本宮宏美さん - オトノハコ

燕市出身のフルート奏者、本宮宏美さん。ボーカリストのように
ステージの中央に立ち、バンドを伴って演奏するスタイルは唯一無二。
最新アルバムをリリースし、ライブも控えた彼女に話を聞きました。
フルート奏 者
本 宮 宏 美 さん
Hiromi Motomiya
ボーカリストが歌うようにフルートを奏でるスタイル
を
「笛人」
と名付け、
音楽活動を展開する本宮宏美
さん。4月22日に5枚目となる最新アルバム
『天真爛
漫』
をリリース。収録された全12曲は、
しなやかで生
命力にあふれたものばかり。彼女は今、
その息を吹
き込むフルートで、
かつてないほど豊かな表情と感情
をいきいきと奏でている。
「アルバムタイトルには
“いきいきとして自分らしく”
という意味もありますが、
“新しいものを吸収するため
に、
もう一度真っ白な自分を取り戻したい”
という気
持ちも込めました。私の音楽は周りの方に支えられ
て、
さまざまな音楽性や感情を取り入れて作られてい
くもの。
フルートを吹く純粋な喜びの一方で、新しい
テイストを持った曲作りや演奏への姿勢も伝わっ
て、
聴いてくださった方の気分が高揚したら嬉しいで
す」。
ボーカルのないインストゥルメンタルアルバムだ
が、
時に言葉よりも雄弁にダイナミックな音像を聴き
手に伝える作品であり、
音楽家としての野心や挑戦
も随所に感じられるアイデアやアレンジを詰め込ん
だ実験的な曲も収録。脇を固める他楽器の演奏者
の演奏も刺激的だ。
「バンドや制作の方々は既に私をフルートではなく
ボーカリストとして捉えていると思います。
ロックやブ
ルースというさまざまなジャンルの音楽をルーツに作
られた曲に、声ではなくフルートでメロディを歌うとこ
ろに私の音楽のオリジナリティがある」。
タイトル曲「天真爛漫」
は、曲全体がひとつの生
命体のような力を発している。生きることを謳歌し、
前向きさと無垢な音楽愛に満ちている。
フルートの
音色の伸びやかさ、曲から漂う開放的でノスタル
ジックな雰囲気。
まるで新潟の大地を笑顔で駆ける
純真無垢な少女が見えるよう。
「昨年、
身近な人に
“私のフルートは、
のびのびと
いきいきしているところが一番いいところだ”
と言われ
て気付いたことがあったんです。
そういう音楽のシン
プルさが伝わる曲が意外にないと思ったんですね。
だから今回は、子どものような無邪気な心で演奏す
ることを心がけたし、聴いているだけで気分が高揚
背聴
中い
をて
押く
しれ
てる
あ方
げ々
の
る生
音
活
楽に
を寄
作り
る添
のっ
がて
目
標
で
す
私の音楽は
周りの 方 々に 支 えられ て
作 って いくもの だと
思 って います
する曲を作りたいと思いました」。
タイトル曲が高いポピュラリティを持つ一方で、
音
楽マニアが思わず膝を打つ実験的な曲も織り込ま
れ、作品が持つ強度とバラエティ感は過去最高レ
ベル。
しかし、
決して難解な印象は受けない。総じて
耳馴染みがよく、
背中をそっと押してくれるようなポジ
ティブな印象を感じるのも本宮さんの音楽の成す力
と言えるかもしれない。
「歌詞がない音楽だからこそ、
聴く方が描く景色も
人それぞれ。
でも、
一番伝えたいのは
“一緒に生きて
いきましょう”
という気持ちなんです。
ただそれは
“頑張
れ”
っていう応援歌のようなものではないと思いま
す。
そっと手を繋いで歩いていくようなイメージ。
その
関わり方が笛人の楽曲ができる寄り添い方だし、
笛
人の一番のオリジナリティだと思うので。
フルートは
言葉はないけれど、実際に息を吹き込んで、
その振
動で音を鳴らす楽器ですよね。
そして息は生命力そ
のもの。私がスーと吹き込んだ息で、聴いてくれる
方々の生活に寄り添って、背中を押してあげるよう
な音楽を作るのが私の目標。
その気持ちがこのアル
バムの1曲目から伝わってくれればいいなと思ってい
ます」。
DISC
私 の 必 須 ア イ テ ム
『天真爛漫』
●Otonohako/2,500円
5枚目のオリジナルアルバム。歌
心のある伸びやかなフルートの
音色が存分に楽しめる一方で、
実験的なアレンジにも果敢に挑
戦した意欲作。
1.フルート。中学生で出会って以来、
表現にとってなくてはならない存在
2.お守り。約20年前、演奏の上達
祈願に手に入れたもの。本宮さんの
向上心と信心深さを象徴するもの
2
LIVE
【笛人 本宮宏美 ふるさとコンサート vol.3】
●5月17日㊐ 15:00開演
1
会場:燕市文化会館 大ホール
料金:全席自由 前売3,000円 当日3,500円
(中学生以下 前売2,000円
当日2,500円)
問:オトノハコ http://otonohako.co.jp
PROFILE
本宮宏美さん
新潟県燕市出身。ブルースやソウルを感じる音楽性と、
ボーカルのようにステージ中央でフルートを奏でる
「笛人」
という音楽スタイルで、
幅広く活動している。