TI-CMC DOCUMENT_J

タングステン業界
タングステン業界 – 紛争鉱物コミットメント
紛争鉱物コミットメント
業界の
業界
のコミットメント
OECD1による指摘の通り、紛争地域および高リスク地域においては、鉱業および鉱物の売買に従
事する企業は、収益を生み出し、成長と繁栄を遂げ、生計を支え、地域の発展を促す力を潜在
的に有している。このような状況下においては、企業はまた、深刻な人権侵害や紛争を含む重
大な弊害に加担したり、巻き込まれたりする危険にも晒されている。
タングステン業界 – 紛争鉱物コミットメント(TI-CMC)は、業界の利害関係者や紛争鉱物に関
2
する報告・開示義務を負う下流部門のタングステン消費者 などの関係者、および社会全般に対
し、TI-CMC 適合企業から調達したタングステン製品は紛争と無関係であることの確証を提供す
るための枠組みである。
タングステン・セクターに関連するにテーマについて、啓蒙や主張を行い、専門的な提案と解
決策を提供することは業界の責任である。TI-CMC は、米国高融点金属協会(RMA)および国際
タングステン工業会(ITIA)によって承認された、業界の世界的な取り組みである。
TI-CMC は、以下に述べる「タングステンに関する固有性」を考慮するほか、利用するタングス
テンが紛争と無関係であることを確保する上で、タングステン原料の加工を行う精製業者が業
界で不可欠の役割を果たすことを認識している。同時に、TI-CMC は、当セクターの成功にとっ
て、全てのサプライヤーとサプライチェーンの関係者がプロセス全体における重要な利害関係
者であることを考慮する。
TI-CMC は、OECD 紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのための
デュー・ディリジェンス・ガイダンスに記載された、紛争鉱物に関する経済協力開発機構
(OECD)の活動を支持し、それに従うことを意図している。
1 OECD 紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス(2011
年7月) http://www.sec.gov/rules/final/2012/34-67716.pdf を参照。
2 2012 年 8 月 22 日、米国証券取引委員会(SEC)は、ドッド・フランク金融制度改革および消費者保護法第 1502 条に基づき、かね
てより公表されていた紛争鉱物の利用に関する最終規則を採択した。http://www.sec.gov/rules/final/2012/34-67716.pdf を参照。
1
タングステンに
する固有性
タングステン
に関する
固有性
当業界における原材料の調達源と生産方法はタングステン固有のものであり、他の金属材料と
は明確に異なる部分もある。紛争鉱物方針に対する業界全体のアプローチの策定にあたっては、
こうした固有性を考慮している。
一次原料(鉱石精鉱)の 80%超は中国で生産されている。また、中国は大半の精製業者
の拠点でもある。
精鉱(またはスクラップ/二次原料)を転換するための最初の段階は資本集約的で、複雑
な技術と先進的なインフラを必要とする。そのため、多数の小規模採掘業者と下流の無
数の金属利用者との間で、精製段階が必然的にボトルネックとなる。現在、中国以外で
は約 10 社の精製業者が存在する。
3
ITIA と USGS の統計によれば、SEC の定義に基づく「対象国」の鉱山で採掘されるタング
ステンは、下流の業界に対するタングステンの年間供給量のごくわずかにすぎず、真に
紛争を支援している鉱山で採掘された可能性のあるものはさらにその何分の一かにすぎ
ない。ITIA によれば、アフリカ諸国全体の精鉱の生産量は約 1200 トン(W 純分)で、
タングステンの年間供給量の 1%未満、採掘量の 2%未満である。USGS によれば、DRC に
おける 2009 年の生産量は世界の採掘量の約 0.5%で、そのうち大部分が紛争と関係のな
い地域で生産されたものである。
タングステン業界は、資源保護のための持続的な取り組みとして再利用を推奨している。
タングステンの供給全体のうち、約 1/4 はタングステンを含むスクラップ(二次原料)
より得られたもので、鉱山から産出されたものではない。米国および欧州における現在
4
の再利用率は 50%と推測される
タングステンの調達、生産、および下流部門での利用に関する追加情報については、別紙 2 を
参照。
3
「コンゴ(キンサシャ)の金属業界(The Mineral Industry of Congo (Kinshasa))」トーマス・R.ヤガー
(Thomas R. Yager)2012 年 6 月、 米国地質調査所(US Geological Survey: USGS)
http://minerals.usgs.gov/minerals/pubs/country/2010/myb3-2010-cg.pdf および
http://minerals.usgs.gov/minerals/pubs/commodity/tungsten/ に掲載されているタングス
テンに関する USGS の商品情報を参照。
4
USGS によれば、2010 年に米国で消費されたタングステンのうち、推定 37%は米国内で生み出されたタ
ングステンを含むスクラップを再利用して生産したものであった。二次原料(Secondary Raw Materials)、
K.B. シェッド(K.B.Shedd)、2010 年鉱物年鑑:タングステン(先行出版)(2010 Mineral
Yearbook:Tungsten(Advanced Release))、2012 年 1 月、米国地質調査所
http://minerals.usgs.gov/minerals/pubs/commodity/tungsten/myb1-2010-tungs.pdf を参照。
2
TI-CMC の枠組
枠組み
み
TI-CMC 適合企業として認められるためには、企業は以下の内容を含む供給管理システムの導入
に同意する必要がある:
紛争フリーに関する声明を含む、企業のサプライヤー行動規範または同種の文書の策定
サプライヤーが TI-CMC 会員のサプライヤー行動規範に従うことを契約で義務付けるほか、
対応の悪い、またはサプライヤー行動規範に従わないサプライヤーを排除
サプライヤー行動規範を含め、企業の供給管理システムを遵守するための従業員のトレ
ーニング
供給管理システムおよびサプライヤー行動規範の実施に責任を持つ担当者の任命
定期的な現場訪問とサプライヤーの評価の実施
受入れた原材料と生産/販売/在庫の残高を比較する内部的なマスバランス・システムの
対応を提供
総じて、DRC およびその周辺国(SEC 規則の定義による「対象国」)を原産国とするタングステ
ンの量がわずかであることから、サプライヤーの評価や供給過程で危険信号が発せられない限
り、サプライヤーの表明に依拠することが合理的である。危険信号には以下の例が含まれる:
出荷/輸出/税金に関わる文書が欠落している、不完全である、または変更されている
精製業者の年間生産量と判明している供給の流れとの間に明らかな相違がある
技術の高いサプライヤーがなく、粗粒に選鉱された精鉱が含まれている
サプライヤーが申告した以外の調達先から原材料が入手されたことを示す、取引におけ
るその他の異常な状況
独立した第三者による精製業者の監査は、合理的な原産国調査(RCOI)によって原産国が DRC
およびその周辺国であることが判明し、企業が OECD ガイダンスに沿った第 3 段階のデュー・
ディリジェンスを行わない限り、必要ないものとみなす。
TI-CMC による評価のためのフローシートは図 1 の通り。
TI-CMC 適合企業は、原材料の流れが本枠組みの規定を遵守しているかどうか、定期的にレビュ
ーし、企業の評価活動および TI-CMC への適合性を継続的に確保するための方法について、年に
一度、要約報告書を作成する必要がある。
3
raw material determination
1.)
2.)
scrap
concentrate
(secondary raw material)
yes
3.)
intermediate
product (APT, ST…)
(primary raw material)
no
yes
no
assessment of intermediate supplier
TI-CMC
compliant
As no scheelite concentrates are currently delivered from the DRC
and neighboring countries, a raw material determination =
scheelite would support an origin from outside of the covered
countries.
company already
TI-CMC compliant
yes
no
2.)
3.)
scrap
concentrate
(secondary raw material)
(primary raw material)
yes
no
TI-CMC
compliant
TI-CMC
compliant
resonable country of origin inquiry
not from
covered
countries
undetermined
pre-exi s ti ng s uppli ers
i n yea r 1 (2013)
yes
TI-CMC
compliant
TI-CMC
compliant
full application of the
OECD Due Diligence
Guidance for Responsible
Supply Chains of Minerals
from Conflict-Affected and
High-Risk Areas .
from
covered
countries
no
(wi th rema rk / onl y
pos s i bl e i n yea r 1 i .e., for 2013)
not
accepted
1.) If shown not to contain "conflict-supporting" material
TI-CMC
compliant
fi l ing of OECD DD procedure +
res ul t of 3rd pa rty a udi t
2.) If conflict supporting material contained or undeterminable
not
accepted
図 1: TI-CMC に沿った評価を行うためのフローシート
4
ガイドライン
第 1 段階 - 原材料の
原材料の性質の
性質の判断と
判断と合理的な
合理的な原産国調査
精錬所に供給される全ての原材料の流れについて、企業は
1.) 原材料の区分を明確化する:
a. スクラップ / 二次原料
b. 精鉱
c. 中間生成物 (APT、タングステン酸ナトリウム、人工灰重石)
2.) 原材料 = スクラップ / 二次原料 原材料は
原材料は TI-CMC 適合
3.) 原材料 = 精鉱の場合、合理的な原産国調査(ROIC)へ
へ進む
RCOI に基づき、原産国が「対象国」(DRC およびその周辺国)以外であることが判
明した場合 原材料は
原材料は TI-CMC 適合
依然として原産国が確かでない場合、第 2 段階へ
へ進む
原産国が「対象国」の場合、第 3 段階へ
へ進む
4.) 原材料 = 中間生成物の場合 TI-CMC に準拠した「精製」業者から購入した中間生成物である場合、追加調査は必
要ない 原材料は
原材料は TI-CMC 適合
TI-CMC 未採用の「精製」業者から購入した中間生成物である場合、原材料の性質調
査と RCOI を実施する(第 1 段階に戻る)
企業はいずれの場合も、サプライヤーについての監査を行う、または独立した監査を依頼す
る権利を留保している。
説明 / 背景情報:
原材料の
原材料の性質の
性質の判断
サプライヤーの文書、税関申告書、請求書などの裏付けを伴って、原材料の全てまた
は一部がスクラップであることをサプライヤーが保証する
製錬業者の原材料の受入分析
スクラップ(二次原料)および中間生成物は、精鉱、部分的に加工された鉱石、また
は他の鉱石加工に伴う副産物とは明確に異なる化学成分と外見を有している
5
顧客の権利として、監査を実施、または独立監査人を採用する(判断を疑う合理的な
理由がある場合)
二次原
二次原料
可能な限り金属を再利用することは、資源保護を推進するための持続可能な取り組みであるが、い
くつかの例外を除き、二次原料として扱われる素材に含まれる鉱物の原産国(鉱山および時期)を
推定することは技術的に不可能である。したがって、OECD ガイダンスの定義による、タングステン
を含む二次原料(「スクラップ」)は、鉱石の原産国を明らかにする必要性から除外される。
OECD による定義 :
再利用されることが合理的に想定されている金属は本ガイダンスの対象範囲からは除かれて
いる。再利用される金属とは、再生される最終利用者製品または使用済の製品、もしくは製
品の製造過程で生じる加工金属片である。再利用される金属には、金属素材の余剰品、陳腐
化した品、不良品、断片などがあり、これらは、すず、タンタル、タングステン、および金
のいずれかまたは両方の製造過程における再利用に適した精製または加工された金属である。
部分的に加工された鉱物や未加工の鉱物、または他の鉱石の副産物は再利用された金属には
含まれない。
この定義に含まれる二次原料の例:
ソフトスクラップ – 例として、硬質合金の研磨くず、規格外のタングステンを含む「す
ぐにプレス成形可能な(ready-to-press)」粉末…
ハードスクラップ - 例として、使用済みの採掘ビット、カッティング・インサート、摩
耗部品、ウェイト、ロール、およびタングステンを含むその他の部品…
合理的な
合理的な原産国調査
以下に限らないが、合理的な原産国調査の要素には以下の内容が含まれる:
サプライヤーからの保証 – コミットメント・レター、証明書、宣言、文書、原産国証明、
通関書類、契約上の義務(表明および保証)、中間生成物の生産者の場合:TI-CMC 適合
リスト上への記載
企業によるサプライヤーの評価、現場訪問と文書のレビュー、潜在的な「危険信号」に
留意
顧客の権利として、監査を実施、または独立監査人を採用する(判断を疑う合理的な理
由がある場合)。監査の対象となる情報 – 注文書または調達源との契約、船荷証券、お
よび輸入記録。機密情報について当然の考慮を払う(顧客監査の場合は編集する)。
6
第 2 段階 – 原産国を
原産国を判断できない
判断できない
大部分のタングステンは、名の通った大規模な鉱山から供給される。一般に、サプライヤーの
対応が悪い場合を除き、ROIC を通じて、原材料の原産国が DRC またはその周辺国(「対象
国」)であるか否かに関する明確な回答が得られないことは考えにくい。
したがって、対応の悪いサプライヤーについては、
2013 年 1 月 1 日時点で既存のサプライヤーであった場合、原材料のラベルには一次的に
「原産国を判断できない」と記載し、サプライヤーに対し、2013 年中に RCOI に必要な
適切な情報を提供するように依頼する。ROIC に必要な適切な情報が提供された場合、そ
の原材料は、第 1 段階に従い TI-CMC 適合となるか、第 3 段階に進み OECD ガイダンスに
沿ったデュー・ディリジェンスが必要になるかのいずれかとなる。
サプライヤーが RCOI に必要な適切な情報を提供できない、または提供する意思がない場
合、2013 年中に本サプライヤーからの供給を段階的に解消し、それまでに取得した原材
料のラベルには引き続き「原産国を判断できない」と記載する。
新規のサプライヤーを評価する場合、対応の悪いサプライヤーの評価は行わない。
第 3 段階 – 原産国が
原産国が DRC またはその周辺国
またはその周辺国である
周辺国である
RCOI に基づき、精鉱の原産国が DRC またはその周辺国(SEC 規則が意味するところの「対象
国」)であると判断される場合:
企業は
企業が受入れた一部の精鉱の原産国が DRC またはその周辺国である事実について、TICMC プログラムの管理者に報告し、
この定義に直接関係する部分の供給について、OECD 紛争地域および高リスク地域から
の鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンスを適
用し、これには OECD ガイドラインに従い、第三者による監査の必要性が含まれ、
OECD ガイドラインに基づくレビューの全ての結果を管理者に報告し、
デュー・ディリジェンスの報告を行い、第三者による監査所見を公表する。
-
第三者監査の委託内容には、監査の結果として、タングステン業界 - 紛争鉱物コミット
メントに基づく紛争フリーの調達義務を企業が遵守しているか否かを示す、監査人の声
明が含まれる必要がある
第三者監査がその評価に同意した場合、その 原材料は
原材料は TI-CMC 適合
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その他
その
他の条項
委託加工
加工工程が複雑なことに加え、キャパシティの制約を均衡させる必要性から、タングステン業
界では委託加工が一般的に行われている:「精錬」業者が、スクラップを中心に、他の企業が保
有する原材料の供給を受け、有償でその加工を行う。バッチに含まれるタングステンの量はや
や減少する(通常、個々のプロセスにおける回収率は 100%以下)。例えば、A 社が 4000 キロ
(W 純分)のタングステンを含むスクラップを B 社に送り、B 社による委託加工の後、A 社は
3800 キロ(W 純分)相当の APT を 1 キロ(W 純分)あたり X ドルの加工費用と引き換えに受領
する。
委託加工については、以下のルールを適用する:
TI-CMC を採用する全ての「精錬」業者は、同社とは関係のない第三者に対し委託加工サ
ービスを提供する場合、TI-CMC 規則の第 1~3 段階に記載されたルールに従う。すなわ
ち、自社の精錬所が受入れる原材料は「紛争と無関係」のものに限り、原材料の性質の
判断と合理的な原産国調査に関連した適切な精査を行う。
紛争と無関係な原材料(TI-CMC 適合)が、関係のない第三者が保有する他の「精錬」業
者に委託加工を目的に送られた場合、委託加工された返送製品は紛争と無関係とみなさ
れる。
TI-CMC への登録
への登録と
登録と報告
タングステン業界 - 紛争鉱物コミットメント(TI-CMC)プログラムは、自己査定と進捗状況の報
告を含むTI-CMCの原則と枠組みの採用、実施、および遵守に対する、タングステン精錬業者に
よる自発的なコミットメントを基本としている。
TI-CMCは、タングステン原料の加工能力を有する全ての企業を含む精錬業者に主眼を置く。タ
ングステンを含む原材料の生産、販売、取引を行う他の全ての企業によるTI-CMCへの支援を歓
迎する。
TI-CMC を支援し遵守する企業としてリストに記載されるためには、企業は、[www.ti-cmc.org]か
ら入手可能なTI-CMCのコミットメント・レターに署名し、TI-CMC の管理者宛てに提出しなくて
はならない。正式なレターヘッドがある場合、企業は各社のレターヘッドにコミットメント・
レターを印刷し、社長、CEO、取締役会、その他経営責任を有する類似の役職の者が署名する必
要がある。コミットメント・レターへの署名により、企業は、組織としてTI-CMC の枠組みを実
施し、TI-CMCへの加入後1年以内に進捗状況に関する報告をTI-CMC の管理者宛てに提出するほか、
その後はTI-CMC の枠組みに従い、1年毎に報告を行うことに同意する。
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署名済みのコミットメント・レターはTI-CMCのウェブサイト[www.ti-cmc.org] に掲載され、自社
のウェブサイトがある場合には、企業は自社のウェブサイトにもレターを掲載する。TI-CMC プ
ログラムの管理費用として、リストへの掲載が続く限り、年間手数料 xxxx米ドルを管理者宛て
に毎年支払う。
企業は、TI-CMCの加入企業一覧からの除名をいつでも依頼することができる。TI-CMCが求める
進捗状況の報告を企業が怠った場合、または年間手数料を支払わなかった場合には、管理者は、
TI-CMCの加入企業一覧から該当企業を削除する。さらに、企業が本コミットメントを尊重しな
い場合(例:企業がその調達慣行や行為に関連して、政府当局により名指し、または処分を受
けた場合)、管理者は削除プロセスに従い、そうした企業を加入企業一覧から削除することが
できる。
随時更新文書
タングステン業界の主要企業の代表者と TI-CMC プログラムの管理者から構成される作業部会は、
弁護士の助言を受けて、供給の流れに関する変化や TI-CMC に関連するその他の業界事項につい
て定期的にレビューし、必要に応じて枠組みのアップデートを行う。こうしたアップデートは、
例えば、法律、規制、および DRC または紛争による影響を受けるその他の地域の状況変化をき
っかけとして生じる可能性がある。
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別紙 1: コミットメント・
コミットメント・レター
[各企業のレターヘッド]
[日付]
タングステン業界 - 紛争鉱物コミットメント
Xxxxxx方
xxxxx
xxxx
xxx
[RMA/ITIAのプログラム管理者名] 様
私は、[社名] がタングステン業界-紛争鉱物コミットメント(TI-CMC)の原則を支持し、TI-CMC
の枠組みを遵守することをここに喜んで確認します。
本レターにより、当社は、TI-CMC 原則を前進させ、法律、および適用可能な場合は、OECD紛争
地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェ
ンス・ガイダンスに沿った、透明性の高い方法によるタングステン原料の調達を確保するため
にTI-CMC の供給管理システムを導入し、顧客がSEC規則に基づく報告義務を果たすための支援を
行うことを約束します。また、TI-CMC を当社におけるタングステンの調達戦略、企業文化、お
よび日々の業務の一部に位置付けることを約束します。
当社は、TI-CMC への参加にあたり、TI-CMCの枠組みの実施に向けた当社の取り組みを説明した、
TI-CMCの進捗状況に関する報告書を年次で提出することが重要な要件であることを理解してい
ます。当社は、TI-CMC に従い、TI-CMCへの加入後1年以内に進捗状況を報告し、その後は1年毎
に報告を行うことを約束します。
敬具
[署名]
[名前]
[役職* CEO/マネージング・ディレクター]
* 企業の最高位の役職にある者が署名すること
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別紙 2:
タングステン
タングステンについて
タングステンまたはウォルフラムは、周期表における原子番号 74 の元素で、元素記号は W で
ある。タングステンの名は、スウェーデン語で重い石を意味する tung sten に由来しており、ウ
ォルフラムの名はドイツ語でオオカミの泡を意味する volf rahm に由来する。タングステンは、
硬度、高密度、高い耐摩耗性と耐高熱性を必要とする幅広い製品に欠くことのできない独自の
特性を有している。
特性および
特性および用途
および用途
タングステンは非常に硬く高密度で、全ての元素のなかで炭素の次に高い融点(3422oC )を持
つほか、最も低い膨張率、最も高い引張り強度、および最も低い蒸気圧といった特性を有する。
タングステンは、自動車、飛行機、電車、および回路基板の製造に用いる工具、電球、携帯電
話、歯科ドリル、ダーツ、ゴルフクラブから、宝飾品、巨大な採掘ドリル、発電所、および原
子炉まで、幅広い製品に利用されている。
一次原料 – タングステンの
タングステンの採掘
タングステンは、茶色から黒の非常に脆い鉱物である鉄マンガン重石(Fe,MnWO4)および、乳
白色の鉱物である灰重石(CaWO4)として自然界に存在している。世界でこれまでに知られて
いるタングステンの埋蔵量のうち、現在 60%超を中国が占めている。その他、ロシア、カナダ、
カザフスタン、および米国が埋蔵量の多い国として知られている5。中国は、タングステンの採
掘量でも最大のシェアを占めている(~80%)。現在、タングステンの採掘は、カナダ、ロシア、
オーストリア、スペイン、ポルトガル、ペルー、ベトナム、タイ、コロンビア、ボリビア、ブ
ラジル、および、ルワンダ、ウガンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国(DRC)を含むいくつかの
アフリカ諸国でも行われている。タングステンは、三酸化タングステン(WO3)を 0.2~1.5%含
む鉱床から採掘され、鉱山にて WO3 を 30~73%含む精鉱に選鉱された後、タングステン精錬業
者に販売される。
タングステンの
タングステンの生産
鉄マンガン重石と灰重石は、他の大半の金属のように簡単に溶解してタングステン純金属とす
ることができず、より洗練された手法が必要である。精鉱を化学的に加工することによって生
産される白色の粉末のパラタングステン酸アンモニウム(APT)が、大部分のタングステン製品
にとって最も重要な前駆体となる。精鉱から生産される他の主な製品には、高温溶解によって
生産されるフェロタングステンがあり、タングステン鋼を生産するためのマスター合金となる。
5
米国地質研究所、鉱物商品の概要:タングステン(Minerals Commodities Summary: Tungsten)2012 年 1
月、http://minerals.usgs.gov/minerals/pubs/commodity/tungsten/mcs-2012-tungs.pdf を参照。
11
APT は酸化タングステン、炭化タングステン、およびタングステン粉末治金の生産に用いられ、
これらは全て、その後の 様々な部品や製品の生産に利用される。
紛争鉱物としての
紛争鉱物としてのタングステン
としてのタングステン
ITIA と USGS の統計によれば、米国証券取引委員会の定義に基づく「対象国」の鉱山で採掘され
るタングステンは、下流の業界に対するタングステンの年間供給量のわずか 1%程度にすぎず、
真に紛争を支援している鉱山で採掘された可能性のあるものはさらにその何分の一かにすぎな
い。「対象国」で生産されるタングステンの大半は、零細かつ小規模採掘業者に由来する。
様々な国際・公的・業界組織により、これらの鉱山における生産のトレーサビリティを確保す
るための大規模な取り組みが行われている。このことは、半年に一度の OECD-ICGLR-UN 専門家
グループ合同会議でも強調されている。
タングステンは溶解やその他の単純な方法で簡単に加工することができないことから、全ての
タングステンは精鉱として「対象国」から出荷される。したがって、スクラップおよびその他
の二次原料は紛争に関係のないタングステンの調達である。
鉄マンガン重石は、別の紛争鉱物である錫と一緒に存在することが多い一方、紛争地域に灰重
石が存在することは知られておらず、よって、灰重石は紛争に関係のないタングステンの調達
として位置付けることができる。
12
2011 年におけるタングステン
におけるタングステンの
タングステンの供給と
供給と最終用途
最終用途の
用途の内訳(
内訳(縮尺済)
縮尺済)
(米国地質調査所および ITIA の統計による)
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