リオから愛知、愛知からリオ - PEFC Asia Promotions

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持続可能な森林管理の促進
PEFCニュースレター2012年1月号からの抜粋
リオから愛知、愛知からリオ:森林認証のメリットを最大化するための10原則
競争が市場 を育てる、これは森林認証制度にも当てはまる概念である。
国際PEFCは、認証とその恩恵の重要性について解説する。世界の森林のほんの一部のみが認証を受け
ている現状にあって、持続可能性と実現可能性と言う共通の目標に向かって信頼に足る多数の関係者
が行動することは、企業や他のステークホルダーにとってメリット以外の何ものでもない。
森林と同様に、新しい考え方もしばしばその成長と成熟のためには長い時間が必要である。森林であ
れ新しい概念であれ、時間の経過とともに複雑性と多様性が増大する。同じように、あらゆる方向に
根を広げる健全な木の様に、持続可能な森林管理の必要性の考えが特定の成果をあげるためには、多
数の異なる源からの吸引が続けられてきた。
今日では、持続可能な林業というものが、3つの等しく重要で統合された要素に依存することは理解
されている。すなわち、経済的な実現可能性、環境的な健全性、そして社会的な正義である。そして、
これらの3要素のどれを欠いても持続可能性の発展や実現の試みは叶わぬものとなる。
しかし、この知識は、多くの木や人間の文化のライフスパンを考えると、どちらかと言えば目新しい
概念であり、我々が持続可能性の3要素を集約することの必要性に気付いたのはそれ程昔の話ではない。
今日では、持続可能性を普及するための多くのの活動が、3つの要素のうちの1つにのみ囚われており、
それは他者に悪影響を及ぼしている。
持続可能な開発の概念と3要素の相関関係はもともと1987年のBrundtland 報告において発表されたも
のであるが、この考え方が最終的に確固たるものになったのは1992年のリオ地球サミットによってで
あった。また、リオ地球サミットは、持続可能な森林管理を「全ての種類の森林の経営、保全及び持
続可能な開発に関する世界的合意のための法的拘束力のない権威ある原則声明」との明瞭なタイトル
で定義する最初の努力へと方向性を示した。 我々の態度と行動の変化こそが、求められる変化を実現
するのだと言うリオサミットから発せられたメッセージは、世界中の多数の人に届いている。
このメッセージは、我々が直面している問題の複雑さを反映しており、各国政府は、経済に関わるす
べての決定が環境や社会的な影響を充分考慮していることを確実にするために、国際および国家計画
や政策の方向性を再検討する必要性を認識した。
サミットによって、我々のグローバル社会が持続可能な開発に対する見方に根本的な影響を与えた5つ
の文書が生まれた。
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
包括的な文書であるリオ宣言は、人々の開発権および共通の環境の保全責任を定める

アジェンダ21の文書は、世界、国、地方においてあらゆる種類の組織や主導構想が実行する活動
の青写真となっている

生物多様性条約(CBD)および気候変動に関する枠組条約(UNFCCC)は法的拘束力を伴う文書
となった

第5番目の文書である森林原則は、知名度は最も低いとは言え、「経済開発とあらゆる形態の生命
の維持にとって、森林は不可欠である」とするその前文からして、持続可能な開発の総合的な概
念との関連性は自明であると思われる。しかしながら、各国政府は持続可能な林業のための拘束
力を伴う世界的な枠組みの合意を得ることが出来なかった。
世界の森林が直面する課題と20年前の第1回地球サミットで世界の政府が露呈した行動能力の欠如が,
森林認証という概念を誕生させた。この自主性に基づくメカ二ズムは、森林所有者が第三者認証を通
じた責任ある施業慣習を示し、有効化する機会を与えた。
時間の経過とともに、森林認証は地球社会が持続可能な森林管理を普及するための最重要なツールと
なった。しかしながら、大きな進歩があったとは言え、認証を受けた森林は世界の森林の9%のみであ
り、そのうち90%はヨーロッパおよび北米にある。同様に、世界の貧困の緩和に多少の進歩はあった
としても、人口増加が意味するところは、実質的には、貧困線以下の生活をしている人の数が高止ま
りしていると言うことである。貧困こそは、森林破壊や違法伐採の主要な原因であるが、この状況は、
急速に台頭する経済圏においてはさらに複雑である。こうした地域では、土地使用権が今日において
も不明瞭、脆弱、または発展途上にあるからである。
PEFCの様な認証制度は、特に途上国における生活手段の改善に貢献し、人々を貧困から救い出す手助
けをする可能性を提供するメカニズムの一つである。認証は、また、特に2020年までに森林を持続可
能な管理下におき、森林喪失を半減するという愛知生物多様性目標に向けての動きを手助けするもの
でもある。しかしながら、これには森林認証を世界中、しかし特に地球の南方地域における、主流に
位置づけることが求められる。これを達成するには、すべての森林認証やステークホルダーが、我々
の森林認証普及の集団的努力が、総体的な森林認証区域の拡大に貢献できるよう、重複的でなく加算
的であることを確かなものにしなければならない。
「求められているのは一連の共通原則、すなわち持続可能な森林管理の推進の目標として森林認証と
その継続的な成長を一層促進するためには我々に何が求められるのかの指標をとなる一連の原則であ
る。」
多くの国における森林破壊が衰えない今日の世界にあって、ステークホルダーはできる限り協調しな
ければならない。PEFCは世界の二つの森林認制度の大きい方である立場であるが、社会全体の向上の
ために提供された他のアプローチ法をも活用しなければならない。森林認証とそのステークホルダー
の活動に指標を与える共通の枠組みに合意を結ばなければならない。2010年にリオデジャネイロで発
せられたリオ森林認証宣言は、共通原則が求められているという考え方、すなわち、持続可能な森林
管理を推進を目的とする森林認証とその継続的な発展をさらに促進するためには我々が何をすべきか
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に関する指標を我々すべてに示す一連の原則である。
宣言書は、その前文において、「世界の森林がもたらす環境・社会・経済上の恩恵を守るという課題
は、地球上の全ての生命にとって死活的な重要性を有する。そのためには、人々が森林を持続可能に
管理する世界、私たちの住む惑星が総体的かつ相互依存的な性質を持っていることを認識する世界、
そして、生活の糧を森林に依存する農村共同体、先住民、家族などの重要性を認識し、これを尊重す
る世界が求められている。」ことを確認し、森林認証が社会に提供できる恩恵を最大化する共通の枠
組みとしての10原則を明言している。

持続可能な森林管理の中心にいるのは人間である

持続可能な森林管理政策や規格の策定や実行においては国家主権を認め、これを尊重せよ

統合的な森林管理計画と政策の採択によって森林生態系の複雑性、森林依存の経済、農村文
化を保護せよ
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貧しい人々の権限強化を通じて貧困の削減に貢献せよ

オープンでアクセス可能なステークホルダーの工程が不可欠である

透明性、包括性と協働はグローバルな持続可能性にとって不可欠である
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再生可能で気候対処型の林産品の恩典を活用せよ

持続可能な森林管理を推進するために、森林に関わる科学、現地の経験則、伝統的な知識に立脚
せよ

復元不可能な被害を防ぐために予防的な方法を取れ

自主的な措置と教育を通じて持続可能な森林管理が世界的に受容されることを目指すことは健全
な森林と活気ある農村共同体への最速の筋道である
リオ森林認証宣言は、すべてのステークホルダーがサポート可能な枠組みを確立するために、1992 年
リオ宣言書、世界人権宣言、アジェンダ 21、国連憲章、森林原則など過去に発表された他の文書で表
現された考えを採用している。
愛知目標は、我々が森林を持続可能に管理すること、そして環境、社会、経済の3つの柱の均衡を図る
ことを求めている。これらの3つの柱なくして、森林は保護できず、家族経営の林家は成長できず、森
林に依存する地域社会は存在することが出来ず、違法伐採はなくならず、そしてカーボン汚染は緩和
しない。
森林認証は、持続可能な森林の管理を最も効果的かつ上手く促進するメカニズムであることを証明し
た。この運動は、さらなるサポートと指針を必要としており、リオ森林認証宣言書で概説された様な
原則は、森林認証がさらに成長、発展することを可能にするために必要な枠組みを提供するであろう。
愛知目は我々全員によるコミットメントを求めており、それは森林認証も同様である。森林認証の発
足から17年が経過し、世界のほんの9%のみが認証を受けており、しかもその90%は地球の北方の半分
に位置していることを鑑みるにつけ、我々全員が、特に地球の南方半分における持続可能な森林管理
のさらなる促進を阻む障害が何なんであるかを見極め、これを排除しなければならない。
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「森林認証は、持続可能な森林の管理を最も効果的かつ上手く促進するメカニズムであることを証明
した。この運動は、さらなるサポートと指針を必要としており、リオ森林認証宣言書で概説された様
な原則は、森林認証がさらに成長、発展することを可能にするために必要な枠組みを提供するであろ
う。」
リオ森林認証宣言に謳われるような全地球的に適用可能な原則による指針を受けた森林認証は、愛知
目標の達成のために最大の貢献ができるように、ステークホルダーの手による統合が行われなければ
ならない
「リオ森林認証宣言は、2011 年の国連持続可能な開発会議の成果に対する PEFC の貢献を代表してい
ます。我々は関係者からの更なるサポートを必要としております。ぜひ、あなたのご署名をお願いい
たします。www.rfcd.org」
PEFC アジアプロモーションズ 2012 年 3 月