News Letter

News Letter
Japanese Association of Veterinary Anatomists
Number 31
日本獣医解剖学会報
<巻頭挨拶>
March 20th, 2008
合わせた偽物であることがわかりました。タチの悪いことに、このサルの下顎骨
幻想のピルトダウン人
は古く見えるように重金属塩などで処理され、臼歯の表面はヤスリで削り取ら
会長 谷口和之(岩手大学)
れ、オトガイは意図的に欠損させられていました。こうなると、ピルトダウン人はミ
獣医解剖学会会員各位におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上
ッシング・リンクとしてあまりに有名だったため、ピルトダウン人事件は考古学上
げます。さて今回は少し随想めいたものを書かせていただきます。実は、考古
の世紀の大スキャンダルとなり、その犯人探しが始まりました。
学史上世紀のスキャンダルといわれたピルトダウン人事件の犯人が明らかにな
この場合、ピルトダウン人は偽物だとしても、本物の化石に見せかけるために
って今年で丁度10年になります。ピルトダウン人の問題には進化学的、あるい
サルの下顎骨を重金属塩で処理したり、臼歯の水平磨耗はヒトの特徴なので
は比較解剖学的に興味深い事柄がいくつか含まれていますが、あまりご存じ
臼歯表面をヤスリで削ったりと、細工にかなり手が込んでいました。また、サル
でない方もおられると思いますのでここでその概要を述べ、解剖学の研究と関
の下顎骨ではオトガイにヒトとの相違が強く現れるので、そこをわざわざ欠損さ
連付けて考えてみたいと思います。
せたりしたことを考え合わせると、犯人は少なからぬ比較解剖学的知識を持っ
ダーウィンが 1859年に「種の起原」を刊行したことは生物学の歴史上、特筆す
た人物であることが窺われました。そこでおおかたの疑いはドーソンに集中しま
べき大事件でしたが、やがてこれに歩調を合わせるように、古生物学的に重要
したが、その疑惑を裏付ける証拠はなく、その犯人探しには長い間結論が出ま
な化石の発見が相次ぎました。そうすると、人類の祖先やその進化の道筋に
せんでした。ドーソンの最初の発掘には、フランスの有名な神学者兼哲学者で
ついて世間の強い関心が集まるようになり、古生物学に大きな期待が寄せら
あるとともに古生物学者でもあったテイヤール・ド・シャルダンも同行したため、
れました。すなわち、人類はサルのような動物から進化してきたのであるし、サ
一時は彼すらもその犯人と疑われましたが、このことがピルトダウン人事件の深
ルに近い人類の祖先と思われる化石や、現在の人類に極めて近い動物の化
刻さを物語っています。しかし1998年になり、この犯人はピルトダウンの博物
石も見つかっているから、人類進化の道筋を化石の面からも系統的に証明し
館員であることが判明し、世紀のスキャンダルはようやくその幕を閉じました。ま
てほしいという期待です。さらに、サルに近い人類の祖先と、現在の人類に近
た同時にこの事件におけるドーソンの無罪も明らかになりました。ピルトダウン
い祖先との中間に位置するべき動物はミッシング・リンクと名付けられ、この動
人の幻想を信じたままこの世を去ることの出来たドーソンは幸せな人でした。
物はあるいはまだ地球上に生存しているかもしれない、という希望を込めて、
熱烈な探索の対象になりました。20 世紀初頭における生物学上の問題で、こ
以上がピルトダウン人事件の概要ですが、ここでこの事件におけるいくつかの
れほど世間の注目を集めた話題はなかったでしょう。
事柄について考えてみようと思います。まずヒトがサルから分かれる時には、身
折しも、1912年にイギリスのドーソンという素人古生物学者が、イギリス/サセッ
体の特徴にどのような変化が見られるのかということですが、現在最も古い化
クス州のピルトダウンという田舎町でこのミッシング・リンクを発見した、と発表し
石人類として知られているオーストラロピテクスの頭蓋腔の容量は、サル並の
ました。この発表は、当時の世間の期待に応えるものであったために大反響を
300〜700ml しかありません。このことは、ヒトは頭蓋が発達することによってサル
よび、発見された化石人類は、その発見された地名からピルトダウン人と名付
から分かれて進化した、という仮定が誤っていることを示しています。すなわち、
けられました。この化石を調べると、頭蓋腔の容積は約 1400mlと現代人並の大
ヒトとサルとの相違は身体構造上ではヒトの直立二足歩行に関連して現れるこ
きさでしたが、下顎骨はがっしりしていて、サルの特徴が強く出ていました。しか
とが現在では明らかになっています。
し臼歯の表面は水平にすり減っており、これは人類の特徴でしたが、残念なが
その特徴としてはいろいろとありますが、頭蓋における大(後頭)孔の位置、骨
ら、下顎骨先端のオトガイは欠けていて見つかりませんでした。しかし、完全な
盤の形態と構造などが挙げられます。またピルトダウン人事件で問題となった
形の化石が見つかることの方が珍しいのは古生物学上の常識ですし、また当
オトガイですが、真のオトガイがあるのはヒトだけです。オトガイは、ヒトで歯が退
時、ヒトはまず頭蓋が発達することによってサルから分かれたと考えられていた
化して下顎骨全体が萎縮する際に、下顎骨の先端部の退化が遅れたことによ
ため、このピルトダウン人はミッシング・リンクを埋めるものと広く認められるに至
って形成されたものです。歯の退化はおそらく人類が火の使用を覚えたため、
りました。その後、ピルトダウン人は生物学の教科書にも記載され、ドーソンは
硬い食物を噛み砕く必要性が減少したために起こったことです。従って、ゴリラ
有名人としてあちらこちらで講演に招かれ、栄光に包まれてこの世を去りまし
やチンパンジーのような類人猿にもオトガイは形成されておりませんし、またか
た。
なり進化した化石人類であるネアンデルタール人でもオトガイの形成は極めて
さて、ドーソンの死後も古生物学上の発見は続きましたが、そうすると、これま
不十分です。まして家畜には、オトガイは全く認められません。このオトガイは
で考えられてきたような、ヒトは頭蓋が発達することによってサルから分かれて
歯の退化が著しければそれだけ顕著に現れますので、現代人でも歯の大きい
進化した、という前提は間違っているのではないか、という疑問が生じてきまし
黒色人種ではあまり前方に突出せず、歯の小さな白色人種ではオトガイが顕
た。そうなればミッシング・リンクとしてのピルトダウン人に疑いの目が向けられる
著に前方に突出しています。
のは当然です。しかし時代は第二次世界大戦へと突入したため、ピルトダウン
以上のことを考えると、ピルトダウン事件成立の鍵は当時の進化学的常識に
人を含めた様々な学問上の問題は、全て棚上げとなりました。
あったことが明らかです。ヒトは大脳が大きくなり、知能が発達することによりサ
その後、世界大戦も終わり、ようやく社会が落ち着きを取り戻した 1955 年に、
ルから進化したという仮説は、最初に誰が唱えたのか知りませんが、当時の常
イギリスのワイナーという人が、以前から疑惑を持たれていたピルトダウン人の
識であったために、当時一流の多数の考古学者が一介の博物館員の設けた
化石を、当時の最新の分析技術を用いて詳細に調べました。その結果、この
罠にむざむざと嵌ってしまったわけです。これは誤った仮説に基づいて思考
化石は下顎骨を除いたかなり古いヒトの頭蓋と現代のサルの下顎骨とを組み
することがどれだけ怖いことかを如実に物語っています。例えば DNA から
1
RNA が作られ、RNA から蛋白が作られるというセントラル・ドグマにしても、逆転
3月28日(金) 第2会場 13:00〜16:00
写酵素の発見によりもろくも崩れ去ったことはいまだに記憶に新しいことです。
「牛海綿状脳症(BSE)の感染経路:回腸から中枢神経へ」
私たちが解剖学の研究を行うに際しても、ピルトダウン人事件の教訓は常に念
座長: 阿閉泰郎(岐阜大学応用生物科学部獣医解剖学分野)、
頭に置かねばならないことだと思います。
北村延夫(帯広畜産大学獣医解剖学分野)
AS-1 動物の伝達性海綿状脳症の病理
(平成20年2月27日記)
岡田洋之 (動物衛生研究所 プリオン病研究センター)
AS-2 ウシ回腸での物質の取り込み機構
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石黒直隆 (岐阜大学 応用生物科学部 獣医学課程)
寄稿(留学終了者から)
「南の島で感じたことを」
AS-3 牛の消化管神経系と正常プリオン蛋白質の分布
北村延夫 (帯広畜産大学 獣医解剖学教室)
酪農学園大学獣医解剖学教室
AS-4 牛と羊における小腸の自律神経支配機構:異常プリオン蛋白質輸送経路
保坂 善真
獣医解剖学会会員の皆さま、長らくご無沙汰しておりました。私こと 2006年 10
の解明
大森保成 (名古屋大学大学院 生命農学研究科 動物形態情報学研究分野)
月から2007年9月までの間、シンガポール国立分子細胞生物学研究所のビク
ター=ナーコム博士の研究室に留学しておりました。
獣医解剖学会 サテライトフォーラム
留学先が赤道直下のシンガポールというのは意外に感じられる向きもありまし
ょうが、実はこの国、世界のバイオメディカル産業の中核を目指しており、政府
3月28日(金) 第2会場 16:00~18:00
の肝いりで生命科学系の研究拠点が国内随所に着々と築かれています。研
「フェロモンと鋤鼻器の生物学」
究予算はもちろん、研究機器や設備や研究アシスタントの配置など、ハード・ソ
座長:齋藤正一郎(岐阜大学応用生物科学部獣医学講座・獣医解剖学分野)
フト両面で政府の加護が極めて厚く、この国の生き残りをかけた意気込みを感
ASF-1 昆虫フェロモンの生物学
本 賢一 (理化学研究所 松本分子昆虫学研究室)
じます。ちなみに、シンガポールでの日本人の研究者数は決して多くはないの
ASF-2 哺乳類の鋤鼻系とその存在意義
ですが、約 30人が研究拠点を持っています。
横須賀 誠 (日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学科)
さて、私がお世話になったオーストラリア人のナーコム博士はプロテオグリカン
の一種であるヘパラン硫酸の抽出法を確立し、神経幹細胞の分化過程の主
要因子であることを 1990 年代半ばに発見した方で、現在でも生物の発生過程
「昆虫フェロモンの生物学」
でのヘパラン硫酸の機能解析を精力的に進めています。私はこのヘパラン硫
独立行政法人理化学研究所 松本分子昆虫学研究室
酸とリン酸三カルシウムの骨組織での相互作用を解析するプロジェクトをアメリ
本 賢一
カ人のポスドクと組んで担当させてもらいました。このプロジェクトで用いた 100
フェロモンはこれまでに様々な生物から見出されているが、特に昆虫ではフェ
頭近いウサギの骨の手術は私が獣医師であるという単純な理由で、そしてこれ
ロモンを媒体としたコミュニケーションが非常に発達しており、ガ類の性フェロモ
ら動物から取り出した骨は切片を作成して染色を施し治癒レベルを評価しまし
ンや、アリの道しるべフェロモン、ゴキブリの集合フェロモン、アブラムシの警報
たが、この仕事も解剖学を専攻してきたというこれまた単純な理由で任せられ
フェロモンなど、意思疎通の手段として目的に応じた様々なフェロモンが利用
ました。こんな所にオーストラリア人の大らかさを感じます。その一方でナーコム
されている。これは昆虫が地球上最大の生物集団として、一定空間内に様々
博士には、慣れない環境にとまどう私を敏く感じとっていただき、何度も救って
な種がひしめく環境下で、同種他個体と効率よくコミュニケーションをとるため
もらいました。
に発達させてきた独自の生存戦略であると考えられる。このような特異的かつ
期間中は多くの時間を、動物の手術や骨切片標本の作成とその結果の解析
強力な生理活性物質であるフェロモンの実体解明は、学問的興味とも相まっ
に費やし、正直いって骨が折れました。ただし、日々ダイナミックに変化する実
て、これまでに多くの科学者が研究対象としてきたが、その中でもガ類の性フ
験結果に一喜一憂した心情や、日々深まっていくプロジェクトメンバー同士の
ェロモンはこの分野で最も歴史が古く、また主要な農業害虫がガ類昆虫であり、
団結力は、日本にいては決して経験できなかったことだと思います。シンガポ
害虫防除への応用も期待されていたことから、すでに 570 種もの性フェロモン
ールには四季がなく天気は晴れか土砂降りの 2 種類しかありませんでしたが、
が同定されている。また、ガ類は低分子脂質をフェロモン成分としているが、そ
南国という土地柄もあってか研究所の中は常に陽気と笑いに満ちていました。
のほとんどが複数のフェロモン成分をブレンドし、その成分比を厳密に規定す
これからの発展が著しい東南アジアで一年間の留学生活を送れたこと、そして
ることにより、15 万種以上のガ類に対応した種特異的なフェロモンを作り出して
何より多くの同年代の研究者と知り合えたことが、私にとって大きな収穫です。
いると考えられている。一方、ガ類の性フェロモン産生に関与する機能分子の
この経験を今後の研究・教育にいかしていきたいと考えております。
多くは未解明であるため、ガ類性フェロモンがどのような分子基盤に立ち、どの
しばらく留守にしておりまし
ような調節機構を介してフェロモンを産生・放出しているのかという基本的な問
た獣医解剖学会へは 2008
題は明確に理解されていない。そこで、ガ類昆虫のモデル生物であるカイコガ
年秋の大会から再び参加さ
(Bombyx mori)を実験材料として性フェロモン産生に関わる遺伝子の解析を試
せていただきます。皆さま、
みた。
カイコガの性フェロモンブレンドはボンビコール((E, Z)-10,12-hexadecadienol)以
今後ともご指導ご鞭撻のほど
よろしくお願いいたします。
外に、その異性体((E, E)-10,12-hexadecadienol)がマイナー成分として含まれてい
一年間ともにすごしたプ
るが、いずれもパルミトイル-CoA を基質とし、∆11 および ∆10,12 からなる連続し
ロジェクトメンバーらと
た2段階の不飽和化の後、さらにアシル基が還元されることにより生成されるこ
(右から 2人目が筆者)
とがすでに明らかになっていた。そこで、特にこれらの3段階の反応に関わる
性フェロモン生合成酵素遺伝子に焦点を当て、カイコガフェロモン腺から得た
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◇第145回日本獣医学会学術集会案内◇
〓日本獣医解剖学会のプログラム〓
獣医解剖学会 シンポジウム
cDNA クローンについて機能解析を行った。その結果、フェロモン腺でのみ組
織特異的に発現する脂肪酸不飽和化酵素 Desat1が ∆11および ∆10,12の両不
飽和化活性を有する極めてユニークな脂肪酸不飽和化酵素であること、そし
2
てブレンド成分の前駆体の比率を決定する役割があることがわかった。また、
○高橋 裕 1) , 藤野 健 2) , 松村秋芳 1) (1) 防衛医科大学校生物学科,
2)
長鎖アシル化合物を基質とするアシル基還元酵素遺伝子は従来動物では知
人総合研究所 実験動物施設)
られていなかったが、フェロモン腺で組織特異的に発現する還元酵素 pgFAR
AP-3 アウトブレッドの下顎骨
に注目して機能解析を行った結果、この酵素が特定の長鎖アシル化合物を
○田中 愼 1) , 溝呂木敏弘 1) , 西島和俊 2) , 大野民生 3) (1) 国立長寿医療センター
基質とすること、そしてボンビコール前駆体に対しては特に高い基質特異性を
加齢動物育成室, 2) 佐賀大学総合分析実験センター, 3) 名古屋大学大学院医
有することがわかった。以上の結果から、ガ類の性フェロモンブレンドの成分比
学研究科)
東京都老
決定において、性フェロモン生合成酵素が重要な役割を果たしていることが明
AP-4 動物の大きさに応じた骨格標本作製法の検討
らかとなった。
○鎌田直樹, 青山真人, 杉田昭栄 (宇都宮大学農学部 動物機能形態)
AP-5 CT画像解析によるゼニガタアザラシ(Phoca vitulina)前肢の機能形態学的
「哺乳類の鋤鼻系とその存在意義」
研究
日本獣医生命科学大学・比較動物医学
○齋藤幸子 1) , 佐々木基樹 1) , 山田一孝 2) , 飯山主明 1) , 岡地 潔 1) , 早川大輔 1) ,
横須賀 誠
北村延夫 1) (1) 帯広畜産大学獣医学科 獣医解剖学教室,2) 帯広畜産大学獣医
陸上生活を行う多くの哺乳類は、鼻中隔の底部を形成している鋤骨 vomerの
学科 獣医臨床放射線学教室)
先端に“鋤鼻器”と呼ばれる構造物を有している。1811 年、デンマークの医師
AP-6 チンパンジー (Pan troglodytes) およびニホンザル (Macaca fuscata) 足骨格の
Jacobsonによって発見されたこの構造物は、発見者の名にちなんで“ヤコブソン
CT画像解析
器官”とも呼ばれている。発見当初、鋤鼻器は腺組織と考えられていた。しかし、
○佐々木基樹 1) , 遠藤秀紀 2) , 大石元治 3) , 山田一孝 4) , 北村延夫 1) (1) 帯広畜
1970 年代になって鋤鼻器と脳(副嗅球)が神経投射でつながっていることが確
産大学獣医学科獣医解剖学教室, 2) 京都大学霊長類研究所, 3) 麻布大学獣医
認され、さらに、生理学的に化学物質の受容に働いていることが確かめられた
学科解剖学第一研究室, 4)帯広畜産大学獣医学科獣医臨床放射線学教室)
(ちなみに、vomeronasal organ(鋤鼻器)という名前は、vomer(鋤骨)に囲まれた
AP-7 クジラの皮膚構造:真皮乳頭の形状、配列、微細血管構築について
nasal organ(嗅覚器)という意味から名付けられた)。そして、鋤鼻器→副嗅球→
○内田二依菜, 猪股智夫, 二宮博義 (麻布大学獣医学部獣医学科)
扁桃体内側核→視床下部とつながる神経回路(鋤鼻系あるいは鋤鼻神経系)
AP-8 カエルの味覚受容器の比較形態学
は、いわゆる嗅覚系(主臭覚系)とは独立した化学感覚系であることが明らかと
○谷口和美, 斉藤 隼, Pongsiwa Sotthibandhu, 吉岡一機, 武藤顕一郎 (北里大学
なった。その後、Powersと Winansがハムスターの嗅神経単独、鋤鼻神経単独、
獣医学部獣医学科)
嗅神経と鋤鼻神経両方の同時切断を行って性行動に関する影響を調べ、嗅
AP-9 Calcitonin Gene-Related Peptide-like Immunoreactivity in Taste Cells in the Feline
神経切断では性行動に影響は見られなかったのに対して、鋤鼻神経切断で
Taste Bud
は多くの雄で性行動が消失し、同時切断では全ての雄が性行動を示さないと
○Pongsiwa Sotthibandhu, 谷口和美, 吉岡一機, 武藤顕一郎 (北里大学獣医学部
いう研究結果を報告した。これらの研究を背景にして、哺乳類の鋤鼻器および
獣医学科)
鋤鼻系は“フェロモン”(特に性フェロモン)の受容とその情報処理を行う感覚受
AP-10 パイエル板濾胞被蓋上皮および腸絨毛の上皮細胞による常在細菌の
容器および脳神経回路と考えられるに至ったのである。
物理的排除機構に関する 免疫組織化学的観察
しかし近年、嗅覚系(主嗅覚系)を介して作用すると考えられるフェロモン効果
○稲元哲朗 1) , 難波真季子 2) , 横尾 諭 1) , 宮田英典 1) , 山本健吉 1) , 斉 旺梅 1) ,
や、嗅上皮における鋤鼻受容体(フェロモン関連受容体)の存在を示唆する研
横山俊史 2) , 星 信彦 2) , 河野潤一 2) , 北川 浩 2) (1) 神戸大学大学院 自然科学研
究が複数の動物で報告されてきており、“鋤鼻器=フェロモン受容の感覚器”
究科, 2) 神戸大学大学院 農学研究科)
あるいは“鋤鼻系=フェロモン情報の神経回路”という定義が必ずしも適当で
AP-11 鳥類の膵島内に観察される外分泌部介在導管に関する形態学的研究
はないとする考え方も出てきている。
○武藤顕一郎 1) , 吉岡一機 1) , 辻尾祐志 1) , 綿引芳恵 1) , 大野秀樹 1) , 大脇将夫
1)
それでは、哺乳類にとって鋤鼻器および鋤鼻系はどのような存在意義をもつ
, Pongsiwa Sotthibandhu 1) , Yue Zhanpeng 2) , 谷口和美 1) (1) 北里大学 獣医学部 獣
のであろうか?2007年8月にDulac のグループは、鋤鼻受容体の機能を失った
医学科, 2) 吉林大学 牧畜獣医学院)
マウスおよび鋤鼻器そのものを摘出されたマウスでは、交尾パートナーの識別
AP-12 イヌの分泌型炭酸脱水酵素(CA-VI)の鼻腔における組織局在と遺伝子
に重篤な障害を示すとする研究成果を Nature に発表した。我々も、ラットの鋤
発現
鼻器を摘出して個体識別への影響を調べたところ、少なくても雌雄判別に関し
○杉浦陽介 1) , 松浦裕介 1) , 市原伸恒 1) , 西田利穂 2) , 村上 賢 3) , 尼崎 肇 4) , 浅
ては大きな影響を及ぼさないとの結果を得ている。これらの実験結果は、鋤鼻
利昌男 1) (1) 麻布大学 解剖学第一研究室, 2) 麻布大学 生理学第一研究室, 3) 麻
器の役割は動物種によって必ずしも一定ではないことを示している。
布大学 分子生 物学研究室, 4) 日本獣医生命科学大学 獣医解剖学教室)
嗅覚研究の進展に伴って、哺乳類のフェロモンに関する知見も飛躍的に増え
AP-13 ウシの分泌型炭酸脱水酵素(CA-VI)の下部気道粘膜(喉頭、気管、肺)に
ているが、哺乳類における鋤鼻器および鋤鼻系の存在意義に対して一定の
おける組織局在と遺伝子発現
評価を与える段階には到達していない。本シンポジウムでは、我々が明らかに
○伊藤優子 1) , 金谷真澄 1) , 杉浦陽介 1) , 市原伸恒 1) , 西田利穂 2) , 村上 賢 3) , 尼
してきた齧歯類の鋤鼻系を構成するニューロン群の組織学的・生理的な特性
崎 肇 4) , 浅利昌男 1) (1) 麻布大学 解剖学第一研究室, 2) 麻布大学生理学第一
を中心にご紹介するとともに、鋤鼻器を摘出したラットを用いた行動学的な実
研究室, 3) 麻布大学分子生物学研究室, 4) 日本獣医生命科学大学獣医解剖学
験もご紹介する。これらをもとにして、哺乳類にとっての鋤鼻器および鋤鼻系の
教室)
存在意義について考察してみたい。
AP-14 SAMP1/Yitマウスにおける腸管外病変の発症機序に関する形態学的研
獣医解剖学会 ポスター
3月28日(金) 第9会場 10:00~16:30
究
AP-1 テナガザルの前腕部と手部の筋学的研究
肇 2) (1) 麻布大学 解剖学第一研究室, 2) 日本獣医生命科学大学 獣医解剖学教
○帖佐瑞希 1) , 市原伸恒 1) , 浅利昌男1) , 松本 敏 3) , 船橋英行 3) , 添田 聡 2) , 尼崎
○大石元治 1) , 遠藤秀紀 2) , 荻原直道 3) , 浅利昌男 1) (1) 麻布大学 解剖学第一研
2)
室, 3) ヤクルト中央研究所)
3)
AP-15 性腺摘出が自己免疫性糸球体腎炎の病態に与える影響について
究室, 京都大学霊長類研究所 形態進化分野, 京都大学 自然人類研究室)
AP-2 脛骨粗面内側に支配神経の異なる縫工筋、薄筋、半腱様筋が停止する
機能解剖学的意味
3
○市居 修 1) , 今野明弘 1) , 佐々木宣哉 2) , 橋本善春 1) , 昆 泰寛 1) (1) 北海道大学
AP-27 急性低酸素暴露による頚動脈小体におけるチロシン水酸化酵素の発
2)
大学院 獣医学研究科 解剖学教室, 北海道大学大学院 獣医学研究科 実験
現増強
動物学教室)
○加藤弘毅, 山田美鈴, 山本欣郎 (岩手大学 農学部 獣医学科 獣医細胞シス
AP-16 Matrix Metalloproteinase-12はネフローゼマウス(ICGNマウス)の病態進行に
テム学研究室)
関与する
AP-28 中脳ドーパミン作動性神経核の発達に及ぼす環境中微量化学物質の
○山田-内尾こずえ 1) , 澤田京子 1) , 眞鍋 昇 2) (1) (独)医薬基盤研究所 生物資源
影響:複合曝露は単独曝 露作用を打ち消す
2)
部, 東京大学大学院 農学生命科学研究科)
○谷田任司 1) , 割田克彦 2) , 石原可奈1) , 福井志穂 3) , 三觜友子 3) , 斎 旺梅 1) , 稲
AP-17 野生マウスMus musculus molossinusとMus musculus musculusにおけるrRNA
元哲朗 1) , 横山俊史 1,3) , 北川 浩 1,3) , 星 信彦1,3) (1) 神戸大 院 農学 分子形態, 2) 香
遺伝子座の同定
川大 医 神経機能形態, 3) 神戸大 院 自然科学形態機能)
○伊藤 強 1) , 土屋公幸 2) , 大澤 進 3) , 柴田秀史 1) , 神田尚俊 1) (1) 東京農工大学
AP-29 ラットの嗅上皮における内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の発現
農学部 獣医学科 獣医解剖学研究室, 2) 株式会社 応用生物, 3) 和光高等学校)
○遠藤大輔1), 山田美鈴 2) , 山本欣郎 2) , 中牟田信明 1) , 谷口和之 1) (1) 岩手大学
AP-18 ヒト変異型βシヌクレイン(P123H β-syn)発現トランスジェニックマウスにお
農学部 獣医学科 獣医解剖学研究室, 2) 岩手大学 農学部 獣医学科 獣医細胞
けるphenotypeの解析
システム学研究室)
1)
1)
1)
2)
3)
3)
○中井雅晶 , 藤田雅代 , 魏 建設 , 藁谷正明 , 井上 聡 , 津久井 通 , 橋
1) 1)
2)
AP-30 ネフロン形成過程におけるHnf4α下流因子の探索
3)
本 款 ( 東京都神経科学総合研究所 病態代謝化学, JR東京総合病院, 埼
○金澤智則, 今野明弘, 橋本義春, 昆 泰寛 (北海道大学大学院 獣医学研究科
玉医科大学ゲノム医学研究センター)
解剖学教室)
AP-19 髄外造血機構を用いた造血幹細胞ニッチの解析
AP-31 周生期ラットの喉頭葉状神経終末におけるニューロトロフィン受容体の
○水上拓郎 1) , 浜口 功 1) , 滝沢和也 1) , 倉光 球 1) , 百瀬暖佳 1) , 内藤誠之郎 1) ,
分布
1)
2)
1) 1)
益見厚子 , 岡田誠治 , 山口一成 ( 国立感染症研究所 血液・安全性研究
橋口もも, 山田美鈴, ○山本欣郎 (岩手大学 農学部 獣医細胞システム)
部, 2) 熊本大学・エイズ学研究センター・予防開発分野)
AP-32 Streptozotocin(STZ)投与後の胎子膵島B細胞の新生に関する研究
AP-20 マウスの精巣内卵細胞出現とSry遺伝子
○大嶋 篤 1,2), 山本雅子 2) , 有嶋和義 2) (1) 財団法人 日本生物科学研究所, 2) 麻
○大塚沙織 1) , 今野明弘 1) , 橋本善春 1) , 佐々木宣哉 2) , 遠藤大二3) , 昆 泰寛 1)
布大学)
(1) 北海道大学大学院 獣医学研究科 解剖学教室, 2) 北海道大学大学院 獣医
AP-33 胎生期のDiethylstilbestrol 投与が子供のライディッヒ細胞分化に及ぼす影
3)
学研究 科 実験動物学教室, 酪農学園大学 獣医学部 獣医学科 放射線獣医
響
学教室)
○小林徹央, 山本雅子, 坂上元栄, 西川 修, 有嶋和義 (麻布大 解剖学第二研
AP-21 マウス着床期の子宮上皮(間膜側および反感膜側)における遺伝子発現
究室)
解析
AP-34 ラット胎子動脈管のインドメタシンに対する感受性(第5報)
○杉山真言, 本道栄一, 木曾康郎 (山口大学 農学部 生体機能講座獣医解剖
○有嶋貴義 1) , 白井明志 2) , 山本雅子 1) , 坂上元栄 1) , 西川 修 1) , 赤堀文昭 2) , 有
学)
嶋和義1) (1) 麻布大 解剖学第二研究室, 2) 麻布大 薬理学研究室)
AP-22 マウス着床期の子宮管腔上皮における白血病阻止因子とIndian
AP-35 マウス初代培養肝細胞に発現するEphBとephrin-B
hedgehogの関連
○中村 穣 1) , ミュラー 樹 2) , 中島崇行 2) , 小川和重 2) (1) 大阪府立大学 生命環境
1)
1)
2)
1) 1)
○脇谷晶一 , 本道栄一 , Colin Stewart , 木曾康郎 ( 山口大学 農学部 獣
科学部 獣医学科, 2) 大阪府立大学 生命環境科学研究科獣医学専攻)
医学科 生体機能学講座 獣医解剖学, 2) Institute of Medical Biology, Singapore)
AP-36 前腸の内胚葉臓器でのSox17の役割
AP-23 外因性エストロゲン様化学物質がLeydig細胞株TTE1のStARおよび
○上村麻実 1) , 原 健士朗 1) , 三浦雄太郎 1) , 恒川直樹 1) , 金井正美 2) , 金井克晃
P450scc遺伝子発現に与 える影響とアセチル化ヒストンの変化
1)
○割田克彦 1,2) , 菅原照夫 4) , 田渕圭章 5) , 三觜友子 1) , 松本由樹 2) , 三木崇範 2) ,
研究室)
石原可奈3) , 谷田任司 3) , 横山俊史1,3) , 竹内義喜 2) , 北川 浩 1) , 星 信彦 1,3) (1) 神
AP-37 バイオマテリアルとbFGFを用いた犬顎骨骨欠損部における組織再生の
2)
3)
, 九郎丸正道 1) (1) 東京大学 獣医解剖学研究室, 2) 杏林大学 医学部 解剖学
戸大 院 自然科学 形態機能, 香川大 医 神経機能形態, 神戸大 院 農学 分
試み
子形態, 4) 北海道大 院 医学 分子生化, 5) 富山大 生命科学先端研究セ ゲノム
○伊従慶太 1) , 苫米地大輔 1) , 正岡久典 1) , 杉浦陽介 1) , 大石元治 1) , 市原伸恒
機能解析)
1)
AP-24 MRLマウスの精細胞アポトーシスに影響する第2染色体因子
室, 2) Vettec Dentistry)
○昆 泰寛1) , 橋本善春 1) , 佐々木宣哉2) , 遠藤大二 3)
AP-38 角膜実質の再生医療 1.ブタ角膜実質細胞の培養法の検討
1)
2)
, 奥田綾子 1,2) , 浅利昌男 1) (1) 麻布大学 獣医学部 獣医学科 解剖学第一研究
○永易 彩 1) , 角出泰造 2) , 保坂善真 1) , 植田弘美 1) , 竹花一成 1) (1) 酪農学園大
( 北海道大学 大学院獣医学研究科 解剖学, 北海道大学 大学院獣医学研
3)
究科 実験動物学, 酪農学園大学 獣医学部 放射線学)
学 獣医学部 獣医解剖学教室, 2) 株式会社メニコン)
AP-25 甲状腺ホルモンがラット皮膚Keratinocyteに与える影響について
AP-39 イヌの脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)イムノアッセイと心不全の診断
○辻尾祐志 1) , 杉山直也 1) , 角田知子 2), 綿引芳恵 1) , Pongsiwa Sotthibandhu 1) , 吉
○ 山根哲也 1,2) , 添田 聡 1) , 尼崎 肇 1) (1) 日本獣医生命科学大学 獣医解剖学
岡一機 1) , 谷口和美 1) , 武藤顕一郎1) (1) 北里大学 獣医学部 獣医解剖学研究
教室, 2) ペット医療センター 荏田南総合病院)
2)
室, 北里大学 獣医学部 小動物第1外科 学研究室)
********************
懇親会案内
AP-26 An acute exposure of di(n-butyl) phthalate downregulates the testicular steroidogenic
function in prepubertal rats
日時:平成 20年 3月 28日(金)
○Mohammad Shah Alam 1) , Seiichiroh Ohsako 2) , Xiao Bo Zhu 1) , Naoki Tsunekawa 1) ,
18時 30分より 21時 30分(予定)
Yoshiakira Kanai 1) , Chiharu Tohyama 2) , Masamichi Kurohmaru 1) (1) Department of
場所:麻布大学生活協同組合 カフェテリア(麻布大学4号館1階)
Veterinary Anatomy, The University of Tokyo,
2)
Center for Disease Biology and
参加費:5,000円 (院生・学生 2,000円)当日払い
Integrative medicine, The University of Tokyo)
参加申込期限:3月 17日(月)
参加申込宛先:坂上元栄(麻布大学解剖学第二研究室)
4
********************
から感謝いたします。
【日本獣医解剖学会理事会・総会】
(理事会)
開催日時
: 2008 年 3 月 28 日 11:00-12:00
・学部学生部門 第 8 号:渡邉史朗
(宮崎大学)
開催場所
: 麻布大学獣医学棟一階会議室
一昨年の田中先輩に続き、今回この
(総会)
ような賞をいただいて驚きとともに大変喜
開催日時
: 同日 18:00-19:00
ばしく思っております。周りにも大いに驚
開催場所
: 第 2 会場
かれました。宮崎大学獣医解剖学講座ではこれまで、村上隆之教授を中心と
して非常に多くの牛の解剖を行っており、今回はそのほんの一部を使わせて
議題:
いただいて行った研究でしたが、正直他の方々の要旨を拝見して難しいことを
1.平成 19年度会計報告、20年度予算案について(理事会のみ)(九郎丸)
やってらっしゃるのだなと面食らっておりましたので、今回マクロの研究を認め
2.獣医組織学第4版について (上原)
ていただいて驚いております。これもひとえにご指導・牛の運搬に尽力してくだ
3.今学会奨励賞の発表(総会のみ)(浅利)
さった村上隆之先生、那須哲夫先生、保田昌宏先生、またともに解剖に携わ
4.獣医解剖学の新しい教科書に関する話題提供(理事会のみ)(会長)
っていただいた研究室のみなさんのおかげです。そしてこの研究が行えた環
5.その他
境に心から感謝いたします。あの牛運搬トラックの決して座り心地が良いとはい
報告:
えない座席から眺めた景色を、これから先、思い出しては癒されることと思いま
1.獣医学会理事会報告 (会長)
す。最後になりましたが、学会期間中大変お世話になりました酪農学園大学
2.JVMS編集委員の交代について(九郎丸)
の皆さまに感謝申し上げます。(写真は発表後、札幌ビール園での打上げ
3.編集委員会報告 (九郎丸)
風景)
4.次回獣医解剖学会開催案内 (村上/那須)
5.懇親会案内(総会のみ) (山本)
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6.2007年秋期獣医学会奨励賞の贈呈 (総会のみ)
日本獣医解剖学会奨励賞 (学部学生部門含む) 公募
7.その他
対象学会:第145回日本獣医学会
総会において、2007年秋期学術集会において奨励賞(一般部門)を受賞され
と
た北海道大学の市居 修さん、奨励賞(学部学生部門)を受賞された宮崎大学
と こ ろ:麻布大学
き:2008年 3月 28日-30日
の渡邉史朗さんの表彰を行います。ご本人あるいは関係者の出席をお願いい
奨励賞応募資格:
たします。
1) 35歳未満の者。但し、留学生はこの限りではない。
********************
2) 日本獣医解剖学会に1年以上の会員歴を有し、筆頭者としてその回
◎日本獣医解剖学会奨励賞の決定と表彰式について
を含めて 2回以上発表経験のある者。
酪農学園大学で開催された第 144 回日本獣医学会において日本獣医解剖
3)奨励賞応募を希望される方は、下記の連絡先に講演要旨および対象
学会奨励賞に一般部門4名、学部学生部門 3名のエントリーがあり,福田勝洋
者である旨を明記した用紙(略歴、研究業績、教育業績、入会年月日
(名古屋大学)、北村延夫(帯広畜産大学)、竹花一成(酪農学園大学)の 3 名
を含む)を送付して下さい。
の選考委員で選考し,下記のとおり決定されました。
奨励賞学部学生部門応募資格:
日本獣医解剖学会奨励賞
1)対象者は学部学生に限る。
・ 一般部門: 第 17号 市居 修 (北海道大学) 「自己免疫性糸球体腎炎と
2)日本獣医解剖学会学生会員であること。但し、会員歴は問わない。
Fc gamma receptor III (FcgRIII)の関連性について」
3)奨励賞学部学生部門応募を希望される方は、下記の連絡先に講演
・学部学生部門: 第 8号 渡邉史朗 (宮崎大学) 「ウシ副腎の血管分布」
要旨および対象者である旨を明記した用紙(略歴、研究業績を含む)
* *******************
を送付して下さい。
解剖学会奨励賞受賞者 「喜びの声」
〆
一般部門 第 17 号:市居 修(北海道大
学)
連 絡 先:〒229-8501 相模原市淵野辺 1−17−71
切:2008.年 3月 24日 (必着)
麻布大学獣医学部解剖学第1研究室
浅利 昌男
この度は栄誉ある解剖学会奨励賞を頂きまし
Tel. 042-769-1618 /Fax 042-250-2470
て、非常に嬉しく思っております。選考委員の先
E-mail:[email protected]
生方ならびに関係諸先生方に心より御礼申し上
げます。本研究では、自己免疫性糸球体腎炎の
原因因子を形態学的および分子生物学的手法を用いて同定していくことを主
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
題としております。現在、国内外には多く自己免疫疾患罹患者が存在し、年々
学生の日本獣医学会(於:麻布大)
参加費(二千円)補助の件
増加傾向にあります。伴侶動物の生活および医療水準が向上していく中、獣
・補助の条件
医学領域でも自己免疫疾患のコントロールが求められています。本研究で用
1) 学部生、大学院生で日本獣医解剖学会学生会員であること。
いた自己免疫性糸球体腎炎モデルマウスの解析を通じて、今後、獣医師およ
2) 今回の日本獣医学会/日本獣医解剖学会で筆頭著者として発表すること。
び研究者として、本症の早期診断法あるいは治療法の確立に貢献していきた
但し、他分科会で発表の場合は補助の対象としない。
いと考えております。これからも学会員皆様方のご助言、ご指導をよろしくお願
3) 教員等、本人以外が代理発表した場合は補助の対象としない。
いいたします。最後に、今回の受賞は昆泰寛教授を始めとする解剖学教室構
・参加費の受け渡し
成員のご指導、ご協力によるものであります。この場をお借りいたしまして、心
4) 日本獣医解剖学会理事会、総会の折り、講座ごとにまとめて、指導教員が
5
学生に代わって会計担当者(東大・九郎丸)より代理受給する。指導教員
の神経支配の機能形態学的解析-」
授与日:2008年 3月 3日
は責任をもって学生に支給する。
5) 指導教員が理事会、総会に出席できない場合は、それ以外の日時に会計
授与大学:宇都宮大学 博士(農学)
担当者にコンタクトを取り、代理受給する。
☆古谷 累 氏
「Comparative histological study of the cetacean brain」
6) 補助対象の学生がいる場合は、3 月 24 日(月)までに会計担当者
([email protected])にメールで学生の名前と学年を連絡してお
授与日:2008年 3月 3日
く。
授与大学:宇都宮大学 博士(農学)
☆崔 恩京 氏
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
◇次回日本獣医学会案内◇
「Transgenerational effect of p, p’-DDE on male reproductive organs」
授与日:2008年 3月 24日
第 146回日本獣医学会学術集会の日程は
授与大学:東京大学 博士(獣医学)
9月 24日(水)~9月 26日(金)
☆足立 和英 氏
シーガイア・ワールドコンベンションセンター・サミット
「Generation of immunoglobulin yolk from ostrich (Struthio camelus) eggs--Development
(宮崎市北部)にて
of neutralization antibodies against highly pathogenic H5N1 avian influenza virus--」
獣医解剖学会は 9月 24日(水)~9月 25日(木)(口頭発表のみ)
授与日:2008年 3月 24日
解剖学理事会は 9月 24日(水)、午後の口頭発表終了後
授与大学:大阪府立大学 博士(獣医学)
解剖学総会は 9月 25日(木)、午後の口頭発表終了後
☆割田 克彦 氏
解剖学懇親会は 9月 25日(木)、宿泊(青島にて)
「胎子・新生子期エストロゲン様物質曝露による生殖障害発現機序の分子形
態機能学的研究」
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人 物 往 来
授与日 2008年 3月 25日
授与大学 神戸大学 博士(農学)
☆ 今川 智敬先生 鳥取大学農学部獣医学科獣医解剖学教室より同大農学
☆多田 達哉 氏
部獣医学科基礎獣医学講座獣医画像診断学教室 准教授に移籍(2007 年
「Studies on Microenvironment of Hematopoietic Tissues in Mice」
9月 1日付)
(マウスにおける造血組織の微細環境に関する研究)
授与日:2008年 3月 31日
☆ 大西 佐知子先生 理化学研究所神戸研究所 再生・発生科学総合研究セ
ンター電子顕微鏡解析室(2007年 10月 1日付)
授与大学:名古屋大学 博士(農学)
*******************
☆ 星野 由美先生 東北大学大学院農学研究科動物生殖科学分野 助教
受 賞
(2007年 12月 1日付)
Otto-Zietzschmann Prize (2007年)
☆ 木村 順平先生 日本大学生物資源科学部獣医解剖学研究室 准教授か
受賞 多田 達哉 氏
ら韓国・ソウル国立大学獣医学部獣医解剖学研究室 准教授に異動(2007
"Morphological
年 12月 10日付)
Study
of
the
Transition
of
Haematopoietic Sites in the Developing Mouse Embryo
☆ 矢吹 映先生 鹿児島大学農学部基礎獣医学講座 解剖学分野 助教か
During the Peri-natal Period"
ら同大農学部獣医学科臨床病理学分野 准教授に異動(2008年1月1日付)
☆ 鈴木 秀作先生 鹿児島大学を定年退職(2008年 3月 31日付)、九州保健
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
福祉大学 非常勤講師
日本獣医解剖学会会員名簿変更、追加について
☆ 福田 勝洋先生 名古屋大学を定年退職(2008年 3月 31日付)、岡山理科
会員番号 9900353 長竿淳
大理学部動物学科 機能解剖学研究室に異動
住所:〒250-0126 神奈川県南足柄市狩野 42-1 エナジーワン 204号室
☆ 塚本 康浩先生 大阪府立大学生命環境科学研究科獣医解剖学教室 准
教授から京都府立大学生命環境科学研究科動物衛生学研究室 教授に異
勤務先:ハイテック株式会社
動(2008年 4月 1日付)
E-mail: [email protected]
☆ 保坂 善真先生 酪農学園大学獣医学部獣医解剖学教室 講師から鳥取
大学農学部獣医学科獣医解剖学教室 准教授に異動(2008年 4月 1日付)
会員番号 8700041 大上 美穂
住所:〒371-0034前橋市昭和町 3-30-10-205
☆ 中島 崇行先生 大阪府立大学生命環境科学研究科獣医解剖学教室 助
教から同教室 准教授に昇任(2008年 4月 1日付)
会員番号 8200038 木村 順平
☆ 日下部 健先生 大阪医科大学 解剖学教室から大阪府立大学大学院獣
勤務先:599 Gwanangno, Gwanak-Gu, Seoul, 151-742, Republic of Korea
医学専攻動物構造機能学 統合生体学講座 実験動物学教室に異動
*******************
勤務先名:ソウル国立大学獣医学部
学 位 取 得
所属名:獣医解剖学研究室
☆大西 佐知子 氏
勤務先 TEL:+82-2-880-1290 E-mail:[email protected]
「パイエル板濾胞被蓋上皮におけるM細胞の分化に関する超微形態学的お
会員番号 9900156 日下部 健
よび免疫組織化学的研究」
授与日 2007年 9月 25日
勤務先:大阪府立大学大学院
授与大学 神戸大学 博士(農学)
所属名:獣医学専攻動物構造機能学統合生体学講座実験動物学教室
☆塚原 直樹 氏
〒599-8531 大阪府堺市中区学園町1-1
「ハシブトガラスの発声に関する研究-鳴き声の音響学的解析、発声器官とそ
Tel&Fax: 072-254-9496 E-mail: [email protected]
6
解剖学の章を加えることを計画しているところです。
2006年 12月に配付いたしました日本獣医解剖学会名簿に関して変更・追加
ともあれ、動物に関する新たな解剖学教科書が私どもの教育・研究分野に加
等、お気付きの点がありましたら下記まで連絡ください。
えられて教科書の選択肢が広がり、解剖学教育の内容をより拡充させる機会
酪農学園大学獣医学部獣医解剖学教室内
が増えたことを喜びたいと思います。そして本年4月からの解剖学授業には、こ
日本獣医解剖学会NL編集担当
の新教科書が多くの獣医科大学および畜産学科においてご利用いただける
〒069-0851江別市文京台緑町 582
ことになりました。厚く御礼を申し上げます。本編集委員会は、本書が永く会員
TEL: 011-388-4744/ FAX: 011-388-4852
の皆様方に愛される教科書として我が国の獣医学および畜産学の教育水準
E-mail: [email protected]
向上に貢献できることを願っております。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
さてこの教科書を私が一獣医解剖学者として見ますと、上述の新機軸を含む
教 科 書 の 案 内
「獣医組織学第 4 版」の現状について
その充実した内容からみて今後10年あるいはそれ以上の年月を経てもその内
容が時代遅れの教科書と呼ばれることはないものと考えます。どの分野におい
獣医組織学編集委員会
ても教科書というものは一朝一夕に創られるものではなく、常にそれを新たに
委員長 上原 正人
生み出そうとする強固な意志とその分野に経験深い人々の努力、そしてそれ
皆様のご協力を得て獣医組織学第 4 版は順調に進んでいます。4 月からの
を可能にさせる研究・教育環境、およびそれを実現するに十分な思考と編集
新学期には間違いなく間に合う予定でいます。
作業のための時間をもつことが必要条件となります。今日私達はそれらのどの
今回は多くの先生から貴重な指摘をいただきましたし、著者の諸先生の御努
条件も不十分ながらも手にしています。この中で特に求められるものは、本書
力もあって、本文の修正と付図のカラー化をかなり進めることが出来ました。ま
を越える新たな水準の教科書を創ろうとする強靱な意志を共有することおよび
た、付図の大きさが不揃いでしたが、これらも出来る限り標準的なサイズにしま
会長の指導のもとに本学会の若手会員の皆様を中心にそれを具現化するプ
した。
ロセスをつくり上げることです。上述のようにそれはいささか困難な道のりです
最後に、時間の関係から著者の方の同意を得ずに変更した箇所がありますが、
が、それがひとたび始動しはじめる暁には訳書である「カラーアトラス獣医解剖
ご容赦願います。
学」が我が国で長い期間さしたる疑問もなく使われ続ける事態を避けることが
******************************
できるでしょう。それまでの間、本書が中継ぎ教科書としての役割を果たすこと
獣医解剖学教科書を考える
になりますが、その後にそれを乗り越える新たな工夫を凝らした本会独自の獣
「カラーアトラス獣医解剖学」
医解剖学教科書が日本獣医解剖学会員の皆様の手によって上梓される日を
編集委員会委員長 橋 本 善 春
心待ちにしたいと思います。
このたび多くの会員の皆様方からご協力をいただきました「カラーアトラス獣医
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
編 集 後 記
解剖学」(上・下巻)(各定価9,975円、税込み)が2月末に刊行・発売されました。
そして新学期からの授業にご利用いただけることになりましたことをまずご報告
この冬、いかがお過ごしでしたでしょうか?年度末、一日一日が本当に早く過
申し上げます。
一昨年来「カラーアトラス獣医解剖学」編集委員会では、新たな水準の獣医
ぎていきます。ついにオリンピックイヤーの春がまいりました。我が国はどの様
解剖学教科書を上梓すべく鋭意編集作業を続けて参りました。この教科書が
な成績を残すのでしょうか?そして世界の中の位置付けも変わっていることも
もつ今までに見られない特徴として 1)各臓器を実物に迫る高い質感のカラー
実感するのでしょうか?どんどん、世界との差が明らかになっていき、嬉しくも
写真やイラスト(1,088 葉)で表示していること。2)臨床的に重要な構造について
悲しくもあります。今こそ先人の偉大さと独自性を実感する事でしょう。その中
従来の系統解剖学的な記載に加えて、犬、猫、馬、牛などを比較しながら局
で山田純三名誉会員が越智賞を受賞された事、心より皆さんでお祝いしたい
所解剖学的にも詳しく記載しており、臨床分野の教育につなげる工夫がなさ
と思います。獣医解剖学の礎を築かれたお一人でもあります。今の積み重ね
れていること。3)CTやMRIによる診断にそなえて新たに「局所解剖学と臨床解
にのみ将来があると信じ、今を大事にすごしていきたいと思います。 身体と心
剖学」に関する章を設け、進歩著しい近年の臨床分野との連携を強く図ってい
の健康を第一に、教育、研究にじっくりと歩んでいきましょう。いろいろな面で次
ることなどが挙げられます。原著者らは先年同じスタイルの鳥類に関する解剖
の力に引き継ぐ時期でもあります。
編集子
学書を刊行しており近い将来それを基に「カラーアトラス獣医解剖学」に鳥類
7
学窓社
新刊・解剖学会関連書籍案内
〒 113 − 0024 東京都文京区西片 2 − 16 − 28
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☆待望の第四版ついに登場 !!
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☎ 03 − 3818 − 8701 FAX 03 − 3818 − 8704
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右脳と左脳のちがい?
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赤い血液の正体は?
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