参考資料編 - 四国電力

序
章
理
科
参考資料編
社
会
技
術
・
家
庭
総
合
的
な
学
習
の
時
間
参
考
資
料
参考資料「エネルギーの単位」
序
章
■熱量の単位
石油や石炭など、それぞれのエネルギー源には固有の単位がある。しかし、異なった単位のままでは比較したり合計することは
できない。このため、複数のエネルギー源に共通の単位として用いられるのが熱量単位である。熱量はエネルギーの仕事量を表す
もので、日本の計量法では国際単位(SI単位)であるジュール(J:Joule)を利用することになっている。この他にカロリー(cal)や原
油換算kl、石油換算トンなどがある。これらの単位は係数を用いて相互に換算することができる。例えば、1キロカロリーをジュー
ルに直す場合は、次のとおりとなる。1kcal×(4.18605×10-3)=0.00418605MJ=4186.05J
(表1)エネルギー源別固有単位
理
科
参考資料「昔からのくらしの変化」
(表2)接続語
石炭
トン
区分
単位に乗せられる倍数
接頭語
英語表記
原油・石油製品
リットル、
トン、バーレル など
千
103
キ ロ:k
thousand
LPガス
トン、
立方メートル など
百万
106
メ ガ:M
million
都市ガス
立方メートル など
十億
109
ギ ガ:G
billion
液化天然ガス
立方メートル など
兆
1012
テ ラ:T
trillion
電力
Wh、
kWh
千兆
1015
ペ タ:P
quadrillion
百京
1018
エクサ:E
quintillion
■エネルギーの単位換算
社
会
技
術
・
家
庭
メガジュール
(MJ)
キロワット時
(kWh)
キロカロリー
(kcal)
原油換算キロリットル
(原油換算kl)
石油換算トン
(石油換算t)
メガジュール
1
2.77778×10-1
2.38889×102
2.58258×10-5
2.38846×10-5
キロワット時
3.6
1
8.59999×102
9.29729×10-5
8.59845×10-5
キロカロリー
4.18605×10-3
1.16279×10-3
1
1.08108×10-7
9.99821×10-8
原油換算キロリットル
3.87210×104
1.07558×104
9.25000×106
1
9.24834×10-1
原油換算トン
4.18680×104
1.16300×104
1.00018×107
1.08127
1
∼へ
∼から
エネルギー源
石油(原油)
メガ
(106)
ジュール
1リットル
38.2
1kg
54.6
都市ガス( 然ガス)
※1m3
45.6
石炭(輸入一般炭)
1kg
25.7
1kWh
3.6
天然ガス(LNG)
総
合
的
な
学
習
の
時
間
■バーレル(bbl:Barrel)
樽の意味で、原油の容積を表す単位。
1バーレルは約159リットルに相当する。
■エネルギーの単位換算
電力
■二酸化炭素排出量の単位
二酸化炭素排出量を表すには炭素(C)換算(t−C)によるも
のと、
二酸化炭素
(CO2)
換算
(t-CO2)
によるものがある。
二酸化
炭素
(CO2)
の分子量は44で、
そのうち炭素
(C)
が12であること
から、
CO2換算は、
炭素換算の12分の44倍
(約3.
5倍)
となる。
出典:資源エネルギー庁
この換算値は「日本における統計」についての数値。エネル
ギー源は産地などにより組成が異なるため、平均的な数値が
決められ、5年に1度見直しが行われる。上記数値は2005年度
以降の数値に対して適用されるものである。
※天然ガスを原料とする都市ガスに関する値で、
体積は0℃、
1気圧時。
CO2換算トン=炭素換算トン×
44
12
二酸化炭素排出量を算出するには、エネルギー消費量(熱量
表示)にCO2排出係数を乗じて求めることができる。
昭和の初めのくらしと現代のくらし
私たちの日常生活は、さ
まざまなエネルギーを利
用することで快適さを維
持している。家事労働に目
を向けただけでも、昔は薪
を使い、かまどでご飯をた
いていたのが、40年ほど前
に自動式電気釜が登場し、
今では電子レンジを使っ
て簡単に料理をすること
ができるようになった。
洗濯も、たらいと洗濯板
でゴシゴシと擦るのは一
苦労であったが、それが洗
濯機の登場により楽になっ
た。脱水は、レバー(ローラ
ー)を通して人力で行うな
ど、現在の洗濯機の構造か
ら考えるといたってシン
プルな構造であったが、そ
の後、二層式から全自動へ
と洗濯機は急速に進歩を
遂げている。今では乾燥機
も登場し、雨の日でも洗濯
物を乾かすことができる
ような時代となっている。
1
6
1ppm= =10-(part
per million)
100万
この他に、さらに微量の混合率を表す単位としてppb、pptなどがある。
参1
昭和30年に国民総生産が
戦後の水準を超え、日本は高
度経済成長の時代を迎えた。
現在
炊
事
釜炊き
炊飯器
マイコン炊飯器
洗
濯
たらいで洗濯
洗濯機
全自動洗濯機
火鉢
ストーブ
エアコン
暖
房
昭和30年代初め、
「 神武景
気(昭和29年∼32年)」ととも
に国民生活は徐々に豊かにな
り、家庭に電気製品が普及す
るようになった。特に「白黒テ
レビ」
「電気冷蔵庫」
「電気洗濯
機」は「三種の神器」とよばれ、
庶民の憧れとなった。
(一部に
「電気掃除機」
「電気冷蔵庫」
「電
気洗濯機」を「三種の神器」と
する場合もある。)
続いて「岩戸景気(昭和33
年∼36年)」が起こり、さらに
戦後最成長率が年平均10%
を超え、国民総生産も世界第2
位となった。そして「カラーテ
レビ」
「自動車(カー)」
「クーラ
ー」
のいわゆる
「新・三種の神器」
(「3C」とも言われた)が国民
生活を象徴するものとなり、
大量生産・大量消費時代の幕
開けとなった。
エネルギー年表(交通編)
1
1pp t= =10-12(part per trillion)
1兆
序
章
理
科
社
会
自動車
1769年
1886年
1904年
1915年
鉄道
1804年
1829年
1871年
1893年
1904年
1964年
飛行機
1903年
1909年
1919年
1927年
1939年
エネルギー年表(生活編)
キュニョーの蒸気自動車(仏・世界初の自動車:非実用)
ダイムラーの1号車(独・ガソリンエンジンによる世界初の4輪自動車)
国産第1号蒸気自動車(従前は輸入車が国内を走行)
T型フォード(米・世界初の大量生産車)
トレビシック号(英・世界初の蒸気機関車)
ロケット号(英・世界初の実用鉄道)
日本初の鉄道
国産1号機関車
日本初の営業用電車が京都市電に登場
新幹線登場
ライトフライヤー号(米・ライト兄弟が開発)
プレリオ号(仏・英仏海峡を横断)
ユンカースF13(独・世界初の商業輸送機・乗客4人乗り)
スピリット・オブ・セントルイス号(米・リンドバーグがNYパリ間
無着陸飛行成功)
ハインケルHe−178(独・ジェット機による最初の飛行)
自動車
1927年
1940年
1946年
1952年
1953年
1954年
1955年
1957年
1965年
1967年
1974年
1979年
1989年
1990年
1996年
2001年
2009年
2010年
受信機(ラジオ)
蛍光ランプ
家庭用アイロン
家庭用冷蔵庫
白黒テレビ
渦巻式洗濯機、脱水機付洗濯機
自動式電気釜
カラーテレビ、電気ポット
家庭用電子レンジ
カセットテープレコーダー
IH調理器
日本語ワープロ
ブック型パソコン
200V対応IHクッキングヒーター
DVDプレーヤー
家庭用自然冷媒ヒートポンプ給湯器
LED電球
ブルーレイレコーダー
CO2排出量=エネルギー消費量(熱量表示)×CO2排出係数
■濃度の単位
二酸化炭素(CO2)や硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)などが大気中に含まれる濃度を表す単位としてppmが用いられる。
ppmは、質量や体積を特定せずに、極めて微量の混合物を100万分率で表す単位。
1
9
1ppb= =10-(part
per billion)
10億
40年前
■エネルギー年表(交通・生活編)
技
術
・
家
庭
総
合
的
な
学
習
の
時
間
■昭和時代における社会の変化
年 代
参
参
考
考
資
資
料
料
70年前
三種の神器と新・三種の神器
1925年(大正14年)
1953年(昭和28年)
1950年代
1964年(昭和39年)
1960年代
1970年(昭和45年)
1970年代
1973年(昭和48年)
1979年(昭和54年)
1983年(昭和58年)
主 な 出 来 事
ラジオ放送がスタート。
テレビ放送がスタート。日本で最初のスーパーマーケットが東京・青山に誕生。
白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫、トースター等が次々に発売され、家庭に電気製品が普及し始める。
東海道新幹線が開通(10月1日)。東京で第18回夏季オリンピックが開催される(10月10日∼24日)。
電気製品の普及率向上。カラーテレビ、クーラー、車(カー)が豊かさの象徴となる。
大阪で日本万国博覧会開催(3月14日∼9月13日)。
日本にコンビニエンスストアが誕生。
第一次石油危機が発生。
第二次石油危機が発生。日本語を処理できるワープロ専用機の販売。
ファミコンの販売。
参
考
資
料
参2
参考資料「電力設備」
参考資料「電力設備」
発電所から送られる電気の流れと電力設備
全国の送電線ネットワーク
序
章
日本の電気事業では、電気の特質を十分に活かし、各電力会社の供給区域を越えて電力
需要の安定供給と効率性向上を図る観点から広域運営を行っている。
現在、北海道から九州までの電力系統は全て連結されている。このため、特定の地域に
おいて電力の供給力が不足する場合は、各社間の応援融通や電力設備の効率運用を図る
ための電力融通などを行い、
電力の安定供給に大きく貢献している。
序
章
原子力発電所
大工場
18万ボルト
6万ボルト
理
科
北本連系線
2万ボルト
6千ボルト
6万ボルト
配電線
超高圧変電所
架空地線
佐久間周波数変換所
50H2
80m
275,000V
阿南紀北直流幹線
60m
154,000V
垂直がいし
45m
鉄塔
四国地域の主な送電線
本四連系線
東予変電所
西条発電所
伊方発電所
社
会
500,000V
電線
技
術
・
家
庭
コンクリート
基礎
坂出発電所
四角鉄柱
長方形鉄柱
えほし鉄柱
讃岐変電所
鳴門淡路線
川内変電所
阿波変電所
阿南発電所
橘湾発電所
阿南変換所
阿南紀北
直流幹線
水力発電所
(2万kW以上)
火力発電所
原子力発電所
太陽光発電所
風力発電所
送電線
(50万V)
送電線
(18万7千V)
変電所
(50万V)
変電所
(18万7千V)
交直変換所
他社設備
電力ケーブル
鉄塔にかかる力
地中送電に使われる電力ケーブルは、絶縁方式の違いから
名称がつけられ、代表的なものにOFケーブルとCVケーブル
がある。
OFケーブルでは、電線の周りに油をしみ込ませた紙を巻い
て金属パイプの中に納め、隙間に油を満たして絶縁している。
一方、CVケーブルは、電線を架橋ポリエチレンで覆って絶
縁したケーブルで、OF
ケーブルに比べて、よ
り 多 く の 電 力 を 送 る 架橋ポリエチレン
導体
ことができる。現在は 絶縁体
内部半導電層
工 事 や 保 守 が 容 易 な ワイヤー
外部半導電層
ことから、CVケーブル シールド
しゃへいテープ
が多く使われている。 半導電性
鉄塔にかかる力は、電線の重量のほかに、電線の風圧荷重、
電線の張力、碍子の重量などがある。電線には、電気をよく通
すために銅線やアルミ線が使われるが、電線1mあたりの重量
は約1.5kgである。鉄塔間の距離は約300mで、鉄塔には6本の
電線がかかっているため、鉄塔間には電線だけで約2,700kgの
重量がかかっていることになる。
布テープ
波付ステンレス被
ビニール防食層
送電線
(50万V)
送電線
(18万7千V)
技
術
・
家
庭
門形鉄柱
当社設備
CVケーブルのしくみ
参3
一般家庭
電線を支えるものには、鉄塔、鉄柱、鉄筋コンクリート柱、木柱等があるが、強度と信頼性が高いため、主として送電線には鉄塔
が使われている。
設置場所や送る電気の電圧によって、いろいろな形状や大きさのものがある。例えば、送電線が直線部分の鉄塔は「懸垂型」、送
電線に角度がついた鉄塔には「耐張型引留鉄塔」が使われている。また、地上高60m以上のものは紅白に塗り分けられたり、航空障
害灯としてフラッシュライトがつけられている。
新信濃周波数変換所
東清水周波数変換所
60H2
参
参
考
考
資
資
料
料
配電用変電所
鉄塔設備と種類と高さ
関門連系線
総
合
的
な
学
習
の
時
間
200ボルト
100ボルト
水力発電所
社
会
本四連系線
理
科
6千ボルト
送電線
50万V送電線
15.4万∼27.5万V送電線
直流連系線
交直変換所
200ボルト
100ボルト
柱上
変圧器
50万ボルト
18万ボルト
火力発電所
商店
ビル・工場
総
合
的
な
学
習
の
時
間
碍子のはたらき
碍子は、送電線や配電線などの電気の流れる電線と鉄塔や
電柱とを絶縁するためのもので、高い絶縁能力と大きな強度
が必要である。
碍子は、太陽光や温度変化による自然劣化が少ない磁器製
が使われている。碍子には電線の重量や電線を引っ張る力、そ
して風圧などの大きな力がかかる。一列の碍子で強さが足ら
ないときは、二連・三連と並列に増やしていく。また、電圧を高
くするときは直列に連結していく。
参
考
資
料
参4
序
章
参考資料「電力会社の取り組み」
参考資料「電力会社の取り組み」
需要の変化に対応した発電所の運用
電気事業からの二酸化炭素排出量の推移
水力、火力、原子力などの発電設備は、経済性や運転特性にそれぞれちがいがある。このため、電源開発にあたっては、地球温暖化
問題への対応や安定供給、コストの観点からバランスのとれた電源構成を築く必要がある。このように、電源の最適な組み合わせ
を
「ベストミックス」
という。
原油価格は、中長期的にみれば上昇していくと予想されるほか、電源の開発には10∼20年の期間(リードタイム)が必要であり、
長期的な視点に立って発電設備の多様化を進めていく必要がある。
1970年度と2009年度を比べると、
使用電力量の伸びは約3.3倍となっているが、
二酸化炭素の排出量は約2.3倍にとどまっている。
これは、
石油ショック以降、
原子力発電の推進などに取り組んできたことが大きく寄与しているためである。
我が国の電力会社は、
「2008年∼2012年度における使用電力量1kWhあたりの二酸化炭素排出量(5ヵ年平均)を、1990年度実績
から20%低減する」
自主目標を掲げており、
安定供給と合わせて一層の環境対策に努めることとしている。
揚水式水力
CO2排出量(10万t-CO2)
使用電力量(億kWh)
原子力発電電力量(億kWh)
調整池式水力
貯水池式水力
10,000
ピーク供給力
使用電力量あたりのCO2排出量
(kg-CO2/kWh)
使用電力量
1kWhあたりの
CO2排出量
石 油
理
科
8,585
LNG、
LPG、
その他ガス
使用電力量
0.596
石 炭
6,000
0
社
会
技
術
・
家
庭
総
合
的
な
学
習
の
時
間
2
4
6
8
0.417
流れ込み式水力・地熱
10
12
14
4,000
16
18
22
火力発電所の熱効率の向上や送配電ロス率の低減は、省エネルギーや二酸化炭素排出量削減につながる。このため、電力会社で
は資源少国である我が国の制約に鑑み、発電設備の大容量化と蒸気条件(温度・圧力)の向上など、エネルギーの効率的な利用に取
り組んできた結果、
現在では熱効率や送配電ロス率は世界トップクラスにある。
また、中国やインドなどの開発途上国では、経済成長に伴う電力需要を主に火力発電によって賄っており、エネルギー効率の向
上について改善の余地が多くあることから、それらの国々に対して文化的な背景や環境保全に十分配慮しながら技術協力なども
行っている。
(%) 45
41
英国・アイルランド
日本
韓国
北欧
39
フランス
37
ドイツ
アメリカ
43
オーストラリア
インド
31
0
CO2排出量
1,548
46
0
昭和45年
(1970年度)
1990
1992
1994
1996
1998
2000
2002
2004
2007(年)
0.351※
3,530
60
55
0.1
3,010※
原子力発電電力量
2,023
50
0.412
理
科
0.2
2,798
平成2
(1990)
7
12
注:※印の数値は京都メカニズムクレジットを反映した数値
17
0.0
21
(2009)
社
会
出典:電気事業連合会
電力の安定供給への取り組み
今日、私たちのくらしは、さまざまな家電機器に恵まれ、電気がもたらす利便性や快適性は不可欠なものとなっている。特に、IT
が社会の基盤を支える高度情報化社会においては、
良質で信頼できる電気が社会から求められている。
このため、電力会社では、電力設備の故障による停電を未然に防ぐため、巡回パトロールや送配電ルートの多様化、無停電工事、
最新鋭の発電機を積極的に導入するなど、
停電時間が少ない安定した電気を送り届けるよう努力している。
1軒あたりの年間停電回数と停電時間の推移
(分)
700
701分
600
500
(回)
7
6
停電時間
4.85回
5
停電回数
400
4
※台風19号の影響
300
187分
200
128分
0.90回
1.36回
100
0
昭和41年
(1966年度)
50
※台風等の影響
14分
0.13回
169分
0.51回
88分
10分 0.33回
0.20回
中国
33
0.3
2,750
2,000
火力発電所の熱効率に関する国際比較
注1:熱効率は石炭、石油、ガスの熱効率を加重平均した発電端熱効率
(低位発熱量基準)
2:外国では低位発熱量基準が一般的であり、
日本のデータ(高位発熱量基準)を低位発熱量基準に換算
なお、低位発熱量基準は高位発熱量基準よりも5∼10%程度高い値となる。
3:自家発設備等は対象外
より作成
出典:ECOFYS社「INTERNATIONAL COMPARISON OF FOSSIL POWER EFFICIENCY AND CO2 INTENSITY」
参5
2,599
24時
技術協力などの国際的な取り組み
35
参
参
考
考
資
資
料
料
20
揚水式水力
石炭火力
電力供給に余裕のある夜間帯に水を汲み上げ、昼間帯にその水を利用し 燃料単価は他の火力に比べると安い。夜間帯の軽負荷時には出力調整を
て発電。発電出力の調整が容易で、急激な電力需要の変化に対する即応性に 行うことがあるが、
主にベース供給力として活用。
優れている。
ピーク供給力として活用。
原子力
調整池式・貯水池式水力
火力に比べて燃料単価が安く、燃料価格が安定している。ベース供給力と
河川の流量を調整池、貯水池で調整し発電。電力需要の変化に容易に対応 して活用。
できる。
ピーク供給力として活用。
流れ込み式水力
石油火力
河川流量をそのまま利用して発電。
電力需要への変化に対応できないため、
燃料単価が高く、国際情勢などにより燃料価格が変動しやすい。ピーク供 ベース供給力として活用。
給力として活用。
地熱
LNG、
LPG、
その他ガス火力
地中深くから取り出した蒸気で直接タービンを回して発電。火力に比べ
燃料単価は、石油火力に比べて安いが、石炭と比べると割高である。電力 て単位発電量当たりの二酸化炭素排出量は約20分の1。ベース供給力として
需要の日間変化に応じた発電調整を行うミドル供給力として活用。
活用。
熱
効
率
0.5
0.4
原子力
ベース供給力
0.7
0.6
6,590
8,000
ミドル供給力
序
章
60
3
2
1
0
21
(2009)
平成7
注1:昭和63年度までは9電力計
2:停電回数、時間ともに事故停電、作業停電の計
3:事故停電のうち「災害」は台風、高潮、洪水、津波、地震等により発生したもの
出典:電気事業連合会調べ
事故停電:雷や台風をはじめとする自然災害によって突発的に発生する停電
作業停電:電力設備の保守・強化のための作業等によって計画的に発生する停電
技
術
・
家
庭
首都圏大停電
2006年8月14日の朝、旧江戸川を航行中のクレ
ーン船がアームを架線に接触・切断させたことに
より、東京都内、神奈川県、千葉県の広い範囲で
139万戸が停電する事故が発生し、首都圏が麻痺
状態となった。
停電戸数としては、1987年7月に停電した際の
280万戸に次ぐ史上二番目となる大規模停電とな
ったが、大手企業のお盆休みと時期が重なり、電
力需要が通常よりも低下していたことが幸いし、
一部の地域を除いて約4時間半程度で全面復旧し
ている。
影響としては、
停電による信号機の停止をはじめ、
JRや地下鉄、ゆりかもめなどの公共交通機関を利
用する乗客への支障のほか、ビルのエレベータに
人が閉じ込められる事故も相次いだ。また、通信
関係では、携帯電話が繋がらなくなったり、イン
ターネットが一次不通になるなど、ライフライン
にも大きな影響を与えた。
くしくもこの日は、2003年に発生した北アメリ
カの大規模停電(アメリカ4千万人、カナダ1千万
人の計5千万人が停電被害を受けた)と同じ日で
あった。
総
合
的
な
学
習
の
時
間
参
考
資
料
参6
序
章
参考資料「エネルギー資源」
参考資料「エネルギー資源」
世界の石油消費量の推移
石炭の生産動向
2008年における石油消費量は世界全体で、8,446万バレル/日となっている。国別では、
アメリカが全体の約23%を占めるなど最も多く、
日本
は5.
7%と世界第3位の消費国となっている。
日本
中国
アジア
(日本・中国を除く)
単位:千バレル/日
(%)
90,000
83,065
80,000
理
科
76,132
69,506
70,000
60,000
58,425
(7.6)
50,000
(6.1)
(3.1)
65,480
(8.3)
(6.3)
(8.1)
(3.4)
(8.2)
(4.9)
(12.8)
30,000
20,000
10,000
(26.0)
(25.5)
(2.9) (4.1)
(4.6) (3.1)
(2.9)
(3.0)
(2.7)
(2.8) (7.7)
(4.4)
(8.4)
(5.2)
(6.1)
(5.1)
(30.4)
(13.1)
(29.8)
(27.1)
世界の石炭(褐炭を除く)生産量(国別)
アメリカ
ドイツ
フランス
イタリア
イギリス
ロシア
84,455
(5.7)
(9.5)
(13.5)
ポーランド 1.6%
ロシア
4.4%
(3.1)
南アフリカ
4.4%
世界計
55億4,290万トン
(2007年)
(23.0)
(2.6)
(2.7)
(2.6) (3.1)
(2.9)
(2.2)
(3.4)
(2.5)
(6.8)
(6.0)
中国
46.0%
(27.2)
アメリカ
トルコ 7.5%
ギリシャ 7.4%
6.8%
チェコ 5.8%
ポーランド 6.1%
出典:IEA“Coal Information 2008”
世界の石炭生産量の推移
世界の石炭生産量と消費量(2007年)
0
(27.2)
7.6%
カナダ 3.9%
アメリカ
17.7%
(2.3)
(2.0)
(2.0)
理
科
ロシア
世界計
7.7%
9億4,500万トン
(2007年) オーストラリア
インド
8.1%
(3.0)
(2.4)
(2.2)
(2.2) (3.3)
(7.6)
ドイツ
19.1%
その他
28.1%
オーストラリア
5.8%
(3.6)
世界の褐炭生産量(国別)
インドネシア 4.2%
(25.9)
序
章
コロンビア 1.3%
その他 5.0%
カザフスタン 1.5%
中東
その他
(11.5)
(4.1)
社
会
(8.4)
(25.0)
(24.9)
40,000
(7.3)
(6.4)
世界の石炭生産量は、2000年以降、増加傾向にあり、2007年の石炭生産量は64億トン(褐炭を除く石炭が約55億トン、褐炭が9億トン)
と
なっている。石炭(褐炭を除く)の主要生産国は中国、
アメリカ、
インドの3カ国であり、世界全体の70%以上を占めている。また、褐炭の生産は、
ドイツ、
ロシア、
オーストラリア、
アメリカ、
トルコ、
ギリシャなど数多くの国で生産されている。
一方、2007年の石炭(褐炭を除く)消費量は、中国・アメリカ・インドの主要3カ国で世界の消費量の70%以上を消費するなど、地産地消型の
傾向を示している。
(褐炭は、生産国内で消費される地産地消資源である。)
(百万トン)
(28.1)
500
1,000
1,500
2,000
2,500
社
会
中国
アメリカ
945
インド
0
5,000
1985
1990
1995
2000
2005
オーストラリア
2008(年)
技
術
・
家
庭
総
合
的
な
学
習
の
時
間
出典:BP統計「2009年版」
オイルロード
我が国では、明治初期から新潟県を中心に石油開発が行われており、
現在でも新潟県や秋田県、北海道などで石油の生産が行われている。また、
周辺の大陸棚においても、1970年代より探鉱活動が継続的に実施され、
これまでに磐城沖ガス田(2007年に生産終了)、岩船沖油・ガス田などが
開発されている。石油と同時に産出される天然ガスも、現在、多くの地域
で都市ガスや発電用の燃料として利用されているが、国内生産量は総消
費量の1%にも満たっておらず、99.6%を海外からの輸入に頼らざるを得な
いのが現状である。
周りを海に囲まれた我が国は、原油をタンカーで輸入しており、
その輸送航路を「オイルロード」とよんでいる。中東からの輸入
には、約20万トン級の大型タンカーが使われており、片道約1
万2千kmの距離を約20日間かけて輸送している。途中にはホ
ルムズ海峡やマラッカ海峡などの難所があり、安全対策に気
を使っている。
石油のほぼ全量を輸入している日本は、原油の安定的な供給を図るため、
我が国企業の権益下にある原油取引量の割合を拡大することを目指して
きた。その結果、
我が国の自主開発原油の割合は、
1973年度の8%から徐々
に向上し、2008年度には約16%まで伸びている。
しかしながら、諸外国と
比べても大きく立ち遅れている。
石油メジャー
参
参
考
考
資
資
料
料
参7
石油メジャーは、資本力と政治力で石油の探鉱、生産、輸送、精製、販
売までの全段階を垂直統合で行い、
シェアの大部分を寡占する国際大手
石油会社の総称をいう。OPEC設立以前は、世界の石油供給の大部分
を支配していた。1960年代以降、
石油需要の低迷と石油価格の下落によっ
て大規模な業界再編が行われている。
石油メジャーのうち、特に第二次世界大戦後から1970年代まで、石油
の生産をほぼ独占状態に置いた7社は、
セブン・シスターズ(7人の魔女)
と
よばれた。アメリカ系メジャーであるエクソンとモービルは、1999年に合併し、
エクソンモービルとなった。このほかにBP(ブリティッシュ・ペトロリアム)ア
モコやロイヤル・ダッチ・シェル・グループなどの石油メジャーがある。
769
原料炭
'80
'85
'90
'95
'00
オーストラリア 1.4%
インドネシア
韓国 1.7%
ポーランド
ロシア 2.8%
カザフスタン
南アフリカ
3.2%
コロンビア
日本 3.3%
ベトナム
マレーシア
20日
シンガポール
マカッサル海峡
韓国
(%)
100
90
22日
出典:IEA“Coal Information 2008”
輸入炭の割合
98.4 99.0 98.6
89.7
91.5
95.1 95.1
93.9
84.5
77.3
70
63.8
ロンボック海峡
60
50
'96
81.7
参
考
資
料
60
一般産業
電気事業
'98
140
80
69.8
'97
輸入炭
国内炭
180
100
62.0
60.5
'95
77.9 77.7 79.4
'99
'90
'01
'02
'03
'04
'05
'06
総
合
的
な
学
習
の
時
間
(百万トン)
200
120
88.5
80
我が国では、石炭の国内供給の99%以上を海外から輸入している。
国内の生産量は、1961年度の5,541万トンをピークに減少しており、
2008年度の生産量は129万トンであるのに対して、輸入炭は1億
8,557万トンとなっている。
160
94.8 96.5 96.3
96.2
95.3
85.0
87.7
出典:石油連盟資料
技
術
・
家
庭
アメリカ
17.3%
出典:IEA“Coal Information 2008”
石炭を利用する火力発電所では、燃焼に伴い石炭灰が発生する
が、
その大半はボイラーからの石炭灰(クリンカー)
と電気集じん器で
捕集された石炭灰(フライアッシュ)
である。2006年には、全国の発
電所から約800万トンの石炭灰が発生しているが、
セメント産業で約
65%、土木工事などで約15%が再利用されるなど、
その大半は有効
に利用されている。
マラッカ海峡
インド
9.1%
生産量
消費量
日本
石炭灰の有効利用
ホルムズ海峡
世界計
中国
55億2,200万トン 46.1%
ウクライナ
'05 '07(年)
その他
12.3%
ポーランド 1.6%
ロシア
4,774
一般炭
我が国の石油開発
ドイツ 1.3%
南アフリカ
褐 炭
40
20
'07
(年度)
出典:
(財)石炭エネルギーセンター
0
65
70
75
80
85
90
95
00
05
08
(年度)
出典:資源エネルギー庁「エネルギー白書2010」
参8
参考資料「エネルギー資源」
参考資料「エネルギー資源」
バイオエタノールとバイオディーゼル
序
章
バイオマスエネルギーの有効活用
■バイオエタノール
サトウキビやトウモロコシ、小麦など、植物資源を原料につくられるエチルアルコール燃料であり、
ガソリンの代替燃料として有望視されるクリー
ンな燃料である。バイオエタノールは、原料の植物が成長過程で吸収した二酸化炭素を大気中に再放出しており、燃焼によって新たな二酸化
炭素を増やさないカーボンニュートラルな燃料と考えられている。
石油や石炭などの化石燃料とは異なり、原料となる植物を育成できる環境があれば、
どの国や地域でも繰り返し生産して十分な量の資源を確
保することができる反面、世界的な食量価格の上昇を招く原因の一つとなる。このため、我が国でも食量価格等に影響を与えない雑草や稲ワラ
等の植物廃材を材料としたバイオエタノールの量産技術の研究が進められているが、
アメリカやカナダなどでは、麦ワラやサトウキビの搾りかす等
の植物廃材を原料とするバイオエタノールの生産が実用化されている。
理
科
社
会
収集・運搬
■バイオディーゼル
バイオディーゼルは、主に菜種油やひまわり油、大豆油、
コーン油など、天然素材の植物油を原料につくられるディーゼルエンジン用の燃料で
あり、将来、資源の枯渇化が懸念される石油を原料とする軽油に代わる新しい燃料として期待されている。バイオディーゼルフューエル(Bio
Diesel Fuel)の頭文字をとってBDFと略されることもある。バイオディーゼルは、未使用油のみならず、家庭や飲食店等で使い終わった食用油を
原料としてつくることも可能であり、使用済み油をリサイクル利用できるという点でも注目されている。
EUでは、
「自動車用バイオ燃料導入促進に関わる指令」等により、2020年までに輸送燃料に占めるバイオ燃料の割合について、非バイオ燃
料も含めた再生可能エネルギー比率を10%以上とする目標を掲げている。また、
アメリカでは、大豆油から精製したバイオディーゼルを20%混合
した軽油が使用されているほか、
アジア諸国においてもバイオディーゼルの利用が進みつつある。
農業残°系
バイオ燃料
糖化・発酵・濃縮
液体燃料
その他
EU
中国
アメリカ
ブラジル
石油事業者
エステル変換等
輸送用
直接液化
燃料
FT合成
畜産糞尿
下水汚泥
その他
他米州
アメリカ
他ヨーロッパ
スペイン
英国
イタリア
フランス
ドイツ
7,000
6,000
5,000
3,000
ガス化
精製
ガス
メタン発酵
社
会
電気事業者
固体燃料
ペレット等
電気
バイオマス発電
発電設備・熱利用
出典:資源エネルギー庁「日本のエネルギー2010」より作成
バイオマスの賦在量と利用可能量
家畜排せつ物 約8,700万t
1,000
75 77 79 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07
(年)
0
00
01
02
03
04
05
06
理
科
ガス事業者
気体燃料
メタン、水素
一酸化炭素
2,000
1,000
出典:資源エネルギー庁「エネルギー白書2009」
たい肥等への利用 約90%
未利用 約10%
建築資材・たい肥等への利用 約74%
未利用 約26%
07 (年)
技
術
・
家
庭
下水汚泥 約7,900万t
出典:資源エネルギー庁「エネルギー白書2009」
新たな資源:シェールガス
非在来型天然ガスの一種で、在来型とは異なり、貯留層が砂岩ではなく泥岩である点にちがいがある。泥岩の中でも薄片状に剥がれやすい
性質をもつシェール(頁岩)に含まれるためシェールガスという。シェールガスの大量増産は、
アメリカにおけるガス戦略を根底から覆すきっかけとな
り、中国や欧州諸国でも利用に向けた地質的調査が進められるなど、世界的な広がりを見せつつある。
しかしながら、
シェールガスを採掘するには大量の水が必要とされ、産業や農業分野での水不足の影響が懸念されている。アメリカでは、地下
水の過剰なくみ上げによる影響が問題となっており、
シェールガスの採掘増加に伴う地下水への影響が懸念されている。また、在来型の天然ガ
スと比較して5倍以上あると推定される非在来型天然ガス埋蔵量のうち、
シェールガスは5割以上占めているため、採掘から輸送に伴う環境破壊
や環境汚染の可能性を指摘する声もある。
廃
棄
物
系
バ
イ
オ
マ
ス
黒液 約1,400万t
※乾燥重量
通常の油田・ガス田以外から生産される天然ガスのことで、既に一部が商業生産されているタイトサンドガスやコールベッドメタン、
シェール
ガス以外にも、今後、商業生産が期待されるメタンハイドレートなどがある。現在の石油産業にある技術では採掘できないものが多いが、今
後、採掘にかかる技術開発の進展が期待されている。
タイトサンドガス
浸透率が低い砂岩に含まれる天然ガスである。一般的に地層深度が深いため、掘削費用がかさむた
め商業生産が進まなかった。タイトサンドガスの商業生産が盛んな国はアメリカで、非在来型天然ガス
生産量のうち最も多いのがタイトサンドガスである。
コールベッドメタン
炭素メタンや略してCBMともいわれる。石炭化の過程で生成されたメタンガスが石炭層中に貯留され
たもので、大部分のガスは石炭層中のミクロな孔隙表面に吸着した形で存在している。主成分はメタ
であり、一般的に90%以上を占めるが、二酸化炭素やその他の不純物は微量しか含まない。
ン(CH4)
エネルギーへの利用 約100%
紙 約2,600万t
未利用 約20%
素材原料等への利用※ 約80%
(約5%は回収困難分)
食品廃棄物 約1,900万t
肥飼料等への利用 約27%
未利用 約73%
製材工場等残材 約430万t
製紙原料、
エネルギー等への利用 約95%
非在来型天然ガス
参9
利用先
炭化
4,000
参
参
考
考
資
資
料
料
エネルギー供給事業者
(バイオ燃料)
食品廃棄物
8,000
2,000
燃料輸送
ガスエンジン等
(1,000トン)
9,000
3,000
0
エネルギー転換
世界の輸送燃料用バイオディーゼル生産量の推移
(万ì)
4,000
総
合
的
な
学
習
の
時
間
原料
木質系
世界の輸送燃料用バイオエタノール生産量の推移
序
章
バイオマスエネルギーの供給フロー
世界のバイオエタノール生産量は、2000年以降急増しており、2007年には約5,000万klとなっている。なかでもガソリンにエタノールの混合(20
∼25%)が義務付けられているブラジルと、
エネルギー政策法により輸送燃料に再生可能エネルギーが義務付けられているアメリカでの普及拡
大が顕著である。
5,000
技
術
・
家
庭
バイオマスエネルギーは、電気やガス、輸送用燃料など用途が幅広く、森林資源や農作物、食品残渣、下水汚泥など多種多様な資
源が原料となっている。このため、地産地消も含め産学官の連携による技術開発など、資源を有効活用していくための取り組みが
進められている。
なかでも輸送用バイオ燃料の利用については、運輸部門における石油依存度の低下(現在の100%を80%に低減)、食料供給との
両立、
ライフサイクル全体での温室効果ガス排出削減などに向けた取り組みが進められている。
未利用 約5%
総
合
的
な
学
習
の
時
間
建設発生木材 約410万t
マテリアルリサイクル、サーマルリサイクル等を含めた再資源化等への利用 約90%
バ
イ未
オ利
マ用
ス
農作物非食用部 約1,400万t
すき込みへの利用 約55%
たい肥、飼料、家畜敷料への利用 約30%
林地残材 約800万t
未利用 約10%
未利用 約15%
ほとんど未利用
参
考
資
料
※素材原料等への利用は、一部海外への輸出分も含む。
出典:バイオマス活用推進会議事務局調べ(2010年5月時点)
参10
参考資料「新エネルギー」
参考資料「新エネルギー」
新エネルギーとは
序
章
太陽光発電
自然のプロセス由来で絶えず補給される太陽、風力、バイオマス、地熱、水力などから生成される「再生可能エネルギー」のうち、
コストが高いため普及に支援を要するものをいう。
新エネルギーは、エネルギー源の多様化や低炭素社会の実現に資するほか、分散型エネルギーシステムであることから地域経済
の活性化への貢献も期待される貴重なエネルギーである。また、太陽電池や燃料電池、蓄電池をはじめ、大きな技術的ポテンシャル
を有する分野であることから、
その積極的な技術開発を進めていくことが重要である。
■特徴
エネルギー源が太陽であるため、
基本的には設置する地
域に制限がない。また、一度設置すると機器のメンテナン
スが殆ど必要なく、
屋根や壁などの未利用スペースに設置
できるため、
導入しやすいシステムである。
太陽光発電システムの概要
太陽電池モジュール
電子の流れ
太陽
再生可能エネルギー
革新的なエネルギー高度利用技術
大規模水力
新エネルギー
中小水力
太陽光発電
風力発電
バイオマス発電
バイオマス燃料製造
バイオマス由来廃棄物発電
バイオマス由来廃棄物燃料製造
理
科
(波力発電)
再生可能エネルギーの普及、
エネルギー効率の飛躍的
向上、エネルギー源の多様化に資する新規技術であっ
て、
その普及を図ることが特に必要なもの。
地熱
太陽熱利用
雪氷熱利用
バイオマス熱利用
温度差熱利用
バイオマス由来廃棄物熱利用
■現状
2008年末の導入実績は214.4万kWで、発電出力では大
型火力発電所1基分以上に相当する規模となっている。
また、
災害時の非常用電源としても利用することが可能であり、
近年は、
住宅用太陽光発電システム以外に産業用や公共施
設などで導入が進んでいる。
化石原料由来廃棄物発電・熱利用・燃料製造
化石原料由来廃棄物発電・熱利用・燃料製造については
省エネルギーの一手法として位置付けられる。
(海洋温度差熱発電)
■展望
我が国の太陽光発電技術は、
世界をリードする立場にあ
る。気象条件により発電出力が左右されるものの、導入コ
ストも低下しつつあり、
今後はさらなる技術開発や需要の
喚起に向けた導入支援策によるコストの低減が期待され
ている。
発電単価(円/kWh)
電 源
技
術
・
家
庭
(原油換算万ì)
設備利用料
水 力
8.2∼13.3円
45%
石 油
10.0∼17.3円
30∼80%
LNG
5.8∼7.1円
60∼80%
石 炭
5.0∼6.5円
70∼80%
原子力
4.8∼6.2円
70∼85%
太陽光
49円
12%
風 力
9∼14円
20%
新エネルギー導入実績と目標
2,500
1次エネルギー総供給量
2,000
1,910
1,910
1,500
40%
6億ì
1,262
1,000
500
出典:水力∼原子力については
「総合資源エネルギー調査会電気事業分科会第9回コスト等小委員会」
(電事連試算)
(2004年1月)
太陽光、
風力については
「総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会中間報告」
(2009年8月)
参
参
考
考
資
資
料
料
電極
インバータ
接続箱
発電した直流電力を
交流電力に変換します。
正孔
理
科
電子
電気の流れ
(直流)
太陽光発電素子
(太陽電池本体)
12%
3%
程度
16%
31%
5%
7%
3%
6%
2006年度
2010年度目標
23%
0
その他
(黒液、
廃材、
廃棄物熱利用、
未使用エネルギー、
太陽熱利用)
バイオマス熱利用
廃棄物発電+バイオマス
風力発電
太陽光発電
日本の風況マップと県別導入量(2010年3月末)
■特徴
風力発電は、新エネルギーの中では発電コストが低く、
従来の発電施設と比較すると工期が短いというメリット
がある。
都道府県
1 青森県
2 北海道
3 鹿児島県
4 島根県
5 秋田県
6 長崎県
7 石川県
8 茨城県
9 山口県
10 静岡県
ー
13 愛媛県
21 高知県
25 徳島県
47 香川県
■現状
我が国では、安定した風力(平均風速6m/秒以上)が得
られる北海道や東北地方を中心に稼動している。近年、売
電事業による採算性が認められたことで、商業目的での
導入が進み、我が国における導入件数が急増している。
2008年末の導入実績は188.0万kWで、大型火力発電所
1基分に相当する規模となっている。
■展望
2010年までの導入目標は300万kWとなっている。今後、
さらなる普及を実現するために、台風など我が国固有の
気象条件や、複雑な地形に適応した風車の開発・導入が重
要となっている。
設備容量
29.2万kW
25.7万kW
15.4万kW
12.8万kW
12.4万kW
9.7万kW
8.6万kW
8.6万kW
8.3万kW
8.0万kW
省略
6.7万kW
3.6万kW
1.9万kW
0.0万kW
導入基数
200基
266基
107基
56基
104基
74基
58基
55基
43基
54基
58基
40基
15基
0基
エネルギー政策基本法
(安定供給の確保・環境への適合・市場原理の活用)
エネルギー基本計画
新・国家エネルギー戦略
出典:資源エネルギー庁「日本のエネルギー2009」他
2002年6月に制定された法律で、エネルギー政策の基本を
エネルギー政策
定めるとともに、国・地方公共団体・事業者の責務と新エネ
基本法
ルギー活用などに対する国民の努力について示している。
新・国家
エネルギー戦略
昨今の厳しいエネルギー情勢を踏まえ、2006年5月に国が
策定したもの。2030年までの目標を数値化し、その実現を
図るための戦略を明らかにしている。
総合的なエネルギー政策の確立を目的に、エネルギー需給
の将来像を示し、エネルギーの安定供給に向けた取り組み
2008年5月に策定された見通しを、
中期
長期エネルギー を促すための施策。
目標等を踏まえて再計算した新エネルギーの導入量は、原
需給見直し
油換算で2005年度の1,160万Klに対して、2020年度で最大
2,455万Kl、
2030年度では最大3,213万Klとなっている。
新エネ法
新エネルギーの利用を積極的に促進することを目的に、国
民・事業者・政府などの各主体間の役割を明確にする基本
方針の策定や、新エネルギーを利用する事業者への金融上
の支援措置を規定。
RPS法
電気事業者に対して、毎年、その販売電力量に応じた一定
割合以上の新エネルギー等による電気の利用を義務づけ
る法律。
2012年からの再生可能エネルギー全量買取制度の
導入により廃止される予定。
長期エネルギー需給見通し
RPS法
技
術
・
家
庭
(注)四捨五入の関係で合計値が合わない場合がある
新エネルギーを支える施策と制度
日本のエネルギー政策は、
「エネルギー政策基本法」
により
「安定
供給の確保」
「環境への適合」
「市場原理の活用」という基本方針が
示されている。さらに世界の厳しいエネルギー情勢を踏まえエネ
ルギー安全保障を核とした「新・国家エネルギー」戦略が策定され
ている。
具体的な将来像は、
「長期エネルギー需給見通し」
としてと
りまとめられており、
新エネルギーの利用拡大も同見通しのもと、
「新エネ法」
や
「RPS法」
によって着実に推進されている。
社
会
出典:NEDO
地熱発電
新エネ法
参11
56%
693
1999年度
総
合
的
な
学
習
の
時
間
P型シリコン
風力発電
新エネルギーの導入においては、投資額が高く、自然条件に左右されるなどの理由から利用率が低いといった課題がある。この
ため、火力発電をはじめとする既存のエネルギーと比較してコストが高く、出力が不安定であるため設置できる地点も限られてい
る。こうした状況を踏まえ、国は当面の間、補完的なエネルギーと位置づけつつ、課題克服に向けた技術開発や導入・普及のための
取り組みを進めている。
各電源の発電単価試算
N型シリコン
出典:資源エネルギー庁「日本のエネルギー2009」
新エネルギーの課題と導入目標
社
会
電極
反射防止膜
光エネルギー
電力系統
(例)
クリーンエネルギー自動車、
天然ガスコジェネレーション、燃料電池等
序
章
■特徴
地熱発電は、地下の熱エネルギーを利用して発電する
方式である。発電過程において二酸化炭素の排出がなく、
昼夜を通して発電が可能で、しかも発電量が天候に左右
されないことから、
長期間にわたる供給が期待されている。
世界の地熱発電設備
ニュージーランド
4.9%
その他
10.1%
日本 6.0%
■現状
我が国の地熱発電は、
1966年から運転が開始されている。
現在では九州や東北地域を中心に立地し、発電に使っ
た高温の蒸気・熱水を農業用ハウスや地域の暖房などで
再利用する取り組みも進んでいる。なお、新エネルギーと
して定義されている地熱発電は、バイナリー方式に限ら
れている。
■展望
我が国は火山帯に位置し、地熱の利用は戦後から早く
注目されてきた。今後、さらなる開発が期待されるが、地
熱発電の性格上、立地地域は国立・国定公園や温泉などと
重なるため、地元住民や関係者との調整も不可欠となっ
ている。
アメリカ
28.5%
インドネシア
9.0%
総
合
的
な
学
習
の
時
間
世界計
約888万kW
(2005年4月現在)
イタリア
8.9%
メキシコ
10.7%
フィリピン
21.7%
参
考
資
料
(注)%の合計が100に合わないのは四捨五入の関係
出典:火力原子力発電技術協会「地熱発電の現状と動向2008年」
参12
参考資料「新エネルギー」
参考資料「新エネルギー」
小規模水力発電
序
章
温度差熱利用
水力エネルギーの出力別分布
■特徴
今まで未利用であった中規模河川や農業用水などを水力発電
に利用する。特に、用水路などの流れを利用する「流れ込み式中
小水力発電所」は、既存の落差を利用するため、大規模ダムなど
の建設が不要である。
なお、新エネルギーでは、1,000kW以下の水力が対象となって
いる。
温度差エネルギーの熱量の推移(販売)
■特徴
海水や河川水、下水などは、夏は外気よりも水温が低く、冬は (原油換算:万kl)
外気より水温が高くなる。この温度差の熱をヒートポンプを用
5
いて利用するのが温度差熱利用である。冷暖房などの地域熱供
給源として、
全国で広まりつつある。
出力区分(kW)
10
1,000未満
371
450
1,000∼3,000
1,233
4
420
4
3,000∼5,000
523
■現状
熱源と消費地が近く、
新しい都市型エネルギーとして注目され、
全国に広がりつつある。
四国でも高松市のサンポート地区や番町・
丸の内地区などで、
地域熱供給として利用されている。
3 168
1
理
科
5,000∼10,000
■現状
現在、大規模な水力発電所の開発に適した地点での建設はほ
ぼ完了しており、
今後は中小規模水力発電所の開発が中心となる。
我が国は、豊富な水資源に恵まれ、これらの開発に適した地域は
数多く残されている。
340
10,000∼30,000 209
284
4
既開発
14
50,000∼100,000
工事中
64
3
100,000以上
未開発
27
1
0
500
総
合
的
な
学
習
の
時
間
参
参
考
考
資
資
料
料
■特徴
天気が良い日は、家庭での給湯や暖房を十分に賄える温水を
得ることができる。また、機器の構成が単純であり、特別な知識
や操作が必要ないため、一般住宅や小規模店舗などでも導入す
ることが可能である。
■現状
太陽熱利用は導入の歴史が古く、
実績も多い熱利用方法である。
現在は、水式と空気式の2つのタイプがあり、設置場所の条件
によって選ぶことが可能であるほか、屋根以外の外壁設置シス
テムも開発され、メンテナンスの簡略化や運転コストの低減も
図られている。
■展望
太陽熱を利用した新しい冷房システムの技術開発が進められ
ている。新エネルギーの中では、比較的安価で費用対効果がいい
ものの、他のエネルギーとの競合もあり、生産台数は減少傾向に
ある。しかしながら、新システムの開発に伴い、今後は公共施設
への導入拡大が期待されている。
雪氷熱利用
■特徴
降雪地域において、冬場に降り積もった雪や冷気を利用して
つくった氷を保管し、その冷熱が必要な時期に利用されている。
寒冷地では、これまで膨大なコストをかけて除雪していた雪
を有効利用することが可能である。
1,000
1,500
2
■展望
現在は、公共性の高い施設への導入が進んでおり、需要拡大が
見込まれている。今後は、技術開発によるイニシャルコストの低
減や熱源の不安定性の改良とともに、地方公共団体との連携に
よる推進体制の整備が求められている。
1
100
50
1
9
9
1
1
9
9
2
1
9
9
3
1
9
9
4
1
9
9
5
1
9
9
6
1
9
9
7
1
9
9
8
1
9
9
9
(年)
2 2 2 2 2 2 2
0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0
0 1 2 3 4 5 6
出典:
(社)
ソーラーシステム振興協会
給水温度と太陽熱利用による到達温度
(℃)
100
80
60
1
9
9
0
62
68
71
73
75
70
77
78
79
72
給水温度
到達温度
65
58
40
20
10.4 15.3
15.3 20.4
20.4 23.0
23.0 26.2
26.2 28.8
28.8 26.4
26.4 21.4
21.4 16.2
16.2 11.2
11.2
0 8.48.4 7.87.8 10.4
(月)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
出典:
(社)
ソーラーシステム振興協会
37,140
新潟県
26
20,392
山形県
16
5,327
■現状
雪氷熱利用は、現在、北海道を中心に導入が進んでいる。雪氷
熱利用の冷気は、適度な湿気を含んでいるため農作物の保存に
適しており、大規模な貯蔵庫などで利用されている。また、農作
物以外にも、マンションの冷房にも利用されるなど、活用範囲
が広がっている。
福島県
5
2,412
秋田県
5
2,086
岩手県
5
1,085
岐阜県
3
880
青森県
3
266
■展望
寒冷地の気象条件を活用するため、利用地域は限定的である
が、今後はさらなる技術開発によるコスト低減を進め、冷房・冷
蔵需要があるさまざまな施設での導入が期待されている。
鳥取県
1
260
長野県
1
※
合 計
123
2002
2003
2004
(年度)
出典:北海道経済産業局
「クールエナジー4」
農業・畜産・水産系
建築廃材系
農業残渣
(稲わら、
トウモロコシ残渣
もみ殻、麦わら、パガス)
林地残材
製材廃材
乾
燥
系
■展望
未利用の生物性廃棄物などを有効利用できるため、循環型社
会の形成上、さまざまなメリットがある。しかし、バイオマス資
源は地域に広く分散しており、収集・運搬・管理コストがかかる
課題も残されている。
社
会
建築廃材
家畜排泄物
(鶏ふん)
食品産業系
■現状
バイオマスエネルギーを、温水プールなどの身近な公共施設
の熱源として利用したり、発電用に設備を導入する工場が増え
ている。地域によっては、農山漁村特有のバイオマス資源の活用
により、一次産業の再生や活性化にもつながっている。
湿
潤
系
生活系
食品加工廃棄物
水産加工残渣
下水汚泥
し尿
厨芥ごみ
家畜排泄物
牛豚ふん尿
製紙工場系
そ
の
他
黒液・廃材
セルロース
(古紙)
糖・でんぷん
甘藷 菜種
パーム油(やし)
産業食用油
技
術
・
家
庭
出典:資源エネルギー庁資料他
バイオマスは、上記以外に発生場所によって「陸地系」や「水域系」、また、利用状況に
よって「廃棄系」
や「未利用」
などにも分類される。
■現状
木質燃料であるペレットや、輸送燃料としてのバイオエタノ
ール、バイオディーゼルの導入が広がり始めている。バイオエ
タノールは、ガソリン代替として注目されているが、トウモロ
コシなどの食用部分を原料とするため、食料との競合が問題と
なっている。
このため、稲わらなどから採れるセルロースを使ったバイオ
エタノール製造の研究・開発も進められている。
※蓄熱体
バイオマスの分類
木質系
■展望
多種多様な種類が存在するバイオマスは、その性質や発生形
態などが異なるため、エネルギー利用のためのさまざまな変換
技術が研究開発・実用化されている。一方でエネルギーとして
利用されていない資源も数多くあり、今後はその活用策の整備
等も課題となっている。
総
合
的
な
学
習
の
時
間
バイオマス燃料製造サイクル
■特徴
バイオマス燃料の種類は、チップやペレットなどの固体燃料、
ガソリン代替のバイオエタノール、軽油代替のバイオディーゼ
ル(BDF)などの液体燃料、バイオガスなどの気体燃料と多岐に
わたっている。
区 分 施設数 貯蔵量(トン)
58
2001
出典:NEDO技術情報データベース
バイオマス燃料製造
雪氷熱エネルギーの県別貯蔵量(2008年)
北海道
2000
都市部などでは、温度差熱利用による地域熱供給システムが導入されている地区が、
少しずつ増えている。
■特徴
バイオマスとは、動植物などから生まれた生物資源の総称で
あり、直接燃焼などを行うことで、発電や熱利用のエネルギー源
として利用できる。
また、
バイオマスは、
「カーボンニュートラル」
なため、追加的な二酸化炭素が発生せず、未利用の生物性廃棄物
を資源として活用できるメリ ットがある。
太陽熱温水器
ソーラーシステム
150
1
9
8
9
1999
バイオマス発電/バイオマス熱利用
太陽熱利用機器の販売台数の推移
(単位:千台)
200
0
1998
理
科
地点数
日本には123ヶ所の雪氷熱エネルギー施設があり、その多くは
北海道にあります。北国特有の「雪・氷・寒さ」をメリットに変える
取り組みが、
進められています。
参13
3
出典:資源エネルギー庁「水力開発の促進対策(平成19年度)」
太陽熱利用
技
術
・
家
庭
365
21
30,000∼50,000 90
■展望
河川に中小規模水力発電所を設置することで、河川環境の改
善に結びつくと期待されている。ただし、その地域が持つ使用可
能な水量や有効落差などの条件に左右されるほか、環境保護の
観点から魚などへの影響度調査が必要な場合もある。
社
会
序
章
植物
加工
光合成
CO2
参
考
資
料
バイオマス
エネルギー
エネルギー利用(燃焼)
参14
参考資料「さまざまな発電方法」
参考資料「原子燃料サイクル」
波力発電
序
章
海上を吹く風のエネルギーが波を起こし、その波の運動を利用して発電を行うのが波力発電である。海上での波の運動を空気の
圧力に変換して発電する方式をはじめとしてさまざまな発電方式が開発されつつある。波力発電装置は、激しく変化する海洋気象
に耐えなくてはならず、
また、
海上や海岸で発電した場合に電力需要地までの送電が必要になるなどの課題が残っている。
波力発電のしくみ
<寄せ波>
原子力発電所で使い終わった燃料には、
再利用できるウランとプルトニウムが約96%含まれている。
これらを再処理で取り出す
ことにより、
再び燃料として使用することができる。
エネルギー資源の大部分を輸入に依存する我が国は、ウラン資源の有効利用および放射性廃棄物の適切な処理・処分の観点から
再処理を行い、燃料をリサイクルする「原子燃料サイクル」を原子力政策の基本としており、現在、青森県六ヶ所村において原子燃
料サイクル関連施設の操業、
建設が進められている。
序
章
■原子燃料サイクルのしくみ
<引き波>
空気の
流れ
理
科
ウラン鉱山
ウエルズタービン
ウエルズタービン
(羽根車)
発電機
(羽根車)
(羽根車
羽根車)
発電機
ウエルズタービン
ウエルズタービン
(羽根車)
(羽根車
(羽根車)
羽根車)
発電機
発電機
天然ウラン鉱石
イエローケーキ
空気の
流れ
空気室
空気室
製錬工場
空気室
理
科
六フッ化ウラン
(UF6)
転換工場
再処理工場
回収ウラン
高レベル放射性廃棄物
再利用
(回収ウラン・プルトニウム)
高レベル放射性廃棄物
貯蔵管理施設
使用済燃料
廃棄物発電
社
会
技
術
・
家
庭
総
合
的
な
学
習
の
時
間
廃棄物発電は、ゴミの焼却熱を熱源として発電するシステム
であり、1965年に大阪で初めて導入された。最近では蒸気タービ
ンとガスタービンを組み合わせた「スーパーゴミ発電」の導入も
みられ、発電効率も30∼34%(一般的な廃棄物発電は約20%)ま
で上昇している。また、廃棄物を熱分解して有機物を可燃ガスと
して回収し、その他は再利用可能な資源として取り出す「ガス化
溶融炉」などの開発も進められている。
2010年度におけるバイオマス発電と合わせた廃棄物発電の導
入目標は450万kWで、これは新エネルギー導入目標全体の約30
%に相当する。なお、2006年度末現在の廃棄物発電の施設数は、
一般廃棄物325、産業廃棄物85の合計410カ所となっている。
タービン
発電機
発電
煙突
二酸化ウラン
(劣化ウラン)
MOX燃料
ごみクレーン
使用済燃料
温水パイプ
熱交換機
投入ステージ
熱利用
高レベル放射性廃棄物
処分施設
使用済燃料
中間貯蔵施設
二酸化ウラン
(UO2)
ウラン燃料
ごみピッ
ト 投入ホッパ ボイラ
海洋温度差発電のしくみ
表層の
暖海水
ポンプ
タービン
発電機
電球
蒸気のアンモニア
蒸発器
参
参
考
考
資
資
料
料
低レベル放射性廃棄物
温水プール
宇宙空間上で太陽光発電を行い、その電力を地上に送る発
電方法であり、
別名、
マイクロ波発電ともいう。
宇宙太陽光発電は、衛星軌道上に設置した施設で太陽光発
電を行い、その電力をマイクロ波またはレーザー光に変換し
て地上の受信局(構想上は海上か砂漠に設置する施設)に送り、
地上で再び電力に変換するシステムである。
地上と宇宙空間での太陽光発電の効率を比較した場合、約
10倍程度宇宙の方が有利であり、この方法が実現すれば、太陽
電池を地上約36,000kmの静止軌道上に設置できるため、太陽
の陰に隠れる数時間を除いてほぼ24時間365日にわたって太
陽光発電を利用することができる。しかし、地球一周に相当す
る距離を伝送する技術は未だ確立されていない未知の技術で
あり、
開発コストも含め解決すべき課題も山積している。
この構想は、アメリカのピーター・グレイザー博士によって
1968年に初めて提唱された。財政上の問題等もあり凍結され
たが、
1990年代以降、
日本をはじめ欧米にて再び研究が進めら
れている。
ウラン燃料工場
液体のアンモニア
ポンプ
出典:資源エネルギー庁「原子力2009」
P
1 受入れ・貯蔵
●
レーザー伝送
(写真提供)宇宙航空研究開発機構(JAXA)
3 分 離
●
4 精製 ●
5 脱硝 ●
6 製品貯蔵
●
ウラン
プルトニウム
核分裂生成物(高レベル放射性廃棄物)
被ふく管などの金属片
キャスク
ウラン
精製
使用済燃料
核分裂
生成物の
分離
被ふく管など
容器に入れて
貯蔵庫で安全に保管
使用済燃料は、原子力発電
所と再処理工場のプールで
合計4年以上貯蔵される。こ
れにより放射能の量は数百
分の一に減衰する。
マイクロ波伝送
2 せん断・溶解
●
キャスク
1 受入れ・貯蔵
●
ポンプ
深層の
冷海水
技
術
・
家
庭
■再処理工場の流れ
宇宙太陽光発電のイメージ
凝縮器
P
社
会
再転換工場
原子力発電所
(軽水炉)
宇宙太陽光発電(SSPS)
太陽の熱によって暖められている海洋の表層と、太陽熱が
伝わらずに温度がほぼ一定の水深数百mの深層の温度差を利
用して発電する方式。アンモニアなどの気化しやすい動作流
体を交換に用い、暖かい海水で蒸発させてタービンを回し、冷
たい海水でもとの状態に戻すという原理で発電する。
赤道直下での海洋表層水は30℃近くあるが、水深数百mの
海洋深層水は5∼10℃であり、20∼25℃の温度差がある。この
温度差を電気エネルギーに変換するシステムが海洋温度差発
電である。
P
参15
六フッ化ウラン
(UF6)
廃棄物発電のしくみ
低レベル放射性廃棄物埋設施設
海洋温度差発電
ウラン濃縮工場
MOX燃料加工工場
ウラン酸化物製品
ウランと
プルトニ
ウムの分離
ガラス固化して
安全に保管
プルトニウム
精製
ウラン・プルトニウム
混合酸化物製品
2 せん断・溶解
●
3 分離
●
5 脱硝
●
使用済燃料を3∼4センチの小片に切断
する。せん断機は厚いコンクリート壁に
囲まれた部屋(セル)に設置されており、
外部から遠隔で操作する。切断された使
用済燃料を溶解槽で硝酸により溶かす。
溶解液をウラン溶液、
プルトニウム溶液、
核分裂生成物(高レベル放射性廃棄物)
とに分離する。
ウラン溶液、
ウラン・プルトニウム混合溶
液から、
それぞれ硝酸を取り除く。
4 精製
●
総
合
的
な
学
習
の
時
間
参
考
資
料
6 製品貯蔵
●
ウラン溶液およびプルトニウム溶液それ
ぞれから、
さらに微量の核分裂生成物を
除去する。
ステンレス製容器に封入し、建物内の
専用貯蔵庫に貯蔵する。
出典:電気事業連合会「原子力・エネルギー図面集2010」より作成
参16
参考資料「原子力発電所の地震対策」
参考資料「原子力発電所の防災対策」
伊方発電所の耐震安全性
序
章
理
科
原子力発電所は、設計・建設から運転にいたるあらゆる段階で耐震安全性を確保している。このため、例え大地震が起こっても原
子炉を安全に停止し、
冷やし、
閉じ込める機能が十分保てるように安全対策を講じている。
また、耐震設計は、平成19年7月の新潟県中越沖地震を踏まえ、再度過去の地震や地域周辺の活断層・地質等について再調査を行
い、
考えられる最大の地震を想定し、
設計の基準となる地震動
(基準地震動)
を決定し、
安全性に問題がないことを確認している。
①強固な緑色片岩の岩盤上に建設
伊方発電所の周辺には、約2億年前に形成され
た固い緑色片岩が広く分布している。
建設にあたっては、地質調査や岩盤試験を詳
細に行い、敷地内に分布する緑色片岩が発電所
の安全上重要な設備の基礎岩盤として十分な強
度を有することを確認している。
岩盤上に設置した原子力発電所と
一般の建物の揺れの伝わり方
一般の建物
国際原子力事象評価尺度(INES)
オフサイトセンター
原子力発電所のトラブルは、内容が技術的かつ専門的で分
かりづらく、重要性を判断するのが一般的に難しいため、無用
な不安を招くおそれがある。
このため、原子力施設のトラブルなどに対しては、
安全上、ど
のような意味を持つかを簡単に表現するために、世界共通の
指標(国際原子力事象評価尺度)が取り入れられている。この
指標は、
レベル0から7までの8段階での評価を行っている。
日本では、
1999年9月のJCOウラン加工施設
(茨城県東海村)
における臨界事故をきっかけに、万一、原子力施設で事故が発
生した場合、
①迅速な初期動作と国・都道府県、
および市町村の連携強化
②原子力災害の特殊性に応じた国の緊急時対応体制の強化
③原子力防災における事業者の役割の明確化
などを規定した「原子力災害対策特別措置法」
(原災法)を制定
し、
原子力防災対策の根本的な強化を図っている。
この法律に基づき、原子力災害発生時には現地に平常時か
ら常駐している原子力防災専門官が、原子力施設近傍(全国22
ヶ所)に設置した緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセン
ター)において、警戒態勢の立ち上げを行うなど、原子力災害
対策のための業務を実施することになっている。
原子力発電所
レベル
表層地盤
岩盤
岩盤での揺れは表層地盤に
比べ1/2∼1/3程度
事故
震源
伊方発電所の安全上重要な設備は、強固な岩盤上に建設。 原子炉格納容器の基礎(伊方発電所3号機)
このため、地震による揺れは一般的な表層地盤に比べ1/2
∼1/3程度となる。
社
会
②敷地前面海域の断層群について耐震安全性を
確認
伊方発電所の北方沖合いには、敷地前面海域
の断層群がある。この断層群は和歌山県から愛
媛県の西北部にわたって分布している中央構造
線断層帯の西端部となっている。
このため、音波調査など詳細な調査を行った
結果、その断層面が活断層であることを確認し
た上で耐震安全性が確保されていることを確認
している。
活断層群
N
W
S
E
異常な
事象
伊方発電所
中央構造線断層帯の分布
●
大阪市
岡山市
●
広島市
●
●
高松市
和歌山市
●
●
技
術
・
家
庭
総
合
的
な
学
習
の
時
間
参
参
考
考
資
資
料
料
参17
徳島市
③あらゆる地震を想定した設計
伊方発電所の耐震設計は、考えられる最大の
地震を想定し、設計の基準となる地震動(基準地
震動)を決定している。
この地震動を基にあらゆるケースを想定し、
原子炉容器など重要な設備を余裕をもって設計
している。さらに、大型振動台を用いて想定を上
回る地震動で実際に揺らす試験を行い、十分な
安全余裕を有していることを確認している。
m
松山市●
360k
●
大事故
所外への
リスクを伴う事故
スリーマイルアイランド
原子力発電所事故
(アメリカ合衆国・1979年)
所外への大きな
JCOウラン加工施設
リスクを伴わない事故 臨界事故
(茨城県・1999年)
重大な異常事象
異常事象
美浜発電所2号機
蒸気発生器伝熱管損傷事故
(福井・1991年)
逸脱
もんじゅ
ナトリウム漏れ事故
(福井・1995年)
安全上重要ではない事象
高知市
出典:資源エネルギー庁「原子力2010」より作成
理
科
【平常時の役割】
オフサイトセンターには、平常時から原子力防災専門官と
原子力保安検査官が常駐している。
また、オフサイトセンターは、原子力防災訓練や防災業務関
係者などに対する研修にも使用されている。
【原子力災害発生時の役割と機能】
原子力発電所の周辺において、通常時よりも高い放射線が
検出された場合や原子力施設において安全機能の一部が動か
ないなど、通報基準に定める異常事象が発生した場合には、事
業者はすぐに国や地方自治体へ通報を行うよう義務付けられ
ている。
社
会
各原子力発電所の所在地域の原子力防災専門官は、この通
報により事業者や自治体との間で迅速な情報収集と連絡を行
うなど、オフサイトセンターにおいて活動を開始し、情報交換
や対策の検討の拠点として活用することになっている。
原子力緊急時の防災体制
オフサイトセンター
内 閣 総 理 大 臣は、原 子 力
緊 急 事 態 宣 言を発 出する
と同 時に、自らが 本 部 長と
なる原 子力災 害 対 策 本 部
を官邸に設置します。
大型振動台による耐震試験
写真提供:(財)原子力発電技術機構
原子炉の自動停止機能
原子力緊急時に、国、自治体、事業者
が一堂に会する施設で、原子力施設
立地地点の近くにあります。
オフサイトセンター
都道府県
現地対策本部
制御棒
国
原子力災害対策本部
本部長 内閣総理大臣
停
止
信
号
地震計
基礎コンクリート
岩盤
企業名
チェルノブイリ
原子力発電所事故
(旧ソ連・1986年)
深刻な事故
伊方発電所
④原子炉を安全に自動停止
伊方発電所内に設置した地震計が震度5程度
以上の揺れを検知した場合、直ちに制御棒が挿
入され、原子炉が安全に停止するしくみとなっ
ている。
なお、以下のとおり、過去の大地震においても
重大な被害はない。
地震名
尺度
以下
7
6
5
4
3
2
1
0
(事例)
序
章
原子力発電所名
国
現地対策本部
助言
都道府県
災害対策本部
総
合
的
な
学
習
の
時
間
関係者の情報共有、意志統一を図り、
緊 急 時 対 応 策を迅 速かつ的 確に
実 施するために、国、自治 体 等に
よる合同対策協議会を組織します。
原子力事業者
燃料
原子力安全委員会 参画
原子炉容器
原子力災害
合同対策協議会
原子力防災専門官
市町村
現地対策本部
技
術
・
家
庭
市町村
災害対策本部
稼動状況
北海道南西沖地震
(1993年、
M6)
北海道電力
泊発電所
最大40ガル⇒被害なし
(正常運転を継続)
芸予地震
(2001年、
M6.
7)
四国電力
伊方発電所
最大64ガル⇒被害なし
(正常運転を継続)
宮城県沖地震
(2005年、
M7.
2)
東北電力
女川原子力発電所
最大251ガル⇒被害なし
自動停止
新潟県中越沖地震
(2007年、
M6.
8)
東京電力
柏崎刈羽原子力発電所
最大680ガル⇒原子炉本体や
原子炉格納容器に被害なし
自動停止
駿河湾沖地震
(2009年、
M6.
5)
中部電力
浜岡原子力発電所
最大426ガル⇒原子炉本体や
原子炉格納容器に被害なし
自動停止
避難、屋内退避等指示
(市町村長)
住 民
被災者の救護
被ばく線量の測定
放射線量の公表
放射性物質の除去
指示・指揮監督
放射線医学総合研究所
日本原子力研究開発機構 専門的支援
原子力事業者
警察
災害警備
消防
消火・救命活動
自衛隊(内閣総理大臣より派遣要請 )
参
考
資
料
原子力事業者
防災組織
(防災管理者)
災害の拡大防止等
事故現場
出典:JNESパンフレット
参18
序
章
理
科
参考資料「世界の原子力発電」
参考資料「世界の原子力発電」
世界の原子力発電
北米諸国
現在、世界で運転中の原子力発電所は2010年5月1日現在438基で、その設備容量は約3億7,400万kWにのぼり、建設中・計画中の
ものが202基ある。
世界で初めて実用規模の原子力発電が開発されたのは1956年で、その後約50年間に、各国での原子力発電の開発利用は着実に
進められてきた。
運転中の原子力発電所を持つ国の数は30ヶ国に及び、国別にみた場合、その設備容量はアメリカが最も多く、以下フランス、日
本、ロシア、ドイツの順となっている。
近年、
世界的なエネルギー需要の伸びや石油価格の急騰を背景に、
エネルギーの安定供給、
地球環境保全の観点から、
多くの国々
で原子力発電を見直す動きが進んでいる。アメリカでは、原油の海外依存度が3分の2に達する危機感を背景に、エネルギー自給率
の向上を目指し、30年間凍結していた原子力発電所の建設再開に踏み切った。また、イギリスやフィンランドでは、チェルノブイ
リ事故以降、原子力発電に否定的であったがエネルギー需給や環境問題への対応と見地からその姿勢を転換し、新規原子力発電
所の建設に舵を切っている。
主要国の原子力発電設備容量(2010年5月1日現在)
単位:万kW、
( )内は基数
建設・計画中
12,000
全世界(202基)
約2億1,800万kW
(10)
約1,300
10,000
社
会
(2)
約330
8,000
4,000
(58)
約6,320
2,000
(54)
約4,710
(57)
約6,350
(24)
約2,470
(32)
約2,280
(17)
約2,030
(20)
約1,770
ロ
シ
ア
ド
イ
ツ
韓
国
0
フ
ラ
ン
ス
ア
メ
リ
カ
日
本
(6)
約590
(2)
約190
(12)
約1,490
(注)1.運転中設置容量の上位10カ国
2.日本の建設・計画中には、
もんじゅを含む
(4)
約660
(15)
約1,320
(18)
約1,270
(19)
約1,100
ウ
ク
ラ
イ
ナ
カ
ナ
ダ
イ
ギ
リ
ス
(11)
約860
イ
ン
ド
中
国
出典:
「原子力2010」
:世界原子力協会(WNA)2010年5月データより
70
60
35.3
27.5
27.3
19.4
20
16.0
15.1
14.7
10
2.8
2.5
1.9
0
ブ
ラ
ジ
ル
イ
ン
ド
中
国
イ
タ
リ
ア
0
フ
ラ
ン
ス
韓
国
日
本
ド
イ
ツ
ア
メ
リ
カ
ロ
シ
ア
イ
ギ
リ
ス
カ
ナ
ダ
出典:IAEAホームページの数字に基づき再構成
(注)総発電電力量1000億kWh以上
参19
CANDU炉は、国内で豊富にとれるウランを濃縮せずに燃料
として使用するため、ウラン濃縮施設を必要としない。また、
運転中に燃料交換が可能であるため、稼働率を高めることが
できる。
またカナダ原子力公社では既存のCANDU炉よりも出力が
大きく、一層の低コストと高い信頼性を目指した次世代炉の
新型CANDU
(ACR)
炉の開発にも取り組んでいる。
新規建設では、2007年9月のNRGエネジー社のサウステキ
サスプロジェクト3・4号機の建設運転一括許認可を皮切りに、
これまで17件26基の申請がなされた。アメリカでは、1970年
代以降、
新規原子力発電所建設の発注が途絶えて久しかったが、
既存の原子力発電所の定期検査サイクルの長期化、出力増強
等により、発電電力量を増大させるのみの対応から、新規建設
も行う段階に移行している。
CANDU炉18基のうち、
16基がオンタリオ州に集中しており、
今後の電力需要の急増への対応として、既存の原子力発電所
の改修や新規建設に向けた取り組みが行われる見通しである。
具体的には、ブルース(4基)、ダーリントン(2基)、ナンティ
コック(2基)の3地点で、それぞれサイト準備認可申請がカナ
ダ原子力委員会に提出されており、新規建設計画が順次進行
している。また、これまで原子力発電があまり盛んでなかった
州(ニューブランズウィック州)や、経験が全くなかった州(ア
ルバータ州やサスカチュワン州)でも、原子炉建設の動きが顕
在化しつつある。
理
科
社
会
ロシアおよびNIS諸国
ロ シ ア
ウクライナ
現在、
32基の原子力発電所が運転中で、
発電電力量の約16%
(2008年)
を原子力発電で賄っている。
現在、15基の原子力発電所が運転中で、発電電力量の約48
%
(2008年)
を原子力発電所で賄っている。
2007年12月、従来のロシア連邦原子力庁(ロスアトム)に代
わる「国営原子力公社」として新しいロスアトムを設立する法
律(国営原子力会社法)が制定され、ロシアにおける原子力関
係機関の組織改編が行われた。
1986年のチェルノブイリ原子力発電所4号機の事故を受け、
同4号機に加え、1号機から3号機までが段階的に運転を停止し
た。これに伴う代替電源の確保として、2001年12月にロシアと
ウクライナは両国の協力により2基の原子力発電所を完成さ
せるための合意文書に調印し、2005年9月にフルメルニッキ2
号機、2006年1月にロブノ4号機が営業運転を開始している。
原子力政策については、2006年10月に連邦特別計画「2007
年から2010年までのロシア原子力産業コンプレックスの発展
及び2015年までの展望」
が連邦政府により決定された。
この計
画では、
2013年から毎年2基の運転開始を目指している。
2008年9月には、
この連邦特別計画を継承する新たな連邦計
画「長期展望(2009年から2015年)に基づく国営公社ロスアト
ムの活動」に沿った予算配分を行うことが規定された連邦政
府令が示されている。
50
30
参
参
考
考
資
資
料
料
2007年5月に、1985年以来長期にわたって運転を休止して
いたテネシー峡谷開発公社(TVA)のブランウンズフェリー1
号機の運転が再開された。これは、運転停止していた当時は原
子力発電のコストが高く、改修工事を行ってまで再開するこ
とは見送られてきたものの、その後のアメリカにおける原子
力発電所の飛躍的な運転実績向上や、原子力発電コストの優
位性向上、地球温暖化やエネルギー安全保障への懸念を理由
に再開されたものである。
国営原子力公社ロスアトムは、民生と軍需の両方の原子力
部門を扱っている。
また、
2007年7月にはウラン鉱山、
ウラン濃
縮、燃料加工、原子力発電プラント事業を統合した巨大原子力
企業
「アトムエネルゴプロム」
が設立されている。
76.9
40
現在、
18基の発電用原子炉があり、
発電電力量の約15%
(2008
年)を原子力発電所で賄っている。カナダの原子炉の炉型は、
全て国産のカナダ型重水炉
(CANDU炉)
である。
(19)
約420
単位:%
80
現在、
104基の原子力発電所が運転中で、
その規模は世界第1
位である。発電電力量の約19%(2008年)を原子力発電で賄っ
ている。
序
章
(24)
約1,930
主要国の総発電電力量に占める原子力発電の割合(2007年末現在)
総
合
的
な
学
習
の
時
間
カ ナ ダ
また、アメリカでは2006年2月に発表された「国際原子力エ
ネルギー・パートナーシップ(GNEP)」により、化石燃料の海
外依存度を下げ、放射性廃棄物の削減等を目的に、原子燃料サ
イクルや高速炉開発に積極的取り組む姿勢に転じている。
(14)
約1,930
6,000
(104)
約10,110
技
術
・
家
庭
全世界(438基)
約3億7,400万kW
運転中
アメリカ合衆国
また、将来的な輸出も視野に入れ、世界初となる海上浮遊型
原子力発電所の建設に2006年6月から着手しているほか、
「核
燃料サイクル国際センター構想」の具体的な施設として、民生
用原子力用のウラン濃縮を行う国際センターをシベリア南東
部の都市アンガルスクに建設する意向を表明し、2008年末現
在でウクライナ、カザフスタン、アルメニア、スロベニアが参
画している。
また、2015年頃の運転を目指し、2基の原子力発電所を建設
中であり、ベースロード電源として原子力の設備容量を2008
年の1,300万kWから2030年までに3,000万kWに拡大すること
としている。
カザフスタン
カザフスタンは、
オーストラリアに次ぐ世界第2位のウラン
資源埋蔵国である。国営原子力企業カザトムプロム社がウラ
ン精錬、転換、ペレット製造等のウラン開発を行っており、各
国がウランの共同開発に参画している。
2006年1月に、アフメトフ首相は原子力発電所の必要性を
改めて強調し、
同年2月にはエネルギー鉱物資源省が原子力エ
ネルギー発展プログラムの作成を開始した。また、同年3月に
は同首相が主導する作業部会が2015年までの原子力発電所
の建設を示唆した。これに基づき、エネルギー鉱物資源省が建
設計画等を策定し、2007年6月には原子力発電所の建設に向
けたフィージビリティ調査に着手している。
技
術
・
家
庭
総
合
的
な
学
習
の
時
間
参
考
資
料
参20
参考資料「世界の原子力発電」
参考資料「世界の原子力発電」
欧州諸国
序
章
理
科
イギリス
現在、
19基の原子力発電所が運転中で、
発電電力量の約15%
(2008年)
を原子力発電で賄っている。
1986年のチェルノブイリ原子力発電の事故以降、原子力発
電所の新規建設には消極的な姿勢をとってきたが、
2007年5月
に懸案となっていた新しいエネルギー政策(エネルギー白書)
を発表した。この白書では、今後15年以内に殆どの原子力発電
所が運転寿命を迎え、現状では二酸化炭素排出量が2004年度
比5∼12%増となるとの危機感が示されており、
現在の原子力
発電所のリプレースの必要性に言及している。
こうしたなか、
2008年1月には、
エネルギー安全保障、
気候変
動対策の観点から新規原子力発電所の建設を推進していくこ
とを発表し、①既存の原子力発電所のリプレース、②民間事業
者が原子力発電所建設プロジェクトを実施するための環境整
備を行うことを盛り込んだ「原子力白書」と、新規に建設され
る原子力発電所の将来的な廃止措置費用の積み立て等につい
て明記したエネルギー法案
(Energy Bill)
を公表した。
社
会
また、放射性廃棄物の処分サイトの選定手続きについては、
2008年6月に公表された白書
「放射性廃棄物の安全な管理ー地
層処分の実施に向けた枠組み」において示されており、イギリ
ス政府は白書の公表とともに、将来処分場を受け入れる可能
性のある自治体の募集を行っている。
フランス
現在、
58基の原子力発電所が運転中で、
発電電力量の約77%
(2008年)
を原子力発電で賄っている。
技
術
・
家
庭
総
合
的
な
学
習
の
時
間
参
参
考
考
資
資
料
料
参21
日本と同様にエネルギー資源に乏しいフランスは、総発電
電力量の約8割を原子力発電で賄う原子力立国であり、その規
模はアメリカに次いで世界第2位である。
10年ぶりの新規原子
炉となるフラマンビル3号機
(EPR:欧州型加圧軽水炉、
160万kW)
の建設を2007年12月に開始し、2013年の運転開始を目指して
いる。EPRは、今後寿命を迎える原子力発電所のリプレース炉
として位置づけられており、2020年以降、年間1基のペースで
建設が進められることになっている。
2006年5月の大統領選挙により、
原子力推進派のサルコジ大
統領が選出され、原子力推進の方針が継続されるとともに、大
統領自ら中国やインドをはじめとする各国に、フランスの強
みである原子力発電設備の売り込みを積極的に行っている。
イタリア
チェルノブイリ事故後の1987年に、国民投票で原子力発電
所の撤退を決め、運転中の3基の原子力発電所を閉鎖し、原子
力発電所建設工事を中止した。
しかし、電力供給の約10%以上を輸入に頼るという国内事
情から、産業界を中心に原子力発電の再開を期待する声が高
まり、
2008年4月に行われた総選挙ではベルルスコーニ前首相
率いる右派連合が上下両院において左派連合に勝利した。
ベルルスコーニ首相は、選挙に勝利した場合、原子力発電を
再開する方針を明確にしており、今後、原子力を積極的に推進
していくものと考えられる。
アジア諸国
ド イ ツ
中 国
イ ン ド
現在、
17基の原子力発電所が運転中で、
発電電力量の約27%
(2008年)
を原子力発電所で賄っている。
現在、
11基の原子力発電所が運転中で、
発電電力量の約2%
(2008
年)
を原子力発電で賄っている。
中国は、
高い石炭火力への依存による深刻な大気汚染問題や、
石炭産地から離れた経済発展の著しい沿岸地域への電力の安
定供給を行う必要性から、原子力発電の割合を大幅に増大す
ることを計画している。これに伴い、ウラン資源確保にも動き
出しており、
2006年4月にはオーストラリアとの間で原子力移
転協定および原子力協力協定の署名を行い、オーストラリア
から中国へのウラン輸出が可能となった。
現在、
19基の原子力発電所が運転中で、
発電電力量の約3%
(2008
年)
を原子力発電所で賄っている。
2010年5月現在、中国で建設・計画中の原子力発電所は57基、
約6,350万kWにのぼる。2006年3月に国務院で採択された
2005年∼2020年までの原子力中期発展計画では、2020年まで
に原子力発電の設備容量を4,000万kWに引き上げるべく着実
に計画を進めている。
インドでは、中国と同様に多くの人口を抱え、エネルギー資
源が不足している。急増するエネルギー需要を賄うため、原子
力発電の拡大を計画し、原子力発電の総設備容量を2020年ま
でに2,000万kWに拡大することを目標としている。また、高速
増殖炉や水素製造のための高温ガス炉の開発に加え、国内に
腑存するナトリウムを活用した増殖炉核燃料サイクル(トリ
ウム・サイクル)
の確立にも意欲的である。
1998年の総選挙により、社会民主党(SPD)がキリスト教民
主同盟
(CDU)
を破り、
緑の党と連立政権を樹立して以来、
脱原
子力政策に転じ、
2002年4月に原子力エネルギー利用を廃止す
ることを決めた改正原子力法を施行した。この法律により、新
規の原子力発電所の建設・操業許可が禁止され、既存の原子炉
については、ドイツ全国の総発電規制値を達成した後(許可後
最長32年)に操業許可が消滅することが定められた。その後、
シュターデ原子力発電所とオブリッヒハイム発電所が閉鎖さ
れ、閉鎖が予定されている5基の運転延長に向けて電気事業者
から電力移譲申請が出されたが、
既に4件が却下されている。
国際エネルギー機関(IEA)が2007年6月に発表したドイツ
のエネルギー政策レビューでは、ドイツの原子力の段階的廃
止政策は、エネルギー安全保障、経済成長および環境保護に悪
影響を与えるため見直すべきと指摘し、稼働中の原子力発電
所17基を閉鎖すれば、
経済にマイナス効果を及ぼすだけでなく、
ドイツの二酸化炭素削減目標の達成を妨げかねないと警告し
た。
こうしたなか、2009年9月の連邦議会選挙の結果、自由民主
党(FDP)を加えた右派中道連立政権が誕生しており、既存の
原子力発電所の運転継続が今後の焦点となっている。
また、2007年4月の国家発展改革委員会による2010年に向
けてのエネルギー発展11次5ヵ年計画では、重点5大プロジェ
クトとして、エネルギー基地建設、特に原子力発電基地建設の
加速が挙げられた。また、同計画の重点開発先進応用技術に、
100万kW級の大型先進加圧水型原子力発電技術、重点開発フ
ロンティア技術には高温ガス炉と高速増殖炉、核融合が取り
上げられている。
インドは、原子力開発を早期に始めた国のひとつであり、
1954年に原子力省を設置して独自の開発計画を立案した。最
初はアメリカから軽水炉(BWR型)を2基導入し、次にカナダ
からカナダ型天然ウラン重水炉(CANDU)を2基導入したが、
それ以降は国産の加圧重水型(PHWR)が主流になり、PHWR
は15基が運転している。また、現在24基が建設・計画中で、約
1,930万kWにのぼる。
2008年にアメリカ、フランス、ロシア等と2国間原子力協力
協定が次々に締結され、各国から民生用原子力機器や技術を
輸入することができるようになったことから、
今後、
2030年ま
でに25∼30基が増設される見通しである。
スウェーデン
韓 国
現在、
10基の原子力発電所が運転中で、
発電電力量の約46%
(2008年)を原子力発電所で賄っており、世界でも原子力発電
比率が高い国のひとつである。
1980年6月の国民投票の結果を受け、2010年までに12基全
ての原子力発電所を全廃するとの国会決議がなされたが、実
際に閉鎖されたものはバーセベック発電所1・2号機のみで、電
力の不足分を輸入で賄うという事態となっている。また、運転
中の10基の運転寿命は、当初予定されていた25年から40∼60
年に延長され、かつ大半の原子力発電所において出力増大の
改造工事がなされている。
こうしたなか、2009年2月に、与党は次期総選挙(2010年)に
向けて長期エネルギー政策を発表し、その中で脱原子力政策
の撤廃や原子炉のリプレースおよび新規建設の容認などの方
針を示し、約30年ぶりに原子力推進に向けた大幅な政策転換
を図った。なお、高レベル放射性廃棄物の地層処分地がエスト
ハンマルに決定している。
現在、
20基の原子力発電所が運転中で、
発電電力量の約35%
(2008年)
を原子力発電で賄っている。
韓国では、
日本と同様にエネル
ギー資源に乏しく、約97%を海外に依存している。2010年5月現在で建設・計画中が12基あり、総発電電力量に占める原子力の割合
を2030年までに60%にまで引き上げる計画を進めている。
フィンランド
現在、
4基の原子力発電所が運転中で、
発電電力量の約29%
(2008
年)を原子力発電所で賄っている。
京都議定書の削減目標0%増を達成するため、2001年に「国
家気候変動戦略」を策定し、再生可能エネルギー、コージェネ
レーションおよび原子力開発の推進を掲げ、この方針に沿っ
て民営電力会社(TVO社)が国内5基目となる原子炉(オルキル
オト3号)の新設を決め、現在建設工事が進められている。
フィンランドは、高レベル放射性廃棄物の地層処分場のサ
イト選定が世界で初めて最終決定された国である。2000年末
に政府は地層処分場をオルキルオトに建設する原則方針を決
定し、2003年には同地において地下特性調査施設の建設が許
可され、工事が進められている。今後、2012年に処分場の建設
許可申請がなされ、2020年頃に処分場の操業が開始される予
定である。
その他諸国
中東諸国地域
中東地域には、現在稼動している原子力発電所はないが、電
力需要の伸びが大きいことから、原子力発電の建設・導入に向
けた動きが活発化しており、
2006年12月には、
湾岸協力会議
(G
CC)諸国
(アラブ首長国連邦、
バーレーン、
クウェート、
オマーン、
カタール、
サウジアラビアの6ヶ国)
において、
共同で原子力発
電を導入する意図が明らかにされた。
また、
2008年以降、
中東諸国とアメリカ・フランス・ロシア等
との原子力協力が活発化している。
序
章
理
科
社
会
技
術
・
家
庭
大洋州(オーストラリア)
世界最大のウラン資源埋蔵量を持つオーストラリアでは、
国内で産出される豊富で安価な石炭資源も保有しているため、
現在まで原子力発電は行われていない。
前ハワード保守連合政権では、新規原子力発電の建設計画
に向けた議論が活発化していたが、2007年11月の総選挙の結
果、反原子力発電を掲げるラッド政権が誕生し、オーストラリ
アにおける原子力発電の導入計画は白紙に戻っている。
アフリカ諸国
中南米諸国
唯一、南アフリカ共和国で、現在2基の原子力発電所が運転
している。
2007年2月に、
小型モジュール型高温ガス炉
(PBMR)
の開発促進と、
既存軽水炉の延長線上にある大型軽水炉
(発電用)
の新規設置を柱とする新原子力開発計画が発表された。
また、ウラン価格の高騰を背景に、ウラン鉱山の開発も進め
られている。
中南米諸国では、
メキシコ、
アルゼンチン、
ブラジルの3ヶ国
で原子炉6基
(各国2基)
が運転している。
エジプトでは、2006年9月のエネルギー最高評議会で、平和
利用を目的とした原子力開発計画が20年ぶりに再開され、10
年以内に地中海沿岸のダバアに原子力発電所を建設すること
を決定し、2007年10月に原子力発電計画の開始を正式に発表
している。
ブラジルでは、2008年8月にルーラ大統領が資金不足から
建設が中断されていたアングラ3号機の建設再開と、4基の新
規原子炉建設を発表している。
アルゼンチンでは、2006年8月にアトーチャ2号機の建設再
開やウラン濃縮活動の再開を盛り込んだ原子力発電開発計画
が発表された。
総
合
的
な
学
習
の
時
間
参
考
資
料
参22
参考資料「地球環境問題」
参考資料「地球環境問題」
二酸化炭素排出量の推移(部門別)
序
章
エネルギー起源別の二酸化炭素排出量の推移
我が国における2007年の二酸化炭素の排出量(部門別)は、産業部門と運輸部門で約55%を占めている。1990年に比べると家庭
部門と業務その他部門の伸びが目立っている。
(億トンCO2)
14
12
0. 2
10
C
O
2
排
出
量
1. 3
1. 6
0. 2
0. 3
0. 3
0. 3
0. 6
理
科
0. 3
0. 6
0. 6
0. 6
0. 6
1. 6
1. 5
1. 5
1. 8
1. 8
0. 3
0. 5
0. 5
0. 5
1. 7
1. 7
1. 7
1. 9
2. 1
2. 3
2. 4
廃棄物
(2. 4%)
工業プロセス
(4. 1%)
1. 8
家庭部門
(13.8% )
2. 4
2. 3
(億トンCO2)
14
0. 5
1. 4
1. 4
1. 7
0. 6
0. 3
0. 3
総排出量
13.0億トンCO2
0. 3
石油
2. 2
2. 6
2. 5
2. 6
2. 7
2. 6
2. 5
2. 5
2. 6
業務その他部門
(18.1% )
運輸部門
(19.1% )
4. 7
4. 7
4. 8
4. 4
4. 7
4. 6
4. 5
4. 7
4. 6
産業部門
(36.1%)
0. 7
0. 7
0. 7
0. 7
0. 7
0. 7
0. 8
0. 8
0. 7
1990
1992
1994
1996
1998
2000
2002
2005
2006
6.5
6.6
エネルギー転換部門
(6.4%)
(年度)
2007
0. 8
天然ガス
(17%)
3.4
3.8
4.1
6. 4
6.4
6.2
4.4
石炭
(37%)
4.4
4.5
6.8
6.7
6.0
5.6
5.6
2005
2006
2007(年度)
石油
(46%)
1995年のHFCs、
PFCs、SF6排出量を1990年の総排出量に
上乗せし、基準年の総排出量とする。
1990
1992
1994
1996
場 所
スイス(ジュネーブ)
IPCC設置
地球温暖化に関する初めての政府間の検討の場を設置
+5%
1995年3月
ドイツ(ベルリン)
COP1
温室効果ガス削減の数値目標の国際約束の検討を決定
±0%
1996年7月
スイス(ジュネーブ)
COP2
法的拘束力のある温暖化ガス削減の数値目標をCOP3で採択すべきと宣言
1997年12月
日本(京都)
COP3
温室効果ガス削減第1約束期間の温室効果ガス削減数値目標を決定(「京都議定書」採択)
1998年11月
アルゼンチン(ブエノスアイレス)
COP4
「京都議定書」の課題についてCOP6で決定するための「ブエノスアイレス行動計画」を採択
SF6
基準年
PFCs
=1995
HFCs
オランダ(ハーグ)
CH4
基準年
=1990
CO2
京都議定書の基準年
(注)代替フロン等3ガス(HFCs、PFCs、SF6)
94
95
96
97
98
99 2000 01
02
03
04
05
06
07 08 (年度)
(速報値)
出典:温室効果ガスインベントリオフィスホームページより
多くの国が2002年迄に京都議定書の発効が重要と認識
COP6
排出権取引や森林吸収の削減等温暖化対策は不合意
COP7
「京都議定書」の運用ルールで最終合意
2002年10月∼11月 インド(ニューデリー)
COP8
「京都議定書」早期発効に向けて進展
COP9
「京都議定書」実施のための詳細なルールを議論
COP10
各締約国が排出削減約束の確実な達成を確認
イタリア(ミラノ)
2004年12月
アルゼンチン(ブエノスアイレス)
2005年11月∼12月 カナダ(モントリーオール)
N2O
COP5
2001年10月∼11月 モロッコ(マラケシュ)
2003年12月
技
術
・
家
庭
内 容
会議名等
1988年11月
1,000
93
2002
+10%
2000年11月
92
2000
出典:温室効果ガスインベントリオフィス
「日本の1990∼2007年度の温室効果ガスインベントリ報告書
(2009年4月30日発表)
」
1999年10月∼11月 ドイツ(ボン)
1990 91
1998
地球温暖化防止を図るため、
国連を中心に新たな取り組みが検討されている。
我が国も気候変動に関する国際連合枠組条約に署名
するとともに、
内閣総理大臣を本部長とする
「地球温暖化対策本部」
を設置して、
温室効果ガス削減に努めている。
また、
京都議定書は
2005年2月に発効したが、
京都議定書
(2013年)
以降の将来的な枠組みや開発途上国への支援に関する話し合いも続けられている。
1,200
社
会
(注)四捨五入の関係で合計値が合わない場合がある
年・月
800
理
科
0
地球環境問題に対する取り組み
我が国における温室効果ガスの総排出量
(2008年度速報値)
は、
基準年と比較すると約2%増加している。
0
2.0
1.4
3.4
3.2
日本の温室効果ガス総排出量の推移
1,400
参23
3.0
1.9
2
2
(百万トンCO2換算)
参
参
考
考
資
資
料
料
3.1
1.7
6
(注)間接排出量(発電または熱発生に伴うCO2排出量を、
電力または熱消費量に応じて最終需要部門に配分した排出量)
を示す
出典:温室効果ガスインベントリオフィス
「日本の1990∼2007年度の温室効果ガス排出量データ
(2009年4月30日発表)
」
総
合
的
な
学
習
の
時
間
8
1.6
4
4. 8
0
C
O
1.6
1.3
1.2
1.1
序
章
2007年度エネルギー起源
CO2総排出量12.2億トンCO2
天然ガス
排
出
量
4
社
会
1.0
10
2
2. 3
石炭
12
8
6
技
術
・
家
庭
2007年度における石油を起源とした二酸化炭素の排出量は、1990年に比べて減少しているものの全体の約50%を占めている。
また、
石炭や天然ガスを起源とした二酸化炭素発生量は増加傾向にある。
総
合
的
な
学
習
の
時
間
COP11及びCOP/MOP1 「京都議定書」の運用ルールの完全な確立とCDM等の改善
2006年11月
ケニア(ナイロビ)
COP12及びCOP/MOP2 「京都議定書」後(2013年以降)の将来枠組、途上国支援及びCDMの更なる改善
2007年12月
インドネシア共和国(バリ)
COP13及びCOP/MOP3
2013年以降の枠組、途上国支援等を議論(「バリ・ロードマップ」を採択)
2008年12月
ポーランド(ポズナン)
COP14及びCOP/MOP4
2013年以降の枠組みについて、2009年末の合意に向けた議論
2009年12月
デンマーク(コペンハーゲン)
COP15及びCOP/MOP5 「コペンハーゲン合意」に留意することが決定
2010年12月
メキシコ(カンクン)
COP16及びCOP/MOP6 「カンクン合意」を採択
(注)温室効果ガス削減第1約束期間:2008年∼2012年、2005年2月16日
「京都議定書」
発効
IPCC:気候変動に関する政府間パネル、
COP:気候変動枠組条約締結国会議
COP/MOP:京都議定書締約国会議、
CDM:クリーン開発メカニズム
参
考
資
料
出典:環境省資料他
参24
参考資料「地球環境問題」
序
章
理
科
海洋汚染
野生生物種の減少
海洋は、地球の表面積の4分の3を占めている。海は生命の母
体であり、生物の宝庫である。また、大気との相互作用によっ
て地球上の気候や気象を作り出し、地上の生物にとってもか
けがえのない重要な機能を果たしているが、海洋は徐々に廃
棄物などによって汚染されている。
野生生物種の減少の原因は、開発に伴う生息環境の破壊、生
物資源としての食料・燃料・医薬品や装飾品、衣料品に利用す
るための乱獲、気象の急激な変化によるエサ不足、農作物や家
畜への被害防止のための殺傷などがある。
主な要因としては、陸からの汚染(河川、地下水を通って海
に流れ込む汚染物)、船舶や海底油田からの油の流出、不法な
海洋投棄、大気を通じての汚染(汚染物質を取り込んだ降雨)
などがあげられる。一時的な大規模汚染としては、戦争(1991
年の湾岸戦争)やタンカー事故(1997年の島根県隠岐島沖のナ
ホトカ号座礁事故)などがある。また、最近では、2010年4月20
日にアメリカ南部ルイジアナ州沖のメキシコ湾において石油
採掘基地が爆発し、大量の原油が流れる事故が発生している。
海洋汚染は水性生物の生態系に影響を及ぼすほか、沿岸付
近での富栄養化による赤潮の発生、外洋も含めた有害な合成
有機化合物・重金属の海洋拡散、海洋生物への蓄積などが懸念
されている。海洋汚染の防止に関する国際的な条約としては、
廃棄物などの海洋投棄を規制する「ロンドン条約(海洋投棄規
制条約)」などがある。
社
会
(参考)ロンドン条約
正式には「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防
止に関する条約」
といい、
「ロンドン海洋投棄条約」
ともいう。
陸上で発生した廃棄物の海洋投棄、および洋上焼却による
海洋汚染の防止を目的とした条約である。
1972年にイギリスのロンドンで採択され、
1975年に発効。
我が国は1980年に批准している。
地球上で生存が確認されている生物種は現在175万種程度
であり、これらに未知の種を加えると300万種から1億1,000万
種に及ぶと推定されている。熱帯林には種全体の半数以上が
生息しているといわれているが、森林の消滅と同時に生息地
を奪われた生物種は絶滅し、その種類は急激に減少している。
種の絶滅は、自然界の進化の過程で絶えず起こってきたこ
とであるが、その速度は極めて緩やかなものであった。しかし、
現在の種の絶滅は自然のプロセスではなく、地球の歴史が始
まって以来の速さで進んでいる。多様な生物の生息地の保全
を目的とした国際的な取り決めとしては、
「生物多様性条約」
が採択されている。
(「生物多様性条約」→P94参照)
参考資料「電気の上手な使い方」
■エアコン
●
●
●
●
●
●
冷房時で1℃高めに、暖房時で1
℃低めに設定すると、約10%の
省エネルギーになります。設定
温度はなるべく控えめにしまし
ょう。冷房は28℃、暖房は20℃が
目安です。
室温が同じでも、湿度が15%違
うと1℃の違いを感じます。エア
コンを使う場合、外気温と設定温度の差が少ない時は、消
費電力の少ないドライモードを活用しましょう。
カーテンやブラインド等を上手に使って、冷暖房効果を高
めましょう。
扇風機を併用すると、空気の対流がよくなり効果的な冷暖
房ができます。
エアーフィルターをこまめに清掃しましょう。
室外機の周りを囲ってしまうと、エアコンの効きが悪くな
ってしまいます。エアコンを効率よく使うために、室外機
はなるべく風通しのよいところに置きましょう。
■照明
● 取替時には省エネ型器具を選びましょう。
● 不要な照明はこまめに消しましょう。
● ランプやカバーなどはこまめに清掃し
ましょう。
● 蛍光灯はランプの両端が黒ずんできたら、
序
章
取り換えの時期です。
● 天井や壁を明るい色調にすると、
部屋全
体が明るくなります。
■電気カーペット
● 広さにあった大きさのものを使いましょ
う。
● 設定温度は低めにしましょう。
● カーペットの下に保温性のよいものを
理
科
敷けば、
床への放熱を防げて効率的です。
● 人のいない部分は、
スイッチ機能を有効
に活用し、
暖房面積を切り換えましょう。
■テレビ
(参考)ワシントン条約
正式には「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取
引に関する条約」といい、一部の野生生物種が野放図な国
際取引によって絶滅の危機にある事態を憂慮し、これを規
制する目的で1973年にアメリカのワシントンで採択された。
1975年7月に発効し、我が国は1980年に締約国となって
いる。
しばらく見ない時や就寝時には、
主電源を切りましょう。
● 画面は明るすぎないように調
節しましょう。
● 適度な音量を保ちましょう。
●
■掃除機
● 前もって部屋のかたづけを
しておき、効果的に掃除機
をかけましょう。
社
会
● ゴミパックはこまめに取り
換えましょう。
● フィルターをこまめに清掃
■電気こたつ
敷き布団と上掛け布団を使用し、
保温力を高めましょう。
● 設定温度は低めにしましょう。
しましょう
(サイクロン式)
。
●
技
術
・
家
庭
総
合
的
な
学
習
の
時
間
参
参
考
考
資
資
料
料
参25
開発途上国の公害問題
有害廃棄物の越境移動
開発途上国では、工業化や都市化等の進展に伴い、大気汚染
や水質汚濁などの公害問題が深刻化している。また、中東欧諸
国や旧ソ連地域では、旧体制下で生じてきた激甚な公害問題
に今なお苦慮している。
人間の活動に伴って発生する廃棄物は、かつては発生した
場所の近くで埋め立てなどの方法により処理されていた。し
かし、廃棄物の量は経済規模の拡大や科学技術の進歩につれ
て増大し、有害な化学物質などが、処理しやすい場所を求めて
遠くへ輸送されるようになった。
これらの国々においても、公害防止対策の取り組みがなさ
れてきているが、資金・技術・人材・経験などが不足しており、
自国の努力による改善には限界がある。このため、日本をはじ
めとする先進諸国や国際機関などによる支援が不可欠になっ
ている。こうした公害が発生する背景には、急速な開発や人口
増加、人々の大都市への集中化などに対して、都市基盤や公害
防止施設・制度の整備が追いつかないことなどが存在している。
大気汚染については、先進国では概ね改善の方向に進んで
いるが、開発途上国では最悪の状況にある。なかでも開発途上
国の工業都市では、重油や石炭の燃焼に伴う硫黄酸化物や煤
塵などによる汚染がひどくなっている。さらには交通網の整
備が進んでいないため、いくつかの大都市では自動車による
浮遊粒子状物質や一酸化炭素などの汚染も深刻化しているの
が現状である。
有害廃棄物の越境移動が国際的に問題化したきっかけは、
1982年に起きたイタリアのセベソ事件である。ダイオキシン
に汚染された土が封入されたドラム缶が行方不明になり、北
フランスの小村で発見された。このため、ドラム缶の引き取り
をめぐって両国間で対立が起きた。
この他にも、1970年∼1980年代にかけて、欧米の先進国から
法規制の緩いアフリカや中南米諸国に有害廃棄物が輸出された。
適正な処理能力のない国への越境移動は、環境汚染を引き起
こす可能性がある。有害廃棄物の越境規制は、一国のみの努力
では対応が不可能である。このため、
1989年、
国連環境計画
(UNEP)
を中心に、有害廃棄物は発生国において処分することを原則
とする「バーゼル条約」が採択され、不適正な越境移動を規制
している。
■電子レンジ
炊飯器での保温以外に、
電子レ
ンジで温め直すことも考えて
みましょう。
● 野菜や煮物などの下ごしらえ
に活用しましょう。
●
● 食品は詰め込みすぎないようにしましょう。
● ドアの開閉回数を少なくし、
開放時間を短
くしましょう。
● 庫内は適切な温度に設定しましょう。
● 壁から適切な間隔をとって据え付けましょう。
● ドアパッキンの掃除と点検をしましょう。
● 熱いものは冷ましてから、
温まったものは
■食器洗い乾燥機
使用するときは、
まとめ洗いし
ましょう。
● 洗浄終了後、
扉を開けて余熱だ
けで乾燥させれば省エネにな
ります。
●
■洗濯機
● 洗濯物の容量に合わせて、
まと
め洗いしましょう。
● 洗剤は入れ過ぎないようにし
ましょう。
● すすぎの前には脱水しましょう。
● お風呂の残り湯を使うと汚れ
落ちがよくなり経済的です。
技
術
・
家
庭
ラップ等に包んで入れるようにしましょう。
■電気ポット
(参考)バーゼル条約
正式には「有害廃棄物の国境を越える移動およびその処
分の規制に関するバーゼル条約」といい、一定の廃棄物の
国境を越える移動等の規制について国際的な枠組みと手
続き等を規定した条約である。
1989年3月にスイスのバーゼルにおいて採択され、1992
年5月に発効。
我が国は、
1992年に国内法
(通称:バーゼル法)
を制定し、1993年に加入している。
■冷蔵庫
● 長時間使わないときは、
コンセ
ントからプラグを抜きましょう。
● 保温は普段から低めの温度を
心がけましょう。
■温水洗浄便座
● 使わない時に便座のふたを開
けたままにすると、
便座の表面
温度が下がり、
消費電力が増え
てしまいます。
便座を温めて使
う季節では、
使わない時はふた
を閉めておきましょう。
● 設定温度は季節に応じてこまめ
に調整しましょう。
総
合
的
な
学
習
の
時
間
参
考
資
料
参26
参考資料「資源リサイクルの現状」
■アルミ缶リサイクル率の推移
序
章
理
科
■スチール缶リサイクル率の推移
300
92.7%
91.7%
86.1%
83.1%
93.4%
100%
87.3%
80%
81.8%
消
費
缶 200
185.2 184.3183.6 185.2 184.3 182.4
数
177.8 177.4
・
60%
169.6 167.5 174.4
再
163.9 165.6 166.5
生
利 150
用
缶
40%
160.3
166.5
数
︵
170.0
171.4
168.6
億 100
159.1
缶
144.3
145.6
133.2
︶
123.9
147.2
135.0
20%
120.2
50
115.0
74.4%
78.5%
70.2%
72.6%
0
96
97
98
99
00
01
消費缶数
12
03
04
再生利用缶数
リサイクルマーク
3,000
100%
90.9%
80.6%
82.8%
250
参考資料「主なリサイクルマーク」
05
06
07 08
リ
サ
イ
ク
ル
率
︵
%
︶
2,500
88.5%
88.1%
90%
87.1%
86.1%
消
89.1%
88.7%
84.2%
87.5%
費
82.5%
85.1%
85.2%
重 2,000
リ
量
82.9%
・
80% サ
再
79.6%
イ
資
ク
源 1,500 1,351
ル
率
化
1,285 1,269 1,215
︵
重
70% %
1,075 1,060 1,051
1,055
量
1,023
︶
︵
899 949 911 908 868 832
千 1,000
834 772
817 797 791 770
t
732 710 683 699
︶
623
60%
500
0%
09(年度)
0
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
再資源化重量
■ガラスびんリサイクル率の推移
技
術
・
家
庭
95
96
97
98
99
00
01
ガラスびん生産量
12
03
04
カレット利用量
05
06
07
0%
08 (年度)
571
57377.9% 564 80.0%
600
4,000
0
■スチール缶リサイクルマーク
スチール缶のリサイクルを推進するために付けられた表示であり、回収されたスチール缶は、ス
チール缶やさまざまな鉄の素材に再生利用されています。
■石油製品リサイクルマーク
PET樹脂を使用した石油製品を表すマークです。清涼飲料水や醤油、酒類、乳飲料用のPETボト
ルには、
ラベル部分やボトルの底にこのマークが付けられています。
理
科
出典:スチール缶リサイクル協会
■PETボトルリサイクル率の推移
100%
91.3% 94.5%95.6%
90.3% 90.7%
96.7%
83.3%
82.0%
78.6% 77.8%
80%
73.9%
ガ 3,000
67.4%
ラ
65.0%
ス
61.3%
び
カ
ん
60% レ
生
2,233 2,210 2,160
ッ
ト
産
1,975
利
量 2,000
1,906
1,820
・
用
1,738
カ
1,689
率
1,561
レ
1,554 1,501 1,472
40% ︵
ッ
1,433 1,387
%
ト
︶
利
用
1,459
1,456
量 1,000
1,498
1,436
1,410
︵
1,425
1,391
20%
1,416
1,369
1,409
千
1,371
1,408
1,340
1,370
t
︶
序
章
■再生紙使用マーク
再生紙の古紙含有率
(100%)
を表しています。
リサイクル率
出典:アルミ缶リサイクル協会
■アルミ缶リサイクルマーク
アルミ缶のリサイクルを推進するために付けられた表示であり、回収されたアルミ缶は、アルミ
缶やアルミサッシなど再生地金をつくるために利用されています。
50%
09 (年度)
08
リサイクル率
消費重量
社
会
07
リサイクルマークの意味
514 530
販
売
量
︵
生
産
量
︶
・
収
集
量
・
回
収
量
︵
千
t
︶
500
403
413
43762.3%
544
77.5%
70.0%
66.3%
69.2%
60.0%
回
61.7%
53.4% 61.0%
49.4%
49.5% 50.0% 収
48.5%
量
47.6%
︵
46.4%
49.6%
44.0%
49.3%
%
287
283
284
40.0% ︶
300
282
268
45.6%
252
34.5%
238
40.1%
219
212
30.0%
188
200
22.8%
162 150
162
20.0%
16.9%
125
113
92
81
75
100 9.8%
76
55
10.0%
48
32
21
16
0.0%
0
09 (年度)
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
400
■プラスチック製容器包装マーク
マークの下にPE表示されている場合、
このプラスチック製容器包装の材質は、
PE
(ポリエチレン)
であることを意味します。
これらの表示があるものは、
細かく砕いて溶かし、
公園の柵やベンチ、
ガー
デニング用品などに再生利用されます。
362
社
会
■グリーンマーク
古紙再生紙であることを表す表示です。
トイレットペーパーやノート、
OA用紙などに使用されています。
332
カレット利用率
市町村分別収集量(千t)
市町村回収率(%)
事業系ボトル回収量(千t)
回収率(事業系含む)
(%)
■紙製容器包装マーク
温水と薬品の入った機械に入れて溶かし、薬品を混ぜて繊維を漂白し、乾燥させることで新たな
紙の原料として利用できます。
■リターナブルびんマーク
日本ガラスびん協会が規格統一リターナブルびんと認定したびん(Rびん)を表す表示です。リ
ターナブルびんは、
何度でも繰り返し利用でき、
ゴミにならない点が最大の特徴です。
技
術
・
家
庭
指定PETボトル(清涼飲料・しょうゆ・酒類)生産量・販売量(千t)
出典:ガラスびんリサイクル促進協議会
総
合
的
な
学
習
の
時
間
参
参
考
考
資
資
料
料
■古紙リサイクル率の推移
■発泡スチロールリサイクル率の推移
80%
79.7%
74.5%
72.4%
71.1%
68.5%
66.1%
65.4%
70%
600
53%
75.1%
500
94
95
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
(年度)
0
180 182 182 182 183
96
97
98
99
00
出荷量
利用率
出典:
(財)古紙再生促進センター
40%
リ
サ
イ
ク
30% ル
率
︵
%
︶
20%
168 151
176 176 173 175 170 168.5
165 155 141
01
02
03
04
回収対象量
05
06
■エコマーク
焼却する際に有毒ガスを発生しない、詰め替えができるためにすぐにゴミにならないなど、環境
への負荷が少ない製品であることを表す表示です。
■PETボトルリサイクル推奨マーク
PETボトルリサイクル推進協議会によって認定された、PETボトルをリサイクルした再生製品
であることを表す表示です。
50%
45%
出
41% 42%
荷
39.1%
37.8%
量 400
・
35%
39.3%
回
収
31.2%
対
28.7%
33.2%
象 300
30.2%
量
︵
225 226
億
213 212 209 201
缶
197 193 194 187 187
182
︶ 200
100
40%
56.8%
60%
50%
63.1%
回
61.8%
収
61.5%
60.6%
60.4%
率
61.4%
・ 60%
57.7%
60.2%
60.3%
利
56.1%
59.6%
用
54.9%
58.0%
53.4%
率
57.0%
︵
53.3% 53.6%54.0%
55.7%
%
55.2%
︶
53.0%
50% 51.7%
51.3%
51.5%
回収率
参27
出典:PETボトルリサイクル促進協議会
07
08
10%
0%
09 (年度)
再資源化率
■携帯電話リサイクルマーク
携帯電話の部品には、金や銀などの貴金属やパラジウムなどのレアメタル(希少金属)が使われ
ています。
その貴重な金属を再利用するため、
使用済み携帯電話の回収が進められています。
■3R運動啓発マーク
3R運動の積極的な参加と協力を呼びかけるために、リデュース・リユース・リサイクル推進協議
会が制定したマーク。3つの色は、オレンジが人間、グリーンが大地、ブルーが空を表現し、3つの図
形が一歩を踏み出し、
前進する様を表しています。
■統一美化マーク
空き缶などの散乱を防ぎ、リサイクルを促進するために社団法人食品容器環境美化協会が制定
したマークです。
このマークの表示自体は義務化されていませんが、自動販売機や飲料用のゴミ箱、
広告などに広く使用されています。
総
合
的
な
学
習
の
時
間
参
考
資
料
出典:発泡スチロール再資源化協会
参28
エネルギー教育の効果的な学習支援方法
新『学習指導要領』では、自ら課題を見付け、学び、考え、主体的に判断して行動する『生きる力』の醸成を図る基本理念が継承されるとともに、資料の活用のほかに博物館や科学学習センター等と連携した観察、実験、自然体験、科学的な体験な
ど、学習内容を日常生活と結びつけながら理解することの必要性が明記されています。
このページでは、
『総合的な学習の時間』等において、エネルギー・環境問題をテーマとして取り上げた場合の学習活動例を紹介していますので、効果的な学習を進める上でお役立てください。
序
章
理
科
序
章
調べたことをまとめ、発表する方法
探求活動の進め方
調べ方について
ポートフォリオづくり
報告書づくり
手 順
手 順
手 順
手 順
•課題(テーマ)を設定する
•インターネット
•学習の始まりと同時につくり始める
生徒個人またはグループ、クラス全体で、学習した内容を踏まえ、
さらなる探求学習を行うための課題を設定する。課題設定にあたっ
ては、生徒の興味や関心を活かし、自主的かつ自発的に学習に取り
組めるように配慮する。
パソコンを利用し、インターネットで情
報を検索し、最新の情報を収集する。
※インターネット利用時は、通信時間が長
くならないように予め注意を促す。
※エネルギー関連情報を検索する場合は、
巻末のアドレスを照会する。
「はじめに課題意識を持ち、学びの方向を確かにする」
学習を開始する時に重要なことは、初めの課題意識である。学習
の動機、目的、日程、方法をまとめて記録しておくことで、学びの方
向を生徒たちに認識させる。
–動機・目的を明確にする
社
会
調べてみたい内容を自由に書かせる。漠然とした疑問や興味から、
本当に調べてみたい具体的な課題へと発展させていく。
なお、グループ学習する場合は、関連した課題ごとにいくつかに
絞り込む。次にその課題を選択した理由や調べ方、まとめ方、発表方
法について話し合い、具体的な計画を立案する。
–パンフレット類
国や自治体、各種関係機関、企業などが提
供するパンフレットを活用し、最新の情報
や詳細な内容の確認を行う。
※パンフレット等については、ホームペー
ジから申し込み、無償で提供を受けるこ
とが可能である。
技
術
・
家
庭
総
合
的
な
学
習
の
時
間
参
参
考
考
資
資
料
料
参29
˜調べた内容をまとめる
相手に分かりやすく正確に伝えるための方法を工夫させるととも
に、
作業を通じて自分の考えをさらに深めたり、
客観的な視点で見つ
め直させる。
また、
調べた資料の内容を書き写すのではなく、
自分の意見や考え
も内容に盛り込み、
何を伝えたいのか明確にできるようにする。
■まとめ方の工夫
○グラフ:棒グラフ、
折れ線グラフ、
円グラフ、
地図など
○図 :地図、
しくみ図、
構造図、
概念図など
○写 真:記録写真など
■まとめ方
○文字や絵によるまとめ
○AV機器を活用したまとめ
○その他
(劇、
模擬体験、
実験など)
—博物館・見学施設
エネルギー関連の博物館やPR館、見学施
設などで、実際に疑似体験や見学、補足説明
などを通じて、体験的に調査をすることが
可能である。
※エネルギー関連施設については、巻末資
料を参照のこと。
発表者は、聞き手を飽きさせないで聞
いてもらえる工夫をするとともに、持ち
時間にも配慮して身振り手振りなどを
発表に活かす。
聞き手は自身が調べた内容との関連
性などを考えながら聞くように心がけ、
発表終了後には、質問や意見を交換する
時間を設ける。
理
科
1.動 機 なぜ、興味・関心を持ったのか。
2.目 的 学習全体を通して何を明らかにするのか。
3.方 法 いつ、何を、どのような方法で調べるのか。
4.結 果 写真やグラフ(図表)、イラストを使って分かりやすく
詳しくまとめる。
5.まとめ 学習を通じて何がわかったのか、
どのような課題があっ
たのかを明らかにする。
「学びの道筋に沿って、学習活動を記録する」
学習したテーマや内容、および自ら学習した活動項目等を記録し
ておく。最初は不慣れで不要な資料や情報を入れてしまう場合があ
るが、後から差し替えが可能なので、学習過程に沿って入れていく。
–役割分担を明確にする
社
会
「全員でつくることを基本とし、各自の役割分担を明確にする」
個人で学習する場合を除き、グループまたはクラス全体で役割分
担を明確にし、みんなで力を合わせて作成する共同作業を心がける。
また、必要に応じて役割の見直しを行うことで、各自の調査・作成能
力の向上に努める。
—学習の過程を適宜見直し、確かめる
「学びの道筋を振り返り、自身の理解度や成長度合いを確認する」
自分が努力したこと、能力等が向上したこと、見方や考え方で変
化したこと等を振り返る。指導者や生徒どうしの相互評価等を行い、
生徒自らが成長のあとを確認する。この段階で不必要な資料を削除
する。
—まとめ方を工夫する
「手書きまたはパソコンを活用してとりまとめる」
技
術
・
家
庭
○手書きで報告書をまとめる場合、児童生徒が調べた内容やイラス
トをふんだんに使うことで、手作り感あふれる力作ができるとこ
ろが魅力的である。
˜実験・工作
エネルギーや環境に関するさまざまな実
験を通じてデータの収集を行う。また、模型
等をつくり、
原理やしくみなどを実際に体験
する。
™アンケート・インタビュー
™発表する
「個人またはグループ、学級全体で話し合い、まとめ方を整理する」
–学習の進行と同時に作成していく
—実際に調べる
さまざまな調べ方について、必要に応じた方法を選択し、必要な
情報やデータを抽出する。この場合、できる限り最新の情報を取り
出すように努めるように心がける。
•全体の構想をつくる(まとめ方の手順)
保護者や祖父母、地域の方々など、まわり
の人たちの意識調査や実態調査などを行い、
データや感想などの情報を収集する。
š図書室・図書館
˜学びの成果をまとめる
「学習の履歴書をつくり、学びの成果を自分の宝物にする」
学習した内容に対する後書き、目次タイトル、表紙等をつけて完
成とし、研究成果を学校内での発表会等で発表する。
○パソコンを活用して整理する場合、IT操作の習熟だけでなく、以
下のメリットがある。
b情報やデータ(表やグラフ)の保存、管理、呼び出しが簡単
b文章の合成・削除が容易で、手書きに比べて早くできる
b計算してくれたり、辞書の役割をしてくれる
b文字を大きくしたり、色をつけるなど見栄えよくできる
bインターネットにより外部情報にアクセスできる など
総
合
的
な
学
習
の
時
間
■ポートフォリオとは
学習したこと、調べたことをファイルやバインダーに整理したも
の。学習で得た情報だけでなく、自己評価や第三者のコメント、活動
中の写真や作品などを学習過程に沿ってまとめていく。生徒自らが
自己の成長を把握できることから、ポートフォリオ評価は、自己評
価の方法のひとつとして有効である。
˜完成前にもう一度確認する
「全体の構成や内容、
言い回しなど、
みんなで確認する」
内容について、
もう一度
「いつ」
「どこで」
「誰が」
「何を」
「なぜ」
「どの
ように」
(5W1H)
を全員で確認する。
また、
句読点や文章の長さ、
文末
(です・ます調)
、
言い回し、
誤字脱字がないか再度チェックし、
報告内
容が第三者に理解できる内容になっているか確かめる。
参
考
資
料
関連する図書を閲覧し、
基礎的な情報やデー
タの収集を行う。
参30
エネルギー教育の効果的な学習支援方法
グラフのつくり方
序
章
理
科
技
術
・
家
庭
総
合
的
な
学
習
の
時
間
ワークショップの開設
■図にまとめる利点
■ワークショップとは
■情報発信のメリット
グラフは統計データという情報を図表で表現したもの。
統計データとは、社会の現象や観測・調査結果を量で表し
たものであり、その数字はいつ、どこの、どのようなといっ
た特性を持っている。それらの数字をグループ分けした区
分を「集団」といい、各集団の特性を表す数字を「指標」とい
う。したがって、グラフ・図表は「集団」とその特性を示す「指
標」を取り上げてつくられている。
調べた情報の中には、どうしても言葉や文字、統計グラフ
などによって表現できないものがある。例えば発電所のし
くみや形式、大きさを文字やデータで詳しく伝えることに
より、作成した図そのものがその際だった特徴を伝えるこ
とがある。また、図は文字だけの情報を補足したり、イメー
ジ化させる大切な役割を持っている。
ワークショップとは、そこに参加する人たちが自分たち
の研究を紹介したり、意見交換する発表会である。生徒がこ
れまでの調べ学習を通じてとりまとめた内容を思い思いの
方法で発表することができる。
発表者や関係者は、他の人たちから意見や質問をもらう
ことにより、自分たちが知らなかった情報を手に入れ、考え
を深めることができるメリットがある。
学習した内容をホームページで情報発信すると、自分の
学校だけでなく、他校や世界の人たちにも自分たちが調べ
たことや考えを知らせることができる。
また、ホームページを見て意見を電子メールなどで送信
してくれる人もいるので、いろんな人の考えを聞くことが
でき、考え方の視野が広めることが可能である。
■インターネットの特徴
手 順
図の手順
■創意工夫を凝らした発表方法
①まず、テーマを設定し、資料、調査、実験などの結果をまとめる。
②調査などの結果を図にまとめ、大きくパネルにするなどの工夫を
施す。
③図にまとめたことから何が明らかになったのか、何が予想できる
かを考察する。
④図を効果的に提示しながら発表する。
ワークショップは、単に調べた内容を張り出すことでは
なく、発表を見に来てくれた人に対して自ら説明を加えて
いくことが重要である。発表内容が興味深いだけでなく、発
表する語り口によって、ギャラリーを惹きつけることも可
能である。
このため、
「まとめ方(見やすいデザイン)」と「聞き手を惹
きつける方法」などに工夫を凝らす必要がある。
参31
1.画像や音声を活用できる
デジタルカメラで撮影したり、スキャナで読み込んだ画
像を載せることで、説明が分かりやすくなる。また、必要に
応じて音声を入れることも可能である。
グラフの種類
図の役割
①基礎・基本の棒グラフ
①位置や地域を示す図
各集団の情報や特性を指標値
(数字)
を使って表現する基本的なもの。棒グ
ラフでは、集団の区分を縦の棒、指標
値の大きさを棒の長さで示しており、
指標値の大きさや比較など、様々な集
団の特性を示すことが可能である。
位置や地域は、どうしても文字情報
だけでは正確に示すことが困難である。
どの地点で調査したのか、どのような
地域を対象に調査したのか、どこにあ
ったのかを地図上に示すと効果的で
ある。地図を使用する場合は、縮尺や
方位、単位を忘れないようにするとと
もに、目標物などは精選するとすっき
りする。
など
2班
3班
■情報共有の必要性
5班
4班
6班
③割合を表す円・帯グラフ
単位がパーセントの時は、円または
帯グラフを使用する。割合の大小が一
目で分かるため、何が一番の要因なの
かを大きさの割合で示すことが可能
である。
④地域の区分・統計地図
各集団の区分が、地域(場所)区分で
ある場合は、地理的な位置関係が分か
る工夫が必要となる。
その場合は、各集団区分を地図上で
区切り、指標値を模様や色の濃淡で表
すが、指標値の正確性はやや粗いもの
となる。
それぞれ調べたことを発表し、お互いが発表した情報を
共有することがワークショップの目的である。このため、ワ
ークショップを始める前に、生徒に事前に情報を共有する
ためのポイントを説明しておく必要がある。
◎情報を共有するためのポイント
②しくみや構造を示す図
底に両面
テープを
はるなどして
バケツを
固定。
バケツ
観測・調査の方法や実験に使用した
器具などは、分かりやすい図を入れて
おく。さまざまな資料を提示する中で、
建築物・発電所などのしくみやメカニ
ズムを図で示すことは有効である。単
に写真を提示するのではなく、図を実
際に描くことによって理解度だけで
なく特徴そのものを掴むことが可能
となる。
台など
社
会
○他のホームページとリンクをはる
(先方の許可をとること)
○こまめに内容を更新し、常に最新情報を掲載する
○サーチエンジンに登録する
○ホームページに関する意見や感想を送ってもらうために、
連絡先の電子メールアドレスを掲載する。
b分からなかったことや聞き取れなかったことを確かめる
b自分が理解した内容が発表者の伝えたかった内容と同じか
どうか確認する
b詳しく知りたいと思う内容について質問する
b情報の正確さについて確認する
b発表者の意見に対して、自分の意見を述べ、再度、発表者の
意見を確かめる
※作業にあたっては、
担当の先生方にも協力してもらうこと。
■ホームページ作成の手順
1.
ホームページをつくる前に対象、
目的、
内容を明確にする。
○対象:全国の中学校のお友達
○目的:エネルギー・環境問題について共に考え、
交流する
○内容:エネルギーについて体験したことや学習したこと、
探求活動
を通じて発表したことなど
①葉っぱの
気孔をふさぐ
技
術
・
家
庭
2.
完成予想図をつくり、
構想を練る。
○トップページをどうするか
○写真や文章等の材料をもとにしたレイアウト構成を決める
※必要に応じてスキャナやデジタルカメラを用意する。
3.
公開するときの注意点を確認する。
○写真や音楽は著作権や肖像権に十分注意する。
○写真や住所、
電話番号等の個人情報はむやみに掲載しない
地面から約1m
図式化してまとめる手法は、文字に
まとめるより簡潔で、イメージ的に分
かりやすい利点がある。
研究の結果を動機、目的、方法、結論
と1つの図でまとめるなどダイジェ
スト版や、レポート形式のまとめと一
緒に図式化したまとめもつくると、発
表活動や展示で活用できる。
理
科
1班
②時の区分:折れ線グラフ
各集団の区分が、時(時系列)である
場合は、折れ線グラフで示す。この場
合、集団の区分は点で表し、時間は横
軸にとる。指標値は縦軸にとって、時
間による各集団の値の変化をみせる
のに最も効果的なものである。
■多くの人々に見てもらうための工夫
b大きな模造紙などにまとめて張り出す
b実演してみせる
b立体模型などを並べ、博物館のように展示する
bギャラリーが参加できるような体験型の発表にする
序
章
2.いろんな人たちと交流ができる
ホームページを見て電子メールを送ってくれる人の中に
は、他校の生徒や外国の人々がいるかもしれない。特に外国
の人たちと情報交換ができれば、その国独自の考え方や文
化の違いなども知ることが可能である。
◎発表の具体例
③記録・まとめとしての図
参
参
考
考
資
資
料
料
インターネットによる情報発信
■グラフの基本
①資料、調査の結果をまず表にとりまとめる。精度を高めるための
数字や単位は何回か繰り返し確認する。
②集団の区分が時(時間)であるか、地域(場所)であるかなどを考え
グラフを決める。
③指標(数字)の特性から何が明らかになったか、何が予想できるか
を課題と照らし合わせながら考察する。
④グラフに文章のコメントをつけ、分かりやすくレポート形式など
にまとめて発表する。
社
会
図のまとめ方
4.
ホームページのデータ作成。
①ホームページ作成ソフトをパソコンに導入する。
②オリジナルの文字やロゴマーク、
アイコンボタン等をつくる
③各ページをつくる
(文字の入力、
写真の貼り付け、
イラストのスキャニング等)
④トップページ
(インデックス)
をつくる
⑤パソコンで内容を確認する
5.
プロバイダーへの連携。
○プロバイダーと契約し、
ホームページを開設する
○作成データをプロバイダーに連携
総
合
的
な
学
習
の
時
間
参
考
資
料
6.
インターネットに接続する。
②木の根が
いためつけられ
ウィルスが侵入する
7.
ホームページを確認する。
参32
エネルギー教育支援活動のご紹介
四国電力では、未来を担う子供たちに、電気エネルギーをはじめ、エネルギー問題や環境問題について正しく理解し、地球環境を守るための行動につなげていただくことを目的に、社員が講師となって各学校を訪問し、講義や実験等をご担当の先
生とともに行う「出前エネルギー授業」を実施しています。授業の具体的な内容や進め方につきましては、ご担当の先生と打ち合わせさせていただきます。お気軽にお申し込みください。
序
章
出前エネルギー授業の主な学習事例
くらしの中のエネルギー
発電のしくみと電気の道のり
エネルギーのはたらきや、エネルギー利用の移り変わり等に
ついて、実験や講義を通じて分かりやすくご説明することによ
って、私たちのくらしや産業活動を支えているエネルギーの重
要性について、子どもたちの気づきを高めます。
序
章
インターネット学習支援サイト
水力・火力・原子力発電のしくみや特徴、ご家庭に電気が届け
られるまでの道のりなどについて、模型や実験、講義を通じて分
かりやすくご説明いたします。
各学校での授業や、生徒たちの調査・探求活動等にも役立てられるよう、教育関係者向けと次世代層向けのインターネット学習支援
サイトを公開しています。
今後、順次、コンテンツの拡充を図ってまいりますので、是非、ご活用ください。
教育関係者向け支援サイト
理
科
次世代層向け支援サイト
理
科
電気の道のり
学校
水力発電所
変電所
工場
模型を使った電気の
つくり方の説明
社
会
原子力発電所
家庭
商店
火力発電所
社
会
地球温暖化問題と私たちにできること
地球温暖化問題のしくみと影響などについて、模型や実験を
通じて分かりやすくご説明するとともに、省資源・省エネルギー
への取り組みなど、私たち一人ひとりができることを子どもた
ちの目線で一緒に考えていきます。
備長炭電池づくりなどのモノづくりをはじめ、さまざまな
科学体験実験の実施など、希望校のニーズに応じて対応して
います。
各学校の授業で活用可能なデータや資料集、施設見学ガ
イドのほかに、エネルギー教育に関するイベント紹介など、
教育関係者向けの支援サイトを公開しております。
技
術
・
家
庭
総
合
的
な
学
習
の
時
間
出前エネルギー授業の基本的な考え方
エネルギー教育の実施にあたっては、子どもたち自らが見て、触れて、体験することが何より重要です。このため、素朴な疑問につい
て考え、確かめ、気づかせる体験重視の授業を展開できるよう、各種機材を活用することとしています。
出前エネルギー授業など、エネルギー教育支援活動については、最寄の広報担当課までお気軽にご連絡ください。
区 分
事業所名
住 所
授業で活用する主な機材
火力発電模型
原子力発電模型
愛媛県
手回し発電機
放射線測定器
電話番号
〒770-8555 徳島市寺島本町東2-29
広報課
088-656-4593
池 田 支 店
〒778-8504 三好市池田町シマ930-3
総務課(広報分担)
0883-72-7501
高 知 支 店
〒780-8545 高知市本町4-1-11
広報課
088-822-9120
中 村 支 店
〒787-8691 四万十市中村大橋通6-9-21
総務課(広報分担)
0880-34-6760
松 山 支 店
〒790-8540 松山市湊町6-6-2
エネルギー広報課
089-946-9730
宇和島支店
〒798-0033 宇和島市鶴島町1-28
総務課(広報分担)
0895-24-2223
新居浜支店
〒792-0023 新居浜市繁本町9-32
総務課(広報分担)
0897-37-4300
高 松 支 店
〒760-8501 高松市亀井町7-9
広報課
087-836-1000
本
〒760-8573 高松市丸の内2-5
エネルギー広報G
087-821-5061
香川県
地球温暖化模型
担当部署
徳 島 支 店
徳島県
水力発電模型
技
術
・
家
庭
ご連絡・お問い合わせ先
高知県
参
参
考
考
資
資
料
料
http://www.yonden.co.jp/life/kids/museum/
index.html
http://www.yonden.co.jp/teacher/index.html
温暖化模型による実験風景
電気やエネルギー・環境のことを楽しく学べる次世代層
向けの学習支援サイトを公開しております。
店
総
合
的
な
学
習
の
時
間
参
考
資
料
上記以外にも多様な体験型実験機材を取り揃えております。
参33
参34
四国内のエネルギー関連施設見学ガイド
■原子力発電関係
主なエネルギー・環境教育機関
分 野
【伊方発電所】
●問い合わせ先・・ 伊方ビジターズハウス
TEL 0894-39-1399 FAX 0894-39-0188
●施設紹介・・・・・・ 伊方発電所は、四国の電気の約4割をまかなっている四国唯一の
原子力発電所です。
PR館の「伊方ビジターズハウス」には、原子力発電のしくみや、エ
ネルギーに関する展示が充実しており、
原子力発電について、楽
発電のしくみと電気の道のり
しみながら学ぶことができます。
●所要時間・・・・・・ 約2時間
●見学概要・・・・・・【概要説明】
伊方ビジターズハウスでのビデオ上映、スタッフによる展示物の
説明。
【施設見学】
事前のご予約が必要です。お近くの四国電力または伊方ビジター
ズハウスまでお問い合わせください。
●その他・・・・・・・・ b1グループ40名×2グループまで、同一時間帯で受け入れ可能。
b説明用の会議室あり(80名まで利用可能)
b昼食手配可能(実費)
b駐車場あり。
b伊方ビジターズハウスに隣接して、
伊方町観光物産館
「きらら館」
があります。
序
章
理
科
【伊方ビジターズハウス】
中 央 官 庁
名 称
ホームページアドレス
http://www.meti.go.jp/
東京都千代田区霞が関1-3-1
03-3501-1511
経済産業省資源エネルギー庁
http://www.enecho.meti.go.jp/
東京都千代田区霞が関1-3-1
03-3501-1511
文部科学省
http://www.mext.go.jp/
東京都千代田区霞が関3-2-2
03-5253-4111
環境省
http://www.env.go.jp/
東京都千代田区霞が関1-2-2
03-3581-3351
http://eneken.ieej.or.jp/
東京都中央区勝どき1-13-1
03-5547-0222
石油連盟
http://www.paj.gr.jp/
東京都千代田区大手町1-3-2
03-5218-2305
石油鉱業連盟
http://www.sekkoren.jp
東京都千代田区大手町1-3-2
03-3214-1701
石油情報センター
http://oil-info.ieej.or.jp/
東京都中央区勝どき1-13-1
03-3534-7411
http://www.jcoal.or.jp/
東京都港区三田3-14-10
03-6400-5191
四国電力株式会社
http://www.yonden.co.jp/
香川県高松市丸の内2-5
087-821-5061
電気事業連合会
http://www.fepc.or.jp/
東京都千代田区大手町1-3-2
03-5221-1440
(財)電力中央研究所
http://criepi.denken.or.jp/
東京都千代田区大手町1-6-1
03-3201-6601
(社)日本ガス協会
http://www.gas.or.jp/
東京都港区虎ノ門1-15-12
03-3502-0111
http://www.j-lpgas.gr.jp/
東京都港区虎ノ門1-14-1
03-3503-5741
http://www.jaero.or.jp/
東京都港区芝浦2-3-31
03-6891-1571
http://www.numo.or.jp/
東京都港区芝4-1-23
03-6371-4002
http://www.eccj.or.jp/
東京都中央区八丁堀3-19-9
03-5543-3011
http://www.nedo.go.jp/
神奈川県川崎市幸区大宮町1310
044-520-5100
http://www.nef.or.jp/
東京都豊島区東池袋3-13-2
03-6810-0361
(財)クリーン・ジャパン・センター http://www.cjc.or.jp/
東京都港区赤坂1-9-20
03-6229-1031
(財)日本環境協会
東京都中央区日本橋馬喰町1-4-16
03-5643-6251
東京都港区西新橋1-6-15
03-3593-0936
石 炭 (財)石炭エネルギーセンター
電 力
ガ ス
日本LPガス協会
(財)日本原子力文化振興財団
原 子 力
社
会
技
術
・
家
庭
総
合
的
な
学
習
の
時
間
【原子力保安研修所】
●問い合わせ先・・ 原子力保安研修所 総務・広報グループ
TEL 089-946-9957 FAX 089-946-9715
●所要時間・・・・・・ 約1時間10分
●見学概要・・・・・・【概要説明】
訓練内容の説明、ビデオ上映、運転訓練シミュレーター室や大訓
練室等の見学
【施設見学】
事前に予約が必要です。お近くの四国電力または原子力保安研修
所にお問い合わせください。
●その他・・・・・・・・ b1グループ50名まで可能。
b説明用の会議室あり(50名まで利用可能)
b駐車場あり(大型バス1台まで)
NEDO
(
(独)
新エネルギー・
産業技術総合開発機構)
(財)新エネルギー財団
環 境
http://www.jeas.or.jp/
エネルギー環境教育情報センター http://www.icee.gr.jp/
教 育
中国・四国地区エネルギー教育推進会議
■火力発電関係
http://www.kochi-tech.ac.jp/energy/suisin/index.html
e-mail:[email protected]
■水力発電関係
【本川発電所】
【坂出発電所】
●問い合わせ先
坂出発電所 総務課
TEL 0877-46-3995
FAX 0877-44-5224
●所要時間
約1時間30分
【エネルギープラザ本川】
【橘湾発電所】
●問い合わせ先
阿南火力事業所 総務課
TEL 0884-34-3411
FAX 0884-34-3418
●所要時間
約1時間
「エネルギー教育用指導解説書」編集協力者
●問い合わせ先
高知支店 広報課
TEL 088-822-9120
FAX 088-821-2642
●所要時間
約1時間30分
●見学概要
【概要説明】
PR館の
「エネルギープラザ本川」
でジオラマ模型、展示パネルに
より説明
【施設見学】
地下にある発電所を見学
【面河第三発電所】
【西条発電所】
参
参
考
考
資
資
料
料
原子力発電環境整備機構
省 エ ネ ル ギ ー (財)省エネルギーセンター
新エネルギー
●問い合わせ先
西条発電所 総務課
TEL 0897-56-0260
FAX 0897-56-9813
●所要時間
約1時間30分
●問い合わせ先
松山支店 エネルギー広報課
TEL 089-946-9730
FAX 089-946-3007
07
●所要時間
約1時間
電話番号
経済産業省
エネルギー全般 (財)日本エネルギー経済研究所
石 油
住 所
■監 修 高知工科大学 システム工学群 教授 八田章光
■編集協力 財団法人四国産業・技術振興センター
■意見協力 片山 隆志(鳴門教育大学附属中学校 教諭)
沖屋あずさ(四万十市立中村中学校 教諭)
鈴木 学(四万十市立中村中学校 教諭)
田能 美紀(四万十市立中村中学校 教諭)
宮本 雅之(四万十市立中村中学校 教諭)
清家 隆男(宇和島市立城北中学校 教諭)
藤本 充(西条市立河北中学校 教頭)
氏家 徹也(香川大学教育学部附属坂出中学校 教諭)
北岡 隆(香川大学教育学部附属坂出中学校 教諭)
近藤てるみ(香川大学教育学部附属坂出中学校 教諭)
長谷川 忍(香川大学教育学部附属坂出中学校 教諭)
(県別・五十音順、敬称略)
【写真提供
(五十音順)
】
ITER機構、
Image courtesy Greg Shirah, GSFC Scientific Visualization Studio, based on data from
the TOMS science team、
宇宙航空研究開発機構
(JAXA)、FAO Global Forest Resources Assessment
2005 The World's Forests、
株式会社資源総合システム、
株式会社四国新聞社、
株式会社四国総合研究
所、気候ネットワーク、九州電力株式会社、栗林浩、Global Forest Watch、国立極地研究所、財団法人原
子力発電技術機構、
坂出LNG株式会社、
四国旅客鉄道株式会社、
Data courtesy Marc Imhoff of NASA
GSFC and Christopher Elvidge of NOAA NGDC. Image by Craig Mayhew and Robert Simmon,
NASA GSFC.、資源エネルギー庁、四変テック株式会社、独立行政法人日本原子力研究開発機構、
NEDO((独)新エネルギー・産業技術総合開発機構)、むつ小川原国家石油備蓄基地、メタンハイドレー
ト資源開発研究コンソーシアム、
UN Photo、Yu Nakamura、
四電ビジネス株式会社
序
章
理
科
社
会
技
術
・
家
庭
総
合
的
な
学
習
の
時
間
参
考
資
料
発行:四国電力株式会社 広報部
〒760-8573 香川県高松市丸の内2-5 TEL:087-821-5061
発行:平成22年6月 改訂:平成23年1月
※詳しくは、前ページに記載の「教育関係者向け支援サイト(よんでんエネルギー学習支援サイト)」をご覧ください。
※施設によっては休祭日等の受入ができない場合がございます。詳しくは各支店広報担当課へご照会ください。
参35
参36