注意事項 - 三木証券

注意事項
2008 年 5 月 16 日作成
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当社の概要
商号等
登録番号
本店所在地
加入協会
資本金
主な事業
設立年月
三木証券株式会社 金融商品取引業者
関東財務局長(金商) 第172 号
〒103-0027 東京都中央区日本橋 1-20-9
日本証券業協会
5億円
金融商品取引業
昭和 17 年 12 月
営業考査室審査済
三木証券株式会社
東京都中央区日本橋1-20-9
TEL03‐3278‐1111
MIKI
Monthly Topic
―海水淡水化と水処理膜―
地球温暖化による異常気象や人口の急速な増加などに伴い水不足が深刻化しており、雨
量の少ない中東地域などで海水淡水化施設の建設が相次いでいる。海水淡水化施設の中で、
海水から塩分などの不要物を取り除く重要な役割をしているのが逆浸透膜(RO 膜)と呼ばれ
る水処理膜で、その市場は年率 8%以上で成長している。
【世界的な水不足の深刻化】
日本は水源が豊かで世界的に水不足が進行しているという実感が沸かないが、降水量が
少ない中東地域や地中海沿岸などでは水不足が深刻となっている。今後も、地球温暖化に
よる異常気象や砂漠化、急速な人口増加と経済発展などが水不足を更に加速させるとして
懸念されている。経済開発機構(OECD)の報告書では、地球温暖化対策などを行わなければ、
温室効果ガスの排出量拡大に伴い、気温が上昇し干ばつや熱波などが増加すると指摘、そ
の結果 2030 年には水不足に直面する人が 10 億人増加の 39 億人を超えると予測している。
【建設が相次ぐ海水淡水化施設】
既に水不足が問題となっている中東地域や地中海沿岸地域などでは、生活用水や飲料水
を確保するため海水を淡水にして使用している。高騰を続けている原油や天然ガスなどで
資金が豊富となった資源産出国などでは、発電と造水を同時に行う海水淡水化施設の建設
が相次いでおり、現在、中東などの湾岸産油国で総額 7 兆円規模の発電・造水施設の計画
が進行中とみられる。2006 年の世界の造水量は、日量で約 4250 万立方メートルと前年から
約 6.5%増加したとみられ、今後 7~10%前後の成長が続くと予想される。
海水淡水化施設には蒸発法と膜法の主に 2 種類の方法がある。蒸発法は化石燃料を使っ
た火力発電で発生した熱を利用して海水を蒸発させた後、水蒸気を冷却して淡水を得る仕
組み。蒸発法は、大規模な施設が必要であることに加えて、価格が高騰している化石燃料
を多く使用するため高コストということもあり、現在はもう一方の膜法が主流となってい
る。膜法は表面に直径がナノメートル単位の微細な穴が開いた「逆浸透膜(RO 膜)」と呼ば
れる膜で海水を濾過し淡水を得る仕組みとなっている。膜法は、技術進歩などによる高性
能化と低コスト化が進んでおり、今後は膜法を中心に市場が拡大していくと予想される
最近の日本企業の主な動きでは、サウジアラビアのシュケイク地区での総事業規模 19 億
ドル(約 2000 億円)の発電・膜法による海水淡水化施設を三菱重工が 2010 年 4 月からの商
業運転開始を目指し建設中のほか、今年 3 月に三井物産が中東のカタールで地元の国営石
油会社などと設立する合弁会社に 20%出資し、総事業規模約 39 億ドル(約 4000 億円)の発
電・海水淡水化施設に参画すると発表した。また、海水淡水化施設には海水を汲み上げた
り、膜に水を送るため圧力をかけたりするポンプが必要であり、酉島製作所などのポンプ
メーカーの受注が好調に推移している。
【市場が拡大する水処理膜】
膜法による海水淡水化施設の増加により、海水から塩分を濾過し飲料水化するという重
要な役割を果たすRO膜の需要は増加をしている。RO膜の市場規模は、2007年で年間650~700
億円程度であるとみられるが、今後8%を超える成長が予想されており各社とも成長分野と
位置づけ注力している。同製品の世界シェアが約3割で米ダウケミカルとトップを争う日東
電工は、今後5年程度をかけ生産ラインを順次増設する計画であるほか、東レも2011年3月
期に現在のシェア18%から23%程度まで高めたい考えである。その他では、東洋紡がセル
ロース製の淡水化用RO膜を手掛け、サウジアラビアで50%以上のシェアを持っている。セ
ルロース製のRO膜は、海水淡水化において滅菌に使用される塩素に強いことや、濾過する
時の水圧に対して耐久性が高いといった特徴を持つ。サウジアラビアは、気温が高く内海
となっているため塩分濃度が高いことなどから東洋紡のRO膜の採用が多いと思われる。
また、海水淡水化以外にも、工場廃水の浄化や再利用などの水処理市場も拡大している
ため、各社とも表面の穴の大きさがRO膜よりも大きい限界濾過膜(UF膜)や精密濾過膜(MF
膜)、更にはシステムや装置などを揃え、飲料水化・汚濁水の浄化・除菌等すべての水処理
に対応できる体制の構築を急いでいる。現在のところ、海水淡水化や廃水処理、工場用超
純水といった様々な水処理事業の受注に対応可能な日本企業は、同分野で提携している日
東電工と三菱レイヨン、自社で全てを提供している東レ、今年2月に共同出資会社の設立を
発表したクラレと野村マイクロサイエンスの3陣営である。海水淡水化では豊富な実績があ
る東洋紡も、UF膜で北米の浄水市場に進出、また排水リサイクル分野でも低圧で大容量の
RO膜を開発中で、システムなどの技術を持つエンジニアリングメーカーと提携し参入する
方針を示している。その他では、UF膜とMF膜を手掛ける旭化成が米国の浄水向け市場で50%
以上のシェアを持っており、中国やアジアでも企業などの廃水再利用設備の受注活動を積
極的に図っていく意向であるほか、海水淡水化分野にもRO膜の供給を他社から受け参入す
ることも検討しているとみられる。
16/MAY/2008
このレポートは投資の参考となる情報の提供を目的とし、証券の売買勧誘を目
的としたものではありません。株式は値動きのある商品であるため、元本を保
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