内燃機関・電気自動車 (HV,PHV,EV)・燃料電池車の 次世代エンジン

内燃機関・電気自動車
(HV,PHV,EV)・燃料電池車の
次世代エンジン開発競争
2015年02月25日
株式会社東京アールアンドデー
代表取締役社長
小野昌朗
1
本日お話しする内容
• 東京アールアンドデーグループについて
• 東京アールアンドデー
• 株式会社ピューズ
• 東京R&Dコンポジット工業
• 内燃機関・電気自動車(HV,PHV,EV)・燃料電
池車の次世代エンジン開発競争
2
東京アールアンドデーグループについて
3
私が設計したレーシングカーの例
4
東京アールアンドデーの創立(1981年)
• レーシングカー開発の経験を一般の自動車開発に役立てた
かった。
• 自動車レースが競っているのはサーキットでのスピードというより
は開発のスピード、すなわちアイデアを素早く実現するスピード
を競っている。
• 素早い開発を行う能力を、自動車レース以外の分野で役立
てられる体制を作ろうと考えた。
• 国内自動車産業の活発な開発競争により、企業として順調
に立ち上がることが出来た。
5
最初の危機
• 会社設立3年目に自動車業界の競争事情の変化
により受注が激減
• 開発のスピードだけでは競争力がないという当たり前
な事実に直面する
• 特徴のある技術の必要性を認識し、研究テーマを
定める
– エレクトロニクス
– 炭素繊維複合材料の応用技術
6
電気自動車との出会い
• 1984年5月に当時、環境庁公害研究所の研究員
だった清水浩さん(現在は慶応大学名誉教授)に
出会い、電気自動車技術の重要性と、それが東京
アールアンドデーの技術に適合していることに気付く。
• 電気自動車を、エレクトロニクス、炭素繊維複合材
料に続く3つ目の技術テーマとして取り組むことにした。
7
自主プロジェクトとして試作車輌を開発
8
素材メーカーから
開発プロジェクト受注
9
電力会社から
開発プロジェクト受注
10
レーシングカー開発(ガソリンエンジン)
11
自動車メーカーのショーカー開発
• 1987年から自動車メーカーから数多くの電
気自動車開発を受注している。
12
VEHICLE DIVISION
1987 Tokyo Motor Show
1989 Tokyo Motor Show
1991 Tokyo Motor Show
1993 Tokyo Motor Show
VEHICLE DIVISION
2002 North American International Auto Show
2001 North American International Auto Show
VEHICLE DIVISION
EV SYSTEMS
2007 Tokyo Motor Show
海外自動車メーカーからの受注
•
•
•
•
•
1987年から量産車両の開発を受注
中国、台湾、韓国、インド、アメリカ、ブラジル等
日本の金型メーカーとの共同作業
日本の開発手法
バブル崩壊以降、1997年まで海外業務急成長
16
少量生産自動車事業への取り組み
• 1996年頃から事業化を検討していた
• 1998年、アメリカ人の友人からの資金提供の申し入れにより
事業化に着手
17
RACING DIVISION
Low Volume Production Sports Car‘VEMAC’
Manufacturing and sales of
VEMAC RD200
Vemac car company (UK )
株式会社ピューズの設立
PUES: Power Unit for Electric Systems
• 東京アールアンドデーが電気自動車開発で培った経
験を活用、電気自動車要素部品の事業化を目指
して1999年に設立
• 電気自動車要素部品開発と製造販売
• 電気自動車用モーター、インバーター、
• 電池パック、BMS
• 電気自動車制御ユニット
• 電気自動車に特有な部品
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EV SYSTEMS
EV及びHEVを中心とした
自動車全般の電子制御技術開発
Electronical control technology for EVs/HEVs
and internal combustion engine vehicles
Interface box for quick charging
VCU(vehicle control unit)
H/W,S/W development
Simulation/CAE
Bench test
Engineering
EV/HEV Traction & Control Systems
From Development to Production
Prototyping
Production
Laminated Li-ion battery module
Engineering
超高性能電気自動車 ELIICA
電気バス 秋田県 ELEMO-AKITA
22
電気バス 沖縄県 ガージュ号
23
東京R&Dコンポジット工業株式会社
• 炭素繊維強化樹脂複合材料の応用技術研究と
製品の製造販売
• 1982年から研究開始
• 主に競技用車両の部品を製造、国内自動車メー
カーのレース部門に納入
• 2011年10月に別会社として独立
24
COMPOSITE
MATERIALS
先進複合素材の応用研究・少量生産
Advanced composite material application
technology R&D and small volume production
Result of analysis(failure index)
CFRP road bike frame
Engineering
COMPOSITE
MATERIALS
Cowling of racing car
Slap skate shoes
Compact and lightweight hydraulic hose
CFRP pocket bike frame
Manufacturing
現在の東京アールアンドデーグループ
• 配布した下記資料をご参照ください
– 各社の会社概要
– 電気自動車開発実績のご紹介
27
内燃機関・電気自動車
(HV,PHV,EV)・燃料電池車の
次世代エンジン開発競争
28
昨年10月、台湾の
政府研究機関の招
きで
Taiwan
Automotive
International
Forum
に参加した。
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次世代自動車の課題
• 知能化、全自動運転
• 電気化
• 軽量化
30
全自動運転
• 全自動運転化が進んでいるが、今後の自動車のシステムインテ
グレーションを行うのは自動車メーカーかTier1サプライヤーか?
• 全自動運転機能を含む自動車統合システムの複雑化がどんど
ん進みシステムが巨大化する。
• 自動車メーカーでもトップ企業は自社で行おうとするが、中位以
下のメーカーでは自社では開発しきれなくなる。
• DENSO、BOSCH、SIEMENS、ZF+TRW等 Tier1に依
頼するところも出てくる。
• 全自動運転は自動車側だけでは成立しない。
• 道路情報を3次元で持つことが必要。
• グーグルは3次元道路データ取得を世界中で進めている。
31
全自動運転
• 今までのナビはパイオニアとデンソーが世界をリードしてきたが、その
仕組みが変わろうとしている。
• スマートフォンに組み込まれたGoogle Mapsのナビ機能進化。
• グーグルのナビはTESLAで使われている。
• 自動車設計CADの世界で起こったこと
– CAD初期は自動車メーカーがそれぞれ独自のCADシステムを
開発していた。
– 3次元化、ソリッドモデル化等、高度化、巨大化が進むにした
がい、GM,トヨタでさえ自社で開発をすることができなくなって、
現在のCATIAとNXの寡占状態につながった。
– 全自動自動車のシステムにおいても同じようなことが飽きる可
能性。
– その時に台湾の電子工業はどう生きるべきか。
– アップルが自動車参入を検討している。
32
Gogoro Smartscooter
33
Gogoroについて
• 2011年にGogoroは5000万ドルを調達した。3年後にさら
に1億ドルを調達。
• 2015年1月、CESで正式発表があった。
• HTCに関連が深い。エンジニアの多くはHTCから来ている。共
同ファウンダーの1人、Horace LukeはHTCの最高イノベー
ション責任者を2007年から2011年まで務めた。1億5000
万ドルの資金の相当部分はHTCの女性会長、Cher
Wangの出資。
• GogoroはSmartscooterと呼ばれる電動スクーターとユニ
ークなバッテリーレンタル・インフラを開発していた。
• TESLAと同じくパナソニックの18650電池を使用。
• 電気スクーターのTESLAになることを目指す。
34
• HTC Corporation(エイチ・ティー・シー・コーポレーション、
宏達国際電子股份有限公司)は、台湾を拠点とするスマー
トフォン・携帯情報端末(PDA)メーカー。PDAやスマートフ
ォンを世界中で発売している。かつてはHigh Tech
Computer Corporation(ハイ・テック・コンピューター・コ
ーポレーション)と名乗っていた。
• 2010年にはスマートフォンメーカーとしては世界第4位になって
おり、2011年4月には携帯電話端末出荷台数で世界1位の
ノキアを時価総額で追い抜き、台湾第2位の企業となる[。
• しかし、2012年以降は、Appleやサムスン電子との競争激化
から販売苦戦に陥り、現在スマートフォンのメーカー別シェアで6
位以下。
Wikipediaより
35
36
37
電気化と軽量化
• 化石燃料枯渇
• 二酸化炭素排出量削減
世界で様々な取り組みが行われている。
38
トヨタ・ミライ
• 一充填走行距離 650㎞ 約3分間で充填できる
• 価格7,236,000(消費税込み)
• エコカー減税
–
–
–
–
–
自動車重量税 約30,000円減税
自動車取得税 約180,900円減税
自動車グリーン税制 自動車税(翌年度) 約22,000円 減税
CEV補助金 最大約2,020,000円 補助
合計 約2,252,900円 優遇
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乗車定員
4人
エンジン
個体高分子型FCスタック(型名:FCA110)
最高出力
最大トルク
駆動方式
FCスタック
114kW(155ps)
モーター
113kW(154ps)
モーター
335N·m (34.2kgf·m)
FF
サスペンション
前: ストラット式コイルスプリング(スタビライザー)
後: トーションビーム式コイルスプリング
全長
全幅
全高
4,890mm
1,815mm
1,535mm
ホイールベース
2,780mm
車両重量
1,850-2,070kg
水素タンク
122.4l 70MPa
40
• トヨタ自動車は2015年1月22日、燃料電池車「MIRAI(
ミライ)」を増産計画発表。2016年は2000台、2017年は
3000台である。
• トヨタ自動車と日産自動車、ホンダの3社は2015年2月、水
素ステーションの整備促進に向け、共同支援に乗り出すこと
で合意。2015年夏までに具体的な内容を固める。
• 2011年1月13日、トヨタ、ホンダ、日産の自動車会社3社と
、エネルギー事業者10社(JX日鉱日石エネルギー、出光
興産、岩谷産業、大阪ガス、コスモ石油、西部ガス、昭和シ
ェル石油、大陽日酸、東京ガス、東邦ガス)は、2015年に
水素ステーション100カ所を整備するとの声明を発表。
• 普及初期においては、大都市圏を中心にFCVを普及させる
ことで、水素ステーションの数を最小限に抑える狙い。(2014
年2月現在)
41
水素充填ステーション
• ホンダと岩谷産業は2014年9月18日、水素製造から充填
システムまでをパッケージ化した小型水素ステーション「スマー
ト水素ステーション」を開発し、さいたま市に設置。
• 1基当たりの設置コストが約4億~5億円かかる従来の水
素ステーションに比べて、「設置コストを10分の1に減らすこと
を目指す」。
• スマート水素ステーションは、外部電力を使って水を電気分
解し、水素を取り出す設備。発電所からの電力の他に、太
陽光発電などの再生可能エネルギーを利用して水素を製造
することもできる。
42
水素充填ステーション
• トヨタとホンダの燃料電池は乗用車。
• 乗用車を普及させるには全国津々浦々に水素充填ステーシ
ョンが必要になる。
• 2015年2月現在 水素充填ステーションは全国で40か所。
• トヨタRAV4EVの販売は1994年から。
• 電気自動車の充電スタンド普及を目指しチャデモ協議会が
2010年3月設立された。
• 2012年度補正予算で1005億円が電気自動車充電設備
設置加速のために割り当てられた。
• 電気自動車充電ステーション 普通8200箇所 急速4400
箇所。(2015年1月)
• ガソリンスタンド数 34700箇所(2013年)。
43
海外の燃料電池プロジェクト
• アメリカでは約8000台の燃料電池フォークリフトが倉庫、配
送センター、自動車工場等で使用されている。
• 使用場所が限られているため、水素供給がやりやすい。
44
自動車の次世代エンジンは?
• 最近、燃料電池自動車の話題が多い。
• 電気自動車時代到来の前に燃料電池自動車の
時代が来るのか?
• ハイブリッド車も増えている、プラグインハイブリッド車も
出現している。
• 内燃機関自動車の燃費向上も著しい。
• 次世代自動車の本命はなにか、そこを考えるために
、次世代自動車の実力と課題を整理してみる。
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次世代車両の動力
• 内燃機関自動車
– ガソリン
– ディーゼル
– 天然ガス
– 水素
• ハイブリッド車
• プラグインハイブリッド車
• 電気自動車
• 燃料電池自動車
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次世代内燃機関自動車
• 内燃機関の性能向上が著しい
• ヨーロッパ車
– ディーゼルエンジン、コモンレール、ターボ
– ガソリンエンジンのダウンサイズターボ
• マツダのスカイアクティブエンジン
• 燃費
– 軽自動車
– ハイブリッド車
– 1リッター小型車
37km/l (JC08モード)スズキ・アルト
37km/l (JC08モード)トヨタ・アクア
27.6km/l (JC08モード)トヨタ・パッソ
• 内燃機関自動車はもともと効率がそれほどよくなくて、改善の
余地が大きかった
47
• 内燃機関で生まれるエネルギーのうち、70%~80%以上は
動力としてタイヤに伝わるまでに失われており、実際のエネル
ギー効率はわずか20%~30%程度。
• 理論的にこの効率は60%くらいまで高められると言われており
、内燃機関にはまだまだ改善の余地がある。
48
クリーンディーゼル
• エンジンに空気だけを吸い込んで、圧縮してから燃料を噴射
するディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンのような異常燃焼
の恐れがないため、過給との相性が良好。
• 過給ディーゼルエンジンは、小排気量で高出力を得られ、エン
ジン自体のサイズや重量も低く抑えられ、また排気ガス中の
有害成分低減の面でも効能がある。
• 燃料噴射方式
– 副燃焼室式 400~500気圧
– 直噴式 1000気圧程度
– コモンレール式 2000気圧以上 排ガス規制強化に対
応できる新技術
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BMW320d 2リッター4気筒ディーゼルターボエンジン
直4DOHC16バルブ ディーゼルターボ(184ps/4000rpm、
38.7kgm/1750-2750rpm)/燃費=19.4km/リッター(JC08モード)
50
マツダ・スカイアクティブ・ディーゼルエンジン
2.2リッター直噴ターボディーゼル175ps(129kW)/4500rpm
42.8kgm(420Nm)/2000rpm JC08モード 21.4km/l
51
ダウンサイズ・ターボ・ガソリンエンジン
• ガソリンエンジンでもディーゼルエンジンのように燃料を直接シリ
ンダー内部に噴射する「直噴」が増えている。このタイプのガソ
リンエンジンは過給との相性が良く、エンジン本体の圧縮比も
高く保っておけるなどのメリットが多い。
• ターボは排気ガスのエネルギーという、従来は捨てていたものを
利用して効率を高める。
52
フォルクスワーゲンの
ダウンサイズ・ターボ・ガソリンエンジン
53
フォルクスワーゲンの
ダウンサイズ・ターボ・ガソリンエンジン
• 「高出力」と「低燃費」を両立したエンジン。高効率なダウンサ
イジング直噴エンジンにターボやスーパーチャージャーを組み合
わせることで、大幅な燃費向上と1~2クラス上の排気量に匹
敵するトルク特性を実現。
• 1.8L以上のTSIエンジンはすべてターボ+スーパーチャージャ
ーの「ツインチャージャー」。1.4LのTSIはターボのみの「シング
ルチャージャー」と前出のツインチャージャーが混在。1.2L TSI
はすべてシングルチャージャー。
カタログ燃費(10・15モード)は旧型VWゴルフの1.4L
TSI搭載グレードで16~16.8km/L、現行ポロで
19.4km/L以上(GTIを除く)。
54
1.2L TSI® シングルチャージャーエンジン
• アルミブロックやSOHC(2バルブ)の採用により、エンジン単
体で大幅に軽量化。各パーツの小型化、ウェイストゲートの
電子制御化などで、高効率、低燃費を実現した。
最高出力は105PS、最大トルクは175Nmと1.8L並のパフ
ォーマンスを発揮。
55
1.4L TSI® シングルチャージャーエンジン
• 新開発インジェクションユニットにより効率的な燃料噴射を行
う「直噴エンジン」と「水冷式インタークーラー付ターボチャージ
ャー」を組み合わせたパワーユニット。小型で反応が極めて俊
敏なターボチャージャーは、1,250回転から最大トルクの80
%を発生。
56
1.4L TSI® ツインチャージャーエンジン
• 大幅なダウンサイジングと、ターボチャージャーとスーパーチャー
ジャーによるツインチャージャーシステムによって、低燃費とドラ
イビングプレジャーを高次元で両立。1,389ccの小排気量か
ら、最高出力132kW(179PS)、最大トルク250Nmとい
う2.4L自然吸気エンジン並みの性能を発揮。
57
TSIエンジンのラインナップ
最高馬力
最大トルク
[1]1.2リットルTSIシングルチャージャー
077kW(105ps)/5,000rpm
175Nm/1,550-4,100rpm
[2]1.4リットルTSIシングルチャージャー
090kW(122ps)/5,000rpm
200Nm/1,500-4,000rpm
[3]1.4リットルTSIツインチャージャー
103kW(140ps)/5,600rpm
220Nm/1,500-4,000rpm
[4]1.4リットルTSIツインチャージャー
118kW(160ps)/5,800rpm
240Nm/1,500-4,500rpm
[5]1.4リットルTSIツインチャージャー
125kW(170ps)/6,000rpm
240Nm/1,500-4,750rpm
[6]1.4リットルTSIツインチャージャー
132kW(179ps)/6,200rpm
250Nm/2,000-4,500rpm
[7]1.8リットルTSIシングルチャージャー
118kW(160ps)/4,500-6,200rpm
250Nm/1,500-4,500rpm
[8]2.0リットルTSIシングルチャージャー
125kW(170ps)/4,300-6,000rpm
280Nm/1,700-4,200rpm
[9]2.0リットルTSIシングルチャージャー
147kW(200ps)/5,100-6,000rpm
280Nm/1,700-5,000rpm
[10]2.0リットルTSIシングルチャージャー 155kW(211ps)/5,300-6,200rpm
280Nm/1,700-5,200rpm
[11]2.0リットルTSIシングルチャージャー 188kW(256ps)/6,000rpm
330Nm/2,400-5,200rpm
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ホンダの新開発ターボエンジン
排気量
最高出力
最大トルク
2.0リッター直噴ターボ
206kW以上
400Nm
1.5リッター直噴ターボ
150kW
260Nm
1.0リッター直噴ターボ
95kW
200Nm
59
マツダ・スカイアクティブ・エンジン
1997cc 121kW
1298cc 62kW
210Nm
112Nm
60
天然ガス自動車
• ディーゼルエンジン自動車より排気ガス中の有害物質(黒鉛
・NOx・SOxなど)が大幅に少ない。圧縮天然ガスの場合は
燃料が気体であるため、貯蔵性・運搬性に劣る。ディーゼル
エンジンベース(バス・トラックに搭載)、ガソリンエンジンベー
ス(バンなどに搭載)の双方がある。
• ディーゼル車と比較した天然ガス自動車の排出量:
–
–
–
–
–
–
窒素酸化物…60~70%低減
二酸化炭素…20~30%低減
硫黄酸化物…100%低減
黒煙…100%低減
バス車両の価格…1台2,407万円(ディーゼル車は1,415万円)
バス車両の燃費…1kmあたり41円(ディーゼル車は1kmあたり17
円)
61
• 天然ガスは発熱量あたりのCO2排出量が化石燃料の中で
最も低い。
• 天然ガス供給・車両のいずれも初期導入のコストが大きい。
• 特別な設備を必要としないハイブリッドカーの普及が進んでい
ることもあり、CNG仕様車は次第に廃止される傾向が目立っ
ている。
• 日本での普及台数は2011年3月末現在で40429台となっ
ている。年々台数は増えているものの規模自体はまだまだ小
さく、スタンド数に関しては伸び悩んでいる。 世界での普及台
数は2010年3月末現在で1320万台とみられ、前年比で
約200万台増と大きく伸びている。シェールガスの開発なども
あり、今後も一定の伸びが予想されている。
62
アウディの取り組み
63
水素エンジン
• 水素エンジン自動車で、熱効率50%超えを
目標にした開発が進んでいる。熱効率はガソ
リンエンジンで最大30%、ディーゼルエンジン
では同40%程度。
64
BMW Hydrogen 7
65
BMWHydrogen 7
Fuel Consumption Table for the BMW Hydrogen 7
Gasoline (petrol)
Hydrogen
L/100 km
Imp. mpg
US mpg
L/100 km
Imp. mpg
US mpg
13.9
20.3
16.9
50.0
5.6
4.7
•
•
•
•
液体水素を使っている
水素のエネルギー密度が低いため2km/l程度の燃費
タンクを冷却し続ける必要があり、現実的ではない
水素を使うなら燃料電池のほうがエネルギー効率高い。
66
ハイブリッド自動車
67
初代プリウス
1997年発売
燃費 28.0km/l (10.15モード)
68
シリーズハイブリッド
69
パラレルハイブリッド
70
スプリットハイブリッド
71
• ハイブリッド車輌
–
–
–
–
プリウス 1997年発売
2013年 日本での販売が年間100万台を超えた
累計では全世界で700万台を超えた
欧米でもハイブリッド車増加
• 未確認情報であるが今年発売されるという新
型プリウスは40km/lの燃費を実現すると言わ
れている。
72
EV Market in Japan:
年度
Source: Next Generation Vehicle Promotion Center
H21
H22
H23
H24
H25
乗用車
2
4,511
8,652
11,815
14,532
貨物車
1
1
0
14
3
乗合車
2
4
5
3
11
特種車
0
5
16
1
5
1,623
2,611
4,583
4,721
2,286
165
214
3,753
13,149
12,972
1,793
7,346
17,009
29,703
29,809
乗用車
452,098
447,626
633,417
854,904
1,011,081
貨物車
838
891
1,466
1,145
1,111
乗合車
194
97
62
123
113
特種車
779
641
845
1,131
930
軽自動車
121
5
0
0
0
ハイブリッド自動車合計
454,030
449,260
635,790
857,303
1,013,235
電気自動車等/ハイブリッ
ド自動車合計
455,823
456,606
652,799
887,006
1,043,044
電気自動
車
軽自動車
PHV
乗用車
電気自動車等合計
ハイブリッ
ド
自動車
プラグインハイブリッド車
• プリウスハイブリッド
– 燃費 32.6km/l
– 電池エネルギー量 1.3kWh ニッケル水素電池
– EV走行距離 約2km
• プリウスプラグインハイブリッド
– 燃費 31.6km/l
– 電池エネルギー量 4.4kWh リチウムイオン電池
– EV走行距離 約26.4km
74
• 三菱アウトランダーPHEV
– 電池 12kWh リチウムイオン電池
– EVモードで60.2km
75
メルセデスベンツSクラス
• ガソリンエンジン S550
– 燃費 10.5km/l
• ハイブリッド S400
– 燃費 15.4km/l
• PHV S550 Plug-In Hybrid
– EVモード走行 約33km
– 電池 8.7kWh
– 燃費 13.4km/l
76
電気自動車
77
過去の電気自動車ブーム(日本)
• 第二次世界大戦後のガソリン統制時代、立川飛行機、後のプリンス自
動車が開発した「たま電気自動車」
– 昭和24年の生産台数3299台、当時の国内自動車保有台数の3%に相当した:こ
れを第一次ブームという。
• 1970年マスキー法が米議会に提出される
• 1973年第三次中東戦争から石油ショック
• 通産省大型プロジェクト1971年~1976年電気自動車開発:第二次
ブーム
• 1990年カリフォルニアのZEV法により大手自動車メーカーがそれぞれ商
品化したが限定的だった
–
–
–
–
GM-EV1
トヨタ RAV4EV
ホンダ EV Plus
日産 ハイパーミニ
• 電池の性能不足により勢い続かず:ここまでが第三次ブームだったと考え
られている。
78
最近の動向
• 第三次ブーム後も一部自動車メーカーは開発を進めていた
• 2008年9月15日のリーマンショック後に各国政府が経済対策の
一環として電気自動車開発、事業化支援を行った
– 日本
• 充電設備普及、電気自動車普及を後押し。
– 中国
• 自動車メーカーと地方政府の電気自動車開発、実証プロジェクトを中央政府が後押し。
– アメリカ
• グリーンニューディール政策で多額の資金がEVベンチャーに注ぎ込まれたが、そのほとんどが
破綻、唯一TESLAが成功している。
– ヨーロッパ
• 2050年までに交通分野で排出される温室効果ガスを60%削減するそのために2030年
までに都市を走行する従来型燃料車両を半減2050年までに全廃するという目標を定め
た。ヨーロッパ自動車メーカーは成長が見込めない成熟市場のなかで成長可能性があるの
はエコカー分野であると認識し、その分野に力を入れようとしている。
79
日本
• 三菱自動車がi-Mievを発売2009年7月に法人へ
の販売開始
• 日産リーフ発売2010年12月
• 充電インフラ整備を政府が後押し
80
三菱i-Miev
81
三菱i-Miev
•
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日本の自動車メーカーが初めて量産に取り組んだ電気自動車
2006年10月に発表
2009年7月に発売開始
当初の価格は459万9000円
販売目標は当初年間2000台程度、2010年で8500台。
2010年4月に個人向け販売開始、価格398万円。
2011年7月、マイナーチェンジで2グレードに
廉価グレードM(電池容量が少ない)260万円、普通グレード
Gが380万円
• 2013年11月に再値下げ Mが245.91万円、新グレードXが
290万円となった。
• 2014年末で国内累計販売台数約1万台、世界合計では約2
万台。
82
三菱i-Miev
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乗車定員 4人
ボディタイプ 5ドアハッチバック
モーター 永久磁石式同期型 定格出力25kW
最高出力 47kW(64ps)/3000-6000rpm
最大トルク 180N・m(18.4kgf・m)/0-2000rpm
変速機 1段に固定
駆動方式 MR
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,600mm
車両重量 1,080kg
バッテリー容量 16kWh(電池総電力量)
電池総電圧 330V
83
日産リーフ
84
日産リーフ
• 自動車メーカーが年間数万台の本格的な量産を目指して
開発した電気自動車。
• 電池パックの製造を日産自身が行う。
• 2010年12月に発売後、累計5万台達成に約2年間費やし
たが、2013年1年間で次の5万台を販売し、累計10万台
に達した。(2014年1月20日報道)
• 2014年には更に約6万台販売した。
• 世界35か国で販売中。
• 2014年世界のEV市場の約38%のシェア。
85
リーフの諸元
製造国 日本 アメリカ合衆国 イギリス
乗車定員 5人
モーター 永久磁石同期電動機
最高出力 80kW (109仏馬力)
最大トルク
EM61型 280N·m (28.6kgf·m)
EM57型 254N·m (25.9kgf·m)
全長 4,445mm
全幅 1,770mm
全高 1,545mm
ホイールベース 2,700mm
車両重量 1,520kg(前期型)
1,430-1,460kg(後期型)
電費 124Wh/km[※ 1](前期型)
114Wh/km[※ 1](後期型)
電池容量 24kWh(電池総電力量
86
中国
87
China:2012 Beijing Auto Show
88
中国の電気自動車普及活動の現状
• リーマンショック以後の経済対策の一環として環境対応車輌
普及へ向け「十城千両計画」など様々な政策が実施され、自
動車メーカー、地方政府が多くのプロジェクトを立ち上げた。
• その後約2年ほど経過して、政府高官の電気自動車等環境
対策車輌の普及政策の進捗が遅く、政府支援策の効率が
悪いという発言をうけ、一時期自動車メーカーおよび地方政府
の事業推進意欲が薄れた。
• 2013年11月に習体制下で第一回目のモデル都市制定がな
され、北京、天津、上海等28都市で約25万台の新エネルギ
ー車促進計画が発表された。
89
アメリカ
90
電気自動車ベンチャー
• 2012~2013年、多くのEVベンチャーが破綻
した。
– FISKER
– CODA
– Project Better Place
– 電池メーカー
91
Project Better Place
電池交換式EVタクシーと電池自動交換装置の開発
車両概要
ベース車
日産・デュアリス
空車重量
1,630 kg
乗車定員
5名
車両総重量
1,905 kg
最高速度
120km/h
一充電走行距離
100 km(10・15モード計算値)
電動機形式
米国UQM社製 (永久磁石式同期型モータ)
最大出力
125 kW
最大トルク
300 N・m/0-2,500rpm
制御装置
IGBTインバータ
駆動方式
前輪駆動
トランスミッション
固定
タイヤ(前・後)
215/65R16 ミシュラン製低転がり抵抗タイヤ
電池種類・容量
米国a123社製 リチウムイオン電池・17kWh
92
電池自動交換装置
バッテリー交換ステーション外観
ビジターセンター外観
バッテリー交換レーン
ビジターセンター内部
バッテリー交換ステーション内部
オペレーションセンター
交換レーン
1レーン
収納ラック
4列×3段 合計12個のバッテリーパックを収納可能
充電器
50kW ×3台 出力可変式3台 同時に充電可能
バッテリー交換時間
約60秒
ステーション概要
充電室 約20℃に空調.ビジターセンター、会議室、充電スポット2基.約150坪
93
Project Better Place
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2007年1月 イスラエル政府と合意
2009年5月 横浜で電池交換のデモンストレーション
2010年4月 東京でタクシーのデモンストレーション開始
2011年12月 中国、広州でデモンストレーション開始
2012年1月 イスラエルで100台のルノーフルーエントが納入
される
2012年9月 オランダで電池交換ステーション開設
2012年10月 創業者Shai AgashiがCEO辞任、新執行
体制に
2013年2月 活動をイスラエルとデンマークに集中する
2013年5月 破産申請
94
電気自動車事業の困難さ
• 鶏と卵
– 価格と生産量の関係
• 部品価格
• 電池価格
• 車両価格
– 自動車メーカーと電池メーカー
• 日産リーフはこれを解決
– 充電インフラと電気自動車の普及
• 日本では平成24年度補正予算で1005億円
– 電池交換ステーション、電池の標準化
• ベタープレースのビジネスモデルでは電池交換ステーショ
ンの大量設置とそれに適合する電気自動車の大量普
及という鶏と卵が存在する
95
アメリカの大手自動車メーカー
96
GM Chevrolet Volt
97
Chevrolet Volt
•
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•
•
プラグインハイブリッド
リチウムイオン電池16kWh、重量約200kg
1.4Lガソリンエンジンで発電、ガソリンエンジンでも駆動する
全長4.5m、全幅1.79m
EPA(米国環境保護庁)推定燃費
– 電動走行時: 93MPGe(リーフは99MPGe)
– (シティ&ハイウェイ)
– エンジン走行時: 37MPG(≒15.7 km/l)
– 混合走行時: 60MPG
98
Chevrolet Volt
種別: E-REV:航続距離延長型(エクステンデッド・レンジ)電気自動車/前輪駆動
バッテリー・システム
種類: リチウムイオン 288 プリズムセル
ケース: T 字型 樹脂/アルミ/スチール製 長さ5.5ft(168cm)
重量: 435 ポンド(198.1kg)
冷却方式: 水冷式
合計最大航続距離: 379 マイル(610km)
保証(米国): 8 年間/10 万マイル(16 万km)
エネルギー容量: 16kWh
エンジン
形式: 水冷直列4 気筒DOHC
排気量: 1398cc
ディメンション
全長×全幅×全高: 4498×1788×1430mm(177.1×70.4×56.3in)
ホイールベース: 2685mm(105.7in)
トレッド(前後): 1556/1578mm(61.2/62.1in)
EPA(米国環境保護庁)推定燃費:
電動走行時: 93MPG
(シティ&ハイウェイ) エンジン走行時: 37MPG(≒15.7 km/l)
混合走行時: 60MPG
99
Monthly EV and Plug In Sales Scorecard
source: Inside EV web site:
アメリカ自動車メーカーが毎月発表するデーターをまとめている
100
101
2014年電気自動車世界販売台数
Pl
WORLD
Dec.
2014
%
'13Pl
1
Nissan Leaf
5.976
61.027
19
1
2
Mitsubishi Outlander PHEV
2.165
31.689
10
5
3
Tesla Model S
5.498
31.623
10
4
4
Chevrolet Volt (1)
1.608
21.293
7
2
5
Toyota Prius Plug-In
915
19.018
6
3
6
BMW i3
1.810
16.052
5
20
7
BYD Qin
1.819
14.747
5
40
8
Ford Fusion Energi
805
11.719
4
9
9
Renault Zoe
2.556
11.323
4
6
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
Kandi K10 (2-Seater EV)
Ford C-Max Energi
Chery QQ3 EV
Zotye E20
Smart Fortwo ED
Volkswagen e-Up!
BAIC E150 / E200 EV
Volvo V60 Plug-In
Renault Kangoo ZE
Mitsubishi I-Miev (2)
BYD e6
1.079
684
50
1.497
812
369
2.615
341
583
262
1.129
10.022
8.705
7.866
7.341
5.824
5.448
5.234
5.149
4.257
3.936
3.611
3
3
2
2
2
2
2
2
1
1
1
N/A
8
11
N/A
13
19
24
7
10
12
17
37.034
317.895
TOTAL
102
TESLAについて
•
•
•
•
•
•
•
歴史
Elon Muskについて
Roadster
Model S
技術の特徴
特許
販売戦略
103
TESLAの歴史-1
• 2003年7月に創業
• 2004年2月第1次の第三者割当の750万ドルの大半をElon
Muskが出資した。Muskは会長に就任。.
• 第2次増資:1300万ドル
• 2006年5月 第3次増資:4000万ドル
• 2006年7月 Roadsterの試作車公開される、Signature
One Hundredが3週間で完売
• 2007年5月 第4次増資:4500万ドル
• 2007年10月 RoadsterのSecond Hundred 完売
• 2008年2月 第5次増資:4000万ドル、この時点でMuskは
累計7000万ドル出資
• 2008年3月 Roadsterの一般販売開始
104
TESLAの歴史-2
• 2008年10月Musk CEOに就任
• 2009年1月 累計調達額18700万ドル
• 2009年5月 ダイムラーが株式の約10%を5000万ドルで
購入
• 2009年6月 アメリカ政府、エネルギー省から46500万ドル
融資を受ける(2013年5月に返済)
• 2009年9月 8250万ドルの増資発表
• 2010年1月 株式公開(IPO)の意向を表明
• 2010年5月 トヨタと戦略的パートナーシップ締結と5000万
ドルの出資を発表
• 2010年6月 IPO 22600万ドルを調達
• 2012年6月 Model S デリバリー開始
• 2012年9月 Roadster 予定されていた2400台を完売
105
Elon Muskについて
•
•
•
•
•
•
•
•
1971年、南アフリカ出身
1989年カナダに移住
1995年スタンフォード大学に入学するも2日で退学
1999年 PayPal社の前身X.com社の設立に参加
2002年SpaceX設立
2004年Tesla社に出資
2006年太陽光発電会社ソーラーシティを立ち上げ
2008年10月Teslaの会長兼CEOに就任
106
TESLA ROADSTER
107
TESLA ROADSTER
•
•
•
•
•
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•
•
•
•
製造国 アメリカ合衆国
販売期間 2008年 乗車定員 2名
モーター 三相交流四極誘導モーター
最高出力
– 通常 215kW(292PS)/5,000-6,000rpm
– スポーツ 215kW(292PS)/4,400-6,000rpm
最大トルク
– 通常 370N・m/0-5,400rpm
– スポーツ 400N・m/0-5,100rpm
全長 3,946mm
全幅 1,851mm
全高 1,126.5mm
ホイールベース 2,351mm
車両重量 1,238kg
108
TESLA ROADSTER
• 英国ロータス社のアルミ押し出し材で作られたプラット
フォームを流用した電気スポーツカー
• モーター、バッテリーなしのシャシー、ボディを英国から
輸入しカリフォルニアでモーター、バッテリーを搭載
• モーターはACインダクション
• 電池は18650を6831セル(99直列69並列)
• Elon Muskが創業したSpace Xのロケットと同じ技
術思想、すなわち開発済の枯れた技術、部品を束
ねて使うことにより開発コスト、時間を削減
109
18650について
•
•
•
•
•
•
•
•
•
直径18ミリ、長さ65ミリの円筒形セル
ノートパソコン用に広く使われていた
大量生産により価格がもっともこなれたリチウムイオン電池
最近ノートパソコンがタブレットに代わりつつあり、タブレットでは
ラミネート、パウチ型セルが使われている
18650の生産設備は過剰気味となり価格低下が進んだ
TESLAはロードスターの商品化にあたりもっとも価格のこなれ
ている18650を採用した
価格の安さを利用して、従来の電気自動車の枠を外れた量
の電池を搭載した
電池の量が増えたことにより、放電レートが下がる
電池に対する負荷が軽減される
110
18650が様々な電気駆動車両で使われ始めている:
電動アシスト自転車用電池パックの例
111
TESLA Model S
112
TESLA Model S
113
TESLAのアルミ製フレーム
114
TESLA MODEL S
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
製造国 アメリカ
乗車定員 5名あるいは7名
ボディタイプ 4ドア セダン
モーター 3相交流モーター 310kW (416PS)
高性能版 ベースモデルは後輪駆動用であるが、それに前輪
駆動用モーターを追加して合計515kW (700PS)
変速機 単速
駆動方式 リアエンジン
全長 4,978mm
ホイールベース 2,959mm
電池容量:60kWh、85kWh
車両重量 1,735kg、2,108㎏、2,239kg
115
TESLA MODEL S
• 元トヨタ、GM合弁会社NUUMIの工場を購入
• 元ジャガーの技術者をヘッドハントしてオールアルミ製フレーム
ボディを開発(軽量化は電気自動車の実用的な性能確保
のため必須)
• 自社工場でアルミ板のスタンピング、溶接、塗装まで行ってい
る
• 月間2500台以上の生産能力をもつ
• 高性能版は85kWh の電池を搭載(リーフは24kWh)
• 電池はパナソニック製の18650
• パナソニックの住之江工場はテスラー社向け電池の製造でフ
ル稼働
116
TESLAの特許
• TESLAの電池の使い方の特徴は小さなセルをたくさん並列、
直列に接続して大きな電池パックを構成していること
• 電池接続工数がかかる
• 電池並列接続の問題は、電池が内部短絡を起こした時に
並列接続された他のセルに蓄えられたエネルギーが内部短絡
を起こしたセルに集中して流れ込み異常発熱、発火につなが
る可能性がある
• TESLAはセルをバスバーに接続する方法をワイヤボンディング
で行うこととし、ボンディングワイヤにフューズ機能を持たせるこ
とにより内部短絡の問題を解決した
• これが特許申請されている
• 2014年6月にすべての特許開放の発表。
117
TESLAの特許
118
TESLAの販売戦略
• アメリカでは従来のディーラーを使わない直接販売を行おうと
しているが、州によって既存自動車ディーラーの反対にあい訴
訟問題に発展している
• 世界共通価格を目指している
• 2014年2月12日に日本での販売価格が発表されたが、今
年になり為替の変動による価格の改定がおこなわれた。
• 60 kWhバッテリー標準モデルは (8,230,000円)
8,710,000円
• 85 kWhバッテリー標準モデルは(9,330,000円)
10,000,000円
• 85kWh P85Dパフォーマンスモデルは
(10,818,000円)12,895,000円
• 表示価格には、8%の消費税を含む。
119
TESLAの充電ネットワーク戦略
• 出力120kW の充電器を備えたSupercharger ネットワ
ークを北アメリカおよびヨーロッパに設営中。2014年10月時
点では北アメリカに119か所、ヨーロッパに76か所、アジアに
26か所。
• 2014年中に北米人口の80%をカバー
• 2015年中に北米人口の98%をカバー
• 大パワーにより20分間で170マイル(272km)走行分の電
力を充電できる。
• 現在のところTESLAオーナーは無料で利用できる。(単純
計算でいうと20分で40kWh、日本の電力価格では25円
/kWhとして1000円分に相当。
120
ヨーロッパ
121
Europe:
• BMW:
– i3、i8
• Mercedes Benz:
– Smart
– SLS
• Audi
• VW
122
BMW i3
123
BMW i3
124
BMW i3の構造
125
BMW i3
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
モーター出力 125kW
電池容量 18.8kWh
航続距離 130㎞~160km
重量 1260㎏
最高速度は150km
0~100km/h加速が7.2秒。
充電方式
– 交流普通充電がSAE J1772方式
– 直流の急速充電方式では日本市場向けにCHA de Mo
全長 3,999 mm
全幅 1,775 mm
全高 1,578 mm
ホイールベース 2,570 mm
126
BMW i3について
•
•
•
•
•
2013年11月ヨーロッパで35,500ユーロで発売された
年間25,000台販売予定
1日100台、1時間約10台、
車体はVaRTM製法のカーボンファイバーコンポジット
軽量化をアルミから一歩進めてカーボンファイバーコンポジット
採用に
• 1型で製造しているとすると計算上サイクル時間6分となる
• 従来航空機やレーシングカーなど、極少量生産にしか使われ
ていなかったカーボンファイバーコンポジットを年産2万5000台
の車両に採用したことは画期的
127
充電インフラの標準化
• 基本は車載充電器による充電
– コンセントの能力により充電速度が限定される
• 急速充電技術
– チャデモ:日本発
– コンボ:欧米発
– スーパーチャージャー:TESLA独自のシステム
128
発電技術の改善
• 電気自動車のエネルギー効率を計算するときに前提とする発
電効率の向上も著しい
• ガスコンバインドサイクル発電のエネルギー効率は60%程度
• 従来の火力発電のエネルギー効率は40%前後
129
燃料電池
130
過去の燃料電池車ブーム
• 1990年にカリフォルニア州で制定されたZEV規制は1998年
にカリフォルニア州で販売される自動車の2%を排気ガスゼロ
の車両すなわち電気自動車に置き換えるというものであったが
、その実現が困難であることが明らかになった1996年頃には
1998年の目標を取消し2003年に10%の車両を置き換え
るという目標が残った。このころから電池に頼ることの限界が顕
在化し、自動車会社等で、電池の性能に頼らない解決策の
一つとして燃料電池車輌が注目され始めた。
131
燃料電池について
• 燃料電池自動車は電気自動車に燃料電池による発電装
置を搭載したもの。
• 十数年ほど前に燃料電池ブームがあった。
• この時の課題は燃料電池のサイズ、価格、耐久性、水素燃
料供給の問題。
• 日本では家庭用コジェネ装置として燃料電池がある程度普
及している(年間3万台程度、累計10万台程度)。
– かつて数千時間だった寿命が4万時間に伸びた(エネファーム用の場
合)
• 水素充填ステーションの普及が課題。
132
1994年に発表された燃料電池自動車
ダイムラーNecar 1
–
–
–
–
最高速度 90 km/h
航続距離 130 km
重量: 3.500 kg
乗員: 2名
133
Necar 2 1996年
•
•
•
•
•
2 x 140 Liter 圧縮水素タンク(250 bar)
最高速度 110 km/h
航続距離 250 km
重量: 2.600 kg
乗員: 6
134
Necar 3 1997年
–
–
–
–
–
メタノールを改質して使用
最高速度 120 km/h
航続距離 400 km
重量 1.750 kg
乗員: 2
135
B-class F-cell
2005年
出力 100kW
航続距離 400㎞以上
136
トヨタ
137
会社名
車名
発表年月
全長×全幅×全高
空車重量
乗車定員
最高速度
航続距離
電動機
駆動方式
燃料電池
燃料
バッテリー
トヨタ自動車株式会社
トヨタFCHV-adv
2008年6月
4,735×1,815×1,685mm
1,880kg
5名
155km/h
830km(10・15モード)/760km(JC08モード)
種類
交流同期電動機
90kW (122PS)
最大出力
260N-m (26.5kg-m)
最大トルク
前輪駆動
名称
形式
最大出力
種類
貯蔵方式
ニッケル水素電池
トヨタFCスタック
固体高分子型
90kW
圧縮水素ガス
高圧水素タンク(70MPa)
138
ホンダ クラリティ
139
会社名
車名
発表年月
全長×全幅×全高
空車重量
乗車定員
最高速度
航続距離
本田技研工業株式会社
FCX クラリティ
2007年11月
4,845×1,845×1,470mm
1,630kg
4名
160km/h
620km(10-15モード)
種類
電動機
駆動方式
最大出力
最大トルク
前輪駆動
名称
燃料電池
燃料
蓄電装置
交流同期電動機
(永久磁石型)
100kW(136PS)
256N-m(26.1kg-m)
形式
最大出力
種類
貯蔵方式
容量
Li イオンバッテリー
V Flow FC
スタック
固体高分子型
100kW
圧縮水素ガス
高圧水素タンク
171L
140
• 2015年1月 トヨタ、燃料電池に関する特許開放
を発表
• ヤマハは過去に電動アシスト自転車技術の特許を
開放し、それがパワーアシスト方式電動自転車の普
及のきっかけになった。
141
来る者拒まず、得意技で勝負する -電動アシスト自転車「高価格でも売
れる理由」【2】
PRESIDENT 2013年12月30日号
• 初代電動アシスト自転車の発売から20年。ゼロだった市場をどのよう
に広げていったのか。マーケティング理論に基づき、4つの視点から見て
いこう。
• 2.来る者拒まず、得意技で勝負する
• 市場が伸びた理由の一つに、「特許を開放する戦略」があった。
• 「やはり1社だけではマーケットがなかなか広がらないということで、パテント
は非閉鎖的な扱いとしました」(ヤマハ発動機SPV事業部マーケティング
部PAS営業企画グループ・石井謙司氏)
• この戦略が奏功し、多いときはホンダやスズキといった自動車・二輪車メー
カー、家電メーカーからベンチャーにいたるまで、20社ほど参入していたらし
い。しかしいずれも長続きせず、現在残る企業は数社となっている。
• 革新的な技術を開発したとき、他社の追随を恐れず特許を開放するの
は勇気がいる。特許を開放しなかったがゆえに、発売から20年近く市場が
広がらなかった温水洗浄便座(登録商標名ではウォシュレットなど)を見
ても、その判断の難しさがわかる。
142
電気自動車のポテンシャル
• 動力装置のウエイトパワーレシオ
143
電気自動車用駆動装置のポテンシャル
• 最近の高性能モーターの性能数値例
–
–
–
–
出力
最高回転数
重量
5.89ps/kg
165kW = 224ps
7500rpm
24kg+14kg=38kg
• F-1エンジン(1976年ごろ)Ford DFV
– 出力 480bhp
– 重量 161kg
– 2.98bhp/kg
• 2014年のF-1エンジン
– 重量 145㎏
– 出力
• 内燃機関 600ps
• モーター 160ps
• 合計 760ps
– 5.24ps/kg
– 燃料総量100㎏
Confidential
144
電気自動車用駆動装置のポテンシャル-2
• 電池のパワー密度、エネルギー密度について
• 電気エネルギー量とガソリンのエネルギー量の比較
• 1kWh=3.6MJ
• ガソリンの熱量 47.6MJ/kg
• Formula Eの場合
– 電池のエネルギー量 28kWh=100MJ
– ガソリン2.1kg、2.73liter分のエネルギー量でしかない
– 最高出力は高出力電池で通常10C~15C 容量28kWhであれば
280kW~420kWとなる。
– パック重量 320㎏ この重量で比べるとエネルギー密度はガソリンの
約150分の1
– セル重量 200㎏
• F-1のエネルギー量
– ガソリン100kg(約130liter)のエネルギー量は4760MJ
– したがってF1が搭載するエネルギー量はFormula-Eの47.6倍
• 電気モーターの効率の良さで多少救われている
145
電気自動車の経済性
• 日産リーフの場合
• 電池のエネルギー量:24kWh
• 電費:6km/kWh(日産自動車リーフサイトによる)
24kWhでの走行距離は144㎞
– これはJC08モードの68%
– リーフの航続距離 228㎞(JC08モード)
• 1kWh:約30円とすると5円/kmとなる。
• ガソリン車の燃費 日産ラティオ 22.8km/l(JC08モード)
• 実燃費との差を仮にリーフ並みとすると15.5km/l
• レギュラーガソリンの価格を仮に130円/lと仮定すると
8.4円/kmとなる。
146
電池交換費用とランニングコスト
• ガソリンと電気の差額は3.4円/km
• リーフの電池保証は8年10万マイル
• 2014年6月にアメリカで交換電池価格5500ドル、使用済
み電池処理費用として別途1000ドル必要、合計6500ドル
と発表された。
• 10万マイルすなわち16万キロ走行によりガソリン代との差額
は54万4000円。
• ガソリンエンジンの場合1万キロ程度ごとにオイル交換が必要
で費用は6000円程度かかるので16万キロの間に9万円程
度必要であるので電池交換費用を考慮に入れたランニングコ
ストはほぼ同等。
• 問題はイニシャルコストの差。
147
燃料電池自動車の経済性
•
•
•
•
トヨタ・ミライの例
トヨタ発表の航続距離は650km
岩谷産業は水素価格を走行1km当たり10円程度にすると発表
水素タンク容量
– 前60l、後62.4l 合計122.4l
– 圧力70Mpa
– タンク内温度27度と仮定すると
– タンク内水素のエネルギー量:273kWh
– 燃料電池のエネルギー変換効率40%と仮定するとモーターが使える
エネルギー量は109kWh
– リーフと同じく6kW/kWh と仮定すると航続距離は655㎞となる。
– 岩谷産業のいう10円/kmで計算すると約6550円
– 水素の価格を1000円/kgとすると約7000円
148
• 水素の価格
– JX日鉱日石エネルギー
– 岩谷産業
– 東京ガス株式会社
1,000円/kg(消費税抜き)
1,100円/kg(税別)
1,100円/kg(消費税抜)
• 水素の製造にはエネルギーが必要で、つまりコストがかかる。
• 燃料電池自動車の70MPaのタンクに充填するためには圧縮
する必要があり、更にエネルギーを消費する。
• 今年秋に発売予定の新型プリウスの燃費は40km/lと言わ
れている。
• 仮に実燃費を27.2km/lと仮定してもガソリン価格を130円
/lとすると4.78円/kmとなる。
149
電気自動車は本当に普及するのか?
• 過去の電気自動車ブームとの違い
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気候変動が現実となっている
現在は落ち着いているが石油価格の高騰も現実に起きた
大手自動車メーカーが大量生産販売を始めた
そのために電池を含む要素部品の価格が下がった
日本政府は充電インフラ整備に1000億円以上投資する
中国では電気自転車産業が発達
• 1億人以上の人が性能の限られた乗り物を工夫して使
っている
• いつ?
– 2016年?2020年?
150
シェールオイル、シェールガス
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•
•
化石燃料枯渇を遅らせる効果はある
二酸化炭素排出量の削減には効果ない
今後採掘コストが上昇するという見方もある
電気自動車は再生可能エネルギーによる発電との組み合わ
せにより温暖化ガス排出を削減できる
151
プリウス国内販売実績
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次世代車両
• 内燃機関自動車
– ガソリン
– ディーゼル
– 天然ガス
– 水素
• ハイブリッド車
• プラグインハイブリッド車
• 電気自動車
• 燃料電池自動車
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当面の勝者は?
• 化石燃料はあと何年使えるか?
• 内燃機関の効率向上、ハイブリッド車、電気自動車等の普及
による化石燃料消費削減と、進展国などでの生活水準向上、
自動車普及による化石燃料消費増加の競争。
• シェールオイルにより延命されたとしても、いつかは枯渇する。
• 当面はハイブリッドが現実的な答えか?
• ハイブリッド自動車で時間を稼ぎつつ、次には電気自動車が普
及する?
• 電池の性能、価格、寿命の進化による電気自動車の本格普
及が加速?
• 並行して徐々に燃料電池自動車が普及?
• 水素燃料の低価格化と水素充填ステーションの普及が課題。
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一体何が本命か?
• 解決策はいろいろと合ったほうが良い。
• 電気自動車の技術進歩はガソリン自動車の効率改
善に寄与した。
• ガソリンエンジンの効率向上はハイブリッド車の効率
向上に寄与する。
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ご清聴ありがとうございました
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