2007年8月7日 トヨタ自動車株式会社 代表取締役 社長 渡辺捷昭 殿 全トヨタ労働組合 執行委員長 若 月 忠 夫 中越沖地震の影響による操業停止に対する要求書 7月16日に起きた中越沖地震によって、新潟にあるリケン柏崎事業所が被災にあいま した。リケンはエンジン部品の一つ、ピストンリングで国内シェア50%、変速機のシー ルリングではシェア70%を生産しています。主力工場で集中生産する態勢が災いし、地 震で出荷が全面的に停止しました。 その影響でトヨタ自動車(株)(以下会社とする)は7月19日・20日・23日・24日(一 部)まで操業停止になり、製造現場で働く労働者は技能系を中心に出勤取りやめとなりまし た。この件について、全トヨタ労働組合は7月24日(火)付で会社に『中越沖地震による・・・ 出勤取りやめの対応について』の申入れをしています。回答期限は7月31日(火)でしたが、 7月30日付で『現在回答を準備中でありますので、準備が整い次第改めて回答いたしま す』と通知してきた以後8月6日(月)現在に至っても回答がありません。 ところが会社は8月2日付で『2007年度会社カレンダーの一部変更の件』という社 達を発行しました。以下の内容が通達として示されています。 1.出勤取りやめ日(変更元)を休日とし、振替日(変更先)を稼働日とする。 2.カレンダー変更の為、振替手当・休日勤務手当は支給しない。 会社は7月23日年央会見で、生産の遅れを取り戻す策として労働組合と相談する必要 性を語っています。にもかかわらず当労組に対しては何ら回答せずに出された通達は大変 遺憾であり厳重に抗議する。 これまでも会社は、高速道路の日本坂トンネル事故、台風災害、神戸震災、アイシン工 場火災等々で、過去何度も休日と稼働日の振替えを繰り返しており、操業停止の原因はリ スク管理、再発防止を怠ってきた会社施策、『トヨタ生産方式』にあるのはあきらかです。 こうしたリスク、負担は当然会社が責任を負うべきです。 1 全トヨタ労働組合は会社責任であるリスク、負担を従業員へ転化するこうした行為は断 じて許されるものではないという立場を表明するものです。 全トヨタ労働組合は労働基準法に則り以下を要求します。 1.24日に一部休業となった該当者への年次有給休暇の強要は、第4章年次有給休暇第 39条4項に違反するものであり撤回すること。 2.出勤取り止めとなった休業は、第3章賃金第26条、休業手当として、深夜勤務・時 間帯手当も含め100%賃金補償すること。 3.出勤取り止めとなった休業日に、事前に申し出ていた人の年次有給休暇を取り消させ たことは第4章年次有給休暇第39条4項に違反するものであり撤回して、年次有給 休暇手当てを支払うこと。 4.生産挽回出勤日を設けるのであれば、休日出勤扱いとして、割り増し賃金を支払うこ と。 5.今後においても災害等による操業停止で、出勤取りやめとなる事例が発生した場合は、 会社は速やかに当労働組合に報告をして、協議すること。 最後に、地域社会と従業員に迷惑がかからないようにリスク管理を見直すよう要望しま す。 上記 5 点の要求に対して、8月23日(木)までに回答するよう申し入れます。 尚、この要求書については、マスコミ各社に後日公開させていただきますことをご承知お きください。 以上 2
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