施設の管理運営 1 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の管理運営 <厚生労働省からの受託事業> (1)施設の紹介 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館は、国と して、原爆死没者の尊い犠牲を銘記し追悼の意 を表すとともに、永遠の平和を祈念し、併せて 原爆の惨禍を全世界の人々に知らせ、その体験 を 後 代 に 継 承 す る 施 設 と し て 、平 成 14 年( 2002 年)8 月 1 日に開館しました。 建物は、地上1階地下2階建て、延床面積約 3,099m 2 で 、 周 囲 の 景 観 に 配 慮 し 、 施 設 の 大 部 国 立 広 島 原 爆 死 没 者 追 悼 平 和 祈 念 館( 地 上部) 分は地下にあります。 館 内 に は 、平 和 祈 念・死 没 者 追 悼 空 間 が あ り 、 爆心地である「島病院」付近からみた被爆後の 街 並 み を 、 昭 和 20 年 ( 1945 年 ) 末 ま で の 死 没 者 数 ( 約 14 万 人 ) と 同 数 の タ イ ル を 用 い て 、 パ ノ ラ マ で 表 現 し て い ま す 。遺 影 コ ー ナ ー で は 、 原爆死没者のお名前と遺影(写真)を公開し、 原爆で多くの人が亡くなった事実を伝えます。 体験記閲覧室では、被爆体験記や被爆者証言ビ 平和祈念・死没者追悼空間(地下2階) デ オ 、資 料 映 像・写 真 等 を 閲 覧・視 聴 で き ま す 。 また、情報展示コーナーでは、企画展を開催しています。特定のテーマで、被爆体験記を 中心に展示を行い、被爆の実相を伝えています。 さらに、所蔵する被爆体験記や原爆詩による被爆体験記朗読会も開催しています。 開 館 後 、 平 成 28 年 3 月 末 ま で の 間 に 、 303 万 6,360 人 の 入 館 者 が あ り ま し た 。 開館時間 3月 ~ 7月 8月 8: 30~ 18: 00 8: 30~ 19: 00 9月 ~ 11 月 8: 30~ 18: 00 12 月 ~ 2月 8: 30~ 17: 00 ※ 8/5、 8/6 は 8:30~ 20:00 入 館 料 無料 休 館 日 年 末 ( 12 月 30 日 及 び 31 日 ) 67 (2)原 爆 死 没 者 の 氏 名 ・ 遺 影 の 登 録 ・ 公 開 平 成 12 年 度 ( 2000 年 度 ) か ら 実 施 し て い る 原 爆 死 没 者 の 氏 名 ・ 遺 影 の 収 集 を 引 き 続 き 実施しました。 原爆死没者氏名・遺影の収集状況 平 成 28 年 3 月 31 日 現 在 原 提供者数 爆 死 没 者 数 遺影・氏名 氏名のみ 計 ( 78 人 ) ( 85 人 ) ( 24 人 ) ( 109 人 ) 11,666 人 18,265 人 2,612 人 20,877 人 ( 注 )( )は海外からの提供数で内数 (3)被 爆 体 験 記 の 収 集 ・ 整 理 ・ 公 開 平 成 9 年 度 ( 1997 年 度 ) か ら 実 施 ( 平 成 12 年 度 ( 2000 年 度 ) ま で 広 島 市 ) し て い る 被爆体験記等の収集・整理(データベース化)を引き続き実施しました。 被爆体験記等の収集・整理状況 平 成 28 年 3 月 31 日 現 在 区 分 収集件数 整理件数 進捗率 81,205 人 分 81,205 人 分 100.0% 国 収 集 分 体 験 記( H17) 11,778 人 分 11,778 人 分 100.0% 国 収 集 分 体 験 記( H27) 12,218 人 分 0 人分 0.00% 3,124 人 分 99.9% 国 収 集 分 体 験 記 ( H7) 広島収集分体験記 図 書 計 3,127 人 分 4,355 冊 分 39,434 人 分 ( 2,814 冊 ) 135,541 人 分 ― 64.6% ― ( 注 ) 1 「 国 収 集 分 体 験 記 ( 平 成 7 年 度 )」: 平 成 7 年 度 ( 1995 年 度 ) に 厚 生 省( 当 時 )が 実 施 し た 原 子 爆 弾 被 爆 者 実 態 調 査 に 合 わ せ て 収 集した被爆体験記をいいます。 2 「 国 収 集 分 体 験 記 ( 平 成 17 年 度 )」: 平 成 17 年 度 ( 2005 年 度 ) に厚生労働省が実施した原子爆弾被爆者実態調査に合わせて収 集した被爆体験記をいいます。 3 「 国 収 集 分 体 験 記 ( 平 成 27 年 度 )」: 平 成 27 年 度 ( 2015 年 度 ) に厚生労働省が実施した原子爆弾被爆者実態調査に合わせて収 集した被爆体験記をいいます。 4 「 広 島 収 集 分 体 験 記 」: 平 成 9 年 度 ( 1997 年 度 ) 以 降 国 か ら受託して収集した被爆体験記をいいます。 68 (4)企画展の開催 ● 企画展「原爆の子 広島の少年少女のうったえ」の開催 被爆から 6 年、広島の街が復興へと歩む中、子どもたちが 書いた被爆体験記集「原爆の子 広島の少年少女のうった え 」が 出 版 さ れ ま し た 。今 も 読 み 続 け ら れ て い る こ の 被 爆 体 験 記 集 の う ち 、被 爆 当 時 、小 学 校 4 年 以 上 の 子 ど も た ち が 書 い た 被 爆 体 験 記 を 紹 介 し 、子 ど も た ち が 体 験 し た 戦 争 や 原 爆 の悲惨さ、平和への思いを伝えます 期 間 : 平 成 27 年 1 月 1 日 ( 木 ) ~ 12 月 29 日 ( 火 ) 会 場:当館情報展示コーナー 展 示 資 料 : 被 爆 体 験 記 38 編 、 関 連 資 料 17 点 ( 実 物 資 料、写真パネル) 3面シアター: 3 人 の 被 爆 体 験 記 を 約 20 分 の 映 像 と 音 声 で 紹 介 ● 企画展「原爆体験記―ヒロシマ原点の記録―」の開催 被 爆 か ら 5 年 後 の 1950 年 、 広 島 市 は 核 兵 器 の な い 平 和 な 世 界 を 築 こ う と 初 め て 市 民 か ら 原 爆 体 験 記 を 募 集 し 、多 数 の 応 募 が あ り ま し た 。日 本 は ま だ 占 領 下 に あ り 、ま と め ら れ た 「 原 爆 体 験 記 」は 、広 く 配 布 さ れ ず 、倉 庫 に 眠 っ た ま ま と な り ま し た 。被 爆 か ら わ ず か 5 年 後 に 書 か れ た ヒ ロ シ マ 原 点 の 記 録 、生 々 し い 記 憶 を 基 に 記 さ れ た 体 験 記 を 通 し て 、戦 争 や 原爆の悲惨さ、平和への思いを伝えます。 期 間 : 平 成 28 年 1 月 1 日 ( 金 ) ~ 12 月 29 日 ( 木 ) 会 場:当館情報展示コーナー 展 示 資 料 : 被 爆 体 験 記 17 編 、 関 連 資 料 20 点 ( 実 物 資 料 、 複製資料等) 3面シアター: 3 人 の 被 爆 体 験 記 を 約 20 分 の 映 像 と 音 声 で 紹 介 過去の企画展 開 催 年 タ イ ト ル 期 間 企画展「原爆の子 広島の少年少女のうったえ」の開催 平成 26 年(2014 年) ( 被 爆 当 時 、4 歳 か ら 小 学 校 3 年 ま で が 書 い た 被 1/ 1~ 12/ 29 爆体験記を紹介) 平成 25 年(2013 年) ヒロシマ復興への歩み―被爆後の混乱を生き抜く― 1/ 1~ 12/ 29 平成 24 年(2012 年) しまってはいけない記憶―家族への思い― 1/ 2~ 12/ 29 69 (5)被爆者証言ビデオの制作 被 爆 の 体 験 を 後 代 へ 継 承 す る た め 、国 外 在 住 被 爆 者及び県外在住被爆者の証言をビデオに収録し公開 しました。当時の資料写真や証言者の家族写真など を 織 り 交 ぜ な が ら 一 人 20 分 程 度 に 編 集 し 、 館 内 で 公開するほか、平和学習資料として貸出しするとと もにホームページに掲載しました。 平 成 27 年 度 は 、国 外 在 住 被 爆 者 3 人( 韓 国 2 人 、 ブ ラ ジ ル 1 人 ) 及 び 県 外 在 住 被 爆 者 18 人 ( 大 阪 8 収録の様子 人 、京 都 3 人 、兵 庫 3 人 、滋 賀 1 人 、和 歌 山 1 人 、三 重 2 人 )の 証 言 映 像 を 収 録 し 、一 人 20 分 程 度 に 編 集 し て 制 作 し ま し た 。 (6)被爆体験記の朗読事業 ① 被爆体験記朗読会の開催 原爆被爆の体験を後代に継承するため、修学旅 行 な ど で 来 広 す る 児 童・生 徒 を 対 象 と し た 朗 読 会 、 来館者が自由に参加できる定期朗読会(日本語: 毎 月 第 3 日 曜 の 午 前 と 午 後 の 各 1 回 、英 語 :毎 月 第 2 日 曜 日 の 午 後 1 回 )、 広 島 市 内 及 び 近 郊 の 学 校、公民館等での出前朗読会、海外からの来館者 を対象とした英語による朗読会を開催しています。 平 成 27 年 度 は 広 島 市 内 外 で 270 回 開 催 し ま し た 。 被爆体験記朗読会の様子 ② 被爆体験記朗読セットの貸出し 全国及び海外に朗読の動きを広げることを目的 に、誰でも、どこでも被爆体験記朗読会が開催で き る よ う 作 成 し た 朗 読 セ ッ ト の 貸 出 し を 平 成 17 年 度 ( 2005 年 度 ) か ら 行 っ て い ま す 。 平 成 27 年 度 は 27 件 の 貸 出 し が あ り ま し た 。 ●セットの内容 ・ 「 被 爆 体 験 記 朗 読 会 」開 催 マ ニ ュ ア ル( 進 行 シ ナリオ、朗読用の被爆体験記・原爆詩) ・原爆被害の概要紹介映像(ビデオ、CD、DVD) ・被爆体験記朗読会の開催事例紹介映像(DVD) ・朗読用台紙 70 被爆体験記朗読セット (7)広島平和学習セミナーの開催 子どもたちを中心に修学旅行など平和学習を目的として、より多くの方々に来館しても らうよう、広島市や広島平和記念資料館と共同で、学校関係者及び旅行会社(教育旅行部 門 )を 対 象 と し て 、広 島 で の 平 和 学 習 や 体 験 学 習 な ど を 紹 介 す る セ ミ ナ ー を 開 催 し ま し た 。 第21回 ・郡山市での開催(対象:福島県) ・ 開 催 日 : 平 成 27 年 7 月 23 日 ( 木 ) ・ 出 席 者 : 24 人 第22回 ・大阪市での開催(対象:大阪府) ・ 開 催 日 : 平 成 27 年 11 月 27 日 ( 金 ) プレゼンテーションの様子 ・ 出 席 者 : 48 人 (8)被爆体験記執筆補助 体験記を書く意欲がありながら高齢などにより執 筆が困難な被爆者で、聞き取り可能な口述ができる 方を対象にその体験を聞き取り、体験記として文章 化 す る 事 業 を 平 成 18 年( 2006 年 )7 月 15 日 か ら 開 始 し ま し た 。平 成 27 年 度 は 一 般 公 募 に よ り 13 人 の 被爆者から聞き取りを行い、体験記としてまとめ、 被爆体験記の収集数の増加を図りました。 聞き取りの様子 (9)多言語化対応事業 海外から来館する多くの人に、母国語で被爆の実相を伝えるため、被爆者証言ビデオの 証言内容を英語、中国語、韓国・朝鮮語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スロベニ ア語、タイ語、マレー語、クロアチア語、ポルトガル語に翻訳して、すでに翻訳済みと合 わ せ て 16 言 語 の 字 幕 入 り 証 言 ビ デ オ を 作 成 し 、 体 験 記 閲 覧 室 で 公 開 す る と と も に 、 ホ ー ムページに掲載しました。 また、被爆体験記をベトナム語及びポーランド語 の 2 言 語 に 翻 訳 し 、す で に 翻 訳 済 み の 体 験 記 と 合 わ せ て 22 言 語 と し 、 体 験 記 閲 覧 室 の 外 国 語 コ ー ナ ー で 公 開 す る と と も に 、ホ ー ム ペ ー ジ に 掲 載 し ま し た 。 ま た 、 祈 念 館 PR チ ラ シ を イ ン ド ネ シ ア 語 、 ス ウ ェ ー デ ン 語 、 フ ィ リ ピ ノ 語 、ポ ー ラ ン ド 語 の 4 言 語 に 翻 訳 し 、 こ れ ま で 翻 訳 し て い る 15 言 語 と 合 わ せ 19 言 語 の チ ラ シ を 来 館 者 に 配 布 し ま し た 。 体験記閲覧室の外国語コーナー 71 (10)被爆70周年記念事業【新規】 執 筆 補 助 事 業 で 作 成 ・ 収 集 し た 被 爆 体 験 記( 平 成 26 年 度 ま で に 103 編 ) の う ち 、 50 編 を取りまとめて『しまってはいけない記憶―被爆体験記集Ⅰ―』を作成し、広島市内の中 学 校 ・ 高 等 学 校 ・ 大 学 ・ 図 書 館 等 ( 141 か 所 ) へ 無 料 配 布 し ま し た 。 ま た 、 平 成 27 年 7 月 か ら 8 月 に 山 口 県 で 開 催 さ れ た 世 界 152 か 国 か ら 参 加 が あ っ た 第 23 回 世 界 ス カ ウ ト ジ ャ ン ボ リ ー 大 会 の ピ ー ス プ ロ グ ラ ム の 一 環 と し て 、約 2 万 6 千 人 を 対 象 に 、 広 島 国 際 会 議 場 に お い て 英 語 で の 被 爆 体 験 記 朗 読 会 を 開 催 し ま し た 。 7 月 30 日 ~ 8 月 5 日 の 間 で 24 回 開 催 し 、 参 加 者 に 英 語 及 び フ ラ ン ス 語 訳 し た 被 爆 体 験 記 を 配 布 し ま し た。 『しまってはいけない記憶 ―被爆体験記集Ⅰ―』 スカウトジャンボリー大会での 原爆詩の朗読の様子 (11)インターネットによる情報提供 外部提供について同意の得られた被爆体験記及び被爆 者証言ビデオについて、順次、ホームページ(平和情報 ネットワーク http://www.global-peace.go.jp/)に掲載し 情報発信しました。 また、平和情報ネットワークを改修し、日本語、英語、 中国語、韓国・朝鮮語の他 20 言語のページを新設しまし た。 被爆体験記掲載件数 日 本 語 295 編 、 英 語 91 編 、 中 国 語 63 編 、 韓 国 ・ 朝 鮮 語 63 編 、 ア ラ ビ ア 語 9 編 、 イ タリア語 9 編、インドネシア語 9 編、ウルドゥー語 9 編、オランダ語 6 編、ギリシャ語 6 編、スウェーデン語 6 編、スペイン語 9 編、タイ語 9 編、ドイツ語 9 編、ヒンディー語 9 編 、フ ィ リ ピ ノ 語 9 編 、フ ィ ン ラ ン ド 語 6 編 、フ ラ ン ス 語 9 編 、ベ ト ナ ム 語 6 編 、ポ ー ラ ンド語 4 編、ポルトガル語 9 編、マレー語 9 編、ロシア語 9 編 被爆者証言ビデオ掲載件数 日 本 語 524 人 、英 語 136 人 、中 国 語 134 人 、韓 国・朝 鮮 語 135 人 、ア ラ ビ ア 語 5 人 、 72 イ タ リ ア 語 7 人 、ウ ル ド ゥ ー 語 5 人 、オ ラ ン ダ 語 3 人 、ス ペ イ ン 語 5 人 、ス ロ ベ ニ ア 語 2 人 、 タ イ 語 3 人 、 ド イ ツ 語 17 人 、 ヒ ン デ ィ ー 語 3 人 、 フ ラ ン ス 語 18 人 、 マ レ ー 語 3 人、ロシア語 8 人 (12)情報展示システムの保守・管理 こ れ ま で 利 用 し て き た 情 報 シ ス テ ム 機 器 等 に つ い て は 、 平 成 20 年 度 ( 2008 年 度 ) か ら 運 用 を 開 始 し て 5 年 が 経 過 し 保 守 期 限 を 迎 え た こ と か ら 、 平 成 25 年 7 月 か ら 新 た な 情 報 システム機器等を導入しました。 また、来館者サービス向上及びシステムの安定した運用を行うため、情報システムの保 守・管理を行いました。 (13)施設等の保守・管理 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の維持管理を行いました。 73 2 広島平和記念資料館の管理運営 (1)施設の管理運営 ① 施設の紹介 広島平和記念資料館は、人類史上最初の 原子爆弾による被害の実相をあらゆる国々 の人々に伝え、ヒロシマの心である核兵器 廃絶と世界恒久平和の実現に寄与するため、 旧広島平和記念館の改築を機に、同館と旧 広 島 平 和 記 念 資 料 館 を 一 体 化 し 、新 た に「 広 島 平 和 記 念 資 料 館( 東 館 、本 館 )」と し て 平 広島平和記念資料館(左が本館、右が東館) 成 6 年 ( 1994 年 ) 6 月 に 開 館 し ま し た 。 しゅんこう 旧 記 念 館 ( 現 資 料 館 東 館 ) は 、 昭 和 30 年 ( 1955 年 ) 5 月 に 竣 工 し 、 当 初 は 各 種 の 催 し や会合の場として、その後は修学旅行生らに対する被爆体験の講話や記録映画の上映など の平和学習を行う場として多くの人々に利用されてきました。 また、旧資料館は、平和記念公園の南端中央に位置しており、平和大通り(百メートル 道 路 ) か ら 、 直 接 、 広 島 平 和 都 市 記 念 碑 (「 原 爆 死 没 者 慰 霊 碑 」) が 望 め る よ う に 高 床 式 に 建設された建物で、廃虚の中から立ち上がる人間の力強さを表現したいという思いが込め ら れ て い ま す 。こ の 建 物 は 昭 和 30 年 ( 1955 年 ) 8 月 に 完 成 し 、平 成 3 年( 1991 年 ) 8 月 には、建物の改修工事、館内展示の改装を行いました。 この旧資料館が建つまでは、当時の広島市中央公民館のそばに「原爆記念館」が設置さ ながおかしょうご れ、市の嘱託職員であった長岡省吾氏(のち館長)が、被災資料の収集や調査に当たって いました。被爆直後、原爆の強烈な熱線を受けた瓦などの被災資料が、将来、ヒロシマの は ま い も の 言 わ ぬ 証 言 者 と し て 、歴 史 的 に 重 要 な 意 義 を 持 つ よ う に な る こ と を 予 想 し 、当 時 の 浜 井 しんぞう 信三市長が資料収集の方針を打ち出したのが始まりですが、この資料収集は長岡館長の学 究的な情熱と、多くの市民の協力が大きな力となりました。 ま た 、 平 成 18 年 ( 2006 年 ) 7 月 5 日 付 け で 広 島 平 和 記 念 資 料 館 の 本 館 建 物 が 、 戦 後 建 築として初めて国の重要文化財に指定されました。 平 成 24 年( 2012 年 )11 月 1 日 、附 属 展 示 施 設 と し て 広 島 の 戦 後 復 興 に 貢 献 し た 外 国 人 について紹介するシュモーハウスが開館しました。 平 成 26 年 ( 2014 年 ) 3 月 か ら 、 国 の 重 要 文 化 財 で あ る 本 館 を 保 存 し 、 被 爆 の 実 相 を よ り わ か り や す く 伝 え る 施 設 と す る た め 、東 館・本 館 の 順 に 展 示 リ ニ ュ ー ア ル を 進 め て お り 、 平 成 30 年 ( 2018 年 ) 度 に 両 館 リ ニ ュ ー ア ル オ ー プ ン の 予 定 で す 。 74 ア 施設概要 (ア)建築面積 東 館 2,490 m 2 本 館 1,351 m 2 3,841 m 2 計 (イ)建物 鉄筋鉄骨コンクリート造 東 館 地下1階 地上3階 延 10,315m 2 、展 示室、ビデオシアター、ホール、会議室、情報資料室、収蔵庫、 事務室、ロビーなどのほか、館内に平和記念公園来園者のための 休憩所、売店、公園管理事務所などを配置 本 館 鉄筋コンクリート造 地上2階一部中3階(ピロティ型)延 1,615m 2 、 展 示 室 、 ロ ビ ー (ウ)開館時間 展示室 ホール 情報資料室 3 月~7 月 午 前 8 時 30 分 ~ 午 後 6 時 ま で 8月 午 前 8 時 30 分 ~ 午 後 7 時 ま で 9 月 ~ 11 月 午 前 8 時 30 分 ~ 午 後 6 時 ま で 12 月 ~ 2 月 午 前 8 時 30 分 ~ 午 後 5 時 ま で 利用時間(通年) 午前 9 時~午後 9 時 午前 9 時~午後 5 時 ※ 展 示 室 へ の 入 館 は 閉 館 30 分 前 ま で 。 8/5、 8/6 は 午 前 8 時 30 分 か ら 午 後 8 時 ま で (エ)休館日 12 月 30 日 及 び 31 日 ( ホ ー ル イ 12 月 29 日 ~ 1 月 2 日 ) 展 示 内 容( 平 成 26 年 9 月 1 日 か ら 再 整 備 工 事 の た め 東 館 展 示 室 を 閉 室 し て い ま す 。) ①総論・ガイダンス への投下まで ⑦平和への歩み 東 館 ②被爆までの広島 ④廃虚のヒロシマ ③原子爆弾~開発から広島 ⑤戦争・原爆と市民 ⑥核時代 他 に 、原 爆 の 記 録 映 画 が 視 聴 で き る ビ デ オ シ ア タ ー 、 平和宣言を視聴できるビデオコーナー、 「 市 民 が 描 い た 原 爆 の 絵 」な ど の展示室や修学旅行生らが被爆体験者の証言などを聴くことができる ホール、会議室、平和に関する図書資料などの閲覧ができる情報資料 室 を 設 置 。( 平 成 26 年 9 月 1 日 か ら 展 示 更 新 工 事 に 伴 い 閉 室 ) 75 ① 1945 年 8 月 6 日 本 館 火災による被害 ②熱線による被害 ⑤放射線による被害 ③爆風による被害 ⑥救援・救護活動 ④高熱 他に、ロ ビ ー に 被 爆 体 験 証 言 が 視 聴 で き る「 被 爆 者 は 語 る 」、来 館 さ れ た 人 た ち の平和への願いなどを展示する「平和へのメッセージ」などを設置。 ウ 観覧料 個 人 ( 平 成 28 年 4 月 1 日 現 在 ) 大人 200 円 高校生 100 円 中学生 以下 大人 団 体 高校生 無料 ( 30 人 以 上 ) 160 円 ( 20 人 以 上 ) 無 料 ○ 土 曜 日 は 高 校 生 無 料 ( た だ し 、 祝 日 、 春 ・夏 ・ 冬 休み期間を除く) ○ そ の 他 、原 爆 障 害 者 章 、身 体 障 害 者 手 帳 、療 育 手 帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳を提 示いただいた場合も無料で入館できます。 ○ 65 歳 以 上 で あ る こ と を 確 認 で き る 公 的 証 明 書 を 被爆後の広島市街地のパノラ マ(本館) 提 示 い た だ い た 場 合 は 、 100 円 で 入 館 で き ま す 。 ② メモリアルホールの利用方法 再 整 備 工 事 の た め 、 平 成 26 年 6 月 か ら 閉 室 し て い ま す 。平 成 27 年 9 月 14 日 か ら 供 用 再 開 す る 予定です。 ア 収容人員 316 席 ( 椅 子 席 312、 車椅子用スペース 4) イ 使用申込手続 メモリアルホール (ア)受付時間 ・ホール使用のお申し込みは、使用日の 6 か月前から受け付けます。 ・ 受 付 時 間 は 午 前 9 時 ~ 午 後 5 時( 土 曜 、日 曜 日 、祝 日 及 び 12 月 29 日 ~ 1 月 3 日 を 除く)です。 ・平和記念資料館事務室で所定の申請 書に記入のうえお申し込みください。 76 (イ)申請書の記入 所定の申請書に、使用目的の内容、使用時間、入場料徴収の有無などを具体的に記 入してください。 なお、使用時間は準備から後片付けまでの全ての時間を含みます。 (ウ)使用の変更 都合により、取り消しまたは、使用日等を変更される場合にはすみやかに御連絡く ださい。 ウ 使用料 超過使用料の額 使用料の額 (30 分までごとに) 区 分 午前9 時から その他 午前 午後 夜間 午前午後 午後夜間 1日 午後5 時まで の時間 の時間 平 日 入場料等を徴収 しない場合 円 円 円 円 円 円 円 円 16,870 18,760 31,230 28,510 39,930 53,470 3,660 7,330 20,230 22,430 37,420 34,170 47,910 64,160 4,400 8,800 25,260 28,100 46,860 42,770 59,860 80,200 5,450 11,000 30,300 33,650 56,080 51,260 71,820 96,250 6,600 13,200 33,750 37,530 62,480 57,030 79,880 106,950 7,330 14,670 40,460 44,870 74,850 68,350 95,830 128,330 8,800 17,600 土曜日, 日曜日又は 休日 入場料等の 平 日 入場 料等を徴収する場合 最高の額が 土曜日, 1,000 円 日曜日又は 未満のとき 休日 入場料等の 平 日 最高の額が 土曜日, 1,000 円 日曜日又は 以上のとき 休日 超過使用料の額 品 名 単 位 使用料の額 (30 分までごとに) 円 ロアーホリゾントライト アッパーホリゾントライト 1 式につき ボーダーライト 円 630 100 850 140 520 85 200 35 シーリングライト サスペンションライト 1 台につき スポットライト 77 1 式につき 1,600 260 520 85 1,080 180 3,130 515 3,240 525 2,160 360 21,600 3,615 3,130 515 1 台につき 2,610 435 1 キロワットまでごとに 250 45 拡声装置 ダイナミックマイク 1 本につき コンデンサーマイク ワイヤレスマイク 1 本につき 1 式につき ステージスピーカー カセットテープレコーダー デジタルオーディオテープレコーダー コンパクトディスクプレーヤー 16 ミ リ 映 写 機 1 台につき スライド映写機 ビデオプロジェクター ビデオデッキ オーバーヘッドプロジェクター オーバーヘッドカメラ 電源装置 (備考)午前:午前 9 時から正午まで 午後:午後 1 時から午後 4 時まで 夜間:午後 5 時か ら午後 9 時まで ③ 入館者状況 (単位:人) 区 平 成 25 年 度 分 修学旅行等団体 そ の 他 計 平 成 26 年 度 平 成 27 年 度 315,500 306,695 334,798 1,067,629 1,007,396 1,160,267 1,383,129 1,314,091 1,495,065 修学旅行等の地域別入館状況(小学校) 区分 北海道 平 成 25 年 度 団体数 平 成 26 年 度 人数 団体数 平 成 27 年 度 団体数 人数 団体数 団体 人 団体 団体 人 団体 2 23 0 2 23 0 東 北 2 44 6 2 44 6 関 東 16 1,076 14 16 1,076 14 中 部 28 576 12 28 576 12 近 畿 1,159 84,576 1,140 1,159 84,576 1,140 中 国 888 47,655 858 888 47,655 858 78 四 国 389 18,176 379 389 18,176 379 九 州 38 1,382 32 38 1,382 32 その他 28 653 24 28 653 24 2,550 154,161 2,465 2,550 154,161 2,465 計 修学旅行等の地域別入館状況(中学校) 区分 北海道 平 成 25 年 度 団体数 平 成 26 年 度 人数 団体数 団体 人 6 227 平 成 27 年 度 団体数 団体 人数 団体数 団体 人 6 227 2 団体 2 東 北 12 498 5 12 498 5 関 東 164 20,390 160 164 20,390 160 中 部 232 23,327 226 232 23,327 226 近 畿 62 7,404 63 62 7,404 63 中 国 208 18,392 206 208 18,392 206 四 国 29 2,129 26 29 2,129 26 九 州 142 12,033 135 142 12,033 135 その他 134 2,498 146 134 2,498 146 計 989 86,898 969 989 86,898 969 修学旅行等の地域別入館状況(高等学校) 区分 北海道 平 成 25 年 度 団体数 平 成 26 年 度 人数 団体数 団体 人 68 8,691 平 成 27 年 度 団体数 団体 人数 団体数 団体 人 団体 70 68 8,691 70 東 北 91 12,229 85 91 12,229 85 関 東 141 20,329 123 141 20,329 123 中 部 129 22,113 143 129 22,113 143 近 畿 44 1,675 47 44 1,675 47 中 国 87 4,166 84 87 4,166 84 四 国 12 183 8 12 183 8 九 州 13 588 17 13 588 17 その他 266 4,467 259 266 4,467 259 計 851 74,441 839 851 74,441 839 ④ 観覧料の収納 広島市からの委託を受けて、広島平和記念資料館の観覧料収納事務を行いました。 79 ( 2 )「 ヒ ロ シ マ ・ガ イ ド 」 の 開 催 平 成 28 年 2 月 16 日 ( 火 ) に 広 島 平 和 記 念 資 料 館 及 び 平 和 記 念 公 園 で 第 16 回 「 ヒ ロ シ マ・ガイド」を開催しました。 これは、日頃から広島平和記念資料館や平和記念 公園などを案内しているバスガイドや観光タクシー のドライバーなどの観光事業従事者を対象に、広島 を訪れる人々に対し被爆の実相や核兵器廃絶と世界 恒久平和を願う「ヒロシマの心」を正しく伝えても らうため、研修の機会を提供するものです。この事 業 は 、平 成 13 年 度( 2001 年 度 )か ら 開 催 し て お り 、 今 回 は 、広 島 県 内 外 の 13 団 体 か ら 44 人 が 参 加 し ま した。 ヒロシマ ピース ボランティアか ら、平和記念資料館の展示物等の解 説を受ける研修会参加者 (3)広島平和都市記念碑(原爆死没者慰霊碑)の維持管理 広島平和都市記念碑(原爆死没者慰霊碑)の維持管理をしました。 80
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