゴをクリックすると3D BIOS の画 対側から見た画像に切り替えられる。 面に戻る。また、どちらの画面でも[F1] BIOS Setup Program は従来と同じ キーで切り替えられる。 メインのBIOS 設定画面(GIGABYTE TECHNOLOGY、GA-X79-UD5) 3D BIOS 画像は回転できる 画像の各部をクリッ クすると関連する設 定項目が現れる 設定を保存して 終了 BIOS Setup Program BIOS Setup Programに移動 3D BIOSに移動 設定を保存して 終了 上からCPU、メモリ ーの情報、マザーボ ードの 型 番、BIOS の情報 設定を保存しな いで終了 初期設定を読み 出す 言語の選択 日時の変更 38 NIKKEI WinPC 2012.6 選択した項目のヘルプ を表示する 特別付録 PC自作の CPU の設定を変更する CPU の設定は動作周波数を変更する クリックする 他にも、動作させるコアの数を変えたり、 Concierge CPUの動作倍率 を変更 SpeedStep などの機能を有効/無効に したりできる。 3D BIOS では画像の CPU ソケット周 辺をクリックすると動作周波数を設定で きる。開いたウインドウの 「Frequency」 タブを使う。動作倍率は「CPU Clock Ratio」で変更する。スライドバーで数値 を変えられる。ベースクロックは 「BCLK/ PCIe Clock Control」で 設 定 す る。 「Manual」で は CPU と PCI Express 初期値は「Auto」。 「Manual」に変更 するとCPU のベースクロックとPCI Expressの動作周波数を変更できる。 クリックか[Enter]キーで切り替える CPU/PCI Express共通のベースクロックを変更 CPUのベースクロックを共通のベースク ロックの何倍で動作させるかを設定する 共通のベースクロックを変えられる他、 CPU にはさらに規定の倍数をかけら CPUの動作倍率 れる。例えば共通のベースクロックを 100MHz、倍率を1.25倍にすると CPU のベースクロックは125MHz になる。 3D BIOS では動作周波数以外の設 定項目は少ない。CPU の仮想化支援機 コアごとにTurbo Boost 時 の 最 大 倍率を設定する 自動/有効/無 効を設定する 能の有効/無効を切り替えられるだけ だ。その際はチップセットのヒートシ ンクをクリックする。Turbo Boost や 自動/有効/無効 を設定する SpeedStep など他の機能の設定には BIOS Setup Program を使う。 メモリーの設定を変更する 3D BIOS でのメモリーの設定は CPU とセットになっているため、クリックする 初期値は「Auto」。 「Quick」では全チャンネルを一 斉に、 「Expert」ではチャンネルごとに設定できる クリックする 3D BIOSの場合 場所は CPUと同じでよい。Frequency タブで動作周波数を、 「Memory Tim- ing」タブで動作タイミングを変更でき る。使用しているメモリーがオーバー クロック用の設定「XMP」を備える場合 初 期 値 は「Auto」。クリック か [Enter]で数値に切り替え、スラ イドバーで値を変更する は、Frequencyタブで有効にできる。動 作タイミングで設定できるのは「CAS 「tRCD」 「tRP」 「tRAS」の4項 Latency」 目だけ。4チャンネル分の設定項目が2個 に分かれているため、 同名のタブが2個ある。 BIOS Setup Programでは「M.I.T.」 タブで設定する。 「Advanced Memory Settings」では3D BIOSより細かく タイミングを変更できる。 「Channel A 「同 B」などチャンネ Timing Settings」 ルごとに設定画面がある。 BIOS Setup Programの場合 動作タイミングの設定 動作周波数の設定 初期値は「Auto」。 [+] [−]で動作倍率を切り 替える。下に動作周波数が表示される NIKKEI WinPC 2012.6 特別付録 39 これだけ知っていれば大丈夫 目的別 BIOS設定ガイド ドライブの起動順を変える 3D BIOS では起動ドライブの順番を変 更できない。BIOS Setup Programの 「Boot BIOS Featuresタブで変更できる。 「同 #2」の順で起動する。光 Option #1」 学式ドライブやHDD、SSD が複数ある HDDや光学式ドライブの 順番の変更 場合は、つないだドライブがリストに現れ ないことがある。その場合は「CD/DVD ROM Drive BBS Priorities」と「Hard Drive BBS Priorities」で起動に使いた いドライブをBoot Option #1に指定する。 システムの起動時に[F12]キーを押す HDDやSSD、USBメモリ ーなどが複数ある場合に どれを優先するかの設定 光学式ドライブは リストに出ない と、設定を変更せずに起動するドライブを 選べる。 オンボードデバイスを設定する 各種インターフェースの設定は 3D BIOS が便利だ。画像の Serial ATA 端 子か I/O パネルをクリックすると該当す る場所の端子の設定画面が開く。Serial ATA 端子をクリックすると、コントロ 3D BIOSの場合 クリックする ーラーチップごとに設 定を変えられ Serial ATAの動作モードの変更 クリックする る。 「Onchip SATA Controller」はチ ップセット、 「GSATA Controller」は Marvell Technology Group 製のチッ プが制御する端子だ。I/O パネルは2 個 のタブに分かれており、 「Rear Panel」 では eSATA、オーディオ、LAN、IEEE 1394をそれぞれ有効/無効にできる。 eSATA は動作モードの変更もできる。 「USB」タブでは USB 2.0と3.0 端子を 有効/無効を設定する BIOS Setup Programの場合 有効/無効を設定する 有効/無効にできる。ただし、初期設定 で全て有効になっており、Serial ATA は AHCI モードに設定してあるため、通常 は変更する必要は無いだろう。 BIOS Setup Program で は「Peripherals」タブにまとまっている。チッ プ セットの Serial ATA が「Intel SATA に、 設定内容の 「AHCI」 Controller Mode」 が「AHCI Mode」になっているなど3D BIOSとは一部名称が違う部分もある が、設定できる内容は同じだ。外部コン トローラーの Serial ATA 端子は eSATA も「Marvell ATA Controller Configu- ration」内にまとめてある。 40 NIKKEI WinPC 2012.6 特別付録 チ ッ プ セ ット の Serial ATAの動作モードを変更 Marvell Technology Group製コントローラー チップの設定 Serial ATAの動作 モードを変更 PC自作の Concierge CPUなどの温度を確認する BIOS Setup Program の M.I.T. タ CPUの温度 で確認する。 ブ内、 「PC Health Status」 ここでは CPU、チップセット、システム チップセット の温度 の温度を表示できる。この画面では CPU やメモリーなどの動作電圧や、ファン端 子に接続しているファンの回転数も確認 シ ステ ム の 温度 できる。3D BIOS では、CPU とメモリ ーの設定画面を開くと別ウインドウで同 CPU/ケースファンの回転数(単位は回転/分) 時に表示される。 ファンの回転数の制御を変える 設定できるのは CPU ファンとケース ファン2個。3D BIOS ではチップセット 「 Manual 」 に設定する と指定できる 3D BIOSの場合 のヒートシンクをクリックして開いたウ クリックする インドウの「Smart Fan」タブで設定す る。初期値の「Normal」の他、回転数を 回転数制御機能の モード選択 、手動設定の「Manual」 、 抑える 「Silent」 常に最高回転で動作する「Disabled」 がある。Manual に設定すると「Slope PWM」という項目が選択できるようにな などの選択 る。 「0.75 PWM value /℃」 肢があり、数字が大きくなると回転数も 高くなる。実際に回転数が変わるのは再 BIOS Setup Programの場合 CPU の 温 度 が 高 かったり、ファンの 回転数が低い場 合に警告する設定 起動後だ。BIOS Setup Program では 温度表示と同じ画面で同様の設定ができ る。こちらは温度やファンの回転数に応 3D BIOSと同様 じて警告する設定も可能だ。 BIOSを更新する 現在のBIOSの バージョン BIOS Setup Program の「Save & Exit」ア イコンの下にある「Q-Flash」 をクリックすると、BIOS 更新機能の 「Q-Flash Utility」が起動する。BIOS イ メージはファイル名を変えたりフォルダ ー内に入れたりしても認識するが、保存 あ ら か じ め BIOS の イメ ージファイルを保 存した USBメモリーを挿しておく BIOSのイメージファイルを保存した ドライブとファイルを選ぶ した USB メモリーは Q-Flash Utility を 起動する前に挿しておかないと認識しな いので注意が必要だ。実行前にアップデ ート前後のバージョンをしっかり確認し ておこう。BIOS 設定画面で[F8]キーを 押すか、システム起動時に[End]キーを 押しても同機能を起動できる。 再起動する シャットダウンする ファイルを選 ん でダブ ル クリックする NIKKEI WinPC 2012.6 アップデート するBIOSの バージョン 特別付録 41 メーカーごとの違いを解説 これだけ知っていれば大丈夫 目的別 BIOS設定ガイド MSI編 BIOS設定画面はマザーボードメーカーによってデザインが大幅に異なる。内容が同じでも項目の名称が異なる場合もある。 ただし、 できることに大きな違いは無い。 基本を押さえておけば他のマザーボードでも応用は可能だ。 今月はMSIを取り上げる。 文/ SPOOL (宮川 泰明) MSI は 早 い 時 期 からUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)を採 変更するボタンだ。ただ、今回テストし 左に「>」が付いている項目は選ぶと関連 た環境では動作しなかった。今後のアッ メニューか選択肢のウインドウが開く。 用してきたメーカーだ。メイン画面は他 プデートで改善する可能性がある。 「UTILITIES」 「BROWSER」タブや、 メーカーと構成が大幅に異なる。右下と 設定変更で主に使うのは 「SETTINGS」 、 「Live upタブ内の「HDD backup」 左下のタブで各種設定項目を切り替える。 タブと「OC」タブ。オーバークロック メイン画面では日時やCPU温度の確認、 に関する設定は OC、それ以外は SET- 起動デバイスの変更ができる。右上にあ 中央の「ECO mode」と「OC Genie Ⅱ TINGS にまとめてある。他のメーカーよ りタブの種類が少ないため、特に SETTINGS タブ内は階層が深くまである。タ date」では独自 OS の「Winki 3」を使い、 Windows を起動せずに Web ブラウザ ーなどが使える。使用する場合は Windows 上でインストールするか、光学式 ドライブにユーティリティーディスクを mode」はあらかじめ用意された設定に ブを選ぶと、中央に設定項目が現れる。 入れておく。 る「×」を押すと設定を保存して終了する。 メインの BIOS 設定画面(MSI、X79MA-GD45) 起動順番の変更 「ECO mode」と「OC Genie Ⅱ mode」に一 括設定する 設定項目をまとめた タブ 42 NIKKEI WinPC 2012.6 特別付録 BIOSのバージョン CPUとメモリーの情報 設定を保存して終了 PC自作の Concierge CPUの設定を変更する CPUの設定は OCタブで変更する。動 CPU/PCI Express共通の 作周波数に関する項目だけでなく、CPU ベースクロックを変更する CPUのベースクロックを共通のベースク ロックの何倍で動作させるかを設定する 個別の機能の設定もここにまとまっている。 (MHz) 」 ではCPU 「CPU Base Clock と PCI Express 共通のベースクロック を指定する。設定可能な範囲は90M ∼ 200MHz だ。範囲外の数値を入力する と、エラーメッセージの後、入力前の数 CPUの動作倍率 を変更する 値に戻る。CPU のベースクロックには この数値に規定の倍数をかけられる。さ 有効/無効を設 定する らに「Adjust CPU Ratio」で動作倍率 を指定し、動作周波数が決まる。同じ画 面で SpeedStep と Turbo Boost の有 効/無効も設定できる。これらの設定は 「Overclocking Profiles」で 6 個 ま で BIOS 内に保存可能で、USB メモリーに も保存しておける。 他の機能は「CPU Features」内で変 更する。コアごとの Turbo Boost 時の最 大動作倍率も設定可能だ。 「CPU Spec- Turbo Boost時の動 作 倍 率をコアごとに 設定する では CPUのコア数やキャッシ ifications」 自動/有効/無効 を設定する ュ容量といった基本情報や、サポートす る機能の確認もできる。 メモリーの設定を変更する メモリーの設定は CPU同様、OCタブ で変更する。動作周波数を変更する項目 。多くの場 合 は「DRAM Frequency」 メモリーの動作周 波数を変更する は「Auto」のままで問題無いが、DDR3- 1600のメモリーを挿したのにDDR31333で認識してしまう、といったときは 手動で設定する。XMPに対応したメモリ ーを使っているなら、 「Extreme Memo(X.M.P) 」 を 「Enabled」 にする ry Profile XMPを有効/ 無効にする だけでよい。 動作タイミングは 「Advanced DRAM メモリーの 動作タイミングを設定する Configuration」で変更する。このメニュ ーは「DRAM Timing Mode」が「Auto」 の場合に選択できないため、 「Link」また に設定する。Link では全ての は 「Unlink」 モジュールを一括して、Unlink ではそれ ぞれ個別に設定可能だ。初期設定では全 て「Auto」になっている。Unlink は設定 メモリーの情報 を表示する の前にモジュールを選択する画面がある。 NIKKEI WinPC 2012.6 特別付録 43 これだけ知っていれば大丈夫 目的別 BIOS設定ガイド ドライブの起動順を変える デバイスの起動順は SETTINGS タブ の「Boot」で変更できる。他メーカーの マザーボードでは接続したデバイスだけ を表示する仕組みが多いが、X79MA- HDD や 光 学 式ド ライブなどの順番 の変更 GD45では選択肢が全て表示されてい た。種類は多いものの、デバイスを接続 してあるときは名前が表示されるので迷 わないだろう。接続したデバイスの名前 が見つからないときは画面下にある 「Hard Disk Drive BBS Priorities」などを確 認するとよい。同じ種類のデバイスが 2 台以上つながっていると、ここで「1st Boot」に設定したデバイスだけが表示さ れる。 メイン画面の右上にあるアイコンを動 かしても起動順番は変えられる。ただし、 こちらは同じ種類のデバイスが複数ある ときに優先順位を変更できない。 同じタブの Save & Exit にある「Boot Override」では、設定した優先順位に関 係無く任意のデバイスから起動できる。 HDD や SSD、USB メモ リ ーなどが複数ある場合にど れを優先するかの設定 この画面ではつないだデバイスだけが表 示される。 つないでいないデバ イスも表示される オンボードデバイスを設定する オンボードデバイスは SETTINGS タ 内、 「Integrated Peブの 「Advanced」 ripherals」で設定する。チップセットの 制御する Serial ATA に関する設定はこ こだ。動作モードは初期設定で AHCI だ った。RAID を使うとき以外は、変更し なくてよいだろう。ただし、BIOS のバ 有効/無効を設 定する ージョンによって初期値が異なる可能性 がある。PC を組んだ後初めて起動する ときや、BIOS を更新した後などは必ず 確認しよう。OS のインストール後は変 更すると起動しなくなることがあるため、 むやみに変更しない方がよい。 他にも同じ画面で LAN とオーディオ機 能の有効/無効を選べる。サウンドボー ドを搭載しているなら、オンボードのサ ウンド機能は無効にしておくとよい。OS 上での設定ミスで音が出ないトラブルな どを避けられる。 44 NIKKEI WinPC 2012.6 特別付録 Serial ATAの動作モー ドの変更 PC自作の Concierge CPUなどの温度を確認する S E T T I N G S タ ブ を A d v a n c e d、 「Hardware Monitor」と進むと、CPU とシステムの温度を確認できる。同じ画 面でファンの回転数も表示できる。CPU 画面左上にCPUと システムの温度を 常に表示している クーラーを交換したときなどは、この数 値が参考になる。今回使用した Core i73820は室温24 ℃の部屋で27 ℃前後だ った。ただし、適正な温度は CPU のモ CPUの温度 システムの温度 デルによって異なる。個体差もあるため、 参考程度にとどめておこう。 CPUとシステムの温度は常に画面の左 上に表示している。ファンの回転数など の情報が不要なら、これで十分だ。 CPU/ケースファンの 回転数(単位は回転/分) ファンの回転数の制御を変える ファンの回転数を上げる 温度のしきい値の設定 しきい値より温度が低 い場合の回転数の設定 ファンの回転数を制御する設定項目は、 CPU 温度表示と同様に SETTINGS タ ブを Advanced、Hardware Monitor と選んだ所にある。CPU ファンの回転数 は「CPU Smart Fan Target」を「Dis- abled」から温度に切り替えると現れる 「CPU Min.Fan Speed」で指定する。 ここで選んだ温度はファン制御を有効に するしきい値。CPU の温度がこの値より 低ければ設定した回転数で動作し、超え ると少しずつ上昇する。回転数はパーセ ンテージで指定する。しかし、試したと ころ0%に設定してもファンは動作してい た。ケースファンは CPU ファンのような 温度のしきい値は無く、元の回転数から ケースファンの回転数の設定 何%で動作するかを指定する。 現在のファンの回転数 BIOSを更新する BIOS の更新は UTILITIES タブにある 「M-Flash」を使う。BIOS イメージをコ 「Select ピーした USB メモリーを挿し、 one file to update BIOS」を選ぶ。ド BIOSイメージの入った USBメモリーを選択する 現在のバージョンの BIOSを保存する BIOSを更新せずに、USBメ モリー内にあるBIOSイメー ジからシステムを起動する ライブ、ファイルと選択すると更新が始 まる。 「BIOS Boot Function」は USB メモリーにある BIOS イメージを使って 起動する機能。更新前に変更点の確認な ダブルクリックか [Enter] キーで更新開始 どができる。 NIKKEI WinPC 2012.6 特別付録 45 文/松永 融 デュアルブート構成にすると、最新OSと従来のOSを手軽に併用できる。 ただし、何も考えずにOSを再インストールすると、 この環境が壊れてしまうことがある。今回はこのトラブルを解決する。 デュアルブート構成のトラブルを解決 Windows 7と XP のデュアルブート この画面が出なくなる Windows 7とXPのデュアル ブート構成で、OSを再インストール したら起動できなくなった 環境は、右図のように構成 A と構成 B に 大別できる。構成 A は Windows XP をインストールした後に Windows 7 Windows 7 と Windows XP を 1 台 で 運 用 している PC で、Windows XP を再インスト ールすると、OS の選択メニューが表示されな くなることがある。 をインストールした構成だ。一方の構成 B は、既に Windows 7 がインストー ルされている PC に XP を追加インスト ールしたときの構成だ。A と B の大きな デュアルブートの構成や 再インストールする前後で対処方法が異なる 違いは、ブート専用パーティションがあ るかどうかだ。 構成A このうち②もしくは③の領域に Win- dows 7を再インストールする場合は、 特に問題は無い。通常通り Windows 7のインストールディスクから起動し、 ① BCD bootmgr Windows XP ② Windows 7 BCD:ブート設定データ bootmgr:ブートマネージャー ブート専用パーティション 構成B インストール先の指定画面で目的の領域 をフォーマット(もしくは削除)して、選 ③ BCD bootmgr Windows 7 データ ④ Windows XP XPの 再インストール前 方法 XPの 再インストール後 方法 1 2 方法 データ 3 Windows 7 と XP の典型的なデュアルブート構成。「構成 A」は、Windows XP をインストールした 後に、Windows 7 をインストール。 「構成 B」は、Windows 7 をインストールした後に、Windows XP をインストールした。①もしくは④の領域に XP を再インストールすると、デュアルブート環境が壊 れてしまう。特に①の領域に再インストールしてしまった場合は、復旧が面倒だ。 べばよい。 問題が発生するのは、①と④の領域 に XP を再インストールする場合だ。同 様に領域をフォーマットして、XP をイ ンストールすると、OS の選択メニュー このような現象が発生する原因は 2 つ るブート情報のファイル(BCD:Boot が表示されなくなってしまう。いきなり ある。一つは、XP の再インストールに Configuration Data)が消失すること XP が起動してしまうのだ。Windows 7の実体は HDD の中に残っているもの よりブートセクターが書き換えられるこ だ。ブート情報は通常、先頭パーティシ とだ。もう一つは構成 A で発生するが、 ョンにある。構成 B では、専用のブート の、通常の方法では起動できない。 Windows の 起 動 情 報 を 保 持し て い パーティションにあるため消失しないが、 構成A 方法 Windows XPを 1 再インストールする前 ブート情報のバックアップ Windows XPを再インストールする ブート情報を書き戻す ブートセクターを復元する 46 NIKKEI WinPC 2012.6 特別付録 方法 2 Windows XPを 再インストールしてしまった後 ブート情報を再構築する 構成B 方法 3 Windows XPを再インストールする ブートセクターを復元する ブートセクターを復元する Windows XPの起動情報を追加する 方法 1 -1 隠しフォルダーが 見えるように、設定を変更 方法 1 -2 ブート情報を バックアップする エクスプローラの表示オ プションを変更するた め、 「ツール」から「フォ ルダオプション」 を選択。 ①クリック ブート情報は、C ドライブのルートにある「Boot」 フォルダー内の 「BCD」ファイルに記録されている。 コピーする ②選択 「表示」タブをクリックし、 「フ ァイルとフォルダの表示」の 「すべてのファイルとフォル ダを表示する」を選ぶ。 さらに下側へスクロールし、「保 護されたオペレーティング シス テム ファイルを表示しない(推 奨)」のチェックを外し、「OK」を クリック。 方法 1 -3 コピーする チェックを外す 「Boot」フォルダーと「bootmgr」をバックアップするため、適当な記憶 装置(ここでは USB メモリー)へコピーする。 XPを再インストールする 再インストールするパ ーティション(ここで は「C: パーティション 1」)を選択する。 HDD に XP をインスト ールした状態で Windows XP のインスト [Esc] キーを押す ールディスクから起動 すると、このような画 面 が 表 示 さ れ る。 再 インストールするので [Esc]キーを押す。 フォーマットの種類を 選ぶ画面が出るので、 左の 4 つの項目のいず れかを選んでフォーマ ットする。特に理由が な け れ ば、NTFS で クイックフォーマット する。 既存の XP が正しく機 能しなくなる旨の警 告画面が表示される。 [C]キーを押して、セ ットアップを続ける。 [C] キーを押す [F] キーを押す [F]キーを押してフォ ーマットし、インスト ールを続ける。 NIKKEI WinPC 2012.6 特別付録 47 ブート関連のファイルを書き戻し、 ブートローダーを切り替える 方法 1 -4 コピーする 「コンピューターを修復 する」をクリックする。 コピーする Windows 7 のインストール ディスクから起動する。この画 面が出たら、 「次へ」 をクリック。 「方法1-1」 をした後、USBメモリーにバックアップしておいた「Boot」 フォルダーと「bootmgr」を C ドライブへ書き戻す。 「bootsect」コマンドを入力し、Windows 7 用のブートローダーに切り替える。 Windows 7 の イ ン ス トール状態がチェックさ れるので、そのまま待つ。 「コマンドプロンプト」をクリックする。 「Windows の起動に伴う問題∼」 を選び、 「次へ」をクリックする。 「bootsect /nt60 c:」 と 入力し、 [Enter] キーを押す 「OS 選択メニュー」が再度 表示されるようになった。 「スタートアップオプションに問題が見つかりました。」 と表示されたら、 「しない」をクリックする。 構成 A では XP と同じパーティションに 一部のファイルがロックされてバックア あるため、XP の再インストールで上書 ップできないからだ。ブート情報は、先 たら、バックアップしておいた Boot フ きされ、消えてしまう。 頭パーティションの「Boot」フォルダー ォルダーと bootmgr を書き戻そう。書 内にある。Boot フォルダーには隠し属 き戻す前は XP のシングルブート環境に XPの再インストール前に 順で XP を再インストールする。終了し 性が付いているので、エクスプローラ なっているので、 XP を起動する。そして、 の表示オプションを変更し、Boot フォ もう一度エクスプローラの表示オプショ XP を再インストールする前なら、ブ ルダーを丸ごとバックアップしておけば ンを隠しファイルが見えるように設定し、 ート情報を事前にバックアップしておく よい。もう一つのブート関連ファイルで Boot フォルダーと bootmgr を C ドラ ことでトラブルを回避できる。バックア あるブートローダー「bootmgr」もバッ イブに書き戻せばよい。 ップ後に Windows XP を再インスト クアップする。バックアップ先は、ほか ブート情報の書き戻しが完了しても、 ブート情報をバックアップ ールし、ブート情報を書き戻す。その後 のパーティションや USB メモリーなど この時点では XP のブートローダーが動 ブートセクターを復元すれば完了だ。 でよい。必要な容量は全部合わせても 作しているためまだ XP しか起動しない。 バックアップは Windows XP を起 14MB 程度だ。 そこで最後に、Windows 7のブートロ 動して作業する。Windows 7 上では バックアップが完了したら、通常の手 ーダーに切り替える。Windows 7のイ 48 NIKKEI WinPC 2012.6 特別付録 方法 2 -1 ブート情報を 再構築する 方法 2 -2 XPの起動情報を 追加する 今度は Windows 7が起動するので、 「スタート」メニューの「コマンドプ ロンプト」を右クリックして「管理者 として実行」を選ぶ。 右クリック ①「diskpart」 と入力し、 [Enter] キーを押す ②「list vol」 と入力し、 [Enter] キーを押す ①「bcdedit -create {ntldr} -d "Windows XP SP3"」と入力し、 [Enter] キーを押す ②「bcdedit -set {ntldr} device partition=¥Devic e¥HarddiskVolume1」と入 力し、 [Enter] キーを押す このドライブレター を確認 ③「exit」 と入力し、 [Enter] キーを押す ④「bcdboot e:¥ windows /l ja-JP」と 入力し、 [Enter] キーを押す。 コマンドで Windows 「diskpart」 7のドライブレターを確認する。今 回テストした環境ではドライブの 容量から、 「e:」が Windows 7の ドライブだと分かった。 ③「bcdedit -set {ntldr} path ¥ntldr」と入力し、 [Enter] キーを押す ⑤「bootsect /nt60 c:」 と 入力し、 [Enter] キーを押す ④「bcdedit -displayorder {ntldr} -addlast」と入力し、 [Enter] キーを押す ①∼④の bcdedit コマン ドを順番に入力して、XP の起動情報を追加する。 「bcdboot」コマンドでブート情報を作成する。コマンドで指定するドライブレタ ーは、diskpart コマンドで分かったものにする。この図では「e:」となる。その後、 「bootsect」コマンドで Windows 7 用のブートローダーに切り替える。 ンストールディスクで起動し、コマンド コマンドで、ブート情報を作成する。こ プロンプトを開く。ここで、 「bootsect」 こでは、先ほど確認したドライブレタ コマンドを実行することでブートローダ ーを指定する。以上で Windows 7 を ーが切り替わる。再起動すると、OS 選 起動するためのブート情報を新規に作 択メニューが復活する。 成できた。後は bootsect コマンドで 再インストールしてしまったら ブート情報を再構築する 事前にブート情報をバックアップせず に、 XPを再インストールしてしまったら、 コマンドプロンプトで、ブート情報を再 Windows 7のブートローダーに切り替 えれば Windows 7 が起動可能になる。 続いて、XP の起動情報を手作業で追 加する。Windows 7を起動し、管理 OS 選択メニューに Windows XP の情報が追加された。 方法 3 ブート情報を 切り替える 「bootsect」コマンドで Windows 7 用のブートロ ーダーに切り替える。 と 「bootsect /nt60 c:」 入力し、 [Enter] キーを押す 者モードでコマンドプロンプトを開く。 「bcdedit」コマンドを、オプションを変 構築する必要がある。 図のように順次入力する。 これで、 えて4回、 ここでのポイントは、Windows 7 がインストールされているパーティショ OS選択メニューが表示されるようになる。 構成 B の場合は、ブート情報のファイ ンのドライブレターを確認することだ。 ルがブート専用パーティションに保存さ 替えるだけで OS 選択メニューが復活す インストールディスクで起動すると、ド れているため、XP を再インストールし る。XP の再インストールが完了したら、 ライブレターの割り当てが異なる場合が てもブート情報は残っている。単にブー ある。 「diskpart」コマンドで一覧表示 トセクターが書き換えられただけなので、 Windows 7のインストールディスクか ら起動し、bootsect コマンドを実行す すると分かりやすい。続けて「bcdboot」 Windows 7のブートセクターに切り るだけでよい。 NIKKEI WinPC 2012.6 特別付録 49 文/松永 融 Windows 7とXPのデュアルブート環境を構築するとき、 追加でインストールするOS用のパーティションを確保するのが面倒だ。 今月はVHDを使って簡単にパーティションを作成する方法を紹介する。 仮想ハードディスクでデュアルブートする デュアルブート環境を構築するとき、 デュアルブートのために、 パーティションを作成するのは面倒 通常は各 OS 用のパーティションを用意 する。ただし日常的に使っているPCでは、 HDD に未割り当て領域を残さないのが 一般的だ。この状態で新たに OS を追加 インストールするには、パーティション を圧縮して、空き領域を作成する、とい った面倒なパーティション操作が必要と なる。そのため、二の足を踏んでしまう ことも少なくない。 Windows 7 Ultimate を使ってい れば、こうした苦労はしなくても済む。 Windowsw XPでは未割り当て領域が無いと、 デュアルブートには別のパー ティションを使うのが安全だ。 しかしWindows XPの場合、 未割り当て領域が無いと別の パーティションを作れない。 Windows 7 の Ultimate で は、VHD(仮想ハードディス ク)にインストールできるの で、新たにパーティションを 作るより簡単にデュアルブー トが可能になる。 新たにパーティションを作れない Windows 7のUltimateならVHD(仮想ハードディスク)に インストール可能 パーティションを作るより簡単に デュアルブートにできる VHDなら作成後に、容量の変更も可能 VHD(仮想ハードディスク)へ OS をイ ンストールして、VHD から OS の起動 VHD は、このインストール先を指定 可能な「expandable」形式にしておく が可能なので、専用パーティションを作 する画面で作成する。 [Shift]+[F10] とよい。 成することなく、2 つ目の OS を追加で でコマンドプロンプトの画面を開き、 作成後には VHD をマウントする。画 「diskpart」と コ マ ン ド を 入 力 す る。 面の③「select ∼」では作成した仮想フ [Enter]キーで diskpart コマンドを実 ァイルを選び、④「attach ∼」でマウン 行したら、次の行で作成場所(ここでは トする。⑤「exit」コマンドで diskpart コマンドを終了したら、コマンドプロン VHD への大まかな追加インストール C ドライブのルート)や VHD のファイ ル名、容量を指定して作成する。VHD 手順は下の図の通り。Windows 7 の ファイルの名前は任意だが、ここでは Windows 7 のインストール画面に インストールディスクから起動するのは 「Win7x64.vhd」と入力した。さらに 戻り、 「最新の情報に更新」をクリックす 通常と同じだ。インストール先を指定す 将来、容量が足りなくなったとき拡張で ると、作成した VHD が未割り当て領域 る画面まで、手順を進める。 きるように、右ページの図のように拡張 として表示される。後はその領域を選ん インストールできる。 VHDにWindows 7を 追加インストール プトを閉じる。 で、通常通りインストールを進めればよ い。追加した領域を選ぶと警告メッセー VHDへWindows 7を インストール Windows 7の インストールディスクで起動 「コマンドプロンプト」を開く VHDの容量を増やす ジが出るが、作業は通常通り進められる。 Windows 7のインストールディスクで起動 インストールが完了すると、パーティシ 「システム回復オプション」から 「コマンドプロンプト」を開く 「diskpart」コマンドで容量を拡張 「diskpart」コマンドでVHDを作成 「ディスクの管理」を開く VHDにWindows 7をインストール 「ボリュームの拡張」を実行 ョンを分けて構築したデュアルブート環 境と同様に、起動する OS の選択メニュ ーが出る。 追加インストールした Windows 7 で起動すると、VHD が C ドライブに割 り当てられ、元々の C ドライブ(第 1パ 50 NIKKEI WinPC 2012.6 特別付録 VHDを作成して Windows 7をインストール Windows 7 の イ ン ス トールディスクで起動 し、通常の手順でインス トールを進めていく。 上の画面のように、 未割り当て領域が無い HDD や SSD でも、VHD(仮想ハードディスク)を使えば 新たにドライブを作成できる。ここでは、64GB の第 1 パーティション内に VHD を作成した。 インストール先を指定する画 面で、 [Shift]キーを押しな がら[F10]キーを押す。 [Shift] + [F10] キー コ マ ン ド プ ロ ン プ ト が 開 く。 こ こ で「diskpart」コ マ ン ド を 実 行 し、VHD を 作 成 す る。 ② で は「C:¥」の 後 に 作 成 す る VHD の 名 前 を 決 め て 入 力 す る。 「maximum=」の後に VHD の容量を入力する。 「type=」の後は容量の固定/ 可変を指定する。ここでは可変の「expandable」にした。 ①「diskpart」 と入力し、 [Enter] キーを押す ②「create vdisk file="C:¥Win7x 64.vhd" maximum=32768 type=expandable」と入力し、 [Enter] キーを押す ③「select vdisk file="C:¥Win7x64.vhd"」 と入力し、 [Enter] キーを押す 「未割り当て領域」ができた ④「attach vdisk」 と入力し、 [Enter] キーを押す ⑤「exit」 と入力し、 [Enter] キーを押す 「最新の情報に更新」をクリックすると、仮想ハードディスク を認識できる。この領域を選んでインストール作業を進める。 下段の警告は無視してよい。 ーティション)も D ドライブとしてアク トだ。実際のドライブで容量を増やすに ファイルがロックされるため操作できな セスできる。 は面倒なパーティション操作が必要だが、 い。そこで Windows 7 のインストー VHD 形式のドライブでは元のドライブ ルディスクで起動し、コマンドプロンプ のパーティションに空き容量さえあれば、 トを開いて操作する(次ページの図を参 diskpart コマンドで簡単に容量が増や せる。ここでは一例として、32GB で作 成したVHDを40GBに拡張してみよう。 VHD にインストールしている Windows 7 が起動している状態では VHD 照) 。 「コンピューターを修復する」を選 Windows 7用に作成した VHDの容量を増やす VHD の利点は、パーティション操作 が不要なことだけではない。システムド ライブの容量が足りなくなったときに、 簡単に容量を増やせるのも大きなメリッ んで画面を進めると、コマンドプロンプ トを起動できる。 1行目で diskpart コマンドを入力し、 2 行目で VHD ファイルを選択。3 行目 NIKKEI WinPC 2012.6 特別付録 51 VHDにインストールしても起動画面は変わらない VHD にインストールした Windows 7 で「ディスクの管理」を 開いたところ。VHD が C ドライ ブに割り当てられ、元々の C ド ライブも D ドライブとしてアク セスできる。 OS選択メニューが出る VHDのドライブ インストールが完了す ると、通常のデュアル ブートと同様に OS 選 択メニューが現れる。 D ドライブを開けば、自分自身の VHD ファイルも 確認できる。Windows 7 上では、このファイル が C ドライブに割り当てられている。Windows 7 の環境をバックアップする場合は、このファイル をほかのドライブへドラッグ・アンド・ドロップする だけ。Windows 7上からでも手軽にコピーできる。 VHDの実体 VHDの容量を増やす 「システム回復オプション」が開く。検索が終わるまで 待つ。 今回のように、VHD を容量可変で作成すれ ば、後から容量を変更できる。Windows 「コンピ 7 のインストールディスクで起動し、 ューターの修復」をクリック。 「Windowsの∼」 が選ばれていることを確認し、 「次へ」をクリック。 ①「diskpart」 と入力し、 [Enter] キーを押す ②「select vdisk file="C:¥Win7x64.vhd"」と 入力し、 [Enter] キーを押す ③「expand vdisk maximum=40960」と入力 し、 [Enter] キーを押す ④「exit」 と入力し、 [Enter] キーを押す 52 NIKKEI WinPC 2012.6 特別付録 回復ツールを選ぶ画面では、 「コマンドプロンプト」をクリッ クする。 画面のように「diskpart」コマンドを入力することで、VHD の容量を増やせる。②の「=」の後は、VHD を作成したときに 入力した名前、③の「maximum=」の後は、拡張後の容量を 入力する。ここでは 40GB に拡張した。操作が終わったら、 インストールディスクを取り出し、再起動する。 「ディスクの管理」で容量を増やす 「ボリュームの拡張ウィザー ド」が起動する。 「次へ」をク リックして、先に進む。 右クリック この画面で、拡張に使用 する領域を指定する。こ の場合は自動的に選択さ れているので、確認して そのまま「次へ」をクリ ックすればよい。 「ディスク1」が選択さ れていることを確認 8GBが 「未割り当て」 「ディスクの管理」の画面を開く。C ドライブを 右クリックし、 「ボリュームの拡張」を選ぶ。 「完了」をクリック。 これでパーティショ ンが広がる。 拡張後の「ディスク の管理」画面。C ド ラ イ ブ が 40GB に 広がった。 パーティションが広がった 【テスト環境】CPU:Core 2 Extreme QX9650、メモ リ ー:DDR2-800 1GB × 2、 マ ザ ー ボ ー ド:P5K-E (ASUSTeK Computer) 、SSD:MXSSD2MJTP-128G (Mach Xtreme Technology、128GB) VHDでも、速度はあまり変わらない 32GB 一般的な デュアル ブート 32GB Windows XP Windows 7 データ 32GB VHD を 利用した デュアル ブート VHD Windows XP +(Win7) データ 64GB 左のような 2 つの環境で測定した。 一般的なデュアルブート環境では、 それぞれ 32GB の専用パーティシ ョンを作成し、各 OS をインストー ル。VHD を利用したデュアルブー ト環境では、64GB のパーティシ ョンに XP をインストールし、同じ パーティション内に 32GB の Windows 7 用の VHD を作成してイン ストールした。 Windows 7の起動時間 ※ストップウオッチで 3 回測定した平均値 速い 通常の パーティション 18.1 VHD 17.7 (仮想ハードディスク) (単位:秒) 0 4 8 12 16 20 Windows 7 の起動時間を測定した結果。VHD は通常のパー ティションとほとんど変わらなかった。 でドライブの最大サイズを 40GB に拡 張されたものの、パーティションのサイ さえあれば、簡単に作れる。OS を追加 張し、4 行目で diskpart コマンドを終 ズは元の32GB のままだ。そこで次に、 インストールできるし、バックアップ 了する。コマンドプロンプトの画面を閉 C ドライブを8GB の未割り当て領域ま や容量の拡張も簡単だ。気になるのは、 じたら、 「再起動」ボタンをクリックして で拡張して、パーティションのサイズを Windows 7を再起動する。 40GB にする。「ボリュームの拡張ウィ 「ディスクの管理」を開くと、8GB の ザード」に従って操作するだけで作業は 未割り当て領域が追加されているのが分 完了する。 VHD の性能だ。そこで、通常のパーテ ィションと VHD でどの程度性能に差 が出るのか、測定した。その結果 Windows 7の起動時間は、VHD でもほと かる。VHD のサイズ自体は 40GB に拡 VHD は、HDD や SSD に 空 き 容 量 んど変わらなかった。 NIKKEI WinPC 2012.6 特別付録 53
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