防衛省・自衛隊:防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会開催要綱 1/1 ページ PDFページ 1/70 文字サイズ よくある質問 検索 サイトマップ 詳細検索 ホーム >防衛省の取り組み >防衛省の政策 >会議(審議会・検討会等) >審議会等関係資料 >防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会開催要綱 防衛省の取り組み 防衛省の政策 武力攻撃事態等への対応 防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会開催要綱 趣旨 第1 防衛省が開発した航空機の民間転用の在り方を検討するため、防衛省開発航空機の民間転用に 関する検討会(以下「検討会」という。)を開催する。 新たな脅威や多様な事態への 対応(弾道ミサイル・テロ・災害 等) 検討会 第2 検討会は、会長及び委員をもって構成する。 日米安全保障体制 2 会長は、総合取得改革の推進に関することを総括整理する審議官をもって充てる。 在日米軍に関する諸施策 3 委員は、次の各号に掲げる者をもって充てる。 国際平和協力活動への取り組 (1)経理装備局装備政策課長、経理装備局航空機課長、経理装備局技術計画官、陸上幕僚監部 み 装備部装備計画課長、陸上幕僚監部装備部航空機課長、海上幕僚監部防衛部装備体系課長、海 上幕僚監部装備部航空機課長、海上幕僚監部技術部技術課長、航空幕僚監部防衛部装備体系課 各国との安全保障対話・防衛協 長、航空幕僚監部装備部装備課長、航空幕僚監部技術部技術課長、技術研究本部技術企画部企 力・交流 画課長、装備施設本部調達企画課長及び装備施設本部航空機第2課長 軍備管理・軍縮・不拡散への取 (2)会長が依頼する部外の有識者 り組み 4 会長は、検討会を招集し、会務を総理する。 防衛施設と周辺地域との調和・ 5 会長は、必要があると認めるときは、委員以外の者を検討会に参加させ、意見を述べさせることが 環境保全 できる。 政策評価・統計・調査結果 6 会長は、関係部局に対し、資料の提供、作業の実施等の協力を求めることができる。 その他の取り組み 7 関係部局は、前項の要求があった場合には、これに協力するものとする。 庶務 第3 検討会の庶務は、経理装備局航空機課において処理する。 委任規定 第4 この要綱に定めるもののほか、検討会の運営に必要な事項は会長が定める。 ページTOPへ戻る | プライバシーポリシー| ご利用に際してのご注意| ロゴマークについて| よくある質問| ご意見| サイトマップ| リンク集| 防衛省 〒162-8801 東京都新宿区市谷本村町5-1 電話:03-5366-3111(代表) 防衛省・自衛隊携帯サイト http://www.mod.go.jp/m/ http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/kaihatsukokuki/kaisai/kaisai.html 2010/04/25 PDFページ 2/70 防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会(第1回) 議 事 次 第 1.日時 平成22年4月23日(金)14:00∼16:00 2.場所 防衛省 A棟11階省議室 3.議事 (1)検討会の目的について (2)防衛省開発航空機の概要について (3)民間転用の展望について (4)論点について PDFページ 3/70 防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会(第1回) 議 事 次 第 1.日時 平成22年4月23日(金)14:00∼16:00 2.場所 防衛省 A棟11階省議室 3.議事 (1)検討会の目的について (2)防衛省開発航空機の概要について (3)民間転用の展望について (4)論点について PDFページ 4/70 配布資料一覧 資料1 資料2 「防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会」委員 「防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会」の議事内容の公開 について(案) 資料3 防衛省開発航空機の民間転用検討の背景 資料4 防衛省開発航空機の概要 資料5-1 救難飛行艇US−2の民間転用について 資料5-2 防衛省大型機の民間転用構想について 資料6 防衛省開発航空機の民間転用に関する論点 資料7 今後の進め方について(案) PDFページ 5/70 配布資料一覧 資料1 資料2 「防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会」委員 「防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会」の議事内容の公開 について(案) 資料3 防衛省開発航空機の民間転用検討の背景 資料4 防衛省開発航空機の概要 資料5-1 救難飛行艇US−2の民間転用について 資料5-2 防衛省大型機の民間転用構想について 資料6 防衛省開発航空機の民間転用に関する論点 資料7 今後の進め方について(案) PDFページ 6/70 資料1 「防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会」委員 委員 (外部有識者) 今清水浩介 梶浦 健治 杉浦 一機 鈴木 真二 中山 一郎 安江 正宏 山本 武彦 (社)日本航空宇宙工業会専務理事 (財)日本航空機開発協会常務理事 航空アナリスト・首都大学東京客員教授 東京大学大学院教授 國學院大學法科大学院教授 (株)岡本アソシエイツ顧問 早稲田大学政治経済学術院教授 (五十音順、敬称略) (防衛省) 岩井 良行 増田 義一 齋藤 雅一 飯野 稔一 髙田 克樹 服部 正 佐藤 俊也 市川 武彦 西山 中庸 長島 一純 井上 浩秀 安川 隆廣 佐久間 俊 斉藤 和重 高嶋 一誠 大臣官房審議官(座長) 経理装備局装備政策課長 経理装備局航空機課長 経理装備局技術計画官 陸上幕僚監部装備部装備計画課長 陸上幕僚監部装備部航空機課長 海上幕僚監部防衛部装備体系課長 海上幕僚監部装備部航空機課長 海上幕僚監部技術部技術課長 航空幕僚監部防衛部装備体系課長 航空幕僚監部装備部装備課長 航空幕僚監部技術部技術課長 技術研究本部技術企画部企画課長 装備施設本部調達企画課長 装備施設本部航空機第2課長 関係者 川崎重工業株式会社 新明和工業株式会社 関係省庁等 広瀬 直 高野 滋 石川 隆司 経済産業省 製造産業局 航空機武器宇宙産業課長 国土交通省 航空局 技術部 航空機安全課長 (独)宇宙航空研究開発機構 研究開発本部長 事務局 防衛省経理装備局航空機課 PDFページ 7/70 資料2 「防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会」の議事内容の公開について(案) 平成22年4月23日 事 務 局 「防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会」の議事内容の公開については、本 検討会において、委員各位の率直かつ自由な意見交換を確保するため、以下のとおり とする。 1.一般の傍聴は認めない。 2. 「防衛省の主要な会議における議事録等の作成等についての対処方針」 (平成2 1年3月31日制定)に基づき、検討会開催後、事務局は議事要旨の案を作成し、 検討会委員の了解を得て議事要旨を作成する。 3.議事要旨は防衛省ホームページに掲載する。 4.資料は、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が 不当に損なわれるおそれ及び特定の者の不利益を及ぼすおそれがあるものにつ いては、公開しない。資料を非公開にするかどうかについての判断は、本検討会 の座長に一任するものとする。 ○防衛省の主要な会議における議事録等の作成等についての対処方針(抜粋) 1 基本的な方針 (1)防衛省としての政策決定プロセスの一層の透明化・責任の明確化を図り、国民に対する説明責 任をより適切に果たしていくため、防衛省文書管理規則(平成12年防衛庁訓令第74号)第9 条第3項に基づく措置として、次の基準に合致する会議については議事録又は議事要旨を作成す ることとする。 ア (略) イ アのほか、対外的に高い関心を持たれている事項を審議するなど、議論の透明性の確保に特に 特に配慮する必要がある会議であって、防衛大臣等が主催する防衛省としての最終的な意思決定 に密接に関係する会議。 2 議事録等の作成要領等 (1)議事録等を作成する場合においては、 (中略)会議の特性に照らし特に発言者の発言を正確かに 記録する必要がある会議については議事録を、これ以外の会議については議事要旨を作成するこ ととする。 3 留意事項 (1) (略) (2) (略) (3)議事録等の防衛省ホームページへの掲載については、政策決定プロセスの一層の透明化・責任 の明確化、会議の審議内容を非開示とする必要性、他省庁の類似の会議の取扱いなどを総合的に 勘案して個別に判断を行う。 PDFページ 8/70 資料3 防衛省開発航空機の民間転用検討の背景 平 成 2 2 年 4 月 23 日 防 衛 省 PDFページ 9/70 防衛省開発航空機の民間転用検討の背景 我が国の防衛生産・技術基盤は厳しい財政状況、調達数量の減少に直面。このため、国内の生産・技術 基盤が喪失し、中長期的かつ安定的な防衛力の維持に支障を来すことが懸念。 防衛生産・技術基盤の維持・強化 ○航空機分野は、防衛省における開発を通じて得られた先端技術の民生分野への転用や優れた民生技術 の防衛航空機分野への取り入れが可能。 ○民生分野の活性化に資する施策を講じることが、両用技術を多く有する航空機の生産・技術基盤の維 持・強化に繋がるという観点から、防衛省開発航空機の民間転用を推進することを検討。 コストを抑制し優れた装備品を調達 ○防衛省開発航空機を民間転用することで、防衛省機と民間転用機との量産効果による機体、エンジン、 補用品等の費用の低減が期待。 《民間転用のイメージ》 試作研究で得られた技術成果等を利用して (自社の製品として) 企業 企業 防衛省 試作研究請負契約 開発 民間転用 (試作機製造等) 生産 防衛省機 開発 (イメージ) (消防飛行艇) 販売等 (イメージ) (貨物輸送機) (サポート含む) 1 PDFページ 10/70 参 考 資 料 PDFページ 11/70 防衛生産・技術基盤を取り巻く環境① ~防衛関係費をめぐる財政事情~ ○防衛関係費約5兆円のうち、装備品等を購入するための経費は毎年2兆円程度。 ○近年は社会保障関係経費の増加等により、防衛関係費が抑制される傾向。 (1)防衛関係費の内訳(22年度予算) (2)一般歳出の推移(平成10年度を100とした場合) (財務省資料に基づき作成) 物件費 (基地対策経費等除く) 人件・糧食費 20,850 億円 21,610億円 46% 45% 190 184 180 170 167 160 合計 46,826億円 150 (対前年比▲0.4%) 基地周辺の住宅防音や周辺 環境整備、在日米軍の駐留経 費負担、施設の借料などの支 払いに充当する予算 142 137 140 128 119 110 100 100 90 0 147 123 120 装備品の調達・修理・整 備、油の購入、隊員の教 育訓練、光熱水料費等の 営舎費などに充当する予 算 138 133 防衛関係費 130 9% 基地対策経費等 4,365億円 社会保障関係費 113 109 108 108 105 100 100 100 120 一般歳出合計 107 107 107 106 100 100 99 98 104 105 97 97 116 106 96 95 95 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 ※基地対策経費等には、歳出化経費484億円を含む。また上記予算額 のうちSACO関係経費及び米軍再編関係経費のうち地元負担軽減分 は含めていない。 参-1 PDFページ 12/70 防衛生産・技術基盤を取り巻く環境② ~正面装備品の調達と装備品の整備維持に要する経費~ ○防衛関係費が抑制される中、装備品等のハイテク化といった要因などにより、整備維持に要する費用の 割合が増加(平成17年度以降、正面装備品等契約額を逆転)。 →新規主要装備品の調達を圧迫 正面装備品契約額・装備品等の整備維持経費(億円) 11,000 防衛関係費(億円) 55,000 正面装備品等契約額 (億円) 装備品等の整備維持経費 (億円) 10,000 45,000 9,000 防衛関係費 (億円) 8,000 7,000 35,000 6,000 5,000 25,000 4,000 0 3,000 (億円) 主要装備品等 契約額 装備品等の 整備・維持経費 防衛関係費 0 15,000 平成元年 平成2年 平成3年 平成4年 平成5年 平成6年 平成7年 平成8年 平成9年 平成10年 平成11年 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 10,207 10,727 8,985 8,650 8,800 8,820 8,250 8,352 8,410 7,980 7,965 7,720 7,670 7,660 7,630 8,010 7,141 7,310 7,436 6,784 7,256 6,837 4,400 4,769 4,908 5,339 5,737 6,184 6,372 6,600 6,794 6,477 6,642 6,610 6,790 6,837 6,829 6,972 7,180 7,562 7,575 7,479 7,755 7,923 39,196 41,592 43,858 45,516 46,404 46,833 47,234 48,452 49,412 49,287 49,198 49,215 49,385 49,392 49,262 48,760 48,297 47,903 47,815 47,426 47,028 46,826 ※「正面装備品等契約額」とは主として直接戦闘に使用する火器・戦車・戦闘機・護衛艦などの装備品調達に係る契約額を示し、「装備品等の整備維持経費」とは装備品の修理や消耗品の代価及び役務費などに係る契約額を示 す。 ※なお、平成20年度については、初度費一括計上による増額分1,267億円(維持修理に係る初度費一括計上分54億円含む)を除いている。 ※平成9年度以降の防衛関係費には、SACO関係経費及び米軍再編関係経費(地元負担軽減分)は除いている。 ※安全保障会議の経費については、平成20年度よりその他事項経費として組替え要求しているため、防衛関係費には含まれない。このため、平成19年度以前の予算額は平成20年度以降との比較対象のため組替え掲記している。 参-2 PDFページ 13/70 国内の防衛生産・技術基盤の特性と現状① ~国内における防衛産業のスケール~ ○我が国の工業生産額全体に占める防衛省向け生産額の割合は1%以下。 ○防衛装備品等の生産に従事する企業の防需依存度は、全体で4%程度で、多くの企業では防衛事業が 主要収益源とはなっていない状況。 ○他方で、比較的小規模な企業の中には、防需依存度が50%を超えているものも存在。 (1)防衛省向け生産額と我が国の工業生産額の比較 (平成19年) (2)関連企業の防需依存度分布(過去5年平均) (防衛省による関連企業57社へのアンケート調査に基づく) (単位:億円) 項目 防衛省向け生産額 品目 100% 舶 1,853 35,170 機 4,369 11,017 両 454 506,592 薬 3,756 4,264 電気通信機器 3,574 525,814 石 油 132,963 繊 維 船 航 空 車 武 医 器 弾 薬 糧 そ 総売上額に占める防衛省向け売上額の割合(防儒依存度) (%) 工業生産額 の 製 品 1,171 製 品 187 42,274 品 62 69,628 食 337 336,444 他 3,233 1,545,303 90% 防需依存度が50%を超える企業 80% (参考)他市場との比較 70% わが国の自動車産業の規模 約57兆円(二輪自動車含む) 60% 50% 全体の防需依存度:4.4% 40% 清涼飲料産業の規模 約1.9兆円 (防衛産業と同規模) 30% 20% 10% 合 計 1.9 兆円 320.9 兆円 約0.6%(=1.9兆円÷320.9兆円) 0% 0 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 各企業の総売上額(億円) ※1 「防衛省向け生産額」は、「装備品等の統計調査に関する訓令」(昭和34年防衛庁訓令第69号)により実施された「平成19年度装備品等調達契約額調査」によ る。ただし、「航空機」及び「武器弾薬」については、経済産業省経済産業政策局調査統計部編「平成19年機械統計年報」による。 ※2 「工業生産額」は、経済産業省経済産業政策局調査統計部編「平成19年工業統計表」による。ただし、「航空機」及び「武器弾薬」については、「平成19年機械統 計年報」による。 ※防需依存度とは、各企業の総売上に占める防衛省向け売上額の割合。 参-3 PDFページ 14/70 国内の防衛生産・技術基盤の特性と現状② ~国内防衛生産・技術基盤の5つの特性~ 1.工廠(国営工場)が存在せず、生産基盤の全てと技術基盤の多くの部分を民間企業が担っている。 2.加工組立度が高く、中小企業を中心とした広範多重な関連企業が存在。 3.少量・受注生産で市場が国内防衛需要に限定されていることから、量産効果が期待できない。 4.開発・製造には特殊かつ高度な技能・技術力が必要。また技能者の養成にも多くの時間を要する。 5.他方、長年の装備品の開発・製造実績等により、国内の防衛生産・技術基盤は、一定の技術力を保有。 (3)主要装備品の生産数量比較 (1)防衛産業の構造 防衛省 納入 契約 護衛艦関連企業 約2,500社 2,500社 納入 戦車関連企業 F-2 :94機 約1,300社 1,300社 戦車 90式:341両 M1(米) :10,331両 T90(露):1,168両 ・米露の戦車は輸出分も含む 艦船 イージス艦:6隻 イージス艦(米):76隻 ・いずれの隻数も自国海軍向 けに限る 清涼飲料産業 約480社 480社 防衛生産・技術基盤(民間企業が主体) (2)戦闘機の生産・開発の経緯の例 機種 1950年代 1955 1960年代 (練習機) 日本初超音速飛行 (1971、T-2) 1969 F-4 1980年代 1987 (77機) 1987 (199機) 1989 F-2 2010年代 1988 (96機) 1978 F-15 2000年代 1981 (140機) 1975 F-1 1990年代 1967 (230機) 1967 T-2 1970年代 1961 (300機) 1960 F-104 ・戦闘機の部品数は30万点 (⇔自動車は2~3万点) ⇒加工組立度の高さにつなが る要素 ・米国のF-16・F-15は輸出分 の生産数も含む F-15(米):1,460機 自動車産業 約7,700社 7,700社 主契約企業からの発注に より部品や構成品等を製 造 備考 F-15:189機 ※参考 (1社~数社) F-16(米):3,497機 (うち試作機等は104機) 航空機 下 請け外注企業 F-86 海外 戦闘機関連企業 約1,200社 1,200社 (1社~数社) 契約 日本 <関連企業数> 主 契約企業 2011 (94機) 契約締結 生産期間(ライセンス生産機種) 完納 生産期間(開発機種)(T-2とF-2は開発期間を含む。) 参-4 PDFページ 15/70 国内の防衛生産・技術基盤の特性と現状③ ~年間調達数量と年間操業時間の減少~ ○主要装備品の調達数量は減少しており、工場等の年間操業時間も過去5年で180万時間以上減少。 (1)主要装備品の年間調達数量の推移 昭和52年~ 昭和61年 昭和62年~ 平成8年 平成9年~ 平成18年 平成19年度~ 平成22年度 戦闘機 年平均 18.5機 年平均 8.8機 年平均 7.5機 年平均 2機 護衛艦 年平均 2.8隻 年平均 1.5隻 年平均 1.1隻 年平均 1.5隻 戦車 年平均 58.4両 年平均 31.4両 年平均 16.1両 年平均 9.8両 (2)防衛装備品関連工場等の年間操業時間の推移 (防衛省による関連企業61社へのアンケート調査に基づく) 2,800 2,709 万時間 2,700 2,600 2,500 2,525 万時間 2,400 2,300 0 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 参-5 PDFページ 16/70 国内に防衛生産・技術基盤を保持する意義 1.防衛装備品の供給・運用支援基盤(安全保障の主体性を確保) (1)我が国の国土の特性、政策などに適合した運用構想及び要求性能を有する装備品等を供給するこ とができる能力 (2)機密保持の観点から国産でなければ支障が生じうる装備品等を供給できる能力 (3)保有する防衛能力を最大限に発揮するために必要な維持・補給能力 (4)装備品等の緊急時における急速取得等のための能力 (5)各国の国防上の理由により国外からの入手が困難な技術の入手 2.バーゲニング・パワーの源泉 装備品等を外国から調達する際、可能な限り最新の装備品等を安価に購入できるようにするための バーゲニング・パワー(交渉力)の向上 3.潜在的な防衛力としての抑止効果 防衛力を自らの意思で強化できるという潜在的な防衛力としての抑止効果 4.日本の国力の一部 日本の国力の一部として経済力・技術力を養成 5.国内産業・経済波及効果 防衛装備品からのスピンオフを通じた産業全般への波及や国内雇用創出による経済波及効果 参-6 PDFページ 17/70 資料4 防衛省開発航空機の概要 平成22年 4月23 日 防 衛 省 PDFページ 18/70 救難飛行艇US-2 救難飛行艇US-1Aの除籍減耗への対応及び科学技術の趨勢に対応しつつ洋上 救難能力を向上させるため、必要な能力向上を図ったUS-2を平成8~18年 にかけて開発。 関連計画 年度 【開発費:約789億円】 15 16 17 18 ■初飛行 19 洋上救難能力の向上 20 21 22 23 24 ■部隊使用承認 試作(8年度~) イメージを表示できません。メモリ不足のた … 全般計画 イメージを表示できません。メモリ不足のためにイメージを開くことができないか、 イメージが破損している可能性があります。 コンピュータ を再起動して 再度ファイ ルを開いてください。それでも赤い x が表示される場合は、イメージを削除して 技術・実用試験 運用試験 イメージを表示できません。メモリ不 足のためにイメージを開くことができ ないか、イメージが破損している US-2 1,000マイル イメージを表示できません。メモリ不足のためにイメージを開く こ とができないか、イメージが破損している 可能性があります。 コンピュータ を再起動して再度ファイルを開いてください。それでも赤い x が表示さ れる場合は、イメージを削除して挿入してください。 量産初号機製造 量産機 量産2号機製造 イメージを表示できません。メモリ不足のためにイメージを開くことができな いか、イメージが破損している可能性があります。コンピュータ を再起動し て再度ファイルを開いてください。それでも赤い が表示される場合は、 量産3号機製造 イメージを表示できません。メモリ不足のためにイメージを開くことができな いか、イメージが破損している可能性があります。 コンピュータ を再起動し て再度ファイルを開いてください。それでも赤い が表示される場合は、 US-1A 800マイル US-1Aからの主要改造部位 エンジン・プロペラの換装 ○離着水性能の向上 ○長距離巡航性能、速度性能の向上 操縦系統のフライバイワイヤ化 ○安定性、操縦性の向上 ○操縦負荷の軽減 高高度飛行の実現 US-2 30,000ft 艇体上部の与圧化 ○高高度飛行が可能 ○患者輸送環境の改善 US-1A 10,000ft程度 統合型計器板の採用 ○ワークロードの軽減 ○操作性、視認性等の向上 主翼、波消板、浮舟等の軽量化 ○艇体上部与圧化の実現 ○離着水性能等の向上 迂回 前線越え可能 1 PDFページ 19/70 次期固定翼哨戒機XP-1・次期輸送機XC-2 ○P-3C及びC-1等の後継機として、2010年代以降、我が国周辺海域に おける常続的な広域の警戒監視や哨戒に使用する次期固定翼哨戒機及び有事の ほか、平和維持活動、国際緊急援助活動等の国外運航業務を含む航空輸送任務 に使用する次期輸送機を開発。 ○開発に当たっては、両機種の機体構造及び搭載システムの一部共用化により、 ライフサイクルコスト(開発経費、取得・維持経費等)の低減を図っている。 XP-1搭載エンジン 機体及び搭載システムの共用化 ■機体 水平尾翼 主翼 XP-1搭載エンジン(XF7-10)を国内研究開発 開発計画 【開発費:約3,444億円】 契約 年度 風防 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 (設計等) 約53億円 試作1 (設計等) 約345億円 試作2 次期固定翼哨戒機XP-1 次期輸送機XC-2 (XP-1#01号機、XC-2#01号機等) 約822億円 試作3 (XP-1#1号機、XC-2#1号機等) 約823億円 ■搭載システム(一例) 試作4 (XP-1#02号機、XP-1#2号機、XC-2#02号機等) 約782億円 試作5 (XC-2#2号機等) 約598億円 試作6 (補用品等) 約23億円 試作7 (強度試験等) 技術試験 技術・実用試験 (飛行試験等) XP-1 XC-2 2 PDFページ 20/70 XP-1の特徴 多様な任務を遂行する搭載システム 磁気探知システム 探知識別能力向上 音響システム 逆探知システム 衛星通信装置 戦闘指揮システム 複合材の採用 (尾翼、フラップ、倉扉他) 高速かつ自動化された戦闘指揮システム による戦術情報の処理能力向上 高バイパス ターボファン・エンジン 光波システム レーダーシステム 探知識別能力向上 フライ・バイ・ライト操縦 飛行管理システム 操縦士の負荷軽減 優れた耐電磁性 高度な飛行制御の自動化 「XP-1」は最新技術を結集し、現有機「P-3C」から性能向上を図っている。 3 PDFページ 21/70 XC-2の特徴(輸送能力の国内在来輸送機との比較) 1.災害派遣・・・初動で所要の装備品を迅速に投入する必要 C-1やC-130Hでは、貨物室高等の制約から、人命救助のため必要不可欠な救急車、野外手術シス テム、重レッカー車を空輸できない。 2.国際協力任務・・・大型貨物を迅速に長距離空輸する必要 C-130Hでは、巡航速度、航続距離の制約から、現地到着に時間を要する。 C-130Hでは、貨物室高等の制約から、国際緊急援助活動において迅速に投入されるべき水タンク車、 陸自の車載型浄水セットを空輸できない。 貨物搭載能力 航続距離 C-1やC-130Hでは輸送できなかった装備品の例 イスラマバード ホノルル デリー UH-60J 重レッカー シンガポール C-1 約1,700km 2.6t C-130 約4,000km ジャカルタ XC-2 車載型浄水セット 野外手術システム 5.0t 約6,500km 12t 4 PDFページ 22/70 資料 5-1 救難飛行艇US-2の民間転用について 平成22年4月23日 新明和工業株式会社 PDFページ 23/70 目 次 1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 3.US-2民間転用について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 (1)民間転用の意義 2.救難飛行艇US-2の概要 (1)主要諸元 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 (2)民間転用案 (2)技術的特徴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 ① 多目的飛行艇 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 ① 極低速離着水技術 ・・・・・・・・・・・・・・ 6 ② 消防飛行艇 ② 高耐波性技術 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 ③ 旅客輸送飛行艇 ③ 荒海運用能力 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 (3)主な実績 ① 救難実績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ② 海外における実績 9 ・・・・・・・・・・・・・・ 10 ③ 納入実績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 ShinMaywa Proprietary 4.民間転用に向けた課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19 (1)顧客獲得に向けた諸外国の取り組み事例 ・・ 20 (2)技術資料等の利用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 5.おわりに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 6.参考資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24 2 PDFページ 24/70 1.はじめに ◆ 救難飛行艇US-2は、海上自衛隊で運用する救難飛行艇US-1Aの後継機として、防衛庁(当時)が「21世紀 の飛行艇」を目指してH8年度から改造開発を行った、世界最高性能を持つ水陸両用航空機です。 ◆ 当社は水上航空機メーカーとして、戦前より九七式飛行艇、二式飛行艇 他を製造しており、「世界唯一で 日本独自のモノづくり技術」を継承・保有することから、本開発のプライム会社として、開発・製造を実施し てまいりました。 ◆ 本開発では同機の長所である「外洋離着水能力」、「極低速飛行能力」、「短距離離着陸(水)能力」を維持 しつつ、「離着水時の操縦性改善」、「患者輸送環境の改善」、「洋上救難能力の維持向上」を目的として、 「操縦系統のフライ・バイ・ワイヤ化(コンピューター制御)」、「与圧キャビンの導入」、「エンジンのパワーア ップ」等、最新の技術が採用されました。 ◆ US-2はH15年12月に初飛行後、これまでに4機を製造して海上自衛隊岩国航空基地へ納入しており、現在 当社においては通算5号機目の製造を行っております。 ◆ US-2は国内での救難用途のみならず、消防、海洋監視、離島支援(保全)、輸送等幅広い用途への転用 が想定され、これが実現すれば、世界でも我が国にしかできない国際貢献が可能となり、ひいては我が国 の国益向上につながるものと考えます。 ◆ 本資料では、救難飛行艇US-2の民間転用の展望についてまとめました。 ShinMaywa Proprietary 3 PDFページ 25/70 2.救難飛行艇US-2の概要 / (1) 主要諸元 諸元 全長 33.3m 全幅 33.2m 全高 9.8m Rolls-Royce AE2100J プロペラ Dowty R414 最大離陸重量/距離 47.7t / 490m 最大着陸重量/距離 47.7t / 1,500m 最大離水重量/距離 43.0t / 280m 最大着水重量/距離 43.0t / 330m 航続距離 4,500km以上 巡航高度 6,000m以上 巡航速度 480km/h以上 最大速度 560km/h以上 9.8m エンジン 33.2m 項目 33.3m ShinMaywa Proprietary 4 PDFページ 26/70 2.救難飛行艇US-2の概要 / (2) 技術的特徴 外洋における救難活動を主目的としていることから、航続性能の維持・向上と共に、悪天候時 の荒海でも安全に運用できるよう、主に以下の改造開発を行いました。 与圧キャビンの導入 電子式統合計器の採用 操縦系統のFBW化 FBW:Fly By Wire エンジン、プロペラの換装 極低速離着水技術 海上から離着水 高耐波性技術 洋上での遭難者救出後、直ちに病院に搬送する ため、最も近い空港に着陸できるよう「水陸両用 航空機」としての性能をもっています。 ShinMaywa Proprietary 5 滑走路から離着陸 PDFページ 27/70 2.救難飛行艇US-2の概要 / (2) ① 極低速離着水技術 世界で唯一、動力式高揚力装置(Powered High Lift Device)であるBLC (Boundary Layer Control: 境界層制御)装置を実用化しました。この装置により約90km/hという極低速での飛行が可能となり、 極短距離での離着水(STOL)性能を有するとともに、着水時の波による衝撃を緩和し、荒海での 離着水を実現しました。(STOL:Short Take Off and Landing) BLC圧縮機 プロペラ後流 高揚力 圧縮空気吹き出し エレベータ吹き出し BLCエンジン 外側フラップ吹き出し ラダー吹き出し 最大揚力係数≧7 (通常の飛行機のおよそ2倍) 内側フラップ吹き出し ・内外フラップから圧縮空気を吹き出し、プロペラ後流 を下方に大きく偏向させて大揚力を得る。 ・エレベータ及びラダーからも圧縮空気を吹き出し、舵 の効きを向上させることにより、極低速による安定し た飛行を可能としている。 ShinMaywa Proprietary BLCダクト 6 PDFページ 28/70 2.救難飛行艇US-2の概要 / (2) ② 高耐波性技術 独自の溝型波消し装置とスプレー・ストリップにより、着水時の飛沫や水流による機体構造や エンジン、プロペラへの損傷を防ぐ、高耐波性を実現しました。極低速飛行技術と併せる事に より、通常の飛行艇に対し、2倍以上の波高での離着水が可能となりました。 飛沫がプロペラ、 エンジンまで舞い上がる 水流を下方へ 逃がす 溝型波消し装置が ない場合 溝型波消し装置が ある場合 溝型波消し装置 外洋運用限界 (約3m) 10 水流を横へ 逃がす スプレー・ストリップ (波消し装置(凸型)) 5 通常の飛行艇 スプレー・ストリップ がない場合 ShinMaywa Proprietary US-2 波 高 (ft) スプレー・ストリップ がある場合 7 0 200 400 波長(ft) 600 800 (約240m) PDFページ 29/70 2.救難飛行艇US-2の概要 / (2) ③ 荒海運用能力 極低速離着水技術と高耐波性技術により、US-2は世界で唯一、波高3mの荒海での運用が可能 となりました。 世界の飛行艇の諸元性能比較 荒海離着水試験 STOL(短距離離着水)性能 離水:280m 項目 新明和工業 (日本) US−2 ボンバルディア社 (カナダ) CL-415 ベリエフ社 (ロシア) Be-200 推進系統 4発プロペラ 双発プロペラ 双発ジェット 全長 33.3m 19.8m 31.4m 全幅 33.2m 28.6m 32.8m 最大離陸重量 47.7ton 19.9ton 41.0ton 最大航続距離 4,500km 2,426km 3,300km 巡航高度 6,000m 3,048m 7,986m 巡航速度 480km/h 278km/h 560km/h 離水距離 280m 808m 1,000m 着水距離 330m 665m 1,300m 着水可能波高 3m 1.8m 1.2m (出典:Jane年鑑) 着水:330m CL-415 Be-200 (写真提供:文林堂) (用途) 消防、捜索救助、監視等 ShinMaywa Proprietary 8 (用途) 消防、捜索救助、輸送等 PDFページ 30/70 2.救難飛行艇US-2の概要 / (3) ① 救難実績 S51年からの海上自衛隊の救難活動により、洋上や離島における怪我人や急病人を救助・搬送し、 H22年3月末現在、約830名の尊い命を救っております。 0km 1,50 八戸 1,900km 岩国 洋上に着水して急患輸送を行う。 厚木 US-1A/US-2の救難活動実績 那覇 南鳥島 1,5 00 km 硫黄島 00 k 1,5 1,9 00 km m 1,900km 沖ノ鳥島 出動内容 件数 救助人員 患者輸送 651 701 洋上救難 138 113 その他 64 20 合 計 853 834 H22年3月末時点 :救難ポイント US-1A/US-2による救難活動実績 ShinMaywa Proprietary 9 ・US-1A 行動半径1500km(2時間捜索する場合) ・US-2の行動半径は1900kmに拡大 PDFページ 31/70 2.救難飛行艇US-2の概要 / (3) ② 海外における実績 アセアン地域フォーラム災害救援実動演習への参加(H21年5月4日) [Asean Regional Forum’s Voluntary Demonstration of Response 2009] マニラ湾にて、大型台風の襲来による大規模災害を想定して、日本を含めてASEAN諸国、米国、 欧州連合(EU)など11カ国1地域が加わり、国際災害救援実動演習が行われました。 海上自衛隊からUS-2が参加し、マニラ湾に着水して遭難者を救助するという想定で行われ、参加 各国から高い評価を得ました。 岩国 2,450 km 東京 硫黄島 南鳥島 沖の鳥島 フィリピン(マニラ) ShinMaywa Proprietary グアム 10 PDFページ 32/70 2.救難飛行艇US-2の概要 / (3) ③ 納入実績 救難飛行艇は海上自衛隊において、合計7機の少数機態勢で救難活動を実施しております。 機体は運用機の代替更新のみで、S47年度にUS-1の1号機の製造を開始してから、H23年度ま での40年間における納入機数は合計25機であり、年間平均生産機数 0.63機という低い生産レー トとなっております。 また、信頼性が向上したUS-2の今後の納入については、更なる生産レートの低下が予想され、 当社及びサブコン、装備品メーカー(千数百社)の生産技術基盤の安定的な維持及び、価格の 低減が困難になると考えられます。 機 種 US-1/-1A US-2 合 計 機数 製造期間 平均生産レート 20 S47年度∼H14年度 (31年間) 0.65機/年 5 H12年度∼H23年度 (12年間) 0.42機/年 25 S47年度∼H23年度 (計40年間) 0.63機/年 H22年4月現在(納入予定を含む) ShinMaywa Proprietary 11 PDFページ 33/70 3.US-2の民間転用について / (1) 民間転用の意義 国内外の安心・安全貢献 民間転用 の意義 ・災害救援、離島支援、消防、国際貢献等 ・我が国固有の飛行艇技術の維持・発展 生産技術基盤維持 ・自衛隊機の安定的運用支援の維持・発展 ・国内メーカーの安定的維持・発展 防衛予算の効率的運用 ShinMaywa Proprietary ・量産効果による機体価格の低減 12 PDFページ 34/70 3.US-2の民間転用について / (2) 民間転用案 救難飛行艇 US-2 多目的飛行艇 消防飛行艇 旅客輸送飛行艇 US-2の基本性能を継承し、小規模な改造を 行い、目的に応じた機能・性能を有する機体 消火システムを追加する中規模な改造を行 い、消防能力を有する機体 民間旅客用航空機に対する安全性を満たす よう、大規模な改造を行い、民間型式証明を 取得した機体 座席38席 ギャレー 目的に応じ、機内レイアウトを人員輸 送、物資輸送形態等へ変更する。 ・災害救援 ・離島医療支援 ・洋上監視、国境離島保全 ・物資輸送、国際緊急援助 ShinMaywa Proprietary 放水扉 取水口 水タンク(15ton) ラバトリー パッセンジャードア ・大規模林野火災における消火活動 ・大規模都市火災における消火活動 ・火災の延焼抑止、避難路確保等 13 ・離島-都市間等の民間輸送 PDFページ 35/70 3.US-2の民間転用について / (2) ① 多目的飛行艇 US-2多目的飛行艇は、災害支援、離島医療支援、洋上監視、国境離島保全、物資輸送等様々な 用途での活用を想定しております。 「海洋基本法」に基づく、国境離島保全構想 災害支援、物資輸送による国際緊急支援構想 大地震や津波によって、陸上滑走路が被害を受けている場合 でも、US-2なら洋上での離着水が可能な為、迅速に先遣隊 や物資を輸送することが可能です。 E120° E130° E140° E160° E150° US-2の行動範囲 4.5hr圏 4hr圏 N40° 3hr圏 2hr圏 1hr圏 行動半径1900km 尖閣諸島 巡航 離陸 離陸(水) 1 7 0 0k m N30° 着陸(水) 被災地 飛行場 沖ノ鳥島 着陸 ShinMaywa Proprietary ゴム・ボート等で 支援物資を輸送 : 排他的経済水域 14 手段 所要時間 US-2 片道約4時間 船舶 片道約2日 N20° 東京−沖ノ鳥島への所要時間比較 PDFページ 36/70 3.US-2の民間転用について / (2) ② 消防飛行艇 US-2消防飛行艇は、水上を滑走しながら15トンの消防用水を取水できます。これにより、林野火 災や大規模都市火災における迅速な初期消火や延焼防止、避難民の安全確保等の消防活動が 行えます。地球温暖化の影響により、地中海沿岸諸国や米国、豪州など世界各地で林野火災が 増加しており、US-2消防飛行艇の活用が期待されます。 PS-1による消防実験 消火システム概要 取水スクープ部断面図 水タンク部断面図 仕切り板 US-2消防飛行艇 (イメージ) ベント及びオーバー フローダクト 取水スクープ 水タンク(15ton) 水投下ドア 消火技術 独立行政法人 宇宙航空研究開発機 構(JAXA)及び財団法人 日本航空機 開発協会(JADC)と消火技術に関す る共同研究を実施しています。 (H20年度∼) ShinMaywa Proprietary 解析 風洞放水試験 試験 CFD解析 シミュレータ試験 (写真提供:(独)宇宙航空研究開発機構) 15 PDFページ 37/70 3.US-2の民間転用について / (2) ② 消防飛行艇 世界の主な消防用航空機を以下に示します。 区分 飛行艇 多発機 機種 エンジン 搭載水量 概観 備考 CL-415 プロペラ 6トン Be-200 ジェット 12トン US-2 プロペラ 15トン 民間転用案 (イメージ) P-3A プロペラ 11トン 中古機を改造 Tanker 910 (DC-10) ジェット 45トン 中古機を改造 AT-802 プロペラ 3トン 陸上機 単発機 水上機 (出典:Jane年鑑、(財)日本航空機開発協会、文林堂) ShinMaywa Proprietary 16 PDFページ 38/70 3.US-2の民間転用について / (2) ② 消防飛行艇 消防飛行艇の市場規模を以下に示します。 欧州における主要な消防機需要予測 世界の中型消防機数 総機数:約180機 (フランス、スペイン、ギリシャ、カナダ、アメリカ等) 機数 陸上機 45機 (26%) 各種陸上 大型消防機 45機(26%) CL-215/415 126機 (71%) 180 160 140 120 新規需要 100 クロアチア 80 ギリシャ 更新機数 60 イタリア 40 スペイン 20 フランス 0 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 年 主要消防機:中型消防機(CL-215,415,S2T)を示す. 新規需要:比較的大規模火災が発生する国を想定. Be-200 (ロシア製) 5機(3%) 飛行艇 131機 (74%) ・主な機体更新時期:CL-415 (仏)2020年頃, (他国)2025年頃 ・需要予測:中型消防機 2010年から15年間−約130機 2015年から10年間−約80機 (出典:(財)日本航空機開発協会) ShinMaywa Proprietary 17 PDFページ 39/70 3.US-2の民間転用について / (2) ③ 旅客輸送飛行艇 US-2旅客輸送飛行艇は陸上滑走路を必要とせず、環境に優しく、離島航空路を設置することが 可能です。 東京ー小笠原(父島)間の旅客輸送の構想を以下に示します。 羽田空港 エプロン (駐機場) 距離 スロープ (揚陸用傾斜路) :約1000km 飛行時間 :片道約2.5時間 船舶 :片道約25.5時間 父島 揚陸用施設 ShinMaywa Proprietary 18 PDFページ 40/70 4.民間転用に向けた課題 No. 項目 1 開発/販売コスト 2 顧客の獲得 3 技術資料等の利用 民間型式証明の取得 4 (必要な場合)※ 5 輸出に関わる手続き 6 プロダクトサポート 課題 ・開発コストと販売コストを見極め、事業化を判断 ・ローンチ・カスタマーの早期確定 ・防衛省の技術資料、試験器材、治具等の利用 ・特殊用途機に対する規定(Restricted Category)の制 定(多用途、消防機の場合) ・自衛隊機であるUS-2をベースとした機体の輸出に関 する手続き ・国内外における技術支援、整備、補給等のプロダクト サポート・スキームの構築 ※民間型式証明の取得に当たっては、適合性証明手法検討および必要な試験実施等 において、公的機関(JAXA等)の技術的協力、各種設備の有効活用を希望します。 ShinMaywa Proprietary 19 PDFページ 41/70 4.(1)顧客獲得に向けた諸外国の取り組み事例 機種 CL-215/415(カナダ) Be-200(ロシア) (写真提供:文林堂) 年代 主な販売活動 1970 米国でデモ実施 1974 世界一周デモフライト 日本(水戸、福岡、泉佐野、札幌、和歌山、徳島基地、下総基 地)、タイ、フィリピン、香港、トルコでデモ実施 1979 米国でデモ実施 1981 アルゼンチンでデモ実施 1995 世界一周デモフライト (ヨーロッパ、中東、アジア、オーストラリア) 2002 アジア太平洋デモフライト (アジア各国、Asian Aerospace 2002出展) 2002 ドイツエアショー出展、フランスおよびギリシャでデモ実施 2003 ギリシャおよびフランスでデモ実施 2005 イタリアがリース契約締結 2006 ポルトガルがリース契約締結 2006 インドネシアがリース契約締結 2007 ポルトガルがリース契約締結 受注状況 カナダ、フランス、ギリシャ、 イタリア、スペイン、トルコ、 クロアチア、マレーシアなど が購入 合計150機 ロシア緊急事態省(民間防衛省) が5機購入 *その他、パリ、ファンボロー、シンガポール等エアショーへの出展を官民共同で行っています。 ShinMaywa Proprietary 20 PDFページ 42/70 4.(1)顧客獲得に向けた諸外国の取り組み事例 欧米では、消防機などの特殊用途機に対する「Restricted Category」が制定されています。 また、軍用機を民間転用する際に、型式証明を簡易に取得する制度があります。 区分 FAR (FAA/アメリカ) 規定 分類 概要 Part 21.25 Restricted Category 特殊用途機(消防機等) Part 21.27 Normal / Utility / Acrobatic / 米軍機の民間特殊用途 Commuter / Transport Category への転用 Basic Regulation (EASA/EU) Part 21A.23 Restricted Category 特殊用途機(消防機等) CAR (TCCA/カナダ) CAR 511.11 Restricted Category 特殊用途機(消防機等) FAR: Federal Aviation Regulations FAA: Federal Aviation Administration EASA: European Aviation Safety Agency AC: Advisory Circular (注)CL-215/415:欧米の民間型式証明取得済み。 Be-200:欧州の民間型式証明取得を計画中。 ShinMaywa Proprietary 21 CAR: Canadian Aviation Regulations TCCA: Transport Canada Civil Aviation PDFページ 43/70 4.(2)技術資料等の利用 防衛省のUS-2飛行艇に関する技術資料、治工具及び関連器材等は、民間転用の事業化 検討からプロダクト・サポート迄の全てのフェーズにわたり、使用目的に応じて取捨選択の 上、以下に示す利用を希望します。 フェーズ 事業化 検討 使用目的 ・機体の機能、 性能検討 型式証明等 取得 受注活動 ・機体の機能/性能 等の顧客説明 ・耐空性審査要領に 基づく安全性の実証 製造 ・治工具等を使用した 製造/検査 技術資料(図面、諸計算書、技術・実用試験等) 必要な技術 資料等 治工具等 22 関連器材(試験用器材、整備用器材等) ShinMaywa Proprietary 22 プロダクトサ ポート ・維持/補給等 PDFページ 44/70 5.おわりに ◆ 防衛省が開発したUS-2は多くの民間転用の可能性を有しており、これ を有効に活用することにより、国内にとどまらず、災害派遣、救難等の 国際貢献が可能です。また民間転用が進むことにより、機体価格の 低減、並びに海上自衛隊機の安定的運用支援の維持・発展に貢献す ることができます。 ◆ 更に民間転用は、我が国の航空機産業における技術基盤の維持・発 展に寄与すると共に、我が国独自の飛行艇技術を将来に伝えていくこ とができます。 ◆ 諸外国の航空機産業では、国家事業として官民一体となった開発、生 産、販売を行っております。我が国においてもUS-2の民間転用実現に 向けて、絶大なるご支援を頂けますよう、お願い致します。 ShinMaywa Proprietary 23 PDFページ 45/70 6.参考資料 / 実大供試体による地上放水試験概要 消防飛行艇 放水システムの社内研究として、地上試験用放水タンク・システムを 開発し、地上放水試験を実施しました。 ○ ○ ○ ○ 実施期間 実施担当 実施場所 試験概要 : : : : S62年 ∼ 63年 新明和工業(株)社内研究 新明和工業(株) 甲南工場 地上放水試験(放水量15トン) 供試体 供試体 放水タンク 放水タンク・システム ShinMaywa Proprietary 放水タンク下部 24 放水ドア PDFページ 46/70 資料5−2 防衛省大型機の民間転用構想について 平成22年4月23日 川崎重工業株式会社 航空宇宙カンパニー PDFページ 47/70 目 次 1. 全般 2. XC-2 転用貨物機事業の構想 2-1 XC-2転用貨物機の概要と他機との比較 2-2 XC-2を転用することのメリット 2-3 YCXの代表的な運用例 2-4 YCXの特徴 2-5 YCXの市場 2-6 民間輸送機にするために必要な変更 2-7 防衛省所有データ等の有効活用 2-8 事業体制の例 2-9 民転事業による波及効果 2-10 事業化判断 3. XP-1開発成果の活用 3-1 XP-1開発成果の活用① 3-2 XP-1開発成果の活用② 1 PDFページ 48/70 1. 全 般 : 国産民間輸送機へ向けて 大型機の民間転用 国産民間輸送機 へ向けて 大型官需機同時開発 XP-1&XC-2 Boeing787 STOL実験機 Embraer170 P-3C哨戒機 Boeing777 C-1輸送機 Boeing767 弊社は、大型機を含む70年近くに及ぶ航空機の生産、開発を経て、数多くの航空機の根幹技術を練磨し、設計 及び生産基盤を整備してきた。 現在、これらの経験を踏まえ、システムインテグレーション技術やデジタルフライバイワイヤ/フライバイライト 技術等新技術を用いてXP‐1とXC‐2を開発し、その玉成に注力している。さらに、この経験を生かして、民間輸 送機の世界に出ていきたいと構想している。 2 PDFページ 49/70 1. 全 般 : 民間輸送機の構想 【XC-2転用貨物機】 • XC-2転用貨物機は、ほぼそのままの形で民間貨物機の市場に出せる可能性がある。 • 現段階では市場調査や、事業のスキーム、転用の具体的なやり方などについて、検討して準備中。 • 母機XC-2の開発完遂の目処が得られた後に、上記の検討の結果により事業化のGo/NoGoを判断。 • 民間機として改造設計、試作、試作機による飛行試験を経て型式証明を取得し市場投入。 【XP-1開発成果を活用した将来の民間機】 • XP-1をほぼそのまま転用した旅客機は市場性に乏しく、新規に近い大幅な設計変更が必要となり成立性が難しい。 • ただし、将来の民間機の開発に際し、グラス・コックピット、フライバイライト操縦系統、低コスト軽量複合材尾翼などの開発成 果適用が考えられる。 • 相当の開発費が必要な事業であるため、今後もスタディを継続しつつ、まず、XC-2転用貨物機事業を実現させた後、事業化 は慎重に判断する。 以上より、XC-2転用貨物機事業を先行的に取り組みたい。 • ほぼそのまま貨物機として転用する。 • 民間規格適合、民間運用対応のため、 一部の改修等を行う。 XC-2 XC-2転用貨物機 3 PDFページ 50/70 1. 全 般 : (補足)XP-1転用旅客機の成立性 XP-1をほぼそのまま転用した旅客機の成立性は以下の点から難しい。 • エンジン XP-1は任務上の要求から小型エンジンの4発機であるが、旅客機化する場合は経済上の要求から 双発機とする必要がある。双発とする場合、エンジンは1クラス上の推力の物に換装することとなる。 また、エンジン取り付け構造も再設計となる。油圧系統、電気系統もエンジンの基数により系統設計が 全面変更となる。 • 主翼面積 XP-1はその運用目的から、高速・高空性能と同時に低速・低空性能にも重点を置いている。このた め、高速・高空巡航を主要な設計点としている旅客機としては主翼が過大であり、主翼面積を60%程度 に縮小して再設計が必要である。 • 胴体構造 XP-1は任務装備等のため、床下が非与圧であるが、旅客機は一般に床下を含む胴体全体を与圧 する。このため、胴体構造を大幅に変更する必要がある。 XP-1 4 PDFページ 51/70 2. XC-2 転用貨物機事業の構想 5 PDFページ 52/70 2-1 XC-2転用貨物機の概要と他機との比較 以下、XC-2転用貨物機をYCXと呼ぶ。 ・全長 ・全幅 ・全高 ・離陸重量 約44m 約44m 約14m 約140ton C-130 離陸重量 70 ton A400M 離陸重量 130 ton 最も多く使用されている軍用輸送機 1954年初飛行 現在も製造中、2,300機を越える L-100として民間でも約100機使用 エアバス社が開発中 2009年12月初飛行 XC-2とほぼ同じ機体規模 YCX 離陸重量 140 ton C-17 離陸重量 265 ton An-124 離陸重量 400 ton 米空軍の大型輸送機 1991年初飛行 英空軍、豪空軍も導入 合計約200機 量産された世界最大の輸送機 1982年初飛行 民間でも超大型貨物の運搬事 業に運用されている • YCXはC-130とC-17の中間の機体規模である。 • 貨物輸送市場の拡大と共により大型の機体が求められる傾向であるため、YCXはC-130の後継機に最適である。 • A400Mは機体規模、搭載能力がYCXと競合。但しプロペラ機なので、YCXが高速性能に優れる。 なお、同クラスでTC 取得したランプ扉型機*は無い(2010.4 現在) なお、同クラスでTC取得したランプ扉型機 は無い(2010.4現在) *ランプ扉型機:後部に大型のランプ扉を有し、車両の自走搬入搬出を含む大型不定形貨物に対応出来る貨物輸送機 6 PDFページ 53/70 2-2 XC-2を転用することのメリット 1. XC-2を基本的にそのまま民間機に転用できる。 2. 十分な貨物室寸度が確保された機体規模である。 3. ターボファン・エンジンの双発機であるため経済性に優れる。 4. 高速・高空性能を有し、民間旅客機に混在して航空路を制限なく飛行 できる。 7 PDFページ 54/70 2-3 YCXの代表的な運用例 大型不定形貨物が搭載可能、2段ラックにより民間コンテナも効率的に搭載できる。 大型ジェットエンジン トレーラートラック (GE90を含む世界で使用されている全てのジェットエンジンを搭載可) 民間規格コンテナ(航空貨物用LD-3型) 民間規格コンテナ(20フィート海上コンテナ) 8 PDFページ 55/70 2-4 YCXの特徴 - ①搭載能力 • YCXは十分な貨物室寸度を確保しつつ、使いやすい適切な機体規模である。 • A400Mは貨物室寸度、機体規模ともYCXに近いが、天井高についてはYCXが勝る。 • なお、C-17およびAn-124はYCXを上回る貨物室寸度であるが、 FAAおよびEASAのTCは未取得。 十分な天井高 (A400M,C-17に勝る) YCX ( 4mH x 4mW x16mL) An-124 An-12 C-130 A400M C-17 IL-76 ランプ扉 長さ : ランプ扉を含まない 天井高 : 主翼桁下における天井高 民間貨物機市場における競合機(ランプ扉型機)との概寸比較 出典 C-1 : 日本航空宇宙学会誌第20巻 第224号 C-130H 、C-17 : 米空軍HP A400M : エアバスミリタリー社資料 IL-76 : ボルガ・ドニエプル航空資料 An-12 : チャップマン・フリーボーン・エアチャーターリング社HP An-124 : ポレット貨物航空資料 9 PDFページ 56/70 2-4 YCXの特徴 - ②航続性能(1) • 航続性能に優れるため、二地点間輸送が多いと想 定される大型不定形貨物の輸送に適する。 • YCXは12トンのペイロードを搭載してオーストラリア、 アジア地域を完全にカバーできる。 ペイロード 4 ※ ※1 ※2 ※3 ※4 航続距離※1 最大 5,600 km (3,000 nm) 12トン 8,900 km (4,800 nm) フェリー※2 10,000 km (5,400 nm) No Wind, ISA + IFR Reserve (MIL-C-5011A) 機体の移動を目的とした貨物を運送しない運航 エアバスミリタリー社資料より 米海軍HPより 10 3 ※ PDFページ 57/70 2-4 YCXの特徴 - ②航続性能(2) 11 PDFページ 58/70 2-4 YCXの特徴 - ③経済性と高速・高空性能 貨物室寸度および機体規模が競合するA400Mと比較して、YCXは、整備コストが低く、高速・高空性能も 勝るため、民間運用に適する。 経済性 高速性能 ×2) YCX:ターボファン双発(実績あるCF6 (実績あるCF6× (最大巡航速度) YCX ※ A400M 0.0 シンプルで整備コスト小 A400M:ターボプロップ4発 0.2 高度 (m) 15,000 0.4 0.6 0.8 1.0 マッハ数 高空性能 (最大巡航高度) (新開発のターボプロップエンジン× (新開発のターボプロップエンジン×4+新開発のプロペラ× +新開発のプロペラ×4、内側と外側では逆回転) 10,000 5,000 複雑で整備コスト大 0 YCX A400M ※ ※ エアバスミリタリー社資料より 12 PDFページ 59/70 2-5 YCXの市場 日本航空機開発協会の市場調査により、米国、欧州、中東を中心とする50社近くの顧客候補 を訪問し、市場の状況を把握した。 大型貨物の空輸需要は以下に示す様な用途に対し、安定した成長が見込まれる。 ・ 大陸内陸部への大型貨物輸送 ・ 被災地への救難物資輸送、平和維持活動における物資輸送 YCXが属する「ランプ扉型貨物機」は、CIS・中国を除く地域で2026年までに約230機の市場規 模となる事が予想される。 【特殊大型貨物機の市場予測(CIS・中国を除く)】 【エアラインのコメント】 250 機数 200 • YCXは、An-124/Il-76/L-100等の後継機の候補となる 新造機 既存機 • 想定貨物は、半導体製造装置, 発電設備, 掘削機, 航空宇宙部 品, 競争馬等である 150 • An-124は大きくリース料も高額なので、小さめのカーゴでは 100 YCXに分がある 50 0 2006年 2026年 日本航空機開発協会(JADC)予測 13 PDFページ 60/70 2-6 民間輸送機にするために必要な変更 XC-2を、ほぼそのまま転用するが、民間規格適合、民間運用対応のため一部、改修等を行う。 対象 変更方針 機体形状 そのまま 機体構造 市場要求に適合するため一部を改修 機内 貨物室、コックピットの一部変更 エンジン 変更なし 装備品 民間規格に適合するための改修 及び 一部民間規格適合品に換装 その他 民間運用オプション装備追加 機内クレーンなど 任務機器はYCXに搭載しない 自機防御系統、暗号無線機、空中 投下系統等の自衛隊機特有の装 備は転用しない。 任務機器 備考 耐用寿命の延長、貨物室仕様の変 更等にともなう構造改修 ・貨物室床面等の仕様変更 ・予備座席の追加 米国GE社 CF6-80C2 搭載電子機器のソフトウェアを含む 14 PDFページ 61/70 2-7 防衛省所有データ等の有効活用 防衛省所有の技術データや設備を、XC-2の開発作業に支障のない範囲で利用す ることで、YCXの設計・TC取得・市場調査を、今後も引き続き効率的に実施でき、 XC-2民間転用が円滑に行える。 有効活用する技術データ ・ XC-2の設計・解析、試験に関連する技術文書 (以下例示) 設計・解析関連 ・設計基準書 ・設計計算書 ・設計検討書 ・製造図面、等 試験関連 (関連試験, 技術確認試験, 全機静強度・疲労強度試験, 技術・実用試験等) ・試験実施計画書 ・試験実施要領書 ・試験実施方案 ・試験成果報告書、等 ・試験管理規程 ・試験計測規程 ・試験設備管理規程、等 に相当する資料 設備等の利用 ・ 防衛省所有の試験施設・設備等の利用 15 PDFページ 62/70 2-8 事業体制の例 XC-2試作体制(参考) ①KHIを主体とした体制 ②他国企業と協業しSPCを設立する体制 需要が拡大した場合には事業リスクの低減のため新会社を設立 年産2∼4機程度の需要であれば、できるだけ現在 のXC-2試作体制を踏襲する。 事業体制 需要の拡大に対応するため最終組立を海外メーカーに 分担させて、事業リスクの低減を図る観点からSPCを設 立する。 事業体制 事業体制 防衛省 試作契約 サブコン MHI KHI航空宇宙 KHI航空宇宙 カンパニー 設計参画 引き入れ 設計請負 設計・開発 国内装備品メーカー 海外装備品メーカー MHI 設計参画 引き入れ 設計請負 KHI航空宇宙 KHI航空宇宙 カンパニー 製造・組立 調達 プロダクト サポート その他 製造メーカー 防衛省 設計・開発 FHI FHI 部分部位 製造 サブコン 情報利用及び 相互情報管理 母機設計 関連情報等 部分部位 製造 国内装備品メーカー 海外装備品メーカー 商社 製造・組立 KHI航空宇宙 KHI航空宇宙 カンパニー SPC 請負契約 プロジェクト管理 ・販売/マーケティング ・調達 ・プロサポ本部 請負契約 設計・開発 出資 /配当 出資/配当 調達 運航不具合 情報等 MRO/エアライン プロダクト サポート 商社、コンサル 販売 /マーケティング •民間仕様に対応する一部の装備品や部位については、XC2試作では参画していないメーカーや海外装備品メーカーが 対応することもありうる。 •民間規格適合や民間運用対応においては、公的機関 (JAXA等)の協力を視野に入れる。 •MRO : Maintenance Repair & Overhaul 海外メーカー ・最終組立 ・飛行試験 ・製造 ・ミッション機材開発 ・プロサポ 製造・組立 情報利用及び 相互情報管理 防衛省 母機設計 関連情報等 ・ベーシック機材開発 ・製造 ・パーツ、サブASSY 調達 支払 プロダクト サポート 生産 情報等 販売 /マーケティング 運航不具合 情報等 •SPC : Special Purpose Company (特別目的会社) 16 PDFページ 63/70 2-9 民転事業による波及効果 【わが国の航空機生産基盤の維持/効率化】 製造機数が増加するので、量産効果により以下の効 果が期待できる。 • 国内の関連メーカーの作業量が増加し生産基盤が安定 する。 • 部品生産量の増加により部品製作/購入における効率 が向上しコストが低減する。 【防衛省機の技術及び後方支援基盤の維持/効率化】 運用機数が増加するので、以下の効果が期待できる。 • 後方支援に必要な技術作業のボリュームが確保され、技 術基盤が安定する。 • 補用品の必要総数が増加するため、補用品供給基盤が 安定すると同時に製造効率が向上する。 • YCX海外サポート体制が構築されるので、防衛省機の 海外展開時の利便性が増す。 東京 愛知 神奈川 凡例 航空機メーカー 機器、電気、電子 一般部品、材料 KHI 外注加工等 主要な国内のXP-1,XC-2関連メーカー(約300社) 17 PDFページ 64/70 2-10 事業化判断 事業化判断の条件は以下の事項につき確信が得られ、且つ、社内的な 準備が整うことである。 • 母機の開発完遂の目処が得られること (技術実用試験完了目処:FY2013末頃) • TCの取得にあたって防衛省データが活用できること • 事業性ありと会社が判断できること ・市場があり目標の販売機数に目処が得られる ・開発、生産、プロサポ体制に目処が得られる ・顧客にコミットする内容が確定できる (機体仕様、性能、機体価格等) 18 PDFページ 65/70 3. XP-1開発成果の活用 19 PDFページ 66/70 3-1 XP-1開発成果の活用① 横7列座席 NRT-NYC 大圏距離 5850nm(10832km) 太平洋線NRT-LAX 大圏距離4730nm(8760km) 大西洋線NYC-CDG 大圏距離 3156nm(5845km) 北米大陸横断NYC-LAX 大圏距離 2145nm(3973km) XP‐1を同じ規模で、ほぼそのまま転用すれば、小型ー長距離型の旅客機になるが、エアライン調 査の結果では、小型ー長距離型機材への需要は小さい。 横6列座席 座席数 z 横4列座席 MRJ90 MRJ70 RJ100 90席 RJ70 RJ85 70席 XP-1機体規模相当 ※MD-XXシリーズ、737-3/4/500シリーズは省いた。 航続距離[nm] 50席 20 PDFページ 67/70 3-1 XP-1開発成果の活用② z z 旅客機市場に適合するためには、機体の基本形状から変更する必要があり、成立性が難しい。 ただし、将来の民間機の開発に際し、グラス・コックピット、フライバイライト操縦系統、低コスト 軽量複合材尾翼など母機の装備品、系統、構造の一部と設計技術等を活用することが考えら れる。 活用可能な成果の例−【フライバイライト操縦系統】 z z XP-1で実用機として世界初のフライバイライト操縦系統を実現した。 飛行制御信号に光信号を使用しているので、他の電子機器からのノイズや雷に よる電磁干渉を受けないため、(フライバイワイヤの利点に加えて)安定した確実 な作動を保証できる。 21 PDFページ 68/70 資料6 防衛省開発航空機の民間転用に関する論点 平成22年4月23日 事 務 局 1.基本的な考え方 防衛省・自衛隊としても、企業によって、民間転用機が開発・生産・販売 されることで、例えば、①我が国の防衛生産技術基盤が維持・向上される、 ②防衛省機と民間転用機の量産効果により、防衛省機に係る価格(航空機購 入費、後方経費)が低減する、③防衛省機が民間転用機のサポート設備を利 用可能となる、といったメリットが得られる。 したがって、検討にあたっては、民間転用に関する適正な枠組みのもと、 我が国防衛生産技術基盤を担う航空機産業と防衛省・自衛隊の双方が得られ るメリットの最大化を図れるよう留意することが必要。 2.各論点 (1)主に有識者の先生方に御議論いただきたい論点 ①企業による開発経費の国への還元 公的な研究開発費用を使用した国民の財産である成果物を企業が利用す ることを踏まえ、適切に当該経費が国へ還元されることが必要。他方、量 産効果や生産技術基盤の維持といった観点からは、民間転用機が多数生 産・販売されることが望ましく、過度に開発経費を還元させることで企業 の採算が合わず、事業が成立しないといったことにならないように配慮す ることも必要。これらを踏まえ、還元額及びその支払方法については、如 何にあるべきか。 ②民間転用機の開発に関する知的財産の取扱い等 企業が民間転用機を開発する過程において新たに得た知見に基づく特許 等については、企業に帰属するものの、例えば、当該特許を防衛省機に適 用する場合には、特許の実施料を無償とするなど、防衛省機の開発無くし て得られなかった知的財産の取扱いについては如何にあるべきか。 また、防衛省機と民間転用機による量産効果といった観点からは、防衛 省機も有する部位の民間転用機の生産体制については、極力、防衛省機と 同じとすることが望ましいが、企業の民間転用に関するビジネスモデルを 1 PDFページ 69/70 踏まえ、如何にあるべきか。 ③民間転用機の生産・運用に関する情報等 民間転用機の生産体制や販売に関する情報(価格・販売先)のほか、防 衛省機に影響が及ぶ民間転用機の運用情報(例えば事故等)や、民間転用 機のサポート設備の防衛省機による利用可能性を検討するために、当該施 設に関する情報を、企業は防衛省に報告するなど、民間転用機の生産・運 用に関する情報の防衛省への提供については如何にあるべきか。 (2)主に防衛省・自衛隊の判断に基づく論点 ①民間転用を認めない装備品・適用を認めない技術 防衛省・自衛隊が運用するUS−2やXC−2は、洋上救難、国際緊急 援助活動等の航空輸送任務を目的に開発された航空機であるが、防衛省と して、自衛隊の任務に与える影響を考慮し、転用を認めない搭載装備品や 適用を認めない技術について検討する必要がある。 ②防衛省が保有する技術資料の開示・使用 企業が民間転用機のプロモート活動に使用する資料や、型式証明の取得 等を目的として使用を希望する防衛省保有技術情報の開示の範囲及び手続 きについて検討をする必要がある。 (3)その他 2 PDFページ 70/70 資料7 今後の進め方について(案) 平成22年4月23日 事 務 局 今後、月1回を目途に検討会を開催し、今夏を目途に取りまとめを行うこと としたい。次回検討会では、本日の議論を踏まえ、企業による開発経費の国へ の還元の在り方等について、整理・検討したい。 《今後の予定》 第2回 5月20日(木) 14:00∼16:00 《参考》開催状況 第1回 4月23日(本日)民間転用の展望及び論点について 1
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