2012年xx月xx日新決済方法の最新動向 Juniper Researchは、モバイルコマースマーケットは2015年までに6,700億ドル規模になるだろうと予測している。それにあわせて、モバイルデバイスを利用した”モバイルペイメント”の競合が活発になってきている。 Square モバイルペイメントスタートアップのSquareは、今まで80万以上のクレジットカードリーダー (iPhone、iPad、iPod Touch、Android Phoneで稼働) を出荷し、1日の決済総額は 400万ドルを超え、年間ベースで20億ドル以上の決済を扱うまでに成長している。新規マーチャントも月間30,000∼50,000のペースで増えている。最近、クレジットカードリーダーをWal-Martの全米各店舗で販売する計画を発表した。既に一部のApple Store、Target、Best Buyなどで販売しており、今回のWal-Martの追加で計9,000以上の店舗で販売されることになる。カードリーダーはWeb上では無料で注文できるが、店舗では9.99ドルで販売され、後日オンラインで返金される仕組みになっている。 Squareは、決済額の2.75%をトランザクションフィーとして徴収するのみというビジネスプランで、クレジットカードを扱うためのデバイス等を導入することが困難な小企業、高額な月間使用料と手数料を好まない企業、ユビキタス企業などをターゲットとしている。わずか1年前にスタートし、既に1億4,000万ドルの資金を獲得、10億ドル規模の企業価値があると言われるSquareだが、競合として、今年度のモバイル決済が35億ドルと予想されているPayPalやNear Field Communications (NFC) 技術を利用するGoogle Walletなどがある。一方、Square Appの暗号化およびソフトウェア複製を防止する技術が脆弱ゆえ、トランザクションが容易にハッキングされ、クレジットカードデータが盗まれやすいという問 Copyright (C) 2012 LAJET Business Consulting All Rights Reserved. 2012年xx月xx日題が最近指摘されたが、Squareではデータを暗号化するクレジットカードリーダーをリリースすることにより対応する予定でいる。 Google Wallet Google Walletのサービスが開始された。NFC技術を利用するので、まだSprintのSamsung Nexus S 4G Phoneのみでしか稼働せず、利用できるクレジットカードはCiti発行のマスターカードかGoogle発行のPrepaid Card (Paypass) のみゆえ、実際に利用できる人はごくわずかではあるが、対応するターミナルの設置店舗はかなり増えてきている。 NFC技術による非接触式支払いとしては、すでにExxon and Mobilの”Speedpass”があるが、スマートフォンによるGoogle Walletは今後広くどこでも利用できる可能性が高く、近未来のモバイルコマースの主流になっていくであろう。トランザクション的に考えると、既存のクレジットカード決済と何ら変わるところはなく、銀行やクレジットカード会社までのルートは同一である。マーチャントは、Google Walletを受け付けるターミナルを導入する必要もある。が、消費者の観点で考えると、スマートフォンで決済ができることに加え、SingleTapと呼ばれる、GoogleのデイリーディールであるGoogle Offersとの併用および店舗発行のロイヤルティプログラムへのポイント追加が一度のトランザクションで行えるメリットがある。 NFCにはまだセキュリティーホールがあると言われているが、Googleはセキュリティレイヤーを強化する独自のSecure Elementを開発し、対応している。 Copyright (C) 2012 LAJET Business Consulting All Rights Reserved. 2012年xx月xx日 VISA PayPal対抗とも言える新サービス”V.me” ( https://www.v.me/personal_public )を発表、2012 年初めのサービス開始を予定している。 V.meにサインアップしたユーザーは、クレジットカード情報をVISA側に登録することにより、オンラインショップでの購入の際にクレジットカード情報を入力することなく注文できるという、まさしくPayPalと同様の仕組みとなっている。利用できるクレジットカードはVISA限定ではなく、他大手クレジットカードも登録が可能。 VISAは、ゲームやAppなどの決済でV.meを利用できるよう、V.meのAPIやSDK(Software Developers Kit)をVisa Development Center ( https://developer.visa.com/ )にて開発会社に提供する。開発会社にとっても、アカウント認証や海外からの利用による通貨両替等、 V.meの持つAPIを利用できるメリットを持つ。 PayPalもeBayとともにX.Commerce ( https://www.x.com/ )という開発者向けコミュニティを持ち、VISA、PayPalともに開発者を抱え込んだ競争となっている。最近の新決済方法 Eコマース実店舗実店舗 (ユーザー観点) (サービス提供者観点) PayPal Google Wallet Google Wallet VISA V.me MasterCard PayPass MasterCard PayPass Facebook Credit Square Apple iTunes INTUIT GoPayment (Google Checkout) FocusPay PayPal * Googleは、Google CheckoutをGoogle Walletに統合することを発表。 * INTUIT GoPayment、FocusPay、PayPalは、Squareと同様のサービスを提供。 Copyright (C) 2012 LAJET Business Consulting All Rights Reserved.