日本赤十字豊田看護大学「コンピュータと医療社会」配布資料(平成 17 年 11 月 2 日) 医療情報とは 日本赤十字豊田看護大学 E-mail 水野智 [email protected] http://www.miz-ngy.umin.ne.jp/ Ⅰ.情報とは ・ 情報(information)…ある事柄に関して伝達(入手)されるデータ(の内容)。 通常は、送り手・受け手にとって 何らかの意味を持つ(形に並んでいる)データを指すが、データの表わす意味内容そ のものを指すこともある。さらに、そのデータをもとにして適切な決定を下したり 行動をとったり するという判断材料と しての側面に重点を置く場合も多い。また、個別のデータが生のまま未整理の段階にとどまっているというニュアンスで用 いられることもあり、知識に比べて不確実性を包含した用語。 ・ データ(data)…1.推論の基礎となる事実。 2.その事柄に関する(して集めた)個々の事実を、記号〔数字・文字・符号・音声など〕で表現 したもの。 狭義では、数値で表現したもの。広義では、参考となる資料や記事のこと。 ※data は datum の複数形 ・ 知識(knowledge)…ある範囲の事柄について知って(理解して)いることや内容。 ※ナレッジ・マネジメント…1990 年代に脚光を浴びるようになった経営管理手法。一般に、企業や地域、国家といった組織 内にある「ナレッジ」を把握し、積極的に管理・利用する取り組みのこと。この取り組みの中で、組織の競争優位となる新 しい「ナレッジ」を生み出すことを目的とする。 その他の用語 ・ エントロピー(entropy)… 物質の系の熱力学的状態を表わす量で、その系の乱雑さの度合。 ・ 複雑系…多くの要素が集団でネットワークを形成し、個々の要素間のフィードバックを通じて、相互に関連し合いながら運動する ・ ビットとバイト…ビット(binary digit)、バイト(byte)1 単位のビットの列で通常 8 ビット。 非線形動学システム。 Ⅱ.医療情報・診療情報 ・ 医療情報…①医学情報 … 病気の診断、治療、転機などに関する情報。②施設情報 … 医療機関の標榜科、診察時間、 所在地、設備などの情報。③診療情報 … 患者個人の診療に関わる情報。 用語の定義…「診療に関する情報提供等の在り方に関する検討会」報告書(厚労省診療に関する情報提供等の在り方に関する検討会 平 成 15 年6月10日) ・ 診療情報…診療の過程で、患者の身体状況、病状、治療等について、医師、歯科医師、薬剤師、看護師等医療従事者が知り得た情 ・ 診療記録…診療録、処方せん、手術記録、看護記録、検査所見記録、エックス線写真、紹介状、退院した患者に係る入院期間中の ・ 診療情報の提供…(1)口頭による説明、(2)説明文書の交付、(3)診療記録の開示等具体的な状況に即した適切な方法により、患者等 ・ 診療記録の開示…患者等の求めに応じ、診療記録を閲覧に供すること又は診療記録の写しを交付すること。 報。 診療経過の要約その他の診療の過程で患者の身体状況、病状、治療等について作成、記録又は保存された書類、画像等の記録。 に対して診療情報を提供すること。 Ⅲ.医療記録に関する法規 (1)医師法(第 24 条) 【診療録】 (1)医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。 (2)前項の診療録であって、病院又は診療所に勤務する医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、その 他の診療に関するものは、その医師において、5 年間これを保存しなければならない。 1 日本赤十字豊田看護大学「コンピュータと医療社会」配布資料(平成 17 年 11 月 2 日) (2)医師法施行規則(第 23 条) 【診療録の記載】 診療録の記載事項は、下の通りである。 (1) 診療を受けた者の住所、氏名、性別及び年齢 (2) 病名及び主要症状 (3) 治療方法(処方及び処置) (4) 診療の年月日 (3)歯科医師法(第 23 条) (1) 歯科医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。 (2) 前項の診療録であって、病院又は診療所に勤務する歯科医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、 その他の診療に関するものは、その歯科医師において、5 年間これを保存しなければならない。 (4)保健師助産師看護師法(第 42 条) (1) 助産師が分娩の介助をしたときは、助産に関する事項を遅滞なく助産録に記載しなければならない。 (2) 前項の助産録であって病院、診療所又は助産所に勤務する助産師のなした助産に関するものは、その病院、診療所又は助産所の 管理者において、その他の助産に関するものは、その助産師において 5 年間これを保存しなければならない。 (3) 第 1 項の規定による助産録の記載事項に関しては、厚生労働省令でこれを定める。 (5)保健師助産師看護師法施行規則(第 34 条) 助産録には、左の事項を記載しなければならない。 (1) 妊産婦の住所、氏名、年齢及び職業 (2) 分娩回数及び生死産別 (3) 妊産婦の既往疾患の有無及びその経過 (4) 今回妊娠の経過、所見及び保健指導の要領 (5) 妊娠中医師による健康診断受診の有無(結核、性病に関する検査を含む。 ) (6) 分娩の場所及び年月日時分 (7) 分娩の経過及び処置 (8) 分娩異常の有無、経過及び処置 (9) 児の数及び性別、生死別 (10) 児及び胎児附属物の所見 (11) 産じょくの経過及びじょく婦、新生児の保健指導の要領 (12) 産後の医師による健康診断の有無 (6)医療法(第 21 条) 第 21 条 【病院の法定人員及び施設等】 (1) 病院は、厚生労働省令の定めるところにより、次に掲げる人員及び施設を有し、かつ、記録を備えて置かなければならない。 1. 当該病院の有する病床の種別に応じ、厚生省令で定める員数の医師、歯科医師、看護婦その他の従業者 2. 各科専門の診察室 3. 手術室 4. 処置室 5. 臨床検査施設 6. エックス線装置 7. 調剤所 8. 給食施設 9. 診療に関する諸記録 10. 診療科名中に産婦人科又は産科を有する病院にあっては、分べん室及び新生児の入浴施設 11. 療養病床を有する病院にあっては、機能訓練室 12. その他厚生労働省令で定める施設 2 日本赤十字豊田看護大学「コンピュータと医療社会」配布資料(平成 17 年 11 月 2 日) (7)医療法(第 22 条の 2) 第 22 条の 2 【特定機能病院の人員・施設等】 特定機能病院は、第 21 条第 1 項(第 1 号、及び第 9 号を除く。 )に定めるもののほか、厚生労働省令の定めるところにより、次に掲 げる人員及び施設を有し、かつ、記録を備えて置かなければならない。 1. 厚生労働省令で定める員数の医師、歯科医師、薬剤師、看護婦その他の従業者 2. 集中治療室 3. 診療に関する諸記録 4. 病院の管理及び運営に関する諸記録 5. 前条第 1 号から第 5 号までに掲げる施設 6. その他厚生労働省令で定める施設 (8)医療法施行規則(第 22 条の3) 2.診療に関する諸記録は、過去 2 年間の病院日誌、各科診療日誌、処方せん、手術記録、看護記録、検査所見記録、エックス線写真、 紹介状及び退院した患者に係る入院期間中の診療経過の要約とする。 (9)保険医療機関及び保険医療養担当規則(第 9 条) 保険医療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から 3 年間保存しなければならない。ただし、 患者の診療録にあっては、その完結の日から 5 年とする。 ・その他、看護記録に関する法的位置づけ ⇒看護記録の記載は明確な法的義務を有さない。 看護記録に関連する規程等 ・医療法施行規則において、地域医療支援病院・特定機能病院の施設基準として、看護記録の記載・保存義務が規定。 ・入院基本料に関する厚生省通知(2000 年 3 月)にて、看護計画と経過記録、看護業務管理についての記録が規定。 ・保険医療機関ならびに保険医療養担当規則において、「療養の給付の担当に関する記録」には 3 年間の保存の義務が課せられているが、 看護記録が「療養の給付の担当に関する記録」であることを改めて明らかにする疑義解釈通知(1999(平成 11)年 6 月 11 日・厚生 省医療課長通知) 。 Ⅳ.守秘義務 (1) 保健師助産師看護師法第42条の2…(平成13年、新規に追加) 保健師、看護師又は准看護師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保健師、看護師又は准看 護師でなくなった後においても、同様とする。 (2) 刑法第134条[秘密漏示] 医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職に在った者が、正当な理由がないのに、その業務 上取扱ったことにより知り得た人の秘密を漏らした時は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。 ※親告罪 (3) 母体保健法第27条 不妊手術又は人口妊娠中絶の施行の事務に従事したものは、職務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後にお いても同様とする。 (4) 刑事訴訟法第 149 条 医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、公証人、宗教の職に在る者又はこれらの職に在っ た者は、業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについては、証言を拒むことができる。但し、本人が承諾し た場合、証言の拒絶が被告人のためのみにする権利の濫用と認められる場合(被告人が本人である場合を除く。 )その他裁判所の規則で 定める事由がある場合は、この限りでない。 3 日本赤十字豊田看護大学「コンピュータと医療社会」配布資料(平成 17 年 11 月 2 日) (5) 民事訴訟法第 197 条 次に掲げる場合には、証人は、証言を拒むことができる。 第 1 項(省略) 第 2 項 医師、歯科医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。 )弁理士、弁護人、公証人、宗教、 祈祷若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者が職務上知り得た事実で黙秘すべきものについて尋問を受ける場合 Ⅴ.診療情報の開示 ・診療情報の提供…(1)口頭による説明、(2)説明文書の交付、(3)診療記録の開示等具体的な状況に即した適切な方法によ り、患者等に対して診療情報を提供すること。 ・診療記録の開示…患者等の求めに応じ、診療記録を閲覧に供すること又は診療記録の写しを交付すること。 (1) 診療情報開示の理念 ① 医療における自己決定権 パターナリズムの医療から患者中心の医療へ ※エホバの証人の輸血(血液製剤)拒否の問題 ② 情報の自己コントロール権 ③ 医療の透明性の確保(質の確保) ※ 結果責任を問われない医療の特質(準委任契約) (2) 診療情報提供の方法 ① 口頭による情報提供 ⇒ 開示 ではない ② 医師が診療録の記載を整理したサマリーを患者に交付 ⇒ ③ 診療記録自体の閲覧 ④ 診療記録の閲覧に加えて謄写 開示 ではない (3) 開示する医療記録の範囲 狭義の診療録(カルテ)だけではなく、検査データ、画像、看護記録等も含めるのが今日的見解。 (4) 開示の例外 ① 情報が患者の健康状態に悪影響を与える場合 ② 第三者のプライバシーが侵害される場合、第三者の生命・身体に危険が及ぶ場合 ③ その他 診療情報の提供第 2 版(日本医師会)平成 14 年 10 月 3−8 診療記録等の開示などを拒みうる場合 a 医師および医療施設の管理者は、患者からの診療情報の提供、診療記録等の開示の申し立てが、次の事由に当たる場合 には、〔3−1〕、〔3−2〕および〔3−3〕の定めにかかわらず、診療情報の提供、診療記録等の開示の全部または一部を 拒むことができる。 (1) 対象となる診療情報の提供、診療記録等の開示が、第三者の利益を害する恐れがあるとき (2) 診療情報の提供、診療記録等の開示が、患者本人の心身の状況を著しく損なう恐れがあるとき (3) 前二号のほか、診療情報の提供、診療記録等の開示を不適当とする相当な事由が存するとき b 医師および医療施設の管理者が前項により申立の全部または一部を拒むときは、申立人に対して〔6−2〕に定める 苦情処理機関があることを教示するものとする。 (5) 開示請求権者の範囲(開示請求資格) ① 原則…開示請求権者は原則として患者本人。第三者に対する開示は患者のプライバシー侵害であり許されない。 ② 任意代理人…患者が自分の意思で委任した代理人。代理人資格を限定する必要はない。 ③ 法定代理人…禁治産者の後見人。精神保健法上の保護義務者。未成年者の親権者(患者が乳幼児であれば問題 ないが…。 ) ※英国では親に開示請求権が認められるのは、患者 16 歳未満の場合のみ。 ④ 本人が意識不明あるいは痴呆状態で開示請求権を行使する能力がなく、かつ任意代理人も法定代理人も存在し 4 日本赤十字豊田看護大学「コンピュータと医療社会」配布資料(平成 17 年 11 月 2 日) ない場合… 「患者の主たる介護者で患者の利益を代弁するのに最も適当と認められる者」。 診療情報の提供第 2 版(日本医師会)平成 14 年 10 月 3−4 診療記録等の開示を求めうる者 診療記録等の開示を求めることができる者は、原則として次のとおりとする。 (1) 患者が成人で判断能力ある場合は、患者本人 (2) 患者に法定代理人がある場合は、法定代理人。ただし、満 15 歳以上の未成年者については、疾病の内容によっては本人 のみの請求を認めることができる。 (3) 診療契約に関する代理権が付与されている任意後見人 (4) 患者本人から代理権を与えられた親族 (5) 患者が成人で判断能力に疑義がある場合は、現実に患者の世話をしている親族およびこれに準ずる縁故者 (6) 患者が死亡した場合 請求権者として「死亡した患者の相続人、遺産管理者」が挙げられるが、自己決定権や自己情報コントロール権(プラ イバシー)といった開示請求権の根拠から考えれば開示請求権は本来相続に馴染まない。 いわゆる「遺族」が、患者が亡くなった理由を知るために医療記録開示を求めるのは自然な感情であり、その自然な感 情に即した請求資格が認められる制度が望ましい。反面「遺族」の範囲は法律上決定できない。 ※ ※ 英国では「死亡にかかる損害賠償請求権を有する可能性のある者」に開示請求資格を認める。 法定相続人ではない内縁の妻なども、患者の死亡による固有の慰藉料が認められる可能性がある。 診療情報の提供第 2 版(日本医師会)平成 14 年 10 月 5−1 遺族に対する診療情報の提供 a 医師および医療施設の管理者は、患者が死亡した際には遅滞なく、遺族に対して死亡に至るまでの診療経過、死亡原 因などについての診療情報を提供する。 b 前項の診療情報の提供については、〔3−1〕、〔3−3〕、〔3−5〕、〔3−6〕、〔3−7〕および〔3−8〕の定め を準用する。 ただし、診療記録等の開示を求めることができる者は、患者の法定相続人とする。 5 日本赤十字豊田看護大学「コンピュータと医療社会」配布資料(平成 17 年 11 月 2 日) Ⅵ.個人情報保護法 (1)個人情報の保護に関する法律の概要 ・ 個人情報保護法(個人情報保護に関する法律 平成十五年法律第五十七号)。6章、59条と附則の7条から構成され、 公布は平成15年5月30日。 1 2 3 1 2 第1章 総則 目的(1 条) 高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大 → 個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護 定義(2 条) 「個人情報」…生存する個人に関する情報(識別可能情報) 「個人情報データベース等」…個人情報を含む情報の集合物(検索が可能なもの。一定のマニュアル処理情報を含む) 「個人情報取扱事業者」…個人情報データベース等を事業の用に供している者(国、地方公共団体等のほか、取り扱う個人情 報が少ない等の一定の者を除く) 「個人データ」…個人情報データベース等を構成する個人情報 「保有個人データ」…個人情報取扱事業者が開示、訂正等の権限を有する個人データ 基本理念(3 条) 個人情報は、個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべきものであり、その適正な取扱いが図られなければならない。 第2章 国及び地方公共団体の責務等 国及び地方公共団体の責務(4 条、5 条) 法制上の措置等(6 条) • 国の行政機関、独立行政法人等の保有する個人情報についての法制上の措置等 • 個人情報の性質及び利用方法にかんがみ、適正な取扱いの厳格な実施を確保する必要がある個人情報についての法制上の措置 等 第3章 個人情報の保護に関する施策等 第1節 個人情報の保護に関する基本方針(7 条) • 施策の総合的・一体的推進を図るための基本方針を国民生活審議会の意見を聴いた上で閣議決定 第2節 国の施策(8 条∼10 条) • 地方公共団体等への支援、苦情処理のための必要な措置等 第3節 地方公共団体の施策(11 条∼13 条) • 地方公共団体の保有する個人情報についての必要な措置 • 区域内の事業者及び住民への支援、苦情処理のあっせん等の必要な措置 第4節 国及び地方公共団体の協力(14 条) 第4章 個人情報取扱事業者の義務等 第1節 個人情報取扱事業者の義務 ※ 必要に応じて一定の適用除外を規定 (1) 利用目的の特定、利用目的による制限(15 条、16 条) • 個人情報を取り扱うに当たり、その利用目的をできる限り特定 • 特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えた個人情報の取扱いの原則禁止 (2) 適正な取得、取得に際しての利用目的の通知等(17 条、18 条) • 偽りその他不正の手段による個人情報の取得の禁止 • 個人情報を取得した際の利用目的の通知又は公表 • 本人から直接個人情報を取得する場合の利用目的の明示 (3) データ内容の正確性の確保(19 条) • 利用目的の達成に必要な範囲内で個人データの正確性、最新性を確保 (4) 安全管理措置、従業者・委託先の監督(20 条∼22 条) • 個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置、従業者・委託先に対する 必要かつ適切な監督 (5) 第三者提供の制限(23 条) • 本人の同意を得ない個人データの第三者提供の原則禁止 • 本人の求めに応じて第三者提供を停止することとしており、その旨その他一定の事項を通知等しているときは、第三者提供が 可能 • 委託の場合、合併等の場合、特定の者との共同利用の場合(共同利用する旨その他一定の事項を通知等している場合)は第三 者提供とみなさない (6) 公表等、開示、訂正等、利用停止等(24 条∼27 条) • 保有個人データの利用目的、開示等に必要な手続等についての公表等 • 保有個人データの本人からの求めに応じ、開示、訂正等、利用停止等 (7) 苦情の処理(31 条) • 個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理 (8) 主務大臣の関与(32 条∼35 条) • この節の規定の施行に必要な限度における報告の徴収、必要な助言 • 個人情報取扱事業者が義務規定(努力義務を除く)に違反し、個人の権利利益保護のため必要がある場合における勧告、勧告 に従わない一定の場合の命令等 • 主務大臣の権限の行使の制限(表現、学問、信教、政治活動の自由) (9) 主務大臣(36 条) • 個人情報取扱事業者が行う事業等の所管大臣。規定の円滑な実施のために必要があるときは、内閣総理大臣が指定 第2節 民間団体による個人情報の保護の推進 (1) 団体の認定(37 条)、対象事業者(41 条) • 個人情報取扱事業者の個人情報の適正な取扱いの確保を目的として、苦情の処理等を行おうとする団体の認定 • 認定団体による対象事業者(団体の構成員等)の氏名又は名称の公表 (2) 個人情報保護指針(43 条) • 認定団体による個人情報保護指針の作成・公表 (3) 主務大臣の関与(46 条∼48 条) • この節の規定の施行に必要な限度における報告の徴収 • 業務の実施の方法の改善、個人情報保護指針の変更等についての命令 • 認定基準に適合しなくなった場合、命令に従わない場合等における認定取消し 6 日本赤十字豊田看護大学「コンピュータと医療社会」配布資料(平成 17 年 11 月 2 日) (4) 主務大臣(49 条) 対象事業者が行う事業等の所管大臣。規定の円滑な実施のために必要があるときは、内閣総理大臣が指定 第5章 雑則 • 報道、著述、学術研究、宗教活動、政治活動の用に供する目的で個人情報を取り扱う報道機関、著述を業として行う者、学術 研究機関等、宗教団体、政治団体については、第4章の適用を除外(50 条 1 項) • これらの主体は、安全管理、苦情処理等のために必要な措置を自ら講じ、その内容を公表するよう努力(50 条 3 項) ※ この他、権限又は事務の委任、施行の状況の公表等について規定 第6章 罰則 • 個人情報取扱事業者が主務大臣の命令に違反した場合等における罰則 (56 条∼59 条) 附則 • 公布の日(平成 15 年 5 月 30 日)から施行。第4章から第6章までの規定は、公布後2年以内に施行 (附則 1 条) • 経過措置(附則 2 条∼6 条) • 内閣府の所掌事務等に本法施行関係の事務を追加(附則7条) • http://www.kantei.go.jp/jp/it/privacy/houseika/hourituan/030307gaiyou.html 首相官邸>>個人情報の保護に関する法律 (2)個人情報の保護に関する各種のガイドライン 1.民間事業者 事業者を所管する各省庁において、審議会の議論等を経て、21 分野について 33 のガイドラインを策定 分野 所管省庁 ガイドラインの名称 策定時期 検討の経過 一般 (1)医療・介護関係事業者における個 人情報の適切な取扱いのためのガイ ドライン(局長通達))(PDF形式: 261KB) (2)健康保険組合等における個人情報 の適切な取扱いのためのガイドライ 厚生労働 ン(局長通達)(PDF形式) 省 (3)医療情報システムの安全管理に関 するガイドライン(局長通達)(PDF 形式) (4)国民健康保険組合における個人情 報の適切な取扱いのためのガイドラ イン(局長通達)(PDF形式) 研究 (文部科学省)「科学技術・学術審議会生命倫 理・安全部会ライフサイエンス研究におけるヒ ト遺伝情報の取扱い等に関する小委員会」 (厚生労働省)「厚生科学審議会科学技術部会 (1)ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関 医学研究における個人情報の取扱いの在り方 文部科学 する倫理指針(告示) に関する専門委員会」 省 (2)疫学研究に関する倫理指針(告示) (経済産業省)「産業構造審議会化学バイオ部 厚生労働 平成 16 年 12 月 会個人遺伝情報保護小委員会」 (3)遺伝子治療臨床研究に関する指針 省 28 日 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 (告示) 経済産業 (平成 16 年 9 月 13 日) (4)臨床研究に関する倫理指針(告示) 省 ○パブリックコメント (PDF形式) (1)について 平成 16 年 10 月 22 日∼11 月 19 日 (2)∼(4)について 平成 16 年 10 月 29 日∼11 月 19 日 医療 平成 16 年 12 月 ○「医療機関等における個人情報保護のあり方 24 日 に関する検討会 平成 16 年 12 月 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 (平成 16 年 9 月 13 日) 27 日 ○パブリックコメント (1)について 平成 16 年 10 月 29 日∼11 月 30 平成 17 年 3 月 日 31 日 (2)について 平成 16 年 12 月 9 日∼12 月 22 日 平成 17 年 4 月 (3)について 平成 17 年 3 月 1 日∼3 月 14 日 1日 ○「金融審議会金融分科会特別部会」 平成 16 年 12 月 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 (1)金融分野における個人情報保護に (平成 16 年 9 月 13 日) 6日 関するガイドライン(告示) ○パブリックコメント (2)金融分野における個人情報保護に (1)について 平成 16 年 10 月 1 日∼10 月 29 関するガイドラインの安全 管理 平成 17 年 1 月 日 措置等についての実務指針(告示) 6日 (2)について 平成 16 年 11 月 19 日∼12 月 3 日 金融 金融庁 信用 ○「産業構造審議会割賦販売分科会個人信用情 報小委員会」 経済産業分野のうち信用分野におけ 平成 16 年 12 月 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 経済産業 る個人情報保護ガイドライン(告示) 17 日 省 (平成 16 年 9 月 13 日) (PDF形式:712KB) ○パブリックコメント 平成 16 年 10 月 1 日∼ 10 月 29 日 金融・信用 7 日本赤十字豊田看護大学「コンピュータと医療社会」配布資料(平成 17 年 11 月 2 日) 電気通 総務省 信 ○「電気通信事業分野におけるプライバシー情 報に関する懇談会」 電気通信事業における個人情報保護 平成 16 年 8 月 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 に関するガイドライン(告示)(PDF 31 日 (平成 16 年 7 月 23 日) 形式) ○パブリックコメント 平成 16 年 6 月 28 日∼ 7 月 27 日 情報通信 ○「放送分野における個人情報保護及びIT時 代の衛星放送に関する検討会 放送 一般 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 (平成 16 年 7 月 23 日) 雇用管理に関する個人情報の適正な 平成 16 年 7 月 ○パブリックコメント 平成 16 年 6 月 15 日∼ 取扱いを確保するために事業者が講 6 月 29 日 1日 ずべき措置に関する指針(告示)(PDF 厚生労働 形式) ○「労働者の健康情報の保護に関する検討会」 省 雇用管理に関する個人情報のうち健 平成 16 年 10 月 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 康情報を取り扱うに当たっての留意 29 日 (平成 16 年 10 月 25 日) 事項について(局長通達)(PDF形式) ○パブリックコメント 平成 16 年 10 月 15 日 ∼10 月 28 日" 船員 船員の雇用管理に関する個人情報の 国 土 交 通 適正な取扱いを確保するために事業 平成 16 年 9 月 ○パブリックコメント 者が講ずべき措置に関する指針(告 29 日 省 8 月 23 日 示)(PDF形式) 雇用管理 法務 放送受信者等の個人情報の保護に関 平成 16 年 8 月 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 する指針(告示)(PDF形式) 31 日 (平成 16 年 7 月 23 日) ○パブリックコメント 平成 16 年 7 月 2 日∼7 月 30 日 ○「ガイドライン検討委員会」 個人情報の保護に関する法律につい ての経済産業分野を対象とするガイ 平成 16 年 10 月 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 (平成 16 年 7 月 23 日) ドライン(告示)(PDF形式:728KB) 22 日 経済産業 ○パブリックコメント 平成 16 年 6 月 15 日∼ 経済産業分野のうち個人遺伝情報を 省 7 月 14 日 用いた事業分野における個人情報保 平成 16 年 12 月 ○パブリックコメント 平成 16 年 10 月 25 日 護ガイドライン(告示)(PDF形式: 17 日 ∼11 月 19 日 191KB) 事業全般 警察 総務省 警察庁 法務省 国家公安委員会が所管する事業を行 う者等が講ずべき個人情報の保護の ための措置に関する指針(告示)(PDF 形式) 警察共済組合が講ずべき個人情報の 保護のための措置に関する指針につ いて(局長通達) 平成 16 年 8 月 10 日∼ 平成 16 年 10 月 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 (平成 16 年 10 月 25 日) 29 日 ○パブリックコメント 平成 16 年 9 月 17 日∼ 10 月 7 日 平成 17 年 3 月 29 日 ○部内において検討 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 法務省が所管する分野における事業 平成 16 年 10 月 (平成 16 年 10 月 25 日) 者等が取り扱う個人情報の保護に関 29 日 ○パブリックコメント 平成 16 年 9 月 29 日∼ するガイドライン(告示)(PDF形式) 10 月 20 日 債権管理回収業分野における個人情 平成 16 年 12 月 報の保護に関するガイドライン(課長 16 日 ○パブリックコメント 通知) 11 月 30 日 平成 16 年 11 月 9 日∼ 外務省 外務省が所管する事業を行う事業者 平成 17 年 3 月 ○パブリックコメント 等が取り扱う個人情報の保護に関す 25 日 月 21 日 るガイドライン(告示) 財務 財務省 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 財務省所管分野における事業者に対 平成 16 年 11 月 (平成 16 年 9 月 13 日) する個人情報の保護に関する指針(告 25 日 ○パブリックコメント 平成 16 年 9 月 30 日∼ 示)(PDF形式) 10 月 29 日 教育 学校における生徒等に関する個人情 文 部 科 学 報の適正な取扱いを確保するために 平成 16 年 11 月 省 事業者が講ずべき措置に関する指針 11 日 (告示)(PDF形式) 福祉 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 福祉関係事業者における個人情報の 平成 16 年 11 月 (平成 16 年 10 月 25 日) 厚生労働 適正な取扱いのためのガイドライン 30 日 省 ○パブリックコメント 平成 16 年 9 月 30 日∼ (局長通達)(PDF形式) 10 月 15 日 外務 8 平成 17 年 3 月 1 日∼3 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 (平成 16 年 10 月 25 日) ○パブリックコメント 平成 16 年 10 月 25 日 ∼11 月 4 日 日本赤十字豊田看護大学「コンピュータと医療社会」配布資料(平成 17 年 11 月 2 日) 職業紹介等 職業紹介事業者、労働者の募集を行う 者、募集受託者、労働者供給事業者等 が均等待遇、労働条件等の明示、求職 平成 16 年 11 月 厚生労働 者等の個人情報の取扱い、職業紹介事 4日 省 業者の責務、募集内容の的確な表示等 に関して適切に対処するための指針 (告示)(PDF形式) 労働者派遣 ○「労働政策審議会労働力需給制度部会」 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 厚 生 労 働 派遣元事業主が講ずべき措置に関す 平成 16 年 11 月 (平成 16 年 10 月 25 日) る指針(告示)(PDF形式) 4日 省 ○パブリックコメント 平成 16 年 10 月 1 日∼ 10 月 22 日 労働組合 個人情報の適正な取扱いを確保する 平成 17 年 3 月 ○パブリックコメント 厚生労働 ために労働組合が講ずべき措置に関 25 日 月 14 日 省 する指針(告示) 企業年金 厚 生 労 働 企業年金等に関する個人情報の取扱 平成 16 年 10 月 ○部内において検討 いについて(局長通達) 1日 省 国土交通 ○「国土交通省情報化政策委員会」 平成 16 年 12 月 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 国土交通省所管分野における個人情 (平成 16 年 10 月 25 日) 2日 報保護に関するガイドライン(告示) 国土交通 ○パブリックコメント 平成 16 年 9 月 21 日∼ (PDF形式) 省 10 月 20 日 不動産流通業における個人情報保護 平成 17 年 1 月 法の適用の考え方(課長通知) 14 日 ○「不動産業における個人情報保護のあり方に 関する研究会」 農林水産 ○「農林水産省個人情報安全管理連絡会議」 個人情報の適正な取扱いを確保する ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 農 林 水 産 ために農林水産分野における事業者 平成 16 年 11 月 (平成 16 年 10 月 25 日) が講ずべき措置に関するガイドライ 9 日 省 ○パブリックコメント 平成 16 年 9 月 3 日∼9 ン(告示)(PDF形式) 月 30 日 ○「労働政策審議会労働力需給制度部会」 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告 (平成 16 年 10 月 25 日) ○パブリックコメント 平成 16 年 10 月 1 日∼ 10 月 22 日 平成 17 年 3 月 1 日∼3 合計 21 分野 2.行政機関 総務省において、各行政機関及び独立行政法人等の安全確保措置についてのガイドラインを策定 分野 所管省庁 ガイドラインの名称 策定時期 検討の経過 行政機関 総務省 行政機関の保有する個人情報の適切 平成 16 年 9 月 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告(平 な管理のための措置に関する指針 14 日 成 16 年 10 月 25 日) (局長通知) 独立行政法人 総務省 独立行政法人等の保有する個人情報 平成 16 年 9 月 ○国民生活審議会個人情報保護部会への報告(平 の適切な管理のための措置に関する 14 日 成 16 年 10 月 25 日) 指針(局長通知) 平成 17 年 6 月 30 日 国民生活局(http://www5.cao.go.jp/seikatsu/kojin/gaidorainkentou.html)2005 年 10 月 30 日 9 日本赤十字豊田看護大学「コンピュータと医療社会」配布資料(平成 17 年 11 月 2 日) Ⅶ.医療情報の電子化 (1)「診療録等の電子媒体による保存について」(平成11年4月22日 厚労省健政発) http://www.cmif.gr.jp/guideline.html ・紙に代る媒体として、医療情報の電子保存が認められる。 ・3つの要件 ① 真正性…正当な人が記録し確認された情報に関し第三者から見て作成の責任と所在が明確であり、かつ、故意 又は過失による、虚偽入力、書き換え、消去、及び混同が防止されていること。 ② 見読性…電子媒体に保存された内容を必要に応じて肉眼で見読可能な状態に容易にできること。 ③ 保存性…記録された情報が、法令等で定められた期間にわたって、真正性を保ち、見読可能にできる状態で保 存されること。 (2)「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン最終提言」(平成13年12月26日厚生労働省) http://www.mhlw.go.jp/shingi/0112/s1226-1.html ・医療情報システム構築のための達成目標の設定 ① 電子カルテ…平成16年度までに、全国の二次医療圏毎に少なくとも一施設は電子カルテシステムの普及を図 る。平成18年度までに、全国の400床以上の病院の6割以上に普及、全診療所の6割以上に普及させる。 ② レセプト電算処理システム…平成16年度までに、全国の病院レセプトの5割以上に普及。平成18年度まで に、全国の病院レセプトの7割以上に普及させる。 Ⅷ.診療情報開示の現状 (1)実態調査より 平成 14 年度診療情報提供の事例調査委員会(厚労省委託) 1.郵送調査…全国全病院(9 千数百病院)単純無作為抽出された 3,000 病院(実効発送数 2,919 件)に宛て、平成 14 年 12 月上旬往復ハガキアンケートを送付。回収されたハガキアンケート数は 1,068 通(粗回答率 36.4%)、有効回 答数は 1,052 通(有効回答率 35.8%)であった。 2.電話調査…全国全病院から 328 病院を単純無作為抽出し(但し実効調査対象 300 件)、事前に協力依頼文と調査票(質 問項目一覧)を送付したのち、平成 14 年 12 月9日∼平成 15 年 3 月 10 日にかけて電話調査を実施。 診療情報の提供体制 要望が 原則非開 合計 全患者に 全患者に 要望が その他 無回答/無 回答拒否 /非返送 開示(注 代替文書 あった場 あった場 示(注5) 記入 (注2) 合に開示 合に代替 1) 文書(注 (注3) 4) 電話調査 5 13 170 38 36 2 1 35 300 N= 300 (調査拒否含む) 1.7% 4.3% 56.7% 12.7% 12.0% 0.7% 0.3% 11.7% 100.0% 郵送調査 50 69 617 153 143 0 20 1,867 2,919 N= 2919 (非返送含む) 1.7% 2.4% 21.1% 5.2% 4.9% 0.0% 0.7% 64.0% 100.0% 【問1】 貴院では、患者様に対する診療情報の提供はどのようにしておられますか。 注1) 全ての患者様にカルテを見せたりそのコピーを渡したりしている。 注2) (カルテは開示しないが)全ての患者様に、カルテに代わる文書(症状の説明書、投薬の説明書、検査結果など)を渡している。 注3) 特に要望があった場合に、カルテを見せたりそのコピーを渡したりしている。 注4) 特に要望があった場合に、(カルテは開示しないが)カルテに代わる文書を渡している。 注5) 原則としてカルテ等文書類の開示・提供は行っていない。 10 日本赤十字豊田看護大学「コンピュータと医療社会」配布資料(平成 17 年 11 月 2 日) 患者本人からカルテ開示請求があった場合の対応 その他 1.原則的 2.主治医 3.委員会 4.病院長 5.原則的 に開示。 の判断に 等に判断 など上部 に非開 示。 委ねる。 を委ねる。 管理者に 判断を委 ねる。 無回答/無 回答拒否 /非返送 記入 合計 電話調査 63 53 42 81 14 11 1 35 300 N= 300 (調査拒否含む) 21.0% 17.7% 14.0% 27.0% 4.7% 3.7% 0.3% 11.7% 100.0% 郵送調査 382 205 160 255 39 0 11 1,867 2,919 N= 2919 (非返送含む) 13.1% 7.0% 5.5% 8.7% 1.3% 0.0% 0.4% 64.0% 100.0% 【問2】 貴院では、患者様本人からカルテ実物の開示請求があった場合、どのように対応していますか(対応するつもりですか)。 患者遺族からカルテ開示請求があった場合の対応 その他 1.原則的 2.主治医 3.委員会 4.病院長 5.原則的 に開示。 の判断に 等に判断 など上部 に非開 示。 委ねる。 を委ねる。 管理者に 判断を委 ねる。 無回答/無 回答拒否 /非返送 記入 合計 電話調査 48 44 44 95 22 10 2 35 300 N= 300 (調査拒否含む) 16.0% 14.7% 14.7% 31.7% 7.3% 3.3% 0.7% 11.7% 100.0% 郵送調査 334 159 175 301 73 0 10 1,867 2,919 N= 2919 (非返送含む) 11.4% 5.4% 6.0% 10.3% 2.5% 0.0% 0.3% 64.0% 100.0% 【問3】 貴院では、患者様のご遺族からカルテ実物の開示請求があった場合、どのように対応していますか(対応するつもりですか)] 1.ある。 診療情報提供に関する規約の有無 その他 4.ない 2.ない 3.作成 中。 (作成予 が、外部 定もな の規約 し)。 (医師会 ガイドライ ンなど)に 準拠。 電話調査 91 82 22 68 N= 300 (調査拒否含む) 30.3% 27.3% 7.3% 22.7% 郵送調査 369 399 79 194 N= 2919 (非返送含む) 12.6% 13.7% 2.7% 6.6% 【問4】 貴院では、カルテ開示など診療情報提供に関する規約はありますか? 無回答/無 回答拒否 /非返送 記入 0 0.0% 0 0.0% 2 0.7% 11 0.4% 35 11.7% 1,867 64.0% 合計 300 100.0% 2,919 100.0% 開示実績(平成14年1月1日から現在までの開示請求件数) 0件 1件 2件 3件 4件 5∼9件 電話調査 181 28 16 14 3 N= 300 (調査拒否含む) 60.3% 9.3% 5.3% 4.7% 1.0% 郵送調査 572 121 84 40 24 N= 2919 (非返送含む) 19.6% 4.1% 2.9% 1.4% 0.8% 【問5】 平成14年1月1日から現在までにおける開示実績(開示請求件数)をお教え下さい。 8 2.7% 49 1.7% 10∼19件 20件以上 7 2.3% 26 0.9% 2 0.7% 8 0.3% その他 0.0% 1 0.0% 無回答/無 回答拒否 /非返送 記入 6 2.0% 127 4.4% 35 11.7% 1,867 64.0% 総計 300 100.0% 2,919 100.0% 開示実績(平成14年1月1日から現在までの開示実施件数) 0件 1件 2件 3件 4件 5∼9件 電話調査 182 27 15 16 2 N= 300 (調査拒否含む) 60.7% 9.0% 5.0% 5.3% 0.7% 郵送調査 503 116 72 36 17 N= 2919 (非返送含む) 17.2% 4.0% 2.5% 1.2% 0.6% 【問5】 平成14年1月1日から現在までにおける開示実績(開示実施件数)をお教え下さい。 11 7 2.3% 44 1.5% 10∼19件 20件以上 6 2.0% 23 0.8% 2 0.7% 6 0.2% その他 0 0.0% 1 0.0% 無回答/無 回答拒否 /非返送 記入 8 2.7% 234 8.0% 35 11.7% 1,867 64.0% 総計 300 100.0% 2,919 100.0% 日本赤十字豊田看護大学「コンピュータと医療社会」配布資料(平成 17 年 11 月 2 日) (2)開示事例調査より 平成 12 年度診療情報提供の事例調査委員会 診療情報提供(カルテ開示等)に先駆的な医療機関 42 施設を選抜し、カルテ等診療情報提供に関する経験事例の報告 を求めた(平成 13 年1月 23 日)。 計 71 事例の回答あり。うちカルテ開示に当たらない事例を除いた 60 事例を検討。 【浮かび上がった問題点】 1.医療不信に起因するカルテ開示請求…最多事例は「(1) 医療不信・診療内容の確認」 (20 件、33%)。さらに進んで (拗れて)医療者側を被告とした訴訟に発展した2例(「(2) 医療訴訟」)を含めると合計 22 例(37%)。 ・開示請求行動のパターン…①「証拠保全・証拠入手」型、②「抗議行動・威嚇行動」型のカルテ開示請求行動。 ・これらの事例は、現在のわが国における一般的な開示規約の上では、開示を拒否しうる(拒否することが可能な) 事例。 2.カルテ開示黎明期ゆえに起こるトラブル…古いカルテの開示が求められ十分な対応ができなかった事例、カルテ開示 手続きがうまく行えずに患者側との行き違いが発生した事例、開示実施に伴う医療施設側の労力負担・時間負担が大 きすぎるという事例、そもそもカルテ開示手続きの煩雑さ(患者側にとっての敷居の高さ)も黎明期ゆえの問題。 3.開示請求権の所在…親族への開示は可か不可か、そしてその 親族 の定義(範囲)とは…。遺族への開示、しかも その遺族間に軋轢や対立がある場合にはどのように開示判断を下すのか。内縁関係にある妻(あるいは夫)への開示 は…。患児のカルテ開示を求めてきたのが、たしかに実の親ではあるが、親権も養育権も持たない親であったなら…。 4.開示の可否、開示の範囲…患者本人にカルテの記載情報を開示することの可否、もしくは開示される情報の範囲に関 するもの。 Ⅸ.カルテ開示にまつわる議論 (1) ① 終わった議論 カルテは誰のものか? ⇒カルテの情報は患者自身のもの。患者は費用を負担してその保管を医療機関に委託 している。 ② カルテ開示を行うべきか否か。⇒ 個人情報保護法(平成 15 年 5 月 23 日)により個人情報保有 5000 件以上の 施設は適用範囲内。 世界医師会 改定リスボン宣言(1995 年)…日本医師会は唯一棄権 (1)患者は良質な医療を受ける権利を有する。 (2)患者は自由に医師や医療機関を選択、または変更する権利を有する。 (3)患者は十分な説明を受け納得(インフォームドコンセント)した後に治療を受けるか、または拒否する権利を有する。 (4)患者は自分に関する医学的および個人的情報の提供を受ける権利を有する。 (5)患者の医学的個人的情報は、たとえ死後であってもその秘密が保護される権利を有する。 (6)患者は人間らしい末期医療を受けかつ尊厳をもって死を迎える権利を有する。 (7)患者は聖職者の助けを含む精神的道徳的慰めを受けるか、断る権利を有する。 ③ 医療提供者-患者の信頼関係に基づかない開示請求は拒否できるか。⇒ 大阪府枚方市民病院、平成 15 年 4 月よ り (2) ① 無条件 全面開示に踏み切る。 未解決の問題 家族・親族、遺族への開示の問題 ⇒.厚労省カルテ開示指針(平成15年9月12日)には、訴訟前提の開示 請求に関する記述なし。 ② 開示にまつわる労力、コストの問題(コストをいかに平準化するか) 12
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