白 水 社 の本 棚 好評連載(7面)■「山姥の辞書」小池昌代 ■「 「知的生産」のための術語集」鎌田浩毅 ■「中国を読む」城山英巳 front page essay ジャイアントパンダ考現論 (恩賜上野動物園長) 土居利光 上野動物園のシンシン︒パンダ舎にて撮影︒ 日︑リーリーと ノーベル文学賞を受賞したの 川 端 康 成 が﹁ 雪 国 ﹂な どで 狂 脹︑巣作り行動など妊娠した時と 書 同様な現象が雌に現れるのだ︒野 愛 時点から食べ物はタケ類が主体と 生︒図 書 室 で 借 り て 読 んで み は1968 年︒私 は 小 学6 年 欲不振︑乳頭の明確化︑乳房の腫 動作の不活発︑長い休息時間︑食 なったのである︒不幸にして東日 生では出産後︑1年半から2年か シンシンが到着した︒そして︑この 2011年2月 本大震災に見舞われたが︑被災地 た︒有 名 な 冒 頭 シ ーン を 美 し けて子を育てる︒だから妊娠は1 頭は4月1日からの公開となった︒ 年置きとなるので︑昨年は偽妊娠 再 会 し た 時︑左 手 の 人 差 し 指 い と 思った が︑島 村 が 駒 子 に 復興の支援という意味もあって2 粘膜便が何であるか分からなかっ が﹁一番 よ く 覚 え て い た よ ﹂ でもおかしくはない︒飼育当初は たのと同様に︑偽妊娠の確定も難 な かった ▼ 指 先 の 絶 妙 な 感 のエロチックな意味はわから 翌年からの課題は繁殖であり︑巷 しい︒不思議な動物である︒それ の話題を集めることにもなってい でも︑一つだけ確実なことがある︒ く︒ 頭のパンダを飼 育してきた 恩賜上野動物園では︑現在ま 殖期における相性の良さである︒ で かつてのパンダの食事から得た 幀 家・多 田 進 の 世 界 ﹂と 題 さ 下ってなに? ゆ﹄です︒ ﹂と記載されている︒パ 受 性 は︑とて も 数 値 化 で き な 当初からは変更されているものの︑ そのうちの2頭が育ってきた経緯 教訓は︑自然に近い状態で動物の い︒ そんなことを考えたのは︑ がある︒繁殖期は一般的に2〜5 力を十分に発揮できるようにすべ が︑人工授精によって3頭が誕生︑ それは︑リーリーとシンシンの繁 月で︑雌には︑行動量の増加︑に 月︑某 所 で﹁ 版 食事の内容は 年にわたって引き おいづけ︑水浴びによる体冷やし パを歴訪した際︑楽しみにしてい 1971年︑昭和天皇がヨーロッ の増 加︑食 欲 減退︑恋 鳴きなど きだということであろう︒とはいっ れ た 講 演 を 聞い た か ら だ︒聞 1971 年に植 草 甚一﹃ 衝 突 夫︒こ れ が じつ に 興 味 深 かっ のトレーニングを続けているほか︑ ナ ル 社 ︶で 初 めて 装 幀 を 手 が ︵ ス イ ン グ・ジ ャ ー と即興﹄ き手は画 家で装 幀 家の林 哲 べ物を飼育にも使おうと考えるが︑ とを合わせるペアリングの方法が 職員を中国の繁殖センターに派遣 け︑ 以来 ても出産に向けた取組みも進めて 幾つか試みられてきたが︑恩賜上 して︑実際に子の飼育も体験させ る版下一筋で仕事を続けてき が見られるようになる︒しかし︑ 野動物園では︑雄と雌を非発情 園における意見交換や人工授精を てきた︒また︑シンガポール動物 たというロンドン動物園のパンダの 期には隔 離しておき︑発 情 時の 使って自分で引くという発言 た︒罫 線 な ど も サ イン ペン を いる︒これまで通りに筋トレなど み同居させ︑交尾 後︑再 度 隔 離 成功させた台北動物園の園長を招 に︑林 が の け ぞって 驚 い て い 2週 間ほどの発 情 期 間のうち︑ 物を与えていたのである︒北京動 当時は人が良いと思うような食べ するという方法が採られてきた︒ いての講演会など︑関係する動物 チチに会ったのだが︑チチが﹁チョ 物園でも同様であったため︑その 今回もこの方法を受け継いだ︒ 園などとの情報交換をこれまで以 写 植 を 使 用︒ ところが︑ その写 た▼ 版 下 を 作 る に は︑文 字 は 家 が︑ パソコンを使う︒多田は 近い︒しかし︑1972年︑日本に ケやササであることは今や常識に 流れを汲んだ献立を恩賜上野動物 日︑雄と雌に鳴 上に行なってきている︒準備は大 た ▼ 今 で は︑ほ と ん どの 装 幀 最初に来たカンカン︵雄︶とラン 園も採用していた︒食べ物ばかり 2012年3月 切である︒万一の飼育放棄に備え︑ 動物の健康管理のため体のチェッ ラン︵雌︶の食事を当時の日誌に ではなく︑分からないことも多かっ き交わしがあったので︑お見合い クや治療を行ないやすくするため みると︑ミルク粥︑カキ︑リンゴ︑ た︒日本にパンダが来た翌年に ﹁ ﹃パ させたところ︑雌がメエメエと鳴い 授精可能なのは数日しかない︒こ ダンゴ︑ミルクセーキ︑ブドウ︑ ぐらいで 年以上︑ 手作業によ パンなどの後に熊笹や矢竹が並ん 事が載った︒直径8 液が付いているものが︑約3週間 黄白色の表面にはネバネバした粘 日に子の誕生となる︒しかし︑7 交尾が確認できた︒そして7月5 同居させ︑翌日を含めると2度の 行動が見られた︒適期と判断して て雄にお尻を向けて尻尾を上げる たい︒ 重ね︑今年は自然繁殖を成功させ た︒こうした地道な取組みを積み 意するなど施 設の充 実も済ませ 保育器をパンダ用に改良し2台用 下 派の 装 幀 家・間 村 俊一が 登 集 ペー ジ を 組 ん だ︒同 じ く 版 付 で﹁ 版 下 の 時 代 ﹂とい う 特 済新聞は2013年 植 業 者 が 絶 滅 に 近い︒日 本 経 日 ごとに排泄されるので︑困惑して 言っている︒固いタケを食べること 員が駆け込んできた︒母親が姿勢 イアントパンダの子が危ないと職 科卒業︑東京都首都整備局企画 東京都生まれ︒千葉大学造園学 答 える︒拡 大 縮 小 が 自 由 な パ 寸 大 の 強 み が あ る か ら だ ﹂と 月 はミルク粥から粥を除いたもので ンラン用にはミルクセーキで︑これ いるという内容である︒出る時は︑ から︑腸の内側を守るための粘膜 ほどの丸い形をして︑ ある︒ダンゴとは︑トウモロコシ粉 恩 賜 上 野 動 物 園の 食 堂で は 厚さ2 を主体に大豆粕と骨粉と塩が混ぜ 場︒ 版下にこだわる理由を﹁原 2004年からリンリンが死亡す と言う▼手仕事の版下入稿で ソコンでは﹁緊張感が欠ける﹂ は︑指 先 の 感 受 性 が もの を 言 部に採用︒環境局生態系保全担 笠原・御蔵島へのエコツーリズム う︒もっと も︑本 の 買 い 手 に︑ 当課長︑自然公園課長として小 臓マッサージなどを行なったが︑8 の導入など自然保護の仕事を行 を変えても子 が鳴き声をあ げな 時半に死亡が確認される︒ 時半 かったため︑すぐに取り上げ︑心 初めての経験だったのである︒こう から 時近くまでかかった剖検で︑ なう︒2005年 多 摩 動 物 公園 今は知られているのだが︑当時は 間向けに食べやすくしているが︑ 今日の飼育につながっている︒ した試行錯誤ともいうべき経過が 物園長︒首都大学東京客員教授︑ だ わ る 方 が お か しい︑とい う 版 下 か は 見 分 け ら れ ない︒こ 日本動物園水族館協会理事︒共 世 の 中 に なって い く︒そ れ で しつこく︑ 覚 著﹃野生との共存﹄︵地人書館︶他︒ も指 先はきっと︑ ▼4面に﹃パンダが来た道﹄書籍情報 えているものなのだ︒ ︵野︶ 長︑2011 年から恩 賜 上野 動 装幀の制作過程がパソコンか 茶ゼリーなどがお盆に飾られて出 乳が呼吸器に入ったのが死因と分 が死 亡し︑パン ダ 不 在の日 々 が 昨年も同様な方法で繁殖を試 かった︒ は﹁孟宗竹やタケノコはもちろん︑ 続いたが︑それが一つの分 岐 点と 偽妊娠である︒ホルモン値の上昇︑ みて交尾も確認されたが︑結果は 日にリンリン ニンジン︑リンゴ︑サトウキビ︑季 どの地元の方々の尽力もあって︑ なった︒上野観光連盟や台東区な 2008年4月 10 節の野菜を食べます︒それと動物 てくる︒その解説書には︑パンダ 12 園ならではの﹃バランス栄養食﹄ 30 粥やダンゴ︑熊笹エキス入りの抹 が定期的に出てくる粘膜便として 10 ダかゆセット﹂を出していた︒人 られていたものであった︒ ◇どい・としみつ=1951年︑ 40 月 日の朝8時︑園長室に︑ジャ 24 食欲が減り︑動きが鈍くなるとも c m るまで︑体験メニューとして﹁パン 10 味付けしたものである︒また︑ラ ンス﹄ってナンダ﹂という新聞記 うしたことから︑飼育下で雄と雌 最後の版下装 11 じている︒今日では野生に近い食 20 13 年 継がれてきたのである︒ ンダ粥は馬肉スープをベースにと が﹃パンダだんご﹄と﹃パンダか 21 コレートをぱくつく﹂と新聞は報 30 牛乳に粥と卵を加えて果糖と塩で ■ 5 面「2013年のベスト10」 ■ 8 面「話題の本」 でいる︒ミルク粥はカンカン用で︑ ジャイアントパンダの主食がタ 11 11 c m 2014 年 冬号(2013年 11月〜 2014年 1月ごろの新刊案内/読み物/お知らせ) No.167 第 22 号 パ ブ リ ッ シ ャ ー ズ ・レ ビ ュ ー 2014 年(平成 26 年)1 月 15 日 (1) 〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3-24 / tel.03-3291-7811 / http://www.hakusuisha.co.jp/ グローバリゼーション・パラドクス 世界経済の未来を 決める三つの道 ISBN978-4-560-08276-8 治的トリレンマ﹂を用いた分析はユニー ダニ・ロドリック ﹇著﹈ 周する﹄ ︶ を 精 読 し て︑ そ の 中 核 と トン高等研究所の教授による異色のグ 出してきた世界的研究機関︑プリンス 立地点も地滑り的に変化を蒙らざる で︑それぞれの政治的立場や社会的 風景や音が人知れず移りゆく中 の戦争は︑なんと約三百年にわたっ 沼の戦争状態にあった︒しかも両国 超大国ローマがパルティア相手に泥 り前にどうなっていたかというと︑ あった︒この地がおよそ二千年あま ◇四六判 二九四頁 ラ エ ル︑ ア フ ガ ニ ス タ ン に ま で 及 その最大版図はトルコ東部からイス ケプラーとガリレイ 望遠鏡を披露し︑月のスケッチを始 一六〇九年︑ガリレイは改良した トーマス・デ・パドヴァ﹇著﹈ 家主権と民主主義を擁護するととも はこうした基本認識に立ちながら︑国 め︑一六一〇年に﹃星界の報告﹄を 年に﹃新天文学﹄を刊行︑惑星の法 刊行した︒一方ケプラーも一六〇九 則 を 説 き︑ と も に 新 時 代 を 切 り 開 網を掛けることを提言する︒ こうした処方箋は︑バブルとクラッ いていた︒二人が知り合ったのは︑ 一五九六年にケプラーが﹃宇宙の神 的確にあぶり出すだけでなく︑グロー バリゼーションと民主主義が両立でき 二人の研究に対する態度は正反対 秘﹄を刊行し︑献本されたガリレイ だった︒ケプラーが宇宙の真理を究 が礼状を書いた時だった︒しかし︑ 経済論壇をリードする柴山桂太氏 めようと愚直に打ち込んだのに対 浴びせかけるのは間違いない︒ が翻訳! 話題沸騰必至の一冊︒◇柴 して︑ガリレイは研究成果を地位と スターリンの将軍 ジューコフ 山桂太︑大川良文訳 四六判 三五四 二大帝国の激突三百年史 ジェフリー・ロバーツ﹇著﹈ ソ連のゲオルギー ジ ・ ューコフ元 帥は︑ノモンハンの戦いで関東軍と 考えなかったことだとし︑これらは 報収集を怠り︑勝利した後のことを 国が犯した失敗の一番の原因を︑情 を詳細に見ていきながら︑ローマ帝 者は︑ローマ対パルティアの戦争史 に迫る︑評伝の決定版︒ 軍人﹂と称されるジューコフの実像 資 料 を 駆 使 し て︑﹁ 二 〇 世 紀 最 高 の げ︑ヒトラーを打倒する︒本書は新 ド防衛戦︑ベルリン攻略で戦果を挙 モスクワ攻防戦︑スターリングラー 知名度が高い︒第二次大戦を通して︑ 戦火を交えた敵将として︑日本でも この地域で戦ったアメリカにも共通 ジューコフは貧しい靴職人の家に 生まれ︑革命を経て︑赤軍に入隊し︑ 数々の戦線で勝利して戦争の英雄と 三四二頁 ◇三津間康幸訳 なる︒しかし戦後は︑スターリンや 四六判 定価三七八〇円︵本体三六〇〇円︶ 冊︒ 観・地理観の考察にまでつながる一 する点だと考える︒ローマ人の戦争 アメリカの軍事大学教授である著 たものは少なかった︒ れる︒払った膨大な犠牲にくらべ得 蹂躙してもじきに退却を余儀なくさ る と 失 敗 を 繰 り 返 し︑ 首 都 を 制 圧・ の後に激突した対パルティア戦にな ローマは死闘のすえ完勝したが︑そ バル国である︒カルタゴ相手には︑ じみ︑カルタゴと並ぶローマのライ ぶ︒古代ローマ史のファンならおな ISBN978-4-560-08337-6 頁 定価二三一〇円︵本体二二〇〇円︶ ると素朴に考える日本の世論に冷水を シュを繰り返す資本主義メカニズムを に︑無規制なハイパーグローバル化に にするトリレンマを強いている︒教授 することを許さず︑どれか一つを犠牲 家主権︑そして民主主義を同時に追求 界情勢は︑グローバリゼーションと国 ロドリック教授によると︑現今の世 クである︒ タイ・バーツの暴落から始まったア 機︑そしてギリシャの債務不履行問題 ⁝⁝神話や物語を自在に駆使して︑ に端を発した欧州財政危機に象徴さ ジア通貨危機や過剰な資金が米住宅 のピエール・レヴィや︑科学哲学の て織りなすセールの思想は︑情報論 ブリュノ・ラトゥールら弟子たちへ れるように︑世界経済はここ二十年︑ ︿あるがままの自然﹀を百科学とし の影響にとどまらない︒本書では︑ 造主義﹂の人類学の先駆けであり︑ ローバリズム論で︑ブレトンウッズ体 本書は︑ノーベル賞受賞者を多数輩 危機が常態化している︒ また︑それらをも凌駕しうるものと 制に始まる戦後経済史を下敷きに︑現 経済論壇でも広く受け入れられた﹁政 代の危機とその処方箋を極めて穏当な の先へと導く ― 思考を複数化する ︽普遍学︾そのものが探究される︒ 形で提示したものだ︒とりわけ近年︑ 三〇二頁 ローマとパルティア ローズ・マリー・シェルドン﹇著﹈ 二十一世紀初頭︑超大国アメリカ を得ない︒トク ヴィルからフロベー はイラク相手に泥沼の戦争状態に ルまで︑本 書は︑こうした﹁反 動 ﹂ 世紀に興り︑約五百年間存続した︒ パルティアという国は︑紀元前三 て繰り返されている︒ メール十八日﹄では見えなかった世 現在のイラン・イラクを中心に栄え︑ 円︵本体二四〇〇円︶1月下旬刊 定価二五二〇 界へ︒ ルクス﹃ルイ・ボナパルトのブリュ の時代の基底を探る試みである︒マ と反動が入り乱れる時代である︒ れているように︑現代もまさに革命 第二次安倍内閣の成立に象徴的に現 アの変容︑政権交代の失望が生んだ テクノロジーの革新に伴うメディ 身体感覚もまだ残していた︒ 一方︑人々は教 会の﹁ 鐘﹂を通した 命の轟音が響き︑科学が顕揚される 市に﹁雷鳴よりも騒々しい﹂産業革 革命と反動が交錯した時代は︑都 ISBN978-4-560-08345-1 一八四八年︑メディアと風景 円︵本体三〇〇〇円︶ ◇四六判 定価三一五〇 して ― アクター・ネットワーク論 コーラらによる﹁ポスト・ポスト構 メイヤスー︑ヴィヴェイロス︑デス 市場になだれ込んだサブプライム危 人文学︑美学︑エピステモロジー 哲学評論︒ セールの全貌を示した︑著者渾身の 著作についても解説し︑ミシェル・ なる思想を明快にする︒また︑他の ISBN978-4-560-08335-2 普遍学からアクター・ネットワークまで 家︑学者︑そして哲学者は世界を一 ﹃パラジット﹄ ﹃生成﹄ ﹃自然契約﹄ ﹃作 ︵ ﹃ライプニッツのシステム﹄ ﹃干渉﹄ 本書は︑セールの主要なテクスト れ︑高く評価されている︒ ソーカル事件による打撃をまぬか 裏打ちされたその﹁現代思想﹂は︑ の哲学者である︒自然科学の造詣に あったが︑いまなお現役のフランス ろのミシェル・フーコーの同僚でも で︑ ﹃言葉と物﹄を執筆していたこ デリダと同じく一九三〇年の生まれ ミシェル・セールは︑ジャック・ 清水高志﹇著﹈ ミシェル・セール ◉新刊◉ 革命と反動の図像学 小倉孝誠 ﹇著﹈ ﹁独裁も時にはぜひ必要だ︒圧制者 制政治も万歳さ﹂ ︒ 同世代の人々の ﹁精 がいいことをしてさえくれれ ば︑圧 神史﹂を書こうと構想されたフロベー ル﹃ 感 情 教 育 ﹄には︑一八四八 年の 二月革命下︑社会主義者が地滑り的 に﹁転向﹂してゆく姿が描かれている︒ 社会主義者はなぜルイ・ボ 二月革命の歴史的意味は何だった のか? 本書は︑こうした問題関心 ナパルトの独 裁にすり 寄っていった のか? から︑十九世紀を席巻したロマン主 義と社会主義︑そして︑それらを規 定したメディアとテクノロジー︑風 景と音に光を当てる︒ 究極の三択と資本主義 3.0 軍事大学教授が考察する ローマ帝国の戦争 ISBN978-4-560-08339-0 書簡が明かす天才たちの素顔 た科学読物︒ ◇藤川芳朗訳 四二六頁 る憂き目にあうが︑やがてロシアを フルシチョフによって二度も失脚す ISBN978-4-560-08334-5 定価三五七〇円︵本体三四〇〇円︶ 四六判 科学・技術部門﹂第一位に選出され ﹁ 最 良 の 科 学 書 二 〇 一 〇 ﹂ の﹁ 自 然 る︒オーストリア文部教育省による︑ く︑理解しやすいよう工夫されてい が一切なく︑一般読者でも読みやす より面白さが増す書きぶりだ︒数式 であるが︑対照することによって︑ 描かれる︒個別でも魅力的な﹁天才﹂ 人の活躍と当時の様子が生き生きと る十七世紀の先進都市を舞台に︑二 本書では︑グローバル化の波に乗 うとしなかったという⁝⁝︒ わらず︑礼状はおろか返事すら書こ ディチ家に召し抱えられたにもかか 対 し︑ ガ リ レ イ は そ の お か げ で メ ぐさま支持し︑鑑定書も送ったのに た︒ケプラーはガリレイの結論をす 名誉と豊かさとに結びつけようとし 科学史上に輝く巨星の対照的な生涯と大発見! 四六判 四一八頁+ 定 価 三 七 八 〇 円︵ 本 体 三六〇〇円︶ 口絵八頁 ◇松島芳彦訳 絵八頁︑地図二六点収録︒ 戦を主題にした著作が多数ある︒口 は英国の歴史学の泰斗で︑第二次大 が︑深みをもって活写される︒著者 全貌と︑独裁や政治に翻弄される様 そ の 姿 を 通 し て︑﹁ 戦 争 の 世 紀 ﹂ の ジューコフ﹂の悲喜劇も描かれる︒ など︑これまで欠落していた﹁人間 との関係︑アイゼンハワーとの友情 呈した︒そして︑家族の証言︑愛人 信じていたが︑政治的には甘さを露 ジューコフは最後までスターリンを 根 に 触 れ て い る 点 が あ げ ら れ る︒ 人の﹁回想録﹂にはない︑素顔と心 本書の特徴として︑ジューコフ本 救った立役者として復権を果たす︒ 「20世紀最高の軍人」の実像 思考を複数化する《普遍学》とは何か? マルクスには見えなかったもの (2) 第 22 号 パ ブ リ ッ シ ャ ー ズ ・レ ビ ュ ー 2014 年(平成 26 年)1 月 15 日 ︻エクス・リブリス・クラシックス︼ 危険な関係 ラクロ﹇著﹈ 誘惑︑凌辱︑そして恋⁝⁝革命前 夜のフランス上流社交界を舞台に繰 り広げられる︑誘惑者と恋する者の 心 理 戦︒ ﹁征服すること﹂を自らの 使命とした男女二人の誘惑者のパ ワーゲーム︒快楽か情熱か︑攻略か それとも破滅か? 希代の策略家メルトゥイユ侯爵夫 人は︑自分を棄てた某伯爵への復讐 のため︑伯爵との結婚が予定されて ISBN978-4-560-09905-6 ン子爵に誘惑させようとする︒ 一方︑ 危険な放蕩者として恐れられている そのヴァルモンは︑貞潔で信心深い 貴婦人トゥールヴェル法院長夫人の 征服を企てている︒ チャールズ・ディケンズ伝 しか命をかけた闘争へと転じ︑虚栄 の残忍で冷酷な誘惑のゲームはいつ 代 表 作に﹃オリ ヴァー・ツイスト﹄ ︵一八一二 七 ‑ 〇︶は︑国民的作家で あり︑生誕二百 年を迎えたばかり︒ 十 九 世 紀 英 国 の 文 豪 デ ィケ ン ズ クレア・トマリン﹇著﹈ と 矜 持︑ 企 み と 計 算 に よ っ て 複 雑 ﹁魅了し︑攻略し︑棄て去る﹂ ︒こ に絡み合った彼らの運命はやがて悲 ﹃ 大い な る 遺 産 ﹄ ﹃ デイ ヴィッド・コ 強い作品の愛読者は︑今も絶えない︒ 身者を登場人物にした︑社会風刺の 本書は︑名作の創作秘話や文人との パフィールド﹄があり︑下層階級出 よって描き上げたフランス恋愛小説 交流︑愛人問題や慈善活動まで︑苦 劇的結末へと向かっていく ― 貴族 社会の﹁現実﹂と深層を︑一七五通 の不朽の名作が︑気鋭の仏文学者の の手紙からなる透徹した心理描写に 瑞々しい訳文によって四〇年ぶりに 父親が浪費家のため家庭は貧しく︑ ディケンズは中流階級出身だが︑ 受賞多数の伝記作家による傑作評伝︒ 難と栄光の生涯を鮮やかに再現する︒ 四六判 甦る︒ 定 価 三 五 七 〇 円︵ 本 体 ◇桑瀬章二郎︑早川文敏訳 五九〇頁 三四〇〇円︶1月下旬刊 母ふたり 母︒なぜ著者は二人 実の母 と 育 ての トに青臭い詩を書きためていた︒ユー ができなかったのか の母を共に許すこと 窪島誠一郎﹇著﹈ ゴ紛争前︑詩人の集まるカフェでムハン ISBN978-4-560-09031-2 マド・ という詩人に出会う︒詩は認 に入られ︑なぜか﹁指揮者﹂というあ を築く様子を描いた著者が︑一方で二 たし︑距離を置きながらも父子の関係 ︒前著﹃父 水上勉﹄で︑執念の ― 調査によって実父との劇的な再会を果 められなかったが︑彼と仲間たちに気 だ名で呼ばれるようになる︒︵ ﹁指揮者﹂ ︶ 人の母へのやるせない心情を迫力ある 育ての母は︑もとはといえば関西の ユーゴ紛争終結後︑作家として成功 浪曲師︒子宝に恵まれず︑実父母が住 しつつあった主人公は︑サラエヴォの 使館のレセプションに招かれ︑ピュリッ 筆致で描いた︑壮絶なドキュメント︒ ツァー賞作家に出会うが︑酔った勢い むアパートの学生たちの紹介で著者を 旧居を久しぶりに訪れる︒アメリカ大 で彼を両親のいる自宅に招いてしまう︒ にか︑真実は本当に真実なのかといっ 小説を書くとはなにか︑物語るとはな ユーモラスで温かな描写のなかに︑ たが︑父子再会が大きく報道されたあ が住む家の周辺を探るように訪ねてい た慙愧の念を捨てきれず︑育ての父母 母は水上勉と別れたあとも︑子を捨て なかで懸命に育てあげた︒一方生みの もらい受け︑赤貧洗うがごとき日々の た問いが巧みに織りこまれている︒虚 と︑ついに名乗り出て著者と面会をは ︵ ﹁苦しみの高貴な真実﹂ ︶ 二二六頁 ◇岩本正恵訳 たす︒しかしその後著者は︑一度しか 四六判 実の皮膜を凝視する︑八つの物語︒ 定価二三一〇円︵本体二二〇〇円︶ ISBN978-4-560-08344-4 知命と成熟 のレクイエム 伝説の出版社として知られる元小 長谷川郁夫﹇著﹈ 妻 と 別 居 し︑ 娼 婦 と 関 係 を も ち︑ 会った多くの作家や詩人などのうち︑ 沢 書店の店 主で︑現 代 文 学を中心に とくに強い絆で結ばれた十三人の文学 する︒そして︑五十八歳の時に病で 急死するが︑その意外な真相も明か 的偉業や人間的魅力に論及しながら︑ 郎︑堀口大學︑小沼丹︑田村隆一︑大 登場するのは︑吉田健一︑河上徹太 温かい﹂文芸評論集︒ 見過ごされてきた事実に光を当て︑ 原富枝︑野々上慶一︑水上勉︑川村二郎︑ 限りないオマージュを捧げた﹁硬派で 作家の﹁暗い面﹂にも言及する︒生 す︒おなじみの事実にひねりを加え︑ き生きとした逸話が満載の好著︒地 ◇高儀進訳 定価四八三〇円︵本体 四六判 が﹁じつに礼儀正しい大酒飲みである 文 紳 士﹄での文 学 的 出 会いから︑彼 そのなかでたとえば吉田健一︒ ﹃三 前登志夫︑ 小川国夫︑ 寺田博︑ 三浦哲郎︒ 四六〇〇円︶1月下旬刊 落語と川柳 長井好弘﹇著﹈ ごろから始まったことなのだろうか︒ 噺 家の高座では︑まくらに俳 句よ 本書は落語を楽しむうえで欠くこ 手渡した﹁日記﹂ ︑育ての母に手渡し 交ぜながら︑親探しの経緯を明らかに とのできないそうした川柳の役割を︑ 多い︒なぜだろうか︒またそれはいつ し︑そのうえで著者は﹁何十年もかけ りもむしろ︑川柳が披瀝されることが て実父母をさがしあてたのは︑いったい 読売新聞﹁よみうり時事川柳﹂選者 ながらついに開封されることのなかった 何のためだったのだろう﹂と述懐する︒ が長 年にわたって築き上げた薀 蓄を もとに書き下ろした力作である︒ 母記﹂とも﹁棄母記﹂ともいえるもので︑ ていた川 柳 家・坊野 寿 山 が︑親 交の た﹁花柳吟﹂の第一人者として知られ 昭和五年︑当時花柳界を題材にし 表向き実父との再会を歓びとした著者 亭圓 生の二人へ盛んに川 柳の句 作を ある四代目 柳 家小さん︑五代目三遊 勧め︑ 八代目桂文楽︑ 古今亭甚語楼︵の ものともいえる︒◇四六判 三二六頁 定価二七三〇円︵本体二六〇〇円︶ の︑これ以上ない孤独な半生を著した が残る本書は︑しかし著者による﹁失 かもしれない︒鉛のように重い読後感 すべてはあの戦争がもたらしたもの ﹁手紙﹂ ︑及び関係者の証言などを織り 本書では再会後に生みの母が著者に 態で︑最期に立ち会うこともなかった︒ は同居するものの︑ ﹁家庭内別居﹂状 夫と死別後に自殺︒著者は育ての親と 再婚して幸せな家庭を築いたものの︑ 会おうとしなかった︒その生みの母も ISBN978-4-560-08340-6 口絵二四頁 五六〇頁+ 図・口絵・図版多数収録︒ も頁を多く割き︑共感と洞察力を示 むろん︑作家活動や作品について される︒ 四十代のとき十七歳の少女を愛人に 13 鋭い論陣を張る著者が︑これまでに出 にいずれ入りたいと願ったという︒ して亡くなった義 妹を愛し︑その墓 必要以 上に厳しかった︒また︑若く では妻に辛くあたり︑息子たちには 給で働き︑やがて結婚する︒家庭内 破産する︒ろくな教育もうけず︑薄 文豪の素顔と永遠の名作の舞台裏とは? 実父母を捜す旅から始まった壮絶な家族物語 いる少女セシルを﹁同志﹂ヴァルモ 40年ぶりとなる、 待望の新訳! 家族と故郷に捧ぐ 8 つの「愛」の物語 ISBN978-4-560-08336-9 こと﹂ ﹁文学的経歴がこれまでの文士 も桁外れの人物であること﹂などを知 とはまったく違っていて︑素養も食欲 三一三頁 わしい一冊だろう︒ ◇四六判 円︵本体二八〇〇円︶ ちに五代目志ん生︶ ︑蝶花楼馬楽︵八 ISBN978-4-560-08332-1 定価二九四〇 副題の﹁レクイエム﹂がいかにもふさ 真摯な文芸評論であると同時に︑ 紹介されている︒ いういかにも作家らしいエピソードも に行こう︑起こしてくれと命じた﹂と を合わすなり︑さあイクちゃん︑飲み の作家を見舞った著者に︑ いきなり﹁顔 ている︒亡くなる前日の午後︑入院中 れば知ることのできない数々が記され 小川国夫との交遊も︑親しくなけ ない︒ という指摘を付け加えるのも忘れてい 麟太郎がいう﹁嘘をつく技術がうまい﹂ たことなどを告白する︒もちろん福原 り︑自身の﹁吉田健一伝説﹂を形成し 真摯で温かな文芸評論 頁 定価二四一五円︵本体二三〇〇円︶ いたくなる一冊だ︒◇四六判 二四八 で︑目の肥えた落語ファンなら持って ルポや︑演目での実用例なども豊富 鹿連会の流れを引き継ぐ鹿川会の になっていることを説いていく︒ 姿を描き︑それが落語の重要な要素 彼らの﹁くだらないことに熱中する﹂ 連なった面々の川柳を紹介しながら︑ 本 書はまず︑この伝説の鹿 連 会に 川柳会が開かれたりもした︒ で放送されたり︑人形町末廣で即席 ごとに復 活する︒その模 様はラジオ しばらくたった昭和二十八年六月︑み 合二年ほどで自然消滅︑だが戦後も だが︑結局︑回数にして五︑ 六回︑都 華々しいスタートを切った鹿 連 会 る川柳会を始めた︒ の錚々たるメンバーを集め︑鹿連会な 代目林家正蔵から彦六︶ら︑十五人 落語に川柳が多用されるわけ ︻エクス・リブリス︼ アレクサンダル・ヘモン﹇著﹈ サラエヴォに生まれ︑ユーゴ紛争を 機にアメリカに移住した語り手の︑思 春期のほろ苦い思い出︑家族と失われ た故郷への思い⁝⁝﹃ノーホエア・マン﹄ で注目を浴びた鬼才による︑待望の最 新連作短篇集︒ 十六歳の主人公は︑下級外交官の父 の任地ザイールで家族とひと夏を過ご す︒上階にはスピネッリというアメリ カ人が住んでいて︑真夜中にレッド・ ツェッペリンの﹁天国への階段﹂に合わ せてドラムを叩くという悪癖があった︒ ︵ ﹁天国への階段﹂ ︶ 二十代の頃︑ ﹁僕﹂は詩を志し︑ノー D 愛と障害 ◉新刊◉ 第 22 号 パ ブ リ ッ シ ャ ー ズ ・レ ビ ュ ー 2014 年(平成 26 年)1 月 15 日 (3) パ ブ リ ッ シ ャ ー ズ ・レ ビ ュ ー 2014 年(平成 26 年)1 月 15 日 第 22 号 (4) ◉新刊◉ 鐘 を 鳴 ら し ︑ 絶 滅 し た 頂 点 捕 食 者 オ な ん と す で あ る ︒ こ う し た 現 状 に 警 や 土 砂 流 出 が 発 生 し ︑ ま さ に 国 荒 れ 動 物 も 激 減 ︑ さ ら に は 各 地 で 裸 地 化 し ︑ 山 地 で は ラ イ チ ョ ウ や 小 鳥 ︑ 小 ア オ イ や ニ ッ コ ウ キ ス ゲ が 危 機 に 瀕 変 を も た ら す の だ ︒ 日 光 で は シ ラ ネ 樹 や 植 樹 を 食 い 荒 ら し ︑ 自 然 界 に 異 ま で 増 え 続 け る ︒ 下 草 ば か り か 原 生 る ︒ シ カ は 多 く の 植 物 を 食 べ つ く す 主 た る 原 因 は ニ ホ ン ジ カ の 激 増 で あ 北 海 道 か ら 南 は 屋 久 島 ま で 深 刻 だ ︒ 丸 山 直 樹 ﹇ 日 本 の 自 然 生 態 系 の 荒 廃 が ︑ 北 は 編 著 ﹈ 全ての疑問・反論に答える! 書 の ほ と ん ど は ︑ 村 単 位 あ る い は ワ 定 価 二 四 一 五 ブ ル ゴ ー ニ ュ ワ イ ン に 関 す る 既 存 を 訴 え る 編 著 者 の 思 い は 熱 く ︑ か つ を 信 じ て 全 国 民 に 頂 点 捕 食 者 の 復 活 の 対 応 に 接 し な が ら も ︑ 論 理 的 思 考 て い く ︒ 偏 見 に ま み れ た 識 者 ・ 行 政 の エ コ ロ ジ ー に 基 づ い て 丁 寧 に 答 え 等 々 に 対 し ︑ 最 新 の 科 学 的 調 査 や 真 地 は ど こ な の か ︑ そ も そ も あ る の か ﹂ の 失 敗 を ど う 考 え る か ﹂ ﹁ 導 入 候 補 だ っ た の で は ? ﹂ ﹁ マ ン グ ー ス 導 入 う し た 疑 問 に 答 え る 一 冊 で あ る ︒ が 生 じ る の は な ぜ か ぜ か ︒ ワ イ ン の 値 段 に 何 倍 も の 開 き ぐ 隣 が グ ラ ン ・ ク リ ュ と な る の は な ミ エ ・ ク リ ュ で ︑ 細 い 道 を 隔 て た す る ブ ド ウ 畑 の う ち ︑ あ る 場 所 が プ ル か な い ︒ コ ー ト ・ ド ー ル の 丘 に 連 な き る ボ ト ル は わ ず か 一 パ ー セ ン ト し ラ ン ・ ク リ ュ の 名 を 冠 す る こ と が で │ 本 書 は そ う の で は な い か ﹂ ﹁ 日 本 の は 固 有 種 反 著 る 論 刊 根 行 絶 後 の ﹁ に 過 オ 寄 程 オ せ を カ ら 詳 ミ れ 述 は た し 人 全 ︑ や て さ 家 の ら 畜 疑 に を 問 は 襲 ・ 前 ミ の 生 態 や 捕 食 効 果 ︑ 明 治 政 府 に よ 本 書 は そ の 第 二 弾 で あ る ︒ オ オ カ 山 他 編 著 ︶ で あ り ︑ 大 反 響 を 呼 ん だ ︒ 〇 七 年 刊 の ﹃ オ オ カ ミ を 放 つ ﹄ ︵ オ カ ミ を 再 導 入 す べ き だ と し た の 丸 が レ ミ ン ト ン ・ ノ ー マ ン ﹇ ブ ル ゴ ー ニ ュ 産 ワ イ ン の 中 で ︑ グ 著 ﹈ そのワインはどこが違うのか ◇ 日 向 理 元 訳 二 九 二 頁 ン で も あ る 著 者 の 知 識 が 余 す と こ ろ 者 索 引 付 き ︒ マ ス タ ー ・ オ ブ ・ ワ イ リ ア ご と の 航 空 写 真 ︑ 畑 の 主 要 所 有 ニ ュ 品 種 の 可 能 性 が 述 べ ら れ る ︒ エ 購 入 方 法 ︑ 新 世 界 に お け る ブ ル ゴ ー 四 部 で は ︑ テ イ ス テ ィ ン グ ︑ 賢 明 な 造 り に 関 す る 技 術 的 な 解 説 ︑ ま た 第 要 性 ︑ 栽 培 や 醸 造 方 法 な ど ︑ ワ イ ン さ れ る ︒ 第 三 部 は ヴ ィ ン テ ー ジ の 重 所 有 者 ︑ ワ イ ン に つ い て 詳 細 に 紹 介 て ︑ 地 勢 ・ 地 質 ︑ 畑 名 の 由 来 ︑ 主 要 ミ エ ・ ク リ ュ の 計 三 十 三 の 畑 に つ い べ て の グ ラ ン ・ ク リ ュ と 著 名 な プ ル 要 を 解 説 ︒ 核 と な る 第 二 部 で は ︑ す 地 質 な ど ︑ コ ー ト ・ ド ー ル 全 体 の 概 全 体 は 四 部 構 成 ︒ 第 一 部 で は 歴 史 ︑ を ︿ 垂 直 視 点 ﹀ で 掘 り 下 げ て い く ︒ 点 ﹀ の 解 説 だ が ︑ 本 書 は 銘 醸 畑 だ け エルンスト・ブロッホ 山下 肇、瀬戸鞏吉、片岡啓治、沼崎雅行、石丸昭二、保坂一夫 訳 来るべき自由の大地を見据える特異なマルクス主義哲学者、ブロッホ畢生の大 著。哲学、文学、音楽、美術、建築、地理など人類の広大な文化遺産から「よ 明 か さ れ る の も 大 き な 魅 力 と な っ て い 謎 に 包 ま れ た 生 態 が 歴 史 的 に 解 き れ て い る か ら で あ る ︒ 随 所 に 見 ら れ 間 の ド ラ マ が 刻 ま れ て い る ︒ そ こ に 含 め た 各 場 面 で 情 熱 を 傾 け て き た 人 物 の 歴 史 に は ︑ 解 剖 や 剝 製 展 示 ま で 大 な 金 を 動 か す 力 を も つ ア イ ド ル 動 世 界 の 人 々 を 虜 に し 続 け ︑ 今 や 莫 い る ︒ そ れ は ひ と え に ︑ リ ア リ テ ィ て ︑ 本 書 は 他 に な い 魅 力 に あ ふ れ て 紹 介 や 自 慢 話 の 域 を 出 な い の に 対 し ワ イ ン 本 の 多 く が ︑ 単 な る 生 産 者 ア ル か つ ヴ ィ ヴ ィ ッ ド に 描 か れ る ︒ 験 し た 出 来 事 や 著 名 な 醸 造 家 が ︑ リ ニ ュ と い っ た 銘 醸 地 で 著 者 自 身 が 体 愛 情 が ︑ 絶 妙 な バ ラ ン ス で 配 合 さ る 批 判 精 神 ︑ そ し て ワ イ ン へ の 深 い あ る エ ピ ソ ー ド ︑ ユ ー モ ア ︑ 確 固 た 改 め て 思 い 知 ら さ れ た ︒ り ︑ 繁 殖 の 難 し さ と 生 態 の 不 思 議 さ を の 兆 候 が あ っ た が ﹁ 偽 妊 娠 ﹂ だ と わ か ヘ ン リ ー ・ ニ コ ル ズ ﹇ 昨 夏 ︑ 上 野 動 物 園 の パ ン ダ に 妊 娠 著 ﹈ パ ン ダ の 未 来 を 考 え る ︒ れ て き た の か ︒ 最 新 の 動 向 も 踏 ま え ︑ 保 護 の 取 り 組 み は ど の よ う に 進 め ら ロ ワ ー ル ︑ ボ ル ド ー ︑ ロ ー ヌ ︑ ブ ル ゴ ー た ︑ フ ラ ン ス ワ イ ン の 買 い 付 け 紀 行 ︒ ア メ リ カ の 名 物 ワ イ ン 商 が 記 し て い る ワ イ ン 生 産 者 の 顔 ぶ れ だ け で を 得 て い る 者 が 多 い ︒ 取 り 上 げ ら れ ラ ヴ ノ ー な ど ︑ 伝 説 的 な 高 い 評 価 ド イ ツ は ︑ リ ミ ニ ・ プ ロ ト コ ル の 師 陣 が ︑ そ の 創 作 術 ・ 方 法 論 を 語 る ! 二 十 一 世 紀 の 舞 台 芸 術 を 切 り 拓 く 講 惧 種 に も 指 定 さ れ た パ ン ダ の 繁 殖 と に 本 格 的 に 乗 り 出 し て い く ︒ 絶 滅 危 と タ ッ グ を 組 ん で ︑ 生 態 の 研 究 と 保 護 W W F は ロ ゴ に パ ン ダ を 採 用 し ︑ 中 国 国 共 産 党 は パ ン ダ を 外 交 に 活 用 す る ︒ 発 揮 し ︑ 第 二 次 大 戦 後 の 冷 戦 下 で 中 物 園 に 展 示 さ れ る と 驚 異 の 集 客 力 を 二 六 〇 〇 円 ︶ 三 八 三 頁 R ・ ム ル エ & L ・ サ ー ネ ー ︵ プ ロ ジ ェ 聖 喜 劇 と 謎 定 価 二 七 三 〇 円 ︵ 本 体 同 ② ︶ ︒ レ バ ノ ン は ︑ ワ イ ン 愛 好 家 必 読 の 書 で あ る 四 ︒ 六 判 ︵ 濾 過 な ど ︶ を 痛 烈 に 批 判 し て い る ︒ ン を 損 な う 現 代 的 な テ ク ノ ロ ジ ー ﹂ 彰 と 擁 護 ﹂ で あ る ︒ 返 す 刀 で ﹁ ワ イ メ ッ セ ー ジ は ︑ ﹁ 自 然 派 ワ イ ン の 顕 の 裂 け 目 を 表 現 す る 演 劇 言 語 ① ︑ 神 タ リ ア は ︑ R ・ カ ス テ ル ッ チ ︵ ギ リ シ ャ を 書 く と は ど の よ う な こ と か ? ︶ ︒ イ ベ ロ ネ ッ セ ︵ ポ ス ト ド ラ マ 時 代 に 戯 曲 組 方 法 ① 同 ︑ ② ア ン ︶ ︒ ケ ア ー ル ト ゼ 調 ン 査 チ と ン テ は レ ︑ D ビ ・ 番 ◇ 立 花 峰 夫 ︑ 立 花 洋 太 訳 悲 劇 と 毒 薬 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 本 書 に 一 貫 し て 流 れ て い る 力 強 い ぐ る だ ろ う ︒ も ︑ ワ イ ン 愛 好 家 の 心 を 十 分 に く す カ ー ミ ッ ト ・ リ ン チ ﹇ 著 ﹈ 新 し い ド キ ュ メ ン タ リ ー 演 劇 を つ く る 面 々 ︵ イ ン タ ビ ュ ー と 都 市 空 間 の ア ン リ ・ ジ ャ イ エ ︑ フ ラ ン ソ ワ ・ の ド メ ー ヌ ・ タ ン ピ エ ︑ ブ ル ゴ ー ニ ュ ヴ ュ ー ・ テ レ グ ラ フ ︑ プ ロ ヴ ァ ン ス ジ ェ ラ ー ル ・ シ ャ ー ヴ ︑ ド メ ー ヌ ・ 登 場 す る 生 産 者 に は ︑ ロ ー ヌ の ニ ー ク で 鋭 い 洞 察 に 満 ち て い る ︒ る 著 者 の ワ イ ン に 対 す る 見 解 も ︑ ユ 舞台芸術の教科書/ 実用書としての演劇論 ◇ A 5 判 体 化 す る 方 法 ︶ ︒ そ し て ︑ H T ・ レ ー ロ ギ ー と B B 弾 戦 争 の 記 憶 を 身 法 ︶ ︒ 韓 国 は ︑ Y ・ ハ ン ソ ル ︵ イ デ オ 監 視 社 会 で 新 し い 会 話 劇 を つ く る 方 コ ヘ ス タ ニ ︵ 携 帯 電 話 と 暗 プ デ ー ト す る 方 法 ︶ ︒ イ ラ ン は 号 ︑ A ・ R ・ ク と 素 人 観 客 参 加 型 演 劇 を ア ッ イ ン は ︑ R ・ ベ ル ナ ッ ト ︵ ル ー ル ブ ッ と の な い ダ ン ス を つ く る 方 法 ︶ ︒ ス ペ 誰 も が 知 っ て い る 音 楽 か ら 誰 も 見 た こ ベ ル ︵ コ ン セ プ チ ュ ア ル と ポ ッ プ ― マ ン の 論 考 ︵ ポ ス ト ド ラ マ 演 劇 は い か ― 定 価 二 四 一 五 円 に 政 治 的 か ? ︶ を ﹁ 特 別 講 義 ﹂ と し い ﹁ 新 し い 物 語 ﹂ を つ む ぐ 方 法 ︶ と J ・ ト と 少 年 少 女 世 に も 奇 妙 で 美 し ラ ン ス は ︑ G ・ ヴ ィ エ ン ヌ ︵ マ リ オ ネ ッ ン を 演 劇 と し て 成 立 さ せ る 方 法 ︶ ︒ フ ク シ ョ ン と 実 演 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ F / T ユ ニ バ ー シ テ ィ ︑ 早 稲 田 大 学 演 劇 博 物 館 ﹇ 編 ﹈ 藤 井 慎 太 郎 ﹇ 監 修 ﹈ ISBN978-4-560-08341-3 二 四 〇 頁 て 収 録 ︒ ― ︵ 本 体 二 三 〇 〇 円 ︶ 1 月 下 旬 刊 パ ン ダ が 来 た 道 人 と 歩 ん だ 150 年 ワインをめぐる冒険 = ■第一巻(解説:柄谷行人)3990 円 ■第二巻(解題:保坂一夫)4200 円 ■第三巻(解説:宇野重規)4410 円 ■第四巻 4200 円 ■第五巻 4515 円 ■第六巻 4410 円 (価格は 5%税込) る 本 書 は ︑ 気 鋭 の サ イ エ ン ス ジ ャ ー ナ ― を無から救いだし既成性を造り変える手がかりとなるに違いない。 リ ス ト が 綿 密 な 調 査 に 基 づ き ︑ パ ン ダ は ︑ 動 物 や 自 然 に 対 す る 人 間 の 態 度 ― シズムと戦争の逆境にあった。3・11 を経験した私たちにとって本書は、希望 と 人 間 が 辿 っ た 数 奇 な 道 の り を 鮮 烈 に ― りよい世界の見取図」を紡ぎ出す。 「哲学は明日の良心を、希望を我がものとする」−こう書いたとき著者は、ファ 描 い た 画 期 的 な 一 冊 で あ る ︒ ― 全六巻 一 八 六 九 年 ︑ カ ト リ ッ ク 宣 教 師 ダ 四 多 た が 六 数 の 二 判 ︒ か 十 ◇ も 世 三 遠 映 紀 二 藤 し を 八 秀 出 通 頁 紀 さ じ 監 れ て て ど 定 修 い の 価 る よ 二 池 の う 村 五 だ に 二 千 ︒ 変 〇 秋 図 化 円 訳 版 し ― 希望の原理 [白水 i クラシックス] ︵ 本 体 二 四 〇 〇 円 ︶ 1 月 下 旬 刊 ― 今こそ読みたい、 〈希望〉についての古典的名著 ヴ ィ ド が 四 川 省 の 山 奥 で ジ ャ イ ア ン ト ― 名著、全六巻完結! 《2013年の収穫》 パ ン ダ を 発 見 し た こ と か ら 物 語 は 始 ま ISBN978-4-560-08333-8 A 5 判 な く 綴 ら れ た ︿ ブ ル オ タ ﹀ 必 携 の 書 ︒ ブ ル ゴ ー ニ ュ の グ ラ ン ・ ク リ ュ る ︒ レ ッ サ ー パ ン ダ と ク マ の ど ち ら に 上野動物園長・土居利光氏推薦! ISBN978-4-560-08338-3 定 価 三 五 七 〇 円 ︵ 本 体 三 四 〇 〇 円 ︶ 生 態 系 で の 役 割 と 復 活 の 必 要 性 近 い の か ︑ 大 論 争 が 巻 き 起 こ っ た ︒ 動 ISBN978-4-560-08343-7 イ ン 生 産 者 ご と に 紹 介 す る ︿ 水 平 視 二 九 四 頁 深 い ︒ 渾 身 ︑ 畢 生 の 全 十 八 章 ! ISBN978-4-560-08342-0 ◇ 四 六 判 ― 円 ︵ 本 体 二 三 〇 〇 円 ︶ 1 月 下 旬 刊 オ オ カ ミ が 日 本 を 救 う ! 最 高 の ワ イ ン を 買 い 付 け る フ ラ ン ス の 伝 説 的 醸 造 家 を 訪 ね る 旅 ポ ス ト ド ラ マ 時 代 の 創 造 力 新 し い 演 劇 の た め の 12 の レ ッ ス ン パ ブ リ ッ シ ャ ー ズ ・レ ビ ュ ー 2014 年(平成 26 年)1 月 15 日 (5) 第 22 号 ◉新刊◉ 白水 新レーベル 《海外小説 白水社 企画 ブックス 特別 2013年のベスト10 永遠の本棚》のご案内 発表! これまで多くの名著をお届けしてきた〈白水 U ブックス〉では、この たび新レーベル《海外小説 永遠の本棚》の刊行を開始いたします。 騰! 話題沸 毎年、数多くの海外作品が翻訳紹介され、新しい読者を獲得して かつて誰もが知り、親しまれてきた名作がいつのまにか新刊書店 の棚から姿を消し、 「幻の」作品と化していることもしばしばです。 池田信夫 著 み継がれるべき海外文学の名作を、U ブックスのハンディで親し 原発事故で再び脚光を浴びることになった「失敗の本質」 とは ? 日本人を規定してきた「空気」とは ? 「日本」を 語る新たな地平を模索する渾身の書き下ろし! ● 1680 円 みやすい装いで復刊し、21 世紀の読者へお届けするシリーズです。 ❷『父 水上勉』 窪島誠一郎 著 なぜ自分を捨てた父を許せたのか? 劇的な父子の再会を経て数十 年、稀代の私小説作家であり、数々のベストセラーを生み出した水 上勉の生涯を、実子である無言館館主が書き下ろす。 ● 2940 円 ❸『オーケストラの音楽史 大作曲家が追い求めた理想の音楽』 パウル・ベッカー 著/松村哲哉 訳 大作曲家たちはオーケストラで何を表現しようとしたのか。主要楽曲を例 にあげながら、表現や楽器編成の変化に込められたその意図や、時代と社 会の反映としてのオーケストラを語る。大評論家の幻の名著! ● 2520 円 ❹『自民党と公務員制度改革』 塙 和也 著 秋葉原事件やリーマン・ショックに揺れた 2008 年―。戦後政治と向き合った福田 康夫、麻生太郎、渡辺喜美、甘利明の「総合調整」を巡る戦いに迫る。 ● 1785 円 ﹂ 七つのゴシック物語2 ︽海外小説 永遠の本棚︾ ﹁夢みる人びと ❺『周五郎伝 』 虚空巡礼 齋藤愼爾 著 市井の人々の哀歓に寄り添い、巡礼を求め続けた作家・山本周五郎。その〈伝説〉を 今に甦らせ、新たな〈神話〉を告知する渾身の書き下ろし評伝。 ● 3570 円 ﹁第三の警官﹂ フラン・オブライエン﹇著﹈ ❻『神は死んだ』[エクス・リブリス] U188 ロン・カリー・ジュニア 著/藤井 光 訳 「神の肉」を食べたために知性が高度に発達した犬へのインタビューなど、異色の9 篇を収めた、全米で話題騒然の新人による連作短篇集。 ● 2310 円 ❼『遺伝子組み換え食品の真実』 アンディ・リーズ 著/白井和宏 訳 発がん性リスクなど隠蔽される人体への影響と、米国の巨大企業を中心とした組織的 な策略の全貌を明らかにする。TPP を考える上でも必読! ● 2520 円 ❽『白文攻略 漢文法ひとり学び』 加藤 徹 著 究極の素養―漢文力がこれで身につく! 漢文を、訓読の知識を生かしつつ外国語として学 ぶ学習書。この 1 冊から無限に豊かな漢文の世界が開けます。全読書人必携! ● 2520 円 ❾『トクヴィルが見たアメリカ ISBN978-4-560-07188-5 ﹁ フ ィ リ ッ プ・ メ イ ザ ー ズ 老 人 を 研 殺したのはぼくなのです﹂ ― 究書の出版資金ほしさに雇人と共謀 し︑ 金 持 ち の 老 人 を 殺 害 し た 主 人 公 は︑事件のほとぼりのさめた頃︑隠してあった金 庫を取りにその屋敷に忍び込む︒そこで老人の亡 霊 と 出 会 っ た 彼 は︑ い つ し か 三 人 の 警 官 が 管 轄 し︑自転車人間︵あるいは人間自転車︶の住む奇 妙な世界に迷い込んでしまう︒さらに謎の装置に 満ちた地下の領域︑壁の中の部屋へと︑警官たち に導かれて︑名前をなくした語り手の異界めぐり は続く︒現実と非現実がトロンプ・ルイユ︵だま し絵︶のように反転する小説世界を︑異様な出来 事を淡々と語っていく主人公とともに彷徨う読者 は︑最後に驚くべき真実にたどりつくだろう︒ジョ イスやベケットにも通じる二十世紀文学の前衛的 手法︑神話とノンセンス︑アイルランド的ユーモ 定価一六八〇円︵本体一六〇〇円︶ アが渾然となった奇想小説︒◇大澤正佳訳 新書 判 三五六頁 』 現代デモクラシーの誕生 レオ・ダムロッシュ 著/永井大輔、髙山裕二 訳 米誌『ニューヨーカー』もノンフィクション部門で「必読書」として絶賛! リーダブルにト クヴィルとアメリカを知ることができる一冊。 ● 2940 円 ﹁ユニヴァーサル野球協会﹂ 10『ヤルタからヒロシマへ U189 』 終戦と冷戦の覇権争い マイケル・ドブズ 著/三浦元博 訳 海外文学の名作を︑ ハンディサイズで︒ ISBN978-4-560-07189-2 新 人 投 手 デイモン・ラ ザーフォー ドの完全試合達成まであと一人! ス タンドの観客は固唾をのみ︑デイモン 中だけに存在する野球リーグだ︒試合展開を決め ユニヴァーサル の投 球 を見 守る ― 野球協会は︑冴えない中年の会計士ヘンリーの頭の るのはサイコロと各種一覧表︒架空のゲームのスコ らの逸話やリーグの栄光の歴史を空想することに アをつけ︑球団勝敗表や選手の成績を記録し︑彼 を達成した新人投手を悲劇が襲った時から︑虚構 ヘンリーの毎日は捧げられている︒だが︑完全試合 める︒野球ゲームの世界に没入する男の物語を通 と現実の境界が崩れだし︑ヘンリーの人生は狂い始 して︑アメリカの歴史や政治や宗教を語り直し︑ 堂入り名作︒ゲーム世界が現実よりリアルで切実 現代の神話を創造するポストモダニズム文学の殿 なものとなった主人公を他人事とは思えない読者 は少なくないはず︒◇越川芳明訳 新書判 三七四 頁 定価一六八〇円︵本体一六〇〇円︶1月中旬刊 ロバート・クーヴァー﹇著﹈ 野球の神様はサイコロを振る ISBN978-4-560-07187-8 名前のない語り手が迷い込んだ奇妙な世界 イサク・ディネセン﹇著﹈ 婚礼の日の朝︑冒険を求めて国を出奔︑ 海賊になったと噂される弟が三十年ぶりに 帰ってきた︒弟を愛し独身を守ってきた二 人の姉は︑その報せを聞いて故郷の屋敷へ 向 か う が ⁝⁝ 死 者 と 生 者 の 交 感 を 描 い て 夢 幻 能 に も 似 た味わいの﹁エルシノーアの一夜﹂ ︒ローマの売春宿の 女︑スイスの革命家の帽子つくり︑フランスの田舎町の 重層する語りの中に浮かびあがる女の複 貞淑な聖女 ― 数の生を追う﹁夢みる人びと﹂ ︒芸術を愛し︑有望な若 者を偉大な詩人に育てあげて︑その後見人たらんとした 顧問官を皮肉な運命が見舞う﹁詩人﹂の全三篇を収録︒ 夢想と冒険︑人生の神秘を描いて︑物語のもつ力を現代 に 甦 ら せ た 作 家 デ ィ ネ セ ン に よ る 不 滅 の 物 語 集﹃ 七 つ の ゴ シ ッ ク 物 語 ﹄ 下 巻︒ 現 代 の シ ェ ヘ ラ ザ ー ド が 様 々 新書判 な声を駆使して織りあげた数奇な物語の数々は︑読者を 定価一四七〇円︵本体一四〇〇円︶ 豊饒な語りの迷宮へといざなう︒◇横山貞子訳 三一八頁 ■既刊■﹃ピサへの道 七つのゴシック物語1﹄︻ 186︼ ◎定価一四七〇円︵本体一四〇〇円︶ U ❶ 日本人はなぜ決められないのか』 《海外小説 永遠の本棚》はこうした状況に一石を投じ、ながく読 U187 ◎表示価格は 5%税込 『 「空気」の構造 います。しかし、サイクルの短い現在の出版状況では、その一方で、 物語の力を現代に喚び戻す奇跡の名作 昨年も 話題作 続々! 1945 年の 6 カ月間、終戦と戦後体制をめぐる「三巨頭会談」の舞台裏とは? 広島・長崎 への原爆投下決定、ソ連の対日参戦の真相に迫る傑作ノンフィクション。 ● 3360 円 【白水 U ブックス】第 1 位 『ゴドーを待ちながら』 [白水 Uブックス 183] サミュエル・ベケット 著/安堂信也、高橋康也 訳 田舎道。 一本の木。 夕暮れ。 エストラゴンとヴラジーミルという二人組のホームレスが、 救済者・ ゴドーを待ちながら、ひまつぶしに興じている─。不条理演劇の最高傑作! ● 1260 円 【語学書】第 1 位 【CD 付】 『韓国語発音クリニック』 前田真彦 著 あなたの韓国語の発音の悩みに適切な診断を下し、解決策をお教えします。ネイティブに も伝わる発音を目指して、目からウロコの特効薬が満載! ● 2310 円 * 2012 年 11 月〜 2013 年 10 月に刊行された本で、2013 年 1 月〜 10 月の累 計で売れ行きのよかったものをピックアップしました。 8 面では最近の話題書もご紹介しておりますので、ご参考ください。 パ ブ リ ッ シ ャ ー ズ ・レ ビ ュ ー 2014 年(平成 26 年)1 月 15 日 第 22 号 (6) ◉新刊◉ 《CD 付》 「韓国語 1 2 3」 福島みのり[著] 文庫クセジュ 段階的に基本フレーズを学ぶやさしい入門書 ﹁シチリアの歴史﹂ Q985 ﹁ ﹇新版ロ ﹈ ーマ共和政﹂ Q986 ﹁ケアの倫理 Q987 ﹂ ネオリベラリズムへの反論 ■未開拓な概念を社会関係の中枢に位置づける ISBN978-4-560-50987-6 現代のネオリベラリズムの社会とは︑自律し ファビエンヌ・ブルジェール﹇著﹈ ■王政と帝政にはさまれた特殊な五〇〇年間 た個人が競争しあう社会である︒しかしそれだ ISBN978-4-560-50986-9 王政と帝政に前後をはさまれ︑ほぼ五〇〇年続 フランソワ・イナール﹇著﹈ ■特異な歴史の決定的特徴と要因に光を当てる いた長い歴史を三つの章にわけて解説︒王政を倒 ISBN978-4-560-50985-2 シチリアはイオニア海︑ティレニア海に面した北 ジャン・ユレ﹇著﹈ 部や東部に平野が広がり︑内陸部は台地︑島の東 けで︑社会は成り立つのだろうか︒ 人間は︑実は傷つきやすく︑ひとりでは生き し︑全市民が政治に参加する途を開くなどローマ ていくことができないため人との関係︑他人へ の一角にはエトナ山という火山がある変化に富んだ この時代は戦争が盛んな時期であり︑覇権を賭 の依存を 必要としているのだ︒﹁ケ ア﹂とは︑ 的自由を求めて新体制が成立した︒ 人の傷つきやすさに関わることであるが︑その 地形になっている︒それぞれの土地の特徴をいかし た多様な農業が営まれてきたが︑他にも漁場︑硫 また同時にシチリア島やカルタゴなど多くの国と けて北のエトルリア人︑南のギリシア人と争った︒ 活動はこれまで私的なこととされ隠されてき 位置的にはイタリア・ギリシア・アフリカに面し︑ 戦い︑その勝利によって地中海においても揺ぎな 黄の鉱脈︑石油など豊かな資源を有する︒ 地中海の真ん中︒パレルモはナポリ・チュニス・ジ た︒ 自律した個人が競争できるのは﹁ケア﹂する などローマ文化が芽生え︑また戦争から得た莫大 守屋 愛 い地位を確立する︒対外戦争が続く一方で︑文学 「ロシア語」 ブラルタル・アレクサンドリアの中間地点にあり︑ 第 17 回 マルセイユとアテネから等しい距離にある︒東洋と 宇宙に一番近い国 人が存在するからであり︑﹁世話をすること﹂ ISBN978-4-560-08650-6 近況報告・依頼・感謝・謝罪・お誘い・お祝い・お見舞いな ど、場面ごとに実用的な例を網羅しました。フォーマル・イン フォーマルの使い分けが一目でわかり、語句のニュアンスまで つかめる丁寧な注釈つき。 豊富な用例や類似表現で応用も自在。 巻末の日本語索引で書きたい表現がすぐに見つかります。友人 とのやりとりにもビジネスにも役立つ、スペイン語 E メール の決定版! ◇ A5 判 223 頁 定価 2205 円(本体 2100 円) 定価一二六〇円︵本体 実用性ナンバー 1! E メールの決定版 一三四頁 四宮瑞枝、廣康好美、ホセファ・ビバンコス、 「Eメールのスペイン語」フアン・カルロス・モヤノ [著] 新書判 ISBN978-4-560-08651-3 イタリア語を習得する近道は「系統立てて学ぶこと」そして「文 を構成する要素に注意すること」 。この 2 つのポイントをおさえな がら、簡潔明瞭な文法解説と 3 段階に設定された問題で、正確な 文法力を身につけましょう。複雑にみえる文法も、整理された知 識を適切な順序で積み重ねていけば、 決して難しくはありません。 初級文法のおさらい、イタリア語検定対策にも有効です。 ◇ A5 判 193 頁 定価 1995 円(本体 1900 円)1 月下旬刊 の 概 念 を 見 つ め 直 す︒ そ の 倫 理 は 社 会 関 係 の 基礎を固め、真の実力をつけたい人に な富は建築ブームをもたらした︒神殿などの公共 「イタリア語文法 3段階式徹底ドリル」堂浦律子[著] 西洋とを結ぶあらゆる海路はシチリア沖で交錯し︑ 世 界 を め ざ す︒ 本 書 は ア メ リ カ で 始 ま っ た 議 ISBN978-4-560-08648-3 文字と発音を習得したあと、すぐに始められる問題集です。 基礎をおさらいしたい方にもおすすめ。名詞、形容詞、動詞の 基本的な用法はもちろん、派生形動詞を使った表現まで、文法 を少しずつ段階的に身につけられます。各課は [解説+練習問題] の 2 ページ構成、全 65 課+解答例・単語リスト。これさえマス ターすれば、あとはあなたの自由自在! ◇ A5 判 197 頁 定価 2520 円(本体 2400 円) 中枢に位置づけられるものであり︑配慮しあう 論をフランスの哲学的背景からいっそう深め アラビア語が使える・話せる自分の姿を想像してみよう! 建築物だけでなく個人の住宅建築においても大規 最後は一転して理想と現実の対立から﹁内乱の た解説書となっている︒◇原山哲︑山下りえ子 「アラビア語表現とことんトレーニング」 竹田敏之[著] 模となり︑都市化がすすんだ︒ 本書は︑周辺のあらゆる国の影響を受けながら は終焉を迎えるのである︒ 一世紀﹂と呼ばれる時代になり﹁自由な共和政﹂ 訳 ISBN978-4-560-08639-1 日本語とアイヌ語には親縁関係はないが、アイヌ語から「トナ カイ」や「ラッコ」 、 「昆布」などの語が日本語に入るなど、互い の交流の歴史は古い。東北から北海道、樺太、千島に広がってい たアイヌは、アイヌ(人間)とカムイ(自然現象を含む森羅万象) が互いに利益を与え合うことで幸福に暮らして行けると考えてい た。現代人に警醒を促すアイヌ文化の根幹を成すアイヌ語は、カ ムイユカラなどの口承文芸と共に今力強く復活しつつある。今回は 沙流方言を採用。◇ A5 判 144 頁 定価 2940 円 (本体 2800 円) 経済︑文化的交流において重要な役割を果たしてき どのような過程をたどってきたかを解説︑また現代 一二〇〇円︶1月下旬刊 日本列島を無限に豊かにするアイヌ語世界! た︒ における問題点にも言及している︒ 円︵本体一二〇〇円︶ ◇石川勝二訳 新書判 一七〇頁 定価一二六〇 中川 裕[著] ◇幸田礼雅訳 新書判 一七八頁 定価一二六〇円 《 CD 付》 「ニューエクスプレス アイヌ語」 ︵本体一二〇〇円︶ ISBN978-4-560-08649-0 はじめて韓国語を学ぶ人のための入門書です。ハングルに親 しみ、自分のことを伝えることから始め、話題を広げる実践的 な32のフレーズを学びます。発音についても細かく丁寧に解 説、カナもついています。豊富な練習問題に加え、早口言葉か ら動物の鳴き声までバラエティーに富んだ「やってみよう」は 楽しみながら進められるように工夫しました。 ◇ 2 色刷 A5 判 159 頁 定価 1995 円(本体 1900 円) アメリカのスペースシャトルが引退し、宇宙に行くならロシ アのソユーズに乗って行かなければならない時代になった。 2013 年ロシアは宇宙づいていたと思う。いや、ロシアはい すると、理工系の学生たちのロシア語へのまなざしは俄然熱く つも宇宙づいているのだけれど、去年は特にそうだったと思う。 なった、 と理工学部でロシア語を教える私は感じている。実際、 6 月に《Гагарин. Первыйвкосмосе》 ( 『ガガーリン 学年はじめのアンケートで履修理由を「宇宙飛行士になりた 宇宙に初めて行った人』 )という映画が封切されて話題になっ いから」と書いてきた学生だっている。 た。この映画の上映時間はユーリー・ガガーリンの飛行時間 ロシアといえば宇宙だ。なにしろ、ソチオリンピックの聖火 ロシア連邦、CIS 諸国など と同じく108 分に製作されている。といっても、今日国際宇 トーチまで宇宙に持っていってしまった。宇宙ステーションの 宙ステーションで分刻みの作業をこなしている宇宙飛行士た 船外で、聖火リレーに見立てて、トーチの受け渡しをするとい ちとは打って変わって、ガガーリンはコックピットに座ってい うパフォーマンスもしてみせた。無事地球に帰還したこのトー Здравствуйте!「こんにちは」 ズドラーストヴィチェ るだけだ。飛んでいる彼は小窓から地球を眺め、歌を口ずさ チが開会式で使われるという。おまけに、2013 年は巨大隕石 み、回想に耽る。この映画のスローガンになっている言葉があ まで宇宙からロシアの地方都市チェリャビンスクに降ってきた る。ガガーリンのライバルだったゲルマン・チトフの言葉だ。 ではないか。 【主な使用地域】 【話者数】およそ 1 億 6000 万人 【使用文字】キリル文字 【あいさつしてみよう】 《Тысячитысячбудутлетать,азапомнятпервого. 》 そんなロシアで、インターネット上などで若者の間で流 「これから多くの人が宇宙へ飛ぶだろう。だが、覚えてもらえ 行っている言葉がある。Тыпростокосмос.「君って宇 るのは一番目だ」 。 一番目の女性も昨年注目を浴びた。女性初の宇宙飛行士ワ レンチナ・テレシコワさんだ。映画封切と同じ 6 月、彼女の 女性初の宇宙飛行という偉業達成から 50 周年を記念して、 彼女はプーチン大統領からアレクサンドル・ネフスキー勲章 を授与された。現在 76 歳。下院議員として今も活躍中だ。 「宇宙」に乾杯! 宙だね」 。スラングだが、多くの場合、男性から女性に対す るほめ言葉として使われるようだ。宇宙人ではない。宇宙だ。 「君は宇宙のように美しい、すばらしい、セクシーだ」という ことだそうだ。 宇宙は美しく、すばらしい。セクシーなのかはよくわから ないけれど。 (ロシア語講師) パ ブ リ ッ シ ャ ー ズ ・レ ビ ュ ー 2014 年(平成 26 年)1 月 15 日 (7) 第 22 号 ◉読み物◉ ◇ こ い け ・ ま さ よ = 一 九 五 九 年 東 京 生 ま れ ︒ 著 書 に ︑ 詩 集 ﹃ コ ル カ タ ﹄ ︑ 小 説 ﹃ タ タ ド ﹄ ﹃ 弦 と 響 ﹄ ま る で 他 人 事 の よ う に 書 い て い る が ︑ も 新 た な 旅 支 度 に か か り ま す ︒ す べ て が 飯 島 耕 一 の 魅 力 だ っ た ︒ う が ︑ ず っ と 面 白 か っ た ︒ 矛 盾 も 失 敗 も と 詩 の な か で も 書 い た ︑ そ の 自 由 詩 の ほ ん つ 自 だ か ら ら 定 優 な 型 し く 詩 い て も だ ︑ ﹁ 作 け お ら の れ れ 自 も た 由 が 詩 こ ︑ を う 形 書 し を い て 探 て / し い た ︑ る る み ﹂ 判 を あ び ︑ 誤 解 も さ れ た と わ た し は 思 う ︒ な い 詩 な ど / 何 ほ ど の も の で は な い ﹂ ︒ 批 争 ﹂ は よ く 知 ら れ て い る ︒ ﹁ 音 韻 と 形 の 詩 の 世 界 に 論 争 を 引 き 起 こ し た ﹁ 定 型 論 現 代 詩 に も 定 型 が 必 要 だ と 言 い ︑ 現 代 年 の 船 も ︑ そ ろ そ ろ 出 る よ う で す ︒ 山 姥 元 に ︑ ひ た ひ た と 水 が 来 て い る ︒ 二 〇 一 三 の に ︑ あ れ は 一 体 な ん だ っ た の だ ろ う ︒ 枕 ぼ ー っ と い う 汽 笛 を 聞 い た ︒ 港 な ど な い に 入 る と ︑ わ た し は よ く ︑ 船 が 港 か ら 出 る ︑ ち る と こ ろ ︒ 形 の 輪 郭 を 失 っ た 魂 が ︑ 広 が り な が ら 満 町 ﹂ と は そ う い う ﹁ 果 て ﹂ ︒ 皮 膚 が 破 れ ︑ 気 に 解 き ︑ 泣 か せ る 力 を 持 っ て い る ︒ ﹁ 港 を 味 わ い た い ︒ 人 の 心 の 硬 い 結 び 目 を ︑ 一 を 世 に 出 し た エ ピ ソ ー ド で も 有 名 だ ︒ ケ が 行 わ れ た ︒ こ の 王 様 は ワ ー グ ナ ー ヴ ィ ヒ 二 世 ゆ か り の 地 で 長 期 間 の ロ ン シ ュ タ イ ン 城 を 始 め と す る ル ー ト ヒ ビ 神 ス 々 コ ン の テ 黄たそィ 昏がれ監 ﹂ 督 で の は 名 ︑ 作 ノ ﹁ イ ル シ ー ュ ト ヴ ヴ ァ ィ 力 な 下 調 べ の 資 料 と な る ︒ 巨 匠 ル キ ノ ・ る 土 を 月 ど か べ ら だ 一 今 ル タ イ こ ︒ 地 徐 程 数 ら 私 る ぬ ︒ 八 な ー イ エ は 々 か 十 始 の と 土 旅 六 お ト ン ル う ど に け 冊 ま 場 い 地 に 四 人 ヴ 城 ン し こ 高 て の り 合 う に 出 〜 気 ィ と 地 た ﹁ に め 外 資 ︑ に 作 つ る 一 八 の ヒ い 方 も て 国 料 歴 は 業 い 楽 八 二 う に 予 が そ ゆ に が 史 市 て し 六 絶 世 習 ノ え れ く 対 積 と 販 あ 前 み 年 と 美 イ ﹂ だ の す み 地 の る も の ︶ な い し シ に け だ る 上 理 ガ ︒ っ 一 が い う い ュ は て つ 築 国 ︑ 城 ヴ の が 知 が の イ ︑ 洋 魅 ︑ 的 る 関 ド 色 に い 王 奇 が ァ 画 々 ︑ た ︵ 矯 あ ン 力 未 好 ︒ 連 ブ と 見 古 在 だ る シ も が 知 奇 一 書 ッ 調 知 城 位 が ︒ ュ 強 あ の 心 ヶ な ク る 医 薬 品 企 業 が 少 な か ら ず あ る ︒ の バ イ エ ル ン 地 方 に は 世 界 を 牽 引 す と 展 示 さ れ て い た ︒ ち な み に ︑ 現 在 ト ︶ ま で 実 物 が 巨 大 な 空 間 に 所 狭 し ツ の 誇 る 工 作 機 械 か ら 潜 水 艦 ︵ U ボ ー ク の 名 言 だ が ︑ そ の 言 葉 ど お り ド イ イ セ ン 王 国 の 宰 相 を 務 め た ビ ス マ ル ブ ロ イ ハ ウ ス は 今 で も 一 番 人 気 の ビ ア て い る ︒ 彼 が し ば し ば 訪 れ た ホ ー フ ミ ュ ン ヘ ン の 生 活 が 克 明 に 記 録 さ れ 通 っ た 森 鷗 外 だ が ︑ ﹁ 独 逸 日 記 ﹂ に は ︵ 明 治 一 九 年 ︶ 三 月 か ら 翌 年 四 月 ま で こ に 学 ん だ 文 豪 が い る ︒ 一 八 八 六 年 み 学 に 佇たたる 多 二 ク 実 た 生 相ふさまず︒ く 世 シ は ︒ た 応わい メ の の ミ ︑ ち し は イ ノ 祖 リ 明 に い ド ン ー 父 ア 治 混 も イ ホ ベ の ン 政 じ の ツ ー ル 創 大 っ で を ル 賞 建 学 府 て あ 代 の 学 に は の 講 り 表 威 者 な ︑ 留 義 ︑ す 風 を る ル 学 に 私 る 堂 輩 も ー 生 参 も 名 々 出 の ト と 加 多 門 と し で ヴ し し く 大 し て ︑ ィ て て の 学 た い 数 ヒ こ か 今 旅 ︒ 東 の 西 与 変 え わ る ら 醍 ぬ 醐 真 味 理 で で あ は る な こ い と だ は ろ ︑ う 古 深 い 逸 話 に 出 く わ す も の だ ︒ こ れ も そ れ で も 行 っ て み る と ︑ 思 わ ぬ 興 味 の 情 報 を 得 て い く よ う に し て い る ︒ す る 私 は ︑ 旅 の 前 に は で き る か ぎ り 火 山 の フ ィ ー ル ド ワ ー ク を 専 門 と 中国を 読 空 気 が 澄 み わ た る 大 晦 日 の 深 夜 ︑ 蒲 団 む 時事通信中国総局特派員 城 山 英 巳 ■中国の歴史は繰り返すのか 現在の中国つまり中華人民共和国は、中国共産党 が支配する国家であり、党総書記である習近平を最 高指導者とする国である。つまり「習近平の国」とも 言える。われわれが中国を見る場合、 「国」と「共産党」 の区別が必要になり、国を憂いている知識人にとって 「愛国」とは「愛党」を意味しない。 習近平が党・国家・軍の三権を掌握した今春以降、 「新公民運動」という市民による社会改革の「うねり」 が徹底的に弾圧された。新公民運動は何も体制転覆 の運動ではなく、幹部の資産公開や、地方出身者に 不利な教育制度の是正を目標に、街で横断幕を掲げ たり、ビラを撒いたり、署名活動を行ったりするなど 理性的な手段で社会の変革を訴えるものだ。 こうした地道な活動を通じ、一人一人が党に縛ら れる「人民」ではなく、社会の一員としての「公民」 であるという意識を持つよう促すのが、新公民運動の 理念。そして中国憲法に明記される「言論の自由」を 根拠に、法治や人権を重視した国に変えていこうと立 ち上がった。 組織があるわけではなく、参加者が北京や上海、 広州など各自の地元レストランで、 「毎月最終週の土 曜夜」などと決まった時間に一斉に会食をしながら、 政治・社会問題について議論する。こうした話し合い の中から、繁華街で幹部の資産公開を求める横断幕 を掲げ、ビラを配ろうという案が出され、各地で次々 と実行された。 そして4月以降、こうした運動に参加したメンバー が次々と姿を消した。 筆者も当事者に取材を重ねたが、 会食や横断幕運動は、誰が発起したというものでは ないが、何人か中心メンバーがいた。そのうちの1人 が許志永さんだ。多くの地方の陳情者は許氏を慕い、 許氏を理論的支柱としてネットワークが形成された。 許氏は7月に拘束され、8月に逮捕され、12月に 公共秩序を乱した罪で起訴された。北京市公安局か ら「黒幕の指示者」と指摘された許氏は、接見した弁 護士にこう話したという。 「中国では昔から今まで正義の士が、社会の進歩の ために代価をいとわなかった。今、自分も代価を払う 機会を得られ、非常に光栄だ」 許氏らは中国という国を愛する真の「正義の士」で あり、共産党や党指導者による一党独裁体制の結果、 公民としての当然の権利が制限されている現実を憂 いているのだ。 「易姓革命」によって王朝が交代したのが中国の歴 史である。皇帝が民心を失い、暴政を続ければ、民 がその暴君を倒し、民心を得た者が新たな王朝を開 くというのがパターンだ。腐敗と格差にまみれた現在 の共産党専制の限界に対し、公民が怒り、立ち上が る「愛国」の闘いを見て、 「中国の歴史はまた繰り返す」 と感じざるを得ない。 (了) ◇しろやま・ひでみ=『中国共産党「天皇工作」 秘録』(文春新書)で第 22 回アジア・太平洋賞 特別賞受賞。他の著書に、 『中国臓器市場』 (新 潮社)、『中国人一億人電脳調査』 (文春新書) 。 こ の 一 九 世 紀 と い う 時 代 は ︑ 国 王 ハ ウ ス で あ り ︑ 私 も 立 ち 寄 っ て み た ︒ 読 み 続 け て い く こ と で ︑ こ の 詩 人 に ︑ 何 度 も 出 会 い 続 け よ う ︒ 出 会 っ て 驚 く こ と に な る ︒ 今 後 は 言 葉 を 繊 細 さ の 同 居 す る ︑ ひ と つ の ﹁ 狂 気 ﹂ に に は 明 る く 透 明 な 知 性 が 踊 り ︑ 強 靱 さ と け れ ど も 残 さ れ た 作 品 を 読 め ば ︑ そ こ 臓 腑 に 感 じ た ︒ と 聞 い て ︑ 胃 痛 の よ う な ︑ じ か の 痛 み を か し さ を ︑ 不 思 議 に 思 う ︒ 亡 く な ら れ た お 姿 に 接 し た に す ぎ な い が ︑ こ の 深 い 懐 か ら ︑ 哀 し み は 当 然 あ る ︒ 生 前 ︑ 数 回 ︑ 肉 体 が こ の 世 か ら 消 え て し ま っ た の だ も い こ 心 こ を て て 三 を れ 魂 の う の 底 の ︑ は い 十 ネ る の だ ︑ こ ︑ よ 行 ︑ る 年 ッ と 皮 ︒ の と 絶 う き 鳥 よ ほ ト こ ん は 望 に 過 の う ど 古 ろ 膚 き ︑ し ︑ の ︵ も ぎ よ な 前 書 ﹄ な 残 て 破 の る う 感 の 店 白 い さ な 触 書 言 れ で 水 る を 風 い れ の 見 の 目 が 物 見 社 る た と 方 に た 筆 で あ だ つ ︶ こ で 作 あ ﹁ 致 人 る が け と ろ は 品 た 目 で を ︒ ︑ た い 追 が た ﹂ 描 と ふ 古 の う い あ か が い ら ら 典 だ ︑ つ る い 死 て え り を ︒ 小 こ の か な 目 ん い ︑ と 紐 た さ 副 な ど が だ た 風 旅 解 っ な 題 い と ︒ ︒ ︒ 景 し い た 本 ― ﹃ 黒 蜜 ﹄ ﹃ 自 虐 蒲 団 ﹄ ﹃ 厩 橋 ﹄ ︑ エ ッ セ イ ﹃ 屋 上 へ の 誘 惑 ﹄ ︑ 書 評 エ ッ セ イ ﹃ 文 字 の 導 火 線 ﹄ な ど ︒ 家 な り ﹂ と は ︑ 一 九 世 紀 後 半 に プ ロ の ハ イ ラ イ ト と な っ た の で あ る ︒ 壮 大 な デ ィ ス プ レ イ が あ る ︒ ﹁ 鉄 は 国 私 は 快 哉 を 叫 ん だ ︒ バ イ エ ル ン 体 験 博 物 館 ﹁ ド イ ツ 博 物 館 ﹂ に は ︑ そ の て き た 日 本 人 に 影 響 を 与 え た こ と に ン ヘ ン 市 内 に あ る 世 界 最 大 級 の 科 学 兼 ね 備 え た 王 が ︑ は る か 極 東 か ら や っ 技 術 と い う 大 き な 伝 統 が あ る ︒ ミ ュ 科 学 技 術 と い う 二 つ の ド イ ツ 精 神 を バ イ エ ル ン 地 方 に は も う 一 つ ︑ 科 学 だ と 言 っ て も 過 言 で は な い ︒ 情 念 と の モ デ ル に な っ た と 言 わ れ て い る ︒ 日 本 文 学 史 上 欠 か せ な い 作 品 を 生 ん ド に 設 置 さ れ た 眠 れ る 森 の 美 女 の 城 し た ル ー ト ヴ ィ ヒ 二 世 の 生 き ざ ま が ︑ と 進 め そ う な 気 が し た も の だ ︒ そ し て あ る 日 ︑ ﹃ 港 町 そ の 気 風 を 感 じ る だ け で ︑ わ た し は 前 へ く 鷲 の 翼 だ ︒ ゆ う ゆ う と し て 自 由 自 在 ︒ 小 柄 な 方 だ っ た が そ の 精 神 は ︑ 大 空 を ゆ は ︑ 大 事 な 詩 人 が 逝 っ た ︒ 飯 島 耕 一 さ ん ︒ も ま た 始 ま り ︒ 人 の 命 も ︒ 秋 の 終 わ り に 書 ﹂ も 最 終 回 ︒ 始 ま れ ば 終 わ り ︑ 終 わ り 三 年 に 渡 っ て 書 き 綴 っ て き た こ の ﹁ 辞 た い と わ た し は 思 っ た ︒ い な い 言 葉 が あ れ ば ︑ 全 部 を た ぐ り よ せ の 本 を 探 し た ︒ ま だ ︑ 知 ら な い ︑ 読 ん で し さ に 突 き 動 か さ れ ︑ わ た し は 飯 島 さ ん と が で き る ︒ 亡 く な ら れ る 前 ︑ 妙 な さ び か ら こ そ ︑ 存 在 の 響 き に 耳 を す ま せ る こ 人 は 離 れ て い て も ︑ い や ︑ 離 れ て い る 魂 の 皮 膚 の 破 ル ー ト ヴ ィ ヒ 二 世 と 森 鷗 外 美 し い も の に 飽 く な き 執 念 を 燃 や 一 巻 ︑ 岩 波 書 店 ︑ 四 六 頁 ︶ ︒ 争 ひ て 買 ふ ︒ ﹂ ︵ ﹃ 鷗 外 近 代 小 説 集 ﹄ 第 ミ ュ ン ヘ ン を 州 都 に 持 つ ド イ ツ ・ バ に ふ さ わ し く ︑ 後 に デ ィ ズ ニ ー ラ ン を 借 景 に し た ﹁ 白 鳥 城 ﹂ と 呼 ば れ る で 具 現 化 さ れ た の で あ る ︒ ア ル プ ス 騎 士 道 を 愛 す る 彼 の 夢 が す み ず み ま イ シ ュ ヴ ァ ン シ ュ タ イ ン 城 に は 中 世 ン ヘ ン 中 心 部 に 建 つ ル ー ト ヴ ィ ヒ ・ マ 美 術 工 芸 と 手 工 業 を 振 興 し た ︒ ミ ュ や 美 術 大 学 な ど を 設 立 し ︑ 伝 統 的 な 力 し ︑ ギ ム ナ ジ ウ ム ︵ 高 等 中 学 校 ︶ 彼 は バ イ エ ル ン の 教 育 改 善 に も 尽 さ 王 ま の ざ 屍 ま 見 の 出 憶おくだ 説せつし 附 た け る て を 売 り る の を 模 ︑ 様 人 に 々 ︑ は 人 の 山 を な し た り ︒ 新 聞 号 外 に は ︑ の の 訃ふい角 音ん々 を に 書 は き 黒 た 縁 る 取 あ り り た て る ︑ 張 そ 紙 の に 下 ︑ に こ ︵ 十 二 ・ 最 終 回 ︶ ﹁ 終 わ る ﹂ や っ ぱ り 詩 は ︑ ﹁ 形 ﹂ な の で は な い か ︒ れ な い か で ︑ 書 く 詩 は 大 き く 違 っ て く る ︒ け て い る 問 題 だ ︒ 形 を 意 識 に 入 れ る か 入 今 も わ た し の な か で ︑ ず っ と 尾 を 引 き 続 小 池 昌 代 鎌田浩毅 「 第 12 回(最終回) 「旅」 ン へ 出 か け た の で あ る ︒ も D V D を 取 り 寄 せ て か ら ミ ュ ン ヘ 要 人 物 と し て 頻 繁 に 登 場 す る ︒ 今 回 尽 く し た ︒ 映 画 で も ワ ー グ ナ ー は 重 の 後 ろ 盾 と な っ て 創 作 と 上 演 に 力 を 世 界 観 を 発 見 し ︑ 在 位 後 は ワ ー グ ナ ー オ ペ ラ ﹁ ロ ー エ ン グ リ ン ﹂ に 理 想 の シ ス テ ム ︑ ス チ ー ム 暖 房 な ど ︑ 内 部 温 水 設 備 ︑ 物 資 を 運 ぶ 昇 降 機 ︑ 採 光 外 見 や 内 装 は 中 世 ス タ イ ル な の だ が ︑ し た 技 術 を 宮 殿 の 造 営 に 駆 使 し た ︒ 世 は ︑ 産 業 革 命 後 に め ざ ま し く 発 展 科 学 技 術 を 特 に 好 む ル ー ト ヴ ィ ヒ 二 業 を 成 し 遂 げ た 最 後 の 時 代 で も あ る ︒ 年 り た 六 が か 月 あ た 十 る の 三 ︒ ﹁ 記 日 時 ﹂ のゆは の 夕うべ耶や末 の 蘇そ 尾 七 歴 に 時 千 こ バ 八 う ワ 百 し リ 八 た ア 十 く 王 六 だ と 並 ぶ 鷗 外 ド イ ツ 三 部 作 の 一 つ ﹁ う 測 と 伝 説 を 生 ん だ ︒ ﹁ 舞 姫 ﹁ ﹂ 文 づ か ひ ﹂ 求 め た 王 の 死 は ︑ 当 時 か ら 様 々 な 臆 遂 げ た の だ ︒ 果 て し な く 理 想 を 追 い の 時 ︑ ル ー ト ヴ ィ ヒ 二 世 が 謎 の 死 を 城 の 建 造 に 没 頭 し た ︒ そ の 結 果 ︑ ノ 国 費 を つ ぎ 込 ん で 自 分 が 理 想 と す る 満 た そ う と い う 野 心 に 燃 え た 王 は ︑ さ て ︑ 質 の 高 い 芸 術 と 文 化 で 国 を 意 し て い る ほ ど で あ る ︒ 者 の た め に 労 働 災 害 保 険 制 度 ま で 用 た ︒ さ ら に 王 は ︑ 築 城 に 携 わ る 労 働 に は 当 時 の 最 新 技 術 が 取 り 入 れ ら れ ヘ ン 府 の 騒 動 は お ほ か た な ら ず ︒ 街 殂そル せ ウ ら ド れ ヰ し ヒ に 第 ︵ 二 中 世 略 は ︶あ ︑ 翌くる湖 一 四 水 日 に ミ 溺 ュ れ ン て 皇 太 子 で あ っ た 一 六 歳 の 時 に 見 た が 権 力 を 用 い て 普 通 で は で き な い 偉 鷗 外 が 医 学 を 修 め て い る ま さ に そ ◇かまた・ひろき=京都大学教授。理学博士。専門は火山学・地球科学・科学コミュニケーション。著書に 『火山と地震の国に暮らす』 (岩波書店) 、 『マグマという名の煩悩』 (春秋社) 、 『座右の古典』 『知的生産な生き方』 (東洋経済新報社) 、 『世界がわかる理系の名著』 (文春新書)など多数。 号管理所からの脱出 ﹁完全統制区域﹂の実態を知る唯一の証人 ― 北朝鮮 各 ●3465円 オスマン帝国支配から ﹁アラブ革命﹂まで ﹁アラブ革命﹂の淵源を示す︑中東近現代史の決定版! アラブ 年史 ユージン・ローガン 著/白須英子 訳 ・逃亡派[エクス・リブリス] (オルガ・トカルチュク著、小椋彩訳、3150 円) ●1995円 ・解説がくわしいドイツ語入門《CD 付》 (岡本順治著、2310 円) ブレイ ン ・ ハ ー デ ン 著 / 園 部 哲 訳 オスマン帝国支配から英仏による植民 地時代を経てアメリカ一極主義に至る ま で︑5 世 紀 に わ た っ て 醸 成 さ れ て き た ア ラ ブ 世 界 の﹁ 内 在 的 論 理 ﹂ か ら 説 き起こす︑中東近現代史の決定版︒ ・いつもこどものかたわらに(細谷亮太著、1890 円) 飢 え と 処 刑 と 密 告 が 日 常 の﹁ 完 全 統 制 区域﹂ ︵収容所︶で生まれ育った青年が︑ 二 〇 〇 五 年 に 初 め て 脱 北 を 果 た し た︒ 知られざる収容所内部の驚くべき実態 と脱北後の苦悩を生々しく描く︒ ラテンアメリカ文学の鬼才による短篇集 ﹇ボラーニョ・コレクション﹈ ・北京の胡同(ピーター・へスラー著、栗原泉訳、2310 円) 人気作家の生涯を新たな視点から描く 売女の人殺し ●2520円 ●2940円 ・100 語でわかる西欧中世[文庫クセジュ 988] (ネリー・ラベール他著、高名康文訳、1260 円) 藤沢周平伝 ロベルト・ボラーニョ 著/松本健二 訳 ・海洋堂創世記(樫原辰郎著、1890 円) ●3150円 ・地図で読む世界と日本[白水 U ブックス 1130] (今尾恵介著、998 円) 笹沢 信 著 恐怖と悪夢︑その背後にある笑いと底知 れぬ悲哀︒ボラーニョの分身とされるお なじみ︿B﹀やアルトゥーロ・ベラーノ らがふたたび登場する 篇︒貴重な自伝 的エピソードも含む︑生前最後の短篇集︒ ・もっとにぎやかな外国語の世界[白水 U ブックス 1129] (黒田龍之助著、998 円) 直 木 賞 受 賞 作﹁ 暗 殺 の 年 輪 ﹂ を は じ め 数 々 の 名 作 を 発 表 し 続 け︑ 没 後 年 を 過ぎてなお読者の心を惹きつけて止ま な い 人 気 作 家 の 生 涯 を︑ 郷 里・ 山 形 か らのまなざしで描いた力作評伝︒ ﹁遅い者は︑より多くを見る﹂ ― 独文学の新たな古典 ・ドイツ語で世界を読み解く(伊藤光彦著、2940 円) 話題沸騰! ありえないほどリアルな︑空想都市へ行こう︒ (上・下) ﹇エクス・リブリス﹈ シュテン・ナドルニー 著/浅井晶子 訳 緩慢の発見 13 世 紀︑ 北 極 圏 で 消 息 を 絶 っ た 探 検 家 ジョン・フランクリンの知られざる﹁緩 慢な﹂生き方︒数十か国語に翻訳され︑ 四 半 世 紀 に わ た り 広 く 読 ま れ 続 け る︑ ドイツ文学の新たな古典︒ ▼ご好評いただいてまいりました連載 ﹁山姥の辞書﹂﹁ ﹁知的生産﹂ のための術語集﹂ ﹁中国を読む﹂は今回で最終回となります︒ご愛読誠にありがとうございました︒ た醸造家を取り上げていると もの︒この本の面白いところ りの秘密を解き明かすという 優れた醸造家たちのワイン造 ランスのワイン産地を巡り︑ カのカリスマ的ワイン商がフ ユニークな本である︒アメリ 買い付ける﹄はなかでも大変 刊行された﹃最高のワインを を担当してきたが︑昨年秋に これまで何冊ものワイン本 氏がアメリカ出張の際に手に いたところ︑訳者の立花峰夫 探して飲んでみたいと思って の赤が秀逸だという︒この冬 ヴェドル種で造るバンドール メーヌ・タンピエだ︒ムール い造り手がプロヴァンスのド とがわかる︒なかでも興味深 素晴らしいワインが出来るこ び︑手間を惜しまずに造れば︑ その土地にあったブドウを選 ころだ︒どのような産地でも は︑ローヌやラングドック︑ り 年先とのこと!︵V︶ 入れてくださった︒ただし飲 よ 今年︑白水社は創立九十九 す︒ にも︑心に残る一冊がありま 贈るひとも︑贈られるひと とでしょう︒ だ み頃は 部 プロヴァンスなどの︑これま 業 であまり紹介されていなかっ 営 書店でよく見る光景に︑プ レゼント包装があります︒ きれいにラッピングされた 本を受け取るお客様の笑顔 は︑いつ見てもうれしいもの 二〇一五年の創立百周年に 年目の新春を迎えました︒ 向けて︑すでに複数の企画が 形も大きさも異なる本を手 です︒ 際よく包んでいく書店員さん 進行中です︒ クリスマス︑お正月と続く になれたら︑と願わずにはい 者のみなさまの心に残る一冊 これからも︑弊社の本が読 には︑拍手を送りたくなりま この季節︑たくさんの本が︑ られません︒ す︒ 贈ったり︑贈られたりしたこ ﹁ パ ブ リ ッ シ ャ ー ズ・ レ ﹁パブリッシャーズ・レビュー﹂のご案内 ﹁ パ ブ リ ッ シ ャ ー ズ・ レ ビュー 東京大学出版会の本 ビュー﹂は︑白水社︵1・4・7・ ビュー 棚﹂ ﹁ パ ブ リ ッ シ ャ ー ズ・ レ みす ず書房の本 棚 ﹂ 月︶ ︑東京大学出版会︵5・ 月︶ ︑みすず書房︵3・6・9・ 手 数ですが︑それぞれの社 ご ります︒各 社のウェブサイト とへのお申し込みが必要とな のご送 付をご希 望の方は︑お * 月 ︶が︑それ ぞれ︵ ︶内 紙です︒ * * * * よりお申し込みください︒ ご住所が変更になりました みなさまへお願い︼ 白水社の本棚﹂新規 ︻本紙をお送りしている読者の ウェブサイト﹁パブリッシャー 帯 封 記 載の本 紙のお 客 さま ら︑お名前︑新住所・旧住所︑ コードをお知らせください︒ ズ・レ ビュー﹂のペー ジか ら に無料でお送りいたします︒ お申し込みください︒発行月 ご送付ご希望の方は︑白水社 ビュー ﹁ パ ブ リ ッ シ ャ ー ズ・ レ ︻新規ご送付ご希望の方︼ * 発行する の月の 15 P R 19 ・ドイツ語のしくみ《新版》 (清野智昭著、1365 円) 10 日に︑各 社 版として 11 12 10 500 ・スペイン語のしくみ《新版》 (岡本信照著、1470 円) ●2100円 ・イタリア語のしくみ《新版》 (野里紳一郎著、1470 円) みんなの空想地図 今和泉 隆 行 著 【近刊予告】2 月刊行予定の新刊(2014 年 1 月 1 日現在) 14 話題の﹁地理人﹂による︑初の単行本︒ グーグルマップさながらの空想地図か ら︑ 都 市 の コ ミ ュ ニ テ ィ デ ザ イ ン の 魅 力 に 迫 る! 誰 で も で き る フ ィ ー ル ド ワークガイド︒カラー図版多数︒ 表示価格は 5%税込です。書名・刊行時期等は変更する場合があります。ご了 承ください。 最新情報および書籍の詳細は、 白水社ホームページをご覧ください。 15 ※表示価格は 5%税込価格です。 話題の本 (8) 第 22 号 パ ブ リ ッ シ ャ ー ズ ・レ ビ ュ ー 2014 年(平成 26 年)1 月 15 日 ◉お知らせ◉
© Copyright 2024 Paperzz