社会福祉法人 監事監査マニュアル 平成 27 年3月 盛岡市保健福祉部地域福祉課 目 Ⅰ 次 社会福祉法人制度の概要 1 社会福祉法人とは ……………… (1)社会福祉法人 …………………… (2)社会福祉法人の所轄庁 ………… 1 1 1 2 ……………………… 2 3 社会福祉法人の役員等 …………… (1)社会福祉法人を構成する役員等 … (2)欠格事項 ………………………… (3)役員の選任要件 ………………… (4)理事と理事長 …………………… (5)理事会の開催 …………………… (6)理事会の役割 …………………… (7)評議員会 ………………………… 3 3 3 4 6 6 8 8 4 社会福祉法人の資産 ……………… (1)資産保有の基本的な考え方 …… (2)社会福祉法人の資産 …………… 10 10 10 Ⅱ 社会福祉事業 社会福祉法人の監事の業務について (4)人事労務管理 ………………… 23 (5)施設管理 ………………………… 23 (6)福祉サービスの質の向上のための取組 ………………………… 23 2 法人の財産の状況(会計監査) … 25 (1)会計帳簿 ………………………… 25 (2)会計担当職員 …………………… 25 (3)予算 …………………………… 25 (4)会計伝票の作成 ………………… 26 (5)収入 …………………………… 26 (6)支出 …………………………… 27 (7)残高の確認・月次報告 ……… 28 (8)契約状況 ………………………… 28 (9)入札時及び入札後に注意すべき事項 ………………………… 31 (10)資産の管理 …………………… 32 (11)決算書・決算附属明細書の作成状況 ………………………… 35 (12)決算書(計算書類)のチェック… 37 (13)決算監査時の確認処理(実査)… 40 (14)入所者預り金 ………………… 40 1 監事の職務と責任 ………………… (1)監事の職務 ……………………… (2)監事の責任 ……………………… 11 11 11 3 その他の状況 ……………………… (1)他の監査機関の活用 …………… (2)現況報告書 ……………………… 42 42 42 2 監事監査の内容 …………………… (1)監事監査の対象 ………………… (2)監事監査の種類と時期 ………… (3)監事監査規程の整備 ……………… 12 12 12 13 4 参考となる確認状況 ……………… (1)人事関係 ……………………… (2)施設・事業の運営管理 ………… (3)重要事項説明書の交付 ………… 43 43 43 44 3 監事監査の実施手順 ……………… (1)実施通知 ……………………… (2)事前準備 ……………………… (3)監査の実施 …………………… (4)監査結果の報告 ………………… (5)改善状況の確認 ………………… 14 14 14 15 15 16 Ⅲ 監事監査における着眼点 1 理事の業務の状況(業務監査)…… 17 (1)事業概要 ……………………… 17 (2)規程 ……………………………… 17 (3)役員,理事会,評議員会に関する事項 ………………………… 18 Ⅳ 参考資料 監事監査実施規程(例) ……………… 45 様式1 監事監査通知書 ………… 48 様式2 監事監査報告書 ………… 49 様式2別紙 監事監査チェックリスト … 51 様式3 監事監査における指摘事項の 是正・改善状況について … 63 様式3別紙 監事監査指摘事項に係る是正 ・改善状況 ……………… 64 様式4 出納調査実施通知書 …… 65 様式5 出納調査結果について … 66 凡例 関連通知 ………………………… 67 Ⅰ 社会福祉法人制度の概要 1 社会福祉法人とは (1) 社会福祉法人 社会福祉法人とは,社会福祉法第 22 条において, 「社会福祉施設の経営などの社 会福祉事業を行うことを目的として,社会福祉法の定めるところにより設立された 法人」と規定されています。福祉の主たる担い手であり,社会福祉法人以外の者は, その名称中に,「社会福祉法人」又はこれに紛らわしい文字を用いてはならないと されています。 社会福祉法人には,社会福祉事業の実施を通じて,地域の福祉サービスの供給確 保の中心的役割を果たし,他の事業主体では対応できない様々な福祉ニーズを充足 することによって地域社会に貢献していく役割があり,公益性の高い事業運営が求 められています。 社会福祉法人は,社会福祉法第 24 条により, 「社会福祉事業の主たる担い手とし てふさわしい事業を確実,効果的かつ適正に行うため,自主的にその経営基盤の強 化を図るとともに,その提供する福祉サービスの質の向上及びその事業経営の透明 性の確保を図らねばならない」と規定されており,自らの経営上の責務を果たして いくことが常に求められます。 (2) 社会福祉法人の所轄庁 社会福祉事業の主たる担い手である社会福祉法人は,税制上の優遇措置や,施設 整備に係る補助金の交付などの各種の助成が講じられており,また,施設の運営時 に,措置費・運営費,介護保険料や自立支援給付費の給付を受けています。 社会福祉法人はその設立,運営において,行政の様々な指導監督を受けることと されています。そのような指導監督を行う官庁を所轄庁といいます。 社会福祉法人の所轄庁は,社会福祉法第 30 条に基づき,事業を行う範囲によっ て次表のとおり区分されます。 なお,市域を越えて新たな事業を行う場合は,所轄庁が変更となる場合がありま すので留意してください。 <参考>社会福祉法人の所轄庁 所轄庁種類 適用される条件 市長 主たる事務所が市の区域内にある社会福祉法人であって,その行う事 業が当該市の区域を越えない場合 都道府県知事 行う事業が当該都道府県の区域を越えない場合 地方厚生局長又は厚生労 働大臣 行う事業が 2 以上の都道府県の区域にわたる場合 (行う事業が地方管内にとどまる場合は地方厚生局長) -1- 2 社会福祉事業 社会福祉法人がその設立の目的とする「社会福祉事業」とは,社会福祉法第2条 に規定する「第1種社会福祉事業」及び「第2種社会福祉事業」に属する各事業の ことをいいます。 社会福祉法人は,社会福祉事業のほかに,社会福祉法第 26 条において,「経営す る社会福祉事業に支障がない限り」,他に「公益事業」, 「収益事業」を行うことが認 められています。しかし,一般的に公益性が高いと認められる事業であっても,社 会福祉法第2条に規定する「社会福祉事業」として規定されていない事業であれば, その事業を「経営の主体」として法人が事業展開することは認められません。 例として, 「有料老人ホーム」は,老人福祉法に基づく施設であり,住民のニーズ も高い施設ですが,社会福祉法に規定されていないことから,その事業は「社会福 祉事業」ではなく「公益事業」として位置付けられます。社会福祉法人が有料老人 ホームを運営する場合は,その運営が経営の主体となるのではなく,あくまでも「特 別養護老人ホーム」や「認可保育所」等「社会福祉事業の施設」の運営を行うとと もに,その「社会福祉事業の規模を超えない範囲」で「公益事業」を行わなければ なりません。 <参考>社会福祉法人が行える事業 事業名 根拠 事業種類 社会福祉事業 法第 2 条 第1種社会福祉事業又は第2種社会福祉事業で あるもの(一部例外あり) 公益事業 法第 26 条 審査基準第 1-2(2)(5) 審査要領第 1-2(5) 公益を目的とする事業であって,社会福祉事業以 外の事業(ただし公益性があっても社会福祉と無関 係のものは認められない。) 収益事業 法第 26 条 審査基準第 1-3(1) 審査要領第 1-3 その経営する社会福祉事業に支障がない限りそ の収益を社会福祉事業や公益事業の経営に充てる ために行う事業 -2- 3 社会福祉法人の役員等 (1) 社会福祉法人を構成する役員等 社会福祉法人を運営する担い手は「役員」です。 「役員」とは, 「理事」及び「監 事」を言います。社会福祉法人には役員として,6人以上の理事と,2人以上の監 事を置く必要があります。 また,社会福祉法人は,他に「評議員」の設置を求められる場合があります。こ の場合は,評議員会を,理事の定数の2倍を超える人数の評議員を持って組織しま す。 <参考>役員等の定義 職名 根拠 役員 理事 役員 監事 評議員 事業種類 法人内部の事務を処理すると同時に,外部に向かって法人を代表する役員の こと。うち1人は互選により法人の代表者(理事長)となる 法人の内部監査を行う役員のこと。 社会福祉法人が有する公共性を鑑み,広く関係者の意見を聞くことによって 社会福祉事業の経営に適正を欠く一部の経営者によって営利を追求したりし ないように設置される評議員会を構成し,評議員会で意見を述べる者 (2) 欠格事項 社会福祉法人の役員に就任するためには,候補者が「欠格事項」に該当してい ないことが必要です。役員の欠格事項は次のとおりです。 役員の欠格事項(社会福祉法第 36 条第4項) ① ② ③ ④ 成年被後見人又は被保佐人 生活保護法,児童福祉法,老人福祉法,身体障害者福祉法又はこの法律の規定に違反して 刑に処せられ,その執行を終わり,又は執行を受けることがなくなるまでの者 前号に該当する者を除くほか,禁錮以上の刑に処せられ,その執行を終わり,又は執行を 受けることがなくなるまでの者 第 56 条第4項の規定による所轄庁の解散命令により解散を命ぜられた社会福祉法人の解 散当時の役員 また,欠格事項ではありませんが,選任にあたって留意すべき点は次のとおり です。 役員選任に当たって留意すべき点 ① 関係行政庁の職員が法人の役員となっていることは適当で ないこと。(社会福祉協議会を除く) 審査基準第 3-2(2) ② 実際に法人運営に参画できない者が名目的に選任されてい ることは適当でないこと。 審査基準第 3-1(2) ③ 地方公共団体の長等特定の公職にある者が,慣例的に理事 長や理事に就任したりしないこと。 審査基準第 3-1(2) ④ 社会福祉協議会にあっては,役員総数の 1/5 の範囲内で, 関係行政庁の職員がその役員となっても差し支えない 社会福祉法第 109 条第 5 項 -3- (3) 役員の選任要件 社会福祉法人の役員の選任要件は次のとおりです。監事は,理事と比べて選任 要件が厳格になっています。 役員の選任要件 理事 ① 監事 定数は 6 人以上とする ① ② 各理事と「親族の特殊関係にある者(注1)」 が,法令・通知等に定める制限数を超えて選任 されてはならないこと。 理事定数 6人 ~ 9人 10人 ~12人 13人 以上 定数は 2 人以上とする ② 他の役員と「親族の特殊関係にある者」で ないこと。 特殊関係人の人数 1人まで 2人まで 3人まで ③ 当該法人に係る社会福祉施設の整備又は運 営と密接に関連する業務を行う者であっては ならないこと。 ※ 法人の経理事務を請け負っている会 計士・税理士及びその補助者は,監事 に就任不可 ③ 当該法人に係る社会福祉施設の整備又は運営 と密接に関連する業務を行う者が理事総数の 1/3 を超えていないこと。 ④ 監事のうち 1 人は,社会福祉法第 44 条に 規定する「財務諸表等を監査し得る者(注4)」 また,(別の)1 人は,「社会福祉事業に ついて学識経験を有する者」又は「地域の福 祉関係者」が加わっていること。 ④ 「社会福祉事業について学識経験を有する者 (注2)」又は「地域の福祉関係者(注3)」 を加えること。 ⑤ 監事における「地域の福祉関係者」には, 「自治会,町内会,婦人会及び商店会等の役 員その他その者の参画により施設運営や在宅 福祉事業の円滑な遂行が期待できる者」は含 まれない。 ⑤ 社会福祉施設を経営する法人は,施設経営の 実態を法人運営に反映させるため,1 人以上の 施設長が理事として参加する。 ただし,評議員会を設置していない法人にあ っては,施設長等施設の職員である理事が理事 総数の 1/3 を超えてはならないこと。 ⑥ 社会福祉協議会に在っては,その区域内にお いて社会福祉事業を経営する団体の役職員及び ボランティア活動を行う団体の代表者を理事と して加えること。 ⑥ 監事は,理事,評議員,職員又はこれに類 する他の職務を兼任していないこと。(苦情 解決第三者委員は可) -4- <参考>選任要件の定義 要件 定義 (注1) 親族の特殊関係に ① 6親等内の血族,配偶者,3親等内の姻族 ② 当該役員とまだ婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻と同様の事情に ある者 ある者 ③ 当該役員の使用人及び当該役員から受ける金銭その他財産によって生計 を維持している者 ④ ②又は③の親族で,これらの者と生計を同一にしている者 ⑤ 当該役員が役員となっている会社の役員,使用人及び当該会社の経営に 従事する他の者並びに当該会社の同族会社の使用人であって,役員と同 等の権限を有する者 ⑥ ①から④の者と同族会社の関係にある法人の役員及び使用人 <特殊な関係があるものの範囲(図式)> 本人 会社 使用人 役員 (生計同一) 配偶者 (内縁含む) 使用人等 (生計同一) 親族 親族 <その他特殊関係の例> (例1) X株式会社 役 員(代表取締役)A 使用人( 課 長 )B 特殊関係 に該当 社会福祉法人Y 役 員(理 事)A 使用人(理 事)B ABはX株式会社において雇用関係にあたり,その者が社会福祉法人Yの役員に就任する 場合,特殊関係になる。 (例2) 社会福祉法人X 役 員(理事長)A 役 員(理 事)B 使用人(理 事)C 特殊関係 に該当 社会福祉法人Y 員(理 事)A 員(理 事)B 員(理 事)C 役 役 役 雇用関係にあたらない役員同士(AとB)または役員と使用人の関係(BとC)について もそれぞれ雇用関係となり,株式会社に限らず,公益法人,医療法人,宗教法人等の役員や 使用人についても特殊関係になる。 <特殊関係でない例> 社会福祉法人Y 役 員(理事長)A 使用人(理 事)B 該当せず 社会福祉法人Y 役 員(理事長)A 役 員(理 事)B 同一法人における雇用関係の者が当該法人の役員に就任することに限っては特殊な関係 にならない。 -5- (注2) 社会福祉事業について 学識経験を有する者 (注3) 地域の福祉関係者 (ただし,監事は⑤を 除く) (注4) 財務諸表等を監査 し得る者 ① ② ③ ④ 社会福祉に関する教育を行う者 社会福祉に関する研究を行う者 社会福祉事業又は社会福祉関係の行政に従事した経験を有する者 公認会計士,税理士,弁護士等社会福祉事業の経営を行う上で,必 要かつ有益な専門知識を有する者 ① ② ③ 社会福祉協議会等社会福祉事業を行う団体の役職員 民生委員・児童委員 社会福祉に関するボランティア団体,親の会等の民間福祉団体の代 表者等 医師,保健師,看護師等保健医療関係者 自治会,町内会,婦人会及び商店会等の役員その他その者の参画に より施設運営や在宅福祉事業の円滑な遂行が期待できる者 ④ ⑤ ① ② ③ ④ 弁護士 公認会計士 税理士 会社等の監査役及び経理責任者等 ① ② 自治会,町内会,婦人会及び商店会等の役員 民生委員・児童委員 (注5) 地域の代表 (評議員の要件) (4) 理事と理事長 理事とは「法人の業務を決定する者」であり,社会福祉法において,全ての理 事に対し代表権が付与されています。 しかし,実際には,理事それぞれが代表権を有していると,誰が真に法人を代 表しているのか不明確になることから,代表権を有する理事を1人選任し,法人 の日常的な運営を担わせる方が円滑な法人運営が可能となることから,各理事の 代表権は制限できることになっています。 このため,定款準則では「理事のうち1人は,理事の互選により理事長となる」 と定めており,これに従って, 「理事長」として法人代表者1人が選任されます。 なお,理事長互選後は,任期毎に,速やかに法人代表者として登記を行います。 また,理事長以外の理事にも代表権を付与することは認められていますが,こ の場合,定款にその旨記載すると同時に,役割分担を明確にしておく必要があり ます。例えば,常務理事を選任し,理事に代わり特定の施設における一定の代表 権を付与することが考えられます。 (5) 理事会の開催 理事会は,理事長が招集します。 理事会は,法人業務の決定機関であり,運営管理上の重要事項を審議し議決し ます。その要議決事項は次のとおりです。 -6- 理事会の要議決事項(指導監査要綱Ⅰ-5-(1)-4) ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ 予算,決算,基本財産の処分,事業計画及び事業報告 予算外の新たな義務の負担又は権利の放棄 定款の変更 合併 解散及び解散した場合の残余財産の帰属者の選定 社会福祉事業に係る許認可,寄附金の募集,その他所轄庁等の許認可を受ける事項 定款細則,経理規程等,社会福祉法人の運営に関する規則の制定及び変更 施設長の任免,その他重要な人事 金銭の借入,財産の取得,処分等に係る契約(軽微なものを除く。) 役員報酬に関する事項 その他,法人の業務に関する重要事項 なお,日常の業務として理事会が定めるものについては,理事長が専決し,こ れを理事会に報告すればよいとされています。この場合定款細則等法人の規程に おいて,事前に定めておく必要があります。 理事長専決事項の例示 「施設長の任免その他重要な人 事」を除く職員の任免 理事長が専決できる人事の範囲については,法人としての判断 により決定することが必要である。 理事会が(評議員会が必置の法人においては評議員会の意見を 聴いて)あらかじめ法人の定款細則等に規定しておくこと。 職員の日常の労務管理・福利厚生に関すること。 債権の免除・効力の変更のうち, 当該処分が法人に有利であると 当該処分について,理事長個人が特別の利害関係を有する場合 認められるもの,その他やむを得 は,理事会において選任する他の理事が専決すること。 ない特別の理由があると認めら れるもの。 設備資金の契約に係る契約であ って予算の範囲内のもの。 基本財産以外の固定資産の取得 及び改良等のための支出並びに これらの処分。 ただし,法人運営に重大な影響が あるものを除く。 損傷その他の理由により不要と なった物品又は修理を加えても 使用に耐えないと認められる物 品の売却又は廃棄。ただし,法人 運営に重大な影響がある固定資 産を除く。 当該契約について,理事長個人が特別の利害関係を有する場合 は,理事会において選任する他の理事が専決すること。 ① 理事長が専決できる取得等の範囲については,法人の判断に より決定することが必要であるので,理事会が(評議員会が必 置の法人においては評議員会の意見を聴いて)あらかじめ法人 の定款細則等に規定しておくこと。 ② 当該取得等について,理事長個人が特別の利害関係を有する 場合は,理事会において選任する他の理事が専決すること。 ① 理事長が専決で処分できる固定資産等の範囲については,法 人の判断により決定することが必要であるので,理事会が(評 議員会が必置の法人においては評議員会の意見を聴いて)あら かじめ法人の定款細則等に規定しておくこと。 ② 当該売却等について,理事長個人が特別の利害関係を有する 場合は,理事会において選任する他の理事が専決すること。 -7- ① 理事長が専決できる契約の金額及び範囲については,随意契 約によることができる場合の基準も参酌しながら,法人の判断 により決定することが必要であるので,理事会が(評議員会が 必置の法人においては評議員会の意見を聴いて)あらかじめ法 人の定款細則等に規定しておくこと。 建設工事請負や物品納入等の契 約のうち,次のような軽微なも の。 (ア) 日常的に消費する給食 材料,消耗品等の日々の 購入。 (イ) 施設設備の保守管理,物 品の修理等。 (ウ) 緊急を要する物品の購 入等。 <参考:随意契約によることができる場合の基準> 契約の種類 金 額 1 工事又は製造の請負 250 万円 2 食料品・物品等の買入れ 160 万円 3 前各号に掲げるもの以外 100 万円 ② 当該契約について,理事長個人が特別の利害関係を有する場 合は,理事会において選任する他の理事が専決すること。 予算上の予備費の支出。 入所者・利用者の日常の処遇に関すること。 入所者の預り金の日常の管理に関すること。 寄附金の受入れに関する決定。た だし,法人運営に重大な影響があ るものを除く。 寄附金の募集に関する事項は専決できないこと。 (6) 理事会の役割 理事会の果たすべき役割を整理すると次のとおりです。理事会は社会福祉法人 の最高意思決定機関として,社会福祉法人としての運営方針を決定し,方針に基 づいた事業・財務・人事管理がなされ,その結果を検証し,より良い運営に繋げ ていく役割があります。 役割 詳細 経営組織 ① ② ③ 法人本部の機能の充実と強化 法人本部の企画・立案機能の強化 財務諸表の公開等による経営の透明化の確保 事業管理 ① ② ③ ④ 法人におけるサービス提供に当たっての理念の明示 安定的な事業計画及び事業経営の拡大等の形成に関する目標の設定 中長期的な計画及び短期的な事業計画の作成 サービス管理体制(サービスの管理,質の評価,苦情対応,危機管理) 財務管理 人事管理 (7) 評議員会 ア 評議員会の設置 社会福祉法人は,原則として評議員会を設置する必要があります。 ただし,次の事業のみを行う社会福祉法人の場合,任意設置とすることが可 能です。 -8- 評議員会を任意設置とすることができる事業 ① ② ③ 都道府県又は市町村が福祉サービスを必要とするものについて措置を取る社会福祉事業 保育所を経営する事業 介護保険事業 イ 評議員の選任要件 評議員の選任要件は次のとおりです。 評議員には,地域代表や利用者の家族の参加が求められています。 評議員の選任要件 ① 定数は理事定数の2倍を超える数以上とする。 (例:理事定数が6人の場合・13 人 ② ,理事定数が9人の場合・19 人) 各評議員と「親族の特殊関係にある者(注1)」 が,法令・通知等に定める制限数を超えて選任 されてはならないこと。 ③ 評議員定数 特殊関係人の人数 13 人以上 3 人まで 当該法人に係る社会福祉施設の整備又は運営と密接に関連する業務を行う者が理事総数の 1/3 を超えていないこと。 ④ 社会福祉事業の経営は地域との連携が必要なことから,「地域の代表(注5)」を加えること。 また,利用者の立場に立った事業経営を図る観点から,利用者の家族の代表が加わることが望 ましい。 ⑤ 社会福祉協議会に在っては,その区域内において社会福祉事業を経営する団体の役職員及び ボランティア活動を行う団体の代表者が参加していること。 ウ 評議員会の機能 評議員会の機能は次のとおりです。 評議員会の機能 ① ② ③ 原則「諮問機関」であること。 法人の業務の決定に当たり重要な事項について「あらかじめ」評議員会の意見を聞くこと。 役員の選任も評議員会で行うこと。 ②における重要な事項とは次のとおりです。このほかにも,定款細則等で予め 定めておくことができます。 理事会の要議決事項(指導監査要綱Ⅰ-5-(1)-4) ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 予算,決算,基本財産の処分,事業計画及び事業報告 予算外の新たな義務の負担又は権利の放棄 定款の変更 合併 解散及び解散した場合の残余財産の帰属者の選定 その他,法人の業務に関する重要事項 -9- 4 社会福祉法人の資産 (1) 資産保有の基本的な考え方 社会福祉法人は,社会福祉事業を行うために直接必要な全ての物件に「所有権」 を有していることが必要です。しかし,これによりがたい場合は,国若しくは地 方公共団体から貸与若しくは使用許可を受けている必要があります。 なお,都市部等の土地取得が極めて困難な地域においては,不動産の一部(社 会福祉施設を経営する法人の場合は土地)に限り,国若しくは地方公共団体以外 の者から貸与を受けていても差し支えないこととされています。この場合は,事 業の存続に必要な期間の「地上権」又は「賃借権」を設定し,これを登記する必 要があります。 (2) 社会福祉法人の資産 社会福祉法人が所有する資産は,社会福祉事業の用に供すべき「基本財産」と 「運用財産」の他, 「公益事業用財産」,「収益事業用財産」に区分されます。 「基本財産」は,社会福祉法人の運営の基本となるべき資産であり,処分や担 保に供する場合は,所轄庁の事前承認が必要です。 「運用財産」は「基本財産」 , 「公益事業用財産」, 「収益事業用財産」以外の資 産を言います。 「公益事業用財産」と「収益事業用財産」は「公益事業」及び「収益事業」を 行う際の資産です。なお, 「社会福祉事業」と「収益事業」を,同一設備を使用 して行うことは認められません。 資産の種類 資産の内容 保有時の条件 基本財産 社会福祉事業を行うに必 要な土地,建物等の資産 法人所有であること 運用財産 施設の運営に必要な資産 法人の設立に際し,法人の年間事業費の 12 分の 1 以 上に相当する現金,普通預金又は当座預金等を準備し ておく必要がある ※2 公益事業用財産 公益事業(※3)の用に 供する財産 他の財産と明確に区分して管理する必要がある。※4 収益事業用財産 収益事業(※5)の用に 供する財産 他の財産と明確に区分して管理する必要がある。 ※1 ※2 ※3 ※4 ※5 ※1 ①国や地方公共団体から土地や建物の貸与を受ける場合,②都市部等,極めて土地の取得が困難な地域におい て,国又は地方公共団体以外の者から土地の貸与を受け,その土地について事業の存続に必要な期間の地上 権又は賃借権を設定し,かつ,これを登記した場合は,この限りではない。また,建物の取得については, 国庫補助金,県及び市町村交付金,公益助成金,独立行政法人福祉医療機構からの融資などの活用が可能。 介護保険法上の事業,自立支援法上の事業にも該当する社会福祉事業を主として行う法人を設立する場合に あっては,12 分の 2 以上 公益を目的とする事業であって,社会福祉事業以外の事業。なお,社会通念上は公益性が認められるもので あっても,社会福祉と全く関係のないものを行うことは認められない。 事業規模が小さい公益事業については,当該法人の行う社会福祉事業の円滑な遂行を妨げるおそれのない限 りで他の財産を活用して差し支えない。 法人が行う社会福祉事業の財源に充てるために,一定の計画のもとに収益を得ることを目的として反復継続 して行われる事業 - 10 - Ⅱ 社会福祉法人の監事の業務について 1 監事の職務と責任 (1) 監事の職務 監事は,社会福祉法において,その職務について次のとおり規定されています。 監事は,毎年定期的に,「理事の業務執行の状況」と「社会福祉法人の財産の状 況」を監査し,「監査報告書」を作成するとともに,必要があると認められるとき は,理事会及び評議員会に出席して監査結果の報告を行い,併せて意見を述べます。 監事の業務 社会福祉法第 40 条 定款準則第 11 条 ① 理事の業務執行の状況を監査する。 (業務監査) ② 社会福祉法人の財産の状況を監査する。(会 計監査) ③ 理事の業務執行の状況又は社会福祉法人の財 産の状況について監査した結果,不整の点が あることを発見したとき,これを評議員会(評 議員会がないときは,所轄庁)に報告する。 ④ 前号の報告をするために必要があるとき,理 事に対して評議員会の招集を請求する。 ⑤ 理事の業務執行の状況又は社会福祉法人の財 産の状況について,理事に意見を述べる。 ① 監事は理事の業務執行の状況及び法人の財 産の状況を監査しなければならない。 ② 監事は毎年定期的に監査報告書を作成し, 理事会及び所轄庁に報告するものとする。 ③ 監事は,前項に定めるほか,必要があると 認めるときは,理事会に出席して意見を述 べるものとする。評議員会を設けている場 合には,評議員会に対しても監査結果を報 告し,かつ意見を述べることが適当である。 ※ 指導監査要綱においては,監査を行った場合に作成した「監査報告書」を「理事会」「評議員会」及び 「所轄庁」に報告後,法人において保存されていることが求められている。 (2) 監事の責任 監事は,監査報告書の作成を怠った場合や,監査報告書の内容について,虚偽の 記載をした場合等は,社会福祉法第 133 条第4項の規定により,20 万円以下の過料 に処せられる場合があります。 また,監事は,その職務を遂行するにつき,民法第 644 条に規定する善良なる管 理者としての注意を持って事務を処理する義務(善管注意義務)を負います。その 注意義務の水準については,社会通念上その地位にある者に通常期待される程度の ものとされています。 - 11 - 2 監事監査の内容 (1) 監事監査の対象 実際に監事監査を行うに当たっては,監事の業務が「理事の業務執行の状況を監 査すること(業務監査)」と,「社会福祉法人の財産の状況を監査すること(会計 監査)」であることを十分に理解している必要があります。 ここで,業務監査と会計監査について例示します。 実際の監査チェック項目は,「別紙 監事監査チェックリスト」で確認してくだ さい。 理事の業務執行の状況を監査すること 社会福祉法人の財産の状況を監査すること (業務監査) (会計監査) ・ 定款に記載されている事業が行われている か。 ・ 会計帳簿を正確に作成しているか。 ・ 拠点区分ごとに収入及び支出の予算(資金収 ・ 年間事業計画書に基づいて運営されている か。 支予算書)を作成しているか。 ・ 支出手続は請求書その他に基づき行われてい ・ 中長期計画に基づいた法人運営がなされてい るか。 るか。 ・ 寄附金の収納に際し,寄附申込書を徴してい ・ 定款細則,経理規程は整備されているか。 るか。 ・ 就業規則,給与規程は整備されているか。 ・ 100 万を超える契約は契約書を作成している ・ 役員,評議員の選任手続は定款の定めに従っ て行われているか。 か。 ・ 固定資産は適正に管理されているか。 ・ 理事会・評議員会の議決は適正か。 ・ 財務諸表・附属明細書は会計基準・経理規程 ・ 人事・労務管理は適正か。 に準拠しているか。 ・ 施設・事業の運営管理 ・ 財務諸表・附属明細書は,記載数値が整合し ・ 福祉サ-ビスの質の向上のための取組が行わ れているか。 ているか。 ・ 入所者からの預り金は,適正に管理されてい るか。 (2) 監事監査の種類と時期 監事が行う監査について,法や定款準則では回数や時期は明記されておりません が,平成20年3月27日付,地福第979号岩手県保健福祉部長通知「社会福祉法人の適 正な運営の確保について」の1の(3)に基づき,監事監査は,年1回の決算時にとど まらず,必要に応じて関係書類及び諸帳簿等に基づいた実質的な監査を「定期的」 又は「随時」に行うこととしていることを受け,盛岡市では,次のとおり区分して います。 (イ) 決算監査 毎年,決算期(4月~5月)に,必ず実施するもの。 (ロ) 随時監査 実施は任意。法人の規定に基づき年度内に定期的に行うもの。 (ハ) 出納調査 実施は任意。法人の内部ガバナンスの向上に寄与するものと して,四半期程度の積極的な実施を推奨。 - 12 - 監査種類 内容 法人の事業報告書,財産目録,貸借対照表及び収支計算書は,毎会計年度終了後 2箇月以内に理事長において作成し,監事の監査を経た後,理事会の認定を得なけ ればならないこととなっている(法第44条,定款準則第23条)。 この決算監査では,理事の業務執行の状況及び法人の財産の状況に関する全般的 決算監査 な監査を行い,決算評議員会(評議員会を設置している場合)及び決算理事会に付 議する事業報告書(案)及び決算報告書(案)が適正に作成されているかを検査す る。 従って,事業報告書(案)及び決算報告書(案)の作成後,決算評議員会及び決 算理事会までの間に,十分な時間をかけて行う必要がある。 決算監査以外で,監事が必要と認めるときに行う各法人の任意で行う監査。法人 随時監査 が事業計画で実施時期を事前に定めていても,随時監査と称する。 なお,随時監査を実施した場合は,決算監査と同様に,理事会及び評議員会,併 せて所轄庁に対し,監査報告書を提出する必要が生じる。 日常の出納状況が適正に行われているかを確認するために,監事が理事長に対し 任意で実施するもの。監査項目は会計監査項目の出納部分に限定される。実施後の 所轄庁への報告義務は発生しないが,適正な会計運営を行う観点から,少なくとも 出納調査 年間で4半期に1度行い,理事会及び評議員会に報告するのが望ましい。 旧通知(平成12年3月17日付け地福第563号)において,出納調査を四半期に 1回以上実施し,その結果を地方振興局長に提出することとされていたが,その後, 所轄庁への調書提出義務は廃止された。 現在では,出納調査の実施については,法人自らの責任と判断に委ねられている。 (3) 監事監査規程の整備 監事監査の実施に当たっては,事前に「監査の種別」,「実施内容」,「実施手 順」等を定めた実施規程(又は実施要綱)等を整備しておく必要があります。 監事監査規程等は,その実施において,監事が理事に対して監査を行うことにな りますので,実施方法について,理事と監事が十分に協議をしてから制定する必要 があります。 - 13 - 3 監事監査の実施手順 (1) 実施通知 監事監査の実施規程等に基づき,監事は理事長に対し,監査の実施を事前に通知 します。通知(伝達)する場合の一般的な記載事項は,次のとおりです。 ① 監査の日時及び場所 ② 監査の種別及び内容 ③ 出席を求める者 ④ 準備すべき書類 (2) 事前準備 監事は,実施に当たっては,社会福祉法人及び社会福祉事業の関係法令・通知, 定款,各種規程等について,十分に把握しておいてください。 また,法人が作成している最新の社会福祉法人現況報告書に目を通して,あらか じめ次の事項等について確認しておいてください。 現況報告書から確認すべきこと 基本情報 ・ 設立認可年月日,設立登記年月日の確認 ・ ホームページアドレスの有無 事業 ・ ・ ・ ・ ・ ・ Ⅲ 組織 ・ 欠員が生じていないか。 ・ 役職,氏名,職業,任期,親族等特殊な関係の有無 (定款に定める数を超えて当該役員が選任されていないか。) ・ 役員・評議員の資格等 (職業等と照らし合わせて選任基準に適合しているか。) ・ 理事会・評議員会への出席回数 (出席状況が著しく低調となっている者がいないか。) ・ 施設長は資格要件を満たしているか。 ・ 職員数に不足はないか。 ・ 理事会・評議員会が定足数を満たし,成立しているか。 ・ 所定の時期に開催され,必要事項が審議されているか。 ・ 監事監査の時期は適正か。 Ⅳ 資産管理 ・ 基本財産,運用財産,公益事業用財産,収益事業用財産の区分は適正か。 ・ 基本財産を所轄庁の承認を得ないで,処分・担保提供していないか。 その他 ・ 公開すべき情報が適正に開示されているか。 (ホームページ及び事業所での公開) ・ 外部監査を行う必要はないか。 ・ 第三者評価を受診した場合,その内容が記載されているか。 総括表 ・ ・ ・ ・ Ⅰ Ⅱ Ⅴ Ⅵ 現況報告書に記載されている事業が,定款に記載されているか。 第一種・第二種事業の記載は適正か。 児童福祉・老人福祉・障害福祉・その他の区分は適切か。 公益事業・収益事業の記載は適正か。 公表すべきでない情報が記載されてないか。 事業開始年月日が,事業計画書やパンフレットと整合しているか。 総括表は作成されているか。 積立金は目的に応じて積み立てられているか。 関連当事者との取引は適正か。 地域の福祉ニーズへの対応は十分行われているか。 - 14 - (3) 監査の実施 あらかじめ通知した監査の実施内容に基づいて監査を行います。 監査の実施に当たって,監査の対象となる全ての書類を添えて,理事長から監事 に提出します。このとき,適正な監査を実施するために,「必要がある」と監事が 認めたときは,理事長に対し,あらかじめ通知していない内容についても監査を行 うことや,予定時間を超過する場合があることを伝え,了承を得ておくと良いでし ょう。 また,監査の進展具合によって,予定日中に監査が終了しない場合も想定されま す。この場合は,理事長と協議の上,別の日に改めて実施してください。 なお,定期監査及び随時監査においては,主に2つの資料を用いて確認作業を行 います。 ○ 監事監査チェックリスト ○ 他の監査結果通知 監査資料 使い方 監事監査チェック リストの活用 マニュアルに添付している,「監事監査チェックリスト」を活用しま す。各チェック項目については,関係書類の確認や担当者への聴き取り 等を行って,チェック欄にチェックします。 他の監査結果通知 の活用 社会福祉法人においては,所轄庁による行政監査が行われるほか,社 会福祉法人によっては,公認会計士,税理士等による外部監査などが行 われています。監査においては,これらの監査の指摘事項についても, 改善状況を確認しておくことが必要です。 (4) 監査結果の報告 ア 監査報告書の作成 監事は,監査終了後,チェックリストの内容を集約し,速やかに監査報告書を 作成します。監査報告書には,次に掲げる事項を記載します。 ① 監査の実施日時 ② 監査の種別 ③ 監査を実施した監事名 ④ 監査内容 ⑤ 監査意見 イ 監査報告書の提出 作成した監査報告書は,理事会(理事長),評議員会及び所轄庁に報告します。 <注意1> <注意2> 社会福祉法人は,社会福祉法第 44 条第4項の規定に基づき,この 報告書を事務所に備え置き,利害関係人の閲覧に供する必要があ ります。 所轄庁への提出について,決算監査においては,社会福祉法第 59 条の規定に基づいて毎年6月末までに各法人が所轄庁に提出する 「社会福祉法人現況報告書」の添付書類として提出します。また, 随時監査においては,監査報告書に監査チェックリストを添付し て提出願います。 - 15 - <注意3> 出納監査においてチェックリストの一部を用いた場合は,その部 分を添付して理事長に提出します。 理事会 提出先一覧 (理事長) 評議員会 所轄庁 監査報告書 ○ ○ ○ チェックリスト ○ ○ ○ 監査報告書 ○ ○ ○ チェックリスト ○ ○ ○ 出納調書 ○ ○ … チェックリスト △ △ … 決算監査 随時監査 出納調査 〇 … 提出が必要 △ … 提出不要だが,出納調査の参考にした場合は,その部分を提出 ウ 評議員会及び理事会への出席による報告 決算監査の場合は,決算理事会及び決算評議員会に出席した上で,監査報告書 の内容について説明し,問題点がある場合は,その改善を求める必要があります。 随時監査及び出納調査の場合は,必要があると認めるときに理事会及び評議員 会に出席して,意見を述べ,必要な改善を求めます。 なお,会計監査について,公認会計士,税理士等による外部監査を行うことが 必要と認める場合には,理事会及び評議員会に出席して,外部監査の導入につい て意見を述べなければなりません。 (5) 改善状況の確認(指摘事項がある場合) 監査報告書において是正又は改善を求めた事項がある場合は,理事長から改善報 告書の提出を求める。必要に応じて,改善状況を実地に確認しなければならない。 - 16 - Ⅲ 監事監査における着眼点 1 理事の業務の状況(業務監査) (1) 事業概要 最初に留意すべきは,社会福祉法人が実際に行っている事業と,定款に記載され た事業が整合しているかを確認することです。社会福祉事業は定款に記載されてい る事業が行われていることが求められます。 次に,実際に行っている事業が,事前に定めた法人の方向性に沿って運営されて いるかを確認します。この時確認するのは「事業報告書」,「事業計画書」及び「中 長期計画書」です。 当年度の法人の事業内容をヒアリング等により理解し,それが,「事業計画」と 整合しているか,以前に作成した中長期計画の内容と事業報告書や現在の状況が整 合しているかを確認します。 また,新たな事業の開始や事業の廃止が年度内に行われる場合には,必要な定款 の変更手続が行われているか確認することも必要です。 なお,「事業報告書」は,「財産目録」,「貸借対照表」及び「収支計算書」と ともに,毎会計年度終了後2月以内に理事長において作成し,監事の監査を経て, 理事会の認定を得なければならない(定款準則第18条第1項)重要な書類です。 よって,事業報告書が作成されているか,その内容は適正かも併せて確認してく ださい。 事業報告書に記載すべき事項の例 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 法人の概要 法人が実施する事業の概要(種別,名称,施設長名,所在地,定員等) 役員の状況 理事会,評議員会の運営の状況 施設(事業)運営活動の状況 当該年度の活動状況の総括と今後対処すべき課題 (2) 規程 法令等により,社会福祉法人が備えなければならない規程の例は,次のとおりで す。 備えなければならない規程の例 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 定款(法第31条) 定款施行細則(定款準則第9条(備考)(1),第27条) 経理規程(会計基準第1条第2項) 就業規則(労働基準法第89条) 給与規程(同上) その他必要な規程 - 17 - 監査チェックリストでは,これらに加えて,役員報酬(費用弁償)規程,公印・ 文書管理規程,職員旅費規程を掲載しました。これらの規程は,必ずしも整備され ているとは限りません。しかし,役員報酬の支給根拠,公印及び文書の管理方法, 職員の出張旅費の支給根拠が記されており,業務管理及び会計支出の適正さを確認 する際に紐解くことが多い法人運営にとって重要な規程です。 なお,定款を除く規程は,改正の際に,事前に理事会に諮ることが求められるの で,理事会で審議されているか確認する必要があります。 (3) 役員,理事会,評議員会に関する事項 ここで,理事会の要議決事項が審議されているか,開催・議決手続が適正か等に ついてチェックするほか,議事に関する意見交換,審議がなされているかを確認し ます。 なお,評議員会についても同様です。 また,役員報酬の額についても,勤務実態に応じた妥当な水準かどうかのチェッ クが必要となります。 ア イ ウ 役員・評議員の選任手続 理事は理事総数(現員数)の2/3以上の同意が必要です。監事も同様の取扱 いです。なお,評議員会を設置していれば,評議員会で選任します。この場合 は評議員の過半数の同意が必要です。 理事も評議員も,欠員は速やかに補充する必要があります。盛岡市では速や かに補充する期間を3箇月としています。 職務代理者の指名 定款準則第10条に,職務代理者の指名手続が定められています。 重任・変更登記 組合等登記令第6条第1項において,法人代表者の重任及び変更については 2週間以内に登記を行うよう定められています。 エ 理事会・評議員会の開催手続 理事会及び評議員会の招集権限は,理事長にあります。 また,理事長は理事(評議員)総数の3分の1以上の理事(評議員)又は監事 から理事会(評議員会)の招集を請求された場合には,その請求があった日から 1週間(20日)以内に招集する必要があります。 オ 開催時の留意点 理事会(評議員会)の要議決事項は,理事長の専決対象ではないので,事後報 告ではなく,事前に審議が行われる必要があります。 また,理事会の招集を行わず,いわゆる「持ち回り」により審議を行うことは 認められません。 - 18 - カ 開催通知 理事長は,理事会開催予定日の遅くとも1週間前までに,議題を明記した開催 通知を書面により行うことが必要となります。開催の通知時期は定款細則におい て規定されています。 なお,次の事項については,法令又は定款上理事会の開催時期が定まっている ので,注意が必要です。 ① 役員等の改選(役員任期満了前) ② 事業計画と予算の審議(会計年度開始前) ③ 事業報告と決算の認定(会計年度終了後2月以内) キ 理事会の定足数 理事会が成立するためには,「理事総数の3分の2以上の出席」が必要です。 (定款準則第9条第5項)。 なお,「理事総数」とは,欠員を除く理事の「現員数」を言います。 このため,理事に欠員が生じているときに理事会を開催し,理事の欠席者が発 生した場合には,審議案件によっては承認に必要な人数を確保できず,議決要件 を欠いた承認を行ってしまい,無効となり,次の理事会で改めて審議する必要が 生じますので,十分な注意が必要です。 また,過半数要件の場合,議長は可否同数の場合にのみ議決に加わります。 (評議員会についても定款準則を参照してください。) 理事会 総数 最少 成立数 評議員 必要最低出席者数 総数 過半数 2/3以上 最少 成立数 必要最低出 席者数 過半数 6人 4人 5人 4人 13 人 7人 8人 7人 5人 5人 5人 15 人 8人 9人 8人 6人 6人 6人 17 人 9人 10 人 9人 6人 6人 6人 19 人 10 人 11 人 10 人 7人 7人 7人 21 人 11 人 12 人 11 人 8人 7人 8人 23 人 12 人 13 人 12 人 8人 8人 8人 25 人 13 人 14 人 ク 議決要件 理事会,評議員会での有効な議決要件は次のとおりです,多くは,各法人の定 款(施行)細則で定められています。 なお,理事と評議員の兼務が多いこと並びに審議事項が共通していることを理 由に,理事会と評議員会を合同で開催することは,評議員会の形骸化につながる ことから,認められませんので留意してください。 - 19 - 総数の2/3 以上の議決 評議員会 要審議 総数の過半 数の議決 予算,補正予算,基本財産の処分,事業計画及び事業 報告,決算 ○ ○ 予算外の新たな義務の負担,又は権利の放棄 ○ ○ 定款の変更 ○ ○ 合併 ○ ○ ○ ○ 理事会での要議決 議決事項・審議事項 総数の過半 数の議決 解散及び解散した場合における残余財産の帰属者の 選定 重要事項で理事会において(評議員会への付議が)必 要と認める事項 社会福祉事業に係る許認可,寄附金の募集その他の所 轄庁等の許可を受ける事項 定款細則,経理規程等,社会福祉法人の運営に関する 規則の制定及び変更 ○ (事業ごとに決める) ○ ○ △ ○ △ 施設長の任免その他の重要な人事 ○ △ 金銭の借入,財産の取得,処分等にかかる契約(軽微 なものを除く) ○ △ 役員報酬に関する事項 ○ △ その他,法人の業務に関する重要事項 ○ △ 役員の選任・解職(評議員会を設置しない場合) ○ 役員の選任・解職(評議員会を設置する場合) 評議員の選任・解職(評議員会を設置する場合) 公益事業及び収益事業に関する事項 △ ケ ○ ○ ○ △ 定款準則において要審議事項とされていないため,審議事項に該当させるかは,各法人の 判断に委ねられるもの。 理事長専決 「日常の業務として理事会が認めるもの」については理事長の専決処分を行 うことができます。多くは定款細則に対象となる事項が定められていますので, それ以外が専決されていないか伺い書などを確認することが必要です。併せて 施設の軽微な管理業務は施設長専決事項として定めている場合もあります。 コ 特別の利害関係 理事会の決議について,特別の利害関係を有する理事は,その議事の議決に加 わることはできません。 例えば,理事に建設請負業者や物品納入業者等が加わっている法人が,建設工 事請負や物品納入等の契約を行おうとする場合には,当該理事は特別の利害関係 を有することとなるので,当該契約の入札価格の決定や業者選定等に係る議事の 議決には加わることができないこととされています(定款準則第9条(備考)(5))。 - 20 - サ 理事会の議事録 理事会の議事録には,次に掲げる事項が記載されている必要があります。議事 録の正確性を担保するために欠かせない事項ですので,正しく記載されているか 確認が必要です。 議事録記載事項 ① 開催年月日 ② 開催時間 ③ 開催場所 ④ 出席者氏名(定数) ⑤ 議案 ⑥ 議案に対する発言内容 ⑦ 議案に対する表決結果 ・ 賛成数,反対数を記載し,賛否が分かれた場合は,それぞれの 理事氏名を記載することが望ましい。 ⑧ 議事録署名人の署名又は 記名押印,署名(記名押印) 年月日 ・ ここで言う「議事録署名人」とは「議長」及び「当該理事会に おいて選出された理事2人」のことをいう。 ・ 「署名(記名押印)年月日」は,議事録作成後,議事録署名人 全員の署名又は記名押印が完了した日とする。(必ずしも理事 会開催日と一致しない。 ・ 定款の規定に基づき,書面により出席とみなす理事については, その旨記載する。 議事録は,議案・審議資料が添付されて,散逸しないように,袋とじ割印の上,保管してください。 シ 役員の報酬 役員(評議員)に対する報酬について,定款準則において,次のとおり規定 されています。 第 8 条 役員(評議員)の報酬については,勤務実態に即して支給することとし,役員 (評議員)の地位にあることのみによっては支給しない。 この規定では,役員及び評議員等への報酬が,職員のように「労働の対価」 としての給与ではないが,法人と委任関係にある役員及び評議員等の「職務執 行の対価」として支払われるものであることを明確にしたものです。 また,社会福祉法人審査要領第3(6)において,「勤務の実態に即して支給 する」こととされている役員(評議員)報酬について,各法人の「人事労務」, 「財務」 , 「運営」等の職務を分掌するなど「経営管理に携わる役員」が対象と なると明確に定められています。 ただし,職員ではないことから,一般職員と同様の勤務体制である必要はあ りません。よって,名誉職的に役員・評議員に就任し,法人業務への従事や, 理事会・評議員会等での発言も行わず,漫然と報酬を受け取ることは認められ ません。報酬を支払う場合は,勤務実態(職務執行状況)を担保する書類が必 要です。 - 21 - 役員(評議員の)勤務実態を担保する例 理事会(評議員会)議事録への出席者記載,署名人の押印 法人行事,苦情解決委員会への出席記録 監事監査報告書への証跡 会計関係書類への承認印などの証跡 研修参加報告書 稟議書への承認印などの証跡 出勤簿・タイムレコーダーなど なお,報酬の財源としては,特に,「特別養護老人ホーム」及び「障害者支 援施設」等の通知において,介護報酬や自立支援給付費を「高額な役員報酬な ど実質的な剰余金の配当と認められる経費」に充当することは認められないと 規定されていることから,当該施設のみならず,社会福祉法人全般にわたって, この考え方は準用されるものとなります。 併せて, 「費用弁償」とは,「法人職員以外の者が法人の公務のため旅行した ときの経費相当額」と位置付けられます。多くは理事会,研修会等出席のため の「移動に要した実費(相当)額」ですので,各法人においては,全く根拠の ない額を費用弁償として支給しないようにしてください。 (参考)本部経費で支出する経費 「役員報酬」や「理事会(評議員会)開催経費」は「法人本部拠点区分」ま たは「法人本部サービス区分」から支出します。 この時の財源は次のとおりとなります。 それぞれの事業に応じて,各区分間繰入金収入として取り扱います。 本部運営 のための 寄附金 収益事業の 剰余金の 繰入 施設拠点区 分で発生し た預金等の 利子相当額 前期末支払 資金残高の 取崩し 当年度運営 費の本部へ の繰入 措置施設 ○ ○ ○ ○(※) × 保育所 ○ ○ ○ ○(※) × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ … 本部運営の財源とし て認められる経費 特 別 養 護老 人 ホー ム (措置除く) 障害者支援施設 (措置除く) 就労支援事業所 ※ 措置施設・保育所について,前期末支払資金残高を取り崩すことは,弾力運用が認められ る運営を行っていることが前提となることに留意してください。 - 22 - (4) 人事労務管理 ア 施設長 施設長の任免は「重要な人事」であり,理事会審議事項とされています。 イ 施設長資格 業務によって,施設長資格は異なります。施設長資格を示す書類の写しを適正 に保管しているか確認しておく必要があります。 (5) 施設管理 ア 管理(運営)規程の整備 施設(事業)の運営管理や処遇に関する重要事項については,施設(事業)種 別ごとに最低基準が定められているので,これらの基準に沿った管理運営規程を 備える必要があります。 (6) 福祉サービスの質の向上のための取組 福祉サービスの質の向上を図る観点から,社会福祉法第8章に定める「福祉サー ビスの適切な利用」のための取組(重要事項説明書の交付,サービスの質の評価, 苦情解決)が適切に行われているか確認する必要があります。 ア サービスの質の評価 社会福祉事業の経営者は,自らその提供する福祉サービスの質の評価を行うこと その他の措置を講ずることにより,常に福祉サービスを受ける者の立場に立って, 良質かつ適切な福祉サービスを提供するよう努めなければならないこととされて います。 イ 苦情解決 社会福祉事業の経営者は,常に,その提供する福祉サービスについて,利用者等 からの苦情の適切な解決に努めなければならないこととされています。 (ア) 苦情解決体制 苦情解決体制については,各施設,各事業所に次の担当者を設置します。特に 監事は第三者委員に就任することが可能なため,法人から委嘱される場合があり ます。 職名 対象者 苦情解決責任者 主体的な苦情解決の責任主体であり,施設長,理事等を充てる。 苦情受付担当者 サービス利用者が苦情の申出をしやすい環境を整えるため,職員の中か ら充てる。 第三者委員 苦情解決に客観性や社会性を確保し,利用者の立場や特性に配慮した適 切な対応を推進するために設置することとされている。 - 23 - (イ) 苦情解決の手順 苦情解決の手順としては,次のようなものが考えられます。苦情解決は,どの ように対応したかが重要となりますので,まずは,法人が苦情受付記録を適正に 保存しているか確認してみてください。 苦情解決の手順 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 利用者への苦情受付窓口の周知 苦情の受付 苦情受付の報告・確認 苦情解決に向けての話し合い 苦情申出者への対応 苦情解決の記録,報告 - 24 - 2 法人の財産の状況(会計監査) (1) 会計帳簿 法人は,資産,負債,収入,支出等を管理し,明らかにするため,勘定科目を定 めるとともに,会計帳簿を備えて適正に計算・記録等の会計処理を行う必要があり ます。 法人の会計処理に必要な「具体的な勘定科目」及び「備えるべき会計帳簿」など は,会計基準等に基づき法人の経理規程で定められております。 会計の基礎となる「会計帳簿」は,モデル経理規程において「主要簿」 「補助簿」, 「その他の帳簿」に分けられます。 法人はその経理規程において,必ず主要簿を規定するとともに,必要な補助簿の 作成を行います。 会計帳簿に対する監事の対応 経理規程に規定されている会計帳簿が,実際に作成されていますか。 不要な補助簿が経理規程に記載されていませんか。逆の例は無いですか。 補助簿が,経理規程に規定しているにも関わらず作成していない場合や,作成しているにも かかわらず規定していない場合は,実態と整合させるよう是正を求めます。 (2) 会計担当職員 会計責任者(総括会計責任者)と出納職員は別々の職員を任命するなど,複数の 職員が手続に関わることにより,相互牽制の下での適正な金銭の出納が行われる体 制が整備されることは,過誤や不正を未然に防止する上での重要なポイントです。 会計担当職員に対する対応 経理規程に定める会計担当職が適正に任命されていますか。 辞令書を確認してみると,退職により担当者が変わったが辞令は旧来のままという場合があ ります。 (3) 予算 法人の予算は,毎会計年度開始前に理事長において編成し,理事総数の3分の2 以上の同意を得て定めます(定款準則第17条)。 予算は,資金収支予算として,事業計画及び予算編成方針に基づき収入を適切に 見積り,収入見込額を限度に支出予算を定めます。 収入予算は見積りであるため,最終的に収入額が予算額を上回っても差し支えあ りませんが,支出予算は各勘定科目別の支出限度額を定めるものですので,予算額 を上回って支出することはできません。 したがって,予算の作成後に生じた事由により,新たな予算措置や勘定科目間の 配分の変更など,予算に変更を加える必要がある場合には,理事長は補正予算を作 成して理事会に提出し,理事総数の3分の2以上の同意を得なければなりません。 なお,勘定科目中区分の予算超過の場合は,中区分内で予算流用手続を行うこと が必要です。 - 25 - また,大区分で超過している場合は,予算流用はできません。この場合は速やか に補正予算を編成します。 なお,予め予算に「予備費」を計上している場合,補正予算を編成しなくても, 計上額の範囲内で大区分の予算超過に対応できます。当初予算で予備費を計上して おくと良いでしょう。 予算に対する対応 月次試算表で予算の執行状況を確認していますか。 定期的に行われる出納調査時に,月次試算表を確認して,予算の執行状況を確認するのが有 効です。その結果,補正予算の編成や予備費の計上が必要と認められる場合は,その旨適切な 処置を講じるよう,理事長あて報告してください。 また,決算時に,予算超過が発生した場合は,予算額と決算額の乖離が大きい場合などには, 決算理事会において,必要に応じて乖離の是非について意見を述べてください。 なお,予算流用や予備費の手続(伺い書)が,経理規程に基づいた手続を経ているかも併せ て確認してください。 (4) 会計伝票の作成 全ての会計処理は,会計伝票(仕訳伝票)により行います。 会計伝票は,取引先からの請求書等の証憑に基づいて作成し,勘定科目,取引年 月日,数量,金額,相手方及び取引内容を記載し,経理規程に定めるところにより 会計責任者等の承認印を受ける必要があります。 また,証憑は,会計記録との関係を明らかにして整理保存する必要があります。 会計伝票に対する対応 証憑が伝票と併せて保管されていますか。 監事が,法人の1年間の会計伝票を一度に確認することは困難です。定期的な出納調査を実 施することが負担軽減となります。 その際は,月次試算表や総勘定元帳と会計伝票及び証憑を突合し,個々の収入・支出が適正 な内容及び手続で行われていることを確認してください。 (5) 収入 ア 金銭の収納 福祉サ-ビスの利用料など日々入金する金銭を,そのまま支出に充てることはで きません。必ず一旦は,金融機関に預ける必要があります。 金銭の収納に対する対応 金庫にある現金と,現金出納帳の金額が異なったままになっていませんか。 出納職員の経験が浅い場合,日々入金する金銭をそのまま目先の支出に当てたりして,保管 している現金と帳簿がずれるケアレスミスが生じることがあります。 出納職員に対して,経験に基づく安全な現金管理方法の助言を行うことも有効です。 イ 寄附金品の受入 寄附金品を受け入れる場合には,寄附者,寄附の目的,金額等を記載した寄附申 込書により受領するとともに,理事長名の領収証を発行します。 - 26 - 発行した領収証(写)と寄附申込書は適正に保管し,寄附金品台帳に転記して管 理してください。 なお,取引業者,利用者・家族,職員など関係者からの寄附がある場合は,強制 的であったり,逆に関係者に便宜を図ったりしてはいけません。 寄附金に対する対応 寄附申込書に,寄附金品の帰属先の記入が洩れていませんか。 寄附は,申込者の意思を十分に反映しなければなりません。 また,寄附金品台帳と寄附申込書及び領収証の控えは,突合してください。 (6) 支出 ア 支払方法 支払は,原則として取引金融機関からの口座振込により,精算払いで行わなけれ ばならないので注意する必要があります。 イ 小口現金 少額で通常現金払いを行う取引については,経理規程に定める限度額の範囲内で, 定額資金前渡制度による資金(以下「小口現金」という。)により支払いを行うこ とができます。また,小口現金を取り扱う場合は,小口現金出納帳のほか,「金銭 残高金種別表」を作成して金種別に残高を管理するなどの取扱いが必要です。 なお,小口現金は,経理規程に定める拠点(サービス)区分ごとに管理します。 小口現金に対する対応 限度額を超えて小口現金を精算していませんか。口座払だけで完了する拠点(サービス)区 分で小口現金を設定していませんか。小口現金は,必要以上の設置は回避する必要があります。 ウ 仮払金,立替金,前払金等 仮払金,立替金,前払金は,管理を特に留意する必要があります。これらの勘定 科目は,その実在性が確実なものでなければなりません。 仮払金,立替金,前払金に対する対応 仮払金が決算時に計上されていませんか。多額の立替金が計上されていませんか。特に仮払 金は,勘定科目の性質上,決算時には本来の科目に振り替えられて,残高が無くなります。 何故,仮払金が計上されているか。決算時に,計上原因をヒアリングすることが重要です。 エ 人件費 人件費については,必要に応じて,給与台帳に記載されている職員が実在してい ることを,出勤状況,源泉所得税と社会保険料の納付状況等により確認することが 必要です。 - 27 - 人件費に対する対応 殆どの法人は,人件費の支給管理は適正に行っています。しかし,架空の職員に対し給与を 支給する不正が,絶対に発生しないとは言い切れません。必要に応じて職員の実在を確認して ください。 (7) 残高の確認・月次報告 会計責任者(又は出納職員)は,預貯金について,毎月末日,取引金融機関の残 高と帳簿残高とを照合し,当座預金に差額がある場合には当座預金残高調整表を作 成して,統括会計責任者(又は会計責任者)に報告する必要があります。 また,会計責任者は,拠点区分ごとに毎月末日における月次試算表を作成し,翌 月の経理規程で定める日までに,統括会計責任者(又は理事長)に提出しなければ なりません。 残高の確認・月次報告に対する対応 毎月末日現在の預貯金通帳残高と預貯金出納帳の突合は行われていますか。併せて「月次試 算表」を「統括会計責任者」又は「理事長」へ「報告した日」が書面で確認できますか。 月次試算表を作成し,その内容を理事長に説明して,承認印を得ても,日付が付記されてい ないケースが多く見られます。 (8) 契約状況 ア 契約者 法人が当事者となる契約書に記名押印する者は,「理事長」又は「その委任を受 けた者(契約担当者)」に限られます。 また,理事長が契約について契約担当者に委任する場合は,委任する契約の範囲 を明確に定めておくことが必要です。契約担当者が必要となるケースは,例えば, 理事長が双方代理になる場合などが考えられます。この場合には,当該契約につい ては他の理事が行うことなどを,理事会で定めておくことが必要です。 なお,契約に関する具体的な「事務処理」を契約担当者以外の職員に行わせるこ とは差し支えありません。 イ 契約手続 法人の契約手続は「社会福祉法人における入札契約等の取扱いについて」(社援 施第7号)及び経理規程に定められております。 法人が行うことのできる契約の種類は3種類です。 (ア) 一般競争入札 a 契約の原則と取り進め方 法人が締結する契約については,原則として「一般競争入札」によること となります。理事長又は契約担当者は,売買,賃貸借,請負その他の契約を 一般競争入札で行う場合は,次のとおり取り進めます。 - 28 - 一般競争入札の取り進め方 (1) あらかじめ,契約しようとする事項の予定価格を定める。 (2) 次に記した内容について,定款 「公告」に必要な記載事項 に定める方法で「公告」して申 競争入札に付する事項・ 入札執行の場所及び日時 入札保証金に関する事項・入札に参加する者に必要な資格 契約事項を示す場所 込みをさせる。 (3) 入札を実施する。 b 必ず一般競争入札にするべき契約 総務大臣が定める次の区分及び額以上の契約については,必ず一般競争入 札に付さなければなりませんので留意してください。 区 分 物品等の調達契約 額 2,700 万円 特定役務のうち建設工事の調達契約等 20 億 2,000 万円 特定役務のうち建築のためのサービスエンジニアリング・サービス その他の技術的サービスの調達契約 (※設計監理料等が該当) 特定役務のうち上記以外の調達契約 2 億円 2,700 万円 「地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令」 (平成7年政令第 372 号)第 3 条第 1 項 に規定する総務大臣の定める区分及び額 (イ) 指名競争入札 指名競争入札によることができる合理的な理由から一般競争に付する必要 がない場合及び適当でないと認められる場合においては「指名競争入札」に 付することができます。その場合は,契約を実施する伺い書(稟議書)に「指 名競争入札によることができる合理的な理由」を明記する必要があります。 指名競争入札によることができる合理的な理由 (1) 契約の性質又は目的が一般競争入札に適さない場合。 (2) 契約の性質又は目的により入札に加わるべき者の数が一般競争入札に付する必要がないと 認められる程度に少数である場合。 (3) 一般競争入札に付することが不利と認められる場合。 (ウ) 随意契約 a 随意契約によることができる合理的な理由 合理的な理由から一般競争入札又は指名競争入札に付することが適当でな いと認められる場合においては「随意契約」によることができます。 なお,随意契約を実施する場合も指名競争入札と同様,契約を実施する伺い 書(稟議書)に「随意契約によることができる合理的な理由」を明記する必要 があります。 - 29 - 随意契約によることができる合理的な理由 (1) 売買,賃貸借,請負その他の契約でその予定価格が下表に掲げる契約の種類に応じ,同表右欄 に定める金額を超えない場合。 契約の種類 金 額 1 工事又は製造の請負 250 万円 2 食料品・物品等の買入れ 160 万円 3 前各号に掲げるもの以外 100 万円 (2) 契約の性質又は目的が競争入札に適さない場合。 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 不動産の買入れ又は借入れの契約を締結する場合。 特殊な技術,機器又は設備等を必要とする工事で,特定の者と契約を締結 しなければ契約の目的を達成することができない場合。 既設の設備の密接不可分の関係にあり,同一施工者以外の者に施工させた 場合,既設の設備等の使用に著しい支障が生じる恐れがある設備,機器等 の増設,改修等の工事を行う場合。 契約の目的物が特定の者でなければ納入することができない場合。 契約の目的物が代替性のない特定の位置,構造又は物質である場合。 日常的に消費する食料品や生活必需品の購入について,社会通念上妥当と 認められる場合。 (3) 緊急の必要により競争に付することができない場合。 ① ② ③ ④ 電気,機械設備等の故障に伴う緊急復旧工事を行う場合。 災害発生時の応急工事及び物品購入等を行う場合。 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)等の感染を防止する消毒設備 の購入など,緊急に対応しなければ入所者処遇に悪影響を及ぼす場合。 前各号に掲げるもの以外 (4) 競争入札に付することが不利と認められる場合。 ① ② ③ 現に契約履行中の工事に直接関連する契約を現に履行中の契約者以外の 者に履行させることが不利である場合。 買入れを必要とする物品が多量であって,分割して買い入れなければ売惜 しみその他の理由により価格を騰貴させる恐れがある場合。(ただし,予 定価格が 500 万円以上の施設設備及び設備整備を行う場合を除く。 ) 緊急に契約をしなければ,契約する機会を失い,又は著しく不利な価格を もって契約をしなければならない恐れがある場合。(ただし,予定価格が 500 万円以上の施設設備及び設備整備を行う場合を除く。 ) (5) 時価に比して有利な価格等で契約を締結することができる見込みのある場合。(ただし, 予定価格が 500 万円以上の設備整備を行う場合を除く。) ① ② 物品の購入に当たり,特定の業者がその物品を多量に保有し,しかも他の 業者が所有している当該同一物品の価格に比して有利な価格でこれを購 入可能な場合。 価格及びその他の要件を考慮した契約で他の契約よりも有利となる場合。 - 30 - (6) 競争入札に付し入札者がいないとき,又は再度の入札に付し落札者がない場合。 この場合,履行期限を除くほか,最初競争入札に付するときに定めた予定価格その他の条件 を変更することはできない。 (7) 落札者が契約を締結しない場合。 この場合,落札金額の制限内でこれを行うものとし,かつ,履行期限を除くほか,最 初競争入札に付するときに定めた条件を変更することはできない。 b 随意契約を行う場合の必須事項 価格による随意契約(上記「随意契約によることができる合理的な理由」(1) の場合をいう。 )は, 「2社以上」の業者から「見積りを徴し比較する」ことが 原則です。 1社からの見積りで随意契約を締結する場合は,上記「随意契約によること ができる合理的な理由」表の(2)~(7)に該当することが必要です。 いずれの場合でも,伺い書(稟議書)に経理規程に定める随意契約理由を明 記することが必要です。 契約に関する対応 契約に関して,選択した契約方法の理由を確認してください。入札を実施すべき契約を,理 由なく随意契約にしていませんか。また,理由なく1社からの見積りだけで契約していないか, 契約締結の伺い書を確認してください。 (9) 入札時及び入札後に注意すべき事項 ア 立会い 入札を行う場合には,監事や,複数の理事(理事長を除く。)及び評議員(理事 長の親族その他特殊の関係がある者を除く。)が立ち会わなければなりません。 また,施設整備関係の入札を行う場合,盛岡市の施設所管課の職員の立会いを 求めることが望ましいものとされています。 イ 入札結果の整理 入札を行った場合には,入札が適正に行われた旨の立会人全員の署名とともに, 入札結果(入札参加業者名,落札業者名,入札金額及び落札金額等)を整理しな ければなりません。 ウ 工事の実施状況の確認 施設整備工事等の場合には,落札業者が一括下請けに付していないか,その後 の工事の実施状況を調査することが必要です。なお,一括下請けに付した場合は 国庫補助対象としないこととされています。 - 31 - (10) 資産の管理 ア 債権債務の管理 会計責任者は,経理規程の定めるところにより,毎月末日における債権債務の 残高の内訳を調査し,必要がある場合には,取引の相手方に対し残高の確認を行 う必要があります。 また,毎月,期限どおり債権の回収又は債務の支払いが行われていることを確 認し,期限どおりに履行されていない場合は,適切な措置をとらなければなりま せん。 イ 資金運用等 資産のうち現金は,確実な金融機関に預け入れ,確実な信託会社に信託し,又 は確実な有価証券に換えて保管する必要があります。 ただし,基本財産以外の資産(運用財産等)の現金の場合については,定款の 定めがある場合には,理事会の議決を経て,現金を株式に換えて保管することが 可能です。 ウ 通帳・証書及び印鑑の管理 金融機関との取引に使用する預貯金通帳又は証書及び印鑑は,異なる責任者が 法人内の異なる場所に厳重に保管し,預貯金の引出し等の際は,複数の責任者に よる関与とチェックが働くような管理体制を講じる必要があります。 通帳・証書及び印鑑の管理に関する対応 「預貯金通帳」と「印鑑」は,それぞれ別の「金庫」に保管しているか確認します。また, 別の金庫の鍵を同一人物が保管しないようにする必要があります。 通帳と印鑑が,同一人物が引き出せる状況にしていないことを確認してください。 エ 棚卸資産 貯蔵品等の棚卸資産は,品目ごとに受払簿を備え,移動及び残高を管理しなけ ればなりません。 また,会計責任者は,毎会計年度末において,棚卸資産の実地棚卸を行い,正 確な残高数量を確認する必要があることから,実際に行われたかを確認します。 オ 固定資産 (ア) 基本財産 基本財産は,社会福祉事業の用途に供する土地,建物,基本財産特定預金に区 分します。 そして,基本財産を処分し,又は担保に供する場合は,定款に定めるところに より,理事総数の3分の2以上の同意を得て,所轄庁の承認を得なければなりま せん。ただし,次の場合には承認を要しません。 - 32 - ① 独立行政法人福祉医療機構に対して基本財産を担保に供する場合 ② 独立行政法人福祉医療機構と協調融資(独立行政法人福祉医療機構の福祉貸付が行う 施設整備のための資金に対する融資と併せて行う同一の財産を担保とする当該施設整 備のための資金に対する融資をいう。以下同じ。)に関する契約を結んだ民間金融機 関に対して基本財産を担保に供する場合(協調融資に係る担保に限る。) なお,所轄庁の担保提供の承認審査に当たっては,次の要件が考慮されます。 担保提供の承認審査において考慮すべき要件 担保提供の目的の妥 当性 「法人の役員や役員の経営する会社の債務の担保に供する」など, 当該法人の事業とは無関係の目的で行う担保提供であってはなら ず,借入金の目的は社会福祉事業に当てられるべきものであるこ と。 担保提供の必要性 国又は地方公共団体からの十分な額の助成が見込めないこと。基 本財産以外に処分しうる財産が存在しないこと等の理由により, 基本財産の担保提供を行う以外に適当な資金調達手段が無いこ と。 担保提供方法の妥当 性 当該担保提供にかかる借入金について,適正な償還計画があり, かつ,法人に対する寄附金や事業収入の状況から判断して,償還 期間中に当該法人の事業運営に支障が生じないと認められるこ と。また,担保提供の承認の対象となる借入先が,地方公共団体, 社会福祉協議会のほか,確実な民間金融機関を含むものであるこ と。 担保提供に係る意思 決定の適法性 定款所定の手続を経ていること。 ただし,根抵当権の設定については認められません。根抵当権が設定されて いる場合は,解除を求めます。 (イ) その他の固定資産 その他の固定資産は,基本財産以外の「運用財産」である固定資産です。 なお,公益事業・収益事業の場合は,それぞれ「公益事業用資産」,「収益 事業用資産」と記載することが必要です。 取得,改良に関する支出及び処分に当たっては,理事長の専決事項として定 款細則又は専決・代決規程で定められております。 - 33 - 固定資産の管理に関する対応 基本財産は,法人の事業の基盤となるべき財産です。特に,基本財産の「処分」や「担保 提供」については,「所轄庁の承認」手続が必須であり,これを得ずに行われていないか確 認の必要があります。 なお,基本財産の取得や処分等は,理事会の要議決事項ですので,実施前に理事会の議決 を得ているか確認してください。 また,その他の財産についても,取得や処分において,理事長専決による承認を得て行っ ているか確認が必要です。 (ウ) 固定資産の管理 固定資産の管理については,使用状況を適正に管理する必要があります。以下 は管理手順の例です。 管理手順の例 ① 資産取得時に固定資産台帳に必要事項を記入する。 ② 年度末に固定資産の現物確認をして会計責任者より確認印を得る。 ③ 固定資産管理台帳を基に固定資産現在高報告書(減価償却明細書)を作成し て会計責任者と理事長より確認印を得る。 ④ 資産処分の際には,伺い書を作成し事前に理事長より承認印を得る ⑤ 処分後は,固定資産管理台帳に処分理由・処分日を明記する。 カ 引当金 引当金は,将来において事業活動計算の支出に計上されるもので,その発生が当 該会計年度以前の事象に起因し,発生の可能性が高く,かつ,その金額を合理的に 見積もることができるものを言います。当面,引当金は次の3つに限るとされてい ます。また,重要性の原則から計上しない場合も認められます。 引当金の種類 内容 ① 退職給付引当金 法人独自の制度により,職員に対して退職金を支給することが定められ ている場合には,将来支給する退職金のうち,その会計年度に負担すべき 金額を,その会計年度の費用に計上し,負債として認識すべき額を「退職 給付引当金」として計上します。 ② 福祉医療機構の実施する「社会福祉施設職員等退職手当共済制度」等外 部拠出型の退職金制度の場合は要拠出額の掛金を費用に計上します。 ③ 県等の実施する「退職共済制度」において,退職一時金制度等の確定給 付型を採用している場合は,約定の額を退職給付引当金に計上します(簡 便法もあり)。 賞与引当金 法人と職員との雇用関係に基づき,毎月の給料のほかに賞与を支給する場 合において,翌期に支給する職員の賞与のうち,支給対象期間が当期に帰属 する支給見込額を計上します。 徴収不能引当金 毎会計年度末において徴収することが不可能な債権を個別に判断し,当該 債権を徴収不能引当金に計上します。 上記以外の債権(一般債権)については,過去の徴収不能額の発生割合を 乗じた金額を徴収不能引当金として計上します。 - 34 - (11) 決算書・決算附属明細書の作成状況 ア 決算書(計算書類) 社会福祉法人会計基準に定められた社会福祉法人の財務諸表等の種類と様式は 次のとおりです。 (ア) 財務諸表(会計基準第1章2,注解(注1)) 財務諸表 作成区分 財 務 諸 表 附属 明細書 資金収支計算書 事業活動計算書 貸借対照表 法人全体 資金収支計算書 事業活動計算書 貸借対照表 (予算決算対比) (第 1 号の 1 様式) (第 2 号の 1 様式) (第 3 号の 1 様式) 法人全体 資金収支内訳表 事業活動内訳表 貸借対照表内訳表 (事業区分別に表示) (第 1 号の 2 様式) (第 2 号の 2 様式) (第 3 号の 2 様式) 各事業区分 事業区分資金収支内訳表 事業区分事業活動内訳表 事業区分貸借対照表内訳表 (拠点区分別に表示) (第 1 号の 3 様式) (第 2 号の 3 様式) (第 3 号の 3 様式) 各拠点区分 (拠点別予算決算対比) 拠点区分資金収支計算書 拠点区分事業活動計算書 拠点区分貸借対照表 (第 1 号の 4 様式) (第 2 号の 4 様式) (第 3 号の 4 様式) 各拠点区分 (サービス区分別に表示) 拠点区分資金収支明細書 拠点区分事業活動明細書 (別紙3) (別紙4) (イ) 財務諸表ごとの意味 a 資金収支計算書 会計年度における全ての「支払資金」の増加及び減少の状況を明瞭に表示 するものです。支払資金の状況は,表中,「事業活動による収支」,「施設整 備等による収支」 , 「その他の活動による収支」という3つの収支に区分して います。 資金収支計算書(第1号の1・4様式)は,「決算額」を「予算額」と対 比して記載する計算書です。また,資金収支内訳表(第1号の2・3様式) は事業区分・拠点区分ごとの支払資金の状況を集計した計算書です。 なお,各事業区分や拠点区分に共通する経費については,「合理的な基準 に基づき配分」します。 b 支払資金 次の式によって計算される法人の資金の収支です。「資金収支計算書」の 「当期末支払資金残高」と,貸借対照表の「支払資金残高」=「流動資産(支 払資金対象①)―流動負債(支払資金対象③)」は整合します。 支払資金残高 = [流動資産合計-(1 年基準により固定資産から振り返られたもの+棚卸資産- 貯蔵品)+徴収不能引当金]-[流動資産合計-(1 年基準により固定負債から振 り返られたもの+賞与引当金)] - 35 - 支払資金と貸借対照表勘定科目(会計基準注解注 6) 「支払資金残高」=①の合計-③の合計(②と④は含めない) 流動資産(①+②) ①支払資金対象 現金預金 有価証券 事業未収金 未収金 未収補助金 未収収益 受取手形 貯蔵品 立替金 前払金 前払費用 短期貸付金 事業区分間貸付金 拠点区分間貸付金 仮払金 その他の流動資産 流動負債(③+④) ②支払資金対象外 医薬品 診療・療養費等材料 給食用材料 商品・製品 仕掛品 原材料 1年以内回収予定長期 貸付金 1年以内回収予定事業 区分間長期貸付金 1年以内回収予定拠点 区分間長期貸付金 徴収不能引当金 ③支払資金対象 短期運営資金借入金 事業未払金 その他の未払金 支払手形 役員等短期借入金 未払費用 預り金 職員預り金 前受金 前受収益 事業区分間借入金 拠点区分間借入金 仮受金 その他の流動負債 ④支払資金対象外 1年以内返済予定設備 資金借入金 1年以内返済予定長期 運営資金借入金 1年以内返済予定リー ス債務 1年以内返済予定役員 等長期借入金 1年以内返済予定事業 区分間借入金 1年以内返済予定拠点 区分間借入金 1年以内支払予定長期 未払金 賞与引当金 c 事業活動計算書 当該会計年度における純資産の全ての増減内容を明瞭に表示するものです。 「事業活動計算書」は, 「サービス活動増減の部」, 「サービス活動外増減の部」, 「特別増減の部」及び「繰越活動増減差額の部」に区分されています。 事業活動計算書(第2号の1・4様式)は,決算額について「当年度」と 「前年度」と対比して記載する計算書です。また,事業活動内訳表(第2号 の2・3様式)は事業区分・拠点区分ごとの純資産の増減額を集計した計算 書です。 なお,各事業区分や拠点区分に共通する経費については, 「合理的な基準に 基づき配分」する点は資金収支計算書と同様です。 d 貸借対照表 当該会計年度末現在における全ての資産,負債及び純資産の状態を明瞭に 表示するものです。 「資産の部」, 「負債の部」及び「純資産の部」に区分する ものとされています。さらに資産の部は「流動資産」と「固定資産」に区分 し,負債の部は「流動負債」と「固定負債」に区分します。 イ 決算附属明細書 決算附属明細書とは,決算を正確に行い,決算数値の根拠を明らかにしておくた め,経理規程において,法人の管理資料として作成することとされている明細表で す。具体的には,次のものをいいます。 - 36 - 法人全体で 作成 拠点区分ご とに作成 別紙 様式等 別紙1 基本財産及びその他の固定資産(有形・無形固定資産)の明細書 ○ 別紙2 引当金明細書 ○ 別紙3 拠点区分資金収支明細書 ○ 別紙4 拠点区分事業活動明細書 別紙① 借入金明細書 ○ 別紙② 寄附金収益明細書 ○ 別紙③ 補助金事業等収益明細書 ○ 別紙④ 事業区分間及び拠点区分間繰入金明細書 ○ 別紙⑤ 事業区分間及び拠点区分間貸付金(借入金)残高明細書 ○ 別紙⑥ 基本金明細書 ○ 別紙⑦ 国庫補助金等特別積立金明細書 ○ 別紙⑧ 積立金・積立資産明細書 ○ 別紙⑨ サービス区分間繰入金明細書 ○ 別紙⑩ サービス区分間貸付金(借入金)残高明細書 ○ 別紙⑪ 就労支援事業別事業活動明細書 ○ 別紙⑫ 就労支援事業別事業活動明細書(多機能型事業所等用) ○ 別紙⑬ 就労支援事業製造原価明細書 ○ 別紙⑭ 就労支援事業製造原価明細書(多機能型事業所等用) ○ 別紙⑮ 就労支援事業販管費明細書 ○ 別紙⑯ 就労支援事業販管費明細書(多機能型事業所等用) ○ 別紙⑰ 就労支援事業明細書 ○ 別紙⑱ 就労支援事業明細書(多機能型事業所等用) ○ 別紙⑲ 授産事業費用明細書 ○ ○ (12) 決算書(計算書類)のチェック ア 異常点の把握 効率的・効果的な監査を実施するため,監事は,「事業活動計算書及び貸借対照 表における大幅な増減(対前年度末)」及び「資金収支計算書における予算・決算 間の大幅な差異」に着目し,これらの大幅な増減又は差異があった場合には,会計 責任者等より発生原因を伺い,合理的な理由の有無を確認してください。 イ 整合性の確認 財務三表の整合性は次のとおりです。 (ア) 財務三表の各様式の整合性 a 資金収支計算書 【第1号の1様式】当期末支払資金残高(決算B) =【第1号の2様式】当期末支払資金残高(法人合計) =【第1号の3様式】当期末支払資金残高(事業区分合計) の「社会福祉事業区分」,「公益事業区分」,「収益事業区分」の合計額 =【第1号の4様式】当期末支払資金残高(決算B) の全ての「拠点区分」の合計額 - 37 - b 事業活動計算書 【第2号の1様式】次期繰越活動増減差額(当年度決算A) =【第2号の2様式】次期繰越活動増減差額(法人合計) =【第2号の3様式】次期繰越活動増減差額(事業区分合計) の「社会福祉事業区分」,「公益事業区分」,「収益事業区分」の合計額 =【第2号の4様式】次期繰越活動増減差額(当年度決算A) の全ての「拠点区分」の合計額 c 貸借対照表 【第3号の1様式】次期繰越活動増減差額(当年度末) =【第3号の2様式】次期繰越活動増減差額(法人合計) =【第3号の3様式】次期繰越活動増減差額(事業区分合計) の「社会福祉事業区分」,「公益事業区分」,「収益事業区分」の合計額 =【第3号の4様式】次期繰越活動増減差額(当年度末) の全ての「拠点区分」の合計額 (イ) 資金収支計算書と貸借対照表との関係 【資金収支計算書】当期末支払資金残高=【貸借対照表】流動資産―流動負債 ※ この時,流動資産及び流動負債の計算にあたっては,1年基準により固定 資産又は固定負債から振り替えられた流動資産や流動負債,引当金,並び に棚卸資産(貯蔵品を除く)を除いて計算します。 (ウ) 事業活動計算書と貸借対照表との関係 【事業活動計算書】次期繰越活動増減差額=【貸借対照表】次期繰越活動増減差額 ウ 残高証明書等との照合 (ア) 残高証明書 社会福祉法人が保有する次のような金融資産及び金融負債については,残高証 明書を入手することが必要です。 ○ ○ ○ 〇 金融機関等への全ての預金 金融機関等からの全ての借入金 証券会社等へ保護預けしている有価証券(この場合は,保護預り証明書) なお,会計年度末の残高を確認するため,残高証明書は必ず当該年度の「3月31日現 在」の「全取引」の内容で作成されている必要があります。 (イ) 貸借対照表,財産目録との照合 貸借対照表及び財産目録における預金,借入金等の金額と残高証明書の残高は, 原則として一致します。 ただし,当座預金について,「未取付小切手」がある場合等においては,法人の 会計処理上の残高と残高証明書の残高は必ずしも一致しません。 - 38 - この場合,法人において「当座預金残高調整表」を作成し,残高不一致の原因を 明らかにする必要が生じます。 エ 事業区分間,拠点区分間及びサービス区分間の資金移動の確認 (ア) 区分の考え方 社会福祉法人会計基準において,事業区分,拠点区分及びサービス区分という 区分が示されました。拠点区分が予算管理の単位となります。 区分名 会計の区分方法 会計単位 法人全体のあらゆる事業をひとつの会計単位とします。 事業区分 社会福祉法人の実施する事業が「社会福祉事業」,「公益事業」,「収 益事業」のいずれであるかにより,属する事業区分を決定します。 拠点区分 一体として運営される施設,事業所または事務所をもって一つの拠点区 分とします。公益事業や収益事業は別の拠点区分とします。拠点区分は予 算管理の単位です。 サービス区分 拠点区分において実施する複数の事業について,法令等の要請により, それぞれの事業ごとの事業活動状況または資金収支の把握が必要な場合に 設定します。サービス区分を設定する場合は,拠点区分資金収支明細書(別 紙3)及び拠点区分事業活動明細書(別紙4)を作成します。 その他 法人本部は,法人の自主的な決定により拠点区分又はサービス区分とす ることができます。 会計単位 事業区分 … 社会福祉法人 拠点区分 社会福祉事業 …… 公益事業 … 収益事業 サービス区分 …… X事業 ……… A拠点 ……… Y事業 …… B拠点 …… Z事業 (イ) 資金移動に伴う明細書の作成 法人内において,事業区分間,拠点区分間及びサービス区分間で資金移動が行 われている場合は,「事業区分間及び拠点区分間繰入金明細書」,「事業区分間 及び拠点区分間貸付金(借入金)残高明細書」「サービス区分間繰入金明細書」「サ ービス区分間貸付金(借入金)残高明細書」を作成します。 (ウ) 資金移動の制限 事業区分,拠点区分及びサービス区分間の資金の移動には次のとおり制限があり ます。 資金貸付けの制限 資金の貸付けの制限は,事業ごとに異なる。資金貸付けの制限 に抵触していないか,監査対象の施設に関する制限を確認します。 資金繰入等の制限 資金の繰入等の制限についても事業ごとに異なる。監査対象の 施設に関する制限を確認した上で,資金繰入等の制限に抵触して いないかをチェックする必要があります - 39 - オ 財務状況等の確認 当期活動増減差額が赤字の場合はその理由,未払金,仮払金,借入金がある場合 はその内容など,財務状況や経営方針に問題がないか確認し,必要に応じて詳細な 分析を求めるなど,経営改善に向けた取組を促す必要があります。 (13) 決算監査時の確認処理(実査) 決算監査を行う場合は,本来は決算日翌日に監事が自ら「現金」,「預金通帳」, 「手許保管の有価証券」,「固定資産」の実際の状況を確認すること(実査)が望 ましいのですが,実際に行うことができない場合も想定されます。 このため,「金銭残高金種別表」「固定資産管理台帳」のような書類が作成され ている場合には,職員等が行った「実査」の結果を書類で確認することにより,監 事自ら行う「実査」に代えることも可能です。 監査時の実査ポイント (1) 貸借対照表の「現金預金」のうち現金残高について,決算日現在の「金銭残高金種別 表」により確認する。 (2) 法人名義の全ての「通帳」,「当座勘定照合表」,「定期預金証書」等を入手し,決 (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) 算日現在の残高が全て貸借対照表に計上されているか確認する。(残高のゼロ確認も 含む。) 手許保管分の全ての有価証券を入手し,全ての有価証券が貸借対照表に計上されてい るか確認する。 全ての預貯金,有価証券が法人名義になっているか確認する。 預貯金,有価証券が,安全確実なものであるか確認する。 固定資産管理台帳が,職員の現物確認(実地棚卸)に基づき作成されているかを確認 する(写真が添付されていると良い)。 年度内に新たに購入した物品や処分した物品について,固定資産管理台帳に掲載され ているかについて確認する。 固定資産現在高報告書が,固定資産管理台帳に基づき作成されているかを確認する。 決算日現在の残高が,貸借対照表の固定資産の部に計上されているか確認する。 (14) 入所者預り金 ア 入所者の年金等の扱い 施設入所者の年金等の金銭の管理については,本人が行います。 しかし,「知的障害者」,「認知症高齢者」など,意思能力が十分でない利用者 については,「日常生活自立支援事業」や「成年後見制度」を活用することができ ず,運営する施設において「入所者等の金銭」をやむを得ず管理しなければならな い場合には,金銭管理に係る「保護者等の承認」を得るなどの手続を,適切に行わ なければなりません。この手続が適正に行われているかを確認します。 また,施設の入所者から預かっている金銭等は,法人に係る会計とは別に管理し なければなりません。よって,経理が混同していないか確認することも必要です。 なお,社会福祉法人の財務諸表「預り金」勘定科目には,入所者預り金を含めて 計上してはいけませんので,総勘定元帳において,内容確認も必要です。 - 40 - イ 管理の流れ 入所者預り金の管理の流れは,次のとおりです。 1 2 3 4 5 入金・出金の依頼 入金・出金の処理 証憑書類の整備 預金通帳への記帳 預り金出納簿への記帳 ウ 管理上の注意事項 預り金管理上の留意点は,次のとおりです。 1 2 3 本人(又は家族等)からの申出により,契約書を交わした上で行うこと。 金銭の出し入れについては,必ず書類により記録を残すこと。 預り金収支状況について,定期的に本人(又は家族等)へ報告すること (四半期に1回以上)。 - 41 - 3 その他の状況 (1) 他の監査機関の活用 社会福祉法人においては,監事による監査のほか次の監査等が行われています。 1 2 3 所轄庁による行政監査 監査法人等による外部監査 第三者評価 監事監査を行うに当たって,これらの監査結果及び指摘事項の有無及びその内容 を確認することは,大変有効です。 また,監事は,理事会に参加する機会も多く,第三者委員として苦情を把握する 機会もあり,法人の運営状況を誰よりも客観的に見ることのできる立場にいます。 このことから,監事による監査は,行政等の監査とは別に,より実際の現場に近 い監査を行うことができます。 (2)現況報告書 現況報告書は,社会福祉法の規程に基づき,社会福祉法人の概要を所轄庁に報 告するものとして作成が義務付けられています。その内容は社会福祉法人の概要 を把握するのに役立ちます。 なお,平成 26 年度に社会福祉法人審査基準が改正され,社会福祉法人は自らの ホームページに現況報告書及び財務諸表を掲示することが義務付けられました。 そのため,法人の状況が,所轄庁だけでなく,広く一般に周知されることになり ます。 一層の運営管理が求められますので,留意してください。 なお,現況報告書のホームページへの掲載時期は,所轄庁への届出後(提出期 限は毎年6月 30 日)となります。 社会福祉法人がホームページに掲載しなければならない書類 ① ② ③ 社会福祉法人現況報告書(総括表含む) 財務諸表 資金収支計算書(第 1 号の 1 様式) 資金収支内訳表(第 1 号の 2 様式) 事業活動計算書(第 2 号の 1 様式) 事業活動内訳表(第 2 号の 2 様式) 貸借対照表(第 3 号の 1 様式) 貸借対照表内訳表(第 3 号の 2 様式) 注記(法人全体用) 現況報告書の基本構成 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 事業の内容 … 役員の状況 … 理事会・評議員会の開催状況 基本財産の概要 … 登記の状況 … 総括表 … … - 42 - 実施している事業と施設の状況 役員・評議員の職名,選任理由 審議された内容 法人の基本となる資産の状況 その他の情報 法人の財務諸表の概要 4 参考となる確認状況 (1) 人事関係 従業員の人事・労務管理が,労働関係法令等に従って適正に行われているか,人 材の確保や資質向上のための取組が適切に行われているか等についても,監事監査 において,確認してください。 確認のポイント ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 24 条協定・36 条協定が適正に締結され,必要に応じて労働基準監督署に届出され ているか。 就業規則と就業実態が異なっていないか。 宿日直勤務について労働基準監督署の許可を得ているか。 職員への健康診断等が適切に実施され,記録が整備されているか。 職員の資質向上を図るため,職員研修について具体的計画が立てられているか。 職員の確保及び定着化は図られているか。 ○給与・手当や福利厚生などの処遇改善(退職手当共済制度に加入するなど退職 手当制度の整備を含む。)に努めているか。 〇年度内に多数の退職者が発生していないか。 等 (2) 施設・事業の運営管理 各施設・事業所は,それぞれ国通知や条例で定める「最低基準・運営基準」等を 踏まえて運営する必要があります。また,施設利用者への処遇,防災対策,感染症 予防対策,事故防止対策等についても,適切に行われているか確認することは,施 設運営に大いに貢献します。 なお,施設・事業所に対しても,行政は指導監査・実地指導を行っています。 直近の指摘事項の有無・内容を確認してください。指摘がある場合は,指摘が改 善されたか否か,状況を確認してください。 施設管理の確認のポイント ① 施設管理 ② 利用定員及び居室の定員が遵守されているか。 配置基準に基づく必要な職員数が確保されているか。 施設設備の維持管理が適正に行われているか。利用者が過ごしやすい環境 が整っているか。 非常災害対策 避難の際の支障となる物品等が,非常口の前に置かれていないか。 消防計画は作成されているか。変更届出は遅延していないか。 消火設備の安全点検は6箇月に1回行われているか。 避難訓練は,適正に行われているか。 - 43 - ③ 衛生・感染症対策 ④ 新型インフルエンザをはじめとした感染症対策マニュアルが作成され,職 員等の研修や必要な訓練等が行われているか。 手洗い場にはペーパータオルが設置されているか。 検食は適正な時間に実施されているか。味の感想が漫然と記載されていな いか。 事故発生対策 事故が発生した場合の対応,事故発生の防止のための指針が整備されてい るか。 事故が発生した場合又はその危険が生じた場合に,当該事実が報告され, その防止・改善策について,職員に周知徹底を図る体制が整備されている か。 事故発生の防止のための委員会及び職員に対する研修が定期的に行われて いるか。 (3) 重要事項説明書の交付 重要事項説明書の交付が適正に行われているか確認することも重要です。 社会福祉事業を経営する事業者は,利用契約が成立したときには,利用者に対し, 契約上のいわゆる「重要事項」を記載した書面(重要事項説明書)を交付しなけれ ばならないこととされています(社会福祉法第77条)。 社会福祉法第77条で定められている重要事項 ① ② ③ ④ ⑤ 事業者の名称及び主たる事務所の所在地 提供する福祉サービスの内容 福祉サービスについて利用者が支払うべき額 福祉サービスの提供開始年月日 福祉サービスに係る苦情を受け付ける窓口 当該規定を踏まえ,介護保険や障害福祉サービス事業者の運営基準において も,利用者に重要事項を説明し,利用者の同意を得ることが規定されている。 - 44 - Ⅳ 参考資料 以下に,社会福祉法人が監事監査を行う資料を添付します。参考にしてください。 社会福祉法人○○○ 監事監査実施規程(例) (目的) 第1条 この規程は,社会福祉法人○○○(以下「法人」という。)の監事による法 人の理事の業務執行の状況及び財産の状況に関する監査(以下「監査」という。) の実施について必要な事項を定める。 (監事の責務) 第2条 監事は,法人の運営に関する広い知識と深い理解をもって,注意を尽くして 監査を行い,法人の適正かつ健全な運営に資するよう努めなければならない。 2 監事は,事実の調査,認定及び意見の表明を行うに当たっては,常に公正な態度 を保持するとともに,職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職を退 いた後も,同様とする。 (監査の種別) 第3条 監査の種別は,決算監査及び随時監査,出納調査とする。 2 決算監査は,毎会計年度終了後2箇月以内に決算評議員会及び決算理事会に先立 って行う監査をいう。 (注)評議員会を設置していない法人にあっては,「決算評議員会及び」を削除する。 3 随時監査は,決算監査以外で監事が必要と認めるときに行う監査をいう。 4 出納調査は,各事業年度において,あらかじめ時期と内容を定めて計画的に行う 出納状況の確認調査をいう。 (決算監査) 第4条 決算監査は,事業報告書(案)及び決算報告書(案)の作成後,決算評議員 会及び決算理事会の○○日前までに,十分な時間をかけて行う。 (注)評議員会を設置していない法人にあっては,「決算評議員会及び」を削除する。 2 決算監査は,理事の業務執行の状況及び法人の財産の状況の全般について行い, 事業報告書(案)及び決算報告書(案)が適正に作成されているかを検査する。 (随時監査) 第5条 随時監査は,監事が必要と認めるときに,適宜日程及び内容を定めて行う。 - 45 - 2 理事長は,随時監査の実施に協力しなければならない。ただし,対応が困難な特 別の事情がある場合は,延期又は内容の変更を求めることができる。 (監査の実施通知) 第6条 監事は,監査を行うに当たり,次に掲げる事項等を別紙様式1により理事長 に通知する。ただし,監査の実施に支障がない場合は通知を省略することができる。 (1) 監査の日時及び場所 (2) 監査の種別及び内容 (3) 出席を求める者 (4) 準備すべき書類 (監査結果の報告) 第7条 監事は,監査の終了後,別紙様式2により監査報告書を作成する。 2 監査報告書には,次に掲げる事項等を記載する。 (1) 監査の実施日時 (2) 監査の種別 (3) 監査を実施した監事名 (4) 監査内容 (5) 監査意見 3 監事は,監査種別に応じて,監査報告書及び監査の際に使用した監事監査チェッ クリストを次の者に提出する。 (1) 決算監査 理事会,評議員会及び所轄庁 (2) 随時監査 理事会,評議員会及び所轄庁 (3) 出納調査 理事長 (注)評議員会を設置していない法人にあっては,「評議員会及び」を削除する。 4 不整の点がある場合は,前項第3号の規定にかかわらず,監事は理事会及び評議 員会にも出納調査結果(様式5)を提出する。 (注)評議員会を設置していない法人にあっては,「評議員会」を「所轄庁」とする。 5 監事は,決算監査については必ず,随時監査については必要に応じて,評議員会 及び理事会に出席し,監査の結果(監事監査チェックリストを含む。)を報告する。 (注)評議員会を設置していない法人にあっては,「評議員会及び」を削除する。 6 監事は,前項の報告をするため必要があるときは,理事長に対して評議員会及び 理事会の招集を請求する。 (注)評議員会を設置していない法人にあっては,「評議員会及び」を削除する。 - 46 - (是正又は改善) 第8条 理事長は,監査の結果,是正又は改善をすべき事項がある場合は,必要に応 じて理事会において是正又は改善方策を審議し,適切に是正又は改善を行う。 2 理事長は,是正又は改善した結果を別紙様式3により監事に報告する。 (出納調査) 第9条 出納調査は,各事業年度において,理事長に対し,その実施日程及び内容を 別紙様式4のとおり通知の上で行う。 2 監事は,調査実施後,速やかに調査結果について別紙様式5のとおり報告する。 3 理事長は,対応が困難な特別の事情がある場合は,監事に対し延期又は内容の変 更を求めることができる。 (補則) 第10条 この規程に定めるもののほか,監査の実施に関し必要な事項は,監事の意見 を聴いて理事長が定める。 附 則 この規程は,平成 年 月 日から施行する。 - 47 - 様式1(第6条関係) 監 事 監 査 通 知 書 平成 社会福祉法人○○○ 理事長 ○ ○ ○ ○ 年 月 日 様 監 事 印 ○ 監 事 印 ○ 社会福祉法第40条並びに社会福祉法人○○○定款第○○条及び監事監査実施規程に 基づき,下記のとおり監査を実施します。 記 1 2 3 4 5 6 日 時 場 所 監査の種別 監査の内容 出席を求める者 準備すべき書類 平成 決算監査 年 月 日( ・ ) ○○:○○ 随時監査 - 48 - ~ ○○:○○ 様式2(第7条関係) ※理事長・評議員会に提出する書式 監 事 監 査 報 告 書 平成 社会福祉法人○○○ 理事長 ○ ○ ○ ○ (理事会,評議員会) 年 月 日 様 監 事 印 ○ 監 事 印 ○ 社会福祉法第 40 条並びに社会福祉法人○○○定款第○○条及び監事監査実施規程 に基づき,下記のとおり監査結果を報告します。 なお,指摘事項については,早急に改善し,その結果について報告してください。 記 1 2 3 監査日時 監査の種別 実施場所 4 立会人等 5 6 監査結果 監査内容 平成 年 月 日 時 決算監査 ・ 随時監査 名称 ( 住所 ( 役職名( 氏名 ( 認 定 ・ 不認定 監査事項 1 2 3 分 意見(該当数字に○) 1 理事の業務 2 執行の状況 適正と認められます。 右のとおり改善を要する事項が認 められたので,速やかな是正・改善 を求めます。 1 法人の財産 2 管理の状況 適正と認められます。 右のとおり改善を要する事項が認 められたので,速やかな是正・改善 を求めます。 1 2 適正と認められます。 右のとおり改善を要する事項が認 められたので,速やかな是正・改善 を求めます。 その他 監査項目の内容 ~ 別紙 監事監査チェックリストのとおり。 - 49 - 時 分 ) ) ) ) 指摘事項 様式2(第7条関係) ※所轄庁に提出する書式 監 査 報 告 書 平成 盛岡市長 ○ ○ ○ ○ 年 月 日 様 監 事 印 ○ 監 事 印 ○ 社会福祉法第 40 条並びに社会福祉法人○○○定款第○○条及び監事監査実施規程 に基づき,下記のとおり監査結果を報告します。 記 1 2 3 監査日時 監査の種別 実施場所 4 立会人等 5 6 監査結果 監査内容 平成 年 月 日 時 決算監査 ・ 随時監査 名称 ( 住所 ( 役職名( 氏名 ( 認 定 ・ 不認定 監査事項 1 2 3 分 意見(該当数字に○) 1 理事の業務 2 執行の状況 適正と認められます。 右のとおり改善を要する事項が認 められたので,速やかな是正・改善 を求めます。 1 法人の財産 2 管理の状況 適正と認められます。 右のとおり改善を要する事項が認 められたので,速やかな是正・改善 を求めます。 1 2 適正と認められます。 右のとおり改善を要する事項が認 められたので,速やかな是正・改善 を求めます。 その他 - 50 - ~ 時 分 ) ) ) ) 指摘事項 別紙 監事監査チェックリスト 監査実施日 平成 年 監査実施者名 1 月 日 実施場所 印 印 印 理事の業務の状況(業務監査) はい いいえ 非該当 定款は定款準則に準じているか。 □ □ □ 定款に記載されている事業が行われているか。 □ □ □ 定款に記載されていない事業が行われていないか。 □ □ □ 年間事業計画に従って事業が適切に遂行されているか。 □ □ □ 中長期計画が作成されて,計画に従い運営されているか。 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 各規程の変更は,定款等に定める所定の手続を経て行われて いるか。 □ □ □ 役員,評議員の選任手続は,定款の定めに従い行われている か。 □ □ □ 役員・評議員の欠員が,3箇月以上継続していないか。 □ □ □ 役員,評議員名簿 就任承諾書,委嘱状, 履歴書,理事会議事 録,評議員会議事録 代表者の職務代理者を,定款に基づき指名しているか。 □ □ □ 理事会議事録 代表者の重任・変更について 2 週間以内に登記されているか。 □ □ □ 法人登記簿謄本 理事会,評議員会の開催手続は,定款の定めに従って行われ ているか。 □ □ □ 理事会・評議会議事 録 理事会・評議員会の開催時期,開催通知時期及び開催回数は 適切か。 □ □ □ 理事会・評議員会は定足数を満たしているか。 □ □ □ 理事会・評議員会の要議決事項について審議されているか。 □ □ □ 理事会・評議員会の議決は,議決要件を満たしているか。 □ □ □ 「日常の業務として理事長が専決する事項」が定款細則又は 専決規程等で明確に定められているか。 □ □ □ 理事会・評議員会要議決事項について,正当な理由無く理事 長専決が行われていないか。 □ □ □ 施設長の専決区分が明確に規定されていないにもかかわら ず,施設長専決が行われていないか。 □ □ □ 特別の利害関係を有する理事・評議員が決議に加わっていな いか。 □ □ □ 議事録に,審議経過・議決内容等が正確に記録されているか。 □ □ □ 種別 事 業 概 要 確認項目 確認書類 定款,議事録,事業 計画書,事業報告書, 社会福祉法人現況報 告書,中・長期計画 書 次の規定が整備されているか 規 程 役 員 , 理 事 会 , 評 議 員 会 に 関 す る 事 項 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 定款 定款(施行)細則 経理規程 就業規則(非常勤職員・パート職員含む) 給与規程(非常勤職員・パート職員含む) 役員報酬規程 公印・文書管理規程 職員旅費規程 その他( ) - 51 - 各規程,理事会・評 議員会議事録 理事会・評議員会開 催通知,理事会・評 議員会議事録 伺い書 定款,定款細則, 専決代決規程 理事会・評議員会議 事録 関 す る 事 項 役 員 , 理 事 会 , 評 議 員 会 に 人 事 労 務 管 理 施 設 運 営 質 の の向 取上 組の た め 福 祉 サ ー ビ ス の 議事録には,議長及び議事録署名人が署名又は記名押印して いるか。 □ □ □ 議事録に,議案・審議資料が添付されて,散逸しないように 袋とじの上,保存されているか。 □ □ □ 役員報酬・費用弁償について,支給規程のとおり支給してい るか。 □ □ □ 役員報酬の額は,勤務実態からみて妥当か。 □ □ □ 総勘定元帳,給与台 帳,役員報酬・費用 弁償規程,その他報 酬支給が分かるもの 施設長の任免に当たっては,理事会の議決を経ているか。 □ □ □ 議事録 施設長は有資格者が就任しているか。 □ □ □ 資格証,研修受講証 明書 就業規則・給与規程等の改正に当たっては,理事会において 決議されているか。 □ □ □ 就業規則,給与規程, 理事会議事録 全ての施設に管理運営規程が制定されているか。 □ □ □ 施設管理運営規程 各施設は,関係法令通知による設置及び運営の基準に則して 適正に運営されているか。 □ □ □ 施設関連通知。施設 開設認可書,指定書 福祉サービスの質の評価を行い,サービスの質の向上を図る ための措置を講じているか。 □ □ □ 自己評価記録 第三者評価受審結果 福祉サービスに関する苦情解決の取組(体制の整備,利用者 への周知,苦情への適切な対応と記録等)が行われているか。 □ □ □ 苦情対応マニュア ル,,苦情処理記録 - 52 - 理事会・評議員会議 事録 2 法人の財産の状況(業務監査) 種別 はい いい え 非該 当 □ □ □ □ □ □ 現金出納帳 預金(貯金)出納帳 小口現金出納帳 有価証券台帳 未収金台帳 貯蔵品台帳(棚卸資産受払台帳) 立替金台帳 前払金台帳 貸付金台帳 仮払金台帳 固定資産管理台帳 リース資産管理台帳 差入保証金台帳 長期前払費用台帳 未払金台帳 預り金台帳 前受金台帳 仮受金台帳 借入金台帳 退職給付引当金台帳 基本金台帳 寄附金品台帳 補助金台帳 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 当初予算は年度開始前に作成しているか。 □ □ □ 拠点区分ごとに収入及び支出の予算(資金収支予算書)を作 成しているか。 □ □ □ 月次試算表等を活用し,予算の執行状況を適切に管理してい るか。 □ □ □ 補正予算は,支出額が予算額を超える前の適切な時期に作成 され,理事会の同意を得ているか。 □ □ □ 経理規程の定めにより予算上の予備費使用又は勘定科目間 流用を行っている場合,適正な手続により行われているか。 □ □ □ 会計責任者(統括会計責任者)が任命されているか。 □ □ □ 会計責任者と出納職員の兼務がなく,職務分担が明確になさ れているか。 □ □ □ 固定資産管理責任者が任命されているか。 □ □ □ 会計責任者(統括会計責任者),出納職員に辞令は交付され ているか。 □ □ □ 確認項目 主要簿として次のものが作成されているか。 仕訳日記帳(会計伝票) 総勘定元帳 備考 補助簿として次のものが作成されているか。 会 計 帳 簿 の 作 成 状 況 予 算 管 理 会 計 担 当 職 員 - 53 - 当初予算書 補正予算書 経理規程 予備費使用手続書類 科目間流用手続書類 人事関係書類 職務分担表 辞令写し 会 計 伝 票 収 入 支 出 支 出 会計伝票は,取引先からの請求書等の証憑に基づいて作成さ れ,勘定科目,取引年月日,数量,金額,相手方及び取引内 容が記載されているか。 □ □ □ 会計伝票は,経理規程に定めるところにより会計責任者等の 承認印を受けているか。 □ □ □ 証憑は,会計記録との関係を明らかにして整理保存されてい るか。 □ □ □ 入金された金銭を,一旦金融機関に預けているか。(入金後 そのまま支出に充てていないか) □ □ □ 寄附金の収納に際し,寄附申込書を徴しているか。 □ □ □ 寄附金の領収証に連番が付されているか。 □ □ □ 寄附の状況が理事会に報告されているか。 □ □ □ 取引業者,入所者及びその家族,職員などの関係者からの寄 附について,自由な意思に基づいて行われているか。また関 係者に便宜を図るなど業務の公正の観点から問題はないか。 □ □ □ 小口現金の取扱限度額が経理規程に定められているか。 □ □ □ 小口現金が経理規程に定める取扱限度額を超えて利用され ていないか。 □ □ □ 小口現金出納帳の記帳が証憑書類に基づき正確になされ残 高に誤りはないか。 □ □ □ その他資産に計上された立替金,前払金,仮払金の各科目に ついては,その実在性を確かめ,支払先及びその発生原因を 記載した明細表が作成されているか。 現金出納帳 預金出納帳 寄附金品台帳 寄附金収益明細表 寄附申込書 寄附金品領収証(控) 経理規程 小口現金出納帳 金銭残高金種別表 小口現金出納帳 □ □ □ 人件費の支払額,支払時期,支払方法等は適正か。(必要に 応じて給与台帳に記載されている職員が実在しているかも 確認) □ □ □ 定款細則等で定められた理事長が専決できる範囲を超えて いる取引については,理事会で承認されているか。 (納品書, 請求書等により取引の実在性を確認) □ □ □ 立替金台帳 前払金台帳 仮払金台帳 給与台帳 出勤簿 預り金台帳 源泉徴収票(控) 委託契約関係書類 業務委託は,経理規程に定めるところにより適正な手続で契 約され,委託内容に照らして妥当な水準の委託料か。(日常 の取引でないものについては,必要に応じて,取引が実際に 存在するかどうかを確認すること。) □ □ □ 支出手続は,受領する権利を有するものからの請求書,その 他取引を証する書類に基づき行われているか。 □ □ □ 支出手続の際は,事前に会計責任者の承認を得た上で行って いるか。 □ □ □ - 54 - 総勘定元帳 会計伝票(仕訳伝票) 証憑 支出伺い,請求書 残 高 の 確 認 ・ 月 次 報 告 契 約 状 況 資 産 の 管 理 日々の取引の記帳が証憑書類に基づき正確に行われている か。 □ □ □ 小口現金出納帳の記帳が証憑書類に基づき正確になされ残 高に誤りはないか。 □ □ □ 現金の管理が適正に行われ,残高に誤りはないか。 □ □ □ 預金の管理が適正に行われ,残高に誤りはないか。 □ □ □ 出納職員は,毎日の現金出納終了後,残高確認を行っている か。 □ □ □ 預貯金について,預金残高明細表を作成しているか。 □ □ □ 預金残高明細表合計額は,決算書残高と一致しているか。 □ □ □ 預金残高明細表上の金額は,銀行からの残高証明書と一致し ているか。 □ □ □ 上記の預金残高明細表には,その他の固定資産 (大区分)に 含まれる特定預金も区分して記載しているか。 □ □ □ 各月の拠点区分ごとの資金収支,事業活動収支の状況を整理 した月次試算表を作成しているか。 □ □ □ 契約が経理規程に定められた方法によって行われているか。 □ □ □ 100 万円を超える契約は契約書が作成されているか。また, 100 万円以下の契約は軽微な場合を除き請書等を徴してい るか。 □ □ □ 金額による随意契約の際は,原則2者以上より見積りを徴し ているか。 □ □ □ 競争入札すべき金額の契約であるにもかかわらず,特別の理 由なく随意契約していないか。 □ □ □ 契約に当たって決定行為を経ているか。 □ □ □ 不動産を国又は地方公共団体以外の者から借用している場 合は,賃借料は地域の水準よりも極力低額となっているか。 □ □ □ 入札が行われた場合には,監事や複数の理事,評議員が立ち 会っており,入札が適正に行われているか。 □ □ □ 経理規程の定めるところにより,毎月末日における債権債務 の残高の内訳を調査し,必要がある場合には,取引の相手方 に対し,残高の確認をしているか。 □ □ □ 債権の回収又は債務の支払いは毎月期限どおりに行われて いるか。 □ □ □ 未回収の古い債権が残っている場合,回収努力がなされてい るか。 □ □ □ 株式の購入,投資信託等を行っている場合,定款に規定され ており,かつ理事会で審議されているか。 □ □ □ 株式,投資信託等について多額の損失又は含み損が生じてい ないか。 □ □ □ 通帳・証書と銀行印が,異なる責任者の下で異なる場所に厳 重に管理され,資金移動に際してもこれらの職員の相互牽制 が機能しているか。 - 55 - 小口現金出納帳 現金出納帳 小口現金出納帳 預金(貯金)出納帳 預貯金通帳 預金残高明細表 銀行の残高証明書 契約関係書類 経理規程 入札記録 □ □ □ 未収金台帳 未払金台帳 定款 有価証券台帳 理事会議事録 預貯金通帳・証書 銀行印 資 産 の 管 理 公印管理規程が適正な内容で整備され,実態上も公印が厳重 に管理されているか。 □ □ □ 公印管理規程 公印使用簿 貯蔵品等の棚卸資産は,品目ごとに受払簿を備え,移動及び 残高を管理しているか。 □ □ □ 貯蔵品台帳 棚卸資産受払台帳 固定資産の取得,処分等の状況が固定資産管理台帳に適正に 記載され,管理されているか。 □ □ □ 土地,建物について基本財産と運用財産(その他の固定資産) との区分は適正か。 □ □ □ 基本財産は,定款記載の基本財産と一致しているか。 □ □ □ 土地,建物等登記の対象となる資産は,所有権の登記が適正 になされているか。 □ □ □ 基本財産の取得の際は,事前に理事会で議決を得ているか。 □ □ □ 基本財産を処分又は担保提供している場合,理事会で議決 し,所轄庁の承認を得ているか。 □ □ □ 基本財産以外の固定資産の取得及び改良のための支出並び に処分する際は,事前に理事長の承認を得ているか。 □ □ □ 引当金は,種類ごとに適正に積算し計上されているか。(徴 収不能引当金,賞与引当金,退職給付引当金) □ □ □ 資産総額の変更登記は5月末日までになされているか。 □ □ □ 【法人全体】 資金収支計算書(第1号の1様式) 事業活動計算書(第2号の1様式) 貸借対照表(第3号の1様式) □ □ □ □ □ □ □ □ □ 【法人全体の内訳】 資金収支内訳表(第1号の2様式) 事業活動内訳表(第2号の2様式) 貸借対照表内訳表(第3号の2様式) □ □ □ □ □ □ □ □ □ 【各事業区分】 事業区分資金収支内訳表(第1号の3様式) 事業区分事業活動内訳表(第2号の3様式) 事業区分貸借対照表内訳表(第3号の3様式) □ □ □ □ □ □ □ □ □ 【各拠点区分】 拠点区分資金収支計算書(第1号の4様式) 拠点区分事業活動計算書(第2号の4様式) 拠点区分貸借対照表(第3号の4様式) □ □ □ □ □ □ □ □ □ 定款 固定資産管理台帳 登記簿謄本 理事会議事録 基本財産処分(担保 提供)承認書 引当金明細書 法人登記簿謄本 法人の実施する事業について,法人全体,事業区分ごと,拠 点区分ごとに,決算財務諸表として,次のものが作成されて いるか。 決 算 書 - 56 - 財務諸表の注記事項は掲載されているか。 財 務 諸 表 の 注 記 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ (1)基本財産及びその他の固定資産の明細書 (2)引当金明細書 (3)拠点区分資金収支明細書 (4)拠点区分事業活動明細書 (5)借入金明細書 (6)寄附金収益明細書 (7)補助金事業等収益明細書 (8)事業区分間及び拠点区分間繰入金明細書 (9)事業区分間及び拠点区分間貸付金(借入金)残高明細書 (10)基本金明細書 (11)国庫補助金等特別積立金明細書 (12)積立金・積立資産明細書 (13)サービス区分間繰入金明細書 (14)サービス区分間貸付金(借入金)残高明細書 (15)就労支援事業別事業活動明細書 (16)就労支援事業別事業活動明細書(多機能型事業所等用) (17)就労支援事業製造原価明細書 (18)就労支援事業製造原価明細書(多機能型事業所等用) (19)就労支援事業販管費明細書 (20)就労支援事業販管費明細書(多機能型事業所等用) (21)就労支援事業明細書 (22)就労支援事業明細書(多機能型事業所等用) (23)授産事業明細書 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 予算と決算を対比し,差異を算定して作成しているか。 □ □ □ 決算額は,資金収支内訳表の合計額と一致しているか。 □ □ □ 決算額と予算額の「差異」が著しい勘定科目については,そ の理由を備考欄に記載しているか。また,その理由は妥当な ものか。 □ □ □ 社会福祉事業,公益事業,収益事業ごとに作成され,内部取 引高は相殺消去されているか。 □ □ □ (1)継続事業の前提に関する注記 (2)資産の評価基準及び評価方法固定資産の減価償却方法, 引当金の計上基準等財務諸表の作成に関する重要な会計 方針 (3)重要な会計方針を変更したときは,その旨,変更の理由 及び当該変更による影響額 (4)法人で採用する退職給付制度 (5)法人が作成する財務諸表等と拠点区分,サービス区分 (6)基本財産の増減の内容及び金額 (7)基本金又は国庫補助金等特別積立金の取崩しを行った場 合には,その旨,その理由及び金額 (8)担保に供している資産 (9)固定資産について減価償却累計額を直接控除した残額の みを記載した場合には,当該資産の取得価額,減価償却累 計額及び当期末残高 (10)債権について徴収不能引当金を直接控除した残額のみ を記載した場合には,当該債権の金額,徴収不能引当金の 当期末残高及び当該債権の当期末残高 (11)満期保有目的の債券の内訳,帳簿価額,時価,評価損益 (12)関連当事者との取引の内容 (13)重要な偶発債務 (14)重要な後発事象 (15)その他必要な事項 決算附属明細書として,次のものが作成されているか。 附 属 明 細 書 の 作 成 状 況 資 金 収 支 計 算 書 資金収 支内訳 表 - 57 - 資金収支計算書,資 金収支内訳表,事業 区分資金収支内訳 表,拠点区分資金収 支計算書,拠点区分 資金収支明細書,附 属明細書 資金収支内訳表 事 業 活 動 計 算 書 事業活 動内訳 表 貸 借 対 照 表 財 産 目 録 残 高 証 明 書 と の 照 合 前年度決算額と対比して増減を記載する形で作成している か。 □ □ □ 前年度決算額は,前年度の事業活動計算書の本年度決算額と 一致しているか。 □ □ □ 本年度決算額は,事業活動内訳表の合計額と一致している か。 □ □ □ 前年度決算額との差異が大きい場合,正当な理由によるもの か。 □ □ □ 社会福祉事業,公益事業,収益事業ごとに作成され,内部取 引高は相殺消去されているか。 □ □ □ 前年度末の金額は,前年度の貸借対照表の当年度末の金額と 一致しているか。 □ □ □ 区分ごとの計上額は,関係する決算附属明細書の内容と一致 しているか。 □ □ □ 「流動資産-流動負債=当期末支払資金残高」の関係が成立 しているか。 □ □ □ 次期繰越活動増減差額が,事業活動計算書の次期繰越活動増 減差額と一致しているか。 □ □ □ (うち当期活動増減差額)が,事業活動計算書の当期活動増 減差額と一致しているか。 □ □ □ その他資金収支計算書と事業活動計算書との関係で整合す べき箇所が一致しているか。 □ □ □ 前年度末との差異が大きい場合,正当な理由によるものか。 □ □ □ 財産目録は,法人全体を表示したものを確認 □ □ □ 財産目録に記載されている基本財産と定款に記載されてい る基本財産が一致しているか。 □ □ □ 資産合計の額は貸借対照表の資産の部合計と一致している か。 □ □ □ 負債合計の額は貸借対照表の負債の部合計と一致している か。 □ □ □ 差引純資産の額は貸借対照表の純資産の部合計と一致して いるか。 □ □ □ 事業活動内訳表 次の金融資産及び金融負債について,残高証明書を入手して いるか。 ① 金融機関等への全ての預金 ② 金融機関等からの全ての借入金 ③ 証券会社等へ保護預けしている有価証券 (この場合は,保護預り証明書) □ □ □ 残高証明書は「3月 31 日現在」の内容で作成されているか。 □ □ □ 残高証明書は「全取引」となっているか。 □ □ □ 貸借対照表及び財産目録における預金,借入金等の金額と残 高証明書の残高は一致するか。法人の会計処理上の残高と, 残高証明書の残高が一致しない場合,法人において「当座預 金残高調整表」が作成され,残高不一致の原因が明らかにさ れているか。 □ □ □ - 58 - 資金収支計算書, 資金収支内訳表, 事業区分資金収支内 訳表,拠点区分資金 収支計算書,拠点区 分資金収支明細書, 附属明細書 貸借対照表,資金収 支計算書,事業活動 計算書,貸借対照表 内訳表,事業区分貸 借対照表内訳表,拠 点区分貸借対照表, 附属明細書 財産目録 貸借対照表 定款 残高証明書 貸借対照表 財産目録 当座預金残高調整表 事業区分間及び拠点 区分間繰入金明細書 事業区分間及び拠点 区分間貸付金(借入 金)残高明細書 資 金 移 動 の 確 認 事 業 区 分 間 及 び 拠 点 区 分 間 の 財 務 状 況 等 の 確 認 決 算 時 の 処 理 事業区分間又は拠点区分間の正当な資金移動について,繰入 元,繰入先の双方の計上額は一致しているか。 □ □ □ 事業区分間又は拠点区分間の資金繰替(貸借)は,正しく行 われているか。また,原則として,年度内に精算しているか。 □ □ □ 法人外への金銭の貸付けを行っていないか。(社会福祉協議 会が行う生活福祉資金貸付事業などの一部事業を除く。) □ □ □ 資金使途制限に反する繰入を行っていないか。 □ □ □ その他不適正・不適切な資金移動はないか。 □ □ □ 未払金,仮払金,借入金の内容は問題ないか。 □ □ □ 当期末繰越活動増減差額にその他の積立金取崩額を加算し た額に余剰が生じた場合に積立を行っているか。 □ □ □ 当期活動増減差額が赤字の場合,財務状況や経営方針に問題 はないか。 □ □ □ 貸借対照表の「現金預金」のうち現金残高については,決算 日現在の金銭残高金種別表により,出納担当者以外の者によ り,実査されているか。 □ □ □ 決算日現在の残高が全て貸借対照表に計上されているか。 (残高のゼロ確認も含む。) (通帳,定期預金証書,当座勘定照合表等を入手して確認す ること。) □ □ □ 手許保管分の全ての有価証券を入手して,全ての有価証券が 貸借対照表に計上されているか。 □ □ □ 全ての預貯金,有価証券が法人名義になっているか。 □ □ □ 残高証明書 貸借対照表 財産目録 当座預金残高調整表 事業区分間及び拠点 区分間繰入金明細書 事業区分間及び拠点 区分間貸付金(借入 金)残高明細書 総勘定元帳 事業活動計算書 積立金・積立資産明 細書 貸借対照表 金銭残高金種別表 預貯金通帳・証書 当座勘定照合表 有価証券 固定資産管理台帳 固定資産管理台帳が現物確認に基づき作成されているか,ま た,決算日現在の有高については,貸借対照表上,固定資産 として計上されているか。 □ □ □ 預貯金,有価証券は,安全確実なものであるか。 □ □ □ 預金通帳,有価証券 入 所 者 預 り 金 入所者の所持金品等を施設で保管することについて入所者 との同意が得られていることを証明する書類(保管依頼書 等),及び入所者が入金・出金を依頼する書類(入金・出金 依頼書等)が整備されているか。 □ □ □ 入所者預り金については法人会計とは別に管理されている か。 □ □ □ 入所者預り金の管理のために入所者ごとに預り金出納簿を 作成しているか。 □ □ □ 入所者預り金は入所者ごとに預金口座を設定して管理して いるか。 □ □ □ - 59 - 入所者預り金管理規 程 預り金台帳 預り金保管依頼書 入金・出金依頼書 預り金出納簿 預貯金通帳 入 所 者 預 り 金 入所者からの金銭・物品の預り時に本人に預り証を発行して いるか。 □ □ □ 入所者と現金の受け渡しをする際に,サインあるいは捺印に よって確認が行われているか。 □ □ □ 保管責任者は,毎月の収支状況について入所者ごとに点検を 実施しているか。 □ □ □ 保管責任者は,入所者預り金等管理規程に基づいて収支状況 並びに残高の状況について概ね四半期ごとに入所者に報告 しているか。 □ □ □ 個人別残高及び収支が常に明瞭に記録され,かつ証憑書類と の関係が明瞭に示されるように整備されているか。 □ □ □ 入所者預り金以外の身の回りの所持金品等について,安全確 実に保管できる手段が確保されているか。 □ □ □ - 60 - 入所者預り金管理規 程 預り金台帳 預り金保管依頼書 入金・出金依頼書 預り金出納簿 預貯金通帳 Ⅲ その他の状況(他の監査における指摘事項の確認) 種別 他 の 監 査 指 摘 項 目 確認項目 はい いいえ 非該当 備考 行政庁における指導監査指摘事項について改善が図られて いるか。 □ □ □ 指導監査是正改善通 知書 外部監査における指摘事項について改善が図られているか。 □ □ □ 福祉サービス第三者評価の受審結果に対し改善が図られて いるか。 □ □ □ 利用者の苦情申し立て事項に対し,改善が図られているか。 □ □ □ Ⅳ 参考となる確認状況(法人監査項目ではないが,施設の運営において,日常から確認しておくと良い事項) 種別 確認項目 就業規則と職員の就業実態が異なっていないか。 人 事 関 係 はい いいえ 非該当 備考 □ □ □ 就業規則 労働契約書等 職員の任免及び給与(初任給,昇給,手当を含む。)の決定 は,就業規則,給与規程に基づき行われ,理事長の決裁を受 けているか。 □ □ □ 決裁書類 辞令 労働契約書 賃金台帳 職員の任免及び給与(初任給,昇給,手当を含む。)の決定 に当たっては,職員間の均衡がとれているか。 □ □ □ 同上 職員の給与は,地域の賃金水準と均衡がとれているか。 □ □ □ 同上 旅費は,旅費規程に基づき支給されているか。復命は,旅行 終了後,直ちに行われているか。 □ □ □ 旅行命令簿 労基法 24 条協定が適正に締結・変更されているか □ □ □ 24 協定 労基法 36 条協定が適正に締結・変更され,その都度労働基 準監督署に届出されているか □ □ □ 36 協定 宿日直勤務について労働基準監督署の許可を得ているか。 □ □ □ 宿日直勤務許可手続 関係書類 職員への健康診断等が適切に実施され,記録が整備されてい るか。 □ □ □ 健康診断記録 職員の資質向上を図るため,職員研修について具体的計画を 立て,実施されているか。 □ □ □ 研修計画 研修記録 職員の確保及び定着化が図られているか。 (年度内に多数の退職者が発生していないか。退職手当共済 制度に加入するなど退職手当制度を整備しているか。) □ □ □ 介護職員処遇改善加算を算定している場合,手当等が適切に 改善されているか。 □ □ □ - 61 - 実績報告書 賃金台帳 施 設 ・ 事 業 の 運 営 管 理 利用定員及び居室の定員が遵守されているか。 □ □ □ 業務日誌等 管理(運営)規程が整備されているか。 □ □ □ 管理(運営)規程 配置基準に基づく必要な職員が確保されているか。 □ □ □ 勤務割表 施設設備は適正に整備され,維持管理が適正に行われている か。(危険箇所・破損箇所はないか。) □ □ □ 施設において,防火管理者を選任し,所轄消防署に届け出て いるか。 □ □ □ 届出書類 非常時の際の連絡体制表・避難体制表等を作成しているか。 □ □ □ 連絡体制表 避難体制表等 施設において,消防計画を策定し,所轄消防署に届け出てい るか。 □ □ □ 消防計画 消防計画が変更されている場合に,所轄の消防署に変更届を 提出しているか。 □ □ □ 届出書類 消防用設備の点検及び所轄消防署への報告が行われている か。 □ □ □ 点検・報告関係書類 消防署の立入検査の指示事項が改善されているか。 □ □ □ 関係書類 廊下・階段・避難口等に避難の支障になる物が放置されてい ないか。 □ □ □ 避難訓練及び消火訓練を法令等に定める回数以上実施して いるか。 □ □ □ 訓練計画書 訓練実施結果記録 (通所施設以外)夜間訓練又は夜間を想定した訓練について も法令等に定める回数以上実施しているか。 □ □ □ 同上 (通所施設以外)飲料水・生活用水・非常用食料・衛生用品・ 医薬品等,防災備蓄品が適切に保管されているか。 □ □ □ 貯蔵品台帳 備蓄品台帳 新型インフルエンザを始めとする感染症対策マニュアルを 作成しているか。 □ □ □ 新型インフルエンザ 対策マニュアル その他の感染症対策 マニュアル マニュアルに従って職員の研修,訓練等が行われているか。 □ □ □ 研修記録 事故(ヒヤリ・ハット事例を含む。)報告の集約分析を行い, 改善策を講じて職員に周知徹底しているか。 □ □ □ 事故報告書 適切な内容の重要事項説明書が交付されているか。(重要事 項説明書の交付が必要なサービスのみ) □ □ □ 重要事項説明書 - 62 - 様式3(第8条関係) 平成 監事 ○ ○ ○ ○ 監事 ○ ○ ○ ○ 年 月 日 様 様 社会福祉法人○○○ 理事長 ○ ○ ○ ○ 印 ○ 監事監査における指摘事項の是正・改善状況について(報告) 平成 年 月 日付け監査報告書において指摘のあった事項に係る是正・改善 状況について,別紙のとおり報告します。 - 63 - 別紙 監事監査指摘事項に係る是正・改善状況 指摘事項 是正・改善措置の状況 (注)是正又は改善措置を行ったことが確認できる資料を添付する。 - 64 - 添付資料 様式4(第9条関係) 出 納 調 査 実 施 通 知 書 平成 社会福祉法人○○○ 理事長 ○ ○ ○ ○ 年 月 日 様 監 事 ㊞ 監 事 ㊞ 監事監査実施規程第9条に基づき,平成 年度の出納調査を下記のとおり実施します ので,通知いたします。 記 1 実施計画 実施月 調査実施日 実施時間 ○○月 平成 年 月 日( ) ○○:○○~○○:○○ ○○月 平成 年 月 日( ) ○○:○○~○○:○○ ○○月 平成 年 月 日( ) ○○:○○~○○:○○ ○○月 平成 年 月 日( ) ○○:○○~○○:○○ ※どの頻度で行うかは,法人の任意とする。 2 出席を求める者 3 準備すべき書類 - 65 - 調査会場 様式5(第9条関係) 平成 社会福祉法人○○会 理事長 年 月 日 様 監事 監事 ( 氏 ( 氏 名 名 ) ) ㊞ ㊞ 出納調査結果について(報告) 平成 年 月 日に出納調査を行った結果を,次のとおり報告します。 出納調書(平成 項 目 年 月分) 適・否 所 見 月次報告が定期的になされているか。 収納した金銭は,一旦取引金融機関に預 け入れしているか。 金銭の支払は,会計責任者の支出決議の 確認をして行っているか。 日々の取引の記帳が証憑書類に基づき正 確に行われているか。 小口現金出納帳の記帳が証憑書類に基づ き正確になされ残高に誤りはないか。 現金の管理が適正に行われ,残高に誤り はないか。 ( 月 日現在現金残高 円) 預金の管理が適正に行われ,残高に誤り はないか。 ( 月 日現在預金等残高 別紙のとおり) (その他) - 66 - 凡例 社会福祉法人指導監査関連通知 通知年月日 性質 省略表記 正式名称 通知発番 最近改正日 昭和 26 年 3 月 29 日 社福法 社会福祉法 法律第 45 号 平成 25 年 12 月 13 日 監査要綱 審査基準 定款準則 社会福祉法人指導監査要綱の制定につい て 雇児発第 487 号 老発 273 号 社会福祉法人の認可について(局長通知) 別紙1 社会福祉法人審査基準 別紙2 社会福祉法人定款準則 障第 890 号 社援第 2618 号 老発第 794 号 児発第 908 号 障企第 59 号 審査要領 社会福祉法人の認可について 別紙 社援企第 35 号 社会福祉法人審査要領 老計第 52 号 児企第 33 号 徹底通知 会計基準 各 施 設 共 通 運用指針 経理規程準則 社援施第 7 号 平成 26 年 5 月 29 日 平成 12 年 12 月 1 日 平成 25 年 3 月 29 日 雇児発第 488 号 社援発第 1275 号 監督の徹底について 老発第 274 号 平成 25 年 3 月 29 日 雇児発 0727 第 1 号 平成 23 年 7 月 27 日 社会福祉法人会計基準の制定について 別紙 社会福祉法人会計基準 別紙 老発 0727 第 1 号 平成 25 年 3 月 29 日 雇児発 0727 第 1 号 平成 23 年 7 月 27 日 社援発 0727 第 1 号 社会福祉法人会計基準注解 老発 0727 第 1 号 社会福祉法人会計基準の運用上の取扱い 雇児総発 0727 第 3 号 等について 社援基発 0727 第 1 号 別紙1「社会福祉法人会計基準適用上 障障発 0727 第 2 号 老総発 0727 第 1 号 社会福祉法人会計基準の運用上の取扱い 雇児総発 0727 第 3 号 等について 社援基発 0727 第 1 号 別紙2「社会福祉法人会計基準への 障障発 0727 第 2 号 老総発 0727 第 1 号 社会福祉法人会計基準の運用上の取扱い について(Q&A) 社会福祉施設を経営する社会福祉法人の 経理規程準則の制定について 平成 13 年 7 月 23 日 社援発 0727 第 1 号 社会福祉法人会計基準 移行時の取扱い」 Q&A 平成 12 年 12 月 1 日 福祉法人及び社会福祉施設に対する指導 の留意事項(運用指針)」 移行時取扱 平成 25 年 3 月 29 日 社会福祉法人の認可等適正化並びに社会 社会福祉法人会計基準の制定について 注解 平成 13 年 7 月 23 日 社援発第 1274 号 事務連絡 平成 25 年 3 月 29 日 平成 23 年 7 月 27 日 平成 25 年 3 月 29 日 平成 23 年 7 月 27 日 平成 25 年 3 月 29 日 平成 23 年 7 月 27 日 昭和 51 年 1 月 31 日 社施第 25 号 平成 9 年 12 月 11 日 社会福祉法人における入札契約等の取扱 いについて 平成 12 年 2 月 17 日 社援施第 7 号 平成 24 年 3 月 28 日 モデル経理規 社会福祉法人モデル経理規程(全国社会 程 福祉施設経営者協議会) - 67 - 平成 24 年 2 月 3 日 通知年月日 性質 省略表記 正式名称 通知発番 最近改正日 平成 12 年 3 月 30 日 児発第 299 号 保育所運営費の経理等について 児発第 299 号 平成 24 年 3 月 30 日 保 育 所 児保第 21 号 児保第 13 号 認 定 こ ど も 園 措 置 施 設 「保育所運営費の経理等について」の運 用等について 平成 12 年 6 月 16 日 児保第 21 号 平成 24 年 11 月 5 日 保育所における社会福祉法人会計基準の 適用について 平成 12 年 3 月 30 日 児保第 13 号 平成 22 年 10 月 14 日 雇児保発 社会福祉法人が設置・経営する認定こど 第 0406002 号 も園に係る会計処理の取扱いについて 運営費局長通 社会福祉法人が経営する社会福祉施設に 知 おける運営費の運用及び指導について 運営費課長通 社会福祉法人が経営する社会福祉施設に 社援基発第 0312002 号 知 おける運営費の運用及び指導について 障障発第 0312002 号 雇児保発第 0406002 号 平成 19 年 4 月 6 日 雇児発第 0312001 号 平成 16 年 3 月 12 日 社援発第 0312001 号 老発第 0312001 号 雇児福発第 0312002 号 老計発第 0312002 号 社援施第 9 号 支 援 施 設 指 定 障 害 者 入 所 施 設 指 定 障 害 児 社会福祉法人会計基準の適用について 障発第 障害者自立支援法の施行に伴う移行時特 1018003 号 別積立金等の取扱いについて 障発 0820 指定障害児入所施設等における障害児入 第8号 所給付費等の取扱いについて 障障発 0820 第2号 指 定 介 護 施 設 措置費(運営費)支弁対象施設における 老発第 188 号 老健準則 平成 24 年 3 月 28 日 平成 16 年 3 月 12 日 平成 24 年 3 月 28 日 平成 12 年 2 月 17 日 社援施第 9 号 平成 17 年 1 月 28 日 平成 18 年 10 月 18 日 障発第 1018003 号 平成 19 年 3 月 30 日 障発 0820 第 8 号 平成 24 年 8 月 20 日 障障発 0820 第 2 号 平成 24 年 8 月 20 日 「指定障害児入所施設等における障害児 入所給付費等の取扱いについて」の通知 の施行について 特別養護老人ホームにおける繰越金等の 取扱い等について 平成 12 年 3 月 10 日 老発第 188 号 平成 26 年 6 月 30 日 介護老人保健施設会計・経理準則の制定 について 平成 12 年 3 月 31 日 老発第 378 号 平成 18 年 2 月 7 日 - 68 -
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