アピールポイント No.07 業種 タイ国産ブラウンシュガーを日本向け商品に育てる(設備改善・従業員教育) 支援テーマ 異物混入対策と品質安定化 製糖業 企業名(仮) K- 製糖工場.(仮名) (ブラウン 所在地 タイ国某地区 支援窓口 日本国内某商社 担当技術士名 古西義正 技術士部門 シュガー 農業部門 (農芸化学) 製造・輸出) 資本金 不明 従業員数 50 名 設立年 1995 年 総合技術監理部門 [背景] 沖縄・奄美地方で生産されている黒砂糖は、伝統的な製菓工場(羊羹、黒蜜、かりんとう 等)向けに一定の需要があるが、日本政府の国産糖保護政策の影響もあって価格が高い。 目 そこで、某商社では代替品として、タイ国産のブラウンシュガー(粉状黒糖類似品)を安く輸入 的 しようとしたが、製品は現地住民向けで、異物混入や品質不安定等の理由で採用できず、担当技 術士に、日本向けに対応できる良質で、品質の安定した製品製造対策指導の要請があった。 [目的]日本に受け入れられる品質基準のブラウンシュガーをタイ国内で安定生産する工場の体制 づくり。 (設備改善、従業員教育) 担当技術士は、従来、タイ国内で原料糖生産用大型工場で数多く指導してきた。原料糖は日本 国内の精製糖工場に輸入されて、一度溶解して高度の精製処理がされて白糖になるので原料の中 の異物は問題ない。しかし、同じくサトウキビを原料とするブラウンシュガー(黒砂糖類)はサ トウキビジュースを直接加熱濃縮・結晶化して製造しており、その風味を生かす目的で、ブラウ 支 ンシュガーをそのまま食品に練り込んで製造に用いられることが多いため、異物混入や品質不安 援 内 定のブラウンシュガーは商品価値が低い。黒糖の代替品としてのブラウンシュガーも黒糖と類似 業 の製造方法だが、品質管理について製造者側の問題意識がうすいので、日本国内のユーザーが安 務 心して使用できる品質安定な商品に育て上げねばならなかった。実施対応策は以下の通り。 の 1.協力工場の選択:数か所の小型工場の徹底調査と経営者面談で1工場に絞り込み。 詳 容 (大型原料糖工場の経営者からの推薦協力を得て、スムーズに作業が進んだ) 細 2.日本の商社の了解も得て、経営者の協力体制の下で上記目的達成のため改善に取り組んだ。 (1)現状作業の問題点を徹底的に洗い出し、工場管理者に認識させた。 (2)現有設備を最小の投資で改善:異物対策(糖液の濾過設備改善と作業場の防虫網完備) 加熱蒸気圧・温度管理と加熱時間管理のための機器取り換え。 (3)作業基準の確立(原料サトウキビの品質分析の精度向上とその結果に基づく作業基準の 設定と従業員教育。 (4)製品貯蔵条件の改善:冷却温度管理、補助冷却設備の採用(扇風機等)。 (1) 異物の問題は設備改善と保守教育で早期に解消した。 (2) しかし、品質の安定化については、毎日、農場によって変わる原料サトウキビの品質変 効 動のため、臨機応変の指導と基準見直し改善により、製造開始から1週間の間に徐々に 果 成績が上がり、10日目以降、日本向けのブラウンシュガーとして、申し分のない「異 物混入のない品質安定したブラウンシュガー」を連続生産できる体制づくりに成功した。 その結果、日本到着後の製品の固化トラブル等クレームも大幅に減少した。 ポ タイ国内あるいは周辺の低開発国向けのブラウンシュガー製造に慣れた現地企業管理者及び作業員 イ の考え方を徹底的に厳しく洗い直す管理者教育、従業員教育並びにそのために必要な作業基準の設 ン 定、計測・制御機器の設置。 ト
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