第1章 センサ実験装置(e-nuvo SEN)の紹介 本章では、センサ実験装置の全体的な特徴と各部分の特徴、また実験装置の使い方 について確認する。 5 1.1 e-nuvo SEN装置の紹介 この実験装置は、多様なセンサ及びアクチュエータを様々な入力条件下での実験が可能で、PC等の 追加機器を必要とせずにこの装置だけで実験が出来るように構成されている。また、各センサ基板 で使用している回路を図で示しながら解説することで回路に対する理解を促進させる。 そして、この装置の一番の特徴は様々なセンサを簡単に使うことが出来て、センサから出力される 信号によって、モータの動きやディスプレイ表示がどのように変化するのかが、簡単に理解できる ようになっている。 本装置の構成要素は次の通りである。. (1) センサモジュール (Sensor Module) 1) SVR Module/ポテンショメータモジュール ( Analog Type Sensor ) 2) Switch Module/ スウィッチ モジュール ( Digital Type Sensor ) 3) CdS Module/CdS(明るさ)モジュール ( Analog Type Sensor ) 4) Infrared Sensor Module/赤外線センサ ( Analog Type Sensor ) 5) Photo Interrupt Module/フォトインタラプタモジュール ( Digital Type Sensor ) 6) REED Switch Module/リードスウィッチモジュール ( Digital Type Sensor ) 7) Temperature NTC Module/温度モジュール(NTCサーミスタ)( Analog Type Sensor ) 8) Temperature LM35 Module/温度モジュール(IC LM35)( Analog Type Sensor ) 9) Pressure Module(IESP-12)/圧力モジュール ( Analog Type Sensor ) 10) Current Module/電流モジュール ( Analog Type Sensor ) 11) Humidity Module/湿度モジュール ( Analog Type Sensor ) 12) Tilt Sensor Module(S1)/傾きモジュール ( Analog Type Sensor ) 13) Sound Module(MIC)/マイクモジュール ( Analog Type Sensor ) 14) Solar Cell Module/ソーラーセルモジュール ( Analog Type Sensor ) 15) Gas Module/ガスモジュール ( Analog Output Type Sensor ) 16) Ultra Sonic Module/超音波モジュール ( Analog Type Sensor ) 17) Tilt Switch Module/デジタル傾きモジュール ( Digital Type Sensor ) 18) Proximity Module(PSN17-8DP)/近接モジュール ( Digital Type Sensor ) 19) Temperature Switch Module(Bimetal)/温度スイッチモジュール(バイメタルタイプ) ( Digital Type Sensor ) 20) Detect Module (SHARP 2Y0D1) /感知モジュール ( Digital Type Sensor ) (2) アクチュエータ(Actuator) 1) DC モータ 2) STEP モータ 3) RC サーボモータ (3) システム構成 - 入力電源 100V 50/60Hz、 出力電源 DC 5V、GND、 +12V、-12V - 回路実験用のブレッドボード (breadboard) 装置は下図のように構成される。その機能を一つずつみると、 6 ア) Indicator(表示部) 表示部をユーザが直接操作することはできないが、この表示を見ることで各種センサの出力を簡単 に確認することができる。表示部は大きくLCD、FND、LED、CPU部分の4つのパートに分けらる。 まず、LCD部分では接続されているSENSOR Moduleを自動的に認識し、どんなセンサが使われている のかが確認できる。センサ値は10Bitsの範囲を持つ0~ 1023の値で表示されると同時に、0V~5Vまで の電圧範囲でも表示できる。したがって、センサ値をオシロスコープ.で確認しながら比較するこ とも可能である。センサによって表示形式は多少異なるが、これはセンサをより簡単に理解できる ようにするためである。 LCDの表示例を以下に示す。 7 自動認識表示部分 [ LCD Module 表示例] 次にFND部分は、アナログ値を10Bitsで分解した10Bits値が表示される(0~1023)。 LED部分は、センサ値を均一(equalize)に表示できる回路で構成されてある。 CPU部分は、信号の処理部であり、CPUはATmega128が使われている。なお、このCPU部を通じて各ア クチュエータを駆動させている。 したがってユーザは、センサ出力を各アクチュエータの信号への変換処理を意識することなく出力 を確認できる。 イ) DC Motor Module DCモータモジュールは、センサ値をDCモータで確認できるように構成されている。左側のトグルス イッチはモジュールをON/OFFするようになっており、右側のトグルスイッチはモータの正転/逆転 を変化させることができる。次の図のようにDCモータドライバであるBA6208を使って、デジタル的 な制御をすることになるが、センサ出力をPWM(Pulse Width Modulation)に変換させ駆動させる。 このPWM周波数はTest Pointを通して周波数の変化を見ることができる。 8 ウ) STEP Motor Module Step Motorは典型的なデジタルモータであり、アナログ信号では制御することができない。したが って、DCモータのようにセンサ出力を変換して使うようになるが、その主回路は次の通りである。 9 Stepモータは、専用のドライバ及びモータコントローラを利用するが、 DCモータと同じく一番左 側のトグルスイッチを利用して電源を供給し、二番目(中央)のスイッチを利用してモータをEnable するかDisableするかを決定し、三番目のスイッチを利用して正逆を決定することになる。 エ) RC SERVO Motor Module RCサーボモータも同様にセンサ出力を処理し駆動する。スイッチで電源をON/OFFし、Test Pointを 通じてシグナルが確認できる。 角度が大きすぎると過電流による回路の破損及び装置に影響を与える場合があるので、角度の制限 を約-85°から+85°程度の範囲で動作するようにした。 オ) Sensor Module センサモジュールは多様に構成されるので、各章で説明と一緒に確認しよう。 10 1.2 装置の使い方 この章は基本的な装置の使い方についてみてみよう。 (1) センサの装着及び使い方 まず、センサは次の図のように二つのタイプに区分される。赤色の基板で構成されているAnalog Typeのセンサと青色の基板で構成されているDigital Typeのセンサに分離される。Analogセンサは 0V~5Vの範囲で出力が変化し、Digitalセンサは0Vまたは5Vが出力される。全てのセンサはこの二つ に分別されるので、この二つの出力方法をよく理解すれば全てのセンサの原理を十分に把握するこ とができるだろう。 次は実験装置にセンサモジュールを差し込んで使う方法について見てみよう。 上図の場所で、センサボードの位置にあるEMPTY CARDを取り除いてから実験するセンサを装着させ る。その時、間違えて挿すとセンサモジュールの中央にあるランプが作動しない。正常の場合のみ 11 作動するので確認が必要である。 この時、センサボードが自動的に認識されない場合、Select Confirm Buttonを押して再度確認す る。 センサボードの格納位置は決まっており、センサボードを外した場合、その位置にはセンサの回路 が描かれているので、どのような原理の回路によって動作するのかが簡単に理解できる。 なお、重要なPointにCHECK POINTを設定しており、オシロスコープや各種測定機で確認できるよう 設計・製作されている。また、ブレッドボードを用意しているので、これに多様な周辺回路を構成 して実験できるようにしている。 基本的な原理は次のブロック図の通りである。 12 「使用法 「使用法 1」 2」 13 14
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