簡易 経営計画書・資金繰り予定表作成マニュアル 一般社団法人 中小企業財務・総務コンサルタント協会 【 作成にあたっての留意点 】 〇消費税を税抜きか消費税込みでの計画かを選択できます。→ 売上予想 AB2 で選択 〇お客様の PC へ、直接渡して保存していただいても構いません! 〇各科目は、お客様の決算書に合わせて変更をお願いいたします。 〇エクセルシートにつき、行・列の追加や削除で計算式がずれる場合がありますので、作 成が出来上がりましたら計算式の確認をお願いいたします。 ~ワンポイントアドバイス~ 税抜き計算と税込み計算 決算書及び月次の試算表(毎月、その月の業績と期のスタートから当月までの累積の業績 報告書のようなもの)には、税抜き計算と税込み計算の2種類があります。 税抜き計算では、消費税を預かり消費税として売上とは別に管理をします。税込み計算で は消費税を込みにした金額を売上にし、納める消費税を決算時に租税公課として一括計上 します。 しかし、この支払った消費税は、一般的に決算時に支払う額が確定したとき(決算であれ ば決算月以降~決算申告完了までの期間内)になりますので、当期において租税公課とさ れる消費税額がいくらになるか、税込みの場合は期の途中では試算表からは見えにくいの が現状です。 (例)売上1000万、仕入れ500万、人件費300万、その他経費200万の場合 税抜き計算 売上 1000万 商品仕入れ500万 人件費300万 その他経費200万= 1000万-500万-300万-200万=0 預かり消費税 80万 仮払い消費税 56万 未払い消費税 24万 税込み計算 売上 1080万 商品仕入れ540万 人件費300万 その他経費216万= 1080万-540万-300万-216万=24万 税込み計算の場合は、この24万円は租税公課として支払います。 税込みの場合、消費税が租税公課として計上される直前までは24万の利益が出ているよ うに見えてしまいます。その結果、決算処理で消費税を計上したら赤字になったという事 態も想定されます。 タイムリーに管理をしていく場合には、やはり税抜きでの管理をお勧めしましょう。 今後、消費税増税が行われれば、更に利益管理が難しくなる恐れもあります。税抜きで 把握したい場合、税理士さんにその旨お伝えいただければ、変更してくれると思います。 【 作成マニュアル 】 1:5ヵ年計画 必要なもの 過去2~3期分の決算報告書一式 銀行借入明細 保険証券 5ヵ年の減価償却予定表(税理士から入手) 【 作成手順 】エクセルシート、5ヵ年をご利用ください。 ① 過去の決算書の数字(2期~3期)を、シートの実績に入れ込みます。 ※決算の科目は、企業によって異なりますので科目を修正してご利用ください。 ② 全ての経費を、変動費と固定費に分けます。 注意)変動費・・・売上によって変わるもの 固定費・・・売上によって変わらないも の 製造原価報告書と販売管理費の内訳それぞれから分けます。 ③ 固定費は、今後どのような推移を辿るかをヒアリングし、見込み金額を計画に入力しま す。 (製造原価と販売管理費へ入力) ④ 今後の売上はどのように推移するか、計画の売上高にざっくりと入力します。 ⑤ 変動費では、過去の対売上比率を出してみます。 (例)仕入300 売上1000 =30% この場合は、仕入れ費用の予測は売上高の30%となります。 ⑥ 入力した売上から、過去の率⑤から算出し、変動費の予測を立てます。 (例)過去仕入れ30%、外注20%であった場合、売上計画が3億の場合は 仕入れ予測 売上1億×30%=3千万円 外注費予測 売上1億×20%=2千万円 ⑦ 銀行の支払い利息を入力します。(過去の金額でざっくりとで OK です) ⑧ 役員の退職金や従業員の退職金の支払いが5年以内にある場合には、役員退職金は特別 損失に、従業員の場合は販売管理費に項目を入れて、その支給金額を入力します。 ⑨ ⑧での退職金原資として生命保険等の解約予定がある場合には、営業外収益に、その返 戻金の雑収入部分を入力します。 ⑩ 今後5年間の減価償却予定額を、原価と販売管理費に入力します。 (原価と販売管理費に分けるのが難しい場合には、総額を販売管理費で計上しても OK です。 ) ⑪ 上記により推測される税引き前利益に、法人税の推測値を入れます。 800万未満はざっくりと33%、800万を超える場合は40%等 ⑫ ⑩と⑪で返済原資を計算し、今後5ヵ年の銀行の返済予定額を入力します。 ⑬ ⑩と⑪で算出した資金余力を見て、現状の生命保険が合理的か否かを判断します。 テキスト 中期経営計画策定のポイントを印字してお渡しいただいても かまいません。お客様の未来を一緒に考えていきましょう!! ※自社の募文・コンプライアンスチェックは各自でお願いいたします。 2:1ヵ年計画・資金繰り予定表 【 作成手順 】 必要なもの 過去2~3期分の決算報告書一式 銀行借入明細 保険証券 5ヵ年の減価償却予定表(税理士から入手) 定期積み金のヒアリング 過去1~2年の月次試算表(1年12ヶ月分) ① 過去の決算書の経費を、変動費と固定費に分けます。 注意)変動費・・・売上によって変わるもの 固定費・・・売上によって変わらないも の ② 固定費は、今後どのような推移を辿るかをヒアリングし、過去の月次試算表から推測し、 月ごとの経費見込み額を項目ごとに入力します。 (季節で変わるもの等) ③ 今後の売上はどのように推移するか、過去の月次試算表を参考に、月ごとにざっくりと 売上予想のシートに入力します。また、支払い条件を入力し、発生の金額と同時に 実際の回収見込を回収項目のところに入力します。 (例)取引先 A 工業 入金サイト 末締め翌翌末入金 売上月500万の場合 当月 発生に500万→経営計画に反映 回収 翌々月に500→資金繰り表に反映 と2箇所入力します。 これを取引先ごと等に年間予測を入力します。 現金取引の場合は、発生と回収が同じ月になります。手形は、手形の期日を下部の手形 のところに入れていきます。 ④ 変動費では、過去の対売上比率を出してみます。 (例)仕入300 売上1000 =30% 主要な材料や仕入れを③の売上管理の発生から上記%で推測し、仕入れ先毎に材料費 予測に入力、かつ自社の支払い条件に合わせて支払いの項目にも同じ金額を入力 します。 ⑤ 外注費に関しても、④と同様の入力を行います。 発生は、事業計画数字に反映、回収・支払いは資金繰りに反映されます。 ⑥ 銀行の支払い利息を入力します。(過去の金額でざっくりとで OK です) ⑦ 計画年度の減価償却予定額を、原価と販売管理費に入力します。 →簡易1年事業計画の完了 ⑧ ⑩と⑪で返済原資を計算し、今後5ヵ年の銀行の返済予定額を入力します。 ⑨ 生命保険料の資産計上分を入力します(年払いは支払い予定月) ⑩ 1年以上の積立期間のある定期積み金がある場合には、定期積み金に入力します。 ⑪ 消費税・法人税(予定納税含む)の予測額を入力します。 (簡易では過去実績値でも可) ⑫ 計画スタートの前月末の減預金残高を、資金繰りシート B の33へ入力します。 →簡易資金繰り予定表の完了 5ヵ年計画の1年目と、1年計画の数字が合わなくても問題はありません。 5ヵ年は目標、1年は達成可能な計画、として捉えても結構かと思います。
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