C T P IM A 最新の事業活動を紹介する情報誌 No. 25 October, 2001 複層ガラス用シーリング材の売り上げ増加 ガラス 横浜ゴム株式会社 今冬のスタッドレス商戦 前年度比 2 % 増を見込む 複層ガラスは 2 枚の板ガラスの中に乾 燥した空気を閉じ込め断熱性を高めた部 今冬のスタッドレスタイヤ 販売は商品 材で、シーリング材は空気が漏れないよ ラインナップの充実や新商品の投入、「ス うにガラスを封着するために使用されま リップ補償」などによる販売強化で、前年 す。 1999 年に住宅の省エネルギー基準 度比 2 % 増の 383 万本の 販売を 計画して が強化されたこともあり、近年複層ガラ います。 スの国内市場は毎年10 % 近く拡大してい ます。 同市場で横浜ゴムが占めるシェアは約 まず、主力の乗用車用スタッドレスタイ ヤ「ガーデックスK 2 」シリーズに新サイズ を追加し、全80サイズをラインナップ。 40% 。性能やサービス面で他社と差別化 またRV用、タクシー用、小型トラック を 図る一方、新商品を 投入して、 2001 用の新商品3 種を投入しました。RV用の 年度も販売増をめざします。その一環と 「ジオランダーI/T+」は、氷上で高いグリ 横浜ゴムの住宅向け複層ガラス用シー して今年6 月、加熱溶解して塗布する1 成 ップを 発揮する「 ガーデックスK 2 」の 気 リング材の販売が好調です。 2000 年度 分形ホットメルトタイプ のシ ーリング材 泡 入りコ ン パ ウ ンド を 改 良し て 採 用 。 は主力のポリサルファイド系2 成分形シー 「 HOTMELT M- 155 」を発売しました。 従来品(ジオランダーI/T)に比べ 氷上で リング材「 SM- 700 」の販売が伸び、前年 主剤と硬化剤を混合する2 成分形と違い、 の制動距離を約 20 % 向上させています。 シーリング材 複層ガラスの構造 度比27 % 増の売り上げを達成。耐候性や 1 成分形は混合作業が不要で、廃材、洗 タ ク シ ー 用 の「 ガ ー デック ス K 2 f o r 伸縮強度など総合的な性能が評価された 浄用溶剤などの産業廃棄物を減らせるこ TAXI」は経済性を重視し、氷上性能だけ ことに加え、現場で混合配分を指導する とが特徴です。さらに現在、より耐久性 でなく耐摩耗性も向上させました。小型 などきめ細かな技術サポートが販売増に や 接着性に優れるシリコーン系シーリン トラック用「 SY 910 」は空車時、荷物運 つながりました。 グ材の開発を進めています。 搬時のタイヤにかかる荷重の違いにかか わらず安定した氷上性能を発揮できるの 調達・生産段階での環境対策を強化 が特徴です。 さらに今年も、万が一のスリップ事故の 横浜ゴムは、調達や生産活動の環境保 全対策を強化するため、近年相次いで新 たな対策をスタートさせました。 原材料調達では、2000 年5 月から、環 品のグリーン調達比率を 54 % から 75 % まで引き上げる計画を策定しました。 一方、生産段階で の 環境保全として、 2001 年1 月からゼロ・エミッション活動を 境に有害な化学物質を原料などに採用し 開始。 2005 年までに国内全工場で廃棄 ないように、研究開発の段階から有害物 物の 埋め 立て 処分量を ゼロにする計画 質を排除する「 入口管理」を始めました。 で、発生量の削減や再使用、再利用に力 化学物質管理については、2001 年4 月か を入れています。 らPRTR法( Pollutant Release and また、2000 年8 月に環境報告書「 エコ Transfer Register)で、約350 の環境 レポート」を 発行し、ホームペ ージ上で 汚染物質ごとに環境へ の 排出・移動量を も公開しました。今年から環境会計も公 集計、報告することが義務付けられまし 表し、 2000 年度は環境保全対策にかけ たが、これをさらに一歩進め、積極的に た費用や投資額 19 億 1 , 700 万円に対し、 有害物質の使用量削減を図ります。また、 経済効果は5億2,200万円となりました。 2001 年4 月には、2005 年までに事務用 際に車両修理費を 1 0 万 円まで 補償する 「スリップ補償」を実施します。昨年から導 入したシステムで、他社にはないサービス がユーザーから高い評価を得ました。 織田裕二をイメージキャラクターに販売促進 環境がテーマのハマタイト 高寿命化、リサイクル、有害物質低減商品を相次ぎ投入 ハマタイトは建築用シーリング材、工業用・自動車用接着剤のブランドです。 景気後退が進むなか、2000年度はコスト削減に取り組む一方、積極的に新商品を投入し、 販売拡大につなげました。今年度も前年度比3%増の売り上げ目標を設定。 環境をキーワードに高寿命化、リサイクル、有害物質の低減に焦点をあてた商品開発を推進しています。 住宅向けシックハウス対策商品 住宅向けのシーリング材・接着剤でも、 環境に 配慮した 新商品を 投入しました 。 今年 10 月にはシックハウス対策にVOC 床材用弾性接着剤「ECU-193」。廃棄物を減らせる フィルムパック容器もラインナップ (Volatile of Organic Compound=揮 ビル外壁の美観維持に有効な「マイレックス-Z」 発性有機化合物)を大幅に低減した住宅向 け床材用弾性接着剤「 ECU-193 」を発売。 ビルの高寿命化を図る 約 40 % の国内トップシェアを握る建築 用シーリング材では、1999 年に耐候性に 自動車部品のリサイクルに対応 自動車用接着剤では、ヘッドランプな 新築直後の家で目や喉が痛くなるなどの ど自動車の電装品に需要が見込まれる易 症状が出るシックハウス症候群は、住宅 解体性ホットメルトを開発しました。解体 建材に 使わ れ るV O C が 主な 原因で す 。 時に特殊な 溶剤を 使ったり、部品を 傷つ 優れ、汚れにくい 2 成分形ポリイソブチレ 「 ECU- 193 」は、VOCを大量に含む有機 ン系の「 マイレックス-Z」を発売。ビルの 溶剤や可塑剤を使っていません。また住 高寿命化のニーズに対応しました。幅広 宅の高寿命化を狙った商品として、従来 い種類の部材と接着できる汎用性の高い 品よりも耐候性、耐久性に優れた外壁用 商品で、新築だけでなく既存建築物の改 シーリング材も開発しました 。すでに大 修用途にも使用できるのが特徴。将来の 手住宅メーカーから受注済みです。 この 主軸商品として現在、実績作りに力を 入 ほか、6 月には複層ガラス用シーリング材 れており、 2002 年度には 20 億円の売り として作業効率に優れた 1 成分形ホットメ 上げを見込んでいます。また、今年10 月 ルトタイプの「 HOTMELT M- 155 」を発 から容器をブリキからリサイクルしやすい 売しました。 けることなく簡単にはがせるため、自動 車部品のリサイクルに有効です。 プラスチックに切り替えた商品も上市しま した。使用済み容器の回収、再利用も開 始する計画です。 横浜ランドマークタワー( 左)、クィーンズスクエア横浜( 中央)、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル(右)。 横浜を代表するこれらのビルには横浜ゴムの建築用シーリング材が使われている I MPACT No. 25 October, 2001 中近東向けのタイヤ販売が好調 CS重視のタイヤショップ展開と新商品の投入が寄与 2000年( 1–12月)の全日本の中近東向けタイヤ輸出実績(大蔵省通関統計)がドルベ ースで 前年比約2 % 増だったのに対し、横浜ゴムの同地域向けタイヤ輸出金額は約12 % の伸びでした。 サービスを重視したタイヤショップの展開、新コンセプトを打ち出した商品の投入が寄与しました。 2001年度( 4–3月)も積極的に販売拡大を図り、前年度比10 % 増の販売をめざします。 中近東でのシェアは 10 % 以上 横浜ゴムが中近東向けのタイヤ輸出を 開始したのは1960 年代前半。現在、サウ ジアラビア、アラブ首長国連邦、クェート、 オマーンなど 11 カ国に 1 社ずつ代理店を サウジアラビアのジェッダにあるTSC 置き、乗用車用タイヤ、トラック・バス用 タイヤを中心に販売しています。トヨタな ど日本車の人気が高い同地域では、これ どアフターケアを中心とするサービスを 乗用車用にコンフォートタイヤを投入 らの車両にヨコハマタイヤが多数OE装着 提供しています。同地域にはこれまでな トラック・バス用タイヤに続き、今年 5 されていることから、高品質タイヤとし かったタイプのタイヤショップで、従来の 月には乗用車用タイヤ の 新商品を 投入。 てのブランドイメージが広く浸透していま 小売店や パンク修理店のイメージを一新 静粛性、乗り心地を重視したコンフォート す。横浜ゴムの乗用車用タイヤの市場シ するクリーンな店作りがユーザー の人気 タイヤで、中小型車用「 A 300 」、高級車 ェアはサウジアラビア、オマ ーン、アラ を 集めました 。昨年度だけで 7 店舗を 開 用「 TW 1 」の 2 種を発売しました。耐久性 ブ首長国連邦などを中心に、同地域全体 設し、サウジアラビア、オマ ーンなど湾 最優先の傾向が強い中近東市場に、新た で 10%以上を確保しています。 岸諸国で現在全21 店舗を展開。積極的な なコンセプトの 商品を 投入し、新規需要 店舗拡大が昨年度の乗用車用タイヤの販 を開拓することが狙いです。また、2001 売を押し上げました。 年度は中近東で人気の高いGMの大型セ サービス重視のタイヤ小売店を展開 ダンにヨコハマタイヤがOE装着され、市 昨年度は販売拠点の 強化に力を 入れ、 新しい形態のタイヤ小売店「タイヤ・サー トラック・バス用タイヤに新商品 ビス・センター( TSC)」を急ピッチで展 鉄道網が未発達な中近東では、トラック 開しました。TSCは横浜ゴムの乗用車用 輸送が物流を支え、トラック・バス用タイ タイヤを販売するだけでなく、タイヤ の ヤ の 需要が旺盛です。横浜ゴムは 1999 交換、点検、OEタイヤのワランティーな 年末、トラック・バス用タイヤの新商品を 販用市場へ の 波及効果が期待できます。 現地での販売状況は 4–8 月時点で前年同 月比115%と順調に伸長しています。 投入。外気温が 40 〜 50 ℃にもなる苛酷 な気象条件を考慮して同地域専用に開発 し、長距離輸送用と短距離輸送用の 2 タ イプを用意しました。ニーズにきめ細か く対応した商品展開で、今後の販売拡大 につなげます。 静かで快適な走りをめざ した「A300」 従業員の技術レベルの向上にも力を入れる 欧州専用タイヤを 2種投入 横浜ゴムは、欧州で 2005年度までに乗用車用市販用タイヤで シェア 3 %を獲得することをめざしています。 目的達成のため現在、新商品の投入、イメージ向上、知名度アップなど 積極的なマーケティング活動を展開しています。 欧州専用に開発した冬用タイヤ「AVS WINTER」 Vレンジのウィンタータイヤを投入 今年10 月、ドイツ、スイス、オーストリ ア、イタリアを中心に、欧州専用ウィンター 初年度は15サイズでスタートし、2002 年 度は約50サイズに拡大して 50 万本の販売 がありませんでした。他社にないコンセ をめざします。 プトで新たなユーザー層を開拓し、年間 20万本の販売を実現する計画です。 タイヤ「AVS WINTER」を発売しました。 除 雪 体 制 が 整う 欧 州 で は 雪 上 に 加 え 、 新機軸のコンフォートタイヤも発売 欧州全土でテレビCM展開 雪解けのウェット、ドライ路面での走行性 来年春には乗り心地と静粛性に優れた 能が重視されます。「 AVS WINTER」は コンフォートタイヤ「 AVS dB( デシベ シリカ配合のコンパウンドで、雪上性能を ル)」を発売する計画です。快適性を重視 全土でテレビCMの放映を開始しました。 損なうことなく、こうした路面での操縦安 しながら、最高速度300 kmのYレンジを ドイツF 3 選手権にワンメイクタイヤを供 定性やブレーキング性能を大幅に向上さ カバーするサイズも用意しました。18イ 給し、フランクフルト・モーターショーに せました 。メルセデスベ ンツ、BMWな ンチなどの大内径サイズも取り揃え、小 出 展し た ほ か 、 独 ニュ ル ブ ル クリンク どの 中・大型セダンやスポーツカーが主 型車からハイパワー 車まで幅広い車種に サ ー キットでヨコハマタイヤ 装着車が最 なターゲットで、最高速度 240 kmのVレ 対応します。トータル 性能を 重視する欧 速記録を更新するなど、知名度向上のた ンジのサイズもラインナップしています。 州では、従来コンフォートを強調した商品 めの活動も活発に展開しています。 宣伝広告にも力を入れ、今年から欧州 横浜ゴムの動き 新商品 タイヤ ● 「 ガーデックスK2 F720」 「F721」に新サイズ ● 練習専用ゴルフクラブ「リズム・ドクター」 ( 9月) ● 女性用「ドリームドライバー」 ( 9月) ● スピードアイアンシリーズに女性用「 905 パワー 女性用「スピードヒット」 ( 9月) 追加( 7月) セット」 ( 9月) ● ラリー、ダートトライアル競技用タイヤ「アドバ ● ンA037」 ( 8月) ● ● RV用スタッドレスタイヤ「ジオランダー I/T+」 ● 「ライトセーター」2001 ● 飛距離とソフトな打感を ( 9月) ● 年秋冬モデル( 9月) 乗用車用アルミホイー ル「CS07」 ( 9月) 小型トラック用スタッド ● ル・マン 24時間レースでヨコハマタイヤ装着車 ● 関東地区のホース・配管販売業務を 1社に統合 が 2年連続クラス優勝( 6月) ( 写真上) 競技志向のゴルファーに ( 7月) 「スピードチタンTR」 ( 10月) ( 10月) (写真右) タクシー専用スタッドレ ● スタイヤ「ガーデック ゴルフ ウッドやアイアンと同じ 打ちやすさ重視のユーティリティーフェアウッド MB事業のホームページを開設( 7月) ● アジア・クロスカントリーラリー 2001に協賛 ( 8月) 「スロープ」 ( 10月) MB 「スピードヒット」に#3+、#7+、#9+を追加 ● スィングができるパター K2 for TAXI」 ( 10月) ● ● 「ドリームボール」 ( 10月) レスタイヤ「 SY910」 ● ビジネスニュース 両立したゴルフボール (写真右) ● キャディバッグ「スピードSPCB-01」 ( 9月) ● ● 2000年度の環境会計を発表( 8月) ● フランクフルト国際モーターショーに出展( 9月) ● PCB安定器を使った照明器具を 2003年3月ま ● ビル・マンション改修工事向けウレタン防水材の ● 横浜ゴムが協賛する日本EVクラブ主催「 2001 でに全廃することを決定( 9月) シックハウス対策にVOCを低減した床材用弾性 接着剤「ECU-193」 ( 10月) 生産能力を倍増( 10月) ( 8月) ● スピードアイアンシリーズに「 900TR」 「 901」 年充電の旅」が終了( 10月) を追加( 8月) I MPACT No. 25 October, 2001 発行:横浜ゴム株式会社 広報部広報グループ 本誌内容に関するお問い合わせ先: 〒105-8685 東京都港区新橋5丁目36番11号 TEL: (03) 5400-4531 FAX: (03) 3432-8430
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