授業づくりにおける構成軌跡図 授業を構成していく際にABCで考えた

「合言葉は手ジャンプ!
目指せ!スーパージャンプ!(大きな開脚跳び)」
授業づくりにおける構成軌跡図
○授業を構成していく際にABCで考えた軌跡
〈動きの面〉
助走~踏み込み~踏み切り
・ダイナミックな切り返し技への憧
れ。
・最後の一歩を大きく踏み出した助走ができる。
器
械
運
動
領
域
(
6
年
生
跳
び
箱
運
動
)
・助走の勢いを落とさずに両足で強く踏み切る
・体がふわっと浮く心地よさ。
・跳び箱を越える時の非日常的な感
覚。
・体を前方に投げ出し、腕を前に振り出して着
手することができる。
・腰を高く上げることができる。
・上体が起きるような強い突き放しができる。
・かえるの足打ち ・いろいろなうさぎ跳び
・いろいろな馬跳び ・壁ドン
ことができる。
第1空中局面~着手~第2空中局面
○大きな開脚跳びにつながる予備運動
○課題を解決する練習の場の設定
・ロイタージャンプ
・腕支持跳び下り
・その場跳躍突き放し
・段差跳び箱突き放し①
・段差跳び箱突き放し② ・スーパーマンジャンプ
○共通言語の共有(強い突き放し→「手でジャンプ」)
・足、手、足のリズムで跳び越す心
地よさ。
強い突き放しを「手でジャンプ」という共通言語に置
き換えることで、友達同士で見合うときのアドバイスや
教師の声掛けがより分かりやすいものになる。
○動画を見て自分の動きにフィードバック
着地
自分や友達の動きを動画モードで撮影して、見ること
・上体を起こして着地することができる。
で動きにフィードバックできるようにする。
・膝を柔らかく曲げて安全で安定した着地をす
○出来栄えを評価し合える学習活動
ることができる。
・開脚跳びジャンケン
・開脚跳び(紅白玉)
〈学びの面〉
・開脚跳び(ゴム紐)
・課題解決の仕方を考え、自分の課題に応じた
マスタータイムでは、全児童が同じ視点で、出来栄え
練習の場を選ぶことができる。
を評価したり動きのアドバイスをしたりできる学習活動
を行う。また、第4時では、着手時の姿勢を見るための
支援として、「スーパージャンパー君」を活用する。
単元計画(全5時間)
単元名
時間
学習
課題
「 合言葉は手ジャンプ! 目指せ!スーパージャンプ!(大きな開脚跳び)
1
2
3
自分の今の動きを知ろう
手ジャンプをしよう
より高く手ジャンプをしよう
オリエンテーション
・学習の見通し
・準備、後片づけの方法
・安全面について
予備運動
・かえるの足打ち
」
・活動内容
4
5
より高く遠くへ手ジャンプを
練習の成果を発表し
しよう
よう
開脚跳びにつながる予備運動
・かえるの足打ち
・いろいろなうさぎ跳び
・いろいろな馬跳び
・壁ドン
トレーニングタイム(学習課題に合った基礎的な動きを行う)
学
・壁ドン
習
開脚跳び
内
容
・既習の開脚跳び
◆今、自分ができる動き
を確認する
・腕支持跳び下り
・スーパーマンジャンプ
(自分の課題に
・腕支持跳び下り
・その場跳躍突き放し
・段差跳び箱突き放し①
合った場で練習
・その場跳躍突き放し
・段差跳び箱突き放し①
・段差跳び箱突き放し②
する)
・自分の課題に
マスタータイム(友だちとアドバイスし合いながら動きを高める)
きな開脚跳び)の共通理
解
◆目標とする動きを知
り、学習を方向づける。
合わせた場でス
開脚跳びジャンケン
開脚跳び(紅白玉)
開脚跳び(ゴム紐)
ーパージャンプ
・着地の直後に正面の友だ
・紅白玉を置いた場で練習
・ゴム紐と着地ラインを使った
の練習をする。
ちとジャンケンをする。
する
場で練習する(スーパージャン
◆両手で跳び箱を強く突
◆第2空中局面を大きく
パー君の活用)
き放し、上体を起こしなが
しようとすることで、より
◆ダイナミックな第1空中局面
ら跳び越えることができ
強く手で突き放すことが
から突き放し、切り返しを行う
るようにする。
できるようにする。
ことで雄大な第2空中局面を得
ることができるようにする。
単元目標の確認
・スーパージャンプ(大
スーパータイム
・ロイタージャンプ
・いろいろなうさぎ跳び
・いろいろな馬跳び
◆ねらい
スーパータイム(自分の課題に合った場で練習する)
・自分の課題に合わせた場でスーパージャンプの練習をする。
スーパージャン
プ発表会
・学習のまとめ
として、今まで
練習してきたス
ーパージャンプ
を発表する。
まとめ
まとめ
・仕上げの1回を跳ぶ。 ・よい動きをみんなで見る。 ・ふりかえりを書く。
・ふりかえりを書
く。
<場や動きの説明①>
<予備運動>
<トレーニングタイム>
レベル①:両手を肩幅に開いてマット
かえるの足打ち
腕支持跳び下り
ロイタージャンプ
に着き、両足をそろえてマットを蹴り、
足が着く状態から行うと跳び箱
を押す力が強くなります。
腰を高く上げる。
レベル②:片足で踏み切って行う。足
をたたくようにして、回数を増やすよ
うにする。
いろいろなうさぎ跳び
レベル①:前方に跳んで両手を着き、体
両足でしっかりと踏み切り膝を柔らか
両手でしっかりと跳び箱を押してできるだけ遠
く曲げ、目線を前にして着地をする。
くへ着地できるようにする。
を起して着地する。
レベル②:前方に大きく跳んで両手を着
跳ね上げる
その場跳躍突き放し
き、手をついた位置よりさらに前方に着
イチ・二・サーンで踏み切り腕
地する。
を勢いよく前に振り出す。手を
着いたら跳び箱を強く押す。
レベル③:あしの跳ね上げを強調
したうさぎ跳びをする。
段差跳び箱突き放し①
レベル④:開脚立ちのうさぎ跳び
をする。
いろいろな馬跳び
壁ドン
レベル①:馬の背中に両手を
しっかりと着き、両足を開い
て跳び越すようにする。
①段差のある跳び箱で突き放しの練習を行う。
スーパーマンジャンプ
②両足で踏み切って突き放しの練習を行う。
段差跳び箱突き放し②
レベル②:着地したら素早く
向きを変えてタイミングよ
く跳び越すようにする。
レベル③:できるだけ遠くへ着
地するようにする。
レベル④:連続で馬跳びをする。
セーフティーマット
助走から両足で踏み切って腕を前に振り
段差のある跳び箱で突き放しの練習を行う。上
出しながら体を伸ばして跳ぶ。
体を起こして安全に着地ができるようにする。
<場や動きの説明②>
<マスタータイム>
開脚跳びジャンケン
開脚跳び(紅白玉)
ジャーン
ケーン
ホイ!
ホイ!
着地の直後に正面の友だちとジャンケンをすることで、両手で跳び
紅白玉などを置いて第2空中局面を大きくしようとすることで、突き放
箱を強く突き放し、上体を起こしながら跳び越えることができるよ
しを強くする。突き放しと同時に視線を前に向け体を起こすようにする。
うにする。
開脚跳び(ゴム紐)
スーパージャンパー君
着地ライン
ゴム紐を使って、腕を前に振り出して上から大きく着手し、第1空中局
着手時の姿勢をラミネートしたカード(スーパージャンパー君)を
面が大きくする。また、着地ラインを何本か引くことで第2空中局面を
跳び箱の横に貼っておくことで、見る視点が焦点化され、アドバイ
大きくする意識も生まれる。
スしやすくなる。
<大きな開脚跳びについて>
両足で力強く
踏み切りま
す。
リズミカルな
助走から踏み
込みます。
腰を高く上げ
て体を水平に
します。
手で突き放し
て、切り返し
を行います。
上体を起こすよ
うにして着地の
準備をします。
膝を柔らかく曲
げて安全な着地
をします。
第1空中
局面
第2空中
局面
助走
踏み込み
踏み切り
着手
着地
*開脚跳びは、手の突き放しをしっかりと身に付けることが大切です。早めに着手して、すばやく上方向に突き放すことで、雄大な第二空中局
面が得られるようにします。それが、開脚跳びのよりよい動き方(出来栄え)になります。大きな開脚跳びは、第1空中局面だけでなく、第2
空中局面も大きくすることを考えましょう。
切り返しによって上体が起きていく
<切り返しについて>
腕の力を使って体の向きを変えることを切り返しといいます。
右の図のように、踏み切って着手した時、体は前かがみになっ
ています。しかし、着地に向かっていくにつれ体は少しずつ起
きていきます。大きな開脚跳びでは、切り返しを伴う手の突き
放しを身に付けることが大切です。
上体を起こすよう
に手を突き放す
参考資料:学校体育実技指導資料第10集 器械運動の手引き 文部科学省
小学校体育(運動領域)まるわかりハンドブック 高学年 文部科学省