2015 年版 インドにおける問題点と要望 1/35 貿易

2015 年版
インドにおける問題点と要望 1/35
インドにおける問題点と要望
区分
1 外資参入規制
意見元
No 問題点
問題点内容
要望
準拠法
自動部品 (1) 株式譲渡価格の内 ・株式譲渡の場合、インド非居住者が株式をインド居住者に譲渡する場合は評価 ・株式譲渡価格は当事者間で決定できるよ ・インド外国為替管理法
外差別
価格以下でなされなければならい。逆にインド居住者が非居住者に株式を譲渡 うにする。
・インド準備銀行 2014 年 7
する場合は評価価格以上で譲渡されなければならない。
月 15 日付通達
日機輸
(2) 小売分野への外資 ・単一ブランド商品を販売する小売業は、2012 年に外資 100%までの出資が可 ・左記の各種規制条件の緩和、及び速やか ・FDA Policy Notification
of DIPP
参入規制
能になったが、51%を超える出資には調達規制(調達額の 3 割を小規模企業か な規制撤廃。
らの国内調達)が適用される。
また、スーパーやコンビニなど複数ブランドの商品を扱う総合小売業は 2012 年
に条件付きで 51%まで外資出資が可能になったが、最低投資額 1 億ドル、3 年
以内にバックエンド・インフラ(物流関係、倉庫、製造等)に投資額の 50%以上を
投資すること、調達額の 3 割は小規模企業から行うこと、人口 100 万人以上の都
市を対象とすること等の条件が付くため、小売り分野での外資進出は遅々として
進んでいない。特に日系企業の進出は慎重であり、ビジネスパートナーとの取組
推進の障壁となっている。
(対応)
・2011 年 11 月 24 日、連邦内閣は小売り部門における新外国直接投資(FDI)政策を承認し、シングルブランド及びマルチブランド小売り部門における
FDI の自由化を承認した。特に新 FDI 政策は、一定の要件を付して、シングルブランドの小売り取引に対する外資出資比率の上限を現在の 51%から
100%にまで引き上げており、マルチブランド小売業に関しては、新 FDI 政策は外資出資比率を 51%まで認めている。
この小売り部門への FDI 自由化の決定をめぐっては、政党間で激しい議論が展開され、新 FDI 政策は実施が見合わされてきたが、2012 年 9 月 14 日、
小売業の外資規制緩和が再び閣議決定され、9 月 20 日商工省の産業政策促進局(DIPP)は実務的な手続き規則を官報公示、即日施行した。但し、マ
ルチブランドを扱う小売業への外資参入には、①最低資本金 1 億ドル、②最初の投資から 3 年以内に投資額の 50%をインフラ整備に充てる、③製品調
達額の 30%をインド国内の小規模企業(投資額 100 万ドル以下)から調達、④100 万人以上の都市への店舗立地、⑤販売する農水産品は固有ブランド
がないもの、といった要件が課されており、出店に際しては州又は連邦直轄地の許可を要する。シングルブランドについては、外資出資比率が 51%超と
なる場合、販売する製品の調達額の 3 割を国内調達とするなどの条件が付されている。
・2014 年 5 月の下院選で与党となったインド人民党(BJP)のマニフェストで国内中小企業を保護するためスーパー等の総合小売業を再禁止するとしてお
り、9 月 8 日、モディ政権の商工相は総合小売業を再禁止する方針に変わりはないと発言した。
・インドの 2016 年度(2016 年 4 月∼2017 年 3 月)予算案には、インド国内で生産・加工された食品の販売について、100%の外資出資を認める規制緩和
措置が盛り込まれた。
・2016 年 3 月 29 日、インド商工省は、在庫を持たない「マーケットプレイス型」の企業・消費者間(B2C)電子商取引(e-commerce:以下、EC)について、
外資による 100%出資を自動認可ルートで認めた。(Press Note No 3(2016 Series))
日商
(3) 取締役居住要件
日機輸
・公開会社、非公開会社ともに、取締役のうち 1 名以上は、前暦年に 182 日以上 ・規制の緩和、撤廃。
インドに滞在していた者である必要がある。日本人を取締役としたい場合、後任
者を前もってインドに派遣する必要が生じるなどアレンジが困難。
・新取締役選定・登録にあたり、取締役番号(DIN)およびデジタル署名(DSC)取 ・FRO 書面での手続きを認めてほしい。
得が必要となるが、住居証明書類が厳格に求められ、当初ホテルに滞在する新
任取締役では電気料金請求書などがまだなく、手続きに時間を要している。
インド政府の公的書面である外国人在留登録証(FRO)で手続きを受け付けて
もらえない。
・The Companies Act
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
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区分
意見元
日機輸
4 撤退規制
建産協
8 投資受入機関の JEITA
日機輸
問題
9 輸出入規制・関 時計協
税・通関規制
日商
日機輸
日機輸
No 問題点
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 2/35
準拠法
(対応)
・新会社法 149 条第 3 項は、すべての会社は、全暦年に少なくとも 182 日以上インドに滞在した取締役を少なくとも 1 名選任しなければならないと規定し
ている。
(4) 新会社法における ・新会社法においても、非公開会社の最低株主数 2 名の規制が残り、100%子会 ・最低株主数 1 名を認めてほしい。
・The Companies Act
最低株主数の規制 社の場合に不必要な手続き・費用をかけている。現時点でも 1 株のみの親会社
を設けるなど、ほぼ実益なく、改訂が望まれる。
(1) 駐在員事務所の閉 ・現地法人設立後に現地進出調査目的で設立した駐在員事務所を閉鎖する手 ・手続きの簡素化、時間短縮化。
鎖手続の煩雑・遅 続きが煩雑且つ時間を要する。
延
(対応)
・インドでは、会社の閉鎖、清算は法的に可能であるが、裁判所が関与する手続きでスムーズに行かず問題が多い。一般に、現地法人を閉鎖して撤退す
る場合、裁判所による清算と自主精算によるが、現地法人の閉鎖にはいずれも管轄の高等裁判所における手続が必要であり、時間と費用がかかるが、駐
在員事務所や支店を閉鎖する場合は、一定の必要書類をインド準備銀行が認定する AD Category-I Bank を通じてインド準備銀行に提出すれば足りる
ため、現地法人の閉鎖と比較して時間と費用が少なくて済むとみなされている。
(1) 州による投資恩典 ・新規投資に対する恩典の内容が州ごとに異なっている。
・州ごとに異なる恩典の内容を調和してほし
い。
の相違
・今後、新しい恩典が確立された場合、すで
に投資済の事業においてもそのメリットが
享受できるようにしてほしい。
(対応)
・2014 年 1 月 25 日、インド商工省は、電子機器製造クラスター(EMC)スキームの電子システム設計・製造(ESDM))セクターへの投資を奨励するための
総合的な投資優遇措置の日本への適用を発表した。
(1) 高輸入関税
・時計類の関税は完成品で 10%、ウオッチムーブメントで 5%、クロックムーブメン ・関税の低減および撤廃。
・関税法
ト 10%であり、2011 年の日印 EPA 発効により日本原産の時計関税は 10 年間
で撤廃される。
一方で、基本関税に加え、相殺関税(12%)、教育目的税(3%)、特別追加関税
(4%)の上乗せが継続され実質的に高関税となっている。
・単機能プロジェクタが無税(ITA 製品)である一方で、多機能プロジェクタに高関 ・問題解決への働きかけをご検討頂きたい。
税を課している。
・ITA 拡大に関する最新情報の確認とご提
供を頂きたい。
・今後の動向についても継続的に情報をご
提供頂きたい。
・高輸入税率。
・関税軽減。
(対応)
・2003 年 10 月、インドは ASEAN との間で FTA 枠組協定を締結して、アーリーハーベストや段階的関税引下げなどで合意したが、例外品目や原産地規
則などをめぐって交渉が難航している。
・2007 年 12 月 20 日、印星包括的経済連携協定(CECA)が改定され、539 品目(HS8 桁レベル)が新たに自由化対象品目に加えられた。
・2008 年 8 月 28 日、インド・ASEAN FTA が合意に達した(2009 年 1 月発効見通し)。
・2008 年 8 月 7 日、インド・韓国経済連携協定(CEPA)が署名された。2010 年 1 月に発効の予定。同協定に基づきインド側は、関税品目の 85%の関税
を撤廃することになる。
・2009 年 6 月 19 日、インドはシンガポールとの包括的経済協力協定(CECA)に基づき、段階的な輸入関税引下げを実施する通報 No.69/2009 及び
70/2009 を公示した。
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No 問題点
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 3/35
準拠法
・2009 年 7 月 6 日、インドのプラナブ・ムカジー財務相は、インド連邦議会下院(Lok Sabha)に 2009-2010 年度連邦予算を提出した。同予算は、全体的
な関税率の構造に変更を加えておらず、工業品に対する最高税率は 10%に据え置かれ、5%と 7.5%の中心的な税率もそのまま維持されている。関税に
変更があった主なセクターには、機械、ソフトウェア、医療機器及び消費財(電子情報製品)などが含まれる。
・2009 年 8 月 13 日、インドは ASEAN と物品貿易(TIG)協定に署名した。この TIG 協定は、ASEAN−インド包括的経済協力協定(CECA)の一部を形
成することになっている。TIG 協定は 2010 年 1 月発効の予定。
・2010 年 2 月 26 日、ムカジー財務相は、下院(Lok Sabha)において、インドの 2010/11 年度連邦予算案を発表した。同予算案は、一部分野への輸出優
遇措置を延長するとともに、経済の監視と財政安定の確保を任務とする財政安定・開発委員会(Financial Stability and Development Council)の設
置を提案している。同予算案はまた、物品税の基本税率を 8%から 10%に引き上げている(一部例外あり)。関税の最高税率は変わらない。そのほか、農
業、環境、医療、インフラの各分野に影響を与える多くの優遇措置も提案されている。大半の品目に対する関税の最高税率を引き続き 10%とする。
以下の設立・拡張に対する譲許関税率を 5%とし、サービス税を免除する。
−冷蔵保管、冷蔵室、冷凍庫(養蜂、園芸、酪農、鶏肉、水生生物、海産物などの農産品・関連製品の保存、貯蔵又は輸送のための予冷機を含む)
−上記製品の加工装置
【環境】:太陽熱発電装置の初期組み立てに必要な機械、機器、設備、器具などに対して 5%の譲許関税率を適用するとともに、一定の条件付きで中央
物品税を免除する。地熱ポンプは、基本関税と特別追加関税を免除する。風力発電機用回転翼の製造に必要な一部の投入財は中央物品税を免除す
る。LED ライトに対する中央物品税を 8%から 4%に引き下げる。電気自動車の製造に対する物品税を 4%に修正する(投入財や構成部品に対して支
払われる物品税を無税にするため)。また電気自動車の一部の重要な構成部品又は部分組立品については、一定の条件付きで基礎関税と特別追加
関税を免除する一方、4%の相殺関税を課す。
上記の優遇措置及び免除措置は、2013 年 3 月 31 日まで有効である。科学工業研究委員会(CSIR)が開発した、人力のみで走る通常の人力車に代
わる“soleckshaw”に対して 4%の物品税を適用する。“soleckshaw”の主要な構成部品・部品に対する関税と特別追加関税を免除する。堆肥化可能
ポリマーは、輸入時の基本関税を免除する。
【インフラ】:都市交通計画用のモノレールに“project import status”を与え、5%の基本関税率を適用する。また道路建設用の一定の中古機械につい
ては、減価償却後の価格で輸入関税を支払うことを認める。携帯電話の附属部品の製造を奨励するため、充電器とハンズフリーヘッドホンの部品につ
いて基本関税と相殺関税を免除する。携帯電話機の製造に使用する部品・構成部品・附属部品、当該部品・構成部品の製造用の副部品、携帯電話機
の充電器・ハンズフリーヘッドホンの製造用の部品・構成部品は、一定の条件付きで基本関税と特別追加関税をすべて免除する。
【医療】:すべての医療器具に対して 5%の基本関税と 4%の相殺関税を課し、特別追加関税を免除する。医療器具に使用される部品・附属部品につい
ては、5%の基本関税を課し、相殺関税は免除する。一部の医療器具(サポート器具、リハビリ用器具など)に対する基本関税と相殺関税は引き続き免
除する。整形外科用のインプラントの製造に利用される一部の投入材は、一定の条件付きで輸入関税を免除する。
【その他】:スポーツ用品の製造に利用される一部の投入財や原材料は、基本関税を免除する。電子レンジの製造に使用される主要構成部品であるマグ
ネトロンに対する基本関税は 10%から 5%に引き下げる。
・日・インド包括的経済連携協定(IJCEPA)が 2011 年 2 月 16 日に署名され、同年 8 月 1 日に発効した。
・2011/2012 年度インド連邦予算案は、(旅客サービス又は公認サービスを提供する)非指定業者が輸入する航空機(8802.20.00, 8802.30.00,
8802.40.00)に対する基本関税率の完全免除を取り消している。3 月 1 日より施行。
・2010 年 12 月 31 日、インド財務省はインド-ASEAN 物品貿易協定に基づくインドネシア、シンガポール、タイ、ブルネイ、ベトナム、マレーシア及びミャン
マーからの特定の輸入品に対する一定の条件に基づく関税優遇措置の適用について定めた 2010 年関税通達第 135 号(Notification No.
135/2010-Customs)を公布した(2011 年 1 月 1 日発効)。
・インドの 2016 年度予算案に、国内産業の競争力強化のために、IT ハードウエア、資本財、防衛関連品、繊維製品、石油、化学品、紙・紙製品、航空機
および船舶の補修部品輸入関税率を引き下げる政策が盛り込まれている。
(改善)
・1998 年以降かけられていた 4%の特別追加関税(SAD)は、2005 年 1 月に廃止された。
・2007 年 2 月 28 日、政府は 2007 年度連邦予算案を発表し、大部分の非農産品について最高基本関税率を現行の 12.5%から 10.0%に引き下げるとし
た。但し、自動車、バイクの新車及び中古車の関税率は、従前通り 100%、60%のままである。
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
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区分
意見元
No 問題点
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 4/35
準拠法
・2007 年 9 月 14 日、インド政府は、1975 年関税法第 3(5)条に基づく特別追加関税(CVD VAT)4%について、輸入産品の再販に際してその還付を請
求する機会を認めると発表した。(2007 年 9 月 14 日付インド財務省中央物品税・関税局通達)
・2008 年 4 月、インド政府は、ルピー高対策として、
(1)規定以上の輸出達成を条件として生産設備の輸入関税の減免率を更に引下げ(通常 10%程度を 5%としていたものを 3%まで引下げ)、
(2)輸出の一定割合に相当する額を原材料の輸入関税から差し引く制度を 2009 年 5 月末まで延長した。
・2008 年度予算案で最高基本関税率は 10%に据え置かれていたが、軽減関税率 5∼7.5%が適用されている資本財、部品原材料の一部の品目で基本
関税率が引き下げられた。
・2009 年度予算案で最高基本関税率は 10%に据え置かれたが、LCD パネルが 10%から 5%に引き下げられた。
・2009 年 2 月 19 日、政府は、ハイテク輸出振興スキームに基づく輸入関税が免除される品目を発表した。(Notification No. 14/2009-Customs)
・ウオッチムーブメントの基本関税は 5%に改善された。
・2011 年 2 月、日インド EPA が署名され、同年 8 月 1 日に発効した。
・洗濯機、冷蔵庫、エアコン、テレビの家電製品においては、関税撤廃の除外品目に指定されているが、エアコンやテレビの一部については 10 年間で関
税が撤廃される。時計類、リチウムイオン電池、DVD プレーヤー、ビデオカメラにおいても同様である。
撤廃スケジュールは以下の通り。
Base rate 10%
2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
9.1% 8.2% 7.3% 6.4% 5.5% 4.5% 3.6% 2.7% 1.8% 0.9% Free
また、複写機、プリンタについても 10 年間で関税が撤廃される。
撤廃スケジュールは以下の通り。
Base rate 7.5%
2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
6.8% 6.1% 5.5% 4.8% 4.1% 3.4% 2.7%
2% 1.4% 0.7% Free
鉄鋼製品(熱延・冷延鋼板、合金鋼、亜鉛めっき鋼板)等は 5 年間で関税撤廃される。
撤廃スケジュールは以下の通り。
Base rate 5%
2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
4.5% 4.1% 3.6% 3.2% 2.7% 2.3% 1.8% 1.4% 0.9% 0.5% Free
・2011 年 2 月 28 日、インド財務省が発表した 2011/2012 年度インド連邦予算案によると、基本関税の最高税率は 10%で据え置きとされているが、三段階
に分かれていた基本関税率(2.0%、2.5%、3.0%)は 2.5%に統一され、これまで基本関税率が 2.0%又は 3.0%であったすべての品目は、2011 年 3 月
1 日から 2.5%の関税率が課される。
・2011/2012 年度インド連邦予算案は、産業別の関税免除措置を定めている。エレクトロニクス産業では、(1)太陽電池・太陽電池モジュールを製造するた
めの強化ガラス及び銀ペースト、(2)ガラス管カートリッジヒューズ、セラミック管ヒューズ、PPTC リセット可能ヒューズを製造するためのガラス管(直径 2−4 ミ
リで、ブレード型ヒューズのもの)、(3)アルミ電解コンデンサを製造するためのパラニトロベンジンアルコール、(4)消磁コイルその他の巻線部品を製造する
ための絶縁ポリエステルテープ、(5)カラー受像管用の偏向ヨークを製造するための純度 99.9%以上・直径 3 ミリ以下のアルミニウム及び同一仕様の銅被
覆アルミニウム線などの所定の製品の製造用に輸入される多くの投入財が基礎関税を免除されている。3 月 1 日より施行。
・2011 年 2 月、日印 EPA が署名された。協定の構成内容は、物品貿易、原産地規則、サービス貿易、自然人の移動、投資、知的財産、協力、ビジネス環
境整備、TBT・SPS の分野を含む。物品貿易では、インド側は日本からの輸入額の約 90%(日本側は約 97%)の関税を協定発効後 10 年間で撤廃する。
インド側の主な輸入自由化品目は、エンジン部品など自動車部品、ビデオカメラ、DVD プレーヤー、リチウムイオン電池など電気電子製品、トラクター・ブ
ルドーザー・産業用ロボットなど産業機械などで、基本関税率(7.5 から 10%)を段階的に 10 年で撤廃するが、自動車完成品などの重要品目が対象外とな
っている。なお、日本側の輸入品目では、米麦、肉類など国家貿易品目、合板、水産 IQ 品目などが除外されている。なお、インド-韓国包括的経済連携
協定は 2010 年 1 月 1 日に発効後 1 年間で、両国間の貿易額は 40%増加したと伝えられ、関税面でエレクトロニクスなど一部品目では先行している分だ
け日印 EPA より好条件のものもある。
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区分
意見元
日製紙
No 問題点
(2)
ベア工
自動部品
日機輸
自動部品 (3)
日機輸
JEITA
日機輸
(4)
JEITA
日機輸
(5)
日機輸
(6)
日商
(7)
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 5/35
準拠法
・2012 年 4 月 27 日、インド財務省は日印包括的経済連携協定に基づき日本から輸入される品目に対する譲許税率の適用に関する 2012 年通達第 28
号を公布した。
修正された譲許表(対象品目 1、譲許税率)は通達第 28 号の Annex I に掲載されている。HS 第 72 類、第 73 類、第 84 類、第 85 類、第 87 類、第 90
類及び第 91 類の対象となる品目の HS 番号は以下の URL の通り。
(http://www.jmcti.org/trade/bull/trade/alert/arti/2012_05/AnnexI_India-JapanCEPA_Selec_HS_Chapters.pdf)
・2012 年 6 月 8 日、「タイ・インド自由貿易地域構築に向けた枠組み協定第 2 修正議定書」が発効し、TIFTA のアーリーハーベスト対象品目の拡充がなさ
れ、熱帯果物、家電製品、自動車部品など EH 対象の 82 品目に、2 ドアタイプの家庭用冷凍冷蔵庫(HS8418.10)が加えられた。
・2016 年 1 月 1 日より、インド財務省は、日印包括的経済連携協定(CEPA)に基づく特定品目(HS87 類に属する一部自動車用ディーゼルエンジン・セミ
ディーゼルエンジン及びギヤボックス・同部品)に対する譲許税率の引き下げを実施。
FTA 原産地規則の ・日インド EPA における原産品判定基準は、関税番号変更基準および付加価値 ・他国との協定と同様に、関税番号基準もし ・日本・インド包括的経済連
原産地認定基準の 基準の両方を満たさなければならず、他国との協定に比べ厳しい基準となって くは付加価値基準のいずれかを満たせば 携協定
厳格・煩雑
いる。そのため、原産資格を満たせず、特恵税率を受けられない。
特定原産品となるよう判定基準の緩和をお
願いしたい。
・日印 CEPA において原産地証明申請の際、「RVC かつ CTC」を求められるた ・日本とアセアン各国との EPA、日豪 EPA
め、原産地証明作業に時間・手間がかかる。
等に倣い、どちらか一方の証明方法により
原産品判定を可能にしてもらいたい。
(対応)
・2014 年 5 月 15 日、インド商工省外国貿易総局は、通達第 59 号により特恵・非特恵原産地証明書発給機関の最新リストを公表した。ASEAN-インド FTA
(AIFTA)や India-Thailand Early Harvest Scheme(EHS)、日印 EPA(IJCEPA)などについては、Export Inspection Council(EIC)が原産地証
明書の発給権限を賦与されている。
−印商工省外国貿易総局通達第 59 号(http://dgft.gov.in/Exim/2000/PN/PN13/pn5913.htm)
インボイスへの詳細 ・機材(検証用の為の無償出荷)のインドへの輸出において、インボイスに
・対象機材の Nominal Value で輸出が許
な価格記載要件
Nominal Value を記載していても、更なる value の詳細(組立費、パーツ費な 可されるようにしてほしい。
ど)が記載された公式レターが別途必要となっている。開発委託の機材輸出処
理負荷が高くなり現地開発委託を進めることが難しくなると懸念している。
短期間輸入される ・デモや販売プロモーションのために短期間(6 ヶ月以内)インドに持ち込まれる商 ・特定期間デモのためにインドに持ち込む ・Union Budget
販売促進用貨物へ 品に対しても高い輸入税が課され、デモ終了後の税の還付は部分的である。
機器については最小限の課税、または免
の課税
特にデモ機が完全に新製品ではない場合は、販売デモのための製品である旨 税としてほしい。
の別の申請書が必要となる。
・デモ、評価のためデモ機を輸入する際の
手続を簡素化してほしい。
関税還付手続の煩 ・輸出品の輸入関税をリファンドできる仕組みがあるが、リファンド手続きで大量の ・輸出事業への恩典を充実させてほしい。
明細資料の提出を求められる(1000 ページ以上の購入資料。)新機種の取り扱
雑
いが発生するたびに提出が必要で、膨大な事務量になっている。
中古機輸入規制の ・中古機輸入規制内容および今後の動向について確認したい(再生機ビジネスの ・最新情報の確認とご提供をいただきたい。
可能性について法律面からの検証)。
不透明
関税当局の SVB ・関係会社からの製品輸入に関して税関当局の SVB 許可証の取得申請を行って ・認可基準の透明化と取得までの所要時間
許可証の発行・更 いるが、許可基準が明確でない上、担当官による恣意的判断の余地が過大と思 の短縮。
新手続の煩瑣・大 える運用がなされており、取得に多大な手間と時間がかかっている(初回申請時 ・担当官による恣意的判断余地の縮小。
幅遅延
だけでなく更新時も同様)。
結果として、輸入時に支払った担保金(輸入額の 1%)の還付が長期間なされ
ず、業績に悪影響を及ぼしている。
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
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区分
意見元
日機輸
JEITA
日機輸
日機輸
日商
日機輸
JEITA
日機輸
日商
No 問題点
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 6/35
準拠法
・関税当局(SVB)の登録免許更新手続きに時間を要する。3 年毎に登録免許更 ・SVB 当局の処理の改善。
新があるが、必要書類を提出しても、当局の更新手続きが始まらず、1∼2 年は
処理に時間が掛かる見込み。その間、CFI 価格の 1%の Deposit を要求される
ため、キャッシュフローの負担が大きいもの。
(8) 輸入通関時の最高 ・MRP(Maximum Retails Price)の表示。発地にて貼付作業が発生。
・Weights and Measures
Act
小売価格の申告・
表示義務の煩雑・ ・輸入通関時の MRP(最大小売価格)の申告及び表示義務の繁雑・困難である。 ・MRP 制度の廃止。
・インド関税法に関係
困難
生産工場等での貼り付け負荷大。
生産時貼り付け価格と通関時価格の同期調整負荷大。
・市場調査や分析目的のサンプル品輸入においても、最大販売価格を表示した ・市場に出回らない商品の法律適用除外。
ステッカー貼付、食品表示が求められる。同ラベルがない場合には、Ship Back
を余儀なくされる。
(対応)
・2010 年 2 月より、完成品として製品が梱包された状態で輸入される場合、当該品への特別追加関税(4%)が控除される措置を導入後、税関当局は完成
品の輸入に対する監視を強めており、特に、MRP(最大小売価格)や輸入年月を記載したラベルの個別商品への貼り付けが徹底されたため、ラベル不備
の貨物が通関時に留め置かれるケースが多発している(2011 年版不公正貿易報告書)。
・2000 年 11 月 24 日付商工省通達 No.44 では、インドへの輸入品にパッケージ毎に最大小売価格(MRP:Maximum Retail Price)、輸入業者名などの
表示を義務付けている。
(9) 輸入通関手続の煩 ・輸入手続きに時間が掛かる点(平均 20 日)。
・簡素化して欲しい。
瑣・遅延
・CY(コンテナヤード) 内の通関ではなく、ICD(Inland Container Depot)、
CFS(コンテナフレートステーション)での通関となり、CY からの横持ちが常に発
生する。
・海外からの原料・物品の輸入に際し、新政権樹立後の通関のリードタイムが長期 ・通関に必要なリードタイムの明確化と安定
化している。過去は 2 週間程度のリードタイムが、現在では最長 1.5 カ月を要す 的な手番での通関審査。
る。
(対応)
・2013 年 3 月 14 日、インド政府は、一部貿易書類の申請・処理・登録に関する新たなオンラインシステムを導入する計画(2014 年 6 月 1 日から運用開始
の予定)を発表(Public Notice No. 55 (RE-2013/2009-2014))。
・2015 年 10 月 23 日、インド財務省は、Circular No. 26/2015-Customs 通関書類における電子署名の使用を義務化する通達を発行し、2016 年 1 月 1
日より実施へ。
・2016 年 2 月 17 日、インドは、WTO 貿易円滑化協定(TFA)を批准した。
(改善)
・99 年度輸出入制度で、894 品目を自由化し、414 品目を特別輸入ライセンス品目へ移行。この結果、ライセンスを必要とする輸入制限品目は 667 品目と
なる。
・2000 年 4 月 11 日、714 品目の輸入数量制限を撤廃した。
・2001 年 3 月 12 日、マラン商工相は、2001 年度(2001 年 4 月∼2002 年 3 月)の新輸出入政策を発表し、2001 年 4 月 1 日より、消費財など 715 品目(繊
維 342、アルコール飲料 147、その他 226)の輸入数量規制を撤廃した。輸入数量規制が撤廃されたため、特定製品の輸出実績に応じて輸入を認める特
別輸入ライセンス制度(SIL)も廃止された。但し、715 品目の一部は、指定国営企業のみに輸入が認められる品目へ移行される等、完全に自由化された
とは言えない面も残っている。
・2001 年 3 月 31 日、耐久消費財(自動車を含む)の輸入数量制限が撤廃された。
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2015 年版
区分
意見元
日機輸
No 問題点
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 7/35
準拠法
・2001 年 8 月 31 日、商務省外国貿易局(DGFT)は、特定の品目が現行の輸入政策により、SKD/CKD の状態にあると分類されれば、これらの物品は
自由に輸入できるとする通達(Circular No.7)を発表した。
・2002 年 4 月 1 日、国家安全保障上の理由から、制限品目とされていた 50 品目に関する数量制限を撤廃した。
・2003 年 3 月 31 日に発表された修正輸出入政策により、69 品目(一部写真製品、映画用製品、ビデオ CD、DVD、レーザーディスク、農産品、薬品を含
む)の輸入数量制限が撤廃された。
・2010 年 8 月 20 日、インド財務省中央物品税・関税局(CBEC)は、一定の条件を満たす事業者(エクスポートハウス、トレーディングハウスなど)に対する
認定事業者プログラム(ACP)の適用に関する税関通達第 29 号(Circular No. 29/2010-Customs)を公布した。「エクスポートハウス」とは、当期及び過
去 3 年間の輸出額(FOB 価格)が 2 億ルピー以上の事業者に与えられる地位であり、「トレーディングハウス」とは、当期及び過去 3 年間の輸出額(FOB
価格)が 5 兆ルピー以上の事業者に与えられる地位である。
ACP は、インドの関税法を遵守する能力と意思を示した輸入業者に対して貿易の円滑化を保証するための措置である。ACP に基づき関税当局によって
「認定事業者(Accredited Clients)」として登録された輸入業者は、一般の輸入業者とは異なるカテゴリーに分類され、貿易の円滑化が保証される。具体
的には、自己査定に基づく通関手続きが認められるようになる。すなわち、輸入業者の自己申告に基づいて通関手続きが行われ、貨物検査は免除され
る。ACP は 2005 年 11 月 24 日に導入されたが、その当時、エクスポートハウスやトレーディングハウスなどの輸出業者は適用対象外とされた。
・インド財務省中央物品税・関税局(CBEC)は 7 月 29 日、一定の輸入の関税支払いに関して電子決済を義務づける関税通達第 33 号(Circular No.
33/2011-Customs)を公布した。この通達は、取引あたり 10 万ルピー以上の額の関税を支払う輸入者に対して義務づけられるものであり、その目的は取
引コストの削減と通関の迅速化にある。また税関認定事業者プログラム(Customs Accredited Client Program)の認定事業者(accredited clients)の
場合、関税はその額にかかわらず電子決済しか認められない。
(10) 輸入規制対象貨物 ・Hot Dip Galvanized Steel は BIS(Bureau of Indian Standard)輸入規制の ・インドで製造出来ない特殊材までインド規 ・Steel and Steel Products
の通関判断基準の 対象となっているが、異なる品種(具体的には Zinc、Magnesium、
準の規格に置き換えて判断するのでなく、 (Quality Control) Order,
2008.
不明確
Aluminum、Silicon メッキの材料)が Hot Dip Galvanized Steel 材と看做され 明確な鋼材定義に則り判断をして頂きた
通関で止められる事がある。
い。
JEITA
日機輸
(11) 過度に厳格な貨物 ・空港貨物において 80%以上の割合で内容検査をされる。リードタイム増、貨物
検査
ダメージが頻繁に発生。
JGMA
(12) 税関での乱雑な開 ・出荷した機械が税関での開梱検査にあった。機械を梱包していた木箱が打ち破 ・開梱検査の場合、必要最低限の箇所を丁
梱検査
られ、機械は真空パックで覆っていたものの、そのままの状態で客先工場まで輸 寧に開けてもらい、検査後は開けた箇所の
送されて機械内部に雨水が入り込み機械が激しく錆びた為、使用不能状態にな 養生を適切に行ってもらう。
った。
(13) アンチダンピング措 ・2002 年 12 月 5 日、欧州・日本・米国・カナダからのステンレス冷延鋼板(600mm
置の濫用
幅以上)に対する AD 税賦課確定の最終決定。
・2005 年 11 月 25 日、上記 AD 税賦課(中間見直しの結果、トンあたり 305 ドル、
445.69 ドルの AD 税が課せられることとなった)。
・2006 年 12 月、措置撤廃。
・2008 年 11 月、新たに、欧州、日本、米国、中国、韓国、南アフリカ、台湾、タイ、
からのステンレス冷延鋼板(600mm 幅以上)に対する AD 調査を開始。
・2008 年 11 月、日本、中国、インドネシア、イラン、カザフスタン、マレーシア、フィ
リピン、ルーマニア、ロシア、南アフリカ、サウジアラビア、韓国、タイ、トルコ、ウク
ライナからの熱延鋼板に対する AD 調査を開始。
(対応)
・2009 年 6 月 11 日、インド政府は、同国のセーフガード総局(DGS)が、熱間圧延コイル・鋼板・鋼帯(HS7208)、アクリル繊維及びコート紙・板紙の輸入に
対する暫定的セーフガード措置発動の勧告を行なった旨、WTO に通報した。同セーフガード措置の発動日及び発動期間については未だ決められてい
ない。また、6 月 12 日、商用車(トラック)用のクランクシャフトに対する暫定的な対中経過的セーフガード措置の発動を勧告した旨、通報している。
日鉄連
日鉄連
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区分
意見元
No 問題点
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 8/35
準拠法
・インドの AD 調査では、①レッサー・デューティー・ルールによる課税での損害マージン算定の判断根拠が不透明、②損害認定では、最終決定に AD 協
定第 3.4 条によって規定される当局が検討すべき 15 項目に係るデータすべてが網羅されておらず、またその開示の程度が AD 協定第 12.2 条に規定さ
れる当局の義務を満たしていないケースがある、③ケースごとにダンピングに関する調査対象期間に差異がある、④AD 協定第 12.2 条では、仮決定、最
終決定及び AD 税の撤廃についての告及び報告書の利害関係者への通知が適切になされているか不明なケースがあると指摘している(2011 年版不公
正貿易報告書)。
・WTO パネル、米国のインドからの熱間圧延鋼板の輸入に対する相殺関税措置(DS436)で報告書を公表;インド側の主張を一部支持するも、米国相殺
関税法令に対する主要な制度上の主張は斥ける肯定否定両面のある裁定を下した。
※2012 年 4 月 12 日付け、インドは、米国がインドからの熱間圧延鋼板の輸入について相殺関税措置を課していることについて、米国の法令が定める補
助金の額の算定方法、米国による補助金の認定及び損害の認定等が SCM 協定(補助金及び相殺措置に関する協定)の各条項に非整合であるとし
て協議を要請。
−本件に関する WTO パネル報告書(http://www.wto.org/english/tratop_e/dispu_e/cases_e/ds436_e.htm)
・2016 年 4 月 11 日、インド商工省 AD(アンチダンピング)税・関連税総局、ブラジル・中国・インドネシア・日本・韓国・ロシア製の合金・非合金鋼の熱間圧
延フラットロール製品に対するアンチダンピング調査を開始。
(改善)
・2002 年 12 月 5 日、欧州・日本・米国・カナダからのステンレス冷延鋼板(600mm 幅以上)に対する AD 税賦課確定の最終決定。
2005 年 11 月 25 日、上記 AD 税賦課(中間見直しの結果、トンあたり 305 ドル、445.69 ドルの AD 税が課せられることとなった)。
2006 年 12 月、措置撤廃。
2008 年 11 月、新たに、欧州、日本、米国、中国、韓国、南アフリカ、台湾、タイ、からのステンレス冷延鋼板(600mm 幅以上)に対する AD 調査を開始。
2009 年 11 月 24 日、(改善)最終決定で日本のみ数量が僅少で損害も無い事を理由に対象から除外。その他 14 ヶ国に対しては 12.74∼2,254.69 ドル
/MT の AD 税の賦課を決定。
2008 年 11 月、日本、中国、インドネシア、イラン、カザフスタン、マレーシア、フィリピン、ルーマニア、ロシア、南アフリカ、サウジアラビア、韓国、タイ、トル
コ、ウクライナからの熱延鋼板に対する AD 調査を開始。
2009 年 8 月、提訴者の要請により調査打ち切り。
2009 年 11 月 24 日、最終決定で日本のみ数量が僅少で損害も無い事を理由に対象から除外。その他 14 ヶ国に対しては 12.74∼2,254.69 ドル/MT の
AD 税の賦課を決定。
日鉄連
(14) セーフガード措置 ・2009 年 4 月 9 日、熱延鋼板(厚さ 20mm 幅 2000mm まで、HS7208 に含まれ ・調査の中止、日本製鋼材の適用除外。
る)のセーフガード調査を正式に開始。
(対応)
・2009 年 12 月 8 日、審査会が SG 税を賦課しないよう中央政府に答申。(提訴者が「国内産業」を構成せず、関連情報を提供しなかったため、損害に関す
る判断ができないとしている)
・2013 年 4 月 22 日、継目無鋼管に対するセーフガード調査を開始。
・2015 年 12 月 7 日、インド・セーフガード総局は、合金鋼・非合金鋼の熱間圧延平鋼板に対するセーフガード調査を開始。
・2016 年 3 月 15 日、インド・セーフガード総局は、非合金鋼の熱間圧延フラットロール製品及び合金鋼コイル(幅 600 ミリメートル以上のもの)に対するセ
ーフガード調査でクロの最終決定。
日鉄連
(15) 輸出禁止
日鉄連
・2010 年 7 月、違法採掘防止を理由として、カルナタカ州政府が鉄鉱石輸出の禁 ・制度の撤廃。
止を実行。鉄鉱石海上貿易への影響が大きく、市況高騰要因となっている。
・2012 年 9 月、違法採掘防止を理由として、ゴア州政府・中央政府・最高裁が鉄 ・制度の撤廃。
鉱石の生産・輸出の禁止を実行。鉄鉱石海上貿易への影響が大きく、市況高騰
要因となっている。
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
2015 年版
区分
意見元
No 問題点
日鉄連
(16) 輸出税賦課
日機輸
CIPA
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 9/35
準拠法
・2007 年 2 月 28 日、インド財務省は、税収確保とインド国内鉄鉱石資源温存の ・制度の撤廃。
ため、鉄鉱石輸出につきトンあたり 300 ルピーを一律課税することを発表(3 月 1
日実施)。
2007 年 5 月∼2011 年 12 月、以降、5 度に亘り税制を変更している(以下参
照)。
----------------------------塊鉱-----------------------------------粉鉱
2007 年 5 月 3 日------変更なし----------------------トン当たり 50 ルピー(減税)
2008 年 6 月 13 日----FOB 価格の 15%(増税)
2008 年 10 月 31 日---変更なし----------------------トン当たり 200 ルピー(減税)
2008 年 12 月 7 日-----FOB 価格の 5%(減税)-------撤廃(減税)
2009 年 12 月 24 日---FOB 価格の 10%(増税)----FOB 価格の 5%(増税)
2010 年 4 月 29 日-----FOB 価格の 15%(増税)----FOB 価格の 5%(変更なし)
2011 年 2 月 28 日-----FOB 価格の 20%(増税)----FOB 価格の 20%(増税)
2011 年 12 月 30 日---FOB 価格の 30%(増税)----FOB 価格の 30%(増税)
鉄鉱石輸出税は、鉄鉱石サプライヤーにとって経済的に大きな負担となってい
る。また、負担の一部が FOB 価格上昇という形で、日本を始め鉄鉱石需要家に
転嫁されることもある。
(対応)
・2008 年 7 月、インド鉄鋼省は、鉄鋼メーカー首脳との会合で鋼板の母材となる圧延コイルなどの輸出抑制を要請した。同時に一部製品について最大
10%の値下げで合意した。鉄鋼製品の国内価格が 1 年間約 5 割の値上がりが背景にある。
・2008 年 12 月 7 日、中央政府は、鉄鉱石への科料はインドから輸出される際に賦課される関税総額から控除されるとする修正を行なった。(Notification
No. 129/2008)
・2011/2012 年度インド連邦予算案は、鉄鋼塊及び鉄鋼粉に対する輸出関税の税率(それぞれ 15%、5%)は一律 30%に引き上げられる。鉄鉱石ペレット
は輸出関税が完全に免除される。
・1975 年関税法の Second Schedule は、新たな品目の関税品目分類表(Harmonized System of Nomenclature)への追加に伴って書き直される。新
たに追加されるのは、脱脂米ぬかケーキである。脱脂米ぬかケーキに対しては 10%の輸出関税が課される(2011 年 3 月 1 日より施行)。
鉄鋼塊及び鉄鋼粉に対する輸出関税の税率(それぞれ 15%、5%)は一律 20%に引き上げられる。鉄鉱石ペレットは輸出関税が完全に免除される。
(17) 製品登録手続の煩 ・医療機器輸入・販売における製品登録手続きの煩雑さ。
・製品登録更新手続きの廃止。すなわち、
雑
日本等の様に一度登録したら更新不要に
して欲しい。
(18) ITA 対象製品への ・WTO-ITA 対象製品であるデジタルカメラ(HS:8525.80.20)に対し、ITA 合意国 ・WTO-ITA の遵守。
・GATT 第 2 条 譲許表の
恣意的な課税
であるインドにおいて、2014 年 1 月より、動画機能に係わりビデオカメラレコーダ
1(a)及び 1(b)
ーと同様の 10%の Basic Duty が課税される動きがあり、同年 2 月下旬からは当
・WTO-ITA
工業会各社の通関が差し止めとなった。同年 3 月中旬以降、会員各社は、Duty
・インド関税分類基準
Under Protest(税関による関税分類や評価に不服がある場合、後日再審査を要
『Notification No.
求できる)による、10%の Basic Duty で通関をせざるを得ない状況となっている。
15/2012-Customs』
(改善)
・2015 年 4 月 30 日付でインド政府財務省より新たな通達『Notification No.28/2015-Customs』と、補足文書『D.O.F.No.334/5/2015-TRU』が発効され
た。この通達及び補足文書には、「HS:8525 80 20 に分類されるすべてのデジタルスチルビデオカメラおよびその部分品は、スペック(動画の記録時間に
関する制限を含む)にかかわらず基本関税を免除する。」旨が明記されており、以降、各社のすべてのデジタルカメラは問題なく 0%の Basic Duty で通関
できるようになり、本問題は解決した。
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2015 年版
区分
11利益回収
インドにおける問題点と要望 10/35
意見元
No 問題点
問題点内容
日機輸
(19) 輸出手続の遅延
JEITA
日機輸
JEITA
日機輸
(1) 対外送金規制
・インドからの輸出が可能となるまでの所要日数が長い。
・輸出手続き期間の短縮を要望。
例:無償の場合は 3∼6 カ月、有償買い取りの場合は 2∼3 週間
・外貨送金の規制が厳しく、たとえば輸入商品代金の送金には膨大な資料とサイ ・送金時の手続きの簡素化。
ンが求められ、とても煩雑。
・インドから国外への送金において、経費関連の項目で送金できる内容が限られ ・国外送金適用項目の拡大。
ている。例えば、当社の日本本社とインド販売会社間にて為替差損益の精算を
行いたいが、中銀が許可している送金費目は非常に限られており、精算処理を
できない。
要望
準拠法
・RBI 規則
(対応)
・輸入代金の支払いは、6 ヵ月以上の場合は対外商業借入(ECB:External Commercial Borrowing)扱いとなり、RBI と財務省の認可を要する。輸入代
金の前払いの認可は、送金が直接サプライヤーに行われること、前払額が 10 万ドル以上の場合は銀行保証を取得することなどを条件とする。
・以下を越える場合、RBI の認可が必要。
−海外からのコンサルタントサービスへの支払い:1 プロジェクトあたり 100 万ドルまで
−商標使用、フランチャイズ費用の支払い:輸出額の 2%、国内販売額の 1%まで
−合弁前経費の返済:10 万ドルまで
・現地子会社等の清算を行い、現地資産処理後の残額を送金する場合、インド準備銀行(RBI)の事前認可を必要とする。
・2000 年外国為替管理(経常取引)規則ルール 5 の条件として、”インドにおける商標又はフランチャイズの買収に対する送金のための”外国為替の振り出
すには、FRB の事前許可が求められている。(item 16 of Schedule III to the Foreign Exchage Management(Current Account Transactions)
Rules, 2000)
・インドでは厳しい実需原則により居住者と非居住者の為替取引が規制されている。インドにはオフショア市場が存在しない。国内銀行のみが非居住者の
ルピー取引にアクセス可能だが、FRB は国内銀行に対し非居住者との取引について実需に基づく直物でのルピー売りに限定して認可。
・2009 年 12 月のプレスノート No.8 によりロイヤルティ、技術移転、商標使用料の支払いの事前認可制度は撤廃されたが、ロイヤルティ送金をする際に現
地法人に源泉税(PAN(Permanent Account Number)を取得している場合 10%、PAN を取得していない場合 20%)が課される。さらにサービス税
5.3%、研究開発税 5%の納税義務が発生し、これらの税金を差し引いた金額が送金されることとなる。
・2013 年 8 月 14 日、中銀は、年間 20 万ドルまで許容していた個人の海外送金上限額も 7.5 万ドルに引き下げた。
・2015 年国家予算の税制改正で罰則部分が改定され、外国法人が技術役務の提供の対価をインドから受け取る場合、PAN を取得していれば租税条約
の恩典税率が適用され 10%の源泉税率となるが、PAN を取得していない場合は懲罰税率として 20%の源泉税率が適用される。
(改善)
・移住する場合の外貨交換、ギフトの送金、寄付金の送金、個人旅行用の送金などで、すべて自由化されてはいるが、今なお上限が保留されている。リスト
に漏れている項目でも当座預金取引に該当するものは、公認両替商、即ち銀行に、これが当座預金支払ではないことと、支払うべき税金の支払完了を証
する適切な書類を提示すれば、自由に送金できる。
・債務元金未払金や輸入投入物支払のための送金は制限されない。
・FEMA 条項によると中央政府が制限する取引を除き、誰でも自由に外貨を売買することができる。制限/規則上の目的で当座預金取引は、3 つに分類さ
れる:
1) 完全禁止のもので、当り籤や競馬で得た収入、JV への株式投資への輸出者の手数料、在インド会社からの国外の JV/WOS などの外貨送金に関係
する。
2) GOI の承認を得て初めて送金できる特定品目を含む。公共分野事業の送金関係の数項目に追加される主要項目は、海外代理店宛のマルチ・モーダ
ル運送事業者の送金に関わるものや、関係省庁が定めた率を超えるコンテナ延滞料金の送金、並びに技術協力契約で国内販売 5%又は輸出販売
8%の法定率を超えるもの、あるいは 2 百万ドルを超える一括支払に関係する。
3) 実質的に最も適用されると思われる項目で、為替の放出に並びに RBI の事前承認が必要なもの、又は特定限度額を超える為替に関わるものでる。こ
の支払についても相当に自由化が進んでいる。限度額が引上げられたものには、外国旅行の持ち出し外貨が 25000 米ドルに、外国で調達したコンサ
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区分
インドにおける問題点と要望 11/35
意見元
No 問題点
JEITA
日機輸
ルティング・サービスに対する支払額が 100 万米ドルに、雇用または海外移民の為替放出が 10 万米ドルに、インドの事業者による法人化前の経費送
金が 10 万米ドルに、などが含まれる。この上に、インド国内での商標使用やフランチャイズのための送金は自由化された。もっとも、商標使用やフラン
チャイズのための送金は今でも RBI の事前承認を得なければならない。技術協力協定に基づくロイヤルティ/一括金の支払についてこの協定が RBI
に登録されていない場合でも、法定限度額以内であれば今では事前承認は不要である。
・外国銀行は、1949 年銀行管理法を遵守する限りその本部に利益や剰余金を送金することができる。また銀行は、RBI の承認を得ないでクレジットカード
を発行することができる。銀行は、預金者が外貨債務をヘッジする目的で外貨−ルピー・スワップを無制限にオファーすることができる。
・RBI は、為替に関わる殆どの取引についてその権限を公認両替商に委譲した。
・インドの会社は、外国国籍者を雇用し、外貨で支払うことができる。インドで受領した給与の 75%をインド国外に送還することができる。
・資本利得税支払後の資本引き上げは許可される。配当金の送還は許可される。配当金は受領人には課税されない。従って現税制下では配当金の送還
に対する源泉税は徴収されない。但し支払側の会社は、配当金分配税として税率 13.07%の支払義務を負う。配当金やリース支払金などの送金について
60 日以上の遅延は認められない。唯一必要とされるのは、インド国外への送金前に支払うべき諸税があれば、その支払完了を確かめるための所得税許
可に限られる。
・外国機関投資家は、ルピー口座から外貨口座に又はその逆に資金を振替えることができる。また、資本金や資本利得、配当金、金利収入、権利の販売か
ら得た報酬を、一切の税抜きでかつ許可を受けずに送還することができる。
・2006 年 2 月、改定日印租税条約が締結され、投資所得である配当、利子、使用料・技術上の役務に対する料金の源泉税率が 10%に引下げられた。
・2006 年 7 月 10 日付、インド政府告示により、Foreign Exchenge Management(Current Account Transactions) Rules, 2000 が修正され、
"Schedule III, item number 16 and the entry relating thereto"が削除された。これによって、権限を与えられた取引業者(AD)銀行は、RBI の承認
なしにインドにおいて商標やフランチャイズの買取に対して、個人により外国為替を振り出すことが認められ得る。
・2006 年 11 月 28 日、第 I 分類 AD 銀行に対する「インドで商標またはフランチャイズ買取のための送金」を目的として外貨資金を引き出す前に RBI の承
認を得る義務の要件を撤廃した。(FRB Circular No.14)
・2007 年 4 月 30 日、インド中央銀行(RBI)は、外貨建て経常取引に関する規則を修正する通達を公布した。通達第 46 号に基づく修正は、インフラ開発
プロジェクトに従事しているインド企業が、国外のコンサルタントサービスを利用する場合の本国への送金額の上限を 1 プロジェクト当たり 1,000 万 US ド
ルに引き上げている。同通達は、対象となるインフラ開発プロジェクトとして、(1)電力、(2)電気通信、(3)鉄道、(4)道路(橋梁を含む)、(5)海港・空港、(6)工
業団地、(7)都市インフラ(水道、衛生、下水事業等)を挙げている。修正後の規則によって、公認取引業者(Authorized Dealer)カテゴリーI に分類され
る銀行は、取引の審査後、インド企業の代わりに、1 プロジェクト当たり 1,000 万 US ドルまで送金することを許可することができる。その他すべての場合、1
プロジェクト当たり 100 万 US ドルという現行の上限には変更がない。通達第 47 号に基づく修正は、インドへの投資総額の 5%以下又は 10 万 US ドルの
うちいずれか高い額を法定監査人の承認を経て送金することを認めている。修正後の規則によって、公認取引業者カテゴリーI は、インド国内にある事業
体が、法定監査人の承認を経て、新たな上限の枠内で、法人設立前の経費を返済するために外貨を振り出すことを許可することができる。この通達は、①
国外から提供されるコンサルタントサービスのために 1 プロジェクト当たり 100 万 US ドルを超える額及び②法人設立前の税金を返済するために 10 万 US
ドルを超える額の外貨送金を振り出す際に RBI の事前承認を義務づけていた常取引規則の第 5 規則を修正するものである。
・2007 年以降、日印 EPA 投資率交渉、サービス率交渉で数次にわたりロイヤルティ規制の撤廃・緩和を要求し、また、2009 年 2 月、インド日本商工会も
Technical Collaboration Guideline 商標ライセンスの廃止を求めた。結果、2009 年 12 月、インド政府は、一括金の上限、ロイヤルティ率の上限を撤廃
し、外国技術契約・商標使用契約に基づく送金は自動認可制に移行した。(プレスノート No.8, 2009 series)
・2009 年 12 月 16 日、インド商工省産業政策推進局は、「外国との技術提携政策の自由化」と題するプレスノート No. 8(2009)を公布した(即日発効)。同
通達は、インド政府の承認を得ることなく、技術移転のロイヤルティ・一括金の支払い及び外国側パートナーの商標・ブランド名の使用に対する支払いを
行うことのできる金額の上限を撤廃している。かかる支払いは、引き続き 2000 年外国為替管理(経常取引)規則の対象となる。同通達は、技術移転・提携
及び商標・ブランド名の使用について、それぞれに対応した事後報告制度をインド政府が制定すると定めている。なお、技術移転と商標使用に関するイン
ド準備銀行への事後届出制度が義務付けられている。
(2) 海外からの入金規 ・海外からの入金について規制があり、たとえば個別に契約書を求められるなど ・入金制度の簡素化。
制の手続の煩雑
煩雑。
問題点内容
要望
準拠法
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
2015 年版
区分
12 為替管理
13金融
インドにおける問題点と要望 12/35
意見元
No 問題点
JEITA
日機輸
(1) 同一グループ会社 ・将来的にインド国内グループ会社の為替取引を集約する機関を設置したいが、 ・為替取引の更なる自由化。
間の為替取引の制 同一グループ会社間での為替取引は認められず、為替取引の相手方は銀行に
限
限定されている。
・RBI 規則
JEITA
日機輸
(2) 実需原則に基づく ・為替取引において、実需原則の徹底が求められ、関連エビデンスの作成・提出 ・為替取引の更なる自由化。
の負荷が大きい。
為替取引の煩雑
・RBI 規則
問題点内容
要望
準拠法
(対応)
・インドでは厳しい実需原則により居住者と非居住者の為替取引が規制されている。インドにはルピー・オフショア市場が存在しない。国内銀行のみが非居
住者のルピー取引にアクセス可能だが、FRB は国内銀行に対し非居住者との取引について実需に基づく直物でのルピー売りに限定して認可。
銀行は取引前に実需取引であることのエビデンス確認を実施している。
・外貨保有規制により客先から外貨で入金後、1 ヶ月以内にルピー転をしなけれ ・有利子外貨保有の実現。
・外為法
ばならず為替ヘッジコスト増となっている。
海外からの資金調達もルピー転の必要があり、為替ヘッジにより金利のメリットが
無い。
規制緩和により、外貨による支払い計画があることをエビデンスで証明すれば、
外貨のまま口座保有が可能となったが、無利子である。
日機輸
(3) 外貨保有規制
JEITA
日機輸
(4) 輸入代金決済のル ・拡大するインド市場での大増販のため、日本及びアジアの生産拠点からの輸出 ・インド準備銀行(RBI)による為替管理規制 ・RBI 規則
ピー建決済の困難 (インドサイドの輸入)が急拡大している中、代金の決済は US ドルとなっており、 の緩和・撤廃(インドルピーの国際決済使
為替リスクが発生する。インドの販売会社の為替リスクを軽減するため、ルピー
用の容認。)
建ての決済を行いたいが、輸入代金のルピー建決済が困難である。
(改善)
・2012 年 6 月 25 日、製造業・インフラ関連企業の設備資金を使途とする国内のルピー建借入について、対外商業借入(ECB)で返済可能となった。但し、
過去 3 会計年度で継続的に外貨収入があること、過去 3 年間の年間輸出額平均値の 50%を限度とするなどの要件が定められている。
・厳しい実需原則の下でインド非居住者によるルピー建て輸出入取引が可能となっている。
JEITA
日機輸
(5) 国内ルピー決済シ ・国内のルピー決済は小切手が主流であり、広大なインドにおいては決済完了ま ・電子決済システムの早期普及。
ステムの非効率
で相当な時間を要す。
日機輸
日商
(6) 国内取引の外貨建 ・現在、インド国内での取引における決済では、インドルピー建ての決済しか認め ・国内取引時の決済においても外貨建て決 ・インド外国為替管理法
られていない。インドルピーは Hard Currency でないこともあり、為替リスクの観 済が可能になることを要望したい。
決済規制
点から仕切り取引を推進する上で大きな足かせとなっている。
JEITA
日機輸
(7) ルピー安による輸 ・ルピー安の影響で、輸入部材のコストが急騰しているが、それを最終価格に転
入部材コスト上昇 嫁できず大きな影響を与えている。
の価格転嫁困難
JMAA
(8) 急激な為替変動
JEITA
日機輸
(1) グループ会社間の ・将来的にインド国内でのグループファイナンスを実施したいが、貸付元本または ・インド準備銀行(RBI)と税務当局間の調整 ・RBI 規則
貸借の金利制限
金利に対し「みなし配当課税」がかかる可能性が大きい。
による非課税の明確化。
・中央銀行
商法では貸借可能となっているが、税法では明確になっていない。
・税法
・円建てでの直貿で、海外販売店は為替差益を得ているが、値上げの交渉は困 ・為替の安定、変動幅が 6 ヶ月で数%以内。
難。現地通貨建てでの海外子会社との親子間取引で、現在円安効果で特別価
格にて販売が可能だが、利薄の取引が多く、将来取引が続いて円高に振れた時
にたやすく損失が出てしまうほどの変動幅。
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
2015 年版
区分
意見元
No 問題点
JEITA
日機輸
日機輸
日機輸
日機輸
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 13/35
準拠法
・クロスボーダーのグループ企業間借入と預入が規制により不可。そのため、効率 ・規制緩和。
的なグループ企業内 Cash Management ができない。
(2) 対外商業借入
(ECB)規制
・海外からの資金調達(借入/融資/増資等)の複雑かつ厳しい規制用途の限定 ・規制緩和の促進による調達資金の用途、 ・RBI 規制
(運転資金/設備資金それぞれに融資条件有り)、借入期間の制限(海外からの 期間および返済/減資の制限解除。
・ECB(External
運転資金は最低 7 年借入必要)、返済の制限(借入資金からは返済できない)、
Commercial Borrowing)
減資手続き(債権者保護のため裁判所の許可が必要)。
に関するポリシー・ガイドラ
・インド販売会社での運転資金増大に対応するため、インド国外に所在する本社 ・海外からの資金調達規制の更なる緩和・ イン
或いは関連会社から貸付を行いたいが、資金使途が設備投資、特定インフラに 撤廃。
限られているためできない。
⇒2013 年 9 月に規制が緩和され、運転資金への適用も認められたものの、付帯
条件が厳しく、実質的に活用できない。
(主な付帯条件)
−平均借入期間が 7 年間で期日前返済不可
−貸出人は借入人に直接25%以上出資している事
・2013 年度に運転資金目的の ECB ローンに関して条件付で利用が可能になる ・運転資金目的の ECB 条件緩和による資
規制緩和が決定された。但し、附則された条件が厳しく活用には更なる改善が 金の有効活用。
望まれる。
(1)元本返済条件が 7 年間凍結となってい
(1)元本返済の 7 年間凍結
るが 1 年など短期への緩和。
(2)適用範囲は親子ローンに限る
(2)適用範囲が親子ローンに限られてお
り、現地孫会社への適用拡大。
(対応)
・インドでは、金額の大小に関わらずインド国外の金融機関や親会社・地域統括会社等からのすべての商業借入規制の対象になる。インド中銀が毎年発
表する ECB に関するガイドラインに資金使途や期間、金利などについて定められている。
・ECB には、現地子会社の海外親会社からの借入や船積後 3 年以降の輸入代金分割払いについても対象として含まれるとされる。
・対外商業借入(ECB)は、自動認可ルート(RBI による事前認可不要)と政府承認ルート(RBI による事前認可が必要)に分けられる。自動認可ルートに
は、金額・借入期間制限(2000 万ドルまで、平均借入期間 3∼5 年、2000 万ドル∼5 億ドル、平均借入期間 5 年以上)と資金使途制限(農業分野投資、
民営化の国有企業の政府株購入、海外直接投資)、金利、諸掛の条件が設けられている。
・2007 年 8 月、FRB は、一般企業が一社当たり年間 2,000 万ドルを超える対外商業借入(ECB)の代わり金を国内に持ち込むことが禁止された。2008 年
5 月 29 日、この上限は 5,000 万ドル(インフラ投資の場合 1 億ドル)に引き上げられた。
・2007 年 8 月、急速なルピー高とインフレを抑制するため、RBI はインド国内支出を目的とする ECB の上限を 2000 万ドルとし、RBI の事前認可を要す
ることとした。2000 万ドルを超える場合、ECB 資金を海外銀行口座に保有して、外貨にて支出を要することとした。
・2008 年 1 月 3 日、日印両国政府は、通貨危機に備え、それぞれ 30 億ドルずつの外貨供給枠を設定し、双方で総額 60 億ドルに上がる通貨スワップ協
定を締結することで合意した。
・2009 年 12 月 9 日、インド中央銀行(RBI)は、現行の対外商業借入(ECB)政策を見直す通達を公布した。同通達は、政府承認ルートを通じた借入上限
額を再び定め、外貨建て転換社債(FCCB)の買い戻し措置を撤廃している(2010 年 1 月 1 日より実施)。RBI はまた、企業が総合都市開発のために政
府承認ルートで ECB を利用できる期間を 1 年間(2010 年 12 月 31 日まで)延長した。RBI はさらに、電気通信分野の適格借入人に対し、自動認可ルー
トを通じた ECB の利用を認めている。
・対外商業借入規制(ECB)は、順次緩和されてきているが、依然として外貨規制は厳しい。
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
2015 年版
区分
意見元
No 問題点
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 14/35
準拠法
(改善)
・2006 年 12 月 4 日、インド中央銀行(RBI)は、インド企業による対外商業借入(ECB)の利用に係る規則を緩和する通達第 17 号を公布した。現行規則の
下では、企業は 1 会計年の間に、平均償還期間 3 年以上の ECB で 2,000 万 US ドル以下の融資を受ける場合、及び平均償還期間 5 年以上の ECB
で 5 億 US ドル以下の融資を受ける場合に自動ルートを利用することができる。この ECB 規則を変更する通達第 17 号に基づき、企業は、承認ルートを
通じて、平均償還期間 10 年以上の ECB で 2 億 5,000 万 US ドルの追加融資を受けることができるようになる。これによって、自動ルートを通じた現行の
上限額 5 億 US ドルを超える融資が受けられる。ただし、企業は引き続き、最終的な資金の使途、費用合計の上限、融資側の承認に関する規定など、そ
の他の ECB 要件を遵守しなければならない。通達第 17 号はまた、公認ディーラー第 1 分類の銀行に対して、RBI の事前の承認なく 3 億 US ドル以下
の ECB を事前に融資することを認めている。新たな上限額(現行の事前融資の上限額 2 億 US ドルからの引き上げ)は、融資に対する妥当な最低平均
償還期間を銀行が遵守することを条件にしている。
・2007 年 4 月 30 日、インド中央銀行(RBI)は対外商業借入(ECB)政策を修正するための通達第 44 号(RBI/2006-2007/365 A.P. (DIR Series)
Circular No. 44)を公布した。この修正によって、ECB の自動認可による期限前返済額の上限は従来の 3 億 US ドルから 4 億 US ドルに引き上げられ
た。これに伴って、公認取引業者(Authorized Dealer)カテゴリーI に分類される銀行は、少なくとも借入に適用される平均償還期間において、RBI の事
前承認を経ることなく、最大 4 億 US ドルまで ECB の期限前返済を行うことを許可することができる。
・2008 年 5 月 29 日、ルピー下落基調下、RBI は、ECB 規制を緩和し、インド国内への投資を目的とする場合の借入限度額を 3000 万ドルから原則 5000
万ドル(インフラ投資等の場合には 1 億ドル)に引上げた。また、借入金利上限も引上げられた。国内投資刺激、高成長持続、インフラ整備促進が狙い。
・2008 年 9 月 22 日、インド中央銀行(RBI)は、インフラ関連企業による対外商業借入(ECB)の借入上限額を従来の 1 会計年度 1 億 US ドルから 5 億
US ドルへと引き上げる通達(Circular)第 16 号を公布した(即日発効)。同通達に基づき、ルピー建て支出について 1 億 US ドルを超える ECB の借入
は平均借入期間を 7 年以上としなければならない。同通達に基づき修正された ECB の借入上限額は(総額)は下表のとおり。
All-in-Cost ceiling over 6 Months LIBOR(*)
Average Maturity Period
Existing
Revised
(*) for the respective currency
Three years and up to five years
200 basis points
200 basis points
of borrowing or applicable
benchmark
More than five years and up to seven years
350 basis points
350 basis points
More than seven years
350 basis points
450 basis points
・2013 年 7 月 1 日、インド中央銀行は通達 RBI/2013-14/12 を発出し、7 年超であれば運転資金(working capital)目的での対外商業借入(ECB)の利
用を政府認可ルート(Approval Route )で認めた。
・2016 年 3 月 30 日、インド中銀は、ECB ポリシーの変更を発表し、インフラ向けの ECB の借入期間が 10 年以上から 5 年以上に短縮した。
(RBI/2015-16/349、A.P.(DIR Series)Circular No.56)
14税制
時計協
日商
日機輸
(1) 高率の間接税
・付加価値税(VAT)12.5%∼20%(州により異なる)。
・税制の簡素化と税率の低減。
・物品税制
中央売上税(CST)2%・サービス税 12%。
教育目的税 3% 関税など高率で運用が複雑。
・相殺(追加)関税(CVD:Countervailing Duty)、特別追加関税(ADC:
・追加関税(CVD,ADC)の早期撤廃が望ま
Additional Duty of Customs)が基本関税に追加で課される。相殺関税は物品 れる。
税と相殺可能であるが、キャッシュフローへの影響が大きい。
(対応)
・2004 年 7 月、教育税(education cess)が導入され、関税に賦課された。物品税と教育税が継続している。関税諸掛(custom duties)は低下してきてお
り、2003 財政年度に関税率が 23%の上限に引き下げられ(一部例外あり)、関税諸掛のピークレートは 15%から 12.5%に引き下った。
・物品税に関し、コンピュータに物品税 12%の再課税、タバコに 5%の引き上げ、Oil Industries Development Act の税が 1,800Rs/MT から
2,500Rs/MT への引き上げがなされた。
・サービス税の一般税率が 10%から 12%に引き上げられた。教育税を含むサービス税の実効税率は 12.24%となる。
・2007 年 2 月 28 日、政府は 2007 年度連邦予算案を発表し、①教育目的税を 1%引上げ 3%とする。②中央売上税(CST)を 1%引下げ 3%にする。③
燃料税を 2%引下げ 6%にする、とした。
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
2015 年版
区分
意見元
No 問題点
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 15/35
準拠法
・2010 年 2 月 26 日、ムカジー財務相は、下院(Lok Sabha)において、インドの 2010/11 年度連邦予算案を発表した。大半の品目に対する関税の最高税
率を引き続き 10%とする。原油の基本関税率を 5%、ディーゼルとガソリンのそれを 7.5%、その他の石油精製品のそれを 10%とする。ディーゼルとガソリ
ンの物品税を 1 リットルあたり 1 ルピー引き上げる。物品税の標準税率を一部の例外を除き 10%に引き上げる(昨年 2 月、非石油製品については 8%に
引き下げられていた)。一部の特定品目に対する基本物品税率を一般の品目よりも低い 4%に維持する。大型車、多目的車、スポーツ多目的車に対する
物品税率を 20%から 2 ポイント引き上げ 22%とする。サービス税を 10%のまま維持する。
農業分野における間接税の詳細は以下のとおり。
以下の設立・拡張に対する譲許関税率を 5%とし、サービス税を免除する。
−冷蔵保管、冷蔵室、冷凍庫(養蜂、園芸、酪農、鶏肉、水生生物、海産物などの農産品・関連製品の保存、貯蔵又は輸送のための予冷機を含む)
−上記製品の加工装置
冷凍バン・トラックの製造において必要な冷凍装置に対する関税を免除する。また農産品の保存、貯蔵又は輸送のために使用される一部の設備に対する
物品税の免除を養蜂、園芸、酪農、鶏肉、水生生物、海産物にも適用する。
所定の農業機械(田植え機、レーザー地ならし機、綿摘み機、刈取結束機、わら・飼料束ね機、サトウキビ収穫機、トラック型刈取脱穀機の製造において
使用されるトラックなど)に対する基本関税率を 5%に引き下げる。農業用のトレーラーとセミトレーラーに対する物品税は完全に免除されている。
プランテーションで使用される一部の機械に対する関税譲許と相殺関税 免除の期間を 2011 年 3 月 31 日まで延長するとともに、プランテーションで使用
される一部の機械に対する物品税の免除を再び導入する。
小規模製造業者が収益年に行う資本財(機械設備)の初期据付に対して課される中央物品税を免除するとともに、資本財の購入に対する中央物品税の
支払いを月 1 回ではなく四半期に 1 回にすることを認める。
・2011/2012 年度予算案は、中央物品税の賦課について、新たな物品税率又は物品税率を変更(2011 年 3 月 1 日より施行):
①従来免除されていた 130 の指定品目に対して 1%の関税を賦課(CENVAT クレジットの優遇措置なし)、
②加工食品、中間繊維、薬品、医療設備など特定品目に対する関税率を 4%から 5%に引き上げ、
③特定のコンピュータ部品、ブランドジュエリー、貴金属製品に対して 5%の関税を賦課、
④ブランド既製服に対する 10%の関税を義務化(従来は任意)、
⑤ポートランドセメントに対する関税の仕組み(通常は従価ベース)を各種形態に応じて変更し、一定の種類については 10%、その他については従価ベ
ースで 10%以上とする。
・2012 年度予算案で物品税の標準税率が 10%から 12%に引き上げられ、優遇税率も 1%引き上げられた。また、4 月 1 日サービス税が現行の 10%から
12%に引き上げられた。物品税の税率上昇に伴い、物品の輸入に際して関税とともに徴収される相殺関税も増税される。他方、相殺関税に課されてきた
教育目的税 3%は免除される。
・2013 年度インド予算案にて発表された 2013 年税制改正において、スポーツタイプ多目的車)SUV の物品税(Excise Duty)が 30%へ 3%引き上げられ
た。
・2015 年度国家予算の税制改正で Wealth Tax の廃止が決定された。
(改善)
・間接物品税(SED)に関する 3 つの税率(8%、16%および 24%)の単一税率とする。従って従価物品税の基本構造は、16%の中央付加価値税
(CENVAT)と 16%の単一特別物品税率となる。この結果、間接税の体系は、16%の CENVAT のみが課せられる品目と CENVAT と SED が合算で課税
される品目の 2 種類に簡素化される。ただし、ミシン糸、LPG、ケロセン、および 10 馬力までのディーゼル・エンジンについては CENVAT5%とする。
・2002 年 3 月、財務省は、発電所向けナフサへの物品税へ(27.6%)を完全に免除した。但し、LNG への転換が完了および計画している発電所のみを対
象。
・2003 年度予算案で、エアコン、乗用車・多目的車、タイヤ、ポリエステル繊維、清涼飲料水に課されていた 16%の特別物品税が 8%に引き下げられた。
・2008 年度予算案で物品税の基本税率 16%を 14%に引き下げるとしている。
−小型自動車、二輪車、バス:16%→12%
−ハイブリッド車:24%→14%
−電気自動車:8%→0%
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
2015 年版
区分
意見元
No 問題点
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 16/35
準拠法
・2008 年 12 月、物品税が 10%へ引き下げられた。
・2009 年 2 月、物品税が 8%へ引き下げられた。
・2009 年 7 月 6 日、インド財務相が、連邦議会下院 1 に提出した 2009-2010 年度連邦予算では、中央付加価値税(すなわち物品税)2 の中心税率 8%
を維持する一方で、4%の低減税率を 8%に引き上げた(食品、医薬品、紙、医療設備や特定の繊維機械など一部品目を除く)。今回の修正によって影響
を受ける主なセクターには、石油製品、電子情報機器、ソフトウェア、自動車、医療用品・機器が含まれる。
・2011/2012 年度予算案は、中央物品税の賦課について、物品税を免除(2011 年 3 月 1 日より施行):
①(超)巨大発電プロジェクトの立ち上げに必要な物品、
②巨大発電プロジェクトの拡張に必要な物品(灰処理システム及び石炭輸送システムは、巨大発電プロジェクトの不可分の一部として分類)、
③コールドチェーンインフラ用の冷凍冷蔵庫、空調パネル、コンベヤーベルトシステム、
④カラー未露光映写用フィルム(400 フィートと 1000 フィートのもの)
・2014 年 6 月 25 日、インド中央物品税・関税局、一部機械設備・自動車などの物品税譲許税率を延長(2014 年 6 月 30 日以降 12 月 31 日まで)。
JEITA
日機輸
日商
JBMIA
JEITA
日機輸
日商
JEITA
日機輸
自動部品
日製紙
日機輸
(2) 複雑な税制
・インドの税制はとにかく複雑である。州により違う。種類が多い。相殺・還付可能 ・国によるシンプルな税制への早期統一を ・Union Budget
税も多いが手続きが煩雑。
望む。
・インド所得税法
−Income Tax Act, 1961
−Local Sales Tax(=VAT)により倉庫の集約、在庫の圧縮が困難。
−Income Tax Rules,
−Road Permit 手続きが複雑で困難。
1962
・州により VAT、サービス税の課税範囲の解釈が異なる。税務署員の腐敗。
・インドの間接税は、中央政府が徴収権限を有する中央税(関税、物品税、中央 ・間接税の簡素化に向けた、CST 制度の早 ・中央物品税法、他
政府売上税、サービス税等)と、州政府が徴収権限を有する州税(州付加価値 期導入(2016 年度からの導入を要望)。
税、印紙税、入境税、オクトロイ等)が存在し、税金の種類・課税方法が複雑・多
岐に亘っており、対応に苦慮している。
かかる複雑な体系を簡素化する目的から、現行の関税を除く全ての間接税を廃
止し、物品・サービス税(CST)へと一本化される検討・準備が進められている。
・州税を納付するため拠点毎の課税計算が必要(内部拠点間の製品移動が課税 ・CST(中央物品税)の導入。
対象となる)。
・州跨ぎ税等コストアップ要因となる税が存在するが、客先から回収出来ないケー ・受取りと支払いとの間で単純に相殺可能と
スがある。
するルールが必要。
・州をまたぐごとにかけられる課税。
・コスト競争力低下の改善。
・中央税と地方税が複雑な間接税の体系で、間接税の専門家を 2 名雇用する必 ・統一税(GST)の早期実施。
要がある。
取引において税務関係の Form を揃えるのに手間と時間が掛かる。
(対応)
・2002 年 6 月に終了した WTO の TPRB 審査報告によると、インドの物品税構造の複雑さは徐々に軽減され、16%の標準税率に、最終的には VAT シス
テムに移行する見込みであるが、州売上税を VAT に転換する試みはあまり成功していないと指摘している。
・2003 年度予算案では、2003 年 4 月 1 日より、付加価値税(VAT)が導入され、州売上税が廃止されることになっている。また、VAT 導入に伴い、州間売
上税である中央売上税(CST)を 2003 年度 4%から 2%へ引き下げ今後段階的に廃止する方針が示されている。
・政府は 2010 年 4 月に物品税、サービス税、VAT などの販売税を物品サービス税(GST)に一本化する方針。
・インド財務相は、2009-2010 年度予算案でフリンジベネフィット税(FBT)及び商品取引税(CTT)の廃止を提案した。
・2010 年 1 月 25 日、インド政府は、州財務相権能委員会(ECSFM)が作成した財・サービス税(GST)に関する第 1 ディスカッション・ペーパーに対する
意見公募の実施を発表した。インド政府はまた、同ペーパーに示された歳入局の勧告に対する意見公募も行っている。GST の導入に向けた行程表は
ECSFM が作成している。GST が導入されれば、カスケード税制(多段階の累積的課税)は廃止され、財やサービスに対する税の徴収が単一の包括的税
制で行えるようになることから、現行の付加価値税(VAT)制度の改善につながる。GST は、2010 年 4 月 1 日から実施される予定である。
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
2015 年版
区分
意見元
No 問題点
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 17/35
準拠法
・2010 年 2 月 19 日、インド政府は、2010 年中央物品税(改正)規則(以下、新規則)を公布した(2010 年 4 月 1 日より施行)。新規則は、物品税の支払い
方法や税務報告書の提出方法について定めた 2002 年中央物品税規則(以下、旧規則)の規定を改正している。
・2010 年 2 月 26 日、ムカジー財務相は、下院(Lok Sabha)において、インドの 2010/11 年度連邦予算案を発表した。同予算案は、一部分野への輸出優
遇措置を延長するとともに、経済の監視と財政安定の確保を任務とする財政安定・開発委員会(Financial Stability and Development Council)の設
置を提案している。同予算案はまた、物品税の基本税率を 8%から 10%に引き上げている(一部例外あり)。関税の最高税率は変わらない。そのほか、農
業、環境、医療、インフラの各分野に影響を与える多くの優遇措置も提案されている。直接税基本法(DTC)を制定し、2011 年 4 月 1 日から実施する。財・
サービス税(GST)も 2011 年 4 月 1 日からの実施を目指す(現在、その仕組みを完成させる作業が進行中)。
・輸入時に払うべき税金の総額である実効関税は、サービス税と物品税が 10%から 12%に引き上げられて相殺関税が増税される一方、教育税の免税によ
り、輸入時に支払う関税等総額は、基本関税を 10%とした場合、現行の 26.85%から 28.85%に上がる。
・2014 年 7 月、2014 年度予算発表の財務省演説で、モディ政権は GST 導入に向けて 14 年度内に法整備を行う方針を発表した。GST 導入には、各州
政府に徴税権を認めているインド憲法の改正が必要であるが、州政府の中には反対の声があること、憲法改正には国会の上下院の 3 分の 2 以上の賛成
が必要だが、両院で「ねじれ」が生じていることから、16 年度内に GST 導入することは容易ではないとの見方もある。
(改善)
・2012 年 7 月 1 日、サービス税について 17 種類のネガティブリスト方式への完全移行が施行された。
自動部品 (3) 不当な譲渡益課税 ・日本国内でインド゙企業株式を譲渡した場合でもおインドで課税が生じる(直接譲 ・日本法人間で譲渡した場合の譲渡益課税 ・日印租税条約
渡)。日本国内でインド企業株式を保有する会社の株式を譲渡した場合もインド は、日本側でのみ生じるように、日印租税 ・インド法人税法
条約に規定頂きたい。(インドとシンガポー
で課税が生じる(間接譲渡)。
ル間では租税条約に規定有り)
JEITA
(4) 印星租税条約にお ・インドにおける源泉課税について、シンガポールからインドにデザインや採用等
・印星租税条約
日機輸
ける売上税源泉徴 のサービスを提供する場合、販売金額の 10-20%の源泉徴収税を支払わなけれ
収の全額還付不可 ばならない。シンガポールとインドの間の租税条約に基づき、シンガポールで税
の還付が受けられるが、全額は還付されず、利益に大きく影響を与える。
JEITA
(5) 長期出張者の PE ・現地の税法上、長期出張者の PE 上の取り扱いが不透明である。特に、183 日 ・長期出張者の 183 日ルールの適用方法 ・移転価格税制(法人税法)
自動部品
取扱いの不透明
ルールの考え方や数え方、親会社の義務として行う監督指導も PE リスクに直結 (日数の計算、現地を明確化して頂きた
日機輸
するか等々の点が明確でないため、今後、拠点への長期出張が増大してきたと い)。
きの運用面に支障が生じるのではと懸念している。
(対応)
・2014 年 5 月、セントリカ・インディアの判例が出て、セントリカの海外法人が出向後も給与を払っており、インド子会社のセントリカ・インディアは実質的な解
雇権がないことを以て本国イギリスの親会社の従業員として本国のために業務を提供していると扱われ、PE 認定が行われ、イギリスとインドの租税条約に
にはサービス PE の条項があるので、それに該当することになった。
・モルガンスタンレー・インディアの判例では、管理運営のための短期出張では PE にはならないとされたが、米国親会社 MSCo からインド子会社 MSAS
に従業員としての派遣は、MSCo の給与体系に組み込まれており、また MSCo に対する職務上の権利を有しているとして、サービス PE に該当すると見な
された。ただし PE 認定は受けたが課税はゼロであった。従業員を派遣してインドで活動したことに対する報酬をインドで支払っており、その PE で行った
活動に対する適正な所得がインドで落ちていれば PE に帰属する追加的所得がないという最高裁判決に基づいて課税がゼロとなった。
日機輸
(6) 関連会社間取引に ・関連会社間取引における移転価格審査のため、現地関連会社・本邦親会社間 ・当社事業案件の CIF Supply 契約におい ・移転価格税制
おける過剰な移転 の取引において、本邦親会社の膨大なコストデータを提示するよう要請されてお ては、現地関連会社は商社に過ぎず、本 ・関税法
価格審査
り、多大な労力を割き本業が阻害されている。
邦親会社の価格に最低マージンを乗せて
審査担当官の判断により追徴課税等のリスクがある上、訴訟も視野に入れなけ いるだけであり、High Sea Sale によりイン
ればならない。
ドへの輸入者は客先である。その上、現地
関連会社の価格は国際競争入札の結果
この問題の一環として、当社事業案件の CIF Supply 契約では、現地関連会
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
2015 年版
区分
意見元
No 問題点
問題点内容
インドにおける問題点と要望 18/35
要望
準拠法
社・本邦親会社間の取引において 1%の保証金を支払わされている。
(PJ 終了後に返金されるはずだが手続きが不明確)
日機輸
日商
でもあり、このようなスキームの関連会社間
取引は移転価格審査の対象外とすべき。
・当局間又は担当官(人)により違う見解、対
応の解消。
(7) 商社活動への不当 ・移転価格調査が各商社現法に対して実施され、主たるビジネスである仲介手数 ・移転価格税制に係る総合商社の事業内容 ・Section 92C/92CA
Income Tax Act,1961
な移転価格税制更 料取引についても、通常の売買取引と同等の取扱高に対する利益率を稼得す 解釈の適正化。
生・追徴課税
べきとの一方的主張の下、各社に多額の追徴税額を課した。
・透明性と合理性のある税務調査の実施。 ・Income Tax Act Section
92-94
インド進出及び取引拡大の大きな障害となっている。またその対応に忙殺される
と共に、コンサルタントに対する手数料等、多額のコストが生じている。
(対応)
・2014 年 10 月、デリー税務裁判所が日本の総合商社の現地子会社による課税不服申し立てを認める判決を下した。インド当局は、日本の総合商社の現
地子会社の業務を、モノを売買する貿易業者と同じと判断し、高い利益を上げているはずだとして、移転価格税制に基づいて課税した。このたびの判決
で、売り手と買い手をつなぐ仲介役として金融や物流の機能などを提供しコミッション(手数料)をとる日本の商社のビジネスモデルを認め、当局の追徴を
退けた。
JEITA
日機輸
日商
JEITA
日機輸
(8) 移転価格税制の不 ・多大な調査工数と納得性に乏しい判断(海外への多額な資金流出全てを移転 ・調査官のレベルアップ(国際レベルへ)。 ・所得税法 144C
透明・恣意的適用 価格上受入れない姿勢)。
(対応)
・インドでは、「事前確認(Advance Pricing Arrangement; APA)」がまだ導入されていないため、移転価格課税を予測することができない。また、移転価
格課税についての予測可能性を確保すると同時に二重課税のリスクを回避することを目的とした、日本政府とインド政府の税務当局間での「相互協議
(Mutual Agreement Procedure ; MAP)」についても、申し立て例はあるものの、これまでに合意した例が無い。(参考:国税庁「平成 21 事務年度の『相
互協議を伴う事前確認の状況』について」(2010 年 11 月)(http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2010/sogo_kyogi/pdf/01.pdf))
・2012 年度予算案における税制改正により、移転価格税制に関し、①国外関連者取引として保証行為、事業再編・組織再編、通常の営業仮定から生じる
権利・義務、マーケッティング資産や人的資産等の無形資産が移転価格税制の対象となることを明記、②移転価格税制の対象取引として新たに特定国
内取引(specified domestic transaction)の定義が設定、③独立企業間価格と企業の国外関連者との取引価格の差額を±3%と明記、④事前確認制度
(APA)を導入した。
・税務当局が容認しがたい租税回避を行う行為(impermissible avoidance arrangement)とみなす契約・取引を否認できる一般的租税回避規定
(GAAR)が、2012 年 4 月に導入が予定されていたが、2013 年 4 月に延期され、さらに 2015 年 4 月に延期された。
(9) 不当な PE 認定・ ・現地子会社が、親会社から独立して業務を行っており、また特段の業務変更が ・日本の親会社等に対する不当な PE 認定
PE 課税
無いにも係わらず、突然インド税務当局から、「当該子会社は何のリスク負担もせ および PE 課税を行わないこと。
ず、親会社の取り次ぎに過ぎない」等という主張に基づき、親会社の PE であると ・同様の内容で、更なる追徴課税の発動
認定された。
や、不毛な訴訟の継続を取りやめること。
・オフショア仕入取引に関するインドからの支
払いは源泉徴収や、源泉徴収義務違反課
税の対象としないことを、税法改正あるいは
税務通達の発行により明らかにすること。
(10) 配当に対する特別 ・高税率(16%超)の配当税課税により、クロスボーダーのグループ企業間資金還 ・配当税の廃止、或いは税率の見直し。
課税制度
流が困難。
・所得税法
・中央銀行
(対応)
・インドでは、海外親会社に配当支払いを行うインド子会社に対して配当分配税(DDT:Dividend Distribution Tax)が課税される。
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
2015 年版
区分
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日機輸
JBMIA
JEITA
日機輸
日商
No 問題点
問題点内容
インドにおける問題点と要望 19/35
要望
準拠法
・2012 年度予算案における税制改正により、インド孫会社から支払われる配当金を原資として同一課税年度内にインド子会社が海外親会社に配当する場
合、インド孫会社からインド子会社への配当支払いに対してのみ DDT が課税され、インド子会社から海外親会社への配当時に DDT の課税は発生しな
いことになる。
・2013 年 4 月 1 日以降、配当を支払う企業に課税される配当分配税は、サーチャージが 5%引き上げられて実効税率 16.995%(15%+サーチャージ
10%+教育目的税 3%)となった。
・2013 年 6 月より配当分配税を回避する目的で行う自己株式の買い戻し行為に対する新たな課税(Buy Back 課税)を導入し課税強化を実施した。実効
税率は 22.66%(基本税率 20%+サーチャージ 10%+教育目的税 3%)。
(11) VAT と売上税の相 ・州税である VAT(州内取引 12.5%)と売上税(州間取引 2%)の相殺不可。
・現在審議されている、GST 統一税制の早
殺不可
期導入が望まれる。
(12) 物品税の課税ベー ・CVD Excise は、内国品に賦課される物品税に相当する税で、輸入時に課税さ ・MRP 制度・MRP ステッカー貼り付け制度
スの判定基準の不 れるが、品目によって、課税価格が CIF 価格をベースにする場合と、MRP(最 を廃止し、CVD Excise の課税価格を CIF
明確
高小売価格)をベースにする場合に分かれる。しかしながら、その決定基準が曖 価格ベースに統一すべき。
昧である。
また、MRP ベースで課税価格を決める際、Abatement 率が当局により設定さ
れるが、この決定過程が不透明である。
更に、MRP ステッカーを輸入時に各製品の梱包上に貼り付ける必要があり、生
産工程上でも負荷、コストアップになっている。
日機輸
(13) 物品とサービスとの ・物品税(12.36%)と VAT が夫々課されるケースあり。サービス提供時はサービス ・製造業者に対して多大な税負担となって
課税の不平等
税(12.36%)のみ課税されるので不平等な課税となっている。
いる。
日商
(14) GST の導入遅延 ・州付加価値税、物品税、サービス税、州間取引に課される中央売上税といった ・GST の早期導入。
非常に複雑な間接税体系となっている。昨年 5 月に誕生したモディ政権は GST
導入を政権公約にしており、本年/来年中の導入を期待する。
・GST Bill
(対応)
・2015 年 12 月にインドの冬季国会が閉会し、連邦政府と州政府の各種間接税を統合する物品・サービス税(GST)の導入のための憲法改正法案(GST 法
案)は導入に反対する野党により度々審議が中断され可決に至らず、モディ政権が目標とする 2016 年 4 月からの GST 導入はできなくなった。さらに、
2016 年 5 月 13 日に閉会した予算国会でも GST 法案の上院での審議は見送られ進展は見られなかった。政府は 7 月のモンスーン国会での法案成立を
目指しているが、国会が憲法改正法案を可決したとしても、なお全 29 州のうち 15 州以上の州議会の承認が必要となる。
日機輸
(15) 使用料・技術上の ・日・印租税条約における「使用料及び技術上の役務」に対する源泉課税は、イン ・租税条約の早期の改訂。
・日・印租税条約
役務に対する源泉 ドにオフショア界月を委託するうえでの経済的阻害要因となっている。
課税
(対応)
・2016 年 2 月末に政府が公表した予算案において、2017 年 4 月 1 日より、インド居住者がインドで開発・登録した特許に関連するロイヤルティは、グロス
ベースで 10%(サーチャージ及び教育目的税別途)の税率を適用するパテント・ボックス税制を導入することを提言した。
日機輸
(16) 租税条約適用にお ・日印租税条約に基づく源泉税率 10%(PAN がない場合は 20%)の低減税率を ・日印租税条約適用条件の緩和。
ける税務番号
適用するにも、日本の企業が PAN を取得する必要があり、実際的に低減税率を ・PAN 取得要件の撤廃。
(PAN)取得要件
適用できないケースが多い。
・日印租税条約
(対応)
・2016 年 2 月末公表の 2016 年度インド予算において、一定の条件の下、非居住者が PAN を有しない場合でも 20%以上の高率の源泉徴収税が適用さ
れない」方向で改正されることが発表された。
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
2015 年版
区分
インドにおける問題点と要望 20/35
意見元
No 問題点
日製紙
(17) Entry Tax 課税の ・州内の産業保護を目的として、州外から原料を買った場合に課税されるが、
・Entry Tax 自体が産業の成長を阻害する
不合理
5-15%だったものが、一律 14%に統一され、かなり高額になった。原料の購入 ものであり、撤廃を求める。
にかなり深刻な影響がある。
問題点内容
要望
準拠法
(18) CIF Offshore 契約 ・現地税務申告の際、CIF 等で契約の機器分については Offshore であるため税 ・税務当局に対し査定の透明化、公正化を
機器へのみなし課 務申告していないが、CIF/Offshore についてもみなしで課税され、かつ遅延金 お願いしたい。
税
利やペナルティを請求されることもある。外国企業の参画・参入の障壁となって
いる。
自動部品 (19) 低利社内ローンへ ・福利厚生のためのローンに市中銀行並みの金利を付加することを求められ、低 ・福利厚生にも考慮した対応を希望したい。
の課税
利の場合その差額に対して税金を納める様に変更になった。従業員の手術入
院費等高額な支払いに対応出来なくなった。社内ローンの事実上廃止を余儀な
くされた。
(1) 輸入最低価格設定 ・政府の輸出入政策(5 年毎/現行 1997 年 4 月∼2002 年 3 月)の臨時措置とし ・制度の撤廃を望む。
日鉄連
・Steel and Steel Products
(Quality Control) Order
て 1998 年 12 月 11 日に輸入最低価格制度が導入され、廉価の鉄鋼製品輸入
に歯止めを掛けた。その後、国内リローラー・ユーザー組合が政府に当該措置
撤廃を要請。これを受けて 1999 年 12 月最低価格の下方修正、さらに 2000 年
1 月には撤廃が発表された。しかし、国内鉄鋼メーカーがこの撤廃措置を不当と
してカルカッタ高等裁判所に提訴し、係争中。審議中の扱いで輸入最低価格制
度は効力がないとの解釈から制限を無視して輸入されているのが実態。
(2) 電気料金への政府 ・配電会社の電力料金には政府の補助金が投入されており、安く抑えられてい ・インフラ整備の一環として配電事業への市 ・電気法 2003(The
日機輸
Electricity Act 2003)
補助金による参入 る。第三者が配電事業に進出するには価格的に不利となる。
場参入が促進されるような規制の段階的
障壁
撤廃を期待。
(1) 労働者過保護の労 ・勤続年数の長い労働者が過度に保護される法規制等により、事業環境に即した ・関連法規制の見直し。
日商
・Industrial Disputes
Act,1947
働法制
柔軟な人員体制構築が困難。
JEITA
・全般的に労働者保護の観点が強く、リストラする際の許認可が必要であり、将来 ・会社と組合(もしくは従業員代表)との間で
日機輸
の成長を見据えた思い切った人材投資がしづらい。
の交渉で完結できるよう望まれる)。
(対応)
・従業員(即ち管理・監督職以外の従業員)の解雇について雇用者は法律上の多くの形式を遵守しなければならず、従業員は雇用者の無差別解雇から保
護される。従業員の雇用解雇の開始に先立ち、部門別懲戒処分を実施しなければならない。その上、州がスポンサーとなる調停官、労働裁判所、労使関
係裁判所などの各種労使関係紛争の調停機関が設けられている。一般に労働争議は、労使間の長期戦が必至で、関係当局の各層を一層ずつ辿るため
インド最高裁判所で決着をつけるまでには多数の年月が必要とされる。但し、紛争手続きの過程でいつでも和解することはできる。
・2001 年 3 月 1 日、シン蔵相は国会での 2001 年度予算演説で、解雇人員削減、閉鎖に関する政府許可を要する企業を 1,000 人以上の企業に緩和する。
非中核部門のアウトソーシングを可能とするよう、1947 年労働法改正案と 1985 年経営悪化企業法の廃止を提案した(これに対して各労組は一斉に反
発)。
・2014 年に事前許可要件が課されるワークマンの雇用者数の基準を 100 人から 300 人に引き上げたラジャスタン州の措置を追随する動きがマディヤプラ
デシュ州やウッタルプラディシュ州など多くの州で起きている。
日機輸
15価格規制
16雇用
JEITA
日機輸
(改善)
・2014 年 8 月、ラジャスタン州では、従業員の解雇を行う場合に州政府の事前承認を要する企業の雇用数を 100 人から 300 人に引き上げる州労働法の
改正がなされた。
(2) 州毎に異なる労働 ・全般的に州毎に雇用にまつわる基準が異なるが、その内容を把握するツールが ・労働関係法書籍の発刊、もしくはインター
基準
乏しいため、労務管理が難しい。
ネットでの情報開示が必要。
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
2015 年版
区分
インドにおける問題点と要望 21/35
意見元
No 問題点
JEITA
日機輸
(3) ビザ申請手続の煩 ・就労査証の手続き(新規赴任時・更新時ともに)にあまりにも時間と手間がかかり ・日本人に対し手続きの簡素化・時間短縮、
雑・遅延
すぎる。
査証期間の拡大が望まれる。
・もっと活発に日印が交流できるよう、日本
人については査証なしで入国できるよう入
国規制緩和が望まれる。
・ビジネスビザ、雇用ビザ等を申請する際に要求される書類が多く、前もっての事 ・EPA を締結している国同士なので、ビザの
前準備が必要になる。
発給要件を緩和してほしい。
JGMA
問題点内容
要望
準拠法
(対応)
・2009 年 8 月 20 日、商工省は、外国人へのビザ発給基準に関する通達を出し、B ビザで就労している外国人に対し、9 月 30 日までに国外退去を求めた。
また同様の業務で再入国する外国人は、その本国の大使館・領事館で就労ビザ(E ビザ)取得を義務付けた。また、就労ビザの発給対象者を高度な技術
を有する技術者、専門家、上級管理者または経営者に限定することとした。
・2010 年 4 月、ビザ発給に関するガイドラインを発行し、就労ビザの対象を年収 2.5 万ドル以上の熟練労働者とし、有効期間を 2 年間、IT 関連者を 3 年
間とした。
・2016 年 3 月 1 日、インド内務省は、ビジネス、観光、会議参加、医療目的の 30 以内の日本人渡航者に対しシングルエントリー(ビザ有効期間内に 1 回だ
け入国可能)が認められる「ビザ・オン・アライバル」制度の運用を開始した。各国際空港で同制度が実施されるが、ニューデリーのインディラ・ガンディー国
際空港では、ビザ・オン・アライバルの専用カウンターには、日本語を解するインド人スタッフが常駐して申請手続きを補助しており、カウンターに用意され
ている申請書をその場で入手・記入し、顔写真の撮影と申請料の支払いにより、ビザを入手することができる。
(改善)
・就業ビザ更新(毎年更新必要)申請から受領まで 6∼8 ヶ月を要していたが、4∼6 ヶ月に受領期間が短縮された。また、受領までの間は、従前シングルテ
ンポラリー(1 回の渡航のみ)しか発行されず、何回も移民局に出頭する必要があったが、マルチビザが利用可能となった。
・2014 年 9 月、外国人登録事務所での滞在許可の登録・更新に当たって、今後は本人が出向く必要はなく、代理人が代行できることになった。
・2016 年 6 月 10 日、インド大使館は、日本人に対して最長 10 年間の有効期限の長期ビジネスビザの発給を開始した。但し、本ビジネスビザでの連続滞
在期間は 1 回の訪印につき 180 日を超えないことが条件となっている。
(4) 日印社会保障協定 ・インド-日本間では社会保障協定に合意・署名済みであるものの発効にはいたっ ・社会保障協定に発効に向けて進展してい
の発効遅延
ていない。①社会保険への 2 重加入及び②58 歳になるまで還付がなされないこ ると聞いているが、締結に向けて迅速なア
とによるコスト負担の増加が生じ、既に施行済みの韓国と企業と比べコスト競争 クションをお願いしたい。
に劣る。
JEITA
・インドにおいては社会保険料を支払うことが外国人にとっても義務付けられてい ・日印社会保障協定の締結早期発効。
日機輸
る。58 歳で受け取れるが会社側としての管理と受領方法が困難。
自動部品
・社会保障協定は署名され、批准も 2013 年 12 月に終了しているが、細則が依然 ・社会保障協定の発効を促進して頂きた
協議中のため、駐在員の年金の 2 重払いが続いている。
い。
会社負担 12%であり収支への影響がばかにならない。
日商
・現制度下では、駐在員が駐在期間中に支払った Provident Fund(PF)が 58 歳 ・日印社会保障協定の早期発効。
以降にならないと返金されない。2012 年 11 月に日印政府間において社会保障
協定が締結、13 年 12 月に日本での国会承認が完了(インドは国会承認不要)。
今後交換公文等の手続きを経て発効の予定であるが、未だ公文書への署名が
完了していない。発効されれば駐在期間 5 年未満の駐在員は、帰国時に PF の
返金を受けられるようになる見込み。
日機輸
日商
・G.S.R 148 and G.S.R
149 Dated September
2010
・積立基金法
・The Employees'
Provident Funds
(Amendment) Scheme
2010 (EPF) and the
Employees' Pension
(Amendment) Scheme
2010 (EPS)
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
2015 年版
区分
意見元
No 問題点
問題点内容
インドにおける問題点と要望 22/35
要望
準拠法
(対応)
・2011 年 7 月から日印社会保障協定の政府間交渉を開始した。
・2012 年 5 月 28 日、日本国政府とインド共和国政府は、日印社会保障協定について実質合意に至った。
・2012 年 11 月 16 日、日印社会保障協定が署名された。
化繊協会 (5) 退職年金積立金の ・外国人駐在員は退職年金積立金(Provident Fund)として所得の 25%をインド ・出来る限り早く明確にして頂きたい。
返還の不透明
へ支払っている。しかし今後、日印間で租税協定が締結され、駐在員が帰国し
た場合、この支払った積立金が本当に実運用で返金されるのか不明である。
(6) 都度出国許可の煩 ・ジャルカンド州では在留外国人が、インド出国の都度、在留許可を管轄する警 ・都度出国許可が必要と規定されたジャル
日機輸
雑・不合理
察署の許可を得る必要がある。緊急の帰国の必要性に対応できないケースがあ カンド州ルールの撤廃。
り、且つ他州にはない措置の為、撤廃を要請している。
(7) 就労ビザ期間と外 ・FRRO(外国人在留許可)の有効期間と VISA の有効期間が異なる(地域、担当 ・2014 年 9 月のインド政府決定の徹底。
日機輸
国人登録期間の同 者によっては、同一期間で取得できる場合も有り)ため、駐在員の FRRO 手続き
一化措置の不徹底 が煩雑であった。
9 月の日印首脳会談で日本人在留者に対しては VISA と同期間の居住許可を
認める正式決定があった。
その後、FRRO 現場レベルで実行されていないケースが散見される為、日本商
工会 建議書委員会経由で再徹底を依頼(2014 年 12 月)
17知的財産制度運 日機輸
用
日機輸
JEITA
日機輸
日機輸
(1) 外国出願に関する ・インド出願後、特許付与まで、長官の要求があれば外国出願に関する入手可能 ・ドシエシステムを活用し、出願人からの情 ・インド特許法 8 条等
報提供を不要として頂きたい。
・特許法 8 条(2)「外国出願
情報提供要件の不 な情報を提供しなければならず、Office Action には、この外国の例として
に関する情報」
合理・不明確
USPTO、EPO、JPO が挙げられている。しかし、これら 3 つの特許庁での情報
・特許法 64 条(1)(m)「特許
は、出願人からの情報提供を受けなくても、ドシエシステムを使えば、審査官は
の取消」
入手可能であり、出願人に余計な負荷がかかっているように思われる。
・情報提供が必要な国が不明瞭であり、適切な対応ができない。現状の Office ・情報提供のしくみを継続する場合は、どの
Action の定型文は”Details regarding the search and/or examination
国の情報が必要であるかを明らかにして頂
report including claims of the application allowed, as referred to in Rule きたい。
12 (3) of the Patent Rule, 2003, in respect of same or substantially the
same invention filed in all the major Patent Offices such as USPTO,
EPO and JPO etc., along with appropriate translation where applicable,
should be submitted within a period of Six months from the date of
receipt of this communication as provided under section 8 (2)of the
Indian Patents Act. ”とあり、”major patent offices”が不明瞭である。
・各国における特許審査情報の電子化と公衆への提供が進んでいる今日でも、 ・特許審査情報の電子化の進展に鑑み、外
外国出願の事実や審査結果などの審査情報開示を義務付ける国があり、多数 国出願情報開示義務を緩和・廃止、又は
国で知的財産保護を求める必要のある多国籍企業にとって、その対応負担は非 義務内容の明確化を推進していただきた
常に大きい。またその義務の内容が明確でないため、将来的に意図せず義務違 い。
反となるリスクが懸念される。
(2) 特許実施報告書提 ・インドにおける特許発明の商業規模での実施の程度に関する陳述書
・陳述書がどのように活用されるのか、又、 ・インド特許法 146 条(2)「特
出に係る特異な情 (FORM27)を定期的に提出しなければならないが、他国には無い制度であり、 提出に際して現状の運用の必然性が不明 許権者からの情報を要求
報提供義務
特別な作業をしなければならず、負荷が大きい。
であるにも関わらず、特許権者に対して作 する長官権限」
業負荷が非常に大きいため実施報告書の
提出を廃止して欲しい。
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
2015 年版
区分
インドにおける問題点と要望 23/35
意見元
No 問題点
日機輸
・インドでは特許の国内実施に関する情報を提供することが義務になっている。こ ・インド国内での実施報告義務の廃止、又 ・インド特許施行規則
131(1)(2)「146 条(2)に基
の情報は全てのインド特許について、毎年、1 月 1 日∼3 月 31 日の期間中に提 は緩和をお願いしたい。
づき提出を求められる陳述
出することが義務付けられている。(インド特許法 146 条)
書の様式及び提出方法
・インド特許法 122 条(1)(b)
「情報提供の拒絶又は懈
怠」
(対応)
・特許権者は、インド国内の実施とインド国外からの実施に分けて、それらの数量・金額を毎年年度末に実施報告書を作成・提出しなければならない(特許
法 146 条(1))。また、特許意匠商標総局長官は、実施報告書として受領した情報を、所定の方法により公開することができる。
(3) 第一国出願義務の ・現地開発ニーズが高まる新興国において、当該国における第一国出願義務が ・第一国出願義務の緩和撤廃、又は法令条 ・インド特許法 39 条等
法令規定の不明確 法令で規定されている国が依然として多いが、その法令が明確でないため、有 文の明確な規定をお願いしたい。
効な知的財産権の確保が困難な場合がある。
・多数国間での取り決めなどにより、国を跨
また、多数国間にまたがる研究開発活動が必要とされる今日、複数国での第一 る研究開発への第一国出願義務の適用緩
国出願義務が抵触するリスクが懸念される。
和などを推進していただきたい。
JEITA
日機輸
問題点内容
要望
準拠法
日機輸
(4) 実用新案制度の導 ・実用新案制度の導入が積極的に検討されていると聞いている。
・もし、実際に実用新案権制度が導入される
入における制度設 また、その理由の 1 つとして、特許審査の滞貨解消が挙げられている。実用新案 ことになる場合には、実用新案権者が権利
計への懸念
制度における簡易な審査により、不安定な権利が増加し、権利濫用が懸念され 行使する際には技術評価書の提示を義務
る。
付ける、実用新案権の保護対象を明確化
する(例えば物品の形状に限る)などの対
策を要望する。
JEITA
日機輸
(5) 模倣品取締りの遅 ・警察による取締り・模倣品押収後、警察は Charge Sheet を裁判所に提出しな ・警察での取締り後、1年以内に Charge
延
ければならないが、2 年以上たっても提出されず、刑事訴追手続きが始まらない Sheet を提出するなどの期限を設けて頂き
ケースが複数ある。事件の解決が遅延する上、証人出廷が困難になったり、当 たい。
事者間交渉によるタイムリーな供給元情報取得も困難になったりする。
(対応)
・模倣品に対する権利行使については、警察に刑事告発することができ、捜索押収令状を下級裁判所から取得することもできるが、刑事手続きには長い時
間を要し、一審判決が下るまでに 4∼5 年かかる場合もあるといわれる。
製薬協
製薬協
(6) 医薬品分野の知財 ・多くの医薬品特許が認められない、認められたとしても特許訴訟では非侵害の ・TRIPS 協定に従い、技術分野並び輸入 ・インド特許法第 3 条及び第
保護の不足
判断、侵害の可能性があれば強制実施権の設定と、ほとんど知財保護が期待で か国内生産かで差別することなく特許を認 84 条
きない状態にある。
めて頂きたい。
・強制実施権の設定に当たっては、合理性・
透明性を確保して頂きたい。
・偽造医薬品は、単に知的財産権(特許権、商標権)の侵害である以上に、患者 ・偽造医薬品の製造販売、輸出の取締りを
に深刻な健康被害をもたらす場合も多いため、偽造医薬品を患者の手に届くこ 強化して頂きたい。
とがないよう取り締まることが重要である。中国、インド等で製造された偽造医薬
品が、自国内で流通するだけでなく広く他国にも輸出されている。
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区分
インドにおける問題点と要望 24/35
意見元
No 問題点
日機輸
(7) 商標案件における ・商標異議案件において、出願人が異議通知書受領から 2 ヶ月以内に答弁書を ・審査の迅速化及び停滞案件の即時進行 ・インド商標法 21 条(2)
審査の遅延/停滞 提出しなかった場合は放棄擬制となる旨規定されている(商標法 21 条)が、答弁 を希望。
書の提出がないのにも関わらず放棄擬制が実行されないまま 5 年以上動きがな
い案件が複数存在。
また、商標登録出願案件においても、長期未審査案件の存在や、現地代理人
から審査完了の報告を受けているにも関わらず、5 年以上登録証が発行されて
ない案件等が存在する。
日機輸
(8) 特許庁の制度運用 ・インド特許庁 IPDL での商標検索における操作性が不十分。
の不十分・不透明
日機輸
日機輸
19工業規格、基準 日鉄連
安全認証
問題点内容
要望
準拠法
・検索項目の追加(権利存続/失効の絞込
みや出願人での検索を可能に)。
・ステータス情報の充実(ステータスの最終
更新日付の記載)。
・4 つのインド特許庁(デリー、コルカタ、ムンバイ、チェンナイ)における審査のワ ・最近では、審査官が 4 つの特許庁間で交
ークシェアリングがされていない。
流・異動する対策がとられているようである
が、出願審査自体も 4 つの特許庁でワーク
シェアリングし、審査基準の統一化、審査
スピードの標準化を図って頂きたい。
・法令上の明確な規定がない一方、審判部での判決や特許庁の指針に基づい ・譲渡証提出の緩和又は不要を法令規定
て、全てのインド特許出願について、発明者から会社への譲渡証又は所有権を に明記して頂きたい。または、所有権を証
証明する書面を提出することが必要であると、現地弁護士から要求されている。 明する書面の要件、記載内容を簡素化し、
現地の弁護士が容易に作成し、署名でき
る内容に改めて頂きたい。
(1) 独自規格の取得義 ・2008 年 9 月 12 日、鉄鋼製品 6 品種を強制規格化。輸入・国内流通前に
・制度の撤廃、手続き(含.除外制度)の明確 ・Steel and Steel Products
(Quality Control) Order
務
IS(Indian Standard)の取得およびマーク表示が義務付けられる。
化・簡素化。
・2009 年 2 月 12 日、鉄鋼製品 8 品種(半製品、厚板、亜鉛めっき鋼板、ブリキ、
電磁鋼板等。当初予定の 11 品種から変更)の強制規格化を 1 年間延期。
・2010 年 2 月 12 日、上記 8 品種のうち亜鉛めっき鋼板(規格番号 277)にのみ規
格取得を義務付け、残り 7 品種は制度適用除外となった。
・2011 年 7 月 20 日、これまで導入が見送られていた品種のうち、9 規格を強制化
する旨、WTO に通知。
・2012 年 9 月 10 日、鉄鋼省は 2012 年 3 月 12 日に品質管理規程強制規格化
の対象となっていた 9 規格(セカンド・オーダー2012)について、製品の仕様(板
厚、板幅等)で仕分けをし、そのうち数種のインド規格および仕様の強制規格化
施行時期を 2013 年 3 月 31 日まで延期(10 月 17 日に追加改正規定を公示)。
残りの規格については、当初の予定通り 2012 年 9 月 12 日より施行。
・2013 年 3 月 28 日、鉄鋼省が改正規定を公示。セカンド・オーダー2012 対象規
格のうち、同年 3 月 31 日に施行予定となっていた規格の一部について同年 10
月 1 日までの施行延期を発表。
・2013 年 8 月 7 日、商務省が通知を公示し、セカンド・オーダー2012 対象規格
のうち、100 億ルピー以上のプロジェクト(インフラなど)に使用されるものは、同
日より二年間の適用除外となった。
・2013 年 10 月 1 日、鉄鋼省が改正規定を公示。セカンド・オーダー2012 対象規
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JEITA
日機輸
日商
日機輸
日機輸
日機輸
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JEITA
日機輸
No 問題点
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 25/35
準拠法
格のうち、同日に施行予定となっていた規格の一部施行と 2013 年 4 月 1 日ま
での施行延期、および一規格(IS2831)の導入中止を発表。
(対応)
・2008∼2009 年、日、EU、韓がインド政府に対し、鉄鋼製品強制規格の導入に対し懸念を表明。
(改善)
・2009 年 2 月 12 日、鉄鋼製品 11 品種について BIS 取得の義務付けの導入が対象品種を 8 品種に変更し、1 年間延期。対象となる品種は半製品、厚
板、亜鉛めっき鋼板、ブリキ、電磁鋼板等。
2010 年 2 月 12 日、上記 8 品種のうち亜鉛めっき鋼板(規格番号 277)にのみ規格取得を義務付け、残り 7 品種は制度適用除外となった。
(2) 工業規格、基準の ・工業規格、基準は、概して実行されていない。
・適切な実行が必要である。
不実行
(3) 短い安全規格発布 ・他国では安全規格の発布から施行までは最低 1 年猶予があるが、Electronics ・他国と同様に、発布から施行までは最低 1 ・Electronics and
Information Technology
から施行までの猶 and Information Technology Goods (Requirements for Compulsory
年設ける。
Goods (Requirements
Registration) Order, 2012 は 2012 年 10 月 3 日発布、2013 年 4 月 3 日施
予期間
for Compulsory
行で半年しか猶予がない。対象は輸入、保管、販売まで及んでおり、半年の猶
Registration) Order,
予は短すぎる。
2012
(4) 海外機関発行 CB ・CB スキーム対象国にも係わらず、海外機関が発行した CB レポートを認めな ・海外機関発行の CB レポートを認めること。 ・Electronics and
レポートの不認可 い、かつ、認定機関 CB レポートも 3 ヶ月以内のものしか受け付けない。
・CB レポートの期限制約は解除すること。 Information Technology
・2013 年 4 月 3 日から安全規格の法規制が公布されたが、日本企業に入ってこ ・他国と同様の CB レポートベースにしてほ Goods (Requirements
for Compulsory
なかった。日程的にも非常に厳しく、現地のインド企業も反対しているのになぜ、 しい。
Registration) Order,
急いで施行しようとしているのかわからない。
2012
しかも CB レポート提出でなく新たに試験をしようとしている。CB レポート提出で
はだめなのか?
・インド国内の試験機関しか認定されていない上、CB レポートが受け入れられて ・海外の試験機関への認定の拡大。
いないため、申請の殺到によりテストレポート発行まで数カ月を要している。ま ・CB レポートの受け入れ。
た、試験機関による誤記が多く、申請者による確認作業が負荷になっている。 ・BIS による登録作業の迅速化。
登録当局(BIS)によるテストレポートの精査と修正要求、登録作業の突然の中 ⇒現状、新規工場の追加は 1 カ月、モデ
断などにより、登録が完了するまで数週間を要する。
ル追加は 2 週間で処理されている。
(5) 安全規格申請の申 ・安全規格申請が 2013 年 4 月 3 日にスタートする。本来申請者は製造業者もし ・他国と同様に、製造業者もしくは輸入業者 ・Electronics and
Information Technology
請者が工場限定の くは輸入業者なのに、申請者が他国と異なり、工場となっている。製造委託を行 に変更すること。
Goods (Requirements
不合理
っている場合、委託先の工場では申請業務を受けてくれないので、申請を行うこ
for Compulsory
とができない。
Registration) Order,
2012
(6) 電子情報技術製品 ・インド通信情報技術省から 2012 年 9 月 7 日付けで家電や電子・情報通信機器 ・官報掲載日公表(施行日特定)・1 年の猶 ・Gazette of the India,
Extraordinary, Part 11,
の事前登録表示義 の 15 品目について規制を導入する旨の Order が公表されている。施行は 2 回 予期間を設ける。
Section 3, Sub-section
務の煩雑
延期され 2014 年 1 月 3 日。インド安全規格に対する適合、規格適合の表示及 ・施行日以降の製造輸入のみ適用。
(ii) of dated 7.9.2012
びモデル登録が規定されているが、以下の問題点があり具体的な対応が取れな ・規格更新時に 2 年の移行期間設定。
Order of Ministry of
い状態である。
・印度規格に加え IEC 規格新版許容。
Communications and
−Order の官報掲載日から半年で施行だが掲載日が不明確
・試験成績書の期限を設けない。
Information Technology
−Order の公布から半年の施行では対応する時間が不足。
・IECEE 制度の CB 証明書を認める。
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区分
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日機輸
日機輸
日機輸
No 問題点
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 26/35
準拠法
−施行日以降の流通品の対応は製造/輸入事業者には不可能。
・制度の詳細手続を明確にする。
・Gazette of the India
dated Novemver 13 with
−規格更新時に移行期間がなく基準適合・表示変更ができない
・BIS の登録作業の簡素化。
Notification
−印度規格が、最新の国際規格の版と一致していない。
・Guidelines for
−試験成績書の有効期限(発行日から 90 日以内)が短すぎる。
Implementation of
−詳しい手続きが不明。
Amendment 1 to IS
−試験所が、インド国内の BIS 認定試験所に限定されている。
13252(Part1):2010
−試験完了後の認証当局 BIS における登録審査の処理能力が不足しており、
・the Electronics and
登録証の交付が大幅に遅れている。
Information Technology
・家電や電子機器 15 品目について、国内の安全基準に基づき事前の登録及び ・登録書類、手続きの簡素化。
Goods (Requirements
表示が義務付けられているが、手続きが非常に複雑で、表示の管理が大きな負
for Compulsory
担となっている。また、登録審査手続きの遅延により手続きが間に合わず、一定
Registration) Order,
期間、製品供給が出来なくなる懸念もある。
2012.
・インド通信情報技術省による製品登録制度(安全規制)2012 年 9 月に家電や電 ・IECEE 制度の CB 証明書を受け入れるこ
子・情報通信機器の 15 品目について規制を導入する Order が公表された。2 と。
度の延期を経て、現在施行日は 2014 年 1 月 3 日となった。インド安全規格にも ・登録手続きの迅速化。
とづく確認試験、モデルの登録、規格適合・登録番号の表示が要求されている ・登録番号の表示廃止。
が、以下の問題があり、製品サンプル、試験費用、登録までのリードタイムが負
担となっている。
−インドは国際相互承認制度である IECEE-CB 制度のメンバーであるのにも拘
らず、CB 証明書を受け入れてない。
−認定試験所がインド国内に限定されている。
−当局の登録作業が大幅に遅延している。
−登録番号の表示が要求されており、登録完了後でないと表示を付することが
できない。
・【状況】
・国際認証制度(IECEE)の CB 証明書を
①インド通信情報技術省から 2012 年 9 月 7 日付けで家電や電子・情報通信機 認める。
器の 15 品目(蓄電池、AC アダプタ、LED 照明など)について規制を導入す ・BIS の登録作業の簡素化。
る旨の Order が公表されている。施行は 2 回延期され 2014 年 1 月 3 日。イ ・品目追加に関する施行日(2015 年 5 月 13
ンド安全規格に対する適合、規格適合の表示及びモデル登録が規定されて 日)及び規格更新に関する施行日(2015
いる。
年 5 月 31 日)を延期する。
②同省は 2014 年 11 月 13 日付けで、対象範囲に 15 品目を追加する通達を発 ・機器と同梱される電池、AC アダプタにつ
行した。
いては、包装箱の表示だけとする。
③インド標準局 BIS は 2014 年 12 月 3 日付けで、情報機器に対する適用規格 ・表示要求項目のなかで、登録番号を削除
(IS 13252)を更新し、2015 年 3 月 31 日までに新規モデル及び登録済モデ する。
ルについて、認定試験所での追加試験の実施及び BIS への覚書提出を行う
よう通達した。
【問題点】
−試験所がインド国内の BIS 認定試験所に限定されており、国際認証書(CB
認証書)を受け入れない。
−追加品目のなかで電池、LED 照明の試験所がまだ認定されていない。
−追加品目及び規格更新により、必要な業務量に対し試験所の処理能力及び
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区分
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日機輸
No 問題点
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 27/35
準拠法
BIS の登録審査の能力が大幅に不足し施行日までに登録完了できない。
−ノート PC などは、機器、AC アダプタ、電池に表示が必要、包装箱にも 3 つの
ラベルが必要。
(対応)
・2016 年 2 月 10 日、インド通信・情報技術省電子情報技術局、「電子・情報技術製品(強制登録義務要求)規則 2012」に基づく製造・保管・販売・流通に
関する一部条件を修正する改正規則 2016 を発行した。従前の自己適合宣言文(インド規格番号と BIS 登録番号)による表示義務から BIS 規格(インド
工業規格)適合の認証ロゴマーク「スタンダードマーク」の使用義務へ移行(当該改正規則は公布し、即日施行、ただし、移行期間は 2016 年 6 月 30 日ま
でとなっており、7 月に完全実施される。
日機輸
日機輸
日機輸
JEITA
日機輸
(7) 製品発表前の登録 ・登録と同時に製品のモデル名が当局の Web サイトに公開される。製品発表前の ・企業からの申請に基づき一定期間は機密 ・Electronics and
済み製品の Web 新製品名が公開されてしまうことは販売戦略上、致命的である。
扱いとして非公開にしている国もあるので、 Information Technology
Goods (Requirements
公開
同様に対応して欲しい。
for Compulsory
Registration) Order,
2012
・Amendment Order, 2013
(8) 異なる認証当局に ・規制が BIS および DeitY という二つの認証当局によって運用されており、通達 ・通達などを出すのは Order を出した
・Electronics and
Information Technology
よる二重規制・不統 などが五月雨式にそれぞれのホームページに突然掲載されるため、産業界の対 DeitY に一本化してほしい。
Goods (Requirements
一
応に漏れが生じる。BIS および DeitY で方針や見解が異なり、混乱が生じてい ・それぞれが通達を出す必要がある場合
る。(例として下記「不合理な表示要求」参照)
は、方針、見解の統一を図った上で出して for Compulsory
Registration) Order,
ほしい。
・五月雨式に通達や見解をだすのをやめ、 2012
上位の規制を改正してほしい。
・対応のために十分な猶予期間を設けてほ
しい。
(9) 試験体制・登録体 ・登録当局(BIS)によるテストレポートの精査と修正要求、登録作業の突然の中 ・BIS による登録作業の迅速化。
・Electronics and
Information Technology
制の未整備
断などにより、登録が完了するまで数週間を要する。
Goods (Requirements
for Compulsory
Registration) Order,
2012
・Amendment Order, 2013
(10) 省エネラベル制度 ・省エネラベル制度と運用上、以下の問題がある。
・省エネラベル制度の改善。
と運用上の問題
−デザインに問題がある(ラベル中の年度表示が小さすぎる)。
・公平な試験機関、試験方法、グローバル
な校正方法など細部の運用を定義する必
−旧ラベルの回収がメーカー責任となっている。
−実施状況が自主申告となっており信用性がない。
要がある。BEE、NABL など機関間の綿
−インバーターエアコンの規格がない。
密な制度調整を期待する。
−ウインドウエアコンの規制がスプリットエアコンの規制よりも 1 ランク緩く、消費 ・今後は改定次期を実行可能な猶予期間
者の混乱を招いている。
持って情報公開する必要がある。突然の
開始・延期がないよう望む。
・インバーターエアコンと同様統一化に向け
た調整を要望。
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2015 年版
区分
意見元
No 問題点
日機輸
(11) 不合理な表示要求 ・BIS より LABELLING REQUIREMENT の通達が 2013 年 12 月初旬に突然 ・適合宣言文および登録番号の代わりに適
発行され、製品の大きさに関わらず、自己適合宣言文および登録番号を「機器 合マークの運用。
上および包装上それぞれのブランド名の上または下に表示すること」が要求され ・詳細な表示位置の規定の廃止。
ており、対応に苦労している。そもそも、おおもとの The BIS Rules, 1987 では、
規格番号を含む自己適合宣言文を「機器上または包装上に容易に見えるように
表示すること」となっている。また、DeitY 発行の FAQ では、自己適合宣言文の
ほかに登録番号が追加されているものの「機器上に表示できない場合は包装上
でも可。特に位置の指定はないが、明瞭に見えること」となっている。それにも関
わらず、BIS より別の要求事項が突然出され、産業界に混乱が起きている。
日機輸
日機輸
日機輸
20独占
インドにおける問題点と要望 28/35
JEITA
日機輸
JEITA
日機輸
問題点内容
要望
準拠法
・LABELLING
REQUIREMENT
・The Bureau of Indian
Standards Rules, 1987
・FAQ on “Electronics and
Information Technology
Goods (Requirements
for Compulsory
Registration) Order,
2012”
(12) 不合理な対象品目 ・2014 年 11 月 7 日に AC アダプタ、バッテリチャージャが対象品目に追加になる ・登録の対象である機器用の AC アダプタ、 ・Electronics and
Information Technology
追加
ことが発表になった。
バッテリチャージャの登録要求の廃止。
すでに規制の対象である製品(プリンタなど)の AC アダプタやバッテリチャージ ・あるいは、AC アダプタ、バッテリチャージャ Goods (Requirements
ャなども別途、試験や表示が必要となり、企業にとっては費用面での負担が非常 のみを登録の対象とし、DC 機器側の登録 for Compulsory
Registration) Order,
に大きい。
要求の廃止。
2012
そもそも、プリンタなどは AC アダプタなどと一体で試験され、登録されているにも
・2014/11/7 付
関わらず、別途、電源部の登録が必要なのは不合理である。
・2014 年 11 月 7 日に二次電池が対象品目に追加になることが発表になった。そ ・インド国内のインフラが十分に整備されて NOTIFICATION
の時点で二次電池の認定試験所がまったく存在しなかったにも関わらず、2015 からの規制開始。
年 8 月 13 日までの対応が要求されている。
・施行の延期。
2015 年 1 月 26 日現在も二次電池の認定試験所はひとつしか認定されておら
ず、今後、試験の殺到により強制日までの対応が困難となることが予想される。
(13) 突然の表示要求事 ・2014 年 7 月 1 日以降、機器上の表示はシルク印刷、エンボス、刻印、または製 ・通達を出すにあたって、業界との十分な事 ・Electronics and
Information Technology
項改正
品上に設けられたラベル用のスロットに恒久的に取り付けられたメタリックラベル 前検討、詳細な表示方法の規定の廃止
Goods (Requirements
でなければならないという要求が 2014 年 3 月に突然発表され、産業界が混乱に (特に、スロット要求の廃止)。
for Compulsory
陥った。
Registration) Order,
各方面からのロビー活動の結果、2014 年 7 月 31 日の通達によりポリエステルラ
2012
ベルなどが認められることになったが、依然、機器上のスロット要求が残ってい
・LABELLING
る。企業にとってはインド向けだけのために機器にスロットを設けることは費用面
REQUIREMENT
での負担が非常に大きい。
(BIS/DGO/(368)/2014)
国際的には「容易に剥がれない方法で表示されていればよい」というのが通例で
(BIS/DGO/(405)/2014)
ある。
(1) 空港の貨物取扱業 ・インドの空港における航空貨物を取り扱う会社が、事実上一つの会社(AAI:
・Good to open to other air cargo
・The Competition Act,
2002
者の独占
Airport Authority of India)に独占されており、競争がないため価格交渉が companies for price competition and
diversified air routes via India local
できない。
→空港上屋倉庫の外部委託が進んでいる。ただし、個別企業が空港上屋倉庫 and international airports.
の料金交渉ができる環境にはない(これはどこの国も同じ)。
・全空港貨物ターミナルにおける取扱業者が、ほぼ 1 社(AAI: Airport
Authority of India)独占の為、コスト交渉(削減)が困難。
(対応)
・インドの司法制度は、能力が十分でなく、その整備は大幅に遅れている。競争委員会の設立がその典型である。競争法は 2002 年に成立したが、同法で
構想されていた競争委員会は 2009 年になって漸く設立された。
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区分
21土地所有制限
インドにおける問題点と要望 29/35
意見元
No 問題点
JEITA
日機輸
JEITA
日機輸
日製紙
(1) 土地所有権管理制 ・土地の所有権移転履歴が管理されていない(同一物件に対する複数の売買契 ・土地建物に対する所有権登記管理制度の ・登記所による運用実態
度の未確立
約が存在)。
構築。
・建物登記が厳密には存在しない(売買契約にのみ基づき所有権が移転し、物件
が特定されない)。
・土地台帳が存在しない為、主張すれば土地所有が認められる傾向にあり、弊社 ・土地台帳の整備。
の工場敷地にも隣接する祠の主が所有を主張し、工事作業員に対し鍬をもって
襲いかかってきた。隣の日系企業は祠敷地分は放棄している。
(対応)
・2013 年 9 月 27 日、1894 年土地収用法を「土地収用と生活再建および再定住における公正な補償と手続の透明性に関する法律」(The Right to Fair
Compensation and Transparency in Land Acquisition, Rehabilitation and Resettlement Act, 2013)に改正し、収容手続きと保障規定を明確化
した。新法では、純粋政府開発案件では地権者の同意は不要だが、PPP では 70%、民間開発では 80%の同意が必要となっており土地収用に長期間を
要するおそれがある。
・インドの土地の 90%以上が農地であり、農地を工業用地やプロジェクトに使用する転換手続きが必要であるが、収用等で古い法律が残っており、訴訟が
多い。解決策として新しい土地収用法ができたが、州レベルでの施行規則がないなどして、施行されていない。
・インドでは、土地の権利関係の確認が難しい。土地の権利関係を記録した書類が現地のルールに基づいて書かれており、現地の州の専門家に権利関係
の書類をチェックしてもらう必要がある。また、消滅時効との関係で 30 年位前にまで遡ることが実務的に行われている。
(2) 土地収用コストの ・2013 年に改正土地収用法案が国会を通過し、同法により土地収用プロセスが ・改正土地収用法案の改正。(モディ政権も ・Land Acquisition
Act,1894
大幅上昇
明確化、紛争解決機関の設置、収用に伴う補償金等の規定が定められたが、地 問題を認識しており、改正検討中)
・The Right to Fair
主への政府による生活支援実行等が明文化され、事実上収容コストが大幅に上
Compensation and
昇した。結果、同法施行以降、産業用途での土地取得が著しく困難となった。
Transparency in Land
Acquisition,
Rehabilitation and
Resettlement Act,2013
(1) 環境規制、廃棄物 ・インドでは、環境規制や廃棄物処理の実施が不十分である。
・NIL
処理の実行不十分
(対応)
・2012 年 5 月 1 日から施行された電子廃棄物規則(The E-waste(management and handling)Rules, 2011)及び国内販売認可の指針となる電子廃
棄物規則の実施細目を記した「初版ガイドライン」は、特定の情報通信機器や家電製品を製造又は輸入販売する企業に回収センター設置義務や製品等
へのシンボルマーク添付義務、有害物質の使用に制限を課すなど過大な負担を強いたため、業界団体の反発を受けて、中央公害規制委員会(CPCB)
は回収センター設置義務等軽減・削除した「最終ガイドライン」を発表した。
日商
22環境問題・廃棄 JEITA
日機輸
物処理問題
JEITA
日機輸
問題点内容
要望
準拠法
(2) 環境クリアランス取 ・工場建設に際し、法制度としては別の手続きであり本来リンクしないにも関わら ・工場設立に要する各許認可は、それぞれ ・「環境森林省 2006 年通達
得手続の不透明・ ず、インド行政実務上、環境クリアランスを取得することが、建築許可等その他の 別個に手続きを進めて頂き、着工までの期 S.O.1533」8 条(iii)項
遅延
許認可の前提とされているため、環境クリアランスを取得するまで、すべての許
間短縮を願います。
認可手続きが進まないという問題がある。
・経済活動に大きな影響をあたえるため、環
また、2011 年 7 月に主務官庁の環境森林大臣の交代後、弊社案件を含め、約 境クリアランス認可のルーティン手続きが、
100 件あまりのプロジェクト認可が 5 ヶ月以上遅滞する事態が発生し、スケジュー 大臣交代等があっても安定的に実施され
ル全体の練り直しなど、大きな影響を受けた。
ることを願います。
「環境森林省 2006 年通達 S.O.1533」8 条(iii)項によれば、専門家審議会の推 ・通達に規定のある「みなし環境クリアラン
薦を受けた後、45 日以内に当局からの許可・不許可の連絡が無い場合、申請 ス」を実効性あるものとし、万が一クリアラン
者は許可を受けたものとして行動可能という規定があるものの、実務上強大な権 ス認可手続きが遅延しても、当該規定に基
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2015 年版
区分
意見元
日製紙
日製紙
日機輸
23諸制度・慣行・非 JEITA
能率な行政手続 日機輸
JEITA
日機輸
日機輸
JEITA
日機輸
No 問題点
問題点内容
インドにおける問題点と要望 30/35
要望
準拠法
限を有する環境森林省との将来的な関係維持のため、建築許可等を主管する づき案件を進められることを願います。
官庁が実質上手続きを進めず、この「みなし環境クリアランス」規定も実効性がな
い。
(3) 大気汚染の深刻化 ・年々大気汚染が悪化しており、中国の報道の陰であまり日本では知られていな ・排気ガス規制、車所有制限等の導入。
いが、実際には中国より劣悪な状況にある。
・中国よりもさらにひどい PM2.5 の蔓延。
・公害の改善、渋滞の緩和。
(4) 省エネ・ラベリング ・2015 年 1 月 1 日施行予定であった本規則の正式な法文がまだ発行されておら ・予定通りの法文発行をお願いしたい。遅れ
規制の法文発行遅 ず、事業所にて対応準備を完了しているにも拘らず実際の対応ができない(ラベ る場合は、その対応をアナウンスしてほし
れ
ルを貼るなどの作業ができない)。
い。
(1) 複雑で煩雑な行政 ・全般に行政手続が複雑。縦割り行政で、民に対するサービスを向上させる意識
・Para 4.7 Hand book of
procedure (HBP) of
手続
は高くない。国際的に見て、官が民に対して強い立場にある。
・諸規制・手続において以下の問題がある。
・許認可プロセスをより明確化、単純化して Indian Foreign Trade
Policy (FTP)
ほしい。
−窓口が不明。
・許認可にかかる時間をもっと短縮してほし
−決定プロセスが複雑、多すぎる。
−権限が規模により州政府であったり国であったりする。また、州での認可事項 い。
が国に預けられるなど権限が移る。
−承認に時間を要する。
−認可会議が月に 1 度、または会議が幹部の不在で飛んでしまうなど、日程の
ずれが頻繁に起こる。
−これらの手続を行うためにコンサルタントを使う必要がある。
【対象となる規制・申請事項】
−環境申請
−環境 NOC(concent to operate)
−建築申請
−BA(建物((建蔽率、トイレ、雄廃棄設備など))及び技術的安全性を国の基準
に基づき確認するもの)
−消防、危険物使用申請と現場検査
−工場操業許可申請
−労働協約など労働問題を要望するための会社制度を定め登録するもの
・商工省・外国貿易局(DGFT: Directorate General of Foreign Trade)におけ ・DGFT 手続きの短縮化(2 ヶ月以内)。
る免税手続き(Advance Authorization)が複雑で承認が下りるまでに 1 年以上
もかかっている。
免税措置の承認が下りるまで待てないため、税金を払わざるを得ない状況にあ
る。
(対応)
・インドの憲法は、国家が扱う事項を連邦政府と州政府及び連邦・州政府両方の管轄の 3 つに分け、連邦リスト、州リスト、競合リストを設けており、それぞれ
で適されるルールが異なる。インフラビジネスに関し、連邦リストでは外交関係、鉄道、高速道路、海運等、州リストでは土地、水、道路、橋等、競合リストで
は財産の譲渡に関するもの、労働、労働福祉、電気等で適用されるルールが異なることがあることを留意してビジネスを行う必要がある。
(2) 工場設立・操業許 ・操業許可に関する法令が細部に渡り、全てに実質的な交渉が必要(シャワー
・事業許認可制度、プロセスの改善。
・BA(建築確認申請)
認可の煩雑・遅延 室、食堂座席数など非現実的な規程に関し当局との交渉に時間を要する)。
・CTO(運用許可取得)
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
2015 年版
区分
インドにおける問題点と要望 31/35
意見元
No 問題点
日製紙
(3) 提出書類の不統一 ・政府関連から要求される書類が、担当者によって区々で異なっている。提出の ・必要書類を明文化してもらいたい。
度に新たに書類を用意したり、修正が必要となり、2 度手間、3 度手間となってい
る。
(4) サイン文化の煩雑 ・許認可申請時には全ての書類の全てのページにサインをする必要があり、都度 ・サインを簡略化してもらいたい。
数百回のサインが必要となる。またサインがしてあればサインそのものは確認を
していない。
・電子申請が導入されているケースがあるものの、入力が完了すると全てプリント ・電子申請は電子申請で完結して欲しい。
アウトしてサイン、押印をして提出することになっており、余計な無駄が増えてい
る。
(5) 省庁間の連携不足 ・各省庁の縦割りのせいで、同じ書類を許認可の度に全ての関係省庁に提出す ・省庁間での情報をやりとりしてもらいたい。
る必要があり、非常に手間。
(6) 印紙代の金額設定 ・土地購入の際の印紙代支払の際は地元の Judge の一言で全てが決まってしま ・印紙代についても明文化してもらいたい。 ・Lease Deed の印紙代
の不透明
い、計算根拠が不明。巨額の請求に不満があるものの、こちらとしては支払わな
いという選択肢がない。
(7) インド国内における ・BIS(Bureau of Indian Standard)の制度により、複数の州で州内、州外への
貨物移動の BIS 報 貨物の移動の報告が義務つけられている。
告義務
(8) 居住許可申請手続 ・グジャラート州に於いて FRRO(移民局)での居住許可申請時、担当者の不在 ・申請から許可までの標準手番を明確化し
の遅延
や昼食等を理由に、受領許可が大幅に遅れた。
て頂き、納期通りに発給してほしい。
(当初予定に対し、2 週間の遅延。その間海外に渡航する事が出来ず、業務に
支障が生じた)
日製紙
日製紙
日製紙
日製紙
JEITA
日機輸
日商
日商
24法制度の未整 JEITA
備、突然の変更 日機輸
日鉄連
問題点内容
(9) 薬事法に係る許可 ・海外製品の輸入許可を取得するのに多くの時間と費用がかかる。
申請手続の遅延
要望
準拠法
・特にアジア地域において近年薬事法の整 ・薬事法
備が順次導入されているため法整備と共
に欧米の 510K や CE マーキング、また日
本の薬事法との相互認証を可能にしてほ
しい。
(1) 非上場化ルールの ・インドにおいて、進出時の事情で上場せざるを得なかった子会社が存在する
・非上場化ルールの柔軟化(主要国の TOB ・Securities and Exchange
未整備
が、これを非上場化する場合、インドでは一般株主が売却価格を決定するという ルールに類似したものへの改正)及び、完 Board of India (Delisting
Of Equity Shares)
他国に例を見ないルールとなっており、買取価格が高騰するリスクが高く、非上 全子会社化の法整備を進めてほしい。
Regulations, 2009
場化が困難である。結果的に、上場維持のコストもかかる上、機動的な事業再編
及び効率的なグループ経営を阻害している。この非上場化ルールは、2009 年
の非上場ガイドライン改正でも基本的な制度に変更がなかった。また、インドで
は、合理的な対価をもって一般株主を強制的に退出させ完全子会社化するため
の制度が整備されておらず(少なくとも利用しやすい制度がない)、非上場化後
も一般株主の多くが残存してしまうため、非上場化してもガバナンス上非効率な
面が残らざるを得ない。
(2) 法律・税制の運用 ・法律・税制が地域毎に異なり複雑である。
の不透明さ
また担当者により運用判断のバラツキがある。
・法律・税制の整備、運用の透明化。
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2015 年版
区分
意見元
No 問題点
問題点内容
インドにおける問題点と要望 32/35
要望
準拠法
JEITA
日機輸
(3) 新会社法の施行に ・長年国会審議で成立しなかった新会社法が、2013 年 9 月、急遽国会で可決さ ・いつまでに、どのような政令を整備し、施 ・インド会社法 Companies
伴う制度手続整備 れた。主務官庁、実務ともに、まだ議論不足の感が否めず、今後の政令による 行するのか、できるかぎり明確にしてほし Bill, 2013
・新会社法 act1957
の不透明・遅延
明確化を期待するが、具体的なスケジュールが提示されず、法制度改定を見据 い。
えたビジネスプランの策定に支障を来している。通達が突然出され猶予期間なく ・通達の発効日までの合理的な猶予期間の ・Companies Act 2013
施行される(3 月 28 日通達、4 月 1 日施行など)、すでに出された通達を頻繁に 設定。
改訂しフォローアップが困難となっており実務に混乱が発生している。
・頻繁に改訂する必要がないよう、十分議論
し練られた通達の発信。
自動部品
・会社法:2014 年度新会社法が施行されたが、運用準備不足で猶予期間が 6 ヶ ・十分な準備期間と運用方法を検討してか
月∼1 年程度となった。
ら施工すべきである。
具体例:減価償却費の変更
設備等の償却年数が 2 年から 4 年程度短縮されたが、既存の設備は新基準に
従い残りの償却費を短期で償却しなければなくなった。そのため償却費が増加
して予定された利益の確保が難しくなった。
建産協
・インドにて、新会社法が 2014 年 3 月 26 日付けでの通達で、同年の 4 月 1 日か ・施行するまでの十分な期間設置。
ら施行され、通達と施行の期間が短すぎたことから、諸手続の対応に追われたこ
と。
(対応)
・2013 年 8 月に新会社法が成立したが、施行されていなかった。
・2014 年 3 月 26 日、突然 4 月 1 日から実施すると通知がなされ、4 月 1 日から新会社法本体の多くの規定が施行されている。
日商
(4) 新会社法の決算時 ・2014 年 4 月に施行された「新会社法」に於いて、決算時期を 4 月から翌年 3 月 ・以前の通り、1 月∼12 月の決算を各社の
期の画一性
とする方針が出されている。一部の適用除外項目があるものの、弊社では 2016 要望により認めてほしい。
年度に適用される事となるが、インド以外の海外諸国では 1 月∼12 月を決算時
期としており、連結の決算時期にズレが生じる。
日商
(5) 新会社法における ・2014 年度から改正施行された新会社法において CSR 活動の実施が義務づけ ・明確な基準・ガイドラインの設定。
CSR 活動の認定 られたが、CSR 活動として認められる基準が不明確。活動を計画する際、確認
基準の不明確
に時間がかかっている。
・The Companies Act
自動部品 (6) 労働法と司法判決 ・労働法の整備が未熟なまま施行され、その対応に苦慮している。労働法に記載 ・労働法を現状に合わせて整備するべきで ・労働法
の不整合
されている内容通りに実施しても、それを無視した判決が出る。例えば、地方裁 ある。
判所では特別な場所を除いて 2 つ以上の州にまたがる判決は出してはならない
と明記されているが、州をまたいで移動させろという判決が出た。高裁でこの点を
争ったが第 1 審を支持する判決がでた。
日機輸
(7) 優遇措置適格情報 ・インドに関する下記の情報が不足している。
・PMA ポリシー・FPS ポリシーの詳細につ
の不足
①PMA ポリシー (Preferential Market Access)PMA ポリシーによると政府も いて教えてもらいたい。
しくは関係機関で調達するものは、インドで生産された商品である必要があ
る。Printer はこの PMA ポリシーが適用されると判断される。
②FPS ポリシー(Focus Product Scheme)FPS ポリシーによるとリストに有る商
品を輸出する場合、優遇処置がとられる。Printer が対象かは未確認。
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2015 年版
区分
25政府調達
インドにおける問題点と要望 33/35
意見元
No 問題点
問題点内容
日機輸
(8) 企業に不公平な
PPP 制度
日機輸
(1) 政府調達・公的資
金適用案件におけ
る厳しい国産化比
率要求
日機輸
(2) 政府調達に関する
情報不足
・PPP 案件が民にとって収益が得られる合理的な可能性がないスキームとなって ・日本政府や関連団体からのインドの PPP
いる。官民でリスクとコストをシェアするという PPP の根本思想が欠如している。 制度改善への働きかけ。
鉄道の例では、ライダーシップ計算における不公正な計算の押しつけや、政府
の土地収用遅れによる追加費用等の民負担が挙げられる。
モディ政権に代わり、制度改善の為の組織“3P India*”の立上げ検討のアナウ
ンスがあった。
*3P India:官民パートナーシッププロジェクトにおいて、各種規制、管理に関連
する問題を改善に向けて調査する組織。
・インド政府は、Laptop PC やドットプリンタ等、特定の物品の政府調達におい ・政府調達における国内産品への優遇制度 ・客先要求
て、国内生産品に優遇措置を与える事を決定。国内生産とみなされるためには の撤回。
・F.No.8(41)/2912-IPHW
40%以上の国内付加価値付与が必要であるとしており、またこの比率は今後毎
年 5%ずつ上昇するとなっている等、国内メーカーとの競争上明らかに不公平で
ある。更に今後対象品目の拡大も懸念される。
(対応)
・2014 年 2 月 10 日、米国は、太陽光発電設備のローカルコンテント要件に関してインドに WTO 協議を要請した。特に同国の太陽光発電導入計画のフェ
ーズ 1 で対象となっていなかった薄膜技術(米国の主力輸出品)がフェーズ 2 で対象となった件を問題視。
・下記に関する情報が不足している。
・最新情報の確認とご提供をいただきたい。
①政府調達ガイドライン
②内国電子製品に対する優先政策。
要望
準拠法
(対応)
・インド政府が電子製品の国内供給力の大幅拡大を政策目標として実施している「国家電子産業政策」の実施体制に関する情報、
①商工省(DoT)は商業局供給・廃棄監督所(DGS&D)を通じた政府調達における国産電子製品の優遇措置(PMA)の実現を目指している、
②調達は政府内の各局が直接調達しているが、結節機能としての DGS&D は、政府および政府機関による政府調達において、インド通信・情報技術省
電子機器・情報技術局(DeitY)や DoT などによる政策の通達に基づき、国産電子製品の優遇措置を推進する、
③政府調達における国産電子品の優遇措置を実施していくために出された通知のすべての項目は、DGS&D が定めた手続きにカバーされる(2012 年 2
月 10 日付け通達参照)。
(資料:インド政府通信・情報技術省 電子機器・情報技術局(DeitY)のニューズレター
http://www.jetro.go.jp/world/asia/in/ict_policy/pdf/newsletter201309.pdf)
・2016 年 2 月 24 日、WTO パネルはインドの National Solar Mission の下での輸入太陽電池とモジュールを差別するインドの”国産化”ルールに対する
米国の提訴において、TRIMs 協定第 2.1 条及び 1994 年 GATT 第 III:4 上の内国民待遇違反であるとして米国を支持した。
26その他
日製紙
日商
(1) 電力供給不足
・停電が非常に多い。
・政府指導での改善。
・投資環境の整備。
・電気といった基礎インフラが未整備。恒常的な電力不足、突然の停電、不安定 ・基礎インフラの早期整備。
な電圧により、電気機器使用に影響が出ている。
・National Electric Policy
(対応)
・1995 年以降、BOT/BOOT 条件によるインフラ投資への 5 年間の非課税措置を導入した。
・発電、送配電、道路、港湾等の建設に対する民間直接投資に 100%の出資が認められ、自動認可が受けられるようになった。
・中央政府は、適切な価格で妨害のない電力供給を確保するため、発電会社が経済特区(SEZ)に直接電力を販売することを許可する決定を行った。各州
は Wheeling Charge の支払により電力会社に送電および分配ラインへのアクセスを与えることが求められる。
・電力省は、各州に対して、SEZ 専用発電所の設置許可をより自由に行えることを求めている。
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
2015 年版
区分
意見元
No 問題点
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 34/35
準拠法
・2002 年 6 月に終了した WTO の TPRB 審査結果報告によると、インドのインフラの改善状況は、4 年前の審査と比べて電気通信と金融サービスにおいて
は大きく、一方、電力と輸送分野ではある程度の改革が追求されているが、依然としてインフラはインドの経済活動に対する主要な制約要国であり、電力
供給が大幅に不足していると指摘している。さらに、電気通信料金は競争により大幅に引き下げられており、他の分野へのコスト低減に役立っているとして
いる。
・各種インフラ分野への投資に対しては、10 年間の法人税非課税の優遇措置が受けられる。但し、通信分野への投資は最初の 5 年間は法人税の免除、そ
の後 5 年間は法人税の 30%が免除となっている。
・2006 年 12 月 15 日、日本とインドは包括的な「日印戦略的グローバル・パートナーシップ」を締結し、「日印特別経済パートナーシップ・イニシアチブ
(SEPI)を発表した。
・2006 年 12 月 22 日、インドは証券市場を通じたインフラ企業への外国投資を認めるとした Circular No.25 を公布した。
・2005 年のインドの一人当たり電力消費量は、480kWh でアフリカ諸国平均 563kWh を下回っており、2007 年度の平均電力量の不足率は 9.8%、ピーク
時間帯での不足率は 16.6%となっている。
・2007 年 5 月、マンモハン・シン首相は、第 10 次 5 ヵ年計画で目標とした追加発電能力 4,100 万キロワットの半分しか達成できず、第 11 次 5 ヵ年計画で
は、電力供給能力拡大のための投資を 6 兆ルピー余り見積もっていると語った。ハルディア発電所開発プロジェクトについては、財務省によると、今後 5
年間で約 4,400 億ドルのインフラ投資が必要であるとしているところから、インフラ投資の約 3 分の 1 が電力能力投資ということになる。
・デリーでは、急速な経済発展とともに、水道、道路、電力、通信、ゴミ、屎尿処理などのインフラ不足と未整備が深刻化しつつあり、市内各所で陸橋工事が
進められているのが目につく。また、2002 年から日本の ODA 援助により建設された「デリー・メトロ」も徐々に営業地域を拡大しており、交通インフラの改善
に寄与することが期待されるとしている。(デリー日本商工会 HP より)
・2008 年 10 月 22 日、「新次元における日印戦略的グローバル・パートナーシップ」の前進に関する共同声明が発表され、デリー・ムンバイ間貨物専用鉄
道(DFC)西回廊第 1 フェーズへの約 4,500 億円の円借款供与が約束された。また、産業大動脈構想(DMIC)に関連して、国際協力銀行(JBIC)がプロ
ジェクト開発基金設立を約束し、デリー近郊生活インフラ整備などの 5 つの投資案件が受容された。
・インド第 11 次 5 カ年計画(2007 年∼2011 年)は、インフラ投資に約 5,000 億ドルを支出し、GDP 比で 5.4%から 9.3%に引上げる計画である。
・インド計画委員会は、コストが高く不安定な電力供給や道路・港湾・空港などの物流インフラの不足が大きな問題であると指摘し、第 11 次 5 カ年計画
(2007∼11 年度)において、年平均 9%の成長を実現するために 20.3 兆ルピー(約 5,000 億ドル)のインフラ投資が必要であるとした。
・インドのピーク時の電力不足は、2009 年度需要量の 13.3%に達しており、また、送配電ロスが 2007 年度に約 26%に達するなど、深刻な状態にある。総
発電能力は、2009 年度には 2001 年度との比較で 5 割増加しているが、発電所増設計画に対する達成率が 66%と低水準となっている。
・2010 年 2 月 26 日、ムカジー財務相は、下院(Lok Sabha)において、インドの 2010/11 年度連邦予算案を発表した。インフラ整備に総計画支出の約
46%(173,552 crore ルピー)を拠出する。
・2010 年 2 月 26 日、ムカジー財務相は、下院(Lok Sabha)において、インドの 2010/11 年度連邦予算案を発表した。都市交通計画用のモノレールに
“project import status”を与え、5%の基本関税率を適用する。また道路建設用の一定の中古機械については、減価償却後の価格で輸入関税を支払う
ことを認める。
・2010 年 3 月 23 日、ムカジー財務相はインフラサミットで、インフラ部門の資金源創出を促進する政府の計画の一環として、民間企業がインフラ投資資金
の調達のために長期社債を発行することを認めると発表した。民間企業が発行する長期社債には、政府の発行するインフラ債券に適用されるのと同様の
税制優遇措置が適用される。
・2011 年 12 月、野田首相訪印時に、デリー・ムンバイ産業大動脈構想(DMIC)に基づき DMIC 地域におけるインフラ整備を早期に実現すべく、日印折半
の形で、90 億ドルの日インド DMIC ファシリティ(資金支援枠)の立ち上げについてインド政府と合意。
(*DMIC とは、デリーとムンバイの間に、貨物専用鉄道(円借款 4500 億円)を敷設し、その周辺に、工業団地、物流基地、発電所、道路、港湾、住居、商
業施設などのインフラを民間投資主体で整備を行う、日印協力の地域開発構想)
・2012 年 11 月 19 日、経済産業省とインド商工省は、DMIC における 90 億ドルの資金支援枠のうち、日本側の 45 億ドル事業候補リスト(鉄道、電力、水、
環境、IT 分野の全 19 件の事業候補リスト)に正式に合意。
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
2015 年版
区分
意見元
日製紙
No 問題点
(2)
日商
JGMA
JEITA
日機輸
JEITA
日機輸
JEITA
日機輸
日商
(3)
JMAA
(5)
(4)
問題点内容
要望
インドにおける問題点と要望 35/35
準拠法
・インドの電力量の需給バランスは、インド電力省の発表によると、不足率(不足量を需要量で割った数値)は 2011∼12 年度 8%台から 2013 年度 4.2%、
2014 年度 5.1%(推計)と改善傾向にある。日系企業の進出が進む主要州の 2013 年度の不足率は、グジャラート州ではほぼゼロ。ラジャスタン州
(0.3%)、ハリヤナ州(0.6%)、マハラシュトラ州(2.1%)などが全国平均に比べて極めて低い。他方、インド南部のウッタル・プラデシュ州(14.0%)、カルナ
タカ州(9.5%)、アンドラ・プラデシュ州(6.9%)、タミル・ナドゥ州(5.9%)では全国平均を大きく上回り、電力不足が顕著。
物流インフラの未 ・港湾施設が混雑しており、タイムリーに輸入貨物を通関できない。
・政府指導での改善。
整備
・投資環境の整備。
・道路といった基礎インフラ未整備。
・基礎インフラの早期整備。
道路の排水設備が整っておらず、降雨の度に道路が冠水し、渋滞の原因となっ
ている。
・悪路、及びエアサス車が無い為、輸送時の振動が機械に伝わり、機械の部品が ・インフラ整備、エアサス車の普及。
破損するケースが複数回発生した。また、輸送中にコンテナが側道の木にぶつ
かり、機械のカバーが破損するトラブルも発生した。
(対応)
・2007 年 4 月、政府は、チュンナイ空港(カーラマージ国際空港)近代化プロジェクト及びコルカタ空港(ネータージー・スバース・チャンドラ・ボース国際空
港)近代化プロジェクトを承認した。
・2008 年 1 月 4 日、インドのシン首相は、額賀財務相に対して、貨物鉄道建設とともにデリー・ムンバイ間の港湾や工業団地などの総合基盤整備を目指す
「産業大動脈構想(DMIC)」への支援を重ねて要請した。
・2009 年 9 月 17 日、インド政府は、日本からの ODA 資金を貨物専用鉄道(DFC)計画の西回廊開発に充てる提案を承認した。日本政府は、DFC 西回
廊の開発向けの「本邦技術活用条件(STEP)」に基づく借款をインド側に提案した。インド政府は、DFC 計画によって、原材料の産出地、消費中心地、主
要港が連結されることで、交通量の多い貨物路線における輸送能力が強化され、インド経済全体の成長と効率が飛躍的に高まると期待している。DFC 計
画は 2017 年に完成の見通しである。
・2012 年 11 月 19 日に正式合意されたデリー・ムンバイ産業大動脈構想(DMIC)の日本側 45 億ドル事業候補リストのうち、物流インフラ関係として、①ア
ハメダバード市∼ドレラ地区間の鉄道建設事業、②デリー∼マネサール工業団地∼ニムラナ工業団地間の都市鉄道建設事業、③ムンバイ近郊プネ市に
おける都市鉄道建設事業、④デリー近郊のダドリ∼ノイダ∼ガジアバード間の都市鉄道建設事業、⑤自動車完成車の鉄道輸送事業があげられている。
・2016 年 2 月 29 日にインド政府が発表した 2016 年度(2016 年 4 月∼2017 年 3 月)国家予算案では、財政健全化を堅持しつつも、道路整備等のイン
フラ投資や農業振興に重点配分している。道路インフラ整備には最大 9,700 億 INR まで増加して 2019 年までにすべての市町村を結ぶ道路システムを
建設する野心的な計画である。その効果として、インド政府は鉄鋼とセメントの需要の喚起、自動車の増加、食料や農産物など腐敗しやすいものの輸送に
役立つ国内物流の改善、ビジネス環境の一般的な改善を挙げている。
裾野産業の未発達 ・完成品をインドで製造するに当たり、電子部品などの裾野産業の広がりが十分 ・裾野産業を育成・支援するプログラムをより
でなく、現地調達率を上げることが困難。
充実させてほしい。
・サプライヤーがわずかに存在しても、高いレベルの省エネ製品に使えるほど精 ・裾野産業を育成・支援するプログラムをよ
度の高い部材は生産できない。
り充実させてほしい。
・電子部品、アルミ・銅製品の精密加工、直流モーターなどは輸入に頼らざるを得 ・裾野産業を育成・支援するプログラムをよ
ない。
り充実させてほしい。
上下水道の未整備 ・上下水道といった基礎インフラ未整備。
・基礎インフラの早期整備。
突然の断水。下水が整備不足で不衛生による疫病発生などの原因になってい
る。
不払い・支払遅延 ・商習慣やモラルの違い、力関係により、代金回収遅延、回収困難の取引が発生。 ・力のない中小企業に情報面でのサポート
対策として前受を条件としているが、足の早いビジネス(スマホ部品製造機器等) や回収リスクの保障。
では納期と価格が最優先で、回収ができたとしても、支払いの遅れは収益を圧迫
している。
貿易・投資円滑化ビジネス協議会