2013 年 - 神奈川産業振興センター

09
中 小 企 業 サ ポ ー ト か なが わ
2013 年
第150号・2013年9月
CONTENTS
テーマ ~経営革新について~
54 企業インタビューシリーズ○
(株)
丸う田代
02
創業から経営革新、事業承継
平安レイサービス
(株)
04
中小企業・小規模事業者ビジネス創造等支援事業のご案内 06 平成25年度「公的補助金活用説明会・個別相談会」
07
産技センター 技術開発による
「経営革新」
の事例紹介08
「ベンチャー企業販路開拓ナビゲート事業」
募集案内 09
/ 10月の巡回あっせん相談
小田原かまぼこ「(株)丸う田代」
アドバイザー派遣制度のご紹介
/健康コラム③
「紫外線」
10
ドリカムサロン
「第1回新規事業成功講座」
11
成長するインベスト企業のご紹介
12
神奈川県中小企業制度融資
13
/産技センター
「神奈川県ものづくり技術交流会」
のご案内
神奈川県海外駐在員レポート
14
女性の起業入門セミナー/かながわ再発見キャンペーン 15
/平成25年度後期技能検定
がんの早期発見に向けて
/神奈川県中小企業再生支援協議会のご案内
/編集後記
ドリカムサロン
編集/発行
16
(公財)神奈川産業振興センター(KIP)
Kanagawa Industrial Promotion Center
TEL 045(633)5201 FAX 045(633)2556
URL http://www.kipc.or.jp/
タイトル
企業インタビューシリーズ 54
今、この企業に
「小田原かまぼこ」
伝統の味を継承しつつ
社内改革でさらなる飛躍へ
株式会社丸う田代
田代 純取締役常務
Q 明治初年創業と歴史が古い会
社です。まずは、現在の事業内
容をお聞かせください。
当社は初代の田代卯之吉によっ
て創業されました。卯之吉の「う」
を取って
「丸う」
としました。今の
田代勇生社長は 5 代目にあたりま
す。創業から 140 年以上たちます
が、有名な
「鈴廣」
(慶応元年創業)
や「籠清」
(文化 11 年創業)と比べ
るとまだ若いといえます。
「小田原かまぼこ」といえば、い
わゆる蒸してつくる「板かまぼこ」
が代表的です。当社の主力商品も
それです。なかでも地元・相模湾
で獲れたイサキをふんだんに使っ
た当社の「いさき蒲鉾」は、2010
年度
「内閣総理大臣賞」を受賞しま
した。
Q 長い歴史を持つ「小田原かま
ぼこ」を取り巻く環境はどうで
しょうか。
小田原かまぼこは、「グチ」を主
原料にしています。そのほか、
「ス
2
中小企業サポートかながわ 2013-9
今回は、小田原市浜町の通称・蒲鉾(かまぼこ)通りに
面する「丸う田代」をご紹介します。明治初年(1868年)の
創業。全国に誇る小田原の名産品・かまぼこの歴史とと
もに歩んできた老舗は今回、約 30 年ぶりに社内の人事・
賃金制度を改革しました。愛される伝統の味を、これか
らも守るため、そして会社を〝筋肉質〟にするため、KIPが
派遣した専門家のもとで、入念な準備を進めてきました。
古くからの地場産業を継承しつつ、現代流の社内制度を
導入。さらなる飛躍を見据えています。その狙いや展望
などを取締役常務の田代純氏に聞きました。
ケトウダラ」などもあります。た
だ、近年では漁獲量が落ちており、
原料価格が上がっています。その
ため、業界全体では、以前と比べ、
利益が出しにくい状態にあるとい
えます。他の製造業と同様、後継
者不足の問題もあります。 小田原蒲鉾協同組合の加入企業
は、今では 13 社に減ってしまい
ました。しかし、それでもブラン
ド力は高く、お中元やお歳暮の人
気も根強くあります。今後は若い
人たちに、小田原かまぼこを、もっ
と食べていただきたいですね。
蒲鉾造り「蒸し」
の工程
Q 丸う田代の生産や販売体制に
ついて教えてください。
商品はすべて静岡・焼津の工場
で造っています。工場が稼働して
から、もう 39 年になります。焼
津から本社を経由して、全国に配
送されています。販売先は、東京
や名古屋、大阪などです。県内で
は、川崎のさいか屋でも置いてい
ます。また、本店のほか、小田原
市内にもう1カ所直営店があるの
で、そこでも常時販売しています。
あとは通信販売になります。当社
の年間販売量は何百万本にも及び
ます。
店内のショーケース
企業データ
所在地 本社:小田原市浜町3-6-13
静岡工場:静岡県焼津市利右衛門2612-10
創業 1868年
TEL 本社:0465
(22)
9222 静岡工場:054
(622)3231
URL http://www.maruu.com/
『君まき』
第50回全国蒲鉾品評会
「農林水産大臣賞」受賞
本店の外観
小田原かまぼこ
Q 会社をさらに発展させるた
め、まずは社内の人事制度を見
直しました。その経緯を教えて
ください。
就業規則や賃金規定が、30 年
前のままでした。数年前からベー
スは見直すようにしてきました
が、すべてが「年功序列」でした。
役職の決め方も曖昧で、明確な基
準が定められていませんでした。
頑張っている社員も、そうでない
社員も、給与が年功序列ですと、
やる気アップにつながりません。
そこで KIP に派遣していただいた
社会保険労務士の専門家の方と相
談して、変えていく準備を進めま
した。
もちろん、
社員1人ひとりとも、
じっくり話し合ってきました。長
年続いてきた社内制度を変えるこ
とは、そう簡単ではありません。
社員に理解してもらうことも重要
でした。
Q 具体的には、どのように変え
ていったのでしょうか。
それぞれの社員、役職者に、達
成すべき目標、条件を定めまし
た。自分の査定はどうなっている
のか?どうしたら給料が上がるの
か?
つまり、労働条件を明確にして、
それぞれの社員の評価、成果に応
じた給与制度を導入しました。仕
事に対するモチベーションを高め
てもらうのも狙いです。業務に対
する自己採点も入れる予定です。
今年 6 月から新制度を始めたば
かりなので、まだまだ手探りで
す。社員にとっても生活設計があ
るので、急激に給与を見直すこと
は考えていません。ただ、新制度
を走らせながら、さらなるレベル
アップに取り組んでいこうと思い
ます。
一方、「就業規則も分からない
社員」もいるので、いつでも目を
通せるように、事務所に冊子を置
きました。
あるとはいえ、まだデフレ傾向に
あります。そんななかでも、当社
は安売り競争には参戦しません。
価格が高くとも、ブランド力で勝
負したいと思っています。
現在、当社では高速道路のサー
ビスエリアなどで、そこにしか置
いていない「限定かまぼこ」を生産
しています。当社では PB(プライ
ベート・ブランド)事業と位置づ
けていますが、これが好調です。
こうした新規事業に力を入れるほ
か、東京か横浜にも直営店を出店
したいと思っています。
●お問い合わせ KIP 経営企画室
TEL 045(633)5201
Q 今後の展開や将来の意気込み
などがありましたらお聞かせく
ださい。
社内制度を見直し続けること
が、業務の効率化につながります。
もっと言えば、就業時間にきっち
りと仕事を終えることで、コスト
削減にもつながります。会社を筋
肉質にしつつ、今度は攻めの経営
もやっていきたいと思っていま
す。
世の中は、景気が持ち直しつつ
中小企業サポートかながわ 2013-9
3
経営革新について
KIP評議員/神奈川大学教授 田中則仁氏がインタビュー
創業から経営革新、事業承継
「心の絆を大事にしたい」企業
平安レイサービス株式会社
山田雅孝相談役に聞く
山田雅孝相談役は、45年間の永きにわたる社業を無事卒業し、会長を退任され相談役に就かれました。
創業から事業の成長や発展、承継にいたるお話を伺います。
1 創業にいたる経緯
田中則仁(以下、田中):どのよ
うな経緯で、1969年8月に創業者
の相馬かね氏が平塚で事業を立ち
上げたのでしょうか。
山田雅孝相談役(以下、山田):
私は工学院大学の建築学科を
1966 年に卒業後、建設設備会社
に勤務していました。当時、妻の
母である相馬かね が冠婚葬祭互助
会を創立することになり、営業テ
リトリーを 100 万人規模で確保で
きる湘南の地を選び、平塚で冠婚
葬祭の施行を目的に株式会社雅裳
苑(現 平成レイサービス(株))を
設立しました。当初は社員が7~
8人で忙しく、設立時の役員とし
て名を連ねていた私にも声がかか
り、創業翌年の 1970 年から一緒
に仕事をすることになりました。
田中:当時はどのような職務がご
担当でしたか。
山田:先ずは経理で資金繰りを担
当することになりました。しかし、
建築が専門でしたから、簿記を習
いに行きながら、昼間は営業から
集金、葬儀から婚礼、夜はお通夜
と何でもしていました。
田中:中小企業の創業期は本当に
大変なのですね。そのノウハウは
どのようにして学ばれましたか。
山田:広島県で互助会を運営して
いる先輩についてみっちり学びま
した。営業テリトリーを侵害しな
いということで、相当なことを教
えてもらえました。
そして当社の冠婚葬祭事業は、
何といっても市場である地域の人
口が基礎になります。それを知る
には、
「人口統計」
を都道府県、市
4
中小企業サポートかながわ 2013-9
町村といったエリアで詳細に分析
することが、将来の動向を予測し
戦略を立てる基本です。
ここがポイント!
1 創業者の着眼点で互助会を立ち
上げたこと。当時の社会情勢と顧
客の要望を的確に把握したこと。
2 互助会の事業ノウハウを先輩
事業家から直接 OJT で学べた
こと。この経験は現在でも同社
の新人研修の基本方針として導
入されている。
3 人口統計を正確に読み込み、
今後の社会の動向を把握する着
眼点を的確に持っていること。
人口や消費者数が基礎になるど
のような事業にも通じる。経営
戦略を立てる際の基本姿勢で、
この科学的で客観的な先見性が
ポイント。
2 オイルショックに助けられる
田中:結婚式場の事業が急成長し
ましたが、そのきっかけはどのよ
うなことですか。
山田:1973 年 1 月に結婚式場「江
の島平安閣」を開設しました。当
時の資金で総額 3 億円。年間売上
以上の金額でした。同業他社の財
務状況を参考にし、この事業はい
けるとの手応えでしたが、金融機
関はそう簡単に承認してくれませ
ん。しかし、ある都市銀行の支店
次長が誠実に対応してくれて、融
資の承認が取れ、県内最初の結婚
式場ができました。
田中:その年にオイルショックが
あり、厳しかったことでしょう。
山田:オイルショックで物価が高
騰、給与も仕入れも上がる一方、
結婚式の売上げや件数が上昇。そ
の結果、借入金の返済はインフレ
の恩恵でむしろ予定より早く完済
できました。オイルショックがむ
しろ追い風になったわけです。
田中:当時社内の電算化にも着手
されたのですね。どのような理由
でしたか。
山田:当時互助会の会員が増加し
ており、前受金の処理を手作業で
行っていました。しかし、人間が
行う作業であるため、間違いが生
じます。この作業はコンピュータ
化しなければいけないと考えて、
会員事務処理の電算化に踏み切っ
たのが1974年です。
田中:順調に進んだのですか。
山田:それが当時の処理は先ずは
手作業で行った伝票を電算入力す
るという作業で、業務が二重にな
るため、約 3 倍もの人員を必要と
し、作業も遅くまでかかりまし
た。この混乱期に労働組合が結成
され、大安の日にも赤旗がひらめ
くような状況でした。当時は上部
団体からの支援者が来て、組合と
の団体交渉は私 1 人で対応しまし
た。40人対1人です。しかし、こ
の経験で労働組合のあり方、社員
を大切にすることを学びました。
カルチャー BONDS平塚
経営革新について
企
業
デ
事
業
紹
介
人の人生の節目を祝う冠婚事業と生活支援としての介護事業、
そして人生の終焉の旅立ちをお手伝いする葬祭事業などで実績
をあげ、ジャスダック上場企業として今期も増収増益を果たし
ている。
ー
タ
所在地 平塚市桜ヶ丘1-35
設立 1969年
TEL 0463(34)2771
URL http://www.heian-group.co.jp/
ここがポイント!
1 オイルショックは日本の経済
社会に大打撃であった。しか
し、このインフレを追い風にし
た点、発展期のピンチをチャン
スにする経営手腕をぜひとも見
習いたい。
2 サービス業の顧客管理にはコン
ピュータ化が欠かせない。ただ
草創期の電算化は、多くの課題
があった。この点、最近は企業
向け統合ソフトが各種あるもの
の、使途と目的、将来性をきち
んと見極めることが大切である。
3 労働組合の結成は、経営者に
とっては重大事である。外部の
支援者に関与されるのは残念で
あるが、一方、従業員の悩みや
不安と真摯に向き合う姿勢は、
いつの時代でも経営者が心掛け
るべき最重要事項である。
3 経営の方向性と事業承継
田中:社業が発展するなかで、経
営の方向性や事業の展開はどのよ
うにして見極められましたか。
山田:冠婚葬祭事業が人口統計を
もとに客観的に市場を割り出すこ
とは申し上げた通りです。その上
で何%を当社が取れるか。それが
今後どのように推移するかを冷静
に分析することが大切です。
田中:その分析のなかで介護事業
が柱に挙がってきたのですね。諸
外国の視察にも行かれましたか。
山田:冠婚と葬祭の間をつなぐ事
業として高齢社会の介護は社会
的意義も高く、今後益々
必要性が増すと考えまし
た。当時、福祉先進国は
北欧といわれていました
が、
「高福祉・高負担」は
日本の実情には馴染まな
いだろう。むしろ中福祉・中負担
でいくと思いました。そこで神奈
川県と姉妹関係のメリーランド州
へ視察に行きました。
現地は日本の10年先との印象
で、いろいろな課題をみてとれま
した。そこで1987年に介護事業を
立ち上げましたが、神奈川県内初
の民間家事援助
(介護)
事業でした。
田中:当初はなかなか大変だった
のではありませんか。
山田:介護保険法が施行されるま
では毎年赤字でした。しかし、民
間の力が必要になると考えて事業
を行っていました。今後とも、事
業の性格上、大きな利益を生むこ
とは難しいでしょうが、社会的意
義の高い事業であると思います。
田中:社員の能力向上については
どのようにお考えですか。
山田:社員には目標をしっかり
持って、能力向上に努めて欲しい
と思っています。新人にはブラ
ザー&シスター制度で入社 4 ~ 5
年は指導しています。またお客さ
まへの提案型営業を推進していま
すが、1人前になるのに 5 ~ 6 年
はかかるでしょう。しかし実は
もっと難しいのは、ベテラン営業
社員の意識改革です。自分の成功
体験が強いほど、現在の顧客ニー
ズを把握しきれないことがあるか
相談役 山田雅孝氏
らです。お客さまの声を天の声と
して向き合うことが大切です。
田中:後継者、経営者の資質につ
いてどのようにお考えですか。
山田:経営者の資質はこれとは決
めつけられません。それよりも市
場やお客さまと対話していく力を
常に磨いて欲しいです。お客さま
の要望は常に変化しています、そ
れを見誤らないことが重要です。
ここがポイント!
1 社会の動向から介護事業を見
据えた先見性は大いに見習いた
い。ただし事業としての特性か
ら、収益の柱になり難い部分を、
どのようにして他事業で補完す
るかも考慮する必要があろう。
2 提案型営業マンの陥り易い大
きな罠が、自身の成功体験であ
る。常に挑戦し、成長し続ける
姿勢こそ最大の資質といえよう。
3 経営者の資質は、市場とお客
さまとの対話力。これはどの業
界や企業でも、決して忘れては
ならない至言である。
●お問い合わせ KIP 経営企画室
TEL 045(633)5201
* インタビュアー:田中則仁氏〔KIP評議員/神奈川大学教授〕(略歴は2013年8月号に掲載)
中小企業サポートかながわ 2013-9
5
経営革新について
中小企業・小規模事業者ビジネス創造等支援事業のご案内
県内42支援機関が連携して、「かながわ中小企業支援
プラットフォーム」を設立しました!
KIP は、県内に所在する商工団体や金融機関等の中小企業支援機関と連携して 「かながわ中小企業支援プ
ラットフォーム」 を設立し、関東経済産業局から 「地域プラットフォーム」 として登録されました。今後は、
中小企業の高度・専門的な経営課題を解決するため、専門家の選定や派遣をする窓口機能を構成機関が担う
ほか、国やプラットフォーム構成機関が実施する支援情報の発信機能を強化して、県内の中小企業支援体制
を強化します。
■かながわ中小企業支援プラットフォーム発起会
8月29日(木)にプラットフォームの設立総会を開催
し、神奈川県産業労働局副局長や関東経済産業局産業
部長からご挨拶をいただきました。
今後は、下記の取組みを行うほか、プラットフォー
ム構成機関※1 の情報共有化や支援能力向上のための取
組みを行っていきます。
■かながわ中小企業支援プラットフォームの取組(予定)
○中小企業庁が実施する「中小企業・小規模事業者
ビジネス創造等支援事業※ 2」における専門家派遣
の窓口機能を構成機関が担います。
○国やプラットフォーム構成機関が実施する中小企
業支援施策に係る情報を発信します。
※ 2 中小企業・小規模事業者ビジネス創造等支援事
業の概要
☆中小企業・小規模事業者等の未来をサポートする
サイト「ミラサポ」を運営し、国や公的機関の支援
情報・支援施策をわかりやすく提供するとともに、
経営の悩みに対する先輩経営者や専門家との情報
交換の場を提供します。
URL https://www.mirasapo.jp/
☆中小企業者等に専門家を派遣します。
・対象となる経営課題
中小企業者等の自助努力のみでは解決が困難な
高度・専門的な課題であり、構成機関が専門的見
地からの支援が必要であると判断する課題です。
・専門家派遣回数
1社につき年間3回まで(無料)
・利用方法
上記「ミラサポ」をご参照いただき、お近くのプラッ
トフォーム構成機関までお問い合わせください。
<派遣までの流れ>
プラットフォーム構成機関
②派遣依頼
専門家
ミラサポ
②’
派遣依頼
①相談
中小企業
③派遣支援
8月29日に発起会を開催しました
*②’
の派遣依頼は 2 回目以降になります
※1 かながわ中小企業支援プラットフォーム構成機関(42機関)
(公財)神奈川産業振興センター、神奈川県商工会連合会、横浜商工会議所、川崎商工会議所、相模原商工会議所、
横須賀商工会議所、藤沢商工会議所、小田原箱根商工会議所、平塚商工会議所、厚木商工会議所、鎌倉商工会議所、
茅ヶ崎商工会議所、秦野商工会議所、三浦商工会議所、大和商工会議所、海老名商工会議所、神奈川県中小企業
団体中央会、(公財)横浜企業経営支援財団、(公財)川崎市産業振興財団、(公財)相模原市産業振興財団、(財)横須
賀市産業振興財団、(財)湘南産業振興財団、神奈川県信用保証協会、横浜市信用保証協会、川崎市信用保証協会、
(株)横浜銀行、スルガ銀行(株)、(株)東日本銀行、(株)神奈川銀行、(株)八千代銀行、横浜信用金庫、三浦藤沢信用
金庫、湘南信用金庫、川崎信用金庫、平塚信用金庫、さがみ信用金庫、中栄信用金庫、中南信用金庫、芝信用金庫、
城南信用金庫、(公社)日本技術士会神奈川県支部、(一社)神奈川県商工会議所連合会
●お問い合わせ 経営改善支援課 TEL 045(633)5202
6
中小企業サポートかながわ 2013-9
経営革新について
平成25年度「公的補助金活用説明会・個別相談会」開催報告および次回開催予定
平成25年度「公的補助金活用説明会・個別相談会」の
開催について
KIPでは、8月5日(月)
、第1回中小企業者向け公的補助金活用説明会・個別相談会を開催しました。その
内容をご紹介します。
<SBIR制度について>
中小企業技術革新制度(SBIR制度)とは、国の関係省
庁が連携して、中小企業者の研究開発の促進と事業化
を支援する制度で、1998 年に開始されました。国の
関係省庁は、中小企業者の新たな事業活動につながる
研究開発のための補助金 ・ 委託費等を 「SBIR 特定補助
金」として指定・公募することで、中小企業者の研究開
発の機会の拡大を図っています。
<第1回公的補助金活用説明会・個別相談会の開催>
7月23日(火)
、「平成25年度中小企業者等に対する特
定補助金等の交付の方針」が閣議決定され、これにより
今年度の SBIR 補助金の支出目標額は約 455 億円と決ま
り、合わせて各補助金の募集が随時開始されました。
KIP では、県内中小企業者の経営を支援するという
立場から、SBIR制度の活用を推進しており、例年7月
から8月にかけて、同制度の説明会を開催しています。
今年度の第1回説明会は 8 月 5 日(月)に開催され、
17 社が参加しました。講師から今年度の補助金の募
集動向や、応募にあたっての基本的な知識や申請準備
の方法について説明があり、説明会終了後は、個別相
談会が開催されました。
出席者の大半が個別相談会に参加し、自社の経営内
容や研究開発の方向性にフィットした補助金につい
て、講師から説明を受けました。
参加した経営者からは、「経営状況は厳しいが、他
社には無い強みを構築するためにも技術開発は続けて
いかなければならない。そのために SBIR 補助金は有
力な手段」とのコメントがありました。
<次回説明会・個別相談会の開催>
今年度第2回目の説明会・個別相談会は10月以降に
開催予定です。詳細は下記特設ホームページ等で公表
しますのでご覧ください。皆さまのご参加をお待ちし
ています。
平成25年度SBIR制度特設ページ
URL http://www.npo-pro.com/sbir/
<SBIR申請に必要な9つのステップ>
①現状を整理する
②事業計画を立案する
③自社に適した補助金・委託費を選択する
④申請書類を知る
⑤審査基準を知る
⑥研究テーマを磨く・研究体制を構築する
⑦市場性・優位性を明確にする
⑧研究開発費を見積もる
⑨県や市、その他の補助金を知る
(平成25年度版SBIR公的補助金申請マニュアルより)
* 今年度の SBIR 制度に関する業務は、総合プロ
デュース協会に委託されています。制度や説明会に
ついては、下記までお問い合わせください。
●お問い合わせ
特定非営利活動法人総合プロデュース協会
SBIR事務局 TEL 045(381)8576
事業化支援課 TEL 045(633)5203
中小企業サポートかながわ 2013-9
7
経営革新について
産技センターからの事例のご紹介
技術開発による「経営革新」の事例紹介
~太陽追尾型太陽電池システムの開発~
平塚市の有限会社グリテックスインターナショナルリミテッド(代表取締役 森下惠右氏)は、1978年の創
業以来、「未来技術を掴む」をモットーに独創的アイデアとメカ・ソフト・ハードの総合的技術力で高品質な製
品を生み出してきました。
2012 年度には、新たな技術開発をベースに中小企業新事業活動促進法の経営革新計画の「承認」を受ける
とともに、産業技術センターと「スマートエネルギーシステム導入」に係る共同研究で太陽光発電に係る新た
なシステム開発に取り組んでいますので、その概要をご紹介します。
○会社概要
(有)グリテックスインターナショナルリミテッド
は、1978 年に創業され分析機器、試験機等の企画か
ら設計・製造・販売までを手掛けてきた従業員 3 人の
企業です。
○技術開発への取組み
機構設計、電気回路設計や組み込みソフト、Visual
Basic 等の技術を有し、製品の大半は特殊抵抗測定装
置、ロボットなどをOEMで開発・製造してきました。
○経営革新への取組み
今後、会社を発展させていくには利益率が低下傾向
にある OEM 生産から、独自技術を活かした自社ブラ
ンド製品の売上げを増やしていく必要性を感じていま
した。
そこで、今後拡大が望める太陽光発電市場で、独自
に「光源自動追尾センサー・コントローラーシステム」
の研究開発に取り組んで開発に成功し、その成果を実
用新案登録しました。
この技術をベースに再生可能エネルギー関連産業へ
の参入をめざして、応用製品を開発・商品化する 「経
営革新計画」を立て、2012 年 8 月に中小企業新事業活
動促進法に基づく承認を得ました。
○産業技術センターとの共同研究の取組み
県が進める 「スマートオフィス ・ スマートファクト
リー」普及への取組みとして、2012年度に公募された
「中小企業との共同研究開発」 募集に応募したところ
採択され、現在 「光源自動追尾センサ- ・ コントロー
ラーシステム」(商品名 「太陽おっかけ」 )の実証研究に
取り組んでいます。
○太陽追尾発電装置の開発・研究の内容
通常、太陽光パネルは太陽光量が最大となる南中時
に最大効率になるように南方向に設置します。しかし、
太陽の周天運動により、最大効率で発電できるのは太
陽がパネルに対して正対する間の短時間であり、前後
の時間は効率が低下します。効率を向上させる方法と
して、パネルに駆動機構を設け、常にパネルを太陽に
正対し続ける手法が考えられます。
従来、複雑な制御器を用いたプログラム式が用いら
れていましたが、装置が高額かつ、トータルでの発電
量は機能に見合うものではありませんでした。そこで、
自社で開発した高精度な受光素子を使用した全天空視
野角センサーを用いることで、固定型に比較して採算
性が良いシステムを研究開発しています。
特に、船舶のような移動体に設置し、太陽の方向に
規則性がない環境において、太陽追尾式パネルと同サ
イズの固定式パネルとの比較実験を行い、有用性・実
用性を確認し、利点や問題点の抽出を行っています。
この装置は移動体のみならず、駐車場、丘陵地等、固
定型では対応できない場所に使用できる利点がありま
す。
光源自動追尾センサーを付けた
「太陽おっかけ」
○今後の取組みについて
現在、移動体専用の追尾機構の開発を進めています。
さらに、駆動装置の信頼性を高めながら低価格化を進
め、さらなる経済性の向上をめざしています。
今後の予定として、移動体での実験を継続しパネル
の効率と実用性の向上を図りつつ、工場環境などへの
適用方法を検討し、産業界への普及、貢献に海外も視
野に入れて取り組んでいく予定です。
●お問い合わせ 県産業技術センター研究開発連携室
TEL 046(236)1500(代表)
8
中小企業サポートかながわ 2013-9
経営革新について
「ベンチャー企業販路開拓ナビゲート事業」募集案内
販路をお探しのベンチャー企業の皆さま
販路開拓ナビゲート事業をご活用ください!
「ベンチャー企業販路開拓ナビゲート事業」 は、経験豊富な販路ナビゲータ(企業OB等)が持つ幅広いネッ
トワークを活用し、ベンチャー企業が開発した製品 ・ サービスをナビゲータと二人三脚で、販売候補先を訪
問していただくものです。
<募集概要>
■募集期間 9月2日(月)~ 9月20日(金)
■応募要件
次の(1)~ (3)のいずれかに該当する企業
(1) 中小企業支援機関から高い評価を受け、KIPへ推
薦があった企業
(2) KIP の実施事業で高く評価され、KIP 各部から推
薦された企業
(3) 次のいずれかに該当する事業での受賞等から3年
以内である企業
・イノベーション促進支援事業でA評価以上の企業
・かながわビジネスオーディションの入賞者
・かながわスタンダードの認定企業
・神奈川工業技術開発大賞の受賞企業
・創造的新技術研究開発計画の認定を受けた企業
■販路開拓の対象
次の事項をすべて満たす製品・サービス等 ( 一部対
象外あり)。
①新規性があること
②自社で開発されたものであること
③販路がまだ確立されていないものであること
<スケジュール>
1 公募(9月20日(金)まで)
2 選定オーディション(10月11日(金)開催予定)
* 販路ナビゲータの前でプレゼンテーションを
行っていただきます。
3 選定委員会(10月下旬)
* 支援企業を選定します。
4 現地調査(11月上旬~ 11月中旬)
5 マッチング(11月下旬~ 2月下旬)
* 支援決定後、販路ナビゲータとともに紹介企業へ
●お問い合わせ
事業化支援課 TEL 045(633)5203
選定オーディション
の様子
新たな取引先をご紹介します!
月の巡回あっせん相談
10
KIPでは、県内中小企業者等の皆さまの安定的な取引の確保・拡大を図るため、受・発注取引のあっせんを行っ
ています。あっせんのご相談は、KIPの他に県内7地区の商工会議所等とKIPの川崎・相模原両駐在事務所でも実
施しています。新たな販路開拓をお考えの皆さま、お近くの会場をご利用ください。
開催場所・日時
会場
藤沢商工会議所
小田原箱根商工会議所
日時
1日(火)
13:00~ 16:00
9日(水)
13:30~ 16:00
横須賀三浦地域県政総合センター
10日(木)
秦野商工会議所
11日(金)
大和商工会議所
15日(火)
13:00~ 16:00
平塚商工会議所
16日(水)
13:30~ 16:00
13:00~ 16:00
●お問い合わせ 取引振興課
TEL 045(633)5067
13:00~ 16:00
茅ヶ崎商工会議所
21日(月)
川崎駐在事務所※1
毎週木曜日
13:00~ 17:15
9、23日
(水)
13:00~ 16:00
※2
相模原駐在事務所
※1 川崎市産業振興会館6F
「(公財)
川崎市産業振興財団」
内
※2 相模原商工会議所商工会館3F
「相模原商工会議所」
内
* 相模原商工会議所の専門相談として実施
しています。
中小企業サポートかながわ 2013-9
9
経営革新について
アドバイザー派遣制度のご紹介
皆さまの経営課題の解決に向け
KIPが専門家(経営アドバイザー)を派遣します!
厳しい経営環境のなかで、創業や経営改善に取り組む中小企業者の皆さまが抱える、さまざまな経営課題
に対して、KIPが専門家
(経営アドバイザー)
を派遣し、課題解決のためのアドバイスを行います。
専門家という第三者の視点から、今までと違ったアプローチで経営課題の解決に取り組み、業績向上・事
業拡大につなげてみませんか。
■利用できる企業
県内に事業所を有する中小企業者または中小企業者
のグループが対象です。
対象となる業種はさまざまですが、「風俗営業等の
規制及び業務の適正化等に関する法律第 2 条に規定す
る業種」は対象外です。
■専門家の選定
派遣する専門家は、中小企業診断士をはじめ、経営
や技術の専門知識を有し、中小企業者に対して適切な
診断・助言のできる方々です。
希望される方をご指定いただくか、KIP が課題解決
に適した専門家を紹介し、そのなかからお選びいただ
きます。
■派遣回数
個別の企業は8回、中小企業者グループは20回を上限
(* 1回3時間、1日につき2回まで実施可能)
■費用
新規利用 10,500円/回(うち消費税500円)
継続利用 15,750円/回(うち消費税750円)
■申込方法
ホームページより「経営アドバイザー派遣申込書」を
ダウンロードし、企業経歴書(会社パンフレット等)を
添えて、お申し込みください。
なお、年度途中であっても、予算枠に達し次第、申
し込みを終了させていただきますので、あらかじめご
了承ください。
●お問い合わせ 経営改善支援課 TEL 045(633)5202
URL http://www.kipc.or.jp/?p=236
健康コラム③
健康コラム①
外ではもちろん、
社内でも「紫外線対策」はバッチリと!
中小企業等で働く皆さまの健康維持・向上のために、神奈川県のご協力で
“健康”
をテーマにしたコラ
ムを連載してます。
第3弾の今回は、まだまだ油断できない
「紫外線」
です。
夏の間は気にしていた日焼け対策、9 月になると
忘れがちになっていませんか。日焼けの主な原因で
ある紫外線は、1 年のうちで7~ 8 月が最も多いで
すが、9月もまだ油断は禁物です。
紫外線にはビタミンDの生合成や皮膚疾患の治療
など良い面もありますが、日焼けやシミ、しわの原因
となるなど悪い面もあります。紫外線によるシミ、し
わなどは光老化とよばれ、加齢によって起こるものと
は異なります。光老化はその人が浴びた紫外線の総量
が影響するため、予防することができます。以前は勧
められていた赤ちゃんの日光浴も紫外線による影響
がわかってきたため、直接強い日光を浴びすぎないよ
うに紫外線防止対策が行われるようになりました。
10
中小企業サポートかながわ 2013-9
通勤やランチタイムの外出に限らず、社内であって
も紫外線の影響は避けられません。午前10時から午
後2時頃までは紫外線が強いため、外出時にはより注
意が必要です。肌を紫外線から守るために、日傘や帽
子、サングラスを活用したり、日焼け止めクリームを
効果的に使ったりなどを心がけるようにしましょう。
気象庁のホームページには今日の紫外線量などの
情報が出ていますので、参考にすると良いでしょう。
また、特に赤道付近の国など海外に行かれる場合は、
紫外線対策を忘れずに。
●お問い合わせ
県茅ヶ崎保健福祉事務所保健予防課
TEL 0467(85)1171(内線254)
平成25年度第1回新規事業成功講座の
開催について
満員
御礼
ドリカムサロン「第1回新規事業成功講座」
KIP では創業者向けのイベントやセミナーを開催するドリカムサロン事業を展開しています。その一環と
して、6 月から 8 月にかけて、新規創業者や事業の多角化を検討する企業経営者向けのビジネス講座を開催
いたしました。その内容をご紹介します。
アイデアを形にするビジネス講座
今回のセミナーは、創業や事業の多角化を考えてい
る方を主な対象者とし、ビジネスアイデアをカタチに
するための知識を中心に取り上げました。
初日は創業や事業の多角化を行う上で最低限必要な
会計や労務の知識や心構え、自社や経営者自身の持つ
経営資源を分析し新規事業につなげるための基本的な
経営戦略ツールについて解説を行いました。
2 日目は受講生からの要望に沿う形でマーケティン
グを中心に取り上げ、STP ※ 1 や 4P ※ 2、計画上のコン
セプトの重要性について解説を行いました。
最終プレゼンテーションの実施
今回のセミナーは 3 日間シリーズで行い、最終日に
は、参加者全員が1人15分間のプレゼンテーションを
行ないました。多人数の前でプレゼンテーションを行
うことで自信がつきますし、たくさんのプレゼンテー
ションを聞くことで、自身のビジネスプランやプレゼ
ンテーションスキルを客観視できます。その結果、ビ
ジネスプランとプレゼンテーション技術双方の向上が
期待できます。
講師は一部を除き KIP のマネージャーや経営の知識
がある職員が担当しました。現場経験が豊富なマネー
市場環境が厳しい今だから
こそ、企業は市場や顧客を知
る努力が求められます。
マーケティングは、そのた
めの知識を提供してくれます。
担当職員 浜野
ジャーからは、実際の成功事例や失敗事例が随所で説
明され、理論と実践がかみ合った講座となりました。
ディスカッションでビジネスプランを成長させる
素晴らしいビジネスプランを考えていても、その内
容が他人に理解されなければ、
ビジネスは成功しません。
よって今回のセミナーでは、受講生同士でビジネスアイ
デアをディスカッションする時間を設け、自身のアイデ
アを他の受講生に説明し、その反応や感想をもとにアイ
デアを修正していくことで、より実現性が高く魅力的な
ビジネスプランの作成をめざしました。
次回開催
今回の講座は8月3日(土)で終了しましたが、2回目
を下半期に開催する予定です。募集は KIP ホームペー
ジやメールマガジン等で行います。皆さまのご参加を
お待ちしています。
●お問い合わせ
事業化支援課 TEL 045(633)5203
※1 市場を細分化することで、効果的に市場を開拓するためのマーケティング手法の1つ
※2 製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の4つの視点から参入市場にフィット
した商品や製品・サービスの展開を考えること。4つのPの整合性が確保されていることが重要
中小企業サポートかながわ 2013-9
11
県からのご案内
成長するインベスト企業のご紹介
確かな技術力で日本のものづくり産業を支える
共進精機株式会社
県の企業誘致施策であるインベスト神奈川 2nd ステップ+※ 1 の支援策の1つである 「産業集積支援融資制
度※2」をさらに深く知っていただくため、本制度をご利用いただき成長している企業をご紹介します。
今回は、本制度をご利用いただき本社工場を建設した共進精機株式会社の木村勲社長と林哲男常務取締役
に、制度ご利用後の業況や今後の事業展開についてお伺いしました。
す。今後の事業展
開としては、こう
いった大型の製品
を主力として生産
能力をさらに高め
ていきたいと考え
大型のスクリュー
ています。
Q 最後に、本制度を利用された感想を教えてくださ
い。
産業集積支援融資により低金利で融資を受けられた
こと、本制度を利用したことを金融機関が評価してく
れ、スムーズな融資を受けられたことです。今後もイ
ンベスト神奈川の取組みに期待しています。
企 共進精機株式会社 本社工場
業 所在地 川崎市幸区新川崎2-10
デ
TEL 044
(589)
0081
タ URL http://www.kyoshin-ksk.co.jp/
ー
Q 初めに、御社の事業
概要について教えてく
ださい。
当社は 1968 年に設立
し、プラスチック・ゴム
製 品 の 押 出 機・ 射 出 成
形機の心臓部とも言え
る「スクリュー・シリン
木村勲社長(写真右)と
ダー」の製造を行ってい
林哲男常務取締役(同左)
ます。
Q 次に産業集積支援融資制度の利用時期と、本社・
工場の立地場所を教えてください。
産業集積支援融資は、2011 年 3 月に、総投資額約
10億円のうち、3億4千万円の融資を受けました。
現在の本社工場には、2012 年 5 月に移転しました。
JR横須賀線・湘南新宿ラインの新川崎駅から徒歩5分、
川崎市幸区の新川崎A地区にあります。
新川崎A地区は、神奈川県の企業誘致の担当者を通
じて川崎市の職員から紹介されましたが、鉄道・車の
アクセスが極めて良く、たいへん満足しています。
Q 新工場への移転のきっかけは何でしょうか?ま
た、建設された新工場と旧工場の違いを教えてくだ
さい。
旧工場は 1998 年から使用していましたが、老朽化
し手狭になったことや近隣に賃借している第 2 工場を
集約化するために全面移転しました。
以前の工場は 2 階建てでしたが、新工場では1階建
てとなったことから全工程を見渡すことができるよう
になり、生産ラインが増強され生産効率が上がりまし
た。
Q 御社の今後の事業展開について教えてください。
当社の強みは、1 本もので最大 10 メートル、つな
ぎで 15 メートルという大型の製品に対応可能なこと、
表面処理と焼入以外は全て自社で行っていることで
* 詳細はお問い合わせまたはホームページをご覧く
ださい。
●お問い合わせ
県金融課資金貸付グループ
TEL 045(210)5681
URL http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f5779/
※1 平成22年度から始まったインベスト神奈川2ndステップのうち25、26年度を取組期間として、研究開発機能の集積や技術力の
ある中小企業、豊富な産業人材など、神奈川ならではのポテンシャルを活かしつつ、さらなる成長支援に向け、企業ニーズに応
える施策を総合的に展開しています。
※2 県内の工業団地などで工場や研究所等を新設または増設しようとする中小・中堅企業に対し、土地の購入や建物・設備の整備
に必要な資金を、低利・長期・固定で融資する制度です。融資利率は、県が金融機関に対して補助を行うことで0.9%以内から1.5%
以内(業種や立地場所により異なる)、融資期間は最大15年以内
(2年以内の据置期間を含む)
と長期の設定が可能です。
12
中小企業サポートかながわ 2013-9
県からのご案内
神奈川県中小企業制度融資
県内の中小企業者を金融面から支援しています!
~ 神奈川県中小企業制度融資をご活用ください ~
県では、県内の中小企業者等の皆さまを金融面から支援する「中小企業制度融資」を金融機関と協調して実
施しています。この制度融資は、県が貸付原資の一部を負担し、取扱金融機関が低利の融資を行うもので、
さまざまな融資のメニューがあります。このなかから、今回は「小口零細企業保証資金」をご紹介します。
■小口零細企業保証資金
○対象 従業員数※ 20 人(商業・サービス業の場合は
5人)
以下の会社または個人事業者等
※ 従業員数は、常時使用する従業員を対象とします。
このため、一時的に雇用している臨時従業員、法人
の役員、個人事業者の三親等内の親族は従業員数に
含めません。
○限度額 1,250 万円(既存の信用保証協会の保証付
き融資残高を含みます)
○融資期間および融資利率
・1年以内 年1.4%以内(固定金利)
・1年超5年以内 年1.9%以内(固定金利)
・5年超7年以内 年2.1%以内(固定金利)
○資金使途 運転資金・設備資金
○返済方法 毎月割賦返済(6カ月以内の据置き可)
1年以内の場合は、一括返済も可
○信用保証 県信用保証協会の保証※が必要
※ 信用保証料が別途必要となります。
○お申し込み 県制度融資の取扱金融機関
●お問い合わせ
県金融課融資グループ TEL 045(210)5677
金融相談窓口 TEL 045(210)5695
他の融資もあります。
詳細はホームページをご覧ください。
URL http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f5782/
または
神奈川県 制度融資
検索
産技センターからのご案内
「神奈川県ものづくり技術交流会」を開催します!
オープンイノベーション ~広げよう!創造のネットワーク!~
大学や産業技術センター他各研究機関の研究成果、企業による製品開発事例、県や製造業支援機関の事業
紹介など最新の情報を発表します。産学公の技術連携を図り、オープンイノベーションを実現するチャンス
です。ぜひ、ご参加ください。
○開催日 10月23日(水)~ 25日(金) 9:00~ 17:15
○会場 県産業技術センター
(海老名市下今泉705-1)
○参加費 無料
(9月18日(水)から受付開始予定)
○主な内容
◆さがみロボット産業特区関連セッション
生活支援ロボットの実用化や普及を促進します。
・かながわロボットミーティング(23日)
◆かながわオープンラボ関連セッション
新規成長分野の研究開発を促進します。
・オープンラボ実施報告(25日午前)
◆スマートエネルギー関連セッション
太陽光発電や蓄電池を組み合わせたエネルギー需
給管理システムの研究開発・実証試験を紹介します。
・スマートエネルギー(23日午前、24日午前)
◆大学/県産業技術センターの連携フォーラム
・神奈川工科大「HEMS認証試験」
(23日午後)
・横浜国大「超寿命材料」
(24日午後)
・横浜国大「クリーンエネルギー材料」
(25日午後)
◆その他、ライフサイエンス、航空機産業、デザイ
ン、知的財産、機械・材料技術、電子技術、化学
技術の各技術分野についての研究・開発成果等の
発表やトピックスを紹介します。
◆ラボツアーの実施
多くのセッションで関連設備等の見学ツアー開催。
●お問い合わせ
県産業技術センター交流相談支援室
TEL 046(236)1500(代表)
詳細はホームページをご覧ください。
URL http://www.kanagawa-iri.go.jp/
中小企業サポートかながわ 2013-9
13
県からのご案内
神奈川県海外駐在員レポート
グローバル市場をめざす(株)富士通研究所からのスピンオフ企業
-バイオハブを目指すシンガポールとのコラボレーション事例-
神奈川県シンガポール駐在員 北邑 靖幸
シンガポールは、産業振興の長期戦略として研究開発を通じたバイオメディカル産業の育成に力を入れて
います。研究費助成制度や研究インフラの整備等を進め、それらを武器に世界各地の優秀な科学者や優良企
業に対して誘致活動を展開しています。今回は同国政府の取組みと、現地進出事例をご紹介します。
アジアのバイオハブをめざすシンガポール
シンガポール政府は、知識集約型産業時代の到来
に備えてバイオメディカル(生物医科学)産業に着目。
2000年に「バイオメディカルイニシアチブ」を公表し、
同産業を将来の国を支える基幹産業の1つに据えると
ころから大きく動き始めました。
計画では初めの 5 年間の目標を基礎研究基盤の確立
とし、次の 5 年間を実用化のための橋渡し・臨床研究
の強化と定め、実現に必要な具体策を次々に実行して
いくこととしています。
ハード面では、バイオ研究に特化した研究施設群
「バイオポリス※ 1」 の設置を行い、ソフト面では、研
究開発費の助成制度の整備や実験用動物の提供など、
研究者が研究に専念できる環境の整備に力を注いでき
ました。
その上で、政府が熱心に働きかけた結果、世界各国
の著名な研究者やノバルティスといった世界的大手製
薬企業の研究所が次々と
シンガポールに進出を決
めることとなりました。
米 国 に 本 社 を 持 つ P&G
社が、神戸にあったアジ
ア研究開発拠点のバイオ
ポリスへの全面移転を決
定したことは記憶に新し
バイオポリス入口
いと思います。
現地進出事例:Apta Biosciences Ltd.のケース
次に、現地進出事例として、バイオポリスで2010年
から活動している藤田医学博士
(元
(株)
富士通研究所
[本
社:川崎市])
グループのケースを紹介します。
藤田博士が所属していた富士通研究所は癌などの
診断薬の元となる「抗体※2に似せた人工化合物(人工抗
体)」 の開発・製造に特別な技術を保有していましたが、
社内で用途が見つからない状況にありました。そこへ
以前から共同研究をしていたシンガポール政府傘下の
科学技術研究所から声が掛かり、同研究所が持つ基礎
研究成果(理論)と、それを現実の化合物にする同社の
技術が互いの特許を侵さずに補完関係となり得ること
から、バイオポリスでの共同研究が2010年よりスター
トすることとなりました。
富士通研究所がシンガポールを選んだ理由
同社には他にも候補となった国がありましたが、①
政府が実用化研究支援に熱心に取り組んでいること、
②政府から研究費助成など好条件を提示されたこと、
③研究環境が良い点、具体的には、バイオ研究に特化
した施設の提供や、材料や検体の入手し易さ、提携先
の大学や研究機関が近いことなどが同国への進出の決
め手となったようです。
今後の展望
今回の共同研究により一定の成果を得た藤田博士の
グループは、同社が培ってきた技術をベースに事業化
を進める独立したスピンオフ企業Apta Biosciences Ltd.
を立ち上げ、8月から事業活動を本格化させています。
藤田博士は、 「会社も、社内で眠っている技術を海外の
資金で製品化する富士通発『スピンオフベンチャーの成
功例』となるよう期待している。既に前立腺がんや西ナ
イル熱ウィルス向けの人
工抗体の実用化の目途が
立っている。今後は広く
資金を募り、規模を大き
くして、世界の競合企業
に打ち克って行きたい」と
の意気込みを語ってくだ
さいました。今後の世界
への飛躍を期待したいと
藤田博士
思います。
●お問い合わせ
県国際ビジネス課国際ビジネスグループ TEL 045(210)5565
※1 バイオポリスはシンガポール政府が整備を進めるバイオメディカル研究のための総合研究施設群で、2003 年に1棟目が完成。
フェーズ4までの床面積の合計は東京ドーム7個分の約30万㎡となる予定。
※2 細菌やウィルスと戦うために体内で作られるたんぱく質の一種。
14
中小企業サポートかながわ 2013-9
県からのご案内
あなたらしい起業を考えてみませんか
~女性の起業入門セミナーのご案内~
県では、女性の就業支援の一環として、起業に興味を持っている女性を対象に、「女性の起業入門セミナー」 を次
のとおり県内3カ所で開催します。各会場とも、定員30人、午前10時から午後3時まで。起業に向けて「初めの第一
歩」 を踏み出すためのセミナーであり、初日のセミナー終了後には受講者同士の交流会を、2 日目のセミナー終了後
には先輩女性起業家による個別相談会を開催します。また、受講者のうち希望する方は、小学校就学前のお子さま
の託児サービスを利用できます。
自分のアイデアや技能を活かした仕事をしたいと考えている女性の方は、ぜひご参加ください。
○藤沢会場
会場 藤沢産業センター
(藤沢市藤沢109 湘南NDビル7F)
開催日 11月19日(火)、26日(火)
締切り 11月5日(火)
○川崎会場
会場 高津市民館
(川崎市高津区溝口1-4-1 ノクティ 2 11F)
開催日 12月5日(木)、12日(木)
締切り 11月21日(木)
○厚木会場
会場 プロミティあつぎ
(厚木市中町4-16-21)
開催日 11月21日(木)、28日(木)
締切り 11月5日(火)
●お問い合わせ
エキスパート・リンク(株)
(受託事業者) TEL 045(342)7172
URL http://ex-link.co.jp/
県労政福祉課両立支援グループ TEL 045(210)5744
URL http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/p668913.html
秋の神奈川を探訪しませんか
~「かながわ再発見キャンペーン」開催~
神奈川集中観光キャンペーン実行委員会では、今年も「かながわ再発見キャンペーン」を行います。今回のキャン
ペーンの事業内容を紹介します。
①観光キャンペーン ~県内の観光魅力をPR~
○開催日 10月9日(水)、10日(木)
○会場 横浜駅東口地下街(そごう前広場)
* パンフレット多数取り揃える予定
③「水の観光ツアー」を実施中
○12月まで実施(旅行企画・実施(株)日本旅行横浜支店)
* 県内の隠れた観光地や体験ができるツアー
URL http://ep.nta.co.jp/yokohama/
②特別企画弁当~県内産の食材を使用~
○販売期間 10月限定 崎陽軒店舗にて 850円
●お問い合わせ
①、②について
県観光課観光プロモーショングループ
TEL 045(210)5767
(公社)神奈川県観光協会
TEL 045(681)0007
③について
(株)日本旅行横浜支店
TEL 045(641)9604
神奈川観光情報サイト 「観光かながわ NOW」 では、
秋に開催する観光イベント等を情報発信しています。
URL http://www.kanagawa-kankou.or.jp/
平成25年度後期技能検定のご案内
技能検定とは、働く人々の技能を一定の基準によって検定し、これを公に証明する検定制度です。
合格した方は、厚生労働大臣又は県知事から合格証書が交付され、「技能士」と称することができます。
○受付期間 10月7日(月)~ 18日(金)
(日・祝を除く)
○受付場所 神奈川県職業能力開発協会
(横浜市中区寿町 1-4 かながわ労働プラ
ザ6F)
○実施職種 特級=鋳造など26職種、1級・2級=建築
大工 ・ パン製造など 35 職種、3 級=機械
加工など 14 職種、単一等級=電子回路
接続など4職種
○受検申請書配布場所(9月上旬から配布)
神奈川県職業能力開発協会、県立産業技術短期大学
校、各県立職業技術校、神奈川障害者職業能力開発
校、各地域県政情報コーナー
●お問い合わせ
神奈川県職業能力開発協会 TEL 045(633)5419
県産業人材課技能振興グループ TEL 045(210)5720
中小企業サポートかながわ 2013-9
15
県からのご案内
がんの早期発見に向けて
早期発見で治す、がん検診を受けましょう!
~大切な社員とその家族の健康を守るために~
がんは早期発見と早期治療で治癒率が高まります。身体への負担や検診に要する時間はわずかなことがほ
とんどです。「自分は健康だから大丈夫」といわずに検診を受けましょう。
日本人のおおよそ 2 人に 1 人が一生のうちにがんと
診断され、男性ではおおよそ 4 人に 1 人、女性ではお
およそ6人に1人が、がんで死亡しています。
自覚症状のない早期のがんの発見には、がん検診が
欠かせません。
がんの5年相対生存率(2005 年診断患者)
(%)
100 90.7%
80
60
58.2%
94.0%
71.9%
68.8%
40
96.9%
76.1%
86.4%
60.3%
56.1%
26.4%
20
0
検診でがんが発見された場合
検診以外でがんが発見された場合
98.6%
88.7%
91.9%
がんが、検診で見つかった場合と、自覚症状が出て
から見つかった場合とでは、がんが見つかってから 5
年後の生存率が大きく異なります。
がん検診は、がん治療の成果のカギといえます!
胃がん
結腸がん
直腸がん
肺がん
乳がん
子宮がん
全部位
地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター調べ
●お問い合わせ
県がん対策課がん対策グループ
TEL 045(210)5015
神奈川県中小企業再生支援協議会のご案内
経営の先行きに不安を感じたら、まずはご相談を!
「神奈川県中小企業再生支援協議会」では、再生計画作りのお手伝い、金融機関等との調整などの支援を
行っています。事業再生をお考えの中小企業の皆さま、まずは一度、ご相談ください。
次のような中小企業の皆さまを支援します!
・事業再生に熱い意欲がある
・事業自体は円滑だが、過去の借入金の返済負担等
で、資金繰りが悪化している
・事業存続の見通しはあるものの、事業の見直しや
金融機関調整が必要となっている など
編
集
後
記
16
~ご相談の際は、次の資料をご準備ください~
①決算書(直近3期分)
②資金繰り表(6ヵ月分)
③借入金表
(金融機関からの借入条件等がわかる資料)
④会社概要(業務内容がわかる資料) など
●お問い合わせ 神奈川県中小企業再生支援協議会
TEL 045(633)5143
今月号の企業インタビュー「(株)丸う田代」のように、人事制度の見直しを課題とする
中小企業者は多いかと思います。制度を変えることはとても大変なことですが、企業の
さらなるレベルアップをめざし、社員のやる気を高めるための制度作り、ぜひ参考にし
てください。
次号も
「経営革新」をテーマに、進化しつづける中小企業者のインタビューや各種制度
紹介を発信していきますので、楽しみにしてください。
中小企業サポートかながわ 2013-9
●お問い合わせ 経営企画室 TEL 045(633)5201
担当:玉野