日本語説明書抜粋版

日本語説明書抜粋版
Moog Music Inc./(株)モリダイラ楽器
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始めに
機能の概要
MP-201 Multi-Pedal (以後 MP-201 で略記) は、先進的な4チャンネルCV/MIDI フットペ
ダルコントローラーです。
ユニットの背面には4つのCV(アナログ)コントロール出力が1/4フォーンジャックで設けられ
ています。MIDI入出力は、USBと標準DIN5ピンのMIDI端子が用意されています。4つのアナロ
グ出力、MIDI出力の内容は、4つのコントロールチャンネルの設定によって選択され、プリセ
ットにプログラムされます。各コントロールチャンネルは、アナログコントロールを出力すると同
時に、MIDIでコンティニュアスコントローラーとプログラムチェンジを指定したMIDIチャンネルで
送信することができます。MP-201は、両手や両足を同時に使うなどしなくても、複数の音楽
的な変化やパフォーマンスをペダルでリアルタイムに実現できます。また、MP-201は
Moogerfoogerエフェクトペダルは言うに及ばずVoyager、Little Phattyシンセサイザーと一
緒に使用することで素晴らしいパフォーマンスを発揮するようにデザインされています。また、
同様に他のCV使用機器、MIDI機器、MIDIソフトウェアにも利用できます。続いてMP-201の
操作の詳細、機能、オプション設定などが説明されています。末尾には仕様と工場出荷時
のプリセットの内容を掲載しています。
MP-201は、コントローラー情報を送信できる4つのアナログCV(C;コントロールV;ヴォルテー
ジ)出力とMIDI入出力(USB/DIN)を備えています。MIDI情報は同時に4つのMIDIチャンネル
で送受信できます。各CV出力は+5V〜−5VのアナログCV信号または0:5Vのゲート信号
としてプログラムできます。
出力できるアナログCVは:
●フットペダルでコントロールされるCV出力は、ペダルを上げたヒールポジションの電圧と踏
み込んだトゥーポジションの電圧をプログラムでき、その間をスムースに変化させられます。
●波形、レート、オフセット、アマウントをユーザーが設定できるLFO信号を出力できます。
LFO信号は自走で、またはMIDIクロック及びタップテンポに同期して使用できます。フットペダ
ルでLFOのレート、アマウント、オフセットを変化させることができます。
●ランダムノイズが出力できます。フットペダルでノイズの量、オフセットを変化させることがで
きます。
使用できるMIDI情報は:
●4つのコントロールチャンネルごとに、それぞれMIDIチャンネルを設定できます。
●チャンネルごとにMIDI CC(コントローラー)メッセージを設定、送信できます。
●プリセット選択時にチャンネルごとに設定したプログラムチェンジを送信できます。
●受信したMIDI CCメッセージをアナログCV値に変換して出力することができます。
CVとMIDI設定された4つのプログラムチャンネルがプリセットに保存され、呼び出すことがで
きます。50のプリセットが使用できます。
付属品以外に使用にあたって次のものが必要になります
1.MP-201を使用してコントロールする機器
2.MP-201と機器間を接続するフォーン(パッチ)ケーブル及びMIDIケーブル
注意:MP-201を接続する機器の入出力の仕様がMP-201と互換性があることを確
認してください。特にCV入出力の仕様を充分確認してください。
MP-201には4つの操作モードがあります:
●シングルチャンネル・モードはパフォーマンスモードです。フットスイッチをプログラム、チャ
ンネルの選択に使用し、チャンネルのオン/オフを切り替え、タップテンポ機能を選択してタ
ップでテンポを入力します。フットペダルはオンになっているチャンネル全てをコントロールで
きます。
●クワッドチャンネルモードもパフォ−マンスモードです。フットスイッチはチャンネル1〜4を
オン/オフし、またタップテンポ機能も使用できます。フットペダルはオンになっているチャン
ネル全てをコントロールできます。
●エディットモードはプリセットを構成するパラメーター群をプログラムするエディットメニュー
にアクセスします。
●ユーティリティーモードはプリセットに含まれない機能にアクセスします。たとえば、SysEX
データ送信、ファームウェアのアップデート、フットペダルのキャリブレ−ションなどの機能があ
ります。
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各部の機能
フロントパネル:
6.フットスイッチLED:
フットスイッチの脇には2色のLEDインジケーターがあります。赤いLEDは4つのコントロールチ
ャンネル出力のオン/オフ状態、黄色(アンバー)のLEDは出力レベルを表示します。
7.MIDI LEDインジケーター:
MIDI入力があると、このLEDが点灯します。
注:「MP-201パネルコントローラー操作一覧」にパネルの全てのモードにおける操作
をチャートで載せてあります。MP-201を利用の際にすばやく機能を参照するのに役
立つでしょう。
バックパネル:
1.VALUEツマミ(エンコーダー/プッシュスイッチ):
VALUEエンコーダーはプリセットの選択に使用します。また、エディットのためのメニューを選
択します。VALUEエンコーダーを回すと、プリセット、エディットパラメーター、その値が変わり
ます。VALUEスイッチを押すとLCD表示内のカーソル位置が移動します。
2.LCDディスプレー:
16文字2行でプリセット、パラメーター、メニューを表示します。
3.EDITボタン、ENTER/STOREボタン:
プリセットをエディット(EDIT)し、保存(STORE)するために使用します。両方のボタンを同時
に押すとユーティリティーモードになり、グローバルな設定、プリセットのバックアップやファー
ムウェアのアップデートなどの機能を使用できます。
4.フットペダルコントローラー
5.フットスイッチ(FS1-FS4):
4つのフットスイッチはプリセットの選択、チャンネルのオン/オフ、モードの選択、タップテンポ
の入力に使用します。
1.電源スイッチとACアダプターコネクタ:
付属のACアダプターに接続変換アダプターの大きめのジャックを接続し、本体のACアダプ
ターコネクタに変換アダプターの小さいプラグを接続します。
注意:MP-201には必ず付属のACアダプターを使用してください。他のACアダプター
の使用はMP-201の故障の原因になります。
2.USBコネクタ:
パソコンのUSB端子にUSBケーブルで接続して、MIDIソフトウェアとのMIDIの送受信に使用し
ます。
3.MIDI IN/OUT(DINタイプ):
標準MIDI端子を利用するMIDI機器との接続に使用します。
4.CV出力ジャック(CV1、CV2、CV3、CV4):
プリセットの設定に従って、アナログのCV(コントロールヴォルテージ)またはLFO波形
を出力し、アナログコントロールのMoogerFoogerやシンセのCV入力に接続します。
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クイックガイド
次のガイドに従ってMP-201で何ができるのかを体験してください。
MP-201を開梱して、付属のACアダプターのプラグに接続アダプターを接続し、接続アダプ
ターの小さいプラグをバックパネルのPOWER INのコネクタに差し込んで、ACコンセントに接
続してください。
他の接続は下図を例に、MIDIケーブルをMIDIコネクタに、フォーンケーブル(パッチケーブ
ル)をCV1出力ジャックに接続してください。準備ができたら隣の電源スイッチを押して、電
源をオンにします。
例としてアナログシンセ(VoyagerやLittle Phatty)、MoogerFoogerとの接続を紹介しますの
で、ご用意になり、モニターシステムに接続してください。
このプリセットではCV出力はペダルによって0から+5Vのレンジで変化するように設定されて
います。VoyagerやLittle Phattyでは演奏しながらペダルを踏んで開閉すると、フィルター周
波数が上下するのが聴かれるでしょう。MoogerFoogerではそれぞれの接続したパラメータ
ーがペダル操作によって変化するのが聴けるでしょう。
4.MP-201のVALUEツマミでPRESET-01;「REVERSE4」を選びます。このプリセットではCV
出力はペダルによって前のプリセットとは逆に変化するように設定されています。すなわちヒ
ールポジションで最大値になり、トゥーポジションで最小値になります。ペダルを操作して確か
めてください。
5.MP-201のVALUEツマミでPRESET-02;「TRIANGLE」を選びます。このプリセットではCV
出力にはLFOの三角波が出力され、ペダルでLFOのレート(スピード)が変化するように設定
されています。ペダルを操作して変化を確かめてください。
6.続いてPRESET-03から08まで選んで、効果を試してみてください。これらはLFO出力に
よるバリエーション(方形波、ノコギリ波、サンプル&ホールドなど)です。
MIDIコントロール
アナログCVコントロール
1.VoyagerやLittle PhattyにMP-201を使おうとされる方は、VoyagerのFILTER CUTOFF
入力またはLittle PhattyのFILTER入力にMP-201のCV出力からパッチコードで接続してくだ
さい。そして、シンセのフィルターカットオフを低めに、レゾナンスを高めに設定してください。
MoogerFoogerペダルにMP-201を使おうとされる方は、MP-201のCV出力からパッチコード
でMoogerFoogerの機種ごとに次のジャックに接続してください。
MF-101: CUTOFF ジャックに接続。FILTER CUTOFFを低めに、RESONACEを高めに設
定します。
MF-102: FREQジャックに接続。FREQツマミを低めに設定します。
MF-103: RATEジャックに接続。RATEツマミを低めに設定します。
MF-104: TIMEジャックに接続。TIMEツマミを低めに設定します。
MF-105: RATEジャックに接続。RATEツマミを12時方向に設定します。
MF-107: FREQジャックに接続。FREQツマミを低めに設定します。
2.音を出してモニターのレベルを調節してください。
3.MP-201のVALUEツマミでPRESET-00;「EXPRESSR」を選びます。LCDディスプレーは
次のように表示されるでしょう。
MIDI機器を利用されている方は次の例を試してみてください。
1.MP-201のMIDI OUTからお使いのMIDI機器のMIDI INにMIDIケーブルを接続してください。
2.MP-201のVALUEツマミでPRESET-33;「MIDI CCs」を選びます。LCDディスプレーは次
のように表示されるでしょう。
このプリセットではペダルの操作によってMIDIメッセージが送信されます。送信されるメッセー
ジはMIDIチャンネル1でモジュレーションホイール(CC#1)とブレスコントロール(CC#2)、ボリ
ューム(CC#7)、フットコントローラー(CC#4)です。受信する機器で該当するMIDIチャンネ
ル、MIDIコントローラー機能を設定すれば、演奏しながらMP-201のペダルを操作することで
それぞれの機能が変化するのを聴くことができるでしょう。MIDI機器での該当するMIDIコントロ
ーラーの設定については、その機器のマニュアルを参照してください。
以上の例ではシンプルな設定をご紹介しましたが、MP-201では4つのコントロールチャンネ
ルごとにアナログCVとMIDI CCを組み合わせて、同時に出力することができます。
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MP-201をUSBでパソコンに接続する
MP-201ではUSBによってパソコン(Windows XP/Vista、Macintosh OSX)とMIDI IN/OUTの
接続を利用できます。MP-201では標準のドライバーを利用しているため、特別なドライバー
ソフトウェアをインストールする必要はありません。MP-201を利用するソフトウェアを立ち上げ
る前に、MP-201の電源を入れ、USBケーブルでMP-201とパソコンを接続するだけです。
Windowsベースのパソコンでは、USB接続をするとUSBオーディオデバイスとして認識され、
インストールされたことが知らされます。Macの場合は単に接続するだけです。MIDIアプリケ
ーションを立ち上げたら、そのソフトウェアのMIDIデバイス設定で、MIDI IN/OUTにMP-201
Multi-PedalないしUSBオーディオデバイスを選択してください。また、MP-201を利用する
MIDIポートに対してはMIDIエコーの機能は使用しないように設定してください。MIDIエコーを設
定すると、MIDIの経路がループ状態になって、MIDI信号が無限に止まらなくなります。
プリセットの保存
保存機能には、エディットモードで編集したプリセットを保存するSAVE PRESETと、パフォー
マンス(チャンネル)モードで使用するSAVE PANELがあります。
エディットモードではプリセットに対してパラメーターを編集したものを上書きします。パフォー
マンスモードでは現在選んでいる状態、チャンネルのオン/オフ、フットペダルポジションなど
をプリセットに上書きします。
--------------------- 省略 ------------------------
--------------------------------------------------------------
プリセットとは
プリセットは4つのプログラムされたコントロールチャンネル設定をまとめたものです。各チャン
ネルごとに、コントロールヴォルテージ(CV)、MIDIコンティニュアスコントローラー(CC)をプロ
グラムできます。#00〜49の50プリセットが利用できます。
プリセットには名前(8文字まで)を付けられ、また、その中の各チャンネルにも名前(8文字
まで)を付けられます。プリセット内のチャンネルはそれぞれオン/オフでき、またそれぞれ次
の3つのモードの1つを選ぶことができます。
●Expression (エクスプレッションペダル操作)
●Gate (ゲートオン/オフ動作)
●LFO (モジュレーションコントロール)
プリセットはVALUEツマミで、フットスイッチで、MIDIプログラムチェンジで選択されます。ツマ
ミで選択する場合は、最後のプリセット#49まで行って回し続けると#00に戻ります。プリセ
ットを選んだ時は、そのプリセットの初期値、オン/オフ設定、MIDIプログラムチェンジが出力
されます。
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コントローラーとコントロール信号
コントローラーは、それ自身では何もサウンドを発生しないが、サウンドを生成する機器(例え
ばシンセ)やサウンドを変化させる機器(例えばエフェクター)のパラメーターをコントロールす
る機器です。ある種の機器ではアナログ信号であるコントロールヴォルテージ(CV)とゲート信
号に応答します。また、ある種の機器ではデジタル信号であるMIDI(Musical Instrument
Digital Interface)に応答します。また、その両方に応答する機器(Little Phattyなど)もあり
ます。サウンドを生成する機器をコントロールすると言えば、単純にはその機器のボリューム
をツマミで調節することが挙げられます。この場合、ボリュームのツマミの操作は、内部のエ
レクトロニック機構に、ツマミを下げたら音量を低くするように、ツマミを上げたら音量を上げる
ように告げていることになります。すなわち、この操作によるコントロール信号の上下が音量を
上下していることになります。これがコントロール信号の働きのイメージの一例です。
ックなスィープなどが挙げられます。LFO周期がオーディオ帯域になると、その効果は違う様
相になり、周波数変調(FM)、振幅変調(AM)など劇的な音色に対する効果を生み出しま
す。
ある種のCVにはランダムに変化するものがあります。それは持続的にランダムで、ノイズと呼
ばれます。オ−ディオ帯域で聞くと、ラジオの局間などで聞かれるホワイトノイズになります。
その一種で、一定の間隔で電圧がランダムに変化する場合、それをサンプル・アンド・ホー
ルド(S&H)と呼びます。
MP-201で使用できるLFO波形を下図に示します。図は、縦軸に電圧、横軸に時間をとって
表されています。
アナログコントロール信号:CVとゲート
CVはコントロール・ヴォルテージの略です。ヴォルテージとは電気的な高さ:電圧を表す言
葉で、Volt(V):ボルトを単位とします。回路がヴォルテージ・コントロールされると言うことは、
CVが回路に加えられると、それによってパラメーター(ボリュームやピッチなど)が設定(変
化)されることを意味します。ヴォルテージ・コントロールされる機器で使用される電圧や電
流は相対的に低いものなので危険ではありませんが、どの程度のレベルが使用されるかは
特に標準はありません。しかし、おおよそは似通った値が使用されています。MP-201では、
単極性の0〜+5V、 両極性の−5V〜+5VのCV出力が使用されています。
MP-201をアナログ機器に接続しようとするユーザーは、その機器の入力条件を知り、理解
する必要があります。ある種のアナログ機器/入力ではマイナス(−)の電圧を使えません!
現在のMoogの製品はMP-201のCV出力とコンパチブルです。すなわち、全ての
Moogerfoogerアナログエフェクター、Minimoog Voyager、Little Phattyシンセサイザーは
MP-201が使用できます。
ある種のCVは回転ツマミを回すことで変化します。それと同様にMP-201ではエクスプレッ
ションモードでフットペダルを上下することでCVが変化します。このタイプのCVはスムースに
正確で微妙なコントロールができます。
LFO波形の全体の高さを振幅といいます。MP-201から出力される振幅をLFO AMOUNTと
呼びます。振幅の中央の電圧は通常0Vですが、それを、例えば+2.5Vにすることもできま
す。MP-201ではその移動するパラメーターをLFO OFFSET(オフセット)と呼びます。
最後に、アナログコントロール信号の1つのタイプにゲート信号があります。それはあるタイミン
グで、一定のレベルに上がるか、ゼロレベルに下がるかするだけの信号です。ゲート信号は、
サウンドの何らかのイベントを起動(トリガー)したり、回路をオン/オフするために使用されま
す。
MP-201のゲート信号は0V=オフ、+5V=オンです。
ある種のCVはロー・フリケンシー・オシレーター(LFO)と呼ばれる機能によって生成されます。
オシレーターは一定の周期の波形で出力電圧が上下する回路です。その周期をLFOのレ
ートと呼び、周波数でも表します。その周波数は非常に低く、ほとんど人間の耳で聞こえる以
下の振動です。人間に聞こえる最低の周波数は普通、 1秒間に20回の振動すなわち
20ヘルツ(Hz)です。それ以上はオーディオ帯域になります。MP-201の生成するLFO信号
は 0.1Hzから1000Hzです。LFOの低いレートでの効果は、トレモロ、ビブラート、トリル、リズミ
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操作モード
シングルチャンネルモード(SGL)
MP-201では同時に複数の機能をコントロールできます。これらの機能を区別するために
「操作モード」があります。
操作モードには次の4つがあります。
●SGL:シングルチャンネルモード
●QD:クワッド(クウォド)チャンネルモード
●EDIT:エディットモード
●UTILITIES:ユーティリティーモード
シングルチャンネルモードとクワッドチャンネルモードは、フットスイッチやフットペダルをパフォ
ーマンスコントローラーに使用するパフォーマンスのためのモードです。
エディットモードとユーティリティーモードは、プリセットのパラメーターやグローバルな設定をし
たり、SysExを使用した操作をするプログラミングのためのモードです。
下図は操作モードの関係を示しています。モードの移行はパネルのボタンとフットスイッチで
行います。フットスイッチFS1とFS3を同時に押すと、シングルモードとクワッドモードを切り替え
ます。EDITボタンを押すかフットスイッチFS2とFS4を同時に押すと、エディットモードになりま
す。EDITボタンとENTERボタンを同時に押すとユーティリティーモードになります。エディットモ
ードやユーティリティーモードでEDITボタンを押すと、元のモードに戻ります。
この後、それぞれのモードについて詳しく説明されています。
シングルチャンネルモードは最初に電源を入れたときに選ばれているモードです。
シングルチャンネルモード(SGL)では:
●現在のプリセット名を表示し、それを編集できます。
●現在のチャンネルについての情報を表示します。
●フットスイッチでプリセットを選択できます。
SGLモードでは、フットペダルは、プリセットでオンに設定され、またこのモード中にオンにされ
たコントロールチャンネル全てに働きます。下段のフットスイッチFS3とFS4でコントロールチャ
ンネルを選び、オン/オフできます。上段のフットスイッチFS1とFS2ではプリセットを選びま
す。
LCDディスプレー
SGLモードでは、LCDディスプレーの上段の最初に
SGLと表示され、続いてプリセット番号とプリセット名
が表示されます。下段には現在選ばれているチャ
ンネルの情報が表示されます。下段の右には初期
設定ではチャンネル名が表示されていますが、
MIDI CCまたはCV出力電圧を表示することもできま
す。
注:「MP-201パネルコントローラー操作一覧」にパネルの全てのモードにおける操作
をチャートで載せてあります。
フットスイッチのLED表示
フットスイッチ脇には2色のLEDがあります。点灯しているフットスイッチLEDは現在のプリセット
のチャンネル出力に対応しています。赤のLEDはチャンネルのオン/オフを示し、黄色のLED
は明るさでチャンネルの出力レベルを示します。
プリセット名の編集(変更)
プリセット名はシングルチャンネルモードでのみ表示されます。
プリセット名を編集したい場合はVALUEツマミ(スイッチ)を押してください。名前の先頭にカ
ーソルが移動します。
カーソル位置の文字を変えるにはVALUEツマミを回して文字を選んでください。
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エディットモード
カーソル位置を右に移動するにはENTERボタンを押し、左に戻すにはEDITボタンを押します。
カーソルは末端に行くと先頭に戻ります。続けて、VALUEツマミを回して次の文字を選んでく
ださい。名前の編集が終わったら、VALUEツマミ(スイッチ)を押して終了です。カーソルはプ
リセット番号の位置に戻ります。
クワッドチャンネルモード(QD)
クワッドチャンネルモードでは4つのコントロールチャンネルに同時にアクセスします。
4つのフットスイッチは対応するチャンネルのオン/オフに使用し、LEDでオン/オフが表示さ
れます。フットペダルは、プリセットでオンに設定され、またこのモードでオンにしたコントロール
チャンネル全てに働きます。
クワッドチャンネルモード(QD)では:
●4つのコントロールチャンネルどれでも直ぐにオン/オフできます。
●4つのチャンネル情報が同時に表示されます。
●タップテンポ設定がどのチャンネルでも直ぐにアクセスできます。
LCDディスプレー
QDモードでは、LCDディスプレーの上段の最初に
QDと表示され、続いてチャンネル1、チャンネル
2の設定モードが表示されます。下段には最初に
現在のプリセット番号が表示され、続いてチャン
ネル3、チャンネル4の設定モードが表示されま
す。
初期設定ではチャンネル情報として設定モードが
表示されますが、MIDI CCまたはCV出力電圧を
表示することもできます。
エディットモードではプリセットのパラメーターを編集します。エディットモードに入るにはシング
ルチャンネルモード(SGL)かクワッドチャンネルモード(QD)でEDITボタンを押すだけです。フ
ットスイッチFS2とFS4を同時に押してもエディットモードに入れます。
エディットモードではVALUEツマミとフットスイッチFS1とFS2がLCDディスプレーに表示される
メニューを進めるのに使用されます。どのメニューでもVALUEツマミのスイッチかフットスイッ
チFS4を押すとディスプレーのカーソルが下段に移動し、選ばれたパラメーターの値を
VALUEツマミを回して変えられるようになります。もう一度、VALUEスイッチかFS4スイッチを
押せば、カーソルは上段に戻ります。
注:LCDディスプレーのカーソルが下段;パラメーター値の領域にある場合、フットペ
ダルを使っても値を変更できます。ペダルを上下して値をおおよそ動かし、VALUEツ
マミで微妙に調節すると便利です。
フットスイッチFS3は編集する現在のコントロールチャンネル(CH#)を選択します。
コントロールチャンネルはLCDの左肩に表示されています。
選択は、CH1、CH2、CH3、CH4、ALL(MIDIプリセット設定)の順で切り替わります。エディット
メニュー中はいつでもコントロールチャンネルを切り替えられます。
エディットモードを終了するにはEDITボタンをもう1度押します。編集したパラメーターはプリセ
ットを選び直すまでは保持されますが、他のプリセットを選ぶとそれまでの内容は消えてしま
います。編集した内容を維持するにはプリセットに保存する必要があります。
注意:エディットモードのチャンネルが指定されているとき、フットペダルに関するパラ
メーターやLFOのパラメーターをエディット中は、フットペダルの操作は他のチャンネル
やパラメーターに働きません。CV出力やMIDI CC値に関してはフットペダルで現在の
状態を確認できます。
フットスイッチのLED表示
フットスイッチ脇には2色のLEDがあります。点灯しているフットスイッチLEDは現在のプリセット
のチャンネル出力に対応しています。赤のLEDはチャンネルのオン/オフを示し、黄色のLED
は明るさでチャンネルの出力レベルを示します。
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エディットモードのメニュー
次のページから編集できるパラメーターをツリー状に紹介していきます。エディットメニューは
選択したチャンネルモードによって変わります。
メニューツリーは見開きで左からパラメーター、値、内容を示しています。CVの値は初期設
定では0〜4095で表示されます。初期設定はPRECISION(精密)モードで、慣れた方なら
「ユーティリティーモードメニューDisplay Units」でVOLTS(ボルト表示)モードに変えることも
できます。
全てのCVは+/−5Vの両極性(BIPOLAR)で使用可能ですが、工場出荷時は0〜+5Vの
単極性(UNIPOLAR)に設定されています。CVを両極性にしたい場合は、ユーティリティー
モードの「CV SCALE」でBIPOLAR(両極性)に設定してください。
注意:CV SCALE(UNIPOLAR/BIPOLAR)の設定は全てのCVパラメーターに影響しま
す。
PRECISION表示では単極性、両極性に関わらず表示は0〜4095です。したがって精密表
示での値が0の場合、単極性では0ボルトですが、両極性ではー5ボルトです。下表は
UNIPOLARとBIPOLAR、PRECISIONとVOLTSモードの値の相関を示しています。
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エディットモードメニュー - 共通パラメーター
CHAN NAME
使用可能文字(最大8文字)
(空白) - . 0123456789:
ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ
abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
INITIAL STATE
ON, OFF
CHANNEL MODE
EXPRESSION, GATE, LFO
CHANNEL NAME ではコントロールチャンネルに特有の名前を付けることができます。名
前を変えるにはVALUEスイッチを押して表示のカーソルを下段に移します。VALUEツマミ
を回して文字を選び、ENTERボタンを押して次の位置にカーソルを移動します。文字位
置を戻したい場合はEDITボタンを押します。この方法を続けて名前を完成させたら、
VALUEスイッチを押してカーソルを上段に戻します。
INITIAL STATE は選ばれたプリセットで現在のコントロールチャンネルをオンにするかオフ
にするかを選択します。
CHANNEL MODE は現在のコントロールチャンネルの動作するモードを選択します。動作
モードについて詳しくは続くチャンネルモードを参照してください。
MIDI CHANNEL
OFF, 1 ̲ 16
初期値: 1
MIDI CHANNEL は現在のコントロールチャンネルのMIDIチャンネルを設定します。
MIDI CC
0 ̲ 127
初期値: 1
MIDI CC# は現在のコントロールチャンネルで出力するMIDIコンティニュアスコントローラー
番号(CC#)を選択します。OFFに設定するとMIDI CCメッセージは出力されません。
BANK CHANGE
LSB 0 ̲ 128, MSB 0 ̲ 128
初期値: −
PGM CHANGE
OFF, 0 ̲ 128
初期値: −
BANK CHANGE はプリセットを選んだ際に、チャンネルごとに送信されるMIDIバンクメッセ
ージを設定します。バンクメッセージのLSB/MSBとバンク番号を、カーソルを移動させて
設定します。
PGM CHANGE はプリセットを選んだ際に、チャンネルごとに送信されるMIDIプログラムチェ
ンジの番号を設定します。OFFに設定すると、そのチャンネルではMIDI プログラムチェン
ジメッセージは出力されません。
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エディットモードメニュー - チャンネルモード
チャンネルモードがEXPRESSIONの場合
CHANNEL MODE
EXPRESSION, GATE, LFO
EXPRESSIONモードではフットペダルの動きに従って、スムースに変化するCVを出力しま
す。
HEEL VALUE
0 ̲ 4095
初期値: 0
HEEL VALUE は、そのチャンネルでの、フットペダルのヒールポジション(ペダルを上げた
状態)にした場合のCV出力電圧を設定します。
TOE VALUE
0 ̲ 4095
初期値: 4095
TOE VALUE は、そのチャンネルでの、フットペダルのトゥーポジション(ペダルを踏み込ん
だ状態)にした場合のCV出力電圧を設定します。
INITIAL VALUE
0 ̲ 4095
初期値: 2048
INITIAL VALUE は、プリセットを選んだときの、そのチャンネルのCV出力電圧の初期値を
設定します。
チャンネルモードがGATEの場合
CHANNEL MODE
EXPRESSION, GATE, LFO
GATEモードでは、そのチャンネルのフットスイッチを押すと、CV出力からゲート/トリガー信
号(0<->+5V)を出力します。このモードではフットペダルはチャンネルの動作に関係しま
せん。
FS MODE
MOMENTARY, LATCH
初期値: MOMENTARY
FS MODE は、そのチャンネルのフットスイッチの動作方法を設定します。MOMENTARY
(モーメンタリー)では押すとゲートオン、離すとゲートオフになります。LATCH(ラッチ)では
押すたびにゲートのオン/オフが切り替わります。
INITIAL STAT
OFF, ON
初期値:OFF
INITIAL STATE では、プリセットを選んだときのゲートの初期状態を設定します。ゲートCV
は0V = OFF、+5V = ONとして規定されています。
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エディットモードメニュー - チャンネルモード
チャンネルモードがLFOの場合
CHANNEL MODE
EXPRESSION, GATE, LFO
LFO WAVEFORM
TRIANGLE, SQUARE, SAW DOWN,
RAMP UP, S+H RANDOM, NOISE
初期値: TRIANGLE
FPEDAL MODE
RATE, AMOUNT, OFFESET
初期値: RATE
LFOモードでは、CV出力からLFO波形を出力し、エクスプレッションでLFOのパラメーターを
コントロールできます。
LFO WAVEFORM は、LFOモードでの出力を低周波の波形とノイズ、サンプルアンドホー
ルドから選択します。
FPEDAL MODE は、現在のチャンネルのLFOに対するペダル操作の効果を設定します。
RATEを選択すると、LFOのレートをペダルでコントロールします。このとき、LFO SYNCに
MIDIクロックを使用している場合はMIDIクロックからの分割をコントロールします。AMOUNT
を選択すると、LFOの出力レベルをペダルでコントロールします。OFFSETを選択すると、
LFO出力のオフセットをペダルでコントロールします。
INITIAL, CURRENT, CONTINUOUS
初期値: INITIAL
LFO OFF MODE は、LFOモードに設定されているチャンネルをフットスイッチでオフにした
場合、どのように反応するかを設定します。INITIALを選ぶと、スイッチオフでLFO出力は
止まり、スイッチオンにするとLFO INITIAL VALUEからLFO波形が再スタートします。
CURRENTを選ぶと、スイッチオフにした瞬間のLFO出力電圧(静的な)で止まり、再度スイ
ッチオンにするとその電圧からLFOが再スタートします。CONTINUOUSに設定すると、その
時点で設定されているLFOの出力状態を継続しますが、オフの時はLFOはフットペダルの
コントロールの影響を受けません。
FREE RUNNING, TAP TEMPO,
CH1̲ CH4, MIDI CLOCK
初期値: FREE RUNNING
LFO SYNC はLFOのレートに対する他の要素からの同期(影響)を設定します。FREE
RUNNINGではLFO自身のレート設定で動作します。
0 ̲ 4095 (approx. 0.01 to 1000 Hz)
初期値: 2048
LFO RATE は、プリセットを選んだときの現在のチャンネルのLFOのレートの初期設定をし
ます。
次のページに「LFOモード」が続きます
12
エディットモードメニュー - チャンネルモード
チャンネルモードがLFOの場合(続き)
LFO AMOUNT
0 ̲ 4095
初期値: 4095
LFO AMOUNT は、プリセットを選んだときの、現在のチャンネルのLFO出力のレベル(アマ
ウント)を設定します。
LFO OFFSET
0 ̲ 4095
初期値: 2048
LFO OFFSET はプリセットを選んだときの、現在のチャンネルのLFO出力CVのオフセットレ
ベルを設定します。
HEEL VALUE
0 ̲ 4095
初期値: 0
HEEL VALUE は、そのチャンネルでの、フットペダルのヒールポジション(ペダルを上げた
状態)にした場合のLFOコントロールに対する電圧を設定します。
TOE VALUE
0 ̲ 4095
初期値: 4095
TOE VALUE は、そのチャンネルでの、フットペダルのトゥーポジション(ペダルを踏み込ん
だ状態)にした場合のLFOコントロールに対する電圧を設定します。
INITIAL VALUE
0 ̲ 4095
初期値: 2048
INITIAL VALUE はLFO波形が最初にスタートする値(電圧)です。LFO OFF MODEが
INITIALに設定されている場合は、そのチャンネルをオフにしたときのCV出力の値(電圧)
になります。
注: 0〜4095の表示はPRECISION設定の値です。表示はVOLTS (-5〜+5V)、 MIDI (0〜
127)でも表示されます。
13
エディットモードメニュー - MIDI ALL (チャンネル選択がALLの場合)
MIDI IN
GLOBAL, NONE, DIN, USB, DIN/USB
初期値: GLOBAL
MIDI OUT
GLOBAL, NONE, DIN, USB, DIN/USB
初期値: GLOBAL
MERGE USB IN
GLOBAL, NONE, DIN OUT, USB OUT, DIN/USB OUT
初期値: GLOBAL
MERGE DIN IN
GLOBAL, NONE, DIN OUT, USB OUT, DIN/USB OUT
初期値: GLOBAL
MIDI CLK OUT
OFF, CH1, CH2, CH3, CH4
初期値: OFF
MIDI IN は、プリセットごとの、MIDI入力のルート設定をします。GLOBALをせんたくすると、
MIDI SETUPユーティリティーでの設定がそのまま使用されます。
MIDI OUT メニューは、プリセットごとの、MIDI出力のルート設定をします。GLOBALを選択
すると、MIDI SETUPユーティリティーでの設定がそのまま使用されます。
MERGE USB IN は、プリセットごとに、USBから受信されたMIDIメッセージを、MP-201の操
作で出力されるMIDIメッセージと結合して(ミックスして)MIDI出力するルート設定をしま
す。GLOBALを選択すると、MIDI SETUPユーティリティーでの設定がそのまま使用されま
す。
MERGE MIDI IN はMIDI INのDIN端子から受信されたMIDIメッセージを、MP-201の操作で
出力されるMIDIメッセージと結合して(ミックスして)MIDI出力するルート設定をします。
GLOBALを選択すると、MIDI SETUPユーティリティーでの設定がそのまま使用されます。
MIDI CLOCK OUT はMP-201からMIDIクロックを出力するかどうかと、そのコントロールチャ
ンネルを設定します。MIDIクロックを出力するためには、そのチャンネルがLFOモードに設
定されている必要があります。
14
LFO(ロー・フリケンシー・オシレーター)のパラメーター
LFO SYNC
MP-201のLFOには幅広いオプションを用意しています。ここではLFOをプログラムし、使用
するにあたっての詳細を説明しています。
LFO SYNC(シンク)パラメーターはLFOのレートを同期させる他の要素を選択します。選択で
きる要素は、自走(FREE RUNNING)、タップテンポ(TAP TEMPO)、CH1〜CH4、MIDIクロック
(MIDI CLOCK)です。初期値はFREE RUNNINGで、何にも同期しません。
LFO波形
MP-201のLFOでは5つの出力波形とノイズを選択できます。それらは馴染み深い波形から
特殊な効果を生むものまで含んでいます。
三角波;TRIANGLE - この波形はビブラートやトレモロ効果などで
使用されるスムースな変化をもつ波形です。コーラスやフェイザー、
フランジャーなどのうねる効果にも使われます。
方形波;SQUARE - この波形はトリル効果などで使用される急激
な変化をもつ波形です。
下降ノコギリ波;SAW DOWN - ピッチや音色に対して下降を繰り
返す効果を生み出す波形です。
上昇ノコギリ波;RAMP UP - ピッチや音色に対して上昇を繰り返す
効果を生み出す波形です。
サンプルアンドホール;S+H RANDOM - ピッチや音色を
ランダムに変化させる効果を生み出す波形です。
TAP TEMPOを選ぶと、手で打つ(タップ)テンポにLFOのレートが同期します。
チャンネルモードでタップテンポを設定するには、クアッドモードではFS1〜FS4のいずれかの
フットスイッチを2回続けて押して、タップテンポモードに入ります。シングルチャンネルモード
では、フットスイッチFS4を2回続けて押して、タップテンポモードに入ります。シングルチャン
ネルモードではLCDディスプレーに「TAP」の表示が出ます。クワッドチャンネルモードでは特
に表示は出ません。このモードでフットスイッチ(クワッド:FS1〜FS4、シングル:FS4)を必要
なテンポでタップすると、レートはそのテンポに同期します。タップテンポモードを抜けるには
フットスイッチをしばらく押し続けます。
CH1/CH2/CH3/CH4いずれかを選択すると、そのチャンネルのLFOは選択したチャンネル
(CH1/CH2/CH3/CH4)のLFOに同期します。お分かりのように、自分自身のチャンネルで
同期することはありません。また、LFOモードを使用していないチャンネルにも同期できませ
ん。すなわち、LFOモードを使用しているチャンネル同士のLFOを同期させるのに使用します。
同期できない設定は「NA」と表示されます。
MIDI CLOCKを選択すると、受信したMIDIクロックにLFOは同期します。MIDIクロックが入ってこ
ない場合はLFOは停止します。同期するMIDIクロックをどのMIDI入力で感知するかはMIDI IN
の設定(DIN,USB,両方)によります。グローバルな設定、チャンネル設定でも区別されます。
注意:MIDI IN設定をDIN/SUB設定にして、両方の入力から異なるMIDIクロックを受信
した場合はLFOの反応はメチャクチャなものになります。
ノイズ;NOISE - ノイズはラジオの局間で聞こえるホワイトノイズや波
や風の音などの仲間です。ノイズはランダムな変化やラフな感じを
持たせる効果に使用できます。フットペダルはノイズの質を変化さ
せます。
15
CLOCK DIVIDER
LFO AMOUNT
MIDI CLOCKにLFOシンクが設定されている場合、LFO RATEのメニューはCLOCK DIVIDER
の設定に変わります。MIDIクロックは24個で4分音符相当のテンポを送信しています。そのこ
とから、CLOCK DIVIDER(クロックディバイダー)はMIDIクロックをある数で分割して、その相当
音符長でLFOを同期させます。下表はMIDIクロック数と相当の音符、そしてそのLCD表示を
示しています。
LFO AMOUNT(アマウント)パラメーターはLFOの出力レベルの初期値(プリセットを呼び出し
たときの値) を設定します。フットペダルをLFOアマウントのコントロールに使用するように
(FPEDAL MODE = RATE)設定されている場合、初期設定のLFOアマウントはペダルを動か
した時点でペダル位置による値に変わります。実際のアマウントがどう変わるかは、そのチャ
ンネルのLFOモードのHEEL、TOE設定値によります。
MIDIクロック数
同期音符長
3
4
6
8
12
16
24
32
48
64
96
32分音符
付点32分音符
16分音符
付点16分音符
8分音符
付点8分音符
4分音符
付点4分音符
2分音符
付点2分音符
全音符
LCD
DISPLAY
1/32
1/32 DOT
1/16
1/16 DOT
1/8
1/8 DOT
1/4
1/4 DOT
1/2
1/2 DOT
WH
MIDI Clock Divider 相関表
注:LFO RATEメニューでフットペダルをクロックディバイダーの設定に使用できます。
LFO RATE
LFO RATE(レート)はLFOの周波数の初期値(プリセットを呼び出したときの値) を設定しま
す。LFOの周波数範囲は0.1Hz(10秒に1回の周期)から1000Hz(1/1000秒の周期)で
す。
フットペダルをLFOレートのコントロールに使用するように(FPEDAL MODE = RATE)設定され
ている場合、初期設定のLFOレートはペダルを動かした時点でペダル位置による値に変わり
ます。実際のレートがどう変わるかは、そのチャンネルのLFOモードのHEEL、TOE設定値によ
ります。
MIDI CLOCKにLFOシンクが設定されている場合、LFO RATEのメニューはCLOCK DIVIDER
の設定に変わります。
LFO OFFSET
LFO OFFSET(オフセット)パラメーターはLFOの出力のオフセット(LFOの中央値のレベル)の
初期値(プリセットを呼び出したときの値) を設定します。フットペダルをLFOオフセットのコン
トロールに使用するように(FPEDAL MODE = OFFSET)設定されている場合、初期設定の
LFOオフセットはペダルを動かした時点でペダル位置による値に変わります。実際のオフセッ
トがどう変わるかは、そのチャンネルのLFOモードのHEEL、TOE設定値によります。
LFOのオフセットは次のように考えられます。LFOは通常、一定範囲で上下する波形です。
例えば上が+3V、下がー3Vで動作するLFOに+1Vのオフセットを加えると、上は+4V、下
はー2Vになります。LFO出力をピッチに加えて、オフセットを変えると、上下に揺れ動くピッチ
範囲が移動するのが聞こえるでしょう。
MP-201のLFOの出力範囲は単極性で0〜+5V、両極性で+/−5Vです。オフセットを設
定した場合も、この範囲を超えることはできません。次の図は、オフセットでLFO出力が限ら
れる(クリップする)様子を示しています。
LFO OFFSET = 2048 (0V)
LFO信号(振幅10V)は0ボルトを中心にフルスケールで出力。
LFO OFFSET = 3072 (+2.5V)
LFO信号はプラスのオフセットで上に移動しているため、
+5Vでクリップしている。
LFO OFFSET = 1024 (-2.5V)
LFO信号はマイナスのオフセットで下に移動しているため、
−5Vでクリップしている。
LFO OFFSET = 0 (-5V)
LFO信号は大きなマイナスのオフセットで、半分切り取られている。
注:クリップを防ぐためには、LFOアマウントとオフセット両方を下げることで防げます。
クリップを積極的に効果として利用することも考えられます。
16
MP-201のMIDIの動作
MP-201はMIDIコントローラーとしても広範囲に使用できます。この章ではMP-201をMIDI入
出力で使用するための設定方法を説明します。MP-201では標準のDINタイプのMIDIコネク
タとUSBコネクタがMIDIマージ(ミックス)機能を含めて使用できます。
MIDIの設定は2つのメニュー領域があります。1つはユーティリティーモードのMIDI Setupメニ
ューでのグローバルな設定。もう1つはプリセットごとに設定されるエディットモードのMIDIプリ
セット設定(MIDI ALL)です。
MIDI コンティニュアスコントローラー (CC)
MIDI CC メッセージは他のMIDI機器のパラメーターごとのコントロールを可能にします。MIDI
CCメッセージは番号と値を持ちます。番号はどのタイプのパラメーターかを表し、値はそのパ
ラメーターのとる値になり、ちょうどアナログCVのレベルにあたります。
MIDI CC番号は0から127まであり、値も0から127の128段階をとります。CC番号の120以
上は特別な情報に使われるため、機器のコントロールには使用しません。一方、多くのCC番
号は標準の使用機能が割り当てられています。たとえば、MIDI CC#7は機器の最終音量の
コントロールに使われます。ただ、必ずしも標準の機能を利用しているとは限らないので、メ
ーカー/機器ごとにマニュアルでMIDI CCの設定を確認してください。
MP-201では1つのプリセットに、コントロールチャンネルごとにMIDIチャンネルとMIDI CC番号
を割り当てることができ、すなわち4つのチャンネルで4つのMIDIコンティニュアスコントローラ
ーが使用できます。このことで、たとえば、MIDIチャンネルの違う4つの機器を同時にコントロ
ールすることもでき、また同じ機器の4つのパラメーターをコントロールすることもできます。
MP-201のMIDI出力はアナログCVコントロールのMIDIバージョンです。したがって、MIDI出力
はEXPRESSION、LFO、GATEの各モードのアナログCV出力と同様にMP-201のチャンネル
設定で動作します。ただし出力ステップは128段階です。
また、設定したMIDI CCで他の機器をコントロールできると同時に、設定したMIDIチャンネルの
MIDI CCメッセージを受信することで、そのコントロールチャンネルのアナログCV出力を対応
する値に変化させることもできます。アナログCV出力がどのように変化するかは、そのチャン
ネルのモード設定によります。
そのチャンネルがEXPRESSIONモードで、MIDIチャンネル1、MIDI CC番号1なら、他の機器で
コントロールされた同じチャンネルでMIDI CC#1を受信すると、そのコントロールチャンネルの
アナログCV出力はMIDIの値の0〜127に対応した電圧を出力します。すなわち単極性の0
〜+5Vないし、両極性の−5V〜+5Vを出力します。
そのチャンネルがLFOモードで、チャンネルがオンになっていれば、受信したMIDI CCの値は、
LFOのペダル設定(Rate、Amount、Offset)でアナログLFO出力をコントロールします。チャン
ネルがオフの場合はLFO OFF MODE(Initial, Current, Continuous) の設定がMIDI CCに対す
る反応を決定します。
そのチャンネルがGATEモードで、受信したMIDI CC値が127であるとアナログ出力はゲートオ
ン状態(+5V)になります。また、MIDI CC値が0なら、ゲートオフ(0V)になります。
MP-201のコントロールチャンネルのオン/オフはMIDI機器のローカルコントロールと同じで、
たとえば、EXPRESSIONモードでは、チャンネルがオフの場合フットペダルでCV出力は動きま
せんが、チャンネルで受信したMIDI CCメッセージはCV出力を動かします。
MIDI プログラムチェンジ
MP-201ではMIDIプログラムチェンジ・メッセージを送受信します。MIDIプログラムチェンジは
MIDI機器のプリセットを選択するのに使用されます。MP-201ではMIDIチャンネル1のプログ
ラムチェンジでプリセットが選択されます。ただし、プリセットは50個なので、プログラムチェン
ジ#00〜49に応答し、それ以上の番号は無視されます。
MP-201の各プリセットで、そのコントロールチャンネルごとにプログラムチェンジを送信するよ
うにプログラムできます。すなわち、4つまでのMIDIチャンネルで4つまでのプログラムチェンジ
を送信できます。プログラムチェンジメッセージは00〜127の128個のプログラム番号を送
信できます。加えてバンクメッセージを同時に送信することにより、その機器で使用できるバ
ンク数分選択できるプログラム数が増えます。バンク情報はMIDI CCの#00と#32を特別に
利用して送られます。#00ではMSB(上位桁)、#32ではLSB(下位桁)が送られます。したが
ってバンクをフルに使用すると16384個のプログラムが選択できることになります(その機器
で可能であれば)。ただし、多くの機器では、バンクはLSBないしMSBのみで指定されます。ど
ちらのバンクが使用されるかは、その機器のMIDIの説明を参照してください。MP-201では、
バンクをLSBまたはMSBどちらかを送るように設定します。プログラムチェンジとバンクの選択
はMIDI ALLメニューで設定します。
17
MIDIクロック・メッセージ
ユーティリティーモード
MIDIクロック・メッセージは、MIDI機器同士のテンポを同期させるために送受信されるメッセー
ジです。このメッセージはMIDIチャンネルに関係なく使用され、送信されるタイミングを他のメ
ッセージに優先して送られるため、MIDIシステムーリアルタイム・メッセージに分類されていま
す。MIDIクロック・メッセージは4分音符あたり24回送信されます。
ユーティリティーモードはプリセット以外の機能を設定するために使用します。たとえば、
SysExメッセージの送信、ファクトリーリストア(工場出荷時へのリセット)、ファームウェアの更
新、フットペダルのキャリブレーション(校正)などがあります。
MP-201でもMIDIクロック・メッセージを送受信します。MP-201ではMIDIクロックはLFOを外
部機器と同期するために使用します。そのためにはLFOシンク設定をMIDI CLOCKにします。
LFOの同期はMIDIクロックを受信し、MIDIリアルタイム・スタート・コマンドを受信すると同期を
開始し、MIDIリアルタイム・ストップ・コマンドを受信すると同期を停止します。MIDI CLOCKに
LFOシンクを設定していてもMIDIクロックが受信されないと、LFOは動作しません。
--------------------- 省略 ------------------------
エディットモードのMIDI ALL設定で、コントロールチャンネルにMIDI CLK OUTを選択すると、
LFOモードでLFOに従ってMIDIクロックを送信します。MP-201からはMIDIクロックを送信する
のみで、リアルタイムのスタート/ストップ・コマンドは送信しません。
MIDI システムエクスクルーシブ (SysEx) メッセージ
MIDI SysEx メッセージは機器(機種)特定のメッセージで、異なる機器では無視されるメッ
セージです。各機器固有の情報を伝達するために使用されます。MP-201では次の4種の
SysExメッセージを使用しています。個々のプリセットデータ、全てのプリセットデータ、バルク
ダンプ(データの一括送信)、ファームウェアデータがユーティリティーメニューで使用できま
す。SysExメッセージはどのモードでも受信できます。
個々のプリセットデータ(Preset)は、222バイトのサイズで、1つのプリセットの全ての設定情
報を含んでいます。全てのプリセット(All Presets)は9532バイトのサイズで、50個のプリセッ
トの全ての設定情報を含んでいます。バルクダンプ(Bulk Dump)は9554バイトのサイズで、
全てのプリセットの設定情報とグローバルな設定を含んでいます。ファームウェア
(Firmware)はMP-201の動作ソフトウェアを更新するために使用されます。
ファームウェアの更新については、モーグミュージックないしモリダイラ楽器のウェブサイトで
発表されます。
注意:SysExデータの送受信を行うときはLFOの動作をオフにしてください。
18
MP-201パネルコントローラー操作一覧
パネルのコントローラー
操作モード
VALUEツマミ
パネルのコントローラー
VALUEスイッチ
フットペダル
フットスイッチ
FS1
フットスイッチ
FS2
フットスイッチ
FS3
フットスイッチ
FS4
フットスイッチ
FS1+FS3
フットスイッチ
FS2+FS4
EDITボタン
ENTER/STO
REボタン
プリセット番号を−
1
プリセット番号を
+1
選択チャンネル
を+1
選択中のチャンネ
ルのオン/オフ
ダブルタップでタッ
プテンポモードへ
タップテンポモード
でタップ入力
ホールドでタップテ
ンポモードを終了
QUAD モ ー ド へ
切り替え
EDITモードへ切り
替え
EDITモードへ
切り替え
保存操作の開
始
SINGLE
QUAD モ ー ド へ
切り替え
EDITモードへ切り
替え
設定中のプ
リセット名の
カーソルを
左へ移動
設定中のプリセ
ッ ト 名 の カ ーソ
ルを右へ移動
SGL/ プ リ セ ッ ト
名編集
EDITボタン+
ENTERボタン
操作モード
SINGLE
プ リ セ ッ ト番 号
の選択
プリセット名へ編集
のカーソル移動
オンのチャンネ
ルの出力値の
コントロール
SGL/ プ リ セ ッ ト
名編集
名前の文字
選択
プリセット名のカーソ
ル移動
オンのチャンネ
ルの出力値の
コントロール
プリセット番号を−
1
プリセット番号を
+1
選択チャンネル
を+1
チャンネル2の
オン/オフ
ダブ ルタッ プ で
タッ プテ ン ポモ
ードへ
タッ プテ ン ポモ
ードでタップ入
力
ホールドでタッ
プ テ ン ポモ ー ド
を終了
チャンネル3の
オン/オフ
ダブ ルタッ プ で
タッ プテ ン ポモ
ードへ
タッ プテ ン ポモ
ードでタップ入
力
ホールドでタッ
プ テ ン ポモ ー ド
を終了
チャンネル4のオン
/オフ
ダブルタップでタッ
プテンポモードへ
タップテンポモード
でタップ入力
ホールドでタップテ
ンポモードを終了
SGLモードへ切
り替え
EDITモードへ切り
替え
EDITモードへ
切り替え
保存操作の開
始
QUAD
EDIT
QUAD
プ リ セ ッ ト番 号
選択
なし
オンのチャンネ
ルの出力値の
コントロール
チャンネル1のオ
ン/オフ
ダブルタップでタッ
プテンポモードへ
タップテンポモード
でタップ入力
ホールドでタップテ
ンポモードを終了
EDIT
パラメーター値
設定
パラメーター/値間
カーソル移動
パラメーターの
値の設定
パラメーター/値を
−1
パラメーター/
値を+1
設定チャンネル
を+1
パラメーターと値間
のカーソル移動
なし
EDITモードを終了
EDITモードを
終了
保存操作の開
始
UTHILITIES
パラメーター値
設定
パラメーター/値間
カーソル移動
なし
なし
なし
なし
パラメーター値設
定
パラメーター/
値間カーソル
移動
なし
UTILITIES モ
ードの終了
UTILITIES 項
目の終了
UTILITIES モ ー
ドへ切り替え
UTILITIES 項 目
の実行
UTILITIESモード
へ切り替え
なし
UTHILITIES
19
MIDI Implementation Chart
Moog Music Date:
MP-201 Multi-Pedal
FUNCTION
Basic channel
Changed
8/29/08
Version 1.0
Default
Mode
Default
Messages
Altered
Note number
Velocity
Note
ON
Note OFF
After touch
Pitch Bend
Control change
Program change
True Number
System Exclusive
System Commands
Song Position
Song Selection
Tune
System Real Time
Clock
Commands
Aux messages Local Off
All Notes Off
Active Sense
System Reset
Legend:
仕様
O = Yes
X = No
TRANS
1
1-16,
OFF
2
X
X
X
REC
タイプ:
プログラマブル・フットペダル・エクスプレッションコントローラー
REMARKS
1
1-16, OFF
User selectable
2
X
X
X
X
X
X
X
X
X
O
O
00 - 49
O
X
X
O
O
00 - 49
O
X
X
X
X
X
X
O
X
X
X
X
X
O
O
X
X
X
X
パフォーマンス・コントロール:
Gas Pedal スタイルフットペダル
LEDインジケーター付きモーメンタリーフットスイッチ x 4
ユーザーインターフェース:
LCDディスプレー、16文字2行
選択コントロール:
EDIT、ENTER/STOREボタン
VALUE=プッシュスイッチ付き回転エンコーダー
MIDI LED インジケーター
0 - 127
Modes: Mode 1 - Omni On, Poly
Mode 2 - Omni On, Mono
Mode 3 - Omni Off, Poly
Mode 4 - Omni Off, Mono
バックパネル:
ACアダプターコネクタ(12VAC, 500 mA)
電源スイッチ
コントロールヴォルテージ(CV)出力ジャック(CV1〜CV4)
MIDI IN、OUT DINタイプコネクタ
USB Type B コネクタ(MIDI用)
外形:
10.25 x 10.75 x 3.0 (L x W x H)
(260 mm x 273 mm x 76 mm)
重量:
5.5lb (2.5 kg)
ファームウェア:
MIDI経由でアップデート可能なフラッシュメモリーに収納
注:仕様は断りなく変更されることがあります。
©2008 Moog Music Inc. / (株)モリダイラ楽器
20