PowerPoint プレゼンテーション

機関リポジトリにおける美術・
音楽作品のメタデータ
東京芸術大学附属図書館
大田原 章雄
DRF-ARMS 2010.12.22
1
1.アート系リポジトリの現状

OpenDOAR1) の登録サイト(1472機関1815サイト)
Subject Area→Fine and Performing Arts:48機関49サイト
うち日本は文化学園リポジトリ(学校法人文化学園)2)のみ
DRF-ARMS 2010.12.22
2
2.NII登録コンテンツ(1)
・IRDB3)ハーベスト機関リポジトリ数:167、コンテンツ数 全体:1,048,704件、本文あり:749,061件 (2010/11/30)
・NDC分布入力率36.0 %本文あり
2 歴史
3 社会
4 自然
5 技術
6 産業
7 芸術
8 言語
9 文学
合 計
6,149
4,521
16,462
75,155
108,678
18,425
18,645
2,562
5,528
6,675
262,800
2%
2%
6%
29%
41%
7%
7%
1%
2%
3%
100%
NII登録コンテンツ (NDC別)
120000
100000
80000
登
録
件 60000
数
40000
20000
学
9文
語
8言
術
7芸
業
6産
術
5技
学
科
然
4自
会
科
学
史
3社
2歴
学
0
1哲
登録率
1 哲学
記
登録件数
0 総記
0総
類目
NDC類目
DRF-ARMS 2010.12.22
3
3.NII登録コンテンツ(2)
NII登録コンテンツ:NDC700番台内訳
Nov-10
学術雑誌論文
70
芸術.
美術
72
絵画.
書道
71
彫刻
74
写真.
印刷
73
版画
76
音楽.
舞踊
75
工芸
77
演劇.
映画
78
スポ-
ツ
79
諸芸.
娯楽
合計
15
2
5
0
0
3
4
4
140
0
173
学位論文
8
0
5
0
5
3
10
3
54
2
90
紀要論文
429
7
54
5
4
29
229
88
741
25
1,611
会議発表論文
0
0
1
0
0
0
2
0
2
0
5
会議発表用資料
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
図書
2
0
2
0
0
0
1
1
0
0
6
テクニカルレポート
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
17
0
8
0
0
9
1
5
28
0
68
一般雑誌記事
3
0
1
0
0
0
1
1
6
0
12
プレプリント
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
教材
3
0
0
0
2
0
1
4
0
0
10
データ・データベー
ス
0
0
0
0
0
198
0
0
0
0
198
ソフトウェア
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
その他
7
6
70
1
0
2
279
9
7
8
389
484
15
146
6
11
244
528
115
978
35
2,562
研究報告書
合計
DRF-ARMS 2010.12.22
4
4.機関リポジトリの背景と定義
機関リポジトリの背景
シリアルズ・クライシス、学術コミュニケーションの再構築、
オープンアクセス運動
 学術機関リポジトリの定義【クリフォード・リンチ(2003)】
「大学とその構成員が創造したデジタル資料の管理や発信を
行うために、大学がそのコミュニティの構成員に提供する一
連のサービス。」
 デジタル資料→現状では、論文等の文字情報中心
 総合大学、理工系大学と芸術系大学の違い
芸術系大学においては、
教育・研究の成果は論文とは限らず、
作品の創作や演奏も成果。

DRF-ARMS 2010.12.22
5
5.機関リポジトリと美術・音楽作品
リポジトリに「作品」を登録する必然性・メリット
-「リポジトリは論文」のイメージ→リポジトリで「作品」
を探そうとは誰も思わないのでは?
 著作権(リポジトリ固有の問題ではないが)
-著作権処理が煩雑。(例えば、音楽作品の演奏は
著作隣接権も関係してくる。etc.)
 メタデータ
-リポジトリのメタデータはDublin Coreがベースとな
るため、「作品」を記述するには不十分。
 しかし、デジタルでアーカイブする必然性が(まった
く)ないという人はいないのでは?

DRF-ARMS 2010.12.22
6
6.美術作品のデジタル・アーカイブ
美術作品は、
(メディアアートを別にすれば)基本的に「もの」
 「もの」としての作品は、
美術館があれば美術館が所蔵・管理するもの。
 デジタル・アーカイブは「もの」の所蔵者が作成・管
理することが望ましい。
 しかし、大学附属の美術館がない、あるいは「もの」
としての所蔵はない場合、
→誰がどのようにアーカイブするのか。

DRF-ARMS 2010.12.22
7
7.音楽作品のデジタル・アーカイブ
音楽作品は、
「もの」ではなく(歌詞を別とすれば)文字でもない。
 「楽譜」としての作品は、
画像扱い
 「演奏」としての作品、
音声、映像として多種多様な形式
 「デジタルデータ」としての作品、
MIDIデータ、etc.

DRF-ARMS 2010.12.22
8
8.アーカイブとリポジトリ(1)
アーカイブは過去の「もの」資源継承を含めてリポジ
トリより広い概念
 アーカイブとリポジトリの関係をどう考えるか。
 パターン1:アーカイブとリポジトリを別々に構築
-それぞれの理念(文化資源の保存・継承、オープン
アクセスetc.)を実現しやすい。
-ただし、システムの構築・維持の負担が増える。
-統合(横断)検索の仕組みを考える必要がある。

DRF-ARMS 2010.12.22
9
9.アーカイブとリポジトリ(2)
パターン2:アーカイブのみ構築
-メタデータ項目やルック&フィールの設計に制約が
ない。
-外部システムとのデータ連携の仕組みを考える必
要がある。
 パターン3:リポジトリのみ構築
-オープンソースが利用できる。
-外部システムとのデータ連携の仕組みが始めから
備わっている。
→いろいろ制約はあるが、図書館でどちらかだけを選
択するならリポジトリの方にメリットが多いのでは?

DRF-ARMS 2010.12.22
10
10.Museum・Library・Archives連携(1)
MLA連携
-博物館、図書館、文書館間の協力関係
(サービス、統合検索 ...)
 学内におけるデータ連携
-各コミュニティで標準的なデータ記述法によりアーカイブ作成
(ex. M:CIDOC CRM, L:FRBR/ISBD, A:ISAD/EAD)
-データ交換用の仕様を統一(ex. Dublin Core)
-学内ポータルで情報を集約、または相互にデータ交換
 学外とのデータ連携
-各コミュニティ内で標準的な方法によりデータ交換
-各コミュニティのメタレベル→現在のところ、国立国会図書館
しかない。

DRF-ARMS 2010.12.22
11
11.Museum・Library・Archives(2)
DRF-ARMS 2010.12.22
12
12.芸大図書館の選択
アーカイブとリポジトリを別々に構築
-「貴重資料画像データベース」4)が既にあるため
 ただし、ハードウェア(学内プライベートクラウド環境
を使用)と基本ソフトウェア(OS、DBMS、Webサー
バ)を共有。
 アーカイブ:登録制、独自メタデータ、高精細画像
 リポジトリ:オープンアクセス、標準メタデータ、簡易
画像、学内外システムとのデータ連携(OAI-PMH)
 アーカイブ(貴重資料画像データベース)のデータも
順次リポジトリで公開

DRF-ARMS 2010.12.22
13
13.システム構成(アーカイブ・リポジトリ)
Web サーバ (Apache)
サーブレット(Tomcat)
貴重資料画像データベース
リポジトリ(DSpace)
DBMS (PostgreSQL)
VMware
芸大プライベートクラウド
Windows
2008
(芸術情報センター)
DRF-ARMS 2010.12.22
Server
14
14.アーカイブ資料のリポジトリ公開
アーカイブ資料をなぜリポジトリで公開するのか。
 「貴重資料画像データベース」:ディープWeb
→サイトのトップページまでサーチエンジンその他で
たどり着いても、人手で検索しない限り中身が見ら
れない。
 リポジトリ
→アイテム毎に固有のURLが付与され、サーチエン
ジン経由でも個々のアイテムに直にたどり着ける。

DRF-ARMS 2010.12.22
15
15.リポジトリを中心としたデータ連携
DRF-ARMS 2010.12.22
16
16.貴重資料画像データベース収録内容
和古書
-脇本文庫、役者評判記 ...etc.
 楽譜
-東京音楽学校邦楽調査掛採譜の五線譜
 文書
-音楽取調掛文書、邦楽調査掛文書、住吉家文書
 写真
-東京美術学校、東京音楽学校時代のもの etc.
→収録内容はMLA資料

DRF-ARMS 2010.12.22
17
17.リポジトリに登録する可能性のある資料
雑誌(学術誌、紀要)論文
 博士論文(要旨)
 「貴重資料画像データベース」収録資料
<今後の課題>
 紙媒体からデジタル化する美術作品
→カタログ掲載の図版、写真 ...
 紙媒体からデジタル化する音楽作品
→作曲家の自筆譜、著作権の消滅した出版譜
 ボーンデジタルな美術・音楽作品

DRF-ARMS 2010.12.22
18
18.リポジトリのメタデータ設計
連携先にどこを想定するのか。
→ex. NII (junii2)、NDL-DA (NDL-DC) ...
 連携に必要なメタデータ項目
→どこを選ぶかで自動的に決まる。
 自機関内で必要なメタデータ項目
→管理用、主題分野に特化した項目
 考慮するのは既存のサイト(機関)だけでよいか。
→そのコミュニティ(主題分野)で共有すべき項目は?

DRF-ARMS 2010.12.22
19
19.Dublin Core (15 Elements)
要素名
日本語
定
義
title
タイトル
リソースに与えられた名前
creator
作成者
リソースの内容に主たる責任を持つ個人・団体
subject
主題
リソースの主題
description
内容記述
リソースの内容の説明
publisher
公開者
このリソースを利用可能にしている個人・団体等
contributor
寄与者
リソースの内容に寄与している個人・団体等
date
日付
リソースのライフサイクルにおける出来事に関連する日付
type
資源タイプ
リソースの性質もしくはジャンル
format
フォーマット
リソースの物理的あるいはデジタル化の形式
identifier
資源識別子
リソースを一意に識別するもの
source
情報源
リソースの派生元リソースへの参照
language
言語
リソースの内容表現に用いられている言語
relation
関係
関連するリソースへの参照
coverage
範囲
リソースの時間的・空間的範囲もしくは対象
rights
権利
リソースの権利に関する情報
DRF-ARMS 2010.12.22
20
20.NII (junii2):DCに対する主要な拡張

はダムダウン先
subject
「メタデータ主題語彙集」の他、9つのスキーム(5分
類法、4件名標目表)による入力項目
 type
スキーム「メタデータ主題語彙集(資源タイプ)」設定
 identifier
issn,NCID,jtitle,volume,issue,spage,epage 等
→かなり雑誌論文に特化した仕様

DRF-ARMS 2010.12.22
21
21.Typeのスキーム
芸大(ローカル)
DCMI Type Vocabulary
NIIメタデータ主題語彙集(資源タイプ)
Collection
Journal Article
学術雑誌論文
Dataset
Thesis or
Dissertation
学位論文
Event
Departmental Bulletin
Paper
紀要論文
Image
Conference Paper
会議発表論文
Interactive Resource
Presentation
会議発表用資料
Moving Image
Book
図書
Technical Report
テクニカルレポート
Plan or blueprint
Research Paper
研究報告書
Service
Preprint
Article
一般雑誌記事
Presentation
Software
Preprint
プレプリント
Recording, acoustical
Sound
Learning Material
教材
Recording, musical
Data or Dataset
データ・データベース
Software
ソフトウェア
Others
その他
Physical Object
Still Image
Text
Animation
Article
Book
Book chapter
Dataset
Learning Object
Image
Image, 3-D
Map
Musical Score
Recording, oral
Software
Technical Report
Thesis
Video
Working Paper
Other
DRF-ARMS 2010.12.22
22
22.Typeの表現(比較)
Typeは作品ジャンルを詳細に表現するものではないが、ローカル
側で最低でもDCMIレベルは入力しておきたい。
記述対象
DCMI
NII
東芸大(ローカル)
絵画
Still Image
Others
Image
彫刻
Still Image
Others
Image
楽譜
Image
Others
Musical Score
演奏(録音)
Sound
Others
Recording,
musical
アニメーション
Moving Image
Others
Animation
DRF-ARMS 2010.12.22
23
23.format
定義:リソースの物理的あるいはデジタル化の形式
 Junii2 ガイドライン (バージョン 1.0)5)
「コンテンツのファイル形式をInternet media typeで
記入する。」
 記述対象とする作品の物理的な特徴を記入するこ
とはできない。作品のデジタル複製はデジタル化後
の形式。
 作品の物理的な特徴→descriptionを使用する。

DRF-ARMS 2010.12.22
24
24.description:美術作品の記述
形状・員数
- 額・1面、六曲一双 ...
 法量(サイズ)
- 91x117cm、H20xW30xD30cm
 技法・材料
- 油彩・キャンバス、木版彩色、漆・麻布 ...
 (カタログから転記とかでなく)実物からデータを採
取するのは、図書館員にはちょっとむずかしい。
 実例:HERMES-IR(一橋大学機関リポジトリ)6)

- 附属図書館所在肖像画等コレクション
- descriptionを使用して物理的な特徴を入力している。
DRF-ARMS 2010.12.22
25
25.description:音楽作品の記述
楽譜の種類
- スコア、ヴォーカルスコア、パート譜 ...
 演奏手段

- For voice and piano
- For piano , 4 hands
- For chorus (SSATB) and orchestra ...
 LCSH (Library of Congress Subject Headings)
- 楽譜の種類、演奏手段については、
LCSHの入力でも対応が可能。
 descriptionは繰り返しが無制限なので、何でも書け
ないことはないが、検索時に細かい項目指定がしに
くい。
DRF-ARMS 2010.12.22
26
26.リポジトリ上の典拠コントロール(1)
著者名の典拠コントロール
- リポジトリは分散型のシステムで、これまではコン
トロールされてなかった。
- ex. Ohtahara, Akio; Akio Ohtahara,
大田原章雄; 大田原, 章雄
 著者名の名寄せ
- 科研の研究者番号等による名寄せの試み。
- ex. 金沢大学学術情報リポジトリKURA7)

DRF-ARMS 2010.12.22
27
27.リポジトリ上の典拠コントロール(2)
音楽作品は同じ作品が様々なタイトルで現れる。
例えば、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第3番」は、


-
The "Appassionata" sonata op. 57
Grosse sonate für Pianoforte, F moll op. 57 : Appassionata
Klaviersonate F-moll Op. 57
Piano sonata F-minor, opus 57, "Appasionate“
Piano sonata, opus 57 ("Appassionata")
ソナタ「熱情」ヘ短調op.57
ピアノ・ソナタ第3番ハ長調作品2-3
など。この作品の統一タイトルを、
- Sonatas, piano, no. 23, op. 57, F minor
のように決めて入力しておくことで、OPAC等での検索効率を
高めている。
DRF-ARMS 2010.12.22
28
28.リポジトリ上の典拠コントロール(3)
音楽作品登録の上で必要かどうか。
- 大学の構成員による作曲作品等に登録を限るな
ら「必須」とは思われない。
- 古典作品(楽譜・演奏)を登録するなら、必要度が
高くなる。
 必要であるとして可能かどうか。
- title要素にalternativeとして統一タイトルを入力す
ることで、単館としては十分だと思われるが...
- 作曲者は科研番号によるコントロールは不可能。

DRF-ARMS 2010.12.22
29
29.サブジェクト・ポータル
主題分野のポータルって必要?
 ex. 「教育系サブジェクトリポジトリ」(東京学芸大学)
- 「機関リポジトリを通じて提供される大学等の研究
成果から、教育分野の情報のみを収集し、教育分
野に特有の主題・キーワードから検索できる仕組み
を提供するものです。」8)
 美術・音楽分野に特有の主題・キーワードとは?

DRF-ARMS 2010.12.22
30
参考URL(1)
1)
2)
3)
4)
5)
http://www.opendoar.org/
http://dspace.bunka.ac.jp/dspace/
http://irdb.nii.ac.jp/
http://images.lib.geidai.ac.jp/
http://www.nii.ac.jp/irp/archive/system/pd
f/junii2guide_ver0.1.pdf
DRF-ARMS 2010.12.22
31
参考URL(2)
6) http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/
7) http://dspace.lib.kanazawa-
u.ac.jp/dspace/
8) http://ir.u-gakugei.ac.jp/edu-rp/
DRF-ARMS 2010.12.22
32