Oracle Customer Case Study 広島県廿日市市、職員用端末の変更により、端末の修理コストを年間で 約 900 万円削減。消費電力の半減と業務効率の向上も実現 廿日市市 廿日市市 Hiroshima, Japan http://www.city.hatsukaichi.hiroshi ma.jp/ “「シンクライアントは使えない」という先入観は誤り。Sun Ray は職員の業務効率向上と、管理者の負担軽減を実現する。今、 Sun Ray に変えなければ IT 環境が 5 年は遅れると考え、導入を 決断。これにより約 240 件の修理依頼を 0 件にし、約 900 万円の PC 修理コスト削減、電力コスト半減、セキュリティ強化を達成 した。” - 総務部 情報推進課 課長 植松 幹雄氏 インダストリー: Public Sector 広島県西部に位置する廿日市市は、人口約 12 万人、広島都市圏 職員数: を形成する都市の 1 つだ。同市総務部 情報推進課では、情報シス 1,067 名(2012 年 4 月 1 日現在) テムの企画運営や保守管理はもちろん、地上デジタル放送の難視 の改善、携帯電話の不感エリアの把握といった市民の情報・通信 オラクル製品とサービス: Sun Ray Sun Fire Server Sun ZFS Storage の利便性の向上などに取り組んでいる。 PC 修理対応や業務停止によるロスは年間 900 万円相当 同市は、職員が市の情報システムを利用するための端末として、 インプリメンター: 株式会社エネルギア・コミュニケ ーションズ http://www.enecom.co.jp/ PC を 1 人 1 台以上配備していた。Sun Ray によるシンクライア ント化以前の情報端末の状況について、総務部 情報推進課 課長の 植松幹雄氏は次のように説明する。「住民記録や保険、福祉、年 金、税など、住民基本台帳と連携している『基幹系』システムを 利用できる PC と、文書管理やグループウェアなどの『情報系』 システムは、別々の PC で利用するルールにしています。そのた め 1 人の職員のデスクを 2 台以上の PC が占有している場合が多 かったのです」。一方で PC ごとに異なる処理性能やソフトウェ アのバージョンの差が、職員間では不便や不満の原因にもなって いた。古い PC では、起動だけで 30 分を要するなど、業務の効率 低下を招いていたのである。 「本庁内や出先機関などに置かれ、職員が利用する PC は約 900 台。その大部分は老朽化しており、2010 年度の 1 年間で約 100 件の HDD 故障による交換作業を含む、合計約 240 件の PC 修理が発生していました。HDD を交換したら、OS やアプリケー ションのインストール、各種の設定作業も必要で、それらの作業 対応に追われていました」と、当時を振り返るのは、同課主任主 事の長谷川浩志氏。 情報推進課の本来の主業務は、情報システムによる業務効率化 や通信インフラに関する市民サービスの質の向上である。しかし 課員は頻発する PC の故障対応に忙殺されていた。同課情報推進 係長の藤井健二氏は、「この課の人数は 6 名。少ない人数で主業 務と PC 修理業務を並行しており、メンバーは疲弊していまし た」と話す。 Copyright © 2012, Oracle. All rights reserved. Oracle is a registered trademark of Oracle Corporation and/or its affiliates. Other names may be trademarks of their respective owners. Published October 2012 Oracle Customer Case Study 課題: 職員用 PC をシンクライアント へ置き換える。これにより PC 修理業務に追われる状況を改善 する USB メモリや外づけ HDD など の機器使用を制限し、情報漏え いのリスクを低減する OS やアプリケーションのバー ジョンを統一し、バージョンの 差異による業務現場の不便を解 消する アプリケーションを標準化し、 職員が独自にインストールした アプリケーションへの依存度を 下げる 「私たちが PC の筐体を開け、パーツを交換するなど修理を行 うことで、職員の業務停止時間を最小限に食い止めていたのです。 しかしこれらの時間のロスやデータ復旧作業などの時間を金額換 算したら、なんと約 900 万円にも相当することがわかりました」 (長谷川氏) 業務効率向上とセキュリティ強化を同時に狙う、シンクライアント化 職員が利用する情報端末の環境について、抜本的に改善する方 法はなかなか見つからなかった。「少しでも修理の負担を減らす ために、保守契約つきのリースへの変更を検討していました。そ うした状況のなか、広島県の『情報システム最適化研究会』でシ ンクライアント端末の Sun Ray を知ったのです。シンクライアン トについては『遅くて使い物にならない』という先入観をもって いましたが、説明を聞いて、考えは 180 度変わりました。PC の 問題を解決するにはこれしかないと直感しました」(長谷川氏)。 導入効果: 長谷川氏から Sun Ray の利用による改善案を聞いたとき、植松 PC 修理業務を 0 件へと減らすこ とができた 氏は半信半疑だったという。「私も過去にシンクライアント化を 出先機関の端末も本庁で集中管 理が可能になった には耐えられませんでした。しかし Sun Ray はこうした私の先入 わずか 1、2 分で業務が開始でき るなど、職員の業務効率が劇的 に向上 う』と決断しました」(植松氏)。検討にあたっては、広島県情 ファイルサーバーを設置し、ロ ーカルに保存されていたファイ ルの管理の一元化と、バックア ップ環境の整備を実現。バック アップには ZFS スナップショッ トを活用し、削除・変更したデ ータをユーザ自身で復元でき大 変便利 消費電力を半減。概算で 50 万円 近くを削減 オフィスの静音化、デスクの省 スペース化、PC からの発熱の解 消などを実現 検討したことがありましたが、当時の製品や技術ではとても実用 観を上回る製品だと理解でき、『これでできるなら、やってみよ 報化統括責任者(CIO)である桑原義幸氏にも相談し、目指す方 向性としては間違っていないとご助言いただきました(長谷川 氏)。 パフォーマンスを念入りに検証。職員の質問にも丁寧に対応 2011 年 2 月、長谷川氏は庁内情報システムの管理で協力してい る株式会社エネルギア・コミュニケーションズに打診し、オラク ルにより詳しい説明と製品デモを依頼。3 月には検討を詰めてい き、5 月には実機を視察、6 月に庁内の主要システムが動作するこ とを確認した。「気になっていたパフォーマンスも確かめました。 業務利用に問題ない性能を確保できていることがわかりました」 (長谷川氏)。 8 月、庁内端末のシンクライアント化を職員へアナウンスした ところ、234 件もの懸念、質問、要望が集まった。問い合わせ内 容の多くは、「外づけ HDD などの機器を使えないと、不便にな る」「業務で利用しているアプリケーションは動作するのか」と いったものだった。問いに対して、外部記録媒体の利用はセキュ リティの観点で使用不可を原則とする旨の理解を促したり、標準 ではないアプリケーションに業務が依存する運用そのものを改善 したりというように、丁寧に回答をしていった。 Copyright © 2012, Oracle. All rights reserved. Oracle is a registered trademark of Oracle Corporation and/or its affiliates. Other names may be trademarks of their respective owners. Published October 2012 Oracle Customer Case Study 「クレームを恐れず、Sun Ray 導入の『よさ』に主眼を置いて、 導入を指揮しました。上層部への説得でも『今やらなければ、遅 れてしまう』をキーワードにしました。今回、決断しなかったら、 5 年遅れる。もし導入しない場合、この 5 年の遅れを取り戻せる のか? と考え、苦労を承知で先取りしていこうと結論づけ、決 断しました」(植松氏) 2011 年 9 月には具体的な調達の数量の見積もりなどをおこない、 11 月末までに予算の調整を経て 12 月に入札が実施された。他社 廿日市市 総務部 情報推進課 課長 植松 幹雄氏 のシンクライアント製品も比較検討されたが、やはり Sun Ray 以 外には、要件を満たす製品は見つからなかった。2012 年 1 月から サーバーの設置と導入、そして Sun Ray の配備を開始。4 月から 庁内の現場で運用が始まった。 修理業務は 0 件に。 パフォーマンスはよく、職員の満足度も高い Sun Ray を使い始めた職員の満足度は高い。「電源を入れてか らログイン画面まで 10 秒程度。ログイン後はすぐにデスクトップ が表示されるので、業務開始までわずか 1、2 分です。職員からは 『処理が速くなった』『効率が上がった』という感想が届いてい ます」と、藤井氏はいう。一部の出先機関には回線の安定性の低 廿日市市 総務部 情報推進課 情報推進係長 藤井 健二氏 い ADSL の設備はあるが、使用に耐えないものではないと長谷川 氏はいう。次のフェーズでは基幹系と情報系を ID カードで使い 分けるような運用にし、さらなる端末の統合も視野に入れている。 筐体の初期不良を除けば、運用開始後に発生した修理は 0 件。 HDD 交換作業のような従来の負担からは解放されたのである。 Sun Ray が配備されて気づいたメリットについて、長谷川氏は 「Sun Ray になってオフィスが静かになりました。また、PC か らの発熱もないので、おそらく空調の効率もよくなるでしょう。 机上では省スペースなどのメリットは、これから徐々に実感して いくと思います」と話す。 最後に消費電力について聞いた。「従来の PC はノート型が多 く、測定すると 45 ワットほどを消費していました。Sun Ray の 廿日市市 総務部 情報推進課 主任主事 長谷川 浩志氏 ディスプレイと本体は合計 15 ワット程度です。これにサーバーの 稼動による電力を合計しても 21 ワット程度。1 日 8 時間、年間の 業務日数を台数で掛け算すると、電気代だけで 50 万円近いコスト 削減になる見込みです」(長谷川氏) Why Oracle – 他社のシンクライアント製品では実現不可能なセキュリティと 管理性 基幹系と情報系のセキュリティレベルの異なる PC を一台の Sun Ray で統合可能 Copyright © 2012, Oracle. All rights reserved. Oracle is a registered trademark of Oracle Corporation and/or its affiliates. Other names may be trademarks of their respective owners. Published October 2012 Oracle Customer Case Study 他自治体での導入実績 サーバー、ストレージ、シンクライアントまでワンストップで 対応できる製品群と技術力 構築、運用のための適切なアドバイスと支援 Implementation Process – 2011 年 2 月 広島県の「情報システム最適化研究会」の勉強会で Sun Ray を知り、検討を開始 5月 実機の視察 6月 パフォーマンスなどを検証。問題なしと判断 8月 職員へアナウンス。質問や問い合わせ対応をおこなう 11 月 要求仕様を整え、台数などを精査 12 月 入札 2012 年 1 月 4月 サーバーの構築を開始、庁内への配備を開始 運用開始 Advice from 廿日市市、エネルギア・コミュニケーションズ 廿日市市 庁内には膨大なプリンターがあります。どのプリンターへ出力さ れるのか、エンドユーザーが迷わずに済む設定で構築すると、運 用開始後の混乱を減らすことができます。 エネルギア・コミュニケーションズ Windows XP で動作するアプリケーションの全てが Windows Sun Fire Server Sun ZFS Storage Server 2008 で動作するとは限りません。リモートデスクトップ サービス、マルチユーザ環境での動作確認等、業務で使用するア プリケーションをサーバーOS でも念入りに動作検証することで、 導入後のトラブルの大部分は回避できます。 Sun Ray プロジェクトメンバーの方々 Copyright © 2012, Oracle. All rights reserved. Oracle is a registered trademark of Oracle Corporation and/or its affiliates. Other names may be trademarks of their respective owners. Published October 2012
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