2016 年 3 月 14 日号 T HIS WEEK’S MAGAZINE Week of March 14 1. It's Time For Value バリュー株投資の時→ - 2 - 【バリュー投資】 バリュー株のアンダーパフォーマンスに変化の兆し 2. Thinking Smart スマートに考える→ - 5 - 【ETF ラウンドテーブル】 4 人の専門家に聞く 3. Michael Kors Shares Could Rally 30% in the Next Year 注目株→ - 10 - 【マイケル・コース】 マイケル・コースの株価は今後 1 年で 30%上昇の可能性も 4. Value Investor Goes Looking for Quality バリューより質→ - 12 - 【マネジャー紹介】 アメリカン・センチュリーのフィリップ・デビッドソン氏 5. The Trader 原油価格の上昇と欧州の緩和策で株価は 1.1%上昇→ - 14 - 【米国株式市場】 原油価格と同調して株価も 4 週連続で上昇したが油断は禁物 6. Up & Down Wall Street 流動性を提供する手段が尽きてしまった世界の中銀→ - 16 - 【コラム】 3 月 15~16 日に開かれる FOMC で注目すべきこと 最悪の展開が見込まれる米政界 7. Taking Advantage of Underpriced Stocks 流動性に注目→ - 18 - 【株式市場展望】 流動性の高い銘柄は低い銘柄をアウトパフォームし、その差は拡大の一途 8. Rumors Of The PC's Death Are Not Exaggerated PC 市場の最終勝者→ - 19 - 【ハイテク】 長期的な衰退傾向に変化なし、勝ち残るのは PC の常識を打破する企業 9. Finding Value In Big Stocks and Emerging Markets 大型株と新興国市場→ - 21 - 【投資助言】 バリューを見極める優れた観察眼 10. Preview 今週の予定→ - 23 - 【経済関連スケジュール】 自動車事故の増加とスマートフォン ※ 当誌は、株式会社 時事通信社がライセンスに基づき Dow Jones & Company, Inc.の発行する BARRON’S 誌の内容を利用して作成したものです。 ※ 当誌は、情報提供を目的としてのみ作成したものであり、有価証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、当誌は当社が信頼できると判断した資 料およびデータ等により作成しておりますが、その正確性および完全性について保証するものではありません。また、将来の投資成果や市場環境を保証するもの ではありません。投資決定にあたっては、投資家ご自身の判断でなされますようお願いいたします。 Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. 本誌記事の無断転載・複写を禁じます バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 1. It's Time For Value バリュー株投資の時 バリュー株のアンダーパフォーマンスに変化の兆し 【バリュー投資】 ■ バリュー株に復活の兆し 伝説的バリュー投資家のベンジャミン・グレアム氏の信奉者にとって、過去 10 年は良い時代ではなかった。 フェイスブック(FB) 、アマゾン・ドット・コム(AMZN) 、ネットフリックス(NFLX)、アルファベット (旧グーグル、GOOGL)などのグロース銘柄に人気が集中する中で、バリュー株のパフォーマンスは市場 全体を下回っている。ラッセル 1000 グロース指数の昨年のトータル・リターンは 5.7%と、ラッセル 1000 バリュー指数を 9%ポイント上回っており、この格差は 2009 年以来で最大となっている。小型株のラッセ ル 2000 指数でも同様であり、グロース株指数がバリュー株指数を 6%ポイント上回っている。 しかし、グロース株があまりに割高となり、バリュー株があまりに割安となったことから、今年に入ってこ の状況には変化の兆しがみられる。年初来では、ラッセル 1000 グロース株指数は 2.2%下落しているが、バ リュー株はわずか 0.4%の下落にとどまっている。小型株ではバリュー株がグロース株を 7%ポイント上回っ ている。一般的に株価純資産倍率(PBR)あるいは株価収益率(PER)の低い銘柄に重点を置く伝統的なバ リュー投資が復活してもよいころである。デルファイ・マネジメントの社長であり、1979 年から資産運用に 携わっているスコット・ブラック氏は「グロース株は 9 年連続でアウトパフォームしているが、これは私の キャリアで最長の期間だ」と述べている。1966 年~1973 年の「ニフティ・フィフティ」相場や 1998 年~ 1999 年の「ハイテクバブル」など、以前にグロース銘柄が連続してアウトパフォームした期間の後には、力 強いバリュー投資の期間が続いている。JP モルガンのストラテジストであるドゥブラフコ・ラコス・ブハス 氏は、グロース株とバリュー株のバリュエーションの格差がハイテクバブルの期間を除けば 1980 年以降で 最高の水準になっていると指摘している。 ■ 狙い目のバリュー投資銘柄 現在の市場には、個別銘柄、ミューチュアルファンド、上場投資信託(ETF)に至るまで数多くのバリュー 投資対象が存在する。本誌ではその中から、12 の個別銘柄、2 本の ETF、2 本のミューチュアルファンドを リストした。ETF は、i シェアーズ・ラッセル 1000 バリュー(IWD)および i シェアーズ・ラッセル 2000 バリュー(IWN)であり、ミューチュアルファンドはアメリカン・ファンズ・ワシントン・ミューチュアル (AWSHX)と T.ロウ・プライス・バリュー(TRVLX)の 2 本である。この 2 本はバリュー投資のミュー チュアルファンドとしては過去 5 年間で最高のパフォーマンスを上げている。 バリュー指数で大きな比率を占めているのが金融銘柄である。金融銘柄には景気の弱さによる信用損失、低 金利によるマージンの低さなどの懸念があるが、ゼナ・インベストメント・マネジメントの最高投資責任者 であるリチャード・ゼナ氏は、世界経済におけるコモディティー/エネルギー関連の弱さは大半が既に織り 込まれており、十分な資本を有する銀行は信用損失に対する安全性が高いため、株価には上昇の可能性があ -2- Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 るとしている。同氏はシティグループ(C) 、ゴールドマン・サックス(GS) 、バンク・オブ・アメリカ(BAC) を評価している。この 3 社の株価有形資産倍率は全て 1 倍以下である。中でも最大のバリュー銘柄は恐らく シティグループである。同社の株価(現在 42 ドル)は過去 1 年間に 19%値下がりしており、2016 年の予 想株価をベースとした PER は約 8 倍、株価有形資産倍率は 0.7 倍にすぎない。ゼナ氏は銀行のバリュエー ションの直近の底は、金融危機の時期に匹敵するとしている。 ブラック氏は、ボーイング(B) 、インテル(INTC)、ラルフローレン(RL)などの株価の低迷している銘 柄に投資している。ボーイングとラルフローレンの 2016 年予想 PER は 15 倍、インテルでは 13 倍となっ ている。バリュー投資家のマーク・ボイヤー氏はメディア銘柄のタイム・ワーナー(TWX)とディスカバリ ー・コミュニケーションズ(DISCA)を選好している。ディスカバリーの株価は、同氏の推定による非公開 市場での価値を下回っている。自動車ではフォード・モーター(F)とゼネラル・モーターズ(GM)の株価 も低迷している。2016 年予想 PER は両社とも 7 倍以下であり、配当利回りはそれぞれ 4.5%と 4.9%に達し ている。これは北米の自動車販売が減速するとの懸念が要因となっているが、その恐れは行き過ぎたもので あるようにみえる。 製薬では、ファイザー(PFE)の株価が、論議を呼んだアラガン(AGN)の買収をめぐって下落している。 また、アムジェン(AMGN)も製品パイプラインと収益力を考慮すると割安である。ハイテク銘柄ではイン テルの他にも、マイクロン・テクノロジー(MU)が割安である。同社の PBR はほぼ 1 倍であり、株価は再 調達費用を大幅に下回っている。 バリュー投資は長期の低迷の後で、長期的な復活に向かっている可能性がある。しかし、これには忍耐が必 要である。ツイッター・ユーザーの「Brattle St. Capital」は「バリュー投資は、最初に買った時から株価 が下がり続けるという気持ちで全ての取引を行うとよい」とツイートしているが、これは良いアドバイスで ある。 Facebook Inc. Cl A (FB) Amazon.com Inc. (AMZN) -3- Netflix Inc. (NFLX) Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 Alphabet Inc. Cl A (GOOGL) iShares Russell 1000 Value ETF (IWD) iShares Russell 2000 Value ETF (IWN) American Funds Washington Mutual Investors Fund;A (AWSHX) T Rowe Price Value Fund (TRVLX) Citigroup Inc. (C) Goldman Sachs Group Inc. (GS) Bank of America Corp. (BAC) Boeing Co. (BA) Intel Corp. (INTC) Ralph Lauren Corp. Cl A (RL) Time Warner Inc. (TWX) Discovery Communications Inc. Series A (DISCA) Ford Motor Co. (F) General Motors Co. (GM) -4- Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 Pfizer Inc. (PFE) Allergan PLC (AGN) Amgen Inc. (AMGN) Micron Technology Inc. (MU) チャートは 3 年 By ANDREW BARY (Source: Dow Jones) 2. Thinking Smart スマートに考える 4 人の専門家に聞く 【ETF ラウンドテーブル】 ■ スマートベータとは 「スマートベータ」という言葉がファンド業界の関係者 を二極化している一方で、まるでポートフォリオの万能 薬であるかのようにマーケティングに使われている。ス マートベータを採用している上場投資信託(ETF)は株 価指数に基づいているが、株価指数をまねる(ベータ) だけではなく(ベータ) 、株価指数をアウトパフォームす るために特定の銘柄選択基準に基づいて株価指数とは異 なった銘柄構成になっている。 伝統的な株価指数は時価総額加重だが、スマートベータ指数は配当、売上高、収益性などの特定の基準に従 って加重されている。現在、スマートベータ ETF は 538 本ある。2015 年に新規に設定された ETF のうち 3 分の 1 以上を占めており、2 兆 1000 億ドルの ETF 業界に橋頭堡(きょうとうほ)を確保しようと試みる 大手ファンド会社による設定が増加している。そして、最近のスマートベータ ETF がアクティブ運用に似 てきていることは驚くことではない。 スマートベータ ETF の評価はどこから始めたら良いのか。どれほどが単なるブランド戦略で、投資家はこ れらの ETF をどのようにポートフォリオに取り込むべきか。本誌はこれらの問題に対処するために、専門 家の意見を聞いた。 参加者は、資産運用会社のアルファ・アーキテクトの最高投資責任者(CIO)であるウエスレイ・グレイ氏、 モーニングスターで世界の ETF 調査を率いるベン・ジョンソン氏、投資アドバイザーであるノッティンガ ム・アドバイザーズの CIO であるラリー・ウィスラー氏、フィナンシャル・アドバイザーであるデスティネ ーション・ウエルス・マネジメントの創業者のマイケル・ヨシカミ氏である。 -5- Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 本誌:スマートベータの意味は? ウィスラー氏:われわれにとっては、株価指数を基にするが時価 総額加重ではない全ての ETF を指す。 ジョンソン氏:モーニングスターの定義では、 「戦略的」ベータは、 株価指数に連動しながら、バリューやグロースといった、一つか 二つの別の戦略的要素も盛り込まれたファンドを意味する。われ われは「スマート」ではなく「戦略的」を使っているが、これら の ETF がアクティブ運用と同様に、株価指数をアンダーパフォ ームする期間があるためだ。 ヨシカミ氏:スマートベータはアクティブ運用の別の形態にすぎず、セールスポイントはそれら ETF の運 用手数料がアクティブ運用のミューチュアルファンドより安い点だ。戦略的ベータの重要な点は、定性的な 銘柄選択ではなく、配当利回りやバリュエーションなどの何らかの定量的手法に基づいていることだ。 グレイ氏:われわれの ETF は定量的モデルに従っているが、テクニカルにはアクティブ運用ファンドだ。 指数ベースの ETF には透明性が求められ、ポートフォリオの変更の際には実際の取引前にその変更内容の 開示が要求される。われわれはそのような開示を望んでいない。また、ETF は税制上有利で、99%の投資家 の投資戦略にとって比較的優れた投資手段であると考えている。 Q:では定量的投資戦略といった場合、アクティブ運用かパッシブ運用かは非常に主観的ということになる。 ジョンソン氏:それは、設計と実装次第だ。アクティブな銘柄選択の要素を伴う一部の手法は、パッシブ運 用でもアクティブ運用でも活用できる。 ■ 利用方法 Q:どのような場合に、戦略的ベータの ETF を利用するのか? ヨシカミ氏:われわれは複数の ETF と 20~30 の個別銘柄を組み合わせている。市場に対して確信がある場 合には単純な株価指数から若干逸脱してバリューまたはグロースの ETF を利用する。 ウィスラー氏:われわれはポートフォリオを時価総額加重株価指数に基づいて構築し、その後、一部の分野 でポートフォリオを調整するために戦略的ベータ ETF を利用する。常に利用するわけではなく、リターン 向上またはボラティリティ引き下げのために利用する。 ヨシカミ氏:戦略的 ETF の保有はアクティブな決断で、長期的な配分ではない。現在は、長期的に増配し ている企業を中心とした SPDR S&P ディビデンド ETF(SDY)を長期的に保有している。バンガード・バ リューETF(VTV)も長く保有しているし、最近ではバンガード・グロース ETF(VUG)を保有している。 ウィスラー氏:約 4 年前から i シェアーズ MSCI USA ミニマム・ボラティリティ(USMV)を保有してい る。アウトパフォームではなく、ボラティリティの軽減が目的だ。 Q:100 億ドルの i シェアーズ MSCI USA ミニマム・ボラティリテ ィと、60 億ドルのパワーシェアーズ S&P500 ロー・ボラティリテ ィ・ポートフォリオ ETF(SPLV)の違いは? ジョンソン氏:パワーシェアーズ S&P500 ロー・ボラティリティ・ ポートフォリオ ETF は、S&P500 指数構成銘柄の中でボラティリ ティ下位 100 銘柄を選択し、ボラティリティの下位から加重する。 直近でボラティリティが低いセクターに集中する傾向がある。i シ ェアーズ MSCI USA ミニマム・ボラティリティにはセクター別ウ -6- Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 エートの制限があり、ボラティリティが低い特定のセクターに集中することはない。 Q:同じように「スマート」にみえる ETF でも違うということを投資家が理解する必要がある。 グレイ氏:アクティブ運用は万人に適したものではない。研究によると、バリュー投資は株価が正常に戻る ための短期的な過剰反応がけん引役となっている。 ■ スマートベータの問題点 Q:今の発言は、ノーベル賞を受賞したシカゴ大学のエコノミストであるユージン・ファーマ氏と、ダート マス大学のエコノミストのケネス・フレンチ氏の研究に言及しているのだと思う。彼らの研究は、小型バリ ュー株といった一定の要素を持つ銘柄が、長期的に市場をアウトパフォームする傾向があることを示してい る。ディメンショナル・ファンド・アドバイザーズはこの種の投資を数十年間実践してきており、AQR キ ャピタル・マネジメントも同様のファクターベースの戦略を備えている。これらの新たな ETF の問題点は? ウィスラー氏:これらの投資戦略は長らく存在していたが、今になって ETF の進化として結実しており、 企業規模やバリューといった昔からあるファクター投資が平均的な投資家にとって利用可能となっている。 グレイ氏:学術研究によれば、バリュー投資は極端な場合、つまりバリュエーションが市場の下位 10%の場 合に最高の成果を上げる。一方で、実績株価収益率(PER)をみると、i シェアーズ MSCI USA バリュー・ ファクター(VLUE)は 16 倍、S&P500 指数は 18 倍、当社のバリューシェアーズ米国クオンティタティブ・ バリューETF(QVAL)は 11 倍だ。アノマリーを活用したいのならば、真のアノマリー状態にある銘柄を買 う必要がある。 Q:どのようなファクターでも、極端な状態にある銘柄の買いは簡単ではないようにみえるが。 グレイ氏:割安銘柄に特化した保有数が少ないポートフォリオを長く保有しているだけでは顧客の怒りを買 うだろう。 真のアクティブ運用の効果は長期的にみて発揮されることを、顧客に分かってもらう必要がある。 Q:その通りで、最も割安な部類の米国株は、9 年連続で割高なグロース株をアンダーパフォームしている。 ウィスラー氏:戦略的ベータ、またはファクターベースのいかなる投資も、伝統的な時価総額加重株価指数 を長期的にアンダーパフォームする可能性がある。 グレイ氏:これら投資の成果が上がるまで待てないなら、バンガードのファンドを買うべきだ。 Q:どうやって行動的な落とし穴を避けているのだろうか? ウィスラー氏:パワーシェアーズ S&P500 ロー・ボラティリティよりも i シェアーズ MSCI USA ミニマム・ ボラティリティを買うという決断が好例だ。2012 年当時、パワーシェアーズ S&P500 ロー・ボラティリテ ィのパフォーマンスは良かったが、公益が 30%を占めていた。だから、セクターウエートに上限のある i シ ェアーズ MSCI USA ミニマム・ボラティリティを買った。 グレイ氏:スマートベータの多くのファンドには学術研究の裏付けがなく、隠れインデックスファンドに近 い。 ジョンソン氏:ファンド会社にはそうするだけの理由がある。何よりも、純粋な学術研究と、実際にバリュ ーを投資に適用することの間には大きな隔たりがある。一部の研究は費用や税金を無視しており、パフォー マンスが市場から大きく乖離(かいり)すればマネジャーの経歴にとって汚点ともなり得る。 グレイ氏:学術的なアノマリーを実際に活用する場合に、規模の柔軟性がないことも問題だ。われわれのポ ートフォリオは 40 銘柄の均等加重で構成されている。規模が大きくなれば、ファクターは希薄化する。 -7- Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 ヨシカミ氏:多くの投資家にとって、スマートベータは中核的な投 資戦略としては不適切だ。最悪期にリターンを追求するために投資 家が ETF を使うのではないかと懸念している。 ジョンソン氏:i シェアーズ・ラッセル 1000 バリュー(IWD)や i シェアーズ・ラッセル 1000 グロース(IWF)のような戦略的ベー タの第 1 世代を投資スタイル別ファンドとして考えればよい。単一 ファクターによる ETF は、大半の投資家にとっては中核的なエク スポージャーとしては使えない。 ウィスラー氏:今の ETF は恐らく第 4 世代だ。当初はグロースま たはバリューだけに賭けていた。その後、リサーチ・アフィリエイツなどのファンド会社がキャッシュフロ ー、売上高、配当をみるようになり、ウィズダムツリーも配当と利益に注目したファンドを運用している。 ヨシカミ氏:今やバリュー、質、モメンタム、ボラティリティといった四つの異なったファクターを組み合 わせた ETF がある。 Q:これらの新しい世代の ETF のリスクは? ジョンソン氏:新世代 ETF は、単一ファクターETF を単独で保有する問題を解決するよう設計されている が、個々には非常に異なっている。ファクターの強度やそれに対する比重の程度も異なっている。 ヨシカミ氏:そして、運用手数料も高い。 Q:スマートベータ ETF の年間経費率は平均 0.47%で、単純な株式 ETF よりも高いが、多くのアクティブ 運用ファンドよりも低い。 ジョンソン氏:一般的に言えば、前向きな展開だ。 ウィスラー氏:ゴールドマン・サックスの営業担当者が、最新のマルチファクターETF の件で当社を最近訪 れた。私は基本的に懐疑的だが、ゴールドマン・サックス・アクティブベータ米国ラージキャップ・エクイ ティ ETF(GSLC)の経費率は 0.09%で、その場では断り切れなかった。 グレイ氏:それはみかけの経費率で、設定から 1 年後には 0.29%へ上昇する。高い経費率を支払いたくなけ れば 1 年未満で売却することになるが、一方で短期キャピタルゲイン税を支払う必要がある。 ジョンソン氏:新たな ETF は手数料の観点では競争力が非常に高い。ただ、発表されたばかりの学術研究 を引用した株価指数作成方法も目にしつつある。過去の仮想的検証結果が悪いファンドなどないことを、投 資家は覚えておくべきだ。 Q:言い換えれば、こうした最新の ETF のほとんどには実績がなく、 何を期待してよいかも分かりづらい。スマートベータの先駆者の 1 社であるリサーチ・アフィリエイツは先月、ファクターベースの投 資戦略が大失敗する可能性を警告した。 ウィスラー氏:過去 2 年間にバリューETF に投資していれば、プラ スのリターンは得られても S&P500 指数をアンダーパフォームし ていただろう。 Q:パワーシェアーズ FTSE RAFI 米国 1000 ポートフォリオ ETF (PRF)は、第 2 世代の戦略的ベータ ETF としては 10 年間の実績 -8- Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 を持つ数少ない ETF の一つだ。同 ETF は、自己資本、キャッシュフロー、売上高、配当に基づいて銘柄を 選択している。i シェアーズ・ラッセル 1000ETF(IWB)を 1 年、3 年、5 年でアンダーパフォームしてい るが、これは「大失敗」のように見える。 グレイ氏:決して大失敗することはないと思える投資戦略は確実に避けるべきだ。真の価値を生み出すアク ティブ運用ポートフォリオは、いつかは失敗し、人々を動揺させるが、だからこそ長期的には成果を上げる。 ヨシカミ氏:私は、グロースやバリューのように単純で長期志向のスマートベータ戦略を好んでいる。典型 的な投資家や、本誌の読者である洗練された投資家向けでさえ、これら新世代の焦点を絞ったスマートベー タ ETF の推奨を私はためらう。 SPDR S&P Dividend ETF (SDY) Vanguard Value ETF (VTV) -9- Vanguard Growth ETF (VUG) Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 iShares MSCI USA Minimum Volatility ETF (USMV) PowerShares S&P 500 Low Volatility Portfolio (SPLV) iShares MSCI USA Value Factor ETF (VLUE) ValueShares U.S. Quantitative Value ETF (QVAL) iShares Russell 1000 Value ETF (IWD) iShares Russell 1000 Growth ETF (IWF) Goldman Sachs ActiveBeta U.S. Large Cap Equity ETF (GSLC) PowerShares Exchange Traded Fund FTSE RAFI US 1000 Portfolio (PRF) iShares Russell 1000 ETF (IWB) チャートは 3 年(QVAL は 2 年、GSLC は 6 カ月) By CHRIS DIETERICH (Source: Dow Jones) 3. Michael Kors Shares Could Rally 30% in the Next Year 注目株 【マイケル・コース】 マイケル・コースの株価は今後 1 年で 30%上昇の可能性も ■ ショッピング街でもウォール街でも再び人気上昇中 デザイナーのマイケル・コース氏が設立した高級ブランドのアパレル会社、マイケル・コース・ホールディ ングス(KORS)は、昨年一時期低調だったものの、ここ 3 四半期連続で利益が上振れしている。新デザイ ンを導入し、製品ラインを拡充し、在庫に目を光らせることでモメンタムを維持したいところだ。2016 年春 発売のハンドバッグのコレクションは、サイズ、形、カラー、材質などの面で新しさを重視したものになり、 靴や紳士服にも力を入れているほか、欧州やアジアでは存在感を高め、今や売上高の 25%を占めている。 好材料が投資家の目に留まらないはずはない。株価は昨年約 50%下落した後、2016 年は年初来 40%以上急 騰し、11 日の終値は 58.50 ドルだった。しかし、トピカ・キャピタル・マーケッツのアナリストであるドロ シー・ラクナー氏によると、まだまだ割安という。同氏は、新製品の魅力に加えて消費全般の持ち直しによ って、今後 12 カ月で株価は 30%上昇し、75 ドルになる可能性があるとみている。同銘柄は、2014 年 2 月 のピーク時には 99 ドルを超えていた。大幅な増収・増益を予想しているため、同氏の 2017 年予想 1 株当た り利益(EPS)は 5 ドルと、コンセンサス予想の 4.56 ドルを上回る。同氏の予想に基づく 2017 年株価収益 率(PER)も現在の 13 倍から 15 倍に拡大する可能性があると考えている。競合大手のコーチ(COH)の 予想 PER は 18 倍だ。 - 10 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 マイケル・コースは小売り、卸販売、ライセンシ ングの 3 事業部門から成る。小売りは、2015 年 4-12 月の 9 カ月間の売上高の 52%を占め、卸販 売は 44%、残りがライセンシングだった。10-12 月期の売上高は前年同四半期比 6.3%増で、EPS は 1.59 ドルと、市場予想(1.46 ドル)を上回っ た。同四半期には 2 億ドル相当の自社株買い戻し も行われた。 会社側ガイダンスによると、2016 年 3 月期の売 上高は前年比 6.5%増、EPS は 4.38~4.42 ドル (2015 年 3 月期は 4.28 ドル) 、 フリーキャッシュ フローは約 6 億ドルでフリーキャッシュフロー利 回りは約 7%の見込みだ。会長兼最高経営責任者 (CEO)のジョン・アイドル氏は、今後は増収率 5~6%、増益率 3~4%を予想している(インタビ ュー要請に対しては辞退) 。 2015 年 1-3 月期にはデパートやショッピングモ ールの客足の悪さから値下げに追い込まれ、既存 店売上高が大幅に減少した。また北米だけで 400 店舗への拡大計画はブランドの高級感を下げると の投資家の懸念もあった。現在中南米も含めて地 域の店舗数は 430 店で、これ以上拡大しないと同 社は表明している。 女性のバッグの嗜好(しこう)の変化も不意打ち だった。時計も、スマートフォンやウエアラブル 製品に押された。そこでマイケル・コースはスマートテクノロジーを組み込んだ「コネクティッド・ファッ ション」シリーズを導入して対抗した。アイドル会長兼 CEO は、「コネクティッド」されたアクセサリーが 世界のファッション時計業界を変えると述べている。 ハンドバッグでの主導的地位を取り戻そうとする動きだけでなく、15 億ドルの機会と見込む欧州、8 億ドル の市場と見込むアジアへの拡大も面白い。その上、10 億ドルの潜在力のある紳士服も重視しており、スポー ツウエア、革製品、腕時計がけん引しそうだ。 デンバーの投資会社、クレスキャット・キャピタルのケビン・スミス CEO は、マイケル・コースには長期 的な投資機会があるとし、 「一度は株価急落に見舞われたが、今や消費者が貯蓄を崩して消費し始める中、エ ネルギー価格低下の恩恵を受ける小売業の大型株」で、フリーキャッシュフロー利回りが確信を深めると述 べている。 マイケル・コースのイニシアチブが予想通りに進展すれば、同銘柄が多くのポートフォリオの見栄えを良く してくれることだろう。 Michael Kors Holdings Ltd. (KORS) Coach Inc. (COH) チャートは 3 年 By SANDRA WARD (Source: Dow Jones) - 11 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 4. Value Investor Goes Looking for Quality バリューより質 アメリカン・センチュリーのフィリップ・デビッドソン氏 【マネジャー紹介】 ■ バリュー株チームを立ち上げる ボートマンズ・トラストで主にバリュー株の投資戦略に携わっ ていたフィリップ・デビッドソン氏は、ある日、トウェンティ エス・センチュリー・ミューチュアル・ファンズの電話を受け た。アメリカン・センチュリー・インベストメントの前身であ るこの資産運用会社は、同氏にバリュー株チームの立ち上げに 加わってほしい、と依頼した。 同氏はこの申し出を受け入れ、新たに採用されたピーター・ツ ガー氏とともに、1993 年にバリュー株チームの基礎を築いた。 「バリュー株チームはグロース株チームとは異なる階にオフィスがあり、週 1 度のミーティングで他チーム と意見交換を行った」とデビッドソン氏(現在 60 歳)は語る。バリュー株チームのメンバーは同氏とツガ ー氏の 2 人、それと資金 100 万ドルだけだった。 バリュー株チームは現在、25 人以上の運用担当者が 340 億ドルの資産を運用している。同チームが運用す る九つのファンドの一つ、アメリカン・センチュリー・エクイティ・インカム(TWEIX)は運用資産 90 億 ドル、過去 15 年の平均リターンは年率 7.5%を上回り、投資信託格付け会社モーニングスターが追跡調査し ている大型バリューファンドの上位 2%に入る優れた成績を上げている。ここ 1 年で市場と他社のバリュー 株チームが損失を出したなかでも、同ファンドは 4.2%上昇している。 「われわれのファンドは全て保守的な 傾向があるが、このファンドは特にボラティリティが小さい」と同氏は語る。 ■ デビッドソン氏の投資哲学 バリュー株投資に最も重要なのは投資対象銘柄の質で、バリューはその次、というのが同氏の投資哲学だ。 同氏のチーム(ツガー氏は 1998 年に退社)はまず、有配株、転換社債、優先株のみに注目する。次に資本 利益率(ROC) 、借入率、業界での地位などを考慮して株式の優良性を判断し、投資対象リストを 500 銘柄 に絞る。その後、このリストは株価純資産倍率(PBR)、株価キャッシュフロー倍率(PCFR)、配当利回り などに基づいて半分に絞られる。その後で、アナリストは対象企業を徹底的に調査し、ファンドマネジャー に意見を提示する。どの銘柄もファンド運用資産の 5%を上回ることはなく、どのセクターのウエートもラ ッセル 3000 指数におけるセクターのウエートとわずか 10%ポイントも異なることはない。 バリュー株チームとグロース株チームは知識を共有するが、オフィスは依然として別の階にあり、それぞれ のチーム戦略に基づいて資産運用を行っている。デビッドソン氏は、運用資産 1430 億ドルのアメリカン・ センチュリーの支援を受けながら、 独自の投資スタイルを追求できる自由があることは素晴らしいと述べる。 アメリカン・センチュリーは利益の 40%を同社の創立者であるジェームス・ストワーズ・ジュニア氏によっ て創設された民間非営利団体(NPO)のストワーズ医学研究所に配当として寄付している。 17 年前にアメリカン・センチュリーに加わり、現在は同社のエクイティ・インカム・ファンドの共同マネジ ャーであるケビン・トニー氏は「デビッドソン氏は他人が見落としかねない企業の欠陥や弱点を認識する高 い能力がある」と語る。 ■ ファンドの組み入れ銘柄 バリュー株マネジャーは、一般の見解に逆らって割安株を認識できる必要がある。ポートフォリオ組み入れ 銘柄の多くは単に割安だっただけで「実は優良企業だ」とトニー氏は言う。貯蓄銀行キャピトル・フェデラ ル・フィナンシャル(CFFN)が良い例だ。エクイティ・インカム・ファンドは 2010 年に相互会社から公 開株式会社に変わった同行株を購入した。 「信用状況は実に健全で、融資手腕を持つことが徐々に証明され - 12 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 た」 。同氏によれば、同行よりも資本構造が優れた企 業は金融業界にはほとんどない。 廃棄物処理業者として米国で2番目の規模を誇るリパ ブリック・サービス(RSG)も、魅力的とは言わな いまでも信頼性の高い組み入れ銘柄だ。トニー氏によ れば、時価総額160億ドルの同社は「景気が良くても 悪くても、事業は安定している」 。現在の契約は消費 者物価指数と連動しているため、収益の伸びは鈍い が、同社は次第に他の指数に連動する価格決定制度の 利用を増やしており、バランスシートは健全で、配当 利回りは2.6%と安心感が高い。 優良株を安値で購入する機会は時折ある。原油が投 資家に敬遠される一方で、アメリカン・センチュリ ーのバリュー株チームは機会を狙っている。原油サ ービスの世界的大手のシュルンベルジェ(SLB)の 最近の株価は 73 ドルだが、原油価格急落以前の 2014 年 6 月には 118 ドルだった。 「同社の株がこれ ほど安いのは 1990 年代以来だ。同社の競争力は改 善する一方だ」とデビッドソン氏は語る。同氏は今 年、シュルンベルジェ株を追加購入した。同氏が率 いるファンドはエクソンモービル(XOM) 、オクシ デンタル・ペトロリアム(OXY)といった優良エネ ルギー企業も組み入れている。また、天然ガスの輸 送に強固な基盤を持ち、原油供給が過剰でも増配を 可能にしたスペクトラ・エナジー・パートナーズ(SEP)の株も買い増している。 デビッドソン氏によれば、小売り大手のウォルマート・ストアーズ(WMT)も割安だ。同社の株価はここ 1年で18%下落した。収益の伸びは横ばいで、オンライン小売業者との競争の激化、従業員への賃金とトレ ーニングに関する論議も、同社に対する投資家の懐疑的な見方の理由である。同氏は「ウォルマートの対 応は若干遅いが、経営陣は新たな成長分野に重点を置いている」と語る。その一方で、3%の配当は極め て安全で、 「ウォルマートは破綻しているのではなく、格好の投資対象の典型的なケースだ」 。 American Century Equity Income Fund;Investor (TWEIX) Capitol Federal Financial Inc. (CFFN) Republic Services Inc. (RSG) Schlumberger Ltd. SLB) Exxon Mobil Corp. (XOM) Occidental Petroleum Corp. (OXY) - 13 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 Spectra Energy Partners L.P. SEP) Wal-Mart Stores Inc. (WMT) チャートは 3 年 By SARAH MAX (Source: Dow Jones) 5. The Trader 原油価格の上昇と欧州の緩和策で株価は 1.1%上昇 原油価格と同調して株価も 4 週連続で上昇したが油断は禁物 【米国株式市場】 ■ 市場のファンダメンタルズは良くない 先週の株式市場は金曜日に急騰し、最終的に 1%の 上昇で週の取引を終えた。原油価格の上昇に加え、 欧州中央銀行(ECB)が発表した追加金融緩和策が 株価を押し上げた。 国際エネルギー機関(IEA)が価格底打ちの兆候が 見られると指摘したことと、産油国が生産量の据え 置きの方向で交渉を行うことが明らかになったこと を受け、原油価格は先週 7%上昇して 1 バレル =38.50 ドルを付けた。原油価格は 4 週連続の上昇と なり、20 カ月に及んだ価格下落もようやく安定する との見方が広まった。これに同調し、株価も 4 週連 続の上昇となった。 ECB のドラギ総裁が追加利下げの可能性を否定し たことが投資家に嫌気されてユーロは対ドルで上昇 したものの、結局は原油価格が市場を下支えした形 となった。 先週、ダウ工業株 30 種平均は 1.2%高の 1 万 7213 ドル 31 セントとなり、S&P500 指数は 1.1%高の 2022.19 で引け、ナスダック総合指数は 0.7%上昇 して 4748.47 で引けた。小型株のラッセル 2000 指 数は 0.52%高の 1087.56 で週末を迎えた。 これまで、金融刺激策は買いの合図だったが、今で は状況は微妙な状態にある。ドラギ総裁の発言で中 央銀行に対する信頼性も危ぶまれる。今回の刺激策 について、低調な欧州経済を刺激するのに他に手が なかったとみる向きもある。 米国の経済指標は良好にみえるが、市場のファンダメンタルズは決して良くない。利益成長が見込まれない 中、S&P500 指数の 2016 年予想株価収益率(PER)は約 17 倍の水準にあり、株価上昇の余地は少ない。 原油価格や中央銀行の施策といった、 企業利益や経済成長以外の要因で株価が動いている時に油断は禁物だ。 - 14 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 ■ ジローは市場シェア 70%を握っても赤字 1 年前に同業のトゥルリアを 25 億ドルで買収し、昨 年 9 月に経営統合が完了した不動産情報サイトのジ ロー・グループ(Z)は、今やモバイル分野で 70% のシェアを握る、オンライン不動産市場の巨人であ る。クラス A 株の株価はこのところ、約 40%上昇 している。ダウ・ジョーンズの親会社であるニュー ズ ・コ ーポ レー ショ ン( NWSA ) が運 営す る Realtor.com がジローの競合に当たる。 売上高は力強く伸びているようにみえるが、買収し たトゥルリアを含めたプロフォーマベースの業績を 発表しているために内部成長の伸びは判断しにくい。 同社に問い合わせたが、売上高の内訳は教えてもら えなかった。2015 年の同社の売上高はプロフォーマ ベースで前年比 18%増の 6 億 8000 万ドル、月次サ イト訪問者数は同 61%増の 1 億 2400 万人、売上高 の 75%を占める不動産関連収入は同 35%増の 5 億 0200 万ドルとされているが、伸びの大半はトゥルリア とみられ、ジロー単体の伸び率は不明である。 マイナス要素は他にもある。何といっても利益を上げていない。GAAP ベースで赤字が 2012 年以降拡大し 続けている。会計調査会社ニュー・コンストラクツのデービッド・トレーナー社長は、費用が収入の伸びと 同程度、あるいは収入を上回るペースで増加しているためだと指摘する。トゥルリアを含めた過去 4 年間の 増収率は平均 77%である。一方で総費用は 70%増加しており、中でもマーケティングおよび一般管理費は 85%も膨らんでいるという。ジローの収益性は悪化しており、株価は極めて割高である、とトレーナー氏は 言う。 ■ 利益が見込まれない中で 3 桁の PER は危険過ぎる 同社の発表を深く読み解く必要がある。例えば第 4 四半期決算では、広告主 1 社当たりの月間の広告収入が 29%増加したが、広告料を引き上げたわけではなく「大口広告主の掲載量が増えたため」との見解が示され た。しかし、掲載社数は減少している。2015 年 3 月末時点で 10 万 3415 社だった広告掲載社数(トゥルリ アとの統合による重複を除く)は、12 月末には 9 万 2366 社に減少した。ジロー側は、広告効果の低い企業 の掲載を減らし、効果の高い企業にシフトしたためと反論するが、住宅市場が冷え込んだ時のことを考える と掲載社数の減少は良い兆候とは言えない。 また、ジローが使用しているのは非 GAAP の数値であり、見栄えが良い分、疑って見なければならない。2015 年の利払い・税引き・償却前利益(EBITDA)は 8760 万ドルで 2014 年の 4980 万ドルから増加したが、こ こには株式報酬、リストラ費用、買収費用などは含まれていない。 一方で、GAAP ベースでの赤字は 2014 年の 4360 万ドル(1 株当たり 36 セント)から 2015 年は 1 億 4890 万ドル(同 88 セント)に拡大した。EPS は非 GAAP でも 12 セントから 7 セントに低下している。アナリスト予想では、2016 年 EPS は 12 カ月前の 19 セントから引き下げられて現在は 9 セント と予想されている。つまり現在の株価は予想 PER258 倍とい うことだ。売上高の伸びが鈍化し、利益がほとんど見込まれ ない状況下で 3 桁の PER はあまりにも危険過ぎる。 - 15 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 ジローは「今後も企業全体で目覚ましい成長を続ける」との見通しを示している。調査会社コムスコアによ れば、ジローの 1 月のユニークユーザー数は前年同月比 33%増で過去最高を記録し、realtor.com の 26%増 を上回った。同社の広報担当者は、 「目先の利益よりも、将来の莫大(ばくだい)な利益につながる長期的成 長を重視している」と語る。 トレーナー氏は、 「70%の市場シェアを握っていても赤字なのに、いつ利益が出るというのだ」と指摘する。 われわれも同感だ。 ■主要指標 Friday's Close Week's Change Week's % Chg. Last Week Week Earlier 17213.31 +206.54 +1.21 Advances 2,087 2,723 7693.09 +41.24 +0.54 Declines 1,104 481 647.14 +14.09 +2.23 Unchanged 38 26 DJ 65 Stocks 6093.65 +72.59 +1.21 New Highs 203 186 DJ US Market 502.82 +5.19 +1.04 New Lows 28 57 10104.19 +135.78 +1.36 Av Daily Vol (mil) 4,381.0 4,976.1 NYSE MKT Comp. 2246.46 +26.27 +1.18 96.20 97.22 S&P 500 2022.19 +22.20 +1.11 S&P MidCap 1407.13 +7.93 +0.57 161-070 162-080 669.06 +4.75 +0.72 Nasdaq 4748.47 +31.45 +0.67 38.50 35.92 Value Line (arith.) 4444.07 +47.07 +1.07 Russell 2000 1087.56 +5.62 +0.52 Inflation KR‐CRB(Futures Price Index) 173.53 168.55 20772.08 +209.77 +1.02 Gold(CMX nearby futures) 1258.70 1269.90 DJ Industrials DJ Transportation DJ Utilities NYSE Comp. S&P SmallCap DJ US TSM Float Zillow Group Inc. Cl C (Z) NYSE Dollar(Finex spot index) T-Bond(CBT nearby futures) Crude Oil(NYM light sweet crude) News Corp Cl A (NWSA) チャートは 3 年(Z は 1 年) By VITO J. RACANELLI (Source: Dow Jones) 6. Up & Down Wall Street 流動性を提供する手段が尽きてしまった世界の中銀 【コラム】 3 月 15~16 日に開かれる FOMC で注目すべきこと 最悪の展開が見込まれる米政界 ■ 最後はヘリコプタードロップか かわいそうなことに、世界の中央銀行にとって世界経済に資金を奔流することはこれまで以上に難しくなっ ている。 中銀が最初に行ったのは金利を 0%に引き下げることだった。その次に電子的に作り出した資金で大量の債 券を購入した。その後、それまで下限と思われていた 0%を下回る金利を設定するというさらにクリエーテ ィブな手段に訴えざるを得なくなった。預金者や債券投資家がその資金を投資する特権のために金利を支払 い、資金借り入れで金利を受け取ることもあるなど、マイナス金利は世の中の常識を覆してしまった。 - 16 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 現金の「ヘリコプタードロップ」といったさらに極端な計画も出されてきた。これは米経済学者ミルトン・ フリードマン博士が用いた比喩であり、米連邦準備制度理事会(FRB)の前議長、ベン・バーナンキ氏も繰 り返し提案した。あたかもヘリコプターから現金をばらまくように、減税や支出計画の結果として生じた財 政赤字を補うための資金を政府が中銀による紙幣の印刷で調達することで、これを 2002 年に説明したバー ナンキ前議長にはヘリコプター・ベンというあだ名が付いた。 中銀が紙幣の印刷機を回すのは丸太から転げ落ちるほど簡単だと思うかもしれないが、ルネサンス・マクロ・ リサーチのジェフ・デグラーフ会長は先週、世界の中銀(FRB、欧州中央銀行=ECB、日本銀行、中国人民 銀行の資産、中国の通貨準備金、政府系ファンド=SWF の資産)が提供した流動性は前年比で減少になっ たと指摘した。その年間成長率が 2 桁台にあった 2013 年(その年の終わりに FRB が国債買い入れ額を漸減 させ始めた)と比べると大幅に減速している。驚くなかれ、S&P500 指数もやはり前年比で低下となった。 ■ FF 金利先物市場が織り込む今年末の利上げ確率が上昇 3 月 15 日には日銀の金融政策決定会合が開かれるが、1 月の終わりに導入されたマイナス金利政策(NIRP) が定石通りに円の価値を下げるのではなく急騰させるなどおおむね裏目に出たことを踏まえると、現状維持 となるだろう。3 月 17 日に金融政策委員会を開くイングランド銀行(英中銀) も現状維持となるはずである。 その両会合に挟まれるような形となる今週のメーンイベントは、15~16 日に開催される米連邦公開市場委員 会(FOMC)定例会合だろう。今回もやはり委員たちの決断よりも発言に注目すべき定例会合となる。 FOMC が今週の会合で 2 度目の利上げを実施する可能性は、 共和党の大統領選候補者指名争いで首位に立つ ドナルド・トランプ氏が頭を丸刈りにする可能性と同じぐらい、つまりほとんどない。特に注目すべきは FOMC が今後の動きに関してどのような言葉で見通しを述べるか、委員たちが予想する今年末と来年末時点、 そしてそれ以降のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を示したドットチャート、そして修正された経 済見通しである。 さまざまな FRB 高官たち、特にスタンレー・フィッシャー副議長が「2016 年の利上げを 4 回とみるのは妥 当」だという見解を述べた年初以来、利上げは現在の誘導目標 0.25~0.5%からおそらくあと 2 回というの がコンセンサス予想となっている。FF 金利先物市場の利上げ見通しはここ 1 カ月間ほどで逆戻りした。同 市場は 12 月に 1 回の利上げの確率を約 50%と織り込んでいたが、6 月の利上げの確率は 50%超、年末まで の利上げの確率は 75%以上となっている。 JP モルガンの FRB ウオッチャー、マイケル・フェロリ氏は水曜日に公表されるドットチャートに関して、 その値は下がっている可能性が高いが、依然として市場予想よりは高めだろうと話す。今回の FOMC 声明 については、イエレン議長と委員たちが特に世界の金融市場の悪化に関して経緯を見守ると述べて「時間稼 ぎをした」1 月の声明とは違い、バランスの取れたリスク評価になる可能性が高いと同氏はみている。 ■ 現職大統領が再選を目指さない年 今のところ、世界の中銀の動きは市場に与える影響という点でいかなる政治的不透明感にも勝ってきた。と ころが、15 日には共和党の反トランプ派の運命を左右する予備選挙が開かれる。フロリダ州選出のルビオ上 院議員に至っては、トランプ氏の指名獲得を阻止するために、オハイオ州の自分の支持者たちに地元州知事 ケーシック氏へ投票することを呼び掛けた。7 月の党大会前にトランプ氏の指名獲得が決まらないようにす るための苦肉の策である。その一方で、バーモント州選出のバーニー・サンダース上院議員は先週ミシガン 州で行われた民主党の予備選挙でヒラリー・クリントン元国務長官を下して番狂わせを起こした。クリント ン氏にとっては候補者としての欠点が浮き彫りとなる敗北だった。 政治と株式市場の関係で重要なのは継続性である。バンク・オブ・アメリカのグローバル・ウェルス・アン ド・インベストメント・マネジメント部門によると、1928 年からのデータで現職の大統領が再選を目指して - 17 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 いない年の S&P500 指数の平均リターンはマイナス 2.8%だという。その一方で現職の大統領が再選を目指 している年の S&P500 指数の平均リターンは 12.6%だった。 今年は現職の大統領が再選を目指していない上に、めったにないほど混乱した大統領選挙戦となっている。 指名争いにまだ残っている共和党候補たちが 3 月 10 日の討論会で子供じみた行動や他候補への中傷を封印 したのはせめてもの救いだった。そうは言っても、市場は政界に関して最悪の展開を想定しておくべきであ る。中銀に関しては最高の判断を下してくれることに期待しよう。 By RANDALL W. FORSYTH (Source: Dow Jones) 7. Taking Advantage of Underpriced Stocks 流動性に注目 【株式市場展望】 流動性の高い銘柄は低い銘柄をアウトパフォームし、その差は拡大の一途 ■ 証券市場は流動性不足 金融危機以降、中央銀行は経済を復活させるために金融システムにキャッシュを注入してきた。先週も、欧 州中央銀行(ECB)が債券買い入れ額を月額 200 億ユーロ増額すると発表した。 金融システムへのキャッシュ注入にもかかわらず、価格に影響を与えることなく証券を売買できる市場流動 性は減少している。このため、ボラティリティは急上昇し、昨年 8 月にはゼネラル・エレクトリック(GE) とペプシコ(PEP)などの株価が寄り付き後に 20%急落し、上場投資信託(ETF)がベンチマークから乖 離(かいり)するという事態が生じた。 一方、ボラティリティの高い状況が続いても、これによって損害が永久に発生するわけではない。実際、市 場は既に忍耐強い投資家に報いることができる形で流動性の低下に適応している。 現在は閉鎖されているサード・アベニュー・フォーカスト・クレジット・ファンドは昨年解約停止に追い込 まれたが、原因はファンドが保有するハイイールド債が価格の大幅な下落を引き起こすことなく売却するこ とができなくなったことだ。先月には米証券取引委員会(SEC)が、約 70 本のファンドが流動性に起因す る同様の問題を抱えていることを明らかにした。SEC がミューチュアルファンドに解約に耐えうる手元現金 の確保を強制しようと考えるのは当然だ。 ムーディーズの欧州・中東・アフリカ担当チーフ・クレジット・オフィサーのコリン・エリス氏は先週発表 したレポートで、金融危機の終息以降、国債、社債、株式市場の流動性は低下しているが、世界の流動性は 2000 年代初頭ほど悪い状況にはないとの研究結果を公表した。同氏は「金融環境が逼迫(ひっぱく)してい るのは明らかだが、市場は今後時間をかけてそのような状況に適応していくだろう」と語る。 実際、適応は既に進行している。流動性の低下で特に大きな打撃を受けたジャンク債の利回りは、一部の投 資家にとってリスクの増加に見合う十分なリターンが得られる水準にはない。ウェルズ・ファーゴのグロー バル債券戦略の共同責任者であるブライアン・レーリング氏は、ジャンク債が最近上昇しているのにもかか わらず「ハイイールド債を引き続きアンダーウエートとする大きな理由」として、ジャンク債は流動性が低 く売却が困難であることを挙げた。 適応しているのは債券投資家だけではない。過去 2 年以上、小型株が大型株をアンダーパフォームしていた 状況が今後も続く可能性があるとされる理由の一つとして挙げられるのが流動性の欠如だ。クレディ・スイ スのストラテジストのアナ・アブラモビッチ氏は先週のレポートで投資家に対して、「取引終了時間に向けて 取引を集中させて」流動性の低さをうまく利用するようにアドバイスを行った。 - 18 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 一方、メリルリンチのストラテジストのサビタ・スブラマニアン氏は容易に売買できる S&P500 指数採用銘 柄は売買の困難な銘柄に対してプレミアム状態で取引されていると指摘した。出来高の多い 100 銘柄の平均 株価純資産倍率(PBR)が 3.1 倍であるのに対して、出来高の少ない銘柄の平均 PBR は 2.2 倍と、そのギ ャップは過去数年間で拡大している。 「米国大型株の投資家は流動性を考慮することに慣れていないかもしれないが、市場は流動性に対して代価 を提供しているように見える」 とスブラマニアン氏は指摘する。投資家は容易に取引できる銘柄を好むため、 このギャップが拡大し続けても驚くことではない。 ■ 大型株ファンドはベンチマーク化 ミューチュアルファンドのマネジャーは、解約に備えて手元現金の保有を増やすように強制する SEC の提 案を好感していないが、それは当然だ。ファンドはパフォーマンス向上の妨げとなる巨額のキャッシュ保有 を避け、ベンチマークに打ち勝たねばならない厳しい時期に直面している。 先週、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは、アクティブ運用の 2015 年のパフォーマンスを表した SPIVA スコアカードの最新版を公表した。S&P500 指数をアウトパフォームした大型株のマネジャーは 3 分の 1 に すぎず、過去 10 年間アウトパフォームできたマネジャーの割合はわずか 18%だった。 問題は大型株ファンドがベンチマークに似てきていることだ。野村証券のストラテジスト、ジョゼフ・メズ リック氏によると、ファンドとベンチマークのパフォーマンスの乖離を表すトラッキングエラーは過去 20 年間で半分に縮小しているという。一方、ファンドマネジャーがオーバーウエートしている銘柄はアウトパ フォームしている。 「トラッキングエラーが縮小しているということは、マネジャーが確信度の低い銘柄を組 み入れているということだ」とメズリック氏は指摘する。これは好ましいことではない。 General Electric Co.(GE) PepsiCo Inc.(PEP) チャートは 3 年 By BEN LEVISOHN (Source: Dow Jones) 8. Rumors Of The PC's Death Are Not Exaggerated PC 市場の最終勝者 長期的な衰退傾向に変化なし、勝ち残るのは PC の常識を打破する企業 【ハイテク】 ■ PC 市場の地盤沈下が続いている ウォール街で仕事をする上で、エクセルのスプレッドシートを作成するための PC は今でも欠かせない存在 だ。そのせいか、アナリストは PC という製品分野が危機を脱することを願ってやまない。ただし、悪いニ ュースは相変わらず続いている。 本誌は 2012 年に PC の成長は終わると予言した(2012 年 10 月 22 日号「さらば、パソコン‐「PC 以後」 の世界の勝者と敗者」を参照) 。その後は悪いニュースが続いている。IDC の市場調査によると、PC の販売 台数は 2012 年が前年比 4%減、2013 年が同 9.8%減、2014 年が同 2.1%減で、2015 年は同 10.6%減と過去 最悪を記録した。2012 年の記事では、タブレット端末やスマートフォンが個人だけでなく法人のユーザーの 関心を集める中、PC がさらに成長するのはますます困難になると指摘した。 - 19 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 ■ 法人の更新サイクルで市場が底打ちするとの見方も ウォール街の一部のアナリストは現実を受け入れているが、その他のアナリストは PC が絶滅危惧種である ことに対して相変わらず否定的だ。 シティグループのアナリスト、ジム・スバ氏は 2016 年の PC 販売台数に関する予想を従来の 2%減から 6% 減に下方修正した。個人がタブレット端末やスマートフォンに流れているだけでなく、法人が PC の使用年 数を延ばしているというのがその理由だ。 2 番目に大きな PC メーカーであるヒューレット・パッカード(HP、ティッカーは HPQ)は 2 週間前、PC 販売台数が 13%減少したと発表した。スバ氏によると、HP の競合メーカーが売れ残った PC の在庫を市場 で積み上げているという。市場が急激に縮小する中でメーカーがこぞって販売可能な台数を超える PC を出 荷し続けているという事実は、当事者の現実感が根本的に欠如していることを物語っている。だが、希望は まだ残されている。 クレディ・スイスのアナリスト、カルビンダー・ガーチャ氏は、マイクロソフト(MSFT)の大手企業顧客 が基本ソフト(OS)のウィンドウズ 10 を積極的にテストしていると指摘し、「米国防総省が 400 万台の PC を更新する決定を下した。これは、企業の PC 更新サイクルが加速していることを示している」と述べてい る。同氏は PC 販売台数が 2017 年に 1.5%増加すると予想している。 とはいえ、 市場規模に関する予想は取るに足りない話だ。仮に2017年の販売台数が1.5%増加したとしても、 2012 年と比べて 22%減少することになる。PC 市場が長期的な衰退傾向にあることは変わっていない。 ■ 勝ち残るのは常識を打破する企業 PC 市場で現在顧客を引き付けているのは、PC の常識を打ち破ってきたメーカーだ。 マイクロソフトは、今ではラップトップ PC のサーフェス・ブックという自前のハードウエア製品を持って いる。サーフェス・ブックはディスプレー部分を取り外してタブレット端末として使用できる。同社による と、サーフェス・ブックと他のタブレット端末の直近四半期の売上高は 29%増えたという。同社はウィンド ウズなどソフトウエア製品の顧客である PC メーカーと競争することを決めたわけだが、それが業界全体の ためにはなっていないことは明らかだ。 アップル(AAPL)は PC 市場で着実にシェアを伸ばしている。周辺機器を接続するポートを一つしか備え ず、画期的な薄型化を実現した MacBook(マックブック)などの新製品を発表する中、Mac(マック)シ リーズの販売台数の伸びが過去最大を更新し続けている。Mac の見た目はタブレット端末の iPad(アイパ ッド)とますます似てきている。PC の分野を支配するのは、PC ビジネスに斬新なアプローチを持ち込むア ップルのような企業であろう。 PC 最大手のレノボ・グループ(0992.香港)は 2014 年に モトローラを買収し、携帯電話機市場で重要な資源を有す る。同社はそうした資源を活用することにより、HP やデ ルからさらに市場シェアを奪う可能性がある。 だが、より強力な挑戦者は携帯電話機メーカーから現れそ うだ。中国のファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術) は先月、メイトブックという製品を発表した。基本的にマ イクロソフトのサーフェス・ブックとよく似ているが、よ りスタイリッシュである。ファーウェイは携帯電話機で確 立した大手メーカーとしての地位により、いつかは PC 市 場で多くのイノベーションと成長余地を手に入れるかもし れない。 - 20 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 HP Inc. (HPQ) Microsoft Corp. (MSFT) Apple Inc. (AAPL) Lenovo Group Ltd. (HK:0992) チャートは 3 年 By TIERNAN RAY (Source: Dow Jones) 9. Finding Value In Big Stocks and Emerging Markets 大型株と新興国市場 【投資助言】 バリューを見極める優れた観察眼 ■ シンデレラストーリーの持ち主 T.J.マックスのようなアウトレット店であろうが、株式市 場であろうが、デブラ・ブレディ氏は掘り出し物を見つけ ると我慢できなくなる。「安売りの時に手に入れるのが好 きで、市場が下落している時は、買いの好機と騒いでいる ようなものだ」と言うブレディ氏は 60 歳。マサチューセ ッツ州ニーダムで社員 8 人の独立系投資顧問会社を率いて いる。時には実際に T.J.マックスで買い物もする同氏は、 最近は幸せな毎日を送っている。市場の調整で、同氏が選 好する銘柄の多くは特売コーナーに並ぶようになったから だ。 「現在の株価水準はただただ素晴らしい」 と同氏は言う。 ブレディ氏は本誌の女性アドバイザートップ 100 ランキングで 44 位に輝いたが、それは同氏の決断力のた まものであろう。加えて、現在の環境下で、米国の大型バリュー株から新興国市場関連、転換社債に至るま であらゆる対象を含む、完全に分散型のグローバルポートフォリオを構築していることもポイントだ。 ブレディ氏はまさにシンデレラストーリーを歩んできた。ペンシルベニア州の片田舎でシングルマザーに貧 しさの中で育てられた。優れた成績で学校を卒業すると、1980 年にメディカルスクール入学に必要な学位を 取得。しかし、メディカルスクール入学を前に一時的に職を得たシェアソン・ローブ・ローデスで運命の転 機を迎える。同氏は投資に首ったけとなり、ゼロから投資の実践に取り組むこととなった。1989 年には自分 の推奨商品の選択肢を増やすため独立することを決意する。「思い切った決断だった」と振り返る同氏は、経 費を最小限に抑えようと、歯科医である夫の事務所にあった倉庫の空きスペースで開業した。現在では 7 億 5000 万ドルを運用する D.K.ブレディ・インベストメント・マネジメントであるが、その事務所は今でも開 業時と同じ、気取らない赤レンガの建物にある。 ■ ディズニー、ヘルスケア、製紙などを推奨 ブレディ氏はバリュー価格の企業を見極めるために常識と分析を組み合わせる。現在、同氏は娯楽複合企業 - 21 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 ウォルト・ディズニー(DIS)を強く支持している。スポーツ専門チャンネルの ESPN 部門でケーブルテレ ビ視聴者数が大きく減少しているため、同社の株価は 8 月初めの 122 ドルから 100 ドルほどまで下落してい る。しかし、 「ディズニーの収益は ESPN だけから得られているわけではない。お金を生む源泉はたくさん ある」と言う同氏は、ディズニーの第 1 四半期の利益は予想以上に良く、映画、テーマパーク、商品販売を 通じた利益押し上げ効果を市場は過小評価していると指摘する。 ブレディ氏はヘルスケア業界への追い風を受け、ドラッグストアチェーン大手の CVS ヘルス(CVS)や薬 剤給付管理大手エクスプレス・スクリプツ(ESRX)も選好している。 「医療保険改革法(オバマケア)で薬 剤購入者は増える。高齢化も進み、CVS やエクスプレス・スクリプツは長期的に恩恵を受けるだろう」と同 氏は言う。 逆張り投資も行っているブレディ氏は、紙の消滅を機会として捉えるべきだと言う。同氏のオフィスではペ ーパーレス化に取り組み電子化も進めているが、つい最近のとある午後、同氏の机は印刷した紙が山積みに なっていた。さらに重要なことに、かつて実店舗で購入していたほとんど全てのものが、今では「段ボール とともに」配送される。こうした状況は、製紙大手インターナショナル・ペーパー(IP)のような企業には 好ましく、同氏は長期保有するかもしれないと言う。1 年前の 50 ドル台半ばの水準から下落し、現在は 39 ドル程度で取引されているが、4.54%という配当性向は大きな魅力だ。「配当を減らす可能性もあるが、大き く変化はしないだろう。これからも紙は必要であり続けるから」と同氏は言う。 ブレディ氏は物流サービス大手のフェデックス(FDX)も選好 している。1 月には 180 ドル台であった株価は、現在 140 ドル 前後である。 かつて選好していて現在は保有していない銘柄に大手小売りの ウォルマート・ストアーズ(WMT)がある。株価収益率(PER) は 15 倍を下回っているものの、米国最大手のオンライン小売 りアマゾン・ドット・コム(AMZN)に利便性で劣後するため 苦境が続くだろう、 とブレディ氏は感じている。「個人的にはウ ォルマートへ買い物に行くよりも、夜 6 時に机から注文する方 が好みだ」と同氏は言う。 地方債の販売からキャリアをスタートしたブレディ氏は、今な おポートフォリオの 8%を国債や短期地方債に配分している。 しかし、 確定利付き商品にとっては厳しい投資環境にあるため、 金利上昇に対するヘッジができる規模と能力を持つ運用商品に 転換しつつある。最適なものの一つがピムコ・インカム・ファ ンド(PIMIX)で、1 月末時点の利回りは 7.79%である。 好調な実績はブレディ氏に善行をもたらしている。毎年、世界 の貧困撲滅のための活動に、会社の収益の 10%を寄付している。 Walt Disney Co. (DIS) CVS Health Corp. (CVS) - 22 - Express Scripts Holding Co. (ESRX) Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 International Paper Co. (IP) FedEx Corp. (FDX) Wal-Mart Stores Inc. (WMT) Amazon.com Inc. (AMZN) PIMCO Income Fund;Institutional (PIMIX) チャートは 3 年 By STEVE GARMHAUSEN (Source: Dow Jones) 10. Preview 今週の予定 自動車事故の増加とスマートフォン 【経済関連スケジュール】 ■ バフェット氏は運転中のメール送信を問題視 自動車の安全性は継続的に向上し、この数十年の事故件 数はおおむね減少傾向にある。しかし、昨年は自動車事 故による死者の数が珍しく増加した。全米安全協議会 (NSC) によると、 2015 年の死亡者数はおよそ 3 万 8300 人で、前年比で 8%の増加となった。これは、年間の増 加率としては過去 50 年で最も高い数字である。 非営利の安全推進団体である NSC は、増加の原因として、景気の回復、ガソリン価格の低下、雇用の改善 などにより、車の運転が手頃になったことを挙げている。しかし、ウォーレン・バフェット氏の仮説は、よ く聞く話とは異なっている。バフェット氏は、運転中のドライバーによる電話の使用、あるいはよそ見運転 を指摘し、2 週間前の CNBC の取材に対し、 「2014 年の死亡事故のうちの約 10%が不注意運転によるもの で、その数がかなり増えたことは間違いない」と述べている。 バフェット氏によると、走行距離 1 億マイル当たりの死亡者数も増加しているようだ。同氏のバークシャー・ ハサウェイが所有する自動車保険会社のガイコでは、事故発生率の上昇により、昨年の営業利益が半分以下 に減少したという。 スマートフォンによるよそ見運転といえば、メールの送信が一番の原因だが(AT&T によると、ドライバー の 61%が運転中にメールを送っている) 、一方で運転中の SNS の利用も問題になっている。ドライバーの 27%がフェイスブック、11%がスナップチャット、10%が各種ビデオ通話を運転中に利用しているというの だ。その手の社会交流は、自動運転車の登場まで待つべきだろう。 By EMILY BARY - 23 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 ■ 今週の国債入札 曜日 月曜日 木曜日 370 億ドル 300 億ドル 110 億ドル 3 カ月 6 カ月 9 年 10 カ月 Yields (%) When Issued* 0.336 0.505 NA Yields (%) Last Auction 0.315 0.475 0.725 (* 金曜日午後現在) ■ 今週の予定 3 月 14 日(月) ・ 中国の 2 月鉱工業生産、2 月小売売上高発表。 ・ 語学学習ソフトウエア会社ロゼッタ・ストーン(RST)が四半期決算発表。 ・ スイスのジュネーブでシリアをめぐる和平交渉。 ・ 石油輸出機構(OPEC)が石油市場に関する月次レポートを発表。 3 月 15 日(火) ・ 2 月米小売売上高は、前月比 0.1%減と予想される。2 月卸売物価指数(PPI)も前月比 0.1%の低下が見 込まれる。 ・ 全米住宅建設業協会(NAHB)による 3 月住宅市場指数の発表。 ・ カナダの製薬会社バリアント・ファーマシューティカルズ(VRX)が、延期されていた 10-12 月期(第 4 四半期)の決算発表を行い、いったん取り下げた業績見通しも更新。 ・ 地銀持ち株会社グリーン・カウンティ・バンコープ(GCBC)が取引終了時に 1 株を 2 株に株式分割。 ・ フロリダ、イリノイ、ミズーリ、ノースカロライナ、オハイオの各州で大統領選の予備選挙。 ・ 日本銀行が 2 日間の金融政策決定会合を終了し、政策金利を発表。変更はないと予想される。 ・ フットウエア専門小売りの DSW(DSW) 、子供服小売り大手チルドレンズ・プレイス(PLCE) 、3 次元 (3D)プリンターメーカーの 3D システムズ(DDD)が四半期決算を発表。 ・ メディア大手 CBS(CBS) 、自動車修理・交換部品の販売を手掛ける LKQ(LKQ)、天然ガス・エネル ギー関連持ち株会社 WGL ホールディングス(WGL)がアナリスト・投資家向け説明会を開催。 ・ 米上院商業科学運輸委員会が自動運転車に関する公聴会を開催。アルファベット(GOOG)傘下のグー グルやゼネラル・モーターズ(GM)など関連する企業の幹部が証言。 3 月 16 日(水) ・ 米連邦準備制度理事会(FRB)が 2 日間の連邦公開市場委員会(FOMC)を終了。利上げは行わないと 予想されるが、FRB が金融政策をどう考えているかを知る手掛かりとして、声明文の内容やイエレン議 長の記者会見に注目が集まる。 ・ 2 月米消費者物価指数(CPI)は前月比 0.2%の低下が見込まれる。2 月の住宅着工件数と鉱工業生産も発 表される。 ・ 宅配・航空貨物大手フェデックス(FDX)、カジュアル衣料小売り大手ゲス(GES)、電子機器受託製造 (EMS)大手ジェイビル・サーキット(JBL)が四半期決算発表。 ・ ブロードバンド通信向け機器を手掛けるアリス・インターナショナル(ARRS)、ブロードバンドアクセ ス機器メーカーのカリックス・ネットワークス(CALX)、インターネット調査会社コムスコア(SCOR)、 旅行予約サイトのエクスペディア(EXPE) 、鉱物資源会社 MDU リソーシズ・グループ(MDU)がアナ リスト・投資家向け説明会を開催。 ・ 中国の李克強首相が記者会見。中国の通貨と成長についての発言が予想される。 3 月 17 日(木) ・ 新規失業保険申請件数(3 月 12 日までの週)発表。 ・ 2 月米景気先行指数発表。 - 24 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 ・ アパレル小売りのエアロポステール(ARO)が四半期決算発表。 ・ イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利を発表。 ・ 日本銀行の黒田総裁が決済システムフォーラムであいさつ。 3 月 18 日(金) ・ セントルイス連銀のブラード総裁が、フランクフルトの欧州中央銀行(ECB)で開催される国際金融政 策研究フォーラム(IRFMP)の年次会合で経済と金融政策について講演。 ・ ニューヨーク連銀主催のコンファレンスでダドリー総裁が開会のあいさつ。ボストン連銀のローゼングレ ン総裁も出席。 ・ 貴金属・宝飾品大手ティファニー(TIF)が四半期決算発表。 3 月 20 日(日) ・ オバマ大統領がキューバを訪問。 Edited by Robin Goldwyn Blumenthal (Source: Dow Jones) - 25 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 2016 年 特集記事年間予定表 January 4 Top Ten Income Ideas for 2016 11 Mutual Funds/ETFs Quarterly 18 Davos World Economic Forum 18 The Barron's Roundtable, Part 1 25 Davos World Economic Forum 25 The Barron's Roundtable, Part 2 25 Alternative Investments Monthly Report February 1 The Barron's Roundtable, Part 3 8 Fund Families Special Report 15 Retirement Quarterly 22 Review of Online Brokers 29 Alternative Investments Monthly Report March 7 America's Top 1,200 Advisors: State-by-State 14 ETFs Roundtable 21 World's Best CEOs 28 Barron's Penta: Where the Wealthy Are Investing Now 28 Alternative Investments Monthly Report April 4 Energy Investing Roundtable 11 Mutual Funds/ETFs Quarterly 18 America's Top 100 Financial Advisors 25 Big Money Poll: Barron's Survey of U.S. Money Managers 25 Alternative Investments Monthly Report May 2 Barron's 500: Best-Performing Companies 9 ETFs Roundtable 30 Alternative Investments Monthly Report June 6 Most-Respected Big Companies 6 America's Top 100 Women Financial Advisors 13 The Barron's Roundtable, Mid-Year Recap 13 Barron's Penta: 100 Best-Performing Hedge Funds 27 Retirement Quarterly: America's Top 50 Annuities 27 Alternative Investments Monthly Report Special News Reports July 4 America's Top Advisory Teams 11 Mutual Funds/ETFs Quarterly 25 Alternative Investments Monthly Report August 1 ETFs Special Report 8 Income Investing Roundtable 22 America's Top 100 Independent Financial Advisors 29 Alternative Investments Monthly Report September 5 Equity Strategists' Fall Outlook 12 Retirement Quarterly: Health and Wealth Roundtable 19 Barron's PENTA: Ranking Elite Wealth Management Firms 26 Alternative Investments Monthly Report October 3 Barron's Asia Roundtable 10 Mutual Funds/ETFs Quarterly 17 Big Money Poll: Barron's Survey of U.S. Money Managers 24 Technology Outlook 24 Art of Successful Investing: Picks and Insights 31 Alternative Investments Monthly Report November 7 Emerging Markets Roundtable 14 Retirement Quarterly 21 ETFs Roundtable 28 Alternative Investments Monthly Report December 5 Barron's Favorite Stocks for 2017 12 Barron's Penta: Rating Philanthropies 19 Outlook 2017: What's Ahead for Stocks, Bonds & Mutual Funds 26 Alternative Investments Monthly Report - 26 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 THIS WEEK’S MAGAZINE UNDERMINE THE PRICE. BARRON'S COVER EMERGING MARKETS 1.Move Over, FANGs: Value Investing Is Rebounding By Andrew Bary AFTER NINE YEARS OF UNDERPERFORMANCE, VALUE STOCKS LOOK POISED TO TAKE THE BATON FROM AMAZON.COM, FACEBOOK, AND OTHER GROWTH STOCKS. Colombia’s Stocks Surprise THE STRIKING PRICE Playing Volatile Oil Prices FEATURE STORIES By MANUELA BADAWY IGNORING FUNDAMENTALS, INVESTORS ARE POURING MILLIONS INTO SHARES OF BANCOLOMBIAAND ECOPETROL. By BILL LUBY THE INS AND OUTS OF THE BACKSPREAD TRADE. ETF SPECIAL REPORT 2.ETF Roundtable: How to Beat the Benchmark By CHRIS DIETERICH THE EXPERTS ON OUR ETF ROUNDTABLE TELL INVESTORS WHAT THEY REALLY NEED TO KNOW BEFORE BUYING “SMART BETA.” CURRENT YIELD Time for Loan Funds By AMEY STONE TREASURY BOND YIELDS ARE LOW, JUNK IS VOLATILE. FOR CONSERVATIVE INVESTORS, SYNDICATED LOANS, PERHAPS IN CLOSED-END FUNDS, LOOK APPEALING. COMMODITIES CORNER Silver Lags Gold—for Now FEATURE Ingersoll-Rand Stock Might Pop 20% By JACK HOUGH INDUSTRIALS HAVE BEEN SLIPPING AS OIL DECLINES, BUT THIS OUTFIT MAKES MOST OF ITS MONEY IN CLIMATE CONTROL, NOT ENERGY. 3.Michael Kors Shares Could Rally 30% By SANDRA WARD THE HANDBAG MAKER IS ON THE MEND. NEW PRODUCTS AND INTERNATIONAL EXPANSION COULD BOOST EARNINGS SHARPLY. Valvoline Spinoff: A 45% Gain for Ashland Holders By JACK WILLOUGHBY THE SPINOFF OF THE MOTOR OIL AND QUICK-LUBE COMPANY COULD BE WORTH MUCH MORE THAN THE STOCK PRICE REFLECTS. By IRA IOSEBASHVILI “WHEN THE CUSTOMERS LOOK FOR A SAFE HAVEN, THEY ASK FOR GOLD INSTEAD OF SILVER,” SAYS RBC’S GEORGE GERO. COLUMNS UP AND DOWN WALL STREET 6.Central Banks Seek More Ammo for the Bazooka By RANDALL W. FORSYTH THE ECB GOES DEEPER INTO NEGATIVE RATES WHILE THE FEDERAL RESERVE IS LIKELY TO HOLD OFF FOR NOW. ONE RADICAL OPTION: DROP MONEY FROM THE HELICOPTER. STREETWISE 7.Taking Advantage of Underpriced Stocks SIZING UP SMALL CAPS By BEN LEVISOHN THE MARKET’S MOST LIQUID STOCKS OUTPERFORM THE LEAST LIQUID—AND THAT GAP IS ONLY GOING TO GROW. BYDAVID ENGLANDER THE MEDICAL PRODUCTS MAKER STUMBLED AFTER ITS SPINOFF FROM KIMBERLY-CLARK. BUT IT COULD PROSPER IN COMING YEARS. TECHNOLOGY TRADER PROFILE By TIERNAN RAY THE PERSONAL-COMPUTER MARKET IS MORIBUND, BUT SOME ANALYSTS ARE STILL IN DENIAL. Halyard Health Shares Look Poised to Double 4.Value Investor Goes Looking for Quality 8.Rumors of the PC’s Death Are Not At All Exaggerated By SARAH MAX PHIL DAVIDSON, THE PORTFOLIO MANAGER AT AMERICAN CENTURY EQUITY INCOME, DISCUSSES VALUE INVESTING. FUND OF INFORMATION EDITORIAL COMMENTARY ECONOMIC BEAT The Michigan Syndrome By THOMAS G. DONLAN BERNIE SANDERS CARRIES A COMMUNICABLE ECONOMIC DISEASE: PROTECTIONISM. The Best Value Mutual Funds By CRYSTAL KIM The Real Reason Behind Slowing U.S. Growth By GENE EPSTEIN THE BEST ADVICE MARKETWEEK THE TRADER 5.Stocks Up 1.1%, as Oil Rises, Europe Eases By VITO J. RACANELLI STOCKS ROSE FOR THE FOURTH WEEK IN A ROW, AS OIL CONTINUED TO MOVE UP—BUT INVESTORS SHOULDN’T GET TOO COMFORTABLE. Whither Zillow? By VITO J. RACANELLI WHY THE ONLINE REAL-ESTATE MARKET BEHEMOTH COULD FALL 25%. In Search of Yield By VITO J. RACANELLI HERE ARE SIX UNCONVENTIONAL YIELD PLAYS FOR A TIME OF MARKET NERVOUSNESS. INTERNATIONAL TRADER - EUROPE Buying After ECB Easing By JONATHAN BUCK SOME BANKS STOCKS COULD BE RIPE FOR AN UPTURN, AND CORPORATE BONDS COULD RALLY. ONE THEME: DEFENSIVE GROWTH. INTERNATIONAL TRADER - ASIA Iron’s Mettle Won’t Last By SHULI REN THE END OF A COUPLE OF SEASONAL FACTORS AND A QUIRK—A FLOWER SHOW IN THE MIDST OF CHINA’S STEELING-MAKING REGION—WILL QUICKLY 9.Finding Value in Big Stocks and Emerging Markets By STEVE GARMHAUSEN INDEPENDENT FINANCIAL ADVISOR DEBRA BREDE HAS AN EAGLE’S EYE FOR VALUE. BARRON'S PENTA Get Ready for Two More Rate Hikes This Year By SONIA TALATI OTHER VOICES Mining Companies Strive for Sustainability By JOSEPH KIRSCHKE SPEAKING OF DIVIDENDS How to Lower Your Tax Bills on Foreign Payouts By LAWRENCE C. STRAUSS DEPARTMENT •REVIEW •FOLLOW UP •MARKET WATCH •CHARTING THE MARKET •BARRON’S CORRECTIONS - 27 - 10. PREVIEW •13D FILINGS •RESEARCH REPORT •MAILBAG Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. バロンズ拾い読み 2016 年 3 月 14 日号 『バロンズ拾い読み』 発行 Dow Jones & Company, Inc. 監修 時事通信社 編集人 川田 重信(かわた しげのぶ) 大和證券入社後 1986 年から米国株式を中心に外国株式の営業活動に従事。ペインウェバー(現 UBS)証券を経て 2000 年にエグゼトラストを設立。神戸大学経営学部卒業 米国ロチェスター大学 MBA。 バロンズ拾い読み 主要作成者の略歴(五十音順) 内田 薫(うちだ かおる) 大和証券グループでロンドン、マニラなどの海外勤務を含め、アナリスト活動を中心に国内外の調査業務に従事。2009 年より翻訳活動。東京工業大学機械工学科卒。日本証券アナリスト協会検定会員。 西田 万里子(にしだ まりこ) 旧東京銀行(三菱東京 UFJ 銀行)にて外国送金業務に従事した後、フリーランス通訳・翻訳に転向。現在同志社大学 講師を兼務。神戸大学教育学部教育心理学科卒。英国リーズ大学国際学修士、ペンシルベニア州立テンプル大学 MBA。 西村 嘉洋(にしむら よしひろ) プロクター&ギャンブルのファイナンス・IT 部門で長らくマネジャーを務め、欧州、米国、アジア各国で勤務経験が ある。京都大学大学院 情報工学 情報工学科修士、ロンドン大学大学院 金融経済学修士。 発行 『バロンズ拾い読み』 (2016年 3月 14日号) : Dow Jones & Company, Inc 監修・配信 製作 : 時事通信社 : エグゼトラスト お問い合せ先(法人・個人の購読契約者様) 記事内容に関すること : [email protected] ご契約・システムに関すること : [email protected] (※ネット証券様の会員サイトで閲覧されているお客様は、ご契約先のネット証券様へお問い合せください。 ) ※ 当誌は、時事通信社が Dow Jones & Company, Inc. の発行する BARRON’S誌の内容を利用して作成したもの です。 ※ 当誌は、情報提供を目的としてのみ作成したものであり、有価証券の売買の勧誘を目的としたものではありませ ん。当誌はダウ・ジョーンズ社が信頼できると判断した資料およびデータ等に基づき作成しておりますが、その 正確性および完全性について保証するものではありません。また、将来の投資成果や市場環境を保証するもので はありません。投資決定にあたっては、投資家ご自身の判断でなされますようお願いいたします。 ※ 図・表・データの無断使用を禁止します。 Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc. 本誌記事の無断転載・複写を禁じます - 28 - Copyright © 2016 Dow Jones & Company, Inc.
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