® プロトコル概要 2011 年 11 月 3D-Gene® について 高性能DNAチップ基板 3D-Gene® は、東レ株式会社が独自に開発しました。特徴ある形状の基板とマ イクロビーズを用いた反応時の攪拌方法およびナノレベルの分子制御による遺伝子の固定技術などの独自技 術を開発し、超高感度、高再現性・定量性を実現しています。 本紙では、3D-Gene®のご利用をご検討のお客様にプロトコル概略と必要な機器・試薬一覧をご紹介しま す。3D-Gene®ではmRNA発現解析用プロトコルとmiRNA発現解析用プロトコルの 2 通りがあります。それぞ れ別々に記載しておりますので必要な部分のみご確認ください。 その他、ご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせください。 東レ株式会社 DNAチップグループ 目次 1. 遺伝子発現解析の実験フロー 参考資料:1 色法と 2 色法について 2. 必要試薬・機器一覧(遺伝子発現解析用) 3. miRNA発現解析の実験フロー 4. 必要試薬・機器一覧(miRNA発現解析用) 5. 3D-Gene®ご利用の際の制限事項 2 1. mRNA発現解析実験の流れ mRNA発現解析の実験は、実験開始からデータの取得までおよそ 3 日かかります。1 日目、2 日目のaRNAの調整、 Cy DyeカップリングはAmino Allyl MessageAmpTM II aRNA Amplification kitのプロトコルに従っています。ABI 社のホームページからダウンロードし、ご確認ください (http://www.ambion.com/jp/catalog/CatNum.php?1753) 下図は 2 色法プロトコルのフローです。1 色法プロトコルとの違いは、使用する蛍光色素がCy5 のみである点の みで、フローには違いはありません。 [実験の概略図 2 色法] 3 参考資料:1 色法と 2 色法について 1 色法と 2 色法の名称は標識に用いる蛍光色素の種類に由来しており、1 色法は単一の蛍光色素を、2 色法は2 種類の蛍光色素を使用することを示します。1 色法は 1 種類のターゲットサンプルを 1 枚のDNAチップにハイブリ ダイゼーションさせます。2 色法は 2 種類のターゲットサンプルを 1 枚のDNAチップ上で競合的にハイブリダイゼ ーションさせます。 初期のDNAチップでは 2 色法が採用されていました。ここでは 2 色法から先にご紹介します。説明を簡単にする ため、薬物の培養細胞への影響を無処理群 (A群) と処理群 (B群) 間で比較する 2 群実験を例にします。ここで は、A群由来のターゲットサンプルをサンプルa、B群由来のターゲットサンプルをサンプルbとします。 2 色法ではターゲットサンプルaとターゲットサンプルbがそれぞれ別々の蛍光色素で標識されます。一般的には Cy3(Cyanine 3)とCy5(Cyanine 5)が用いられています。ハイブリダイゼーション反応の前にサンプルaとサン プルbを混ぜ、1 枚のDNAチップでハイブリダイゼーション反応を行います。そのため、使用するDNAチップ枚数は 標識ターゲット数の半分となります (図) 。 2 色法は 1 枚のDNAチップ上で 2 種類のターゲット核酸を競合させてハイブリさせるため、得られたサンプル間 の蛍光強度比はサンプル間の分子数の比を反映していると考えることができます。2 色法の長所は、同一のDNAチ ップ内でサンプル間の比較を行えるため、DNAチップの品質による影響を受けにくいという長所があります。 1 色法ではターゲットサンプルaとターゲットサンプルbがどちらも一種類の色素で標識され、それぞれ別々の DNAチップにハイブリダイズを行います。1 色法の長所は、実験計画が立てやすいことがあげられます。解析する サンプル数が急に増えたとしても、1 色法であれば困ることは少ないはずです。2 色法では比較用基準ターゲッ トサンプル (Reference) を用意する必要があります。1 色法は解析する検体数がどの程度増加するかわからない 場合に選択すると良いのかもしれません。ただし、短所もあります。複数のDNAチップ間のデータを取り扱うた め、DNAチップそのもののばらつきの影響を受けてしまいます。2 色法では、同一のDNAチップ内での比較である ためこのような問題は軽微と考えられます 図 4 2. 必要試薬・機器一覧(mRNA発現解析用) ・試薬・消耗品 あらかじめ、下記試薬・消耗品をご用意ください。 ハイブリダイゼーションバッファ、フラグメンテーションバッファは製品に添付されています。 メーカー Ambion Bio Rad 日本ミリポア 日本ミリポア GEヘルスケアバイオサイエンス GEヘルスケアバイオサイエンス Agilent シグマ シグマ invitrogen invitrogen 品名 Amino Allyl MessageAmpII aRNA Amplification kit Micro Bio-Spin カラム 30 Tris AMICON ULTRA 0.5ML 30K 24PK AMICON ULTRA 0.5ML 10K 24PK Cy5 Mono-reactive Dye Pack Cy3 Mono-reactive Dye Pack RNA 6000 Nano kit エタノール(500ml) RNaseFreeであること 20XSSC Buffer RNaseFreeであること 10%SDS RNaseFreeであること 滅菌水 RNaseFreeであること 型番 AM1753 732-6223 UFC503024 UFC501024 PA25001 PA23001 5067-1511 09-0770-5-500ML S6639 24730-020 10977-015 機器名 保冷バケット(氷で代用できます) アルコール温度計 ピペットマン(P-1000、P-200、P-20、P-10) サーマルサイクラー ボルテックス uzusio プチVac 小型微量遠心機(13000gまで遠心可能なもの/g表記のあるもの) プチはち(PCRチューブ用卓上遠心機) 1.5mLチューブ用卓上遠心機 3D-Gene® Hybridization Chamber 振とう機 * 振とう台(粘着シート付) インキュベーター * シリコンフィルム サーマルロボ(water bath) Staining Dish Staining Rack スピンドライヤーmini ファインセラミックピンセット フラットピンセット アスピレーター 3D-Gene® Scanner * 型番 EIB ・必要な機器・器具 メーカー タイテック アズワン ギルソン ABI LMS 和研薬 日立 和研薬 TOMY 東レ EYELA EYELA EYELA アズワン アズワン アズワン Thermo Electron corporation 和研薬 アズワン アズワン ULVAC 東レ Geneamp PCR system2720 VTX-3000L PV-1200 CT15RE 2816 PMC-06 TRT-XN005 MMS-210 MMS FIT-S FMS-100 6-9085-01 TR-2A 1-4529-02 Staining Rack 113 WAKEN MODEL2350 7-166-06 7-160-10 MDF-015 TRT-XS010 * ハイブリチャンバー、インキュベータ(シェイカーを含む)、スキャナをすでにお持ちのお客様へ リストに記載のない場合でも、お手持ちの機器がご使用可能か当社にてお調べいたします。 お気軽にお問い合わせください。 3. miRNA解析実験の流れ miRNA発現解析の実験は、およそ2日かかります。Hy5 での標識反応はExiqon社のmiRCURY LNA microRNA Hy5 Power labeling kit を推奨しています。 6 4. 必要試薬・機器一覧(miRNA発現解析用) ・試薬・消耗品 あらかじめ、下記試薬・消耗品をご用意ください。 メーカー 品名 キアゲン miRNeasy Mini Kit Exiqon miRCURY LNA microRNA Hy5 Power labeling kit 東レ miRNA spike control for enzymatic labeling ハイブリダイゼーションバッファは製品に添付されています。 Agilent RNA 6000 Nano kit シグマ エタノール(500ml) RNaseFreeであること シグマ 20XSSC Buffer RNaseFreeであること invitrogen 10%SDS RNaseFreeであること invitrogen 滅菌水 RNaseFreeであること 型番 217004 208030-A TRT-XR304 5067-1511 09-0770-5-500ML S6639 24730-020 10977-015 ・必要な機器・器具 メーカー 機器名 型番 保冷バケット(氷で代用できます) EIB タイテック アズワン アルコール温度計 ギルソン ピペットマン(P-1000、P-200、P-20、P-10) サーマルサイクラー Geneamp PCR system2720 ABI ボルテックス uzusio VTX-3000L LMS 和研薬 プチVac PV-1200 日立 小型微量遠心機(13000gまで遠心可能なもの/g表記のあるもの) CT15RE 和研薬 プチはち(PCRチューブ用卓上遠心機) 2816 TOMY 1.5mLチューブ用卓上遠心機 PMC-06 東レ 3D-Gene Hybridization Chamber TRT-XN005 EYELA 振とう機 * MMS-210 EYELA 振とう台(粘着シート付) MMS FIT-S EYELA インキュベーター * FMS-100 アズワン シリコンフィルム 6-9085-01 アズワン サーマルロボ(water bath) TR-2A アズワン Staining Dish 1-4529-02 Thermo Electron corporationStaining Rack Staining Rack 113 和研薬 スピンドライヤーmini WAKEN MODEL2350 アズワン ファインセラミックピンセット 7-166-06 アズワン フラットピンセット 7-160-10 ULVAC アスピレーター MDF-015 東レ 3D-Gene® Scanner * TRT-XS010 * ハイブリチャンバー、インキュベータ(シェイカーを含む)、スキャナをすでにお持ちのお客様へ リストに記載のない場合でも、お手持ちの機器がご使用可能か当社にてお調べいたします。 お気軽にお問い合わせください。 7 5. 3D-Gene® ご利用の際の制限事項 3D-Gene®製品の使用に当たっては、以下の制限事項があります。あらかじめご承知おきください。 ・ 発現遺伝子の同定および遺伝子発現量解析以外の目的に使用することはできません。 ・ 遺伝子多型解析に使用することはできません。 ・ 本製品購入者は、本製品の使用により得られたデータを第三者に販売することはできません。 ・ 本製品の提供は、本製品が販売された国内における使用を前提にするものであり、お客様が本製品の全部 若しくは一部を単独で、又は他の製品と組み合わせ、若しくは他の製品の一部として、直接又は間接に次 の各号に該当する取り扱いをする場合は、当社の文書による事前の同意を得るものとします。 (a)本製品が販売された国から輸出するとき (b)本製品が販売された国から、別の国または地域へ持ち出すとき ・ 日本国内におきましては、お客様が当社の同意を得て前項の各号に該当する取り扱いをする本製品のうち、 「外国為替及び外国貿易管理法」に定める「規制対象貨物等」に該当するものについては、お客様は、日本国 の輸出関連法規に従い必要な手続きをとるものとします。なお、日本国外においても米国輸出管理法など 外国の輸出関連法規の適用を受け、所定の手続きが必要となる場合も同様です。 著作権 お客様は本紙の記載内容に関して、一部又は全部を東レ株式会社に無断で複製、改変、転載することはできませ ん。 商標権 3D-Gene®および 3D-Geneロゴは日本およびその他の国おける東レ株式会社の商標または登録商標です。 お断り 本製品の内、本説明書等に記載の内容に関して、改良の為に将来予告なしに変更することがあります。 お問い合わせ先 3D-Gene®についてご質問のある方はホームページからお問い合わせください。 問い合わせ先 http://www.3d-gene.com 東レ株式会社 〒103-8666 東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号 8
© Copyright 2024 Paperzz