IT経営の現状と 効果的な推進方法 - 株式会社いよぎんコンピュータサービス

IT経営の現状と
効果的な推進方法
2006年11月22日
株式会社アイ・シー・エス
ITコンサルタント 門田 浩朗
本日の内容
1.中小企業のIT化の現状(失敗事例)
・・・ P.3
(1) 中小企業におけるIT化の失敗例(現場だけでのIT化)
(2) 中小企業におけるIT化の失敗例(IT活用能力を無視したIT化)
(3) 中小企業のIT活用に向けた問題点
2.IT経営とは
・・・ P.7
3.効果的なIT経営の推進方法
・・・ P.9
(1) 推進体制の整備
(2) 戦略企画の立案
(3) IT経営推進サイクルの確立(経営戦略→IT戦略→実践→検証)
4.IT経営を支援するIT活用法
・・・ P.14
(1) 卸売業・小売業の抱える経営課題
(2) IT経営の実現に向けた経営課題とIT活用の関連図
2006.11.22
Copyright©2006 ICS Co.,Ltd. All Rights Reserved.
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1.中小企業のIT化の現状(失敗事例)
2006.11.22
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1.中小企業のIT化の現状(失敗事例)
(1)中小企業におけるIT化の失敗例(現場だけでのIT化)
【経緯】
【結果】
作業効率が悪い部分を何とかしたい
(繰り返し作業の省力化・・・伝達ミスの削減・・・)
z場当たり的なIT化
z経営的な期待効果が不明確 ⇒ 小規模な投資
z部門や業務単位での最適化
現場主導による情報化の検討
(IT導入によって解決を図ろう・・・現場で起こっ
ている問題を整理して・・・)
⇒ 計画性の欠如
⇒ 局所的な効果
経営課題の解決に寄与する
取組みは期待できない。
更に、これらの結果・・・
ITベンダーから奨められたシステムを導入
(どんなシステムが良いかはITベンダーに任せよ
う・・・現行システムのベンダー等に声をかけ
て・・・予算の範囲内で決定しよう)
2006.11.22
¾総コストの増大
¾保守・拡張性の悪化
¾陳腐化の助長
などの問題に発展しかねない。
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1.中小企業のIT化の現状(失敗事例)
(2)中小企業におけるIT化の失敗例(IT活用能力を無視したIT化)
【経緯】
【結果】
同業のA社は、昨年社内システムを刷新して、売
上の向上と社内業務の効率化に成功している。
(A社の成功事例・・・)
z現場不在のシステム導入 ⇒ 目的意識の欠如
本当にこれで
良いのだろうか?
トップの思い込みにより、自社のIT成熟度や業務
特性を無視した、情報化の検討
(殆ど社内検討なしで決定・・・誰も反対できな
い・・・)
A社と同じシステムを導入
(目的がシステム導入に・・・システムを使いこなせ
るレベルではないが取りあえず稼動させよう・・・
自社の業務に合っていないが(強みを活かせな
い)・・・)
2006.11.22
z自社のITスキルを無視 ⇒ 現場に定着しない
z業務との不整合
⇒ システム変更の増大
経営課題を解決できるはずが・・・
経営者の期待通りにならない。
更に、これらの結果・・・
¾サービス(生産性)の低下
¾総コストの増大
¾利用されないシステム
などの問題に発展しかねない。
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1.中小企業のIT化の現状(失敗事例)
(3)中小企業のIT活用に向けた問題点
IT化の問題点のまとめ
経営者が活用しにくい
IT業者が経営の事が解らない
IT投資メリットを明確にできない
IT投資額が増え続ける
現場が活用しようとしない
システムの保守・拡張性が良くない
システムが陳腐化してきている
等
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2.IT経営とは
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2.IT経営とは
(1)IT経営とは
ITとは・・・
IT(インフォメーション・テクノロジー)を訳すと『情報技術』になりますが、
『情報を入手する技術』・『情報を処理する技術』・『情報を加工する技術』・『情報を保管する
技術』・『情報を共有する技術』・『情報を検索する技術』・『情報を発信する技術』など、
『情報に対して様々な機能を提供する技術』であると言い換える事も出来ます。
※ IT利用の代表例: コンピュータシステム・インターネット(メール)・パソコン・携帯電話 など
IT経営とは・・・
IT経営とは、『企業経営におけるITの活用である』と言われることが多いのですが、当社で
は更に踏み込んで以下のように定義しています。
IT経営: ITを活用して、企業のビジネス競争力を継続して高める
活動が定着している経営
つまり、自社の経営課題の解決に役立つITを選別して導入しているだけでなく、その効果を
定期的に判定しながら、改善を行う事ができている経営と言えます。
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3.効果的なIT経営の推進方法
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3.効果的なIT経営の推進方法
(1)推進体制の整備
IT経営を推進するにあたって最初に取り組むべき事は、自社の経営戦略・IT戦略の
立案です。 効果的な戦略の立案に向けた推進体制を築く為には、ITに直接関わる
現場だけでなく、経営陣の参画が重要な要素になります。
プロジェクト・オーナー
社長(役員会)
プロジェクト責任者
システム
開発業者
社長(次期社長)
ITコンサルタント等
IT関連支援者
事務局
総務部担当
経営陣
部門長(1)
部門長(n)
現場リーダー
社内スタッフ(必要に応じて都度支援)
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3.効果的なIT経営の推進方法
(2)戦略の立案
『経営戦略企画』の策定手順
の終了
経営戦略企画
の作成
BSC管理表
の作成
戦略マップ
図式化
事業ドメイン
SWOT分析
の確定
経営コンセプト
の開始
経営戦略企画
の終了
IT戦略企画
設定
システム概要
SWOT分析
ITに関する
分析
業務フロー
DMM分析
分析
IT成熟度
の確認
経営戦略
の開始
IT戦略企画
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『IT戦略企画』の策定手順
3.効果的なIT経営の推進方法
(参考) 経営戦略とIT戦略の関係
経営戦略策定では、経営目標を達成する為の重点経営課題を設定し、課題を解決
する施策を明確にします。 IT戦略は、経営戦略の立案を通して明らかになった重点
経営課題を克服する為の一つの要素になります。 従って、IT戦略を立案する上では、
経営戦略(重点経営課題)との整合性を常に意識する必要があります。
経営戦略
経営目標
目的
手段
重点経営課題
重点経営課題
目的
手段
重点施策(IT系)
目的
手段
業務施策
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業務施策
IT施策
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IT戦略
重点施策(人系)
IT施策
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3.効果的なIT経営の推進方法
(3)IT経営推進サイクルの確立(経営戦略→IT戦略→実践→検証)
IT経営の基幹となるのは、『推進体制の整備』と、『戦略立案』ではありますが、
IT経営を実践する為には、戦略立案→IT経営の実践→効果の検証→戦略立案の
PDCA(計画・実行・検証・対策)サイクルを継続して回し続ける必要があります。
効果の検証
IT経営の実践
︵システム構築︶
IT戦略の立案
経営戦略の立案
IT経営推進体制(プロジェクトメンバー)による推進/状況チェック
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4.IT経営を支援するIT活用法
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4.IT経営を支援するIT活用法
(1)卸売業・小売業の抱える経営課題
卸売業の経営課題
消費者ニーズの多様化による在庫リスク、メーカーによる取引卸の選別、インターネット取引
の拡大、中抜き現象など、経営環境は引き続き厳しく、売上減少・利益率低下が続いている
中小卸売業にとっての経営課題は以下の通り。
◆ リテールサポートの徹底による取引先の囲い込み
● 陳列アドバイス、販促ツール・商品の開発、売れ筋情報・販売方法の提供など
◆ 営業力の強化による新規開拓
● 得意分野の知識・情報の強化、成長する業種・業態の小売業へのアプローチなど
◆ 多頻度・小口発送への対応
● 情報システムの活用による小口取引への効率的な対応、メーカー・小売店との情報共有など
◆ 売れ筋商品の品揃え・調達能力の強化
● 価格競争力・オリジナル性のある商品の調達ルートの発掘と品揃えの強化など
◆ 専門性のある能力を持った人財の育成
● 企画力・情報収集力・交渉力・商品調達能力・IT活用能力の強化など
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4.IT経営を支援するIT活用法
(1)卸売業・小売業の抱える経営課題
小売業の経営課題
大型店・ディスカウントストアの進出、インターネットショップの拡大など経営環境が厳しくなる
中で、従来の販売手法だけに頼らない経営が求められる小売業にとっての経営課題は以下
の通り。
◆ 販売形態の革新
● 消費者ニーズに対応した専門性や利便性のある販売形態(宅配・24時間・Webなど)への革新など
◆ 独自性のある商品の品揃え
● 産地・ブランド・希少価値のある商品の調達と品揃え、こだわり商品の品揃えと接客サービスなど
◆ 消費者ニーズを反映した店作り
● 客層に合せた陳列とレイアウト、取り扱い商品に応じたコンセプトの設定と接客サービスなど
◆ マーケティング力の強化
● 地域住民の年齢構成・家族構成・ライフスタイルの多様化などを反映した品揃えなど
◆ 情報収集力の強化
● 経営者による買い付け時の情報収集、メーカー・卸・ネットからの情報収集など
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4.IT経営を支援するIT活用法
(2)IT経営の実現に向けた経営課題とIT活用の関連図
経営課題
IT活用
既存事業の転換
新規事業への進出
新ビジネスモデル構築へ
企業の社会的貢献
営業・マーケティングへ
具体策
Webマーケティング
情報共有
売上の拡大・新規開拓
商品力・サービス力の強化
納期の短縮・スピード経営
経営意思決定の合理化
・スピード化へ
固有技術の強化
仕事の仕組み
改革と連携・統合化
業務システムの構築
コスト削減
コミュニケーション高度化
組織・社員の
やる気と能力の向上
人材活用高度化
リスク管理の強化
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情報インフラの整備
教育・体制整備
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本セッションでご紹介した『経営戦略企画』・『IT戦略企画』にて利用する分析用ワークシート
および、立案の詳細手順は、当社ホームページで公開しております。
(URL) http://www.iyoics.co.jp/business/it05.htm
伊予銀行グループ
ソリューション営業部
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