「中学生と市長のふれあいトーク」会議録 (PDFファイル 281KB)

平成26年度中学生と市長のふれあいトーク会議録
平成26年8月30日、市役所3階政策審議室で中学生と市長のふれあいトークを開催しまし
た。中学生と市長のふれあいトークは、中学生の立場から見たまちづくりへの意見や提言
に、市長が市の考えを説明し、中学生と意見を交換することで市政への関心と理解を深め、
また、意見・提言を施策へ反映させていこうとするものです。今年度は提案の際に「もし
自分が市長だったら…」をテーマとし、意見の交換を行いました。
市内の中学校から各1名が出席して、観光や公共施設への提案や、地域との交流の取り組
みなどの提案がありました。
中学生と市長のふれあいトーク会議録
日時:平成26年8月30日土曜日9時45分~12時
場所:市役所 3 階政策審議室
出席者:眞野市長、堀野副市長、原田副市長、奥教育長、大島分権政策部長、中学生 11 名、
藤澤広報統計課長(進行)
提案:
「もし自分が市長だったら」
(1) 廿日市中学校「楽しく誰でも快適に生活できるまちづくりをするための環境整備を
充実させたい」
(2) 七尾中学校「廿日市市を挨拶ができるまちにしたい」
(3) 阿品台中学校「多機能・多目的の屋内プレイパークを廿日市市内の各中学校区に一
つずつ建設したい」
(4) 野坂中学校「より魅力ある市になるように取り組んでいきたい」
(5) 四季が丘中学校「中学生が参加する防災活動を行いたい」
(6) 佐伯中学校「中学校へタブレット端末を導入したい」
(7) 吉和中学校「レンタル農家制度を推進したい」
(8) 大野中学校「廿日市市の特産物をアピールし、産業の活性化を推進したい」
(9) 大野東中学校「食育を推進していきたい」
(10) 宮島中学校「宮島に来られた人が安心して過ごせる休憩場所、トイレなどの公共施
設を増やしたい」
(11) 山陽女学園中等部「海外の人たちと交流できる日本一の国際観光都市にしたい」
開会
(広報統計課長)
それでは、皆さんお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。ただ今から、
中学生と市長のふれあいトークを始めさせていただきます。このふれあいトークは、中学
生の皆さんから、まちづくりへの意見などを自由に提案していただき、今後のまちづくり
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に反映するとともに、皆さんにまちづくりに対する理解を深めていただく機会にしたいと
考えています。
なお、本日のふれあいトークは後日、会議録としてまとめ、市のホームページで公開す
る予定です。その際、学校名とお名前を掲載いたします。差し支えのある場合は、会の終
了後、もしくは学校に戻られてから、引率の先生を通じてご連絡をお願いします。また、
会議録作成のために録音させていただくことをご了承ください。
さて、本日お配りした資料の中にアンケートがありますが、こちらのアンケートにつき
ましては、終了後に時間を取りますので、本日の感想などを記入して、提出してください。
また、引率の先生方へもアンケートをお配りしております。今後の参考とするためにも、
率直なご意見などをお寄せいただければと思いますのでよろしくお願いいたします。
それでは、この会に参加しております市の出席者を紹介いたします。
(市長以下 6 名紹介)
(広報統計課長)
続きまして、皆さんに、自己紹介をしていただこうと思いますが、慣れない場で緊張さ
れていると思いますので、少し肩の力を抜いて両手をちょっとあげてみてください。それ
から、喉が渇いているかもしれないので、目の前にお茶を用意しております。お茶を飲ん
で喉を潤してから始めたいと思います。どうぞ飲んでください。お昼のお茶もありますの
で、充分飲んでいただいてかまいません。
では、こちら長谷川渓悟くんから順に簡単で結構ですので自己紹介をお願いします。
(中学生自己紹介)
・廿日市中学校の長谷川渓悟です。柔道部に所属しています。今日はよろしくお願いしま
す。
・七尾中学校の松永栞です。今日は一日よろしくお願いします。
・阿品台中学校の榎新星です。陸上部に所属しています。よろしくお願いします。
・野坂中学校の梅野飛羽です。今日は一日よろしくお願いします。
・四季が丘中学校、生徒会長の小滝誉之春です。今日はよろしくお願いします。
・佐伯中学校の栗田亘です。野球部に所属していました。今日はよろしくお願いします。
・吉和中学校の西村佳純です。卓球部に所属していました。今日はよろしくお願いします。
・大野中学校の倉田知哉です。生徒会で会計をしています。卓球部に所属しています。
今日はよろしくお願いします。
・大野東中学校から来ました香田丘太です。今日は一日よろしくお願いします。
・宮島中学校の櫛田博子です。生徒会長をしています。部活は吹奏楽部に入っています。
今日はよろしくお願いします。
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・山陽女学園中等部の高木天音です。バトン部に入っています。今日はよろしくお願いし
ます。
(広報統計課長)
ありがとうございました。では、眞野市長にあいさつをお願いいたします。
市長あいさつ
(市長)
あらためまして、皆さんおはようございます。久しぶりに晴れ間がのぞきまして、清々
しい朝を迎えました。
一番緊張しております市長の眞野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、夏休みも今日明日で最後にもかかわらず、ふれあいトークに参加していただき、
ありがとうございます。
皆さんもご存じのとおり、広島市北部で大規模な土砂災害が発生しました。この災害で
亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災者の方に心から恩命を申し上げます。
多数の方が亡くなられ、災害で住む家を失われた方々、避難所生活が長期化してきていま
すし、未だに行方不明の方が居られ、大変厳しい状況でございます。
廿日市市も延べ 142 名の消防職員を応援部隊とし派遣し、消防以外の職員もボランティ
アとして、被災地の復旧支援をしており、今後も全面的な支援を行って行きたいと考えて
おります。
さて、今回のふれあいトークは「もし自分が市長だったら」と題し、皆さんから提案な
どをいただいています。
今日はこの意見や質問をもとに、皆さんとどうしたら住みよい“まち”になるのかを、
一緒に考えていきたいと思います。
今回でこのふれあいトークは 17 回目を迎えました。これまで寄せられた意見によって、
新小学一年生にけん玉を送る事業などが実現しました。
けん玉といえば、今年は 7 月 12 日、13 日に世界で初めて、けん玉の世界大会が廿日市で
開催されました。11 の国や地域からプレーヤーが集結し、世界に向けて「けん玉発祥の地、
廿日市」をアピールすることができました。
こういった機会を通じて、これからも世界に誇れるまちとして発展していくためには若
い皆さんの力がぜひ必要です。
今日のふれあいトークは皆さんが持つ廿日市市への思いを発信する機会です。初めての
ことで緊張されているかと思いますが、私も普段どおり話をします。皆さんも自由に楽し
く話をしてください。冒頭にも言いましたように、私が一番緊張しております。皆さんリ
ラックスして私もリラックスさせてください。ではよろしくお願いいたします。
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(広報統計課長)
それでは、意見発表会に移ります。
はじめに廿日市中学校、長谷川渓悟くんからお願いします。
廿日市中学校
長谷川 渓悟(はせがわ・けいご)くん
もし私が廿日市市の市長だったら、楽しく誰でも快適に生活できるまちづくりをするた
めの環境整備を充実させていきたいと思います。私の考えている環境整備は二つあります。
一つは施設、設備の整備、もう一つは自然環境を考えた緑化の取り組みです。今回は施
設、設備の整備の提案をします。
私の提案は、市全体をよりバリアフリー化することです。現在高齢化が進む社会の中で
スロープを作ることや音声信号を設置することなどの取り組みを行うことで、私はより高
齢者の方や体の不自由な方が快適に生活できるようになり、誰もが快適に暮らせるまちに
なると考えました。
以上のような取り組みを行い、私は廿日市市が誰でも快適に生活できるようなまちづく
りを提案します。
(市長)
長谷川くんのように若い人が、高齢者や体の不自由な人の視点に立ってバリアフリー化
を考えていただいたこと、とても嬉しく思います。
バリアフリーに関しては、バリアフリー法という法律が作られています。この法律の基
本方針である「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」という考え方に基づいて、施
設を整備する際には障がいのある人に分かりやすく情報を提供することや、施設の職員に
教育訓練をして適切な対応ができるようにするなど、高齢者や障がいのある人に配慮する
ことが盛り込まれています。
市でも、この法律に基づいて、
「だれもが安心・快適に移動できる交通環境づくり」を実
現するため、バリアフリー化の推進に取り組んでいます。
JRの駅周辺は、その周辺地区を重点的に整備するよう計画しています。宮内串戸駅、
阿品駅、宮島口駅にエレベーター、音声・音響案内や点字ブロックを設置しているほか、
駅周辺の道路の歩道の段差をなくし、音の出る信号機を設置するなどしています。今後は、
残りの廿日市駅と大野浦駅を中心にバリアフリー化を進めていく予定です。
それ以外にも、たとえば道路には、高齢者が日常的に利用する生活道路を対象に、マン
ホールと路面との段差解消や道路勾配の改善、手すりの設置などを進めています。また、
学校でもスロープやエレベーターの設置を進めています。先日、大野西小学校と大野中学
校を統合した大野学園の校舎が完成しましたが、玄関から校舎内へ入る際の段差をゼロに
するなど、バリアフリーに配慮したものにしています。
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また、バリアフリー法では、「心のバリアフリー」という方針も盛り込まれており、国民
は、高齢者、障がいのある人に対して、理解や協力、支援に努めなければならないとされ
ています。
これから高齢化が進んでいきます。長谷川くんの提案のとおり、楽しく誰でも快適に生
活できるまちづくりへの環境整備は、ますます重要になっていきます。そうしたなか、施
設の整備だけでなく、お互いを思いやる心を育てるような取り組みが必要であり、長谷川
くんのようにバリアフリーを考えることはまさに「心のバリアフリー」であると思います。
バリアフリーを本市全域へと広めていくことを目指し、環境整備の充実のために、市民
の皆さんと一緒に考え、取り組んでいきたいと考えています。よろしくお願いします。
七尾中学校
松永 栞(まつなが・しおり)さん
もしも私が市長だったら、廿日市市をあいさつができるまちにしたいです。最近、近所
の人や親しい人にしかあいさつをしない、という人が多いと思います。確かに話したこと
もない人に挨拶をするのは勇気がいります。それでも、あいさつをすると気分がいいし、
そして何より、あいさつは周りの人とのコミュニケーションの一つです。普段忙しくて地
域の人と交流ができない人でも、あいさつくらいはできると思います。
こうしたあいさつをきっかけに地域の交流を深め、明るい、良い町にしていけたらいい
なと思います。そして、そのために地域での行事を行いたいです。夏祭りや運動会などの
行事を整理・調整し、さまざまな年代の関わりを生みだす企画を行うことで、次に会った
ときに、初めてではないので話しかけやすくなったり、挨拶しやすくなると思います。こ
うして、知らない人に挨拶することに慣れてもらいたいです。私が市長になったら以上の
ような取り組みをして、明るい町をつくっていきたいです。
(市長)
松永さんの通われている七尾中学校をはじめ、市内の学校では「あいさつ運動」に熱心に
取り組まれています。
また、PTA の皆さんが「あいさつ運動」をされたり、地域の見守り隊の皆さんが登校時
に声掛けをされるなど精力的に活動しておられます。
あいさつの「あい」には心を開く、
「さつ」にはその心に近づくという意味があります。
私も中学二年生の担任の先生からあいさつの大切さを教えてもらったことがあります。先
生の名前も鮮明に覚えています。
このように、あいさつは「あなたの存在を見つけました。よろしくお願いします。」とい
う人間関係をスタートさせるためのコミュニケーションの第一歩です。
「あいさつ」のできる地域は、防犯にも強い。と言われています。これは、顔見知りの関
係が多いほど、地域のつながりが強いということの現われであり、地域の福祉や防災につ
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いても同じことが言えます。「あいさつ」は、まちづくり・地域づくりの土台となる重要な
ことであると思います。
ですが、松永さんの言われるとおり、いきなり知らない人とあいさつをすることにため
らう人はたくさんいると思います。そこで、地域の行事を通して顔見知りになり、あいさ
つし合える仲になろうという松永さんの考えは素晴らしいことです。
校区内の平良市民センターまつりに七尾中学校の生徒さんがポスターの作成や、受け付け、
駐車場整理のボランティアで参加されていますね。こうした活動が世代間の交流や繋がり
を育み、顔見知りを増やす大きなチャンスです。
市としても、このようなさまざまな世代が参加し、触れ合える機会を地域の人と一緒に
なってつくっていきたいと思います。
七尾中学校の皆さんも、たくさんの地域行事に参加し、たくさんの地域の人と顔見知り
になってください。市役所に入庁して3年目の若手職員が平良地域の活動に参加していま
す。ぜひ一緒に参加してみてください。
また、家の近所や通学途中などで積極的に、明るく、元気よく、心を込めて「あいさつ」
をしてください。私も早朝にできるだけ佐方の駅からスポーツセンターまで散歩をします。
すれ違う人とおはようございますとあいさつをします。気持のいいあいさつが返ってくる
と朝から元気になりますし、笑顔になります。
皆さんのその活気で一緒にあいさつのあふれる、明るい廿日市市をつくっていきましょ
う。
阿品台中学校
榎 新星(えのき・しんせい)くん
もし自分が市長だったら、多機能・多目的の屋内プレイパークを廿日市市内の各中学校
区に一つずつ建設します。
理由は、廿日市市には大きな公園が 6 つありますが全て屋外で、雨の日にスポーツがで
きるミニ体育館のような施設がありません。
また、サンチェリーは利用に行っても予約で埋まっていたり、行くまでの交通費がかか
ります。もし、私たちの中学校区の中に多機能・多目的の屋内運動場があれば、他の団体
がいて公園が使えない時や廿日市市スポーツセンターが予約でいっぱいの時、雨の時など
に利用することができます。また、屋外での運動が苦手な人も利用することがあるでしょ
う。そうすると、市民全体の運動不足の解消や体力の向上になり、さらに、いろんなグル
ープが近くのプレイパークを利用するようになると、生涯スポーツのきっかけづくりや異
年齢の人とのコミュニケーション、社会性の向上などが期待できると考えたからです。
(市長)
今回、榎くんは、雨の日でも自由に体を動かせるプレイパークの建設を提案してくれま
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した。榎くんの言われるように、スポーツに親しむことで、みんなが交流したり、健康に
なったりすることは、とても大事なことです。現在でも、市では市民の皆さんがさまざま
な生涯スポーツを楽しめるような環境づくりを進めています。
例えば、市内の小中学校の体育館やグラウンドは、授業やクラブ活動のない時に、市民
の方々が団体で利用できるようにしています。また、さまざまなスポーツの普及のため、
スポーツセンターの他、サッカー場やパークゴルフ場、グラウンドゴルフ場なども整備を
しています。
現在市では、今までに建設してきた施設を、将来、榎くんたちにもいい状態で使っても
らえるよう、施設の維持管理や統廃合など、どこにどのようにお金を使うかを検討してい
るところです。
榎くんが通う阿品台中学校をはじめ、各中学校へ市内の体育施設の利用などの情報提供
をしていきますので、活用してください。
また、市内には、市の施設だけでなく民間の施設もたくさん整備しています。これから
も、今ある施設を有効に活用したり、天候に合わせて工夫をしたりして、スポーツに親し
んで、元気な廿日市を一緒につくっていこうではありませんか。
野坂中学校
梅野 飛羽(うめの・とわ)くん
私が市長になったら、廿日市市がより魅力のある市になるように取り組んでいきます。
廿日市市は山と海がある市で、夏には海水浴、冬にはスキー、スノーボードと年中を通
してレジャーを楽しむことができます。さらに、宮島といった観光地もあり、長期休暇
などで訪れたい場所としては、上位に選ばれる場所だと思います。しかし長期にわたる
宿泊施設となるとかなりコストがかかります。
そこで、私は廿日市市の吉和、佐伯、宮島地域の空き家を観光客などの宿泊施設とし
て提供します。これは、一時的に空き家を別荘として低コストで提供してもらい、住ん
でもらうというものです。空き家を有効活用するので、コストもかからず、しかもその
土地に住んでもらうことで、地域を活性化させることができます。
私が市長になったら、この施策に取り組んでいき、魅力的な廿日市市をつくっていき
ます。
(市長)
梅野くんの言われるとおり、廿日市市は、世界遺産を有する宮島をはじめとし、歴史と
文化の薫る神社仏閣、山・川などの美しい自然や、スキー場・キャンプ場・海水浴場とい
ったレクリエーション施設のほか、数多くの温泉施設、スポーツ施設、美術館など、実に
さまざまな観光資源と固有の文化があり、一年を通して楽しむことができる魅力にあふれ
たまちです。
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こうした魅力にひかれ、国内だけでなく海外からも多くの観光客が訪れています。
梅野くんをはじめ、地元の若い世代の人に、廿日市市の魅力を知っていただいていること
に大変嬉しく思います。
今回、梅野くんが提案してくれた、廿日市市の過疎地域の空き家を、観光客向けの宿泊
施設として活用するというアイデアは、観光客へ低料金で宿泊施設を提供できるだけでな
く、地域の魅力を感じてもらうことで、より廿日市市を好きになっていただけると考えら
れます。定住促進や、過疎地域に人を呼び込む手段となり得るものと考えます。
しかしながら、空き家を宿泊施設として活用するには、現段階では、旅館業法や消防法
などさまざまな法律の規制があり、クリアすべき課題がたくさんあります。
そうした中、第二次安倍内閣が進める「国家戦略特区」に指定された東京都内の一部や
神奈川県などでは、旅館業法の規定が適用されないこととなり、外国人旅行者と区域内に
空き物件を所有するオーナーを予約サイトでマッチングさせるというサービスが、日本で
は初めて民間事業者により行われています。
このように、国が法律の規制を緩めるなど、民間事業者がビジネスをしやすい環境をつ
くることで、梅野くんが提案してくれたような新しいビジネスが実際に生まれてきていま
す。
市としては、国や民間事業者の今後の動きなどを意識しながら、どのような取り組みや
支援が出来るかを考え、より魅力のある廿日市市となるよう取り組んでいきたいと考えて
います。
四季が丘中学校
小滝 誉之春(おだき・よしはる)くん
私は廿日市市で中学生が参加する防災活動があったらいいと思います。東日本大震災の
後、地域での防災活動が見直されています。先日、広島県内でも大きな土砂災害が起き、
多くの人が被害に遭い、今も多くの人が被災生活を送っています。山がすぐ横にある私た
ちの地域でも他人ごとではありません。
私たちの地域では平成 16 年より自主防災活動として、救急救命講習や防災マップの作成
など、地域の人々が地道に活動されています。以前、道徳の授業で「高校生以上の大人は
地域外に通学し、職場に出ていくので、地域で災害が起こった時、中学生の力が必要です。
」と聞きました。
実際、私の住んでいる四季が丘団地では、夜間は小さな子からお年寄りまで幅広い年代
の人が多く生活していますが、昼間、高校生以上の住民は学校や仕事で地域にはいません。
小中学生とお年寄りが団地に残って生活しているのが現状です。このため昼間に災害が起
こった時は、中学生を中心に活動することが大切になってきます。このような現状は私の
住んでいる地域だけでなく、ほかの地域でも同じではないでしょうか。しかし、私たち中
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学生は地域のために何かしたい思いはあっても、クラブ活動や習い事などで地域の防災活
動などに参加できていません。
そこで廿日市市全体で防災活動を行う日を設定し、みんなで助け合い、支え合うことが
できたらいいと考えます。そこでたくさんの中学生が参加できるよう廿日市市で日程を組
んでくださるといいと思います。また、地域の中学生のリーダーとして、活動できるよう
な中学生用の防災の手引きを作成していただきたいとも思っています。
保健体育の授業で廿日市市消防署の方に来てもらい、救急救命講習を受けました。この
授業を通して人工呼吸や胸骨圧迫の方法、AED の使い方など知識と技能を身に付けました。
そして人を助けることの大切さ、命の重さを学びました。実際にそのような知識や技能を
使わなければならない場面に遭遇した場合、一度の講習では自信はありませんが、学んだ
ことを生かせるのではないでしょうか。だからこそ、災害に対する地域での取り組みなど、
私たち中学生も地域の皆さんと一緒に学習する機会が必要だと考えます。
そのために地域ごとに具体的に記された中学生向けの防災手引きがあると良いのではな
いかと考えます。地震対策、土砂災害などもっと幅広い分野での防災に対する知識の習得
や訓練の機会を持ってくださると、どの地域でも私たち中学生が地域のリーダーとして具
体的に活動することができるようになるのではないでしょか。地域ごとの防災の手引き書
を作成し、私たち中学生に知識と実践力を高める機会を作ってくださることを提案します。
日頃見守って下さっている地域に貢献することは大切なことだと思っています。防災で
の取り組みで地域の皆さんと共に活動できるような取り組みを廿日市市で取り組んでもら
えればと思います。
(市長)
防災活動の基本の考え方は「自分の命は自分で守る『自助』」、「地域や近所で互いに
協力して、助け合う『共助』」、「国や県、市、警察、消防などが対応する『公助』」の
3つがありますが、地域での防災活動は、この中の「自助」と「共助」の部分での活動と
いうことになります。
小滝くんの住んでいる四季が丘地区では、「四季が丘地区自主防災連絡協議会」が活動
されています。四季が丘地区は、廿日市市内だけでなく広島県内でも活発に防災活動をさ
れている地区の一つであり、平成 22 年度には広島県知事表彰を受けられています。
今年度は、さらに四季が丘地区の「自助」「共助」の意識を高めるため、四季が丘地区
自主防災連絡協議会、四季が丘市民センターそして、市が、連携して「チャレンジ防災 イ
ン
四季が丘」という事業を実施しています。
この事業は、「地域を知る」「災害を知る」ために、年間を通じて、さまざまなテーマ
で地域防災を学ぶものです。災害時には、地域の中学生の力が必要なことも考えて、対象
を中学生以上としています。ぜひ、小滝くんも友達と一緒に参加してみてください。
自主防災連絡協議会の皆さんも大変喜ばれると思います。
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その他の地区でも自主防災活動や訓練を積極的に実施されていますが、中学生と一緒に
活動をしている自主防災組織はないようです。
他の地区の中学生も地域活動や防災活動に参加できるように、この四季が丘地区の取り
組みや事業を他の自主防災組織にも紹介したいと思っています。
また、防災訓練や防災活動を同じ日に設定することは、自主防災組織が設立されていな
い地区や、それぞれの組織の活動の実態が違うこともあり、同じ日に防災訓練を実施する
までには至っていません。
廿日市市内のすべての地区に自主防災組織が設立されたときには、
「市内一斉防災訓練」
などを試みることも考えてみたいと思います。
これまで以上に廿日市市の防災力のアップのためには、「人と人のつながり」、「地域
と人とのつながり」が必要不可欠です。
また、廿日市市の中学生が防災活動や地域行事に参加することで、地域が元気になり、
ひいてはそれが災害に強い地域づくりにつながるものと考えています。
皆さんは、廿日市市の元気の源であり、地域づくり、まちづくりの一員です。これから
も「みんなで支えあい、助け合い、災害に強いはつかいち」を一緒につくっていきたいと
思っています。よろしくお願いします。
<休憩>
佐伯中学校
栗田 亘(くりた・わたる)くん
佐伯中学校からは、タブレット端末の導入についてです。これを議題にした理由は、最
近社会のネットワーク化が進んでいき、佐賀県ではタブレット端末を導入しているとテレ
ビで見て関心を持ったからです。そこで、僕たちはタブレット端末を導入するメリットを
考えてみました。
タブレット端末を導入することによって得られるメリットは2つあります。
1つ目は、今までより授業の効率が良くなるということです。例えばみんなの前で話し
たり、発表することが苦手な人でも、書くことで自分の意見をしっかり伝えることができ
るようになります。また、ワークシートなどの配布・回収の時間がいらなくなり、その時
間を違う内容に使うことができるようになります。そうすれば、みんなの理解が深まり、
学力が向上すると考えています。タブレット端末をいち早く導入した韓国では、学力が向
上していったという結果もあったそうです。さらに、今のうちに、ネットワークの危険性
を、身をもって知ることができます。
2つ目は、環境への配慮ができるということです。最近は、世界の木が多く伐採され、
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森林が少なくなってきているとよく聞きます。今までは、「紙」すなわち木を使って森林を
伐採しているのを後押ししてきたとも言えるでしょう。しかし、タブレット端末を導入す
れば、紙をあまり使うことがなくなり、森林を減少させることも少なくなると思います。
以上のような理由で佐伯中学校からは、中学校へのタブレット端末の導入を提案します。
(市長)
栗田くんの提案にあるように、タブレット端末などの情報コミュニケーション技術を活
用した授業は、その技術を活用しない授業と比較すると、学力の向上につながるというこ
とが、国内外で示されています。
さらに、教育分野で情報コミュニケーション技術を活用することは、授業の中で先生と
児童や生徒とのやり取りがスムーズにできるようになるとともに、児童や生徒の主体性、
さらに意欲・関心や知識・理解を高める効果があると言われています。
また栗田くんが示していたメリットにあるように、タブレット端末の導入がペーパーレ
ス化につながり、環境への配慮になるということも大変よくわかります。
このように、さまざまな効果が期待されるタブレット端末の導入ですが、耐久性や充電
の問題に加え、教育用ソフトや支援用ソフト、無線 LAN(らん)の整備の問題など今後検討
していかなければならない課題も多くあります。
実は、今年度、市内の学校でモデル的に 40 台のタブレット端末と 8 台の電子黒板の導入
を計画しています。栗田くんのアイデアを早速実現しようとしているわけです。
そのモデル校でのタブレット端末などの活用の成果や課題から、今後の市内小中学校に
おける導入も検討していきたいと考えています。
吉和中学校
西村 佳純(にしむら・かすみ)さん
吉和小中学校からは、「レンタル農家の推進」を提案します。
私の住んでいる吉和地域では、現在過疎化が進み高齢者や介護を必要とする人が増えて
います。そのため、使われなくなった田畑がたくさんあります。そこで、その課題を解決
することはできないかと考えました。
それが「レンタル農家」です。この制度ができると、吉和に若い人を呼び込むことで、
過疎化に歯止めができます。さらに、副産物として、野菜などの生産物もできます。いか
がでしょうか。吉和の明るい未来につながる「使われなくなった田畑を貸し出す」という
新しい制度、「レンタル農家制度」をぜひ実現させてください。
最後になりますが、安心して暮らせる地域づくりの一環として、福祉施設などの管理者
募集も引き続きよろしくお願いします。
(市長)
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吉和地域は、水稲を中心にほうれんそうなどの野菜や、豊富な水量を活用したわさび栽
培などが行われている、農業の盛んな地域です。
この地域は、ほ場整備により、田の面積を大きくしたり、農道や水路が整備されており、
農業を営むための良い条件が整っています。
こうした農地を積極的に活用するため、平成 14 年度に「農事組合法人よしわ」が設立さ
れ、集落ぐるみで農業が行われています。
さて、
「使われなくなった田畑を貸し出す」という新しい制度ですが、ご提案にあるよう
に「使われなくなった田畑」や「使われなくなりそうな田畑」を誰かが使っていくことは、
農地や農業を守るためには非常に大切なことです。
このため、農業委員会が中心となって農地パトロールを行い、農地が使われているかど
うかを確認し、使われなくなった農地などがあれば、きちんと使われるように指導を行っ
ています。
また、農地を借りて農業をやりたいという人がいれば、農地の紹介を行うなど、農地の
貸し借りのお手伝いもしています。
この他、市民の皆さんに、農地を区分けして多くの人が利用する制度として「市民農園」
という制度があります。廿日市市でもこの制度による農地の利用が行われ、現在、市全体
で 462 区画が利用されています。このうち、30 区画が吉和地域に設けられています。
地域の農地を守っていくためには、個人個人の農地の貸し借りだけでなく、地域として、
将来、農地をどう活用していくかという視点も必要です。
このため、市では、地域の皆さんが話し合いを行い、地域の農業のあり方や農地をどの
ように活用していくかを考えていただけるよう、支援を行っているところです。
市としては、今後も農地が活用され、地域農業を守り続けられるよう、地域の皆さんと
一緒になって、農業振興に取り組んでいきたいと考えています。
また、農業振興だけでなく、過疎化全般への対策として、過疎地域自立促進計画を策定
し、活力のあるまちづくりのため産業や交通、福祉などいろいろな分野における対策を進
めているところです。例えば、生活交通をどうするか、そして地域情報基盤の整備をどう
するかなど目下取り組んでいるところです。また、西村さんが最後に言われた福祉施設の
運営は吉和地域の切実な願いとなっています。過去多くの生徒さんから提案され、診療所
の在り方と福祉をどのようにするのか、来年度には具体的な方向を示すよう地域とともに
検討していきます。
吉和地域の活性化のために、吉和地域活性化プログラムの立ち上げの準備をしています。
今後も、地域の皆さんとどのように吉和を活性化していくのかを考え、努力していきたい
と思います。
大野中学校
倉田 知哉(くらた・ともや)くん
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僕が市長になったら、廿日市市の特産物を全国に、そして世界にアピールしていきたい
と思います。
例えば、廿日市市にはカキやアサリ、もみじまんじゅうなどの特産品があります。これ
らをもっと有名にするために、ホームページなどのインターネットを活用したり、ポスタ
ーや新聞、雑誌などのメディアを使ったりすることで、廿日市市の特産品を発信していき
たいと思います。
今年、大野中学校の 3 年生は総合的な学習の時間に廿日市の PR ビデオを制作し、インタ
ーネットを活用し、全国に発信する計画があります。このような活動を、市役所と学校な
どが協力して行うことができたら、更に、廿日市の特産品の知名度が上がり、全国から注
文を受けることができ、廿日市市の産業が活性化し、産業が潤うと考えます。
僕が市長になったら、リーダー性を発揮して、廿日市の産業の活性化を推進していきた
いと思います。
(市長)
倉田くんの言われるとおり、廿日市市は、優れた品質の「カキ」や「アサリ」、宮島観光
の代表的なお土産である「もみじまんじゅう」のほか、最近では世界的ブームとなってい
る「けん玉」を代表とする木工製品など、さまざまな特産品があるまちです。
これらの特産品を市外へとアピールすることは、廿日市市の産業活性化の一つの方法と
して、とてもいい考えだと思います。
市には、市内の催しやイベントなどの情報をタイムリーに広く発信する手段として、ホ
ームページおよび「廿日市市」と「宮島観光」の二つのフェイスブックを活用しています
が、これらには、市の特産品をまとめて紹介するページなどはありません。
特産品の多くは、生産から販売まで多くの人が携わるとともに、商工会議所や商工会な
どの多くの団体も関係しています。倉田くんの意見を参考にこうした団体とも連携しなが
ら、まずは、廿日市の特産品を知ってもらうためのコーナーをホームページに作ることを
検討したいと思います。
さて、大野中学校では、総合的な学習の時間に廿日市の PR ビデオを制作される計画があ
るようですね。インターネットを活用し、そのビデオを全国に発信するということは、と
ても興味深い試みです。市としても、フェイスブックでの発信など協力できることはある
と思います。
これからも、廿日市の魅力を広く発信し、産業の活性化を推進するなど、さまざまなま
ちづくりのアイデアを仲間同士で話し合ってください。そして、いろいろな提案をしてほ
しいと思います。私たちの住む廿日市をよりよいまちにするため、ともに頑張っていきま
しょう。
大野東中学校
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香田 丘太(こうだ・きゅうた)くん
僕が市長だったら、食育を進めます。食は健康の基本です。小学生・中学生が給食を残
さず食べるようになるための取り組みを進めたいです。まず、給食センターとの交流の機
会を増やし、栄養士の方や調理員の方との交流を深めていきたいと思います。
また、給食で使われる食材を生徒の手で作る取り組みをしてみたいと思います。自分た
ちの作ったものを自分たちで食べることで、地産地消を身近に感じることもできますし、
自分たちの作ったものなのでおいしく感じることもできると思います。そういったことが
給食や日頃の食事へ関心を向けることへつながります。
また、給食センターとの交流を深めることで食べる側が安心して食べられる、そんな環
境をつくることができるのではないかと思います。最近食の安全が脅かされることが起こ
っています。今まさに、安全な食づくりが求められていると思います。僕は中学生に向け
た食育活動を通して、一生食べ物を大切にできる人のいる、そんな廿日市市をつくってみ
たいです。
(市長)
食べることは人間が生きていく上での基本的な営みの 1 つであり、健康な生活を送るた
めには、健全な食生活は欠かせないものです。
しかし近年、食生活を取り巻く社会環境の変化などに伴い、朝食を取らなかったり、好
きなものだけ食べたりするなど、食生活の乱れが問題となっています。
このように、子ども達の食生活が乱れていることは、食への関心が低いことが背景にあ
り、そのことが、簡単に食べ物を残すことなど、食べ物を粗末にすることにつながってい
ると考えられます。
香田くんのアイデアは、食への関心を高める上でとても良いアイデアだと思います。
給食にかかわる栄養士や調理員の皆さんの工夫や努力を知ることで、食への関心を高める
とともに、食に対する感謝の気持ちも育てることにつながるといえます。
それから、廿日市市には、小学校 4 校に給食の献立に携わり、食育の専門家である栄養教
諭という先生が勤務しており、要請があれば他の学校に行って授業を行ったり、交流した
りすることができます。
この栄養教諭の先生は、昨年度の 2 名から今年度は 4 名に増え、今まで以上に多くの学
校で交流できるようになっています。
また、給食で使う食材を自分たちで作るというアイデアには、特に感心したところです。
自分たちが育てた食材が給食に使われることで、同じおかずでも、そのおかずに対する
関心は全く違うものとなり、嫌いな食べ物でも簡単に残す気持ちにはならなくなることで
しょう。
給食の食材は、一定の量を確保する必要があり、また、衛生面での管理も十分行わなけ
ればならないため、自分たちで作った食材を給食で使うことは難しい面がありますが、調
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理実習などで使うことは可能です。
香田くんのアイデアは、給食を通して自然の恵みや食材、作ってくれている方々への感
謝の気持ちを今まで以上に育み、望ましい食習慣を身に付けることにつながります。
宮島中学校
櫛田 博子(くしだ・ひろこ)さん
私は宮島に来島された方が安心して過ごせる休憩場所、トイレなどの公共施設を増やし
たいです。
私は幼いころから宮島に住んでいます。宮島にはトイレが少ないため、たくさんの観光
客の方からトイレの場所を聞かれることがあります。また、あまり清潔ではないので新し
く使いやすいものを設置したいと思います。先日宮島の各地にトイレに行くことを目的の
一つとして観光している人にお話を聞きました。宮島のトイレは手洗い場に石鹸がなく、
桟橋以外は和式のトイレがほとんどです。外国人の方も多く来られるので洋式のトイレを
増やしたいです。また、大鳥居の近くにあるトイレは雨の日になると土があがってしまい
ます。また、利用者のマナーをよくするためトイレの扉に出る前のチェックを張るなどし
てはどうでしょうか。
休憩場所は宮島の伝統的な町並みの景観を壊さないようなデザインにし、休憩場所にご
み箱を設置して宮島の環境を考える工夫をしてはどうでしょうか。
また、リピーターを増やすために宮島を楽しむプランを設置します。例えば、2 年後の 8
月 11 日が山の日となるので、
「弥山に登ろう」という企画をスタンプラリーをしながら自
然に触れ、山登りを楽しむことができたらと思います。課題を全部クリアした人にはちょ
っとした宮島商店街で使える商品券をプレゼントして島内でお買い物をしてもらえればと
考えています。
この企画の日が 8 月 11 日と猛暑日になる可能性もあるので、ガイドさんにはこまめな水
分補給を呼びかけてもらいます。また、ガイドさんに弥山のことなど宮島のことについて
ガイドしてもらえればいいと思います。
(市長)
ごみ箱の設置などは課題だと捉えています。宮島島内の公衆トイレは、広島県と廿日市
市が設置しているものが 16 カ所あります。
中には老朽化しているものもありますので、改修する必要があるものを順次整備していき
たいと考えています。それらの整備に合わせて、敷地に余裕があるところは、休憩場所の
確保も検討したいと考えています。
また、宮島島内のゴミ箱は、宮島桟橋ターミナルにだけ設置し、そこまでは持ち帰って
もらうことにしています。宮島島内の各所にゴミ箱を置いた場合、鹿が餌を求めて散らか
したり、指定しているゴミ以外のものを捨てられたり、また、過去には火を付けられたこ
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ともあるため、直接管理ができる場所にだけ設置するようにしています。
また、今回、櫛田さんが提案してくれた、「お薦めウオークラリー」などのチラシの設
置は、初めて宮島を訪れる観光客に楽しんでもらえるアイデアだと思います。そして、ス
タンプラリーをしながら弥山に登ろうという企画は、普段気付くことがない弥山の魅力を
発見できるとてもよい機会だと思います。
ちょうど今、広島市や JR 西日本などと協力し、外国人観光客を対象にしたスタンプラ
リーを実施しています。これは、人気アニメ「名探偵コナン」を題材にしたもので、観光
客が広島市内や宮島島内のいくつかの場所を周り、そこに示されたヒントをもとに犯人を
推理し、見事犯人を当てた人には、特産品などのプレゼントを差し上げるというものです。
このように、市では現在も様々な取り組みを行っているところであり、今回の提案も、
今後の取り組みの参考にさせていただこうと思います。
宮島には先人が遺してくれたすばらしい財産があり、そこに住む皆さんが、それを学び、
伝えていくことは、とても大切で素晴らしいことです。今後も、宮島に住んでいる皆さん
が、訪れる人と交流し、一人一人が温かいおもてなしを行っていただくことを期待してい
ます。
話は変わりますが、何カ月か前に福岡から観光で宮島を訪れた人が、大聖院の場所を宮
島小学校の児童に尋ねたそうです。児童は、場所を知ってはいるけれど案内はうまくでき
ないようで、消防署に行って案内をしてもらってくださいと言ったそうです。そして、き
ちんと目的の場所まで行けたか、その児童が見ていたそうです。それに感心をしたその方
からお手紙をいただき、私も非常にうれしく思っているところです。
山陽女学園中等部
高木 天音(たかぎ・あまね)さん
私は廿日市市を海外の方たちと交流できる日本一の観光都市、また国際都市にしたいと
思います。
廿日市市には世界遺産となっている宮島の厳島神社があります。外国の方たちに大人気
です。そこで、Wi-Fi(ワイファイ)を廿日市市ならどこでもいつでも使えるようにする
と、海外の人にとって便利だと思います。海外の人向けのホームページや情報紙も充実さ
せます。
また、海外のパンフレットにたくさん広報し、観光客を増やし、日本一の国際観光都市
にします。さらに、海外の人との交流の場を作り、いつでも日本人との会話を楽しめるカ
フェなどを建設していきたいです。会話だけでなく、文化や音楽、スポーツの交流がいつ
でもできる場を作り、海外の人だけでなく、海外の人たちと交流したい日本人も呼びこみ
ます。そんな廿日市市でホームステイを積極的にする制度も作り、日本一の国際観光都市
に向けて、発信していく市長になります。
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(市長)
国が2011年度に外国人観光客を対象として行ったアンケート調査によると、日本を旅行
中に困ったことのトップとして、
「無料公衆無線LAN(ラン)」いわゆる「Wi-Fi(ワイフ
ァイ)環境の未整備」があがっており、高木さんが事前にしっかりと調査をされたものと
感心しています。
年間10万人以上の外国人観光客が訪れる宮島では、その早期整備が特に望まれていると
ころであり、そのため、市では、現在情報収集を行い、どこに、どのような方法で設置す
ることが、外国人観光客にとってより便利になるのかなど、効果のある整備の仕方を検討
しているところです。
また、高木さんがご提案のとおり、宮島を紹介するホームページは、英語やフランス語
など現在6カ国語に、観光パンフレットは7カ国語に対応し、外国人観光客が情報収集しや
すい環境づくりに取り組むとともに、国や県などと連携して、パンフレットやDVDを海外
に送付するなど、機会を捉えて広報を行っているところです。
海外の人が気軽に立ち寄り集うことのできる場を用意し、日本人との交流も図れるよう
検討していきたいと思います。
観光客と交流を行うこと自体は素晴らしいことであり、観光客の心にも深く思い出とし
て残るものと思います。まずは、高木さんご自身が、自ら彼らと交流してみてはいかがで
しょうか。写真撮影のお手伝いや、身振り手振りでの道案内など、積極的に交流してみて
ください。そのことが、外国人観光客の満足度をきっと高めてくれることと思います。
観光による交流のほか、毎年6月に市で行なわれている「はつかいち縦断みやじま国際パ
ワートライアスロン大会」や、先日初めて国際大会として行なわれた「けん玉ワールドカ
ップ廿日市2014」へは、海外からも日本国内からも多くの人が集まり、交流が広がってい
ます。引き続きこのような取り組みの支援を行っていきたいと考えています。
また、広く国際交流に関する理解と関心を高めることを目的に設立された廿日市市国際
交流協会でも、「いろいろな国の人と話そう」と題した国際理解講座等が開催され、韓国・
インド・ハンガリー・デンマークなど今までに10カ国以上の海外の人との交流の場を提供し
ています。
ホームステイのご提案も、廿日市市国際交流協会の主催事業「はつかいち平和ツアーin
広島」で留学生がホームステイをしながら平和記念式典参列や被爆体験を聴くなど平和を
考える取り組みや、姉妹都市ニュージーランドマスタートンの高校生のホームステイ受け
入れを行なっており、交流が深まっています。
これらの取り組みが発展していくように、市としても支援を継続していきたいと考えて
いますので、皆さんも機会があれば参加し、国際都市へのお手伝いをお願いしたいと考え
ています。
フリートーク
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(広報統計課長)
日頃、疑問に思っていることや尋ねてみたいことあれば、せっかくの機会ですので、挙
手をしていただいて、お聞かせいただければと思います。皆さんが出されたご意見に関し
てでも、もっと聞いてみたいことなどがあれば、お願いします。
(市長)
なかなか質問というと難しいところがあるかもしれません。ここにいる堀野副市長は行
政分野を原田副市長は建設分野を中心に担当しています。また、教育長は教育全般に渡り、
総括しています。予算などに関してはここにいる大島分権政策部長が総括しています。
廿日市は 800 億円近い予算を組んでいます。皆さんの先ほどの提案に関係するようなも
のでも結構なので質問などがあればお願いします。
(広報統計課長)
廿日市中学校長谷川渓悟くん、何かありますか。
廿日市中学校
長谷川渓悟(はせがわ・けいご)
私たちの仲間に車いすに乗っている仲間がいます。彼が私たちとともに生活しやすいよ
う校内にエレベーターが設置され、スロープで段差を少しでも解消するための工夫がされ
ています。移動しやすい状況を作ることで、自分で行動できる範囲が広がったり、みんな
とともに過ごす時間が多くなったりすると思います。
彼に車いすに乗っていて廿日市市内で困ったことや改善してほしいことを聞きました。
その中には横断歩道を渡るときの問題点や通れない道があることJRでは段差がありあがり
にくいことなど、困っていることがあると聞きました。普段私たちが生活しているこのま
ちの中にも友達にとってはたくさんの困ったことがあると分かりました。すべての人たち
が快適な生活を送るには、このようなたくさんの障害物をなくし、市全体をバリアフリー
化すればいいと思います。
(原田副市長)
私もその通りだと思っています。重点地域を区域指定して整備を行っていて、廿日市駅
に関して言えば、現在駅の北側からも乗り入れができるよう駅舎の工事をしていて平成27
年度末には完成予定です。その中でバリアフリー化を進めています。また、道路関係でい
えば、宮島街道(市役所前から廿日市高校まで)を整備し、がたがたの歩道であったもの
を段差の解消であったり、道路と歩道をできるだけ同じ高さにしたりしていますが、非常
に多くの時間が必要です。また、市民センターもバリアフリーになっていないところが多
いので、順次改善をしているところです。
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ただ1点話をさせてもらうと、重点地域でも大きい建物は法律によってバリアフリー化
が義務化されていますが、小さな店舗などはそういった規制はありません。しかし、それ
はやはりどこでも利用する施設がバリアフリーになっていかないといけないと思います。
みんながそういった思いを持って小さなお店であっても入りやすいようにしてもらうため
に、市としても啓発活動を含めてやっていく必要があるのではと考えています。
(広報統計課長)
そのほかに何か質問などはありますか。ないようでしたら、市長から中学生の皆さんに
何か聞いてみたいことはありませんか。
(市長)
今回は皆さんが市長になったらということで、提案をいろいろといただきました。ぜひ
廿日市を素晴らしいまちにするように市長を目指して頑張ってくれる人がいれば、いいな
と思っています。皆さんは実際にどういう社会人になりたいと思っているのか、一言ずつ
聞かせてもらってもいいですか。
廿日市中学校
長谷川 渓悟(はせがわ・けいご)くん
僕の夢はテレビの前に出てみんなを笑顔にするような人になりたいです。今は、みんな
の前に立って行動する生徒会長の仕事をきちんとやっていきたいと思っています。
七尾中学校
松永 栞(まつなが・しおり)さん
私は将来医療関係の職に就いて、人のためになることをしたいです。
阿品台中学校
榎
新星(えのき・しんせい)くん
僕は将来の夢は決まっていませんが、誰かに何かを与えられる職業に就きたいです。
野坂中学校
梅野 飛羽(うめの・とわ)くん
僕は将来建築系の仕事に就きたいと思っています。何かを作ることが好きなのでそうい
った職業に就ければと思っています。
四季が丘中学校
小滝 誉之春(おだき・よしはる)くん
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僕は将来人を助ける警察官になりたいです。
佐伯中学校
栗田 亘(くりた・わたる)くん
僕は将来の夢は決まっていませんが、日本と世界の懸け橋となれるような人になりたい
と思っています。
吉和中学校
西村 佳純(にしむら・かすみ)さん
私の将来の夢は歌手になることです。また、みんなを笑顔にできるよう積極的にボラン
ティア活動に取り組める人になりたいです。
大野中学校
倉田 知哉(くらた・さとや)くん
将来の夢はまだ決まっていませんが、周りの人を助けられるような人になりたいです。
大野東中学校
香田 丘太(こうだ・きゅうた)くん
今は農業関係の仕事に就きたいと思っています。もし、農業関係の仕事に就いたら、自
分の作ったものを多くの人に、おいしく食べてほしいと思います。
宮島中学校
櫛田 博子(くしだ・ひろこ)さん
私の将来の夢は、今のところイラストレーターですが、音楽の道もいいかなと思ってい
ます。自分の仕事で周りの人に元気を届けられるようになりたいと思います。
山陽女学園
高木 天音(たかぎ・あまね)さん
私の将来の夢は獣医になりたいです。山陽女学園は「未来に輝く女性を作る」という言
葉があります。まず、周りを見ることができる女性になりたいと思います。
市側出席者まとめ
(副市長)
副市長の堀野です。今日は皆さんの立派な発表を聞かせてもらいました。市役所の仕事
は大変なことも多いですが、市民の皆さんの笑顔を楽しみにする仕事です。これから高校、
大学へと進みいろいろな仕事に就くときには市役所のことも頭に置いておいてほしいです。
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今日はちょうど職員の二次試験が行われています。試験を受けている人には頑張ってほし
いです。
市長室の反対側に原田副市長と私がいる副市長室があります。2年前から別々だったとこ
ろを同じ部屋に入るようにしました。そうすることで、建設関係のことも聞きたいという
ときに、一度にみんなと話すことができています。そのようにこうすれば市民に喜んでも
らえるんじゃないかということをいろいろと話し合っています。宮島観光のことでは、例
えば今工事をしている宮島のターミナルのことなどは原田副市長に話に加わってもらうな
ど、総合的に話を進めています。
皆さんも視野を広げてこのまちの未来を考えていってほしいと思います。
(教育長)
教育長の奥です。皆さんのこれからの夢を語っていただき、とても楽しみだなと感じま
した。確かな目標や夢は、これからも強く持ち続けてほしいと思います。それはいつか必
ず実を結ぶことでしょう。
皆さんの話の中で、「地域に貢献をしたい」「世界との懸け橋になりたい」など自分と
して何か貢献できる人になりたいなど、そういった志は非常に大事なことだと感じました。
提案をいただいた中で私としても胸が痛いところがいくつかありました。それは例えば
「タブレット端末を広く導入すること」や「施設の充実」などなかなか実現できていない
ところもあります。施設設備でいえば、皆さんもご承じのように学校の耐震化を重点的に
進めています。平成27年度までには市内の学校の耐震化が完了するような取り組みを進め
ています。その間いろいろと工事のことで皆さんにも不便を掛けるようなことがあるかと
思いますが、その点はご容赦いただきたいと思います。それ以降はいろいろな設備の充実
に向けて取り組んでいきたいと思っています。
最後に廿日市で学ぶ皆さんが、これからの廿日市を支えていくような人材になっていく
ことをお願いします。
(分権政策部長)
分権政策部長の大島です。今日本全国高齢化が進み人口が減少していくなかで、いかに
廿日市のまちづくりを進めていくかということで、総合計画というものを今年から計画し
ています。そうした中で10年、20年先の将来の廿日市のかたちはどういったものがいいの
か、いろいろと考えているところです。高齢化と言われていますが、若い人の意見や力を
借りてまちづくりを進めていきたいと思います。総合計画も途中の段階で市民の皆さんに
情報提供していきますので、積極的な意見をお待ちしています。
(広報統計課長)
それでは時間になりましたので、市長にまとめをお願いします
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市長まとめ
(市長)
ふれあいトークに参加していただき、ありがとうございました。また、先生方もお
忙しいところ、生徒の皆さんを引率していただき、ありがとうございました。
学校での取り組みや地域の方々との触れ合いを通して感じたり、気付いたりしたま
ちづくりへの提案を、皆さんから聞かせていただき、その純粋な思いを感じています。
本日、皆さんとお話したように、これから先も廿日市のことを一緒に考えていくこ
とができれば、すばらしいと思います
今日は、貴重な意見をいただきまして、ありがとうございました。
廿日市は日本の縮図、広島県の縮図です。皆さんとともにまちづくりを考えていけ
れば、廿日市だけでなく日本の未来にもつながっていくと思います。
皆さん、廿日市市に愛着と誇りを持って、大きく成長してほしいと思います。
どうか、健康に気をつけて、これからも、勉強やスポーツなどをがんばってくださ
い。
(広報統計課長)
これで、中学生と市長のふれあいトークを終わります。ありがとうございました。
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