F1生まれのエンジンオイル - PETRONAS(ペトロナス)

PETRONAS SYNTIUM|CLOSE UP
不定期連載
■BMWエンジンにおいて高いパワーを引き出す
CLOSE UP
ペトロナス・シンティアム
優れた燃費とエンジン出力を両立
F1生まれのエンジンオイル
エコだ燃費だと世知辛いこのご時世。ハイブリッド・カーに乗り換えるその前に、何か忘れてはいないだろうか。
実は愛車のエンジン・オイルを高性能なものに入れ替えるだけで省燃費を実現することができる。
ではどういったオイルに交換すればよいのかが知りたいところだが、
BMWザウバーF1ティームやスーパーGT、スーパー耐久で注目度が右肩上がりのオイル・ブランドが
ついに日本でも販売されることになった。F1マシンやスーパーGT/スーパー耐久の参戦車輌を見て、
“PETRONAS”という文字を気になっていた人は多いだろう。
そこで今月はこのペトロナスにクローズアップ。
自
車種において使用することができる。特に愛車を
いたわるオーナーやエンジン性能をフルに引き
合が高く、添加剤なども最新のものが配合され
出して愉しむオーナーにお勧めのオイルといえよ
ている。ただし、どのオイルもエンジンを摩耗か
う。来年 3 月には5000に0W-20、800に10W-30
ら保護し、エンジンの持つ本来の性能を最大限引
の粘度が追加される予定で、さらに自分のクルマ
き出すことを念頭に開発されているのには違い
の性格に合うオイルを選択することができるよう
がない。ちなみに5000、3000、1000はベースオ
になる。ではどこでシンティアムのオイルに交換
イルが化学合成油で、800は化学合成系油だ。
できるのかが気になるところだが、全国のオート
そこで、高性能な低粘度オイルの需要が非常
特にシンティアムは、
メルセデスベンツやBMW
バックスやイエローハットなどのカー用品専門店
題が叫ばれる昨今、いかに燃費を向上さ
に高くなり、欧州ではすでに認知度が高くなった
などで大規模なフィールドテストも行っており、約
にて本年 11 月より随時展開中とのこと。一番手
せるかに注目が集まっている。ハイブリッドカー
“ペトロナス”
のエンジンオイル
“シンティアム”
が
8 万 km 走行したエンジンを分解して見たエンジ
軽なカーメンテナンスのひとつであるオイル交
や軽量新素材によるボディの軽量化などもそうし
ついに日本にも正式に導入されることになった。
ン内部は、欧州の認定独立機関から「 Excellent
換、次回交換時にはシンティアムを一度試してみ
(優秀)」
と評価されるほどの保護性能を持ってい
当 然ながらエンジン自体も省 燃 費 化に向けて
欧州で認められたシンティアム
る。また右のグラフを見ると一目瞭然のように、日
日々進歩している。それは昨今の新車指定オイ
日本ではまだ馴染みの薄いこのペトロナスと
常使用域でのエンジン回転数においては他社同
ルの粘度をみると明らかだ。ひと昔まえでは考え
いうメーカー、実は1974 年に設立されたマレー
粘度のオイルよりはるかに高い出力を引き出す
られなかったような低粘度のオイルが正式に純
シアの総合石油企業のことである。石油 / 天然ガ
ことに成功している。捕捉しておくと、
オイル消費
正指定オイルとして選ばれ、またそうした低粘度
スの開発 / 生産をはじめとして石油精製 / 石油化
や排気システムの保護効果もシンティアムは高
オイルに対応したエンジンが開発されている。つ
学製品の製造販売までの事業を世界30カ国以上
い。つまり長い目で見ると環境にも優しいオイル
まり、エンジン内部の摺動面(ピストンとシリン
で展開している年間売り上げ7 兆 5000 億円の優
とも言えるのだ。こうしたシンティアムの性能が
ダー間)の抵抗を極力抑えることでエネルギー効
良グローバル企業だ。最近では
“ BMW ザウバー
認められ、欧州ではメルセデスベンツ/フォルクス
率をアップさせ、省燃費につなげようというわけ
F1ティーム”のプレミアム・パートナーとして、そ
ワーゲン/BMW/アルファ・ロメオなどの認証オイ
である。
しかし、低粘度オイルの使用にはデメリッ
の名を知っている人も多いだろう。
ルとして指定されているほどである。
トもある。エンジンオイルの役割のひとつである
そのF1で培った経験と技術を市販車向けオイ
シンティアムはそもそも高性能車をターゲット
エンジンの保護性能が高粘度オイルに比べて落
ルにフィードバックしたのが、今月紹介する
“シン
に開発されたものだが、欧州車はもちろんのこと
ちてしまうという欠点だ。
ティア ム ”で あ る。現 在 そ の ライン ナップ は 、
国産車でもNA/ターボ車にも関わらず、あらゆる
「愛車のメンテナンスもエコも、
SYNTIUM 5000
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5000、3000、1000、800の4種類。番手の多いオ
イルほどクオリティの高いベースオイルを使う割
動車業界においてかつてないほど環境問
た
“エコ”
なクルマを目指すための手段であるが、
現在シンティアムは全5アイテムだが、
今後アイテム数を増やしていく予定だ。
BMWザウバーF1ティームで培った経験と技術を市販車向けオイルにフィードバックしている。
SYNTIUM 3000
シンティアム5000は高出力車または高級車に使われることを前提に
開発。上記グラフの比較テストでそれが証明された。
■ILSAC GF-4とGF-3の基準を上回る高性能
る価値は十分にあるようだ。
シンティアム5000は、新世代の欧州、日本、米国の高級車を対象とし
たエンジンオイルの最新基準を上回っている。
今回ペトロナス・シンティアムのお話しを伺った、日本総代理店ペトロ
プラン代表の石渡英夫氏。
エンジンオイルで解決できる」
SYNTIUM 1000
SYNTIUM 800
日本のレース界でも注目
シンティアム5000
シンティアム3000
シンティアム1000
シンティアム800
レース・ファンならばBMWザウバーF1ティームのマシンの
粘度:0W-30
性能規格:ACEA A1/A5/B1、
API SM、ILSAC GF-4、MB
229.1 Performance
粘度:5W-30/5W-40
性能規格:API SM/CF、ILSAC
GF-4(5W-30)、ACEA A3/
B3/B4/C3、API SM/CF、MB
229.31、VW 502/505(5W-40)
粘度:10W-40
性能規格:ACEA A3/B3/B4/
C3、API SM/CF、MB 229.1、
VW 502/505
粘度:10W-40
性能規格:ACEA A3/B3、
API SM/CF、MB 229.1、VW
501/505
サイドに、
大きく描かれた
“PETRONAS”
の文字に見覚えがあ
環境保護を重視して開発され
たオイル。プレミアム化学合
成基油と先進の調整添加剤
を調合し、優れた酸化防止性
能とエンジン保護性能などを
誇る、マルチグレードなロング
ライフ・オイル。大排気量車、
ターボ車にもマッチしている。
こまめにオイル交換する人に
お薦めのハイパフォーマンス・
オイル。もちろんこのグレード
にもF1から得た技術はフィー
ドバックされ、オールシーズン
で安定した性能を発揮。最も
厳しい規格であるAPI SMも
クリアしている。
高性能エンジンを搭載したス
ポ ーツカー はもちろん のこ
と、はじめから粘度の低いオ
イルを指定している環境対策
エンジンにも最適のプレミア
ム・オイル。外気温に左右され
ずエンジン内部の摩耗や損傷
を最小限に抑え、優れた燃焼
効率を発揮する。
シンティアム5000同様、F1で蓄
積された技術を公道用にフィー
ドバックしたグレード。すべての
ガソリン・エンジン搭載車にマッ
チするよう、高負荷時使用での
耐久性と優れた出力発揮を両立
できるように開発。長距離移動
が多い人には5W-40がお薦め。
るだろう。ペトロナスは現在、
BMWザウバーF1ティームのプ
レミアム・パートナーとして参画している。
このF1テクノロジー
は、
市販向けオイルの技術開発に応用され、
“シンティアム”
の
高性能と高品質にさらなる磨きをかけている。
また、
日本国内
ではスーパー耐久レース
(PETRONAS SYNTIUM TEAM)
やスーパーGT
(PETRONAS TOYOTA TEAM TOM'S)
に
参戦し、
どちらもクラストップを争う好成績を残している。
こう
したレースで培ったノウハウももちろん市販オイルへと応用
され、
シンティアムをさらに信頼できるブランドへと押し上げる
一助になっている。
問い合わせ先:
(株)ペトロプラン 03-3345-5677
photo:Yasuhisa Kaneko
(金子泰久)
、Kiyoshi Wada
(和田清志)
text:Yoshihiko Nishiyama
(西山嘉彦)
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