-1- 平成27年度 第1回 千代田区景観まちづくり審議会 会議録 日 時

平成27年度 第1回 千代田区景観まちづくり審議会 会議録
日
時:平成27年7月16日(木)午前10時00分~午後0時02分
会
場:千代田区役所8階 第1委員会室
出席委員:西村幸夫(会長) 大江新(副会長) 鈴木伸治 中津秀之 池邊このみ
伊藤香織 飛島雄史 亀井尚志 後藤久美子 清水由美子 岩崎與士
戸田光栄 飯島和子 小林たかや 嶋崎秀彦 たかざわ秀行
(敬称略)
出席区職員:印出井環境まちづくり総務課長 小川景観・都市計画課長
峰岸主査 小川主事
配付資料:平成27度 第1回 景観まちづくり審議会 次第
第9期千代田区景観まちづくり審議会委員名簿
座席表
大手町一丁目2地区 事業資料
平成26年度 景観事前協議・届出の状況について
1.開会
【小川景観・都市計画課長】
定刻になりましたので、ただいまより平成27年度第1回千代田区景観まちづくり審議
会を開催させていただきます。
本日、中津委員が遅れて出席との連絡を受けております。
開催に先立ちまして、本年4月に組織改正があり、部名がまちづくり推進部から環境ま
ちづくり部に変更になりました。また、環境まちづくり部長に細越、新設のまちづくり担
当部長に坂田が着任しております。なお、本日、他の公務のため、大変申し訳ありません
が両部長とも欠席ですが、今後ともよろしくお願いいたします。
それから、環境まちづくり総務課長の印出井です。
【印出井環境まちづくり総務課長】
環境まちづくり総務課長の印出井です。よろしくお願いいたします。
【小川景観・都市計画課長】
続きまして、4月の区議会議員選挙に伴い、新しく審議会委員になられた方のご紹介を
いたします。
50音順ですが、飯島和子委員。
【飯島委員】
飯島です。引き続いてよろしくお願いいたします。
【小川景観・都市計画課長】
小林たかや委員。
【小林委員】
小林たかやです。よろしくお願いします。
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【小川景観・都市計画課長】
嶋崎秀彦委員。
【嶋崎委員】
嶋崎です。どうぞよろしくお願いします。
【小川景観・都市計画課長】
たかざわ秀行委員。
【たかざわ委員】
たかざわ秀行です。よろしくお願いいたします。
【小川景観・都市計画課長】
委嘱状は席上配付とさせていただきます。今期よろしくお願いいたします。
本日の出席の状況ですが、定数16名中15名のご出席で、定数の過半数に達しており
ますので、千代田区景観まちづくり条例施行規則19条第3項により、本審議会は成立し
ております。
続きまして、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。
まず、A4の審議会の次第があります。
次に、第9期景観まちづくり審議会の委員名簿。
続いて、本日の座席表、A4縦1枚のものがあります。
続いて、本日の議案、大手町一丁目2地区の資料があります。
最後に、平成26年度景観事前協議の届出状況という資料があります。
以上ですが、不足等ありましたら、事務局がお持ちします。
本日、傍聴の方がお見えになっております。傍聴の方にお願いですが、配付資料につき
ましては持ち出しをお断りしてございます。審議会終了後は席の上に置いてお帰りいただ
くようよろしくお願いいたします。
それでは、これからの進行は西村会長にお願いいたします。よろしくお願いします。
2.審議事項
(1)大手町一丁目2地区
(三井物産本社ビル、大手町一丁目三井ビル ほか)
※事業者入室
【西村会長】
おはようございます。よろしくお願いします。
平成27年度第1回景観まちづくり審議会を始めたいと思います。
傍聴者の方にお伝えしたいと思います。この景観まちづくり審議会は、傍聴者の皆さん
にも意見表明の機会を与えるという非常にユニークな仕組みをとっております。お席に用
意してあります用紙に、各審議案件の終了時までに意見の要旨をまとめていただき、事務
局に提出していただければ、内容により私が要旨を読み上げますので、よろしくお願いし
たいと思います。
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なお、
本日の審議会は11時半終了を目途としておりますので、
よろしくお願いします。
それでは、審議事項に入ります。
審議事項は1件、大手町一丁目2地区で、大手町の三井物産本社の建て替え計画につい
てです。事業者の皆様、20分程度でご説明をよろしくお願いします。
【事業者(日建設計)】
よろしくお願いいたします。
説明は日建設計よりご説明いたしますが、まず事業者のご挨拶をさせていただきます。
【事業者(三井物産)】
三井物産です。本日はよろしくお願いいたします。
【事業者(三井不動産)】
三井不動産です。本日はよろしくお願いいたします。
【事業者(日建設計)】
それでは、説明に入らせていただきます。
お手元の本編でご説明をいたします。
まず1ページ目、今回の開発の概要です。大手町一丁目2地区は、左下の平面図にあり
ますとおり、西側に皇居と大手濠、東側は日比谷通り、南北は区道に囲まれた敷地であり、
敷地面積2万㎡を超える大規模な開発です。
主要用途は、
事務所をメインに低層部に店舗、
文化・交流施設、高層部に宿泊施設という構成です。容積率は1450%で、延べ面積約
36万㎡の大規模な開発です。
右側は、計画図及びパースです。内堀通り側にA棟、右側、日比谷通り沿いにB棟です
が、低層部がつながっておりますので、建築基準法上は1棟の建物です。
2ページ目、現況です。特徴的な部分のみご説明させていただきますが、10番目の写
真は、
いわゆるカルガモ池とその周辺の広場で、
三井物産本社の前に広場を構えています。
あとは12番、将門塚が敷地に隣接しておりますので、そういった条件を踏まえながら計
画を進めてまいります。
3ページ目が、今回の開発の地域貢献を含めた概要です。特徴を4点掲げております。
まず1点目、皇居前面の大規模広場空間は、現状あるカルガモ池、カルガモ広場を踏襲し
ながら大規模な広場空間をつくっていきます。
また2点目、ネットワークからの視点ですが、地下鉄の大手町駅から直接つながる立地
ですので、ここをネットワークとして地下から地上へつないでいく開発を進めてまいりた
いと思います。
特徴の3番目、都市機能の導入ですが、主に周辺で進んでいますMICE機能の充実化
を支援していく中で、先ほど申し上げた社交・交流の視点、並びに宿泊機能などを導入し
たいと思っております。
最後に、重要な防災対応力という視点におきましては、先ほど申し上げたカルガモ広場
の下に、周辺の地域冷暖房のセンタープラントがあります。こういった熱源施設を改修・
改善しながら一体的に開発を進めていくために、大手町エリア地域冷暖房センタープラン
トの更新によるBCPの強化を今回の開発では実現したいと思っております。
4ページ目、今回の景観形成に関する方針をまとめております。上位計画においては、
今回特定都市再生緊急整備地域の中における特区という制度を活用した開発です。景観の
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視点では、景観形成マスタープラン、美観地区ガイドプランなどを踏まえ、さらには大丸
有まちづくりガイドラインを踏襲しながら開発を進めるにあたり、右側に大きく遠景、中
景、近景についてそれぞれまとめております。説明は次ページ以降でご説明いたします。
5ページ目です。まず一番上の青い帯、遠景ですが、周辺地域と調和したスカイライン
の形成を非常に重要視しております。皇居から大手町拠点へ緩やかにつながる、周辺建物
との調和に配慮したスカイラインの形成。左下の周辺状況につきましては、大手町拠点の
周辺として、まとまりのある一体的なスカイラインの形成、すり鉢状のスカイラインを体
現していきます。ですので、先ほど申し上げたA棟とB棟の関係性で言いますと、A棟は
総体的に低くB棟を高くという関係性の中でスカイラインを形成したいと。A棟は160
m、B棟は200mというシルエットをつくりたいと思っております。
右上は、皇居から見た正面方向、南北方向ですが、こちら側はパノラマ的な景観という
キーワードがあります。A棟、B棟で大手町拠点の拠点性を表象しながら、群としての調
和を目指し、パノラマ的な景観形成に配慮していくという視点です。
6ページ目、スカイラインの方針②ですが、濠端100m程度の街並みを尊重し、皇居
に面して十分な建物の引きを確保し、
エリア最大級の広場空間を整備するという視点です。
ガイドラインにも書かれておりますとおり、濠端100m、高さは約150mの街並みを
つくっていく中で、位置づけ・周辺現況の2点目。皇居内濠に面したエリアの考え方を重
要視しております。デザイン方針としましては、濠端100m程度の街並みとの調和、周
辺の100mのところについては、街並みを尊重しながら大規模な広場空間をつくること
で、低層部の開放性を実現したいと考えております。
A棟は、
主に北側の日経ビルと同様の位置にありますので、
同様に160m程度の高さ、
日比谷通り側については大手町拠点の一部を担う200mの高さと、大きく3段階の高さ
設定によって開発を進めたいと思っております。
7ページ目です。通りの軸性と周辺建物との隣棟間隔ですが、明治期以降形成されてい
る日比谷通りの軸に配慮した建物の配置を踏襲しております。デザイン方針の左下の図に
ありますとおり、見付側の隣棟間隔に配慮しながら永代通り、補助158号線、区道10
2号線については、40mから50m程度の隣棟間隔をとりながら開発としては見付幅を
調整したいと考えております。
8ページ目、内掘通り側の高層棟の遠景の見え方の視点です。皇居に面した内堀通り側
の圧迫感の軽減及び周辺との調和に配慮した高層部ファサードデザインで、周辺の進んで
いる開発の中でも、高層部と低層部の機能の切り替え部分での外装デザインの切り替えが
踏襲されていると。並びに内掘通りに面しては、横基調とした造形があると認識しており
ます。デザイン方針としては、ボリュームの分節、A棟側につきましては、一つ目の視点
です。約60m程度の見付幅を踏襲していくと。現況、三井物産のビルは横方向に結構広
いビルですが、今回、周辺に隣棟間隔をとっていくところで、見付幅を調整し、短くする
ことで配慮したいと思っております。また、A棟側、内堀通り側から見たときのデザイン
の切り替えにつきましても、低層部に入れていく予定のホール部分で切り替えることで、
水平方向の分節の切り替えを図りたいと思っております。
造形・色彩につきましては、現状右上のパース、これが計画パースですが、水平方向の
フィンによる細かいラインの構成を実現しながら、アウトフレームの柱の構造部材を見せ
ることで彫の深い陰影のある繊細なデザインを実現したいと思っております。
素材については、和を基調としたデザインとしたいという中で、石などの自然素材を使
用し、温かみのある落ちついた色調の建物にするデザイン方針です。
B棟は、どちらかというと縦ルーバーの外装と上方向に抜けていくような解放感のある
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デザインを目指したいと思っております。また、B棟の頂部にあるホテル部分は、右上の
パースのとおり、南側部分をセットバックすることでボリュームを抑える方針です。
9ページ目、日比谷通り側からの見え方ですが、内掘通り側からと同様に、デザインの
切り替えをします。並びに周辺については、やはり高質な外装デザイン、開放性のある外
装デザインという中で、色味としては少し採度の低く、明度の高い空間形成がなされてい
るのではないかと思っております。
ボリュームの分節については、高層部のオフィスと低層部のエントランスの部分、こち
ら側の切り替えで水平方向の分節を図っております。
造形と色彩は、1点目ですが、ガラスを基調としながら縦フィンを入れることで垂直方
向を意識した外装で、A棟を横基調にしながらB棟については縦基調にしていくデザイン
方針を持っているところです。
色味並びに素材については、都市的な景観形成というところで、軽やかで開放性のある
デザインを実現したいと思っております。
中景に入ります。10ページ目です。
方針①ですね。通りごとの特性に配慮し、街並みの調和と沿道の交流・賑わいのにじみ
出しを意識した中低層のファサードデザインを計画しております。
まず、内掘通り側ですが、デザインの切り替えの中で、周辺と調和していくという大き
なコンセプトを持っております。デザイン方針ですが、首都の風格にふさわしい社交・交
流という賑わいを建物と広場が一体となって創出していくことで、内堀通り側には先ほど
の大規模な広場空間が整備されますので、そこと調和したデザインを目指したいと。
造形・色彩の1点目ですが、大規模な広場による広がりと一体となった建物低層部の開
放的な設えを実現したいと考えております。並びに皇居の水と緑との調和を一連の景観形
成として実現したいと思っております。
先ほど申し上げた低層部に入れる社交・交流のホールですが、左下のパースにあります
とおり、少し開放性のある交流空間ができてまいりますので、低層部の緑と開放性が一体
となって内堀通り側の景観を形成していくとことを目指しております。
次に、11ページ目、日比谷通り側の考え方です。
日比谷通り側は、左上の日比谷通り東立面とありますとおり、周辺でも20mから30
m部分でデザインの切り替えがなされておりますので、人の目線からの見え方を考えたヒ
ューマンスケールな低層部づくりです。左下のデザイン方針にありますが、先ほどの高層
部分と低層部分で切り替わる高さの分節を実現することで、建物側としてはオフィスとバ
ンケットの部分ですので、低層部のオフィスとバンケットと高層部のオフィスの切り替え
をデザインします。
低層部については、造形・色彩の1点目ですが、2層吹き抜けのエントランス空間、少
し開放的な空間を持ち上げるところと、ここの設えについては、こちら側は機械室が出て
くるのですが、外装部分ではヒューマンスケールなデザインを踏まえながら、一部ガラス
の斜めのフィンなどを入れて、少し人の目線を受けられるようなデザインを実現します。
また非常に重要な照明の計画についても、足元の景観形成ですね。夜間景観に配慮でき
るような計画にしたいと思っております。左下のパースが夜景です。一部光らせながら低
層部を受けていくという形です。
南北方向の中景です。補助158号線という敷地の南側の区道側からの見え方が、左側
です。位置づけ・周辺状況の中では、1点目、沿道に対して人の動線のにじみ出し。特に
読売新聞や隣の大手町1-1計画が低層部の人の賑わいのにじみ出しを実現されています
ので、踏襲していく。また、結節空間の設えとして、ガラス面と柱で人の視線が抜けられ
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る、内側のアクティビティを表出できるような関係性をつくりたいと思っております。
デザイン方針としては、交差点部分というのが非常に重要だと思っておりまして、その
部分は読売新聞、大手町1-1計画と連携したデザインの分節、並びに大手町拠点の一部
を担いますので、そこのアトリウム空間については透明性の高いガラス、最後の部分、皇
居へ抜けていく視線に配慮して、一体感のある景観をつくるというデザインの方式です。
13ページ目、今度は北側の区道102号線側です。やはり向かい合っている大手町第
1次連鎖型再開発における国際カンファレンスセンターとの調和を重要視しております。
右側、デザイン方針にありますが、1点目ですね。国際カンファレンスセンターで実現さ
れている迎賓空間としての顔づくりを向かい合った側でも実現するために、国際級グレー
ドを予定しているホテル、あるいは各国の大使等VIPの往訪等に対応した車寄せ空間を
つくることで迎賓環境としての品格の向上を図りたいと。また、植栽計画は、こちら側に
緑量のある並木空間をつくり迎賓空間にふさわしい景観をつくりたいと考えております。
14ページ目、中景の方針②です。皇居の水・緑との視覚的な連続性の演出にも配慮し
た、街なかへの緑の引込みの演出は、左側の平面図にありますけれども、今回の敷地の南
側、
この軸が大丸有まちづくりガイドラインにおける緑のネットワークを担っております。
この緑のネットワークを開発の中でも実現していくという方針です。前面に構える西側の
大規模な広場空間から将門塚を介して日比谷通りにつながっていくこの軸について、一体
的な空間形成、景観形成を図ります。植栽計画を使いながら豊かに彩っていくことで街な
かに緑を引き込みたいというデザイン方針です。
15ページ目、方針③です。日本の景観資源である希少な皇居の水・緑を一望できる眺
望空間等、希少な立地を生かしながら、社交・交流の場というのをつくりたいと思ってお
ります。皇居の風格ある豊かな水・緑を眺められる希少な立地、これを生かして日本を代
表する眺望を借景とした多様な交流・アクティビティの場を形成します。この位置につき
ましては、下のパースにありますとおり、多目的ホールの内側から外を眺められるような
設えを生かしながらデザインについては検討したいと思っております。
最後に近景です。
16ページ目の方針①ですが、
皇居や街路樹との緑の連続性に配慮し、
都心のアクティビティの映える、街なかの緑空間を大規模な広場空間の西側に整備します
が、眺めるだけの緑というよりは、人のアクティビティの入る緑をつくるため、動のラン
ドスケープデザインに配慮したいと思っております。今回、右側の配置図にありますとお
り、どちらかというと量のある緑空間を周辺部に構えながら、内側は人を引き込んで、人
のアクティビティが表出されるような空間の関係性をつくりたいと思っております。並び
に左下、隣接する将門塚との連携も大事と認識しております。今回、将門塚の保存会様、
あるいは神田明神様とも協議を進めておりまして、少し人に開けた、地域に開けた将門塚
をつくっていこうではないかという方針で、一定の開放性をつくることがキーワードとな
っております。当然これまでの歴史的な経緯を踏まえながら、新しいデザインを目指した
いと考えております。ある程度視線の通る低い塀、あるいは水景で緩やかに区画をしなが
ら、塚の聖域性を創出しながらも連続性の確保と、今回の新しい将門塚のつくり方を今検
討しているところです。
17ページ目、18ページ目が広場のデザイン、そのものについてですが、まず、先ほ
ど申し上げたとおり、前面が皇居を構える広場ですので、皇居の自然との連携、あるいは
水景を中に取り込むと。内側については、向かって下側から伸びている赤い線、これが人
の動線の導入口にますので、ここに周辺の就業者、あるいは来街者が集い、交流する空間
に相応しい広がりのある広場をつくりたいと。内側に入っていったところには交流、賑わ
いの場となるカフェ、レストランなど一体的な利用を実現したいと思っております。
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18ページ目に、植栽の話を入れております。皇居側に向かった隣接部には、緑陰・環
境形成ゾーンとして、常緑樹を中心とした樹木によって緑量を確保すると。アクティビテ
ィゾーンと書いている西側広場の部分については、芝をメインとした人がたまれるような
空間、あるいは季節感を感じられるフラワーガーデンなどで景観の濃淡をつくりたいと。
北側、迎賓ゾーンについては、列植をつくることで格式を感じるシンプルな空間を実現し
ていくと。南側については、将門塚につながっていく部分、これを鎮守の森ゾーンと呼ん
でおりますが、少し緑量を守りながら、人の動線を引き入れられるような空間。そこから
日比谷通りに向かっていくオレンジ色のゾーンでは、軽やかな常緑樹の並木空間をつくる
ことで、
少しずつ都市的な空間に誘っていくという空間づくりをしたいと思っております。
19ページ目、今の近景の景観を実現しながら、一通りの景観的なシークエンスを考え
ております。方針②としまして、開放性の高いアトリウムから歴史ある将門塚、大規模な
緑空間へと人を誘うシークエンスの創出として、社交・交流の都市機能の整備と広場の整
備と、
人々の活動や交流・賑わいを感じられる空間づくりを目指したいと思っております。
右上に階の断面図がありますけれども、向かって右側、大手町の駅から地下2階のレベ
ルでこのB棟につながります。ここからアトリウム空間を介して向かって左側です。先ほ
どの西面の広場に向かって人を誘っていけるシークエンスが実現できると思っておりまし
て、左側にキープランの視点①からパースがありますけれども、駅からコンコースを介し
て開放的なアトリウム空間、大手町拠点の結節空間を介しまして、視点②です。少しずつ
水を意識できるような空間演出がなされます。ずっと西側に向かっていきますと、将門塚
を見る視点③、緑量ある空間が見られます。視点④については、南側から来る人のアクテ
ィビティの導入部ですので、人の賑わう街角の広場空間、そこから視点⑤、奥に人を引き
込んだ中にカフェ・レストランと一体となった交流・賑わい、フラワーガーデン、そうい
った少し色のある賑わいがつくられていくというシークエンスです。
20ページ目、今回の西側広場空間は、いろいろなアクティビティが実現できる空間と
認識しております。訪れる人々の出会い・賑わいが交わる、多様なシーンを生み出す都心
の交流空間には、日常・非日常という捉え方の中で言いますと、日常空間では日々の憩い
の空間、あるいは少したまりのある賑わいの空間、さらにはオフィス機能を導入しますの
で、オフィスワーカーが少したたずめるような空間、そういったものが日常の風景として
は展開されると。一方で非日常の空間、例えば休日においては、落着きのある大人の社交・
交流をキーワードに、少しイベントを開催したりできる空間にしたいと思っております。
最後に夜間景観の視点ですが、特にライティングの考え方です。ライティング、調和あ
る夜間景観の創出とライティングについて、こちらは大丸有地区まちづくりガイドライン
のデザインマニュアルを踏襲しまして、「本地区に相応しい夜間景観としての光の色や質
への配慮」をしたいと思っております。右側、現況ですが、丸の内拠点と大手町拠点とい
う拠点ごとの性質出しが少し進んでいると思っておりまして、左下、デザイン方針にあり
ますとおり、大手町、丸の内、有楽町地区まちづくりガイドラインのデザインマニュアル
に対応しまして、クラウン部分のライティング及び拠点の象徴性の演出で、クラウンの部
分はライティングの計画をつくります。主に暖色系の白色光で柔らかく照射するような計
画を考えております。あわせてA棟の建物部分も同様にライティングの計画を進めており
まして、こちらについては具体的に今後配慮した考え方をまとめたいと思っております。
説明については以上で終わります。
【西村会長】
どうもありがとうございます。
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それでは、委員の皆様方ご意見、ご質問等ありましたらお願いしたいと思います。いか
がでしょうか。どうぞ、小林委員お願いいたします。
【小林委員】
小林です。
まず5ページ目です。計画地の中でスカイラインの話を初めにしたいのですが、今回の
計画では緑地をとっており、この絵から見るとスカイラインが5ページのようになってお
ります。次の6ページのところを見ると、正面から見たときのスカイラインが、右側の隣
のビルが115m、パレスビルも115m、この計画の緑地をどけたとすると、ここのラ
インというのは隣が150mになってしまっている。私が理解していたのは皇居を中心に
すり鉢状になるという感覚で今までいたのですが、これで言うと、ここの部分はあくまで
も、緑地を除くと、皇居から見て横のすり鉢状みたいになるのです。ここのところはこれ
からいろいろ議論すると思いますけれども、皇居を中心にすり鉢状かと思っていたので、
景観的に今回はどのように考えているのか。反対に、その隣は三井物産と同じように15
5mになっておりますよね。それを考えると、スカイラインが崩れていると思いますが、
その辺はいかがでしょうか。
【西村会長】
では、その点に関して何かお答えありますか。
【事業者(日建設計)】
今、ご指摘いただいた点に関しましては、大丸有のガイドラインに基づきますとごもっ
ともなお話かと思います。当初、私ども検討している中で、5ページの左側に地図が載っ
ております。実際に景観を考えていく上で、視点場からどう見えるのかを重要視しながら
考えてきましたが、左側にございます丸の内拠点と書いてある丸の内エリアは西側、皇居
側に関しては皇居前広場が広くあって、一般の人が立ち入れる空間がありますので、そこ
からの視点場というのは非常に大事であろうということが1点ございます。一方で、大手
町エリアに関しましては、実際にはお濠からすぐ先がもう皇居の域内に入ってきて、全く
見られないというわけではなくて、東御苑に入って、東御苑からの景観というのは確かに
大事なポイントかと思いまして、右上にそのモンタージュを入れているわけです。
そういう中で、今回、ご指摘いただいたお話のとおり、皇居そのものから東西方向のす
り鉢状というのも確かに大事かなとは思ってはおるのですが、一方で、広く一般の観光客
も含めて来られる皇居前広場からの景観というのも非常に重要であろうと捉えておりまし
て、右下に写真がございます。皇居前広場からの眺望景観なのですが、こちらはちょうど
正面にパレスホテルと、それから日本生命丸の内ガーデンタワー、あるいはこの裏になる
のですが、もう一つ建物があって、三つの建物でこの角のところの街区が形成されており
ます。ここがちょうど100m、実際には塔屋まで含めて115mぐらいの高さでおさま
っていると。そこに対してのすり鉢状というのも意識したのは事実です。そこから見て、
今回の計画でいきますと、背後に大手町のカンファレンスセンターの建物があり、それか
らさらにB棟、奥のほうの建物ですね。こちらの上の写真で見ていただくと、頂部右端が
欠けていると思うのですが、これもデザインを検討していく中で、当初はここも出してい
たのですが、やはり頂部200mぐらいの高さのところですっと上げてしまうと、それな
りの圧迫感を感じられるため、南側のほうを削って、皇居前広場からの眺望、景観にも配
慮していったというところです。あわせて、確かに一皮目ではないと私どもは考えてはい
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たのですが、すっと150mの建物が建ち上がっているのは事実です。ただし、こちらに
ついては、いろいろなパターンの検討を行い、100mで建てたら一体どうなるのかも検
討しました。検討した結果をもって、東京都の景観の関係者、さらに千代田区の景観アド
バイザーの方とか、地区計画も関係してきておりますので、担当の方と何度もやりとりを
させていただいて、今回の計画に至ったというところです。
【小林委員】
私、これは緑地をつくることは理解するのですが、今まで多分ここの115mのライン
を合わせようとしていて、日経本社のほうはもう出来てしまったので言えないのですが、
これからつくる三井物産のほうが100mに合わせて、わざわざここのところを150m
にしなくても、例えば20mは下がってつくることもできたのではないかと。要するにス
カイラインを合わせるという部分でいうと、皇居に対しての前面については努力して検討
されたのかどうか。
先ほどされたとは言ったのですが、
要するにこのいろいろな話の中で、
今まで大丸有をつくってきた中で、わかっているのですが、様々なパターンの検討はされ
なかったのですか。
【事業者(日建設計)】
100mを超えたところを絞ってしまうと、実際にはちょっとおさまり切らなかったた
め、検討としては、逆に100mのところを出したらどうなるかも含めて考えてみてはい
たのですが、今回の計画の最初にちょっと条件の中でお話をさせていただいたように、今
のちょうど広場になっているところの足元には既存の大手町センター、地域冷暖房施設が
入っていて、そこまで拡大して広げるというのは計画的に難しかったというところがござ
いました。それもあって、成形な空間で検討を進めてきたというところがございます。
【小林委員】
では、緑地の部分についてお伺いしたいのですが、まず緑地の広さはどれくらいなのか
と、先ほどのご説明の中では、人のアクティビティと言われているのですが、ここのアク
ティビティというのはどういう人を考えてつくっているのか。それと、今後大丸有は、コ
ミュニティ道路が必要になってきたり、自転車などが重要性を増してくる。ひょっとした
ら自動車は入れなくなるかもしれない。そのとき自転車が大きな交通機関になったり移動
機関になったりすると思われるのですね。そのときに自転車のことをこの緑の空間でどう
考えていくのか。今は自転車のことは何も考えられてないと思うのですが、その辺は自転
車が入ってくると景観が全然違ってくると思うのです。
あと、
駐輪場がないみたいですし、
その駐輪場のつくり方でもまちの景観は変わってくるし、
その辺のことはどう考えたのか。
もう一つあえて言うと、千代田区は路上喫煙禁止ですので、こういう広場のところに喫
煙する人が出る、出ないに関わらず、喫煙所の考えも出てくると思うのですね。それに対
しては喫煙所の考えはこういう広場でたくさん人が集まるところ、ひょっとしたら海外の
人もたくさん来る、オリンピックに合わせて来る。たばこを吸う人もたくさん見えるとい
う中で、新しく建てる建物に喫煙所の考えというのをどのように、考えてきたのか。喫煙
所が出来る、出来ないでまちの景観が変わってきますので、その辺のことはどのように検
討しているのかをお答えください。
【事業者(日建設計)】
まず、広場に関しましては、実際には6,000㎡ぐらいの空間です。OOTEMOR
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I、大手町タワーの足元にある広場が3,600㎡なのですが、その倍まではないですが、
かなり大きな広場をつくっていきます。また、あわせてお隣、南側の大手町1-1計画の
足元にも広場をつくるという計画で、今、建設工事が進んでおりますので、そことも一体
的に皇居に面して緑の空間形成ができていけば望ましいと考えております。
では、広場のアクティビティという話をさせていただいたのですが、日常、平日はかな
りこの辺りワーカーの方も多いので、今の三井物産本社の足元のカルガモの池の周りも、
例えば昼休みとかはワーカーの方がたたずんでいるという状況ではあったのですが、
今回、
新たに足元にホールをつくる、あるいは北側のカンファレンスセンターに来られる方もい
らっしゃる。以前、大手町は本社中枢機能しかなかったものに対して、少しずつ多様性の
ある街に変わってきておりますので、そういう方々も利用できるような、空間形成にした
いと考えております。そこで、今回の広場のつくり方なのですが、どうしても内堀通り側
に関しては相当数の車両交通がございます。それに対してなるべく高木を植えながら、中
で落ち着いてたたずめるような空間形成をしたいと捉えております。ただ、ここは地区施
設でもございますので、今後、この地区施設広場の使い方に関しましては、千代田区とど
のようなことができるのかご相談させていただきながら詰めていければと考えております。
それから、自転車に関しましては、今日お持ちしている資料、資料編の図面にも確かに
自転車駐輪場の検討がまだ入ってないものになっておりますが、今、まさに駐輪スペース
に関しましては、今後、結構需要が出てくるであろうということ、それについては十分に
配慮して、今こちら駐輪場の配置としてはA棟の北側、資料編で行きますと、28ページ
に図面、地下1階と地下2階の平面図があるかと思うのですが、この地下1階のスポーツ
施設と書いてある左側のほう、西側のほうに駐輪場を配置したいと考えております。これ
は例えば今も内堀通りに休日は車が入れないような状況にもなっていますので、自転車で
来られた方がアクセスしやすい位置として、なるべく皇居のほうに面して配置していくの
が望ましいであろうと捉えた次第です。
それから、最後に喫煙所の考え方については、まだその検討には至っておりません。で
すので、今日いただいたご意見を十分に勘案しながら検討を進めたいと考えております。
【西村会長】
ありがとうございます。
それでは、ほかの委員の方であれば。どうぞ、清水委員。
【清水委員】
今、事業者さんに説明いただいた、緑地のことなのですが、それは区の施設広場という
言葉をお聞きしたのですが、その辺はご説明をいただけますでしょうか。
【事業者(日建設計)】
区の施設ではなくて、こちら事業者の施設ではあるのですが、地区計画という都市計画
で、ここの場所は広場をつくりなさいということを定められております。これは区の都市
計画なのですね。ですので、それによって事業者が自由に使えるというわけでもなくて、
ちゃんと区のご指導をいただきながら、使い勝手も含めて検討していく必要があるという
意味でお話をさせていただいたというところです。
【清水委員】
この計画の一番すばらしいと思うところは、やはり緑地のところで、もともとこの地区
-10-
には用がある人とか、働く人以外は行かないエリアだと思います。ただ、丸の内側は今仲
通りがあれほど活性化して、ビジネス以外の方たちも家族連れもたくさん来ている。外国
人の観光客もとっても多い。でも、このエリアまでその足は伸びていない。これからも恐
らくこの計画を見させていただくと、言葉で表現されていることは本当にすばらしくてよ
く考えられていると思うのですが、ではそれがどう図面で表現されているかというと、恐
らくこれができても用がある人しか来ないのではないかと思わざるを得ない。それは、小
林委員がおっしゃったように、アクティビティプランをどの程度最初から考えてやるのか
などが重要になってくるのではないかと感じます。
私どもやはり一番近景が気になるので、そしてそれは三井物産という企業のイメージに
もきっと影響するのだと思うのですね。カルガモの池があったりして、とてもいいなとい
うイメージは従来みんな持っているのだと思うのですが、そこを活用しながら、目に入る
部分で、資料の20ページ、近景に広場空間の設えとアクティビティイメージというのが
出ていると思うのですが、ここの日常の部分の絵というのはとてもすばらしいなと思うの
ですが、どれもやはり海外の事例ですよね。どうしても日本でこれをまだ実現できてない
と思うので、この辺りのことが三井物産のこの広場で出来れば、今ランナーの人たちもす
ごく多いですし、あそこの反対側をずっと歩いて皇居側を見たりしている人たちが、道を
渡ってそこまで行きたくなることを意識してその緑地のところを計画してほしい。区の指
導がある地域であるならば余計それを重点的にやっていただきたいと思います。
ちょっと座れたり、木陰になっていたりするところがあり、お水飲んでから一息休憩し
てまた走ろうかな、
歩こうかなという思いになるようなところがあるといいと思いました。
続けてお話しすると、やはりとてもその緑地が気になるので、その角の内堀通りから大
手町駅に向かうところの緑地がちょっと切れたような状態になっていますよね。そこは出
入りのためだと思うのですが、車寄せと別にピロティがあるのであれば、ここは思い切っ
て小さくすると人が入りたくなる、のぞいてみたくなる充実した緑地になると思うので、
高木というよりも低木から始まって高木にするとか、椅子やテント、パラソルやキオスク
などを入れることを書いておりましたけれども、ぜひおいしいカフェなどつくっていただ
くとみんな楽しめるかなと、そうするとぐっとその地区、そのエリア、それから三井物産
に対するみんなのイメージがよくなっていくと思います。
それから、ご説明の中におっしゃっていた、近隣の建設計画と周辺や隣接の区域との関
係性を強めたいというお言葉がありましたけれども、この場所でのこの建物、この区域で
どういったことに気を付けてやりたい等ありますでしょうか。
隣接地との関係性を十分つなげていただくと、単独ではなくて、そこの周辺とつなぐこ
とで、このエリアの魅力、個性みたいなのが出てくるのではないかと思います。
【西村会長】
具体的なアクティビティのイメージを意見としていただいたと思います。ありがとうご
ざいます。
続いて、岩崎委員お願いいたします。
【岩崎委員】
私は、最初の小林委員のスカイラインの発言。あれは私も感じていたことで、私は、休
日の一つの楽しみが東御苑の散歩なのですが、そこからの景色が年々圧迫感を持って建物
が迫っている感じがしています。それで今、事業者さんがA棟を160mにする理由を言
ったのですが、納得できないですね、景観の面から。話を聞いていると、都市計画でいい
-11-
から、景観は犠牲にしているとしか聞こえてきません。だけどスカイラインを大事にする
のならば、やはりこの隣の115mぐらいに考えていただくのが私は至極妥当だと思いま
す。
そして、
天下の三井物産が日経本社より低くはできないというようにも感じられます。
ですから、景観から見て反対です。
それから、もう一つ。18ページ。植栽の件ですが、ウコンザクラというのは何か三井
物産にこの桜は意味があるのですか。
【事業者(三井物産)】
具体的な樹木の種類に関しては、まだ今後の検討と考えております。
【岩崎委員】
そうですか。私は駿河台に住んでおりまして、太田姫神社のところに道灌道というのが
あって、そこに学名でスルガダイニオイという桜の中で唯一花びらに香りのある桜があり
ます。今駿河台のほうで新しく庭木を選定するときにお願いしているのですが、駿河台と
いう地名、こちらは大手町・丸の内ですからちょっと違いますけれども、スルガダイニオ
イという花を私はすごく好きで広げたい。知っている人が少ないので、もし意味がなけれ
ば、
スルガダイニオイという東京の桜を一つ考慮に入れていただきたい。
これは要望です。
以上です。
【西村会長】
ありがとうございます。
それでは、どうぞ、後藤委員。
【後藤委員】
昔、ここの場所を何度も通ったことがあるのですが。広場になる部分の北側のところが
ちょっと高くなっていますよね。今回もそこは低くならないと。写真で見るとそれが何か
白っぽい石、8ページの写真で見ると、壁のようになって何mか高くなったところからお
庭が始まるようになっていると思うのですが、そこは白にしないほうがいいと思います。
今日ちょっと見てきたのですが、千代田区役所のビルの前のところにも石垣があるのです
が、それは皇居の石垣と似たような雰囲気の石垣になって、そこにササみたいなのがあっ
て、
私はすごくそれがいいと思っているのですね。
ササとか竹は大変だとは思うのですが。
しかもホテルが入りますよね。ホテルというのは外国の人が来るというのを想定している
と思うのですが、私はさっきのアクティビティの20ページの写真のようなイメージとは
反対で、純日本的な例えば広場の中の半分ぐらいは石と芝生だけのお庭や、京都に市松の
お庭がありますよね。ああいうのとか、茶屋のような雰囲気にして、緋毛氈を敷いてお茶
とか日本食のカフェ、日本流の茶屋のようなイメージでやって、ここのホテルに泊まった
人が皇居を目の前にしてそういうものが感じられるような空間、むしろ敷居が高いぐらい
のほうが、三井物産の本社としてのお庭のあり方、外国から来た人にここにものすごい庭
園があるというのをアピールするぐらいがいいと思います。お金もかかるし、維持費も大
変だと思うけれども、しかも将門塚があるという条件のあるところはなかなかないから、
逆に和を前面に出してやったほうがいいと私は思いました。
【西村会長】
ありがとうございます。ご意見としてお伺いしたいと思います。
-12-
ほかはいかがでしょうか。戸田委員お願いいたします。
【戸田委員】
私も樹木のことで、今の後藤委員のお話を聞いていてなるほどと思ったのですが、緑地
が計画予定の西側広場部分の歩道と広場のつながりが、現況は生垣のような植栽が配置さ
れておりまして、そこに樹木も街路樹として割と深い緑色の樹種があったと思います。こ
の広場も丘のように段差ができるような絵に見えますが、歩道とのつながりには多少の閉
鎖性を感じました。生垣の植栽が道路と歩道を分断していて、非常に閉鎖的な印象を受け
るのと、樹種があまり深い色の緑ですと、うっそうとした感じで、これから目指していく
都市的な解放感や軽やかさのある景観というものとは異なると感じました。
大手町1-1計画でも、緑のつながりやネットワークでこちらの大手町1-2計画とも
つながっていくような基本的な方針があると思うのですが、大手濠の向かい側はクスノキ
が多いと示してありましたが、今回の計画でクスノキだけにこだわらなくても、クスノキ
はシンボルツリーのような使い方にして、バリエーションに富んだ軽やかな樹種の配置を
してもいいのではないかと思いました。風格ある緑がクスノキというイメージがだんだん
定着しているような気がしますが、これから目指していく都市的な景観というものとクス
ノキとのバランスがどのようになっていくのかを感じました。
歩行空間ですが、北側の日比谷通り側を神田橋のほうから入っていきますと、交差点の
角の部分や経団連ビルの歩道とビルの建物前の部分が、段差なくフラットに自然に入って
いけるような、建物に誘導されていくような、歩道と建物敷地との境を感じないつくりに
なっていて、歩道もすごく広々として開放的な気分を味わえます。現在、日曜日に内堀通
り側は歩行者天国のような形で自転車を楽しむ方が相当量あるのを目にしたのですが、う
まくつくれば、交流の面でより活性化されていくのではないかと感じました。
それと、あまり高さのことはよくわからないのですが、確かに事業者の方がおっしゃる
皇居側の視点場から見た場合はすり鉢状に近くなっていると思うのですが、JAビルが1
80m、皇居側から見たときにJAビルよりB棟は北側なのですが、見え方としては手前
のような感じで見えるかと思いまして、手前で200mの高さになると、なだらかなグラ
デーションのつながりは薄れてしまうように見えました。
今のところは以上です。
【西村会長】
道路と広場との関係がちょっと閉鎖的ではないかということなのですが、その点に関し
ていかがでしょうか。
【事業者(日建設計)】
その点は、これまでも景観アドバイザーからいろいろとお話をいただきました。特に内
堀通り側なのですね。今回、絵で行きますと17ページと、あとCGで上から見た14ペ
ージがあるのですが、先ほどもちょっとお話をさせていただきましたけれども、やはり内
堀通りが車の往来が激しいため、最初は完全に閉じた空間にしていたのですね。今の、今
といってももう解体工事が始まっていますが、三井物産本社ビルも一番北側と一番南側だ
けがあいていて、それ以外は入れないという状況だったのですが、そこまで閉鎖的にして
しまうと、やはりなかなか入りづらい感じに見えてしまうこともあって、今の計画では1
7ページを見ていただきたいのですが、実際には切通し状のものを幾つかつくって、内堀
通りを歩いている人が歩きながら中の庭の空間が垣間見えるような演出を施していったら
-13-
どうかと考えております。中でイベント等をやっていれば自然に人も入ってきやすいだろ
うし、日常も普通にワーカーがここで賑わうような、先ほどご指摘やご意見もいただいて
おりますが、中でいかに活性化するような空間をつくるかということも含めてやっていき
ますと、人の流れも出てくるのではないかなと、これはこの切通しの間口と閉鎖的な空間
の部分とのバランスを今後も引き続き検討したいと考えております。
【西村会長】
ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。それでは亀井委員、その後、飯島委員お願いいたします。
【亀井委員】
A棟とB棟のデザインをここまで違うように考えられた理由をもう一度教えていただけ
ますでしょうか。
【事業者(日建設計)】
A棟、B棟をあえて違うデザインにしているのは、先ほどデザインの考え方について説
明をしておりますけれども、皇居側に面しては自然素材をしっかりと使っていく。これは
もう皇居の緑の空間になじむように、あとは周辺の建物も比較的石を使った建物が多いと
いうところがありました。ただ、B棟も同じようにつくってしまうと、実際には30万㎡
を超える建物のボリュームですので、相当な圧迫感になってくるため、あえて200mの
B棟側の建物に関してはガラスを主体とした軽やかな外装デザインに変えて、実際に申請
上は1棟なのですが、2棟あるような形で、ある意味大きな分節表現をしております。
【西村会長】
いかがですか、よろしいですか。それでは、飯島委員。
【飯島委員】
先ほどから何人かの方から出ていますけれども、やはり内堀通りからの高さというのが
一番目につきやすいのですね。ほかの三方からはもう谷間ですから、高さはあまりわから
ないのですよ。内堀通りからの高さに関して、広場をつくったと。その広場をつくること
によって容積率の上乗せがあったのかどうか、基本的なことなのですが、伺いたいです。
【西村委員】
どうぞ。
【事業者(日建設計)】
今回は、手法として国家戦略特区というものを使っております。その中で、やはり国
家戦略に資する公共貢献というのを求められておりまして、その一つとして、今回6,
000㎡の広場というのを入れているのは事実です。ですから、それが一体いくらの容
積になっているかはわからないのですが、いろいろな貢献要素の中の一つとして評価容
積につながっております。
【飯島委員】
そうすると、善意で広場をつくってくれたのか、水回りを残してくれたのかというの
-14-
とは違って、やはりそういうことによって容積率が上乗せするという利点を生かされて
いるのだと思うのですね。そこを歩く方にとって、景観として落ちつくというのは、そ
この空間がどのように生かされるかであって、水回りという点でも、そこに生き物がい
るとか、あるいは噴水があるとか、そこら辺のことがない限りなかなか生きてこないと
思うのですね。そこの点はどのようにお考えになっているのでしょうか。水の使い方。
【事業者(日建設計)】
水の使い方に関しましては、噴水までは今考えてはいないのですが、ただ、単なる水
盤にしてしまうと水が淀んでしまいますので、少し段差を付けた流れが出てくるような
小さな滝みたいなものを使いながら、実際には水景という景観、それから音を楽しむと
いうことも含めてランドスケープデザインを施していこうと考えております。
【飯島委員】
容積率の上乗せでそういうところが使われていると。それを生かしてというのは当然
のことだと思うのですね。どうも説明を伺っていても、本来であれば前のほうの建物も
200mにしたかった、右上のほうを切ったのもデザインと言われるのですが、やはり
容積率を最大限使ってこのデザインになったのかなという気持ちが透けて感じるので
すね。もちろん事業者側は、効率・採算を第一に考えて計画するというのは常套なので
すが、でも景観を生かすという点では、周りや隣と合わせる努力というのですか、考え
たことは考えたけれどもという説明がありましたが、やはりそれは採算性の点からダメ
だったみたいな、そういうことでは景観を守るという観点からはいけないと思うのです。
三井物産が社会に貢献するというか、そういう点では、ぜひお考え直していただきたい
と言っても、これは無理な話であろうけれども、だったら空間を生かすというところに
最大限これから力を入れていただきたいことは要望として申し上げたいと思います。
【西村会長】
ありがとうございます。ご要望を伺いたいと思います。
それでは、飛島委員お願いします。
【飛島委員】
皇居からの緑のネットワークで広い緑を配置していただいたと思うのですが、その中
の生き物という観点があると思うのですが、そういった面でのネットワーク、ここにど
ういうものを配置していくのかというご検討はされたのでしょうか。
【事業者(日建設計)】
実際に皇居の中にいる多種多様な生物、これは水中の生物もいれば鳥もいるというこ
とを意識していかなければいけないと思っているのですが、まだそこまで検討は至って
おりません。一方で、どうしても三井物産本社の前となると、カルガモはどうなるのか
ということも皆さんよく言われます。現在は、三井物産が常にカルガモが来たらそれに
対して対応をしているので、どういう理由で来ているのかも徐々にわかってきていると
ころがございます。やはり皇居の中というのは子育てをするには危険な場所なのですね。
要はひなが食べられてしまうということもあって、わざわざ内堀通りを渡って親鳥があ
そこで卵を産んで子育てをしているという状況です。ですので、そういう外敵から守る
ような空間も意識しながらランドスケープを考えていく必要があると捉えております。
-15-
【飛島委員】
ありがとうございます。生き物についてもこれから考えられるとのことですが、皇居
の中には非常に貴重な自然がありますので、それがにじみ出していくように、具体的に
は空飛ぶものだと思うのですが、トンボであるとか鳥であるとか、カルガモ池がこの後
どうなるのか皆さん気にされていると思いますので、そういう中身の伴ったものをご検
討いただければと思います。
もう一つ、さっきクスノキの話も出ましたけれども、樹種についてはこれからご検討
されるということなのですが、結構この辺に多い樹種というのが必ずしも昔からあった
から植えているというわけではなくて、以前、緑地、緑化が進んだときに、手に入りや
すかったものが結果として植えられていることもあります。例えばクスノキはもともと
ここにある樹木ではないのです。ですから、人によっては、千代田区の生物多様性推進
会議の座長をされている亀山先生などのように、ここはもともとモミなんだと。モミを
植えるべきだとおっしゃる方もいらっしゃいますし、そういう意味でも、プランニング
をされる上で、樹種については、今そうだからというのではなくて、いろいろな方のご
意見を聞いていただければと思います。これは要望です。ありがとうございました。
【西村会長】
ありがとうございます。環境省の皇居外苑管理事務所としてもそういうノウハウがあ
るということなので、よろしくお願いしたいと思います。
ほかにいかがでしょうか。鈴木委員お願いします。
【鈴木委員】
何遍も出ております、西側の広場の開放性については私も同様の意見です。レベルの
差をどうとるのか、それから一部マウンドアップすることになると思うのですが、それ
によって視線をうまく操作することによって開放性と閉鎖性と両方きちっと考えてい
ただきたいと思います。
私からの質問は2点で、歩行者の交通量から見ると、実は日比谷通り側が一番多いの
ではないかと思うのですが、日比谷通り側の表情のつくり方というのがいまひとつはっ
きりしていない、あまり言及がされていないように思います。特に経団連側のところに
ついては、車寄せの道路と日比谷通りと車が両側通る空間に大体敷地全長の4分の1ぐ
らいはなっていて、歩行者の感覚から見て、ここは本当に気持ちいいものになるのかと
いうところがやや疑問が残ります。
それから、恐らく現在の歩道側の街路樹とこの敷地側の高木の植栽、この樹種を合わ
せるのか合わせないのか、どうしても風のシミュレーションの関係で常緑を入れたくな
るのはわかるのですが、うまく歩道側の樹種と合わせるような形にしないと、どうもち
ぐはぐな街路樹、2列に植栽されているのだけれども、ちぐはぐな印象というのを与え
てしまいかねないので、そこの部分が1点。
もう1点の質問は、広告物の掲示についての方針がこの資料の中には見当たりません。
この建物で言うと、西側立面と南側立面は両方皇居側の広場から見て容易に見ることが
出来る場所ですので、ここに基本的には企業の広告物というのは掲示すべきではないと。
長年多くの企業の方が、皇居側には広告物を掲示しないという約束で協力をされてきた
ということもありますので、ここではっきりと方針として広告物をどのように掲示する
のかについて言及していただきたいと思います。2点です。
-16-
【西村会長】
2点、お願いします。
【事業者(日建設計)】
最初に日比谷通りの歩行空間というところに関しましては、先ほど経団連のところが
非常に空間として建物と歩道状空地が一体で気持ちいい空間になっているというお話
をいただきましたが、同じような形で、建物のところまで実際には6、7m壁面を後退
して、今の歩道空間5mに対して倍以上の空間をつくりたいと考えております。その中
で、やはり通りを歩いている人から見たときに、この日比谷通りどうなのかなというの
を当初いろいろと検討しておりまして、丸の内と大手町はどうしても比べてしまうので
すが、丸の内は非常に気持ちいい環境が多いのですね。特に丸の内仲通りを歩いている
と、仲通りから100m先に皇居前広場のオープンな空間がある、それが100m置き
に繋がって通りから見えてくる。ところが大手町というのは東西に非常に長いのですね。
この街区も南北は100mなのですが、東西は200mもある。さらに、今延伸を予定
されている仲通りはさらに奥に入っており、実際に日比谷通りを歩いていても、皇居が
こんなに近くにあることがなかなか感じづらいということが最初にありました。そうい
う中で、今回の計画では、B棟の足元、要は日比谷通り側のほうの建物の足元について
は、南東部分はアトリウムの空間で、なるべく解放感のある空間、それから交通の結節
空間になるところをつくりました。北側は車寄せになっているのですが、実際にはピロ
ティにして抜けの空間もそこで確保しています。さらに行った先のA棟は南側と北側を
絞った形で今回検討しております。これは隣棟間隔の確保というのもあったのですが、
そういう形をとっております点では日比谷通りを歩いている方からも皇居が感じられ
やすい空間形成が実現できるのではないか、これは北側の区道に関しては迎賓空間とい
うお話をさせていただいておりますが、そういう空間性みたいなものをもって豊かな空
間をつくっていくことが、一つ最初の考え方としてあったというところです。
【事業者(三井物産)】
サイン計画ですが、A棟のほうは西、南側ともに皇居から視認性が高く、恐らく三井
物産が本社で引き続き使うと思いますが、一切表示は出さないことで既に確認済みです。
ただしB棟のほうは、まだお客様がこれから入るビルであるため、引き続き今後どのよ
うにしていくかは、ご相談をさせていただければと。日比谷通り側から見えるビルの頂
部にサインが付いているビルもございますので、その辺の経緯も踏まえて、基本的には
まだ何も決まってないので、引き続きご相談させていただければと考えております。
【鈴木委員】
広告物に関してはこのビルは特に皇居のほうから見えがかりの見付の幅が大きいと
いうこともありますので、広告物、B棟部分についてもぜひ配慮すべきかと。大手町全
体、大丸有でノブレス・オブリージュというのを長年掲げてらっしゃいますので、そこ
の部分については、努力というよりは、むしろもう今までの規定の路線をきちっと踏襲
するとしていただければと思います。街路樹についてはいかがでしょうか。
【事業者(日建設計)】
街路樹に関しましては、今、どうしても風の影響が出てくるので、暴風植栽として常
-17-
緑樹を検討しているというところですが、今日いただいたご意見も踏まえながら、今あ
る既存の街路樹とどうバランスがとれるのかは考えたいと思います。
【鈴木委員】
そこの場合の街路樹は落葉樹。
【事業者(日建設計)】
落葉樹です。イチョウですね。
【西村会長】
今後の検討ということですね。
ほかはいかがでしょうか。では、伊藤委員お願いします。
【伊藤委員】
ご説明ありがとうございました。
先ほどから出ている西側の広場なのですが、ここに豊かなオープンスペースが出来る
ということは、地区の価値向上につながると思いますので、ぜひ今後詰めていただきた
いと思います。まだこれからですので、3点ほど気になる点をぜひ配慮していただきた
いのですが、まず動線ですね。ちょうど内堀通りが曲がっているので、通り抜けという
のがあり得ると思いますが、そういう通り抜けの人たちを積極的に入れていくのかどう
か。その場合どういう動線か、どこをどう通っていくことを想定されていくのか。真っ
すぐ北上すると、パースで言うと店舗のテーブルが出ているようなところにかかってく
るようにも見えるので、そちらを行くのかお庭のほうを行くのかという動線の話が1点。
それからもう1点が、今ちょっと申し上げましたけれども、店舗との関係。テナント
リーシングはもう少し先になるとは思いますが、やはりここは広場に面したすごくいい
場所ですので、今のパースですとテーブルが外に出ることになると思うのですが、そこ
をどこまで使い、広場はそのお店に対してどう使われるのかという辺り。
3点目が、一番気になっているのですが、芝生の扱いでして、今、パースではパラソ
ルが出て、テーブルと椅子が置かれているような感じになっているのですが、芝生の上
にこれが置かれるというのはあまりないと思います。ブライアント・パークの例も出て
ましたが、ブライアント・パークでも芝生の上に出ているのは軽い椅子だけですよね。
東京というか、日本でも少しずつ芝生の広場は増えてきていますけれども、結構普通に
使うのは難しいので、ぜひ積極的にマネジメントも含めてしていくという覚悟をもって
芝生の広場を入れていただきたいと思います。そうでないと、単に養生中となって入れ
なかったり、日本のユーザは気軽に芝生に入りにくかったりすると思います。どういう
使い方をイメージするのか、あまり漫然と芝生とするのは危険かなと思いますので、ア
クティビティというお話もありましたけれども、かなり具体的なマネジメントまで含め
た使い方をイメージしてぜひ外構計画を立てていただきたいなと。その3点をぜひ気に
しながらやっていただければと思いました。
【事業者(日建設計)】
ありがとうございます。まず、西側広場のところを含めて、人の動線というところの話
に関しましては、基本的には西側の広場、通りからふらっと入ってこられるような空間形
成を考えているというところで、実際、例えば用があって来る人というのは、この地区ど
-18-
うしても地下鉄が中心になってくると思うのですね、広域から来ようとすると。この敷地
は、大手町駅が最寄りではあるのですが、実はその先の東西線の竹橋駅からも人の流れが
くるであろうことを意識して、内堀通りへの開き方、あるいは建物への入り方というとこ
ろに対して、例えば北側の区道102号線からも歩行者の空間を車寄せの脇につくったり
して入ってこられるような考え方をしております。それから説明にもありましたように、
この南東角のアトリウムからもかなり多くの人が来られると思いますので、広場の存在感
がわかりやすいように誘導していく、そういうことも考えたいと捉えております。
それから、店舗との関係につきましては、これは今、お話があったように、これからリ
ーシング等を考えていきます。実際には、店舗の周りのところでも公開空地として一般の
人に開放する部分とうたっている部分もございますので、そういう中ではあまり専用的に
使えない部分もあるのです。ただ、今、東京のしゃれまち条例等の仕組みを使って、ある
程度広場を活性化するための仕組みもございますので、
そういうことも今後検討しながら、
先ほどもここでどういう打ち出し方をするのか、人が本当に来るのか来ないのかが大事だ
というお話もいただいておりますので、そこまで含めて考えたいと捉えております。
最後の芝生の話も、ごもっともな話ですので、今後使い方を含めてしっかりと検討を進
めていきたいと思います。
【岩崎委員】
すみません、一言。
【西村会長】
岩崎委員どうぞ。その後、池邊委員お願いします。
【岩崎委員】
今日出ると思った将門塚のことが全然話題に出なかったので一言。この計画で非常に将
門塚というのが計画上はちょっと邪魔と言っては悪いですが、大変重要なポイントで、こ
れを移すことは考えなかったのですか、明神さんとの間で。ただ、そのことがちょっと聞
いていて気になったものですから。一言だけでいいです。
【西村会長】
どうぞ、お答えください。
【事業者(日建設計)】
基本的に計画の敷地外という位置付けですし、
非常に大切な神聖な場所でもございます。
ただ隣地でもございますし、塀とかを私どもの敷地の側で建てているような関係もありま
すので、冒頭ご説明させていただいたように十分ご相談しながら、設えについてはご相談
させていただいております。
【岩崎委員】
では、動かすことはあまり考えてないのですか。
【事業者(日建設計)】
はい。もともと発想としてございませんでした。
-19-
【岩崎委員】
すみません。それがどうなっているのかなと思って。わかりました。
【西村会長】
敷地の外側だということですね。
池邊委員お願いいたします。
【池邊委員】
時間がないので、短く2点です。
先ほどから、A棟の高さのことが問題になっていますが、5ページと6ページのCGを
拝見させていただくと、やはりこの建物、A棟はエッジの部分が非常に目立つので、逆に
日経本社とか、御社のB棟のほうが透明感のあるようなものになればなるほど前に出てく
るような感じに、今の素材感が余計にそれを際立たせているような感じがしますので、そ
の辺については少し配慮が必要なのではないかと思います。
あと、オープンスペースの話も先ほどから出ていますが、OOTEMORIもそうです
が、この場所の緑の資産を、まさにこのビルとこの地区にどう資産形成としてできるかと
いう意味で、コンセプトの形成があまりになされてないような気がしています。今の樹種
をそのまま植えると、多分この辺の森みたいな形には戻るかもしれませんけれども、この
ビルを含めたこの地域が、将来的にこの緑があったからこそ資産が高くなるというイメー
ジの、もう少し戦略的なコンセプトを強調した計画にしていただければと思います。
以上です。
【西村会長】
何かありますか。
【事業者(日建設計)】
コーナー部分の話に関しましては、8ページを見ていただければと思いますが、周辺と
の調和を図りつつ、確かに角の部分というのは大事であるかなと思っておりまして、右上
のCGを見ていただくと、このA棟の手前に大手町1-1計画がございます。この辺り、
丸の内もそうなのですが、コーナーを石で固める建物が結構多いのですね。今回は、その
石の調和を図りながら、あまり威圧感を与えないような重厚感を持たないような形でどう
表現できるかということをデザインしてまいりました。その上で、8ページの下に外装造
形イメージと書いておりますが、コーナー部分については南面と西面を組み木のように組
んでいくと。これは和の文化をここでも外装としてきちっと表現しようとやってきたわけ
なのですが、そういう工夫で角の威圧感を少し軽減できないかと、検討しております。
【西村会長】
ありがとうございます。
ほかに。どうぞ、お願いします。
【大江副会長】
最初の小林委員の質問のことに戻りますが、ずっと私もこだわって6ページのパースを
見ていたのですが、せっかくB棟でこういう段を付けながら奥のほうを高くすることをや
りながら、A棟でなぜそれができなかったかは残念な気がします。次の7ページを見ます
-20-
と、A棟の中でエレベーターがすっと上がってくる。その濃いグレーに塗ったところが高
くて、それから薄いグレーのところは少し低い屋上で、その外側にまた結構高い10mぐ
らいの壁が回っていますよね。この薄グレーのところに設備機器がある程度並んでくるの
でしょうけれども、ここには目いっぱい並んでくるのでしょうか。それとも設備機器はぎ
っしり入るわけではなく、形の上で周囲の外壁を同じ高さまでそろえたのでしょうか。要
するに私が言いたいのは、上に向かって段々を多少とも付けることができるとすれば、薄
グレーのところは160mより低い高さで抑えて、あふれ出る設備機器をA棟の北側に配
置する。そこに何段か積み重ねたり、あるいはA棟のペントハウスの上にも重ねてもいい
のですが、何かそういう方法で西、南の低い部分と東、北の高い部分という処理ができな
いでしょうか。もしそれができるならば、B棟が手前と奥とで段が付いているような形が
可能になるのではないか、そこをお聞きしたいのですが。
【事業者(日建設計)】
先生のおっしゃるとおりだと思っておりまして、できればなるべく低く抑えたいのです
が、実はここ今160mと高さを書いておりますけれども、パース上は160mに実はな
ってないのです。これは見ていただくと、隣の日経本社と比べていただくとわかるのです
が、日経本社が155mで、今回の外壁部分は150mでおさめたのです。実は機械に関
しても、地区計画で150mと決められているので、それを何とか守りながら、ただ、ど
うしても塔屋だけは出てしまっているという状況で、その塔屋の最高高さを160mとし
ているというところです。今、お話しいただいたように、屋上の設備に関しましては、で
きる限り今B棟のほうに配置しようとしているのですが、この場所は、地域冷暖房施設の
大手町エリア全体のセンターを抱えているというところもあって、その設備機器のボリュ
ームが相当大きいのですね。
【大江副会長】
それは地下ですよね。
【事業者(日建設計)】
いや、
冷却塔とかどうしても地上の屋上に置かなければいけない施設がいくつかあって、
その影響があるので、本来であれば全部B棟に置きたいぐらいのところだったのですが、
どうしてもA棟にも置かざるを得ないという状況になっていて、それを隠すための150
mの高さになっているというところです。
【大江副会長】
周囲をぐるっと隠さなければいけないほどあるのか。何か工夫で、その手前も合わせて
150mにしないで済む方法、手前だけでも140mぐらいにならないのか、いまひとつ
検討していただきたいということです。どうでしょうか、その辺の可能性は。
【事業者(日建設計)】
ちょっと設備を含めて考えなければいけないところではあると思うのですが、今の状況
は相当厳しいだろうとは思っております。設備が出てしまっていいのであれば別ですが。
【大江副会長】
まだまだB棟で余っているのではないかと思うのですが。
-21-
【事業者(日建設計)】
B棟はもう本当に一寸の余地もないような状況になっています。
【大江副会長】
奥のB棟はちょっと高くなってもいいと思いますが。
それと、三井物産の方が最初に低層部の開放性をうたわれましたよね。資料編で見たほ
うがわかりやすいのですが、資料編の27ページと28ページに1階と地下の平面図があ
ると思います。外観と、地上の広場については大変丁寧に説明していただいたと思うので
すが、やはりこれだけのボリュームを建てた以上は、足元を利用する立場からすれば地上
の広場だけではなくて、1階の部分にどうやって人が入り込めるのか、向こう側へ抜け出
られるのか、また、今回地下があってそこにも商店街がありますね、28ページの左側が
地下1階だと思うのですが、その辺のことも気になります。
今度はこの地上1階と地下1階のことをもう少し詳しく伺いたいのですが。27ページ
で将門塚が下から食い込んでいるところの上に共用ロビーのオレンジ色が張り出してきて、
さっきの本論の話だと、西から東にちょうどこの共用ロビーのオレンジを貫いて東西に抜
けられるような絵がにあったと思うのですが、共用ロビーがここへ飛び出しているのは、
この中に一旦入ってまた抜けていくのでしょうか。
【事業者(日建設計)】
27ページの図面は、便宜的に用途ごとで色分けをしております。そういう点ではこの
南東角のアトリウムは基本的には一般の方も地下鉄利用者がどんどん上がってこられます
ので、そこからこの共用ロビーのほうに入ってきて、この共用ロビーは実際にはホテルへ
行ったりホールへ行ったりというところの交通の結節点になっているのですね。
【大江副会長】
それは、誰でも入れる形で?
【事業者(日建設計)】
ええ、入れるような空間になっております。
【大江副会長】
さらに西へ向かってまた屋外に出るわけでしょうか。
【事業者(日建設計)】
そうですね。
【大江副会長】
そこも出入り自由なのは安心しました。風除室みたいなのがあり、これが立ちふさがっ
て、誰も入れないところだと、随分狭いところになりそうだと心配しました。
では、次の地下1階、28ページの南側、これはさっきのアトリウムからはかなり入り
やすくエスカレーターと大階段で入ってこられるピンクのゾーンがずっと中にあります。
スポーツ施設にいったり、店舗の間を抜けたり、それはいいのですが、一つわからないの
が、ちょうど将門塚のくびれた辺りから西側に延々と広いピンク色のロビーか、通路があ
-22-
って、
そこには店舗がないのかどうか。
なければないでスッキリとしていていいのですが、
一番困るのは、その正面がほとんどどん詰まりの場合です。その先がもし地上の広場まで
大階段で上がっていけたら、まさに足元の開放性をうまく実現した形になるのに、ここは
一体どういう空間になっているのだろうか、よくわからないので教えてください。
【事業者(日建設計)】
実際にはまだ地下1階、地下2階の商業空間のあり方というのが固まってなくて、今、
検討を進めている最中なのです。地下1階は商業空間とあわせて、左の図の水色の部分、
ここが三井物産本社の社員通用口にもなっております。ですので、そこへのアプローチル
ートというのも兼ねていますので、そこも含めて、今、先生がおっしゃったご意見ももっ
ともだと思いますので、もう一度勘案しながら検討を進めたいと考えております。
【大江副会長】
では、場合によってはもう少し店舗が入るかもしれないし、入る入らないよりも、何か
西に向けて開放的に抜けていける、そうなったら本当に心地よい地下1階になると思いま
す。
まだ懸案事項があるということなので、
それを含めてお考えいただければと思います。
【事業者(日建設計)】
そうですね。わかりました。
【西村会長】
では、中津委員お願いします。
【中津委員】
景観アドバイザー会議でも5年来ずっと言い続けていますが、特に千代田区の街路樹
の土の話。さんざん話しておりますが、できる限り、沿道部分、この西側の広場は全然
心配してないのですが、特に細くなっているところの緑地帯、これの土の状況を可能な
限り、絶対と言いたいのですが、ボックスカルバート等で線的に植栽帯をつなげていた
だきたい。これは景観アドバイザー会議でずっと言っていますが、具体的にはランドス
ケープの工事というのはどうしても竣工間際に鉄板の乗っていたようなところを植え
升だけ掘って植栽土、やっても2m程度、それだと大体今ご存じのとおりに、その辺に
あるイチョウのような幹周りばっかり大きくなって枝は伸びないという状況になって
います。これをカルバート状に線的でもいいですから、踏圧がかからないような、舗装
の重みとかもかからない、これも面的である必要はないです。線的にちょっとカルバー
トをかけていただくことで、隣の木と隣の木の根っこがつながるような、こういう形で
10年後、20年後の千代田区の街路景観ががらっと変わります。これが常緑であろう
が落葉であろうが別に気にはしていないのですが、正直言って、ただ根っこの見えない
ところだけしっかりお金をかけて、将来的な千代田区の公共の資産としての街路樹の成
育環境をおつくりいただきたいと切に希望しています。よろしくお願いします。
【西村会長】
要望として受け止めてください。
よろしいでしょうか。では、最後に戸田委員、簡単にお願いします。
-23-
【戸田委員】
今までの皆様方と先生方のお話を聞いていてお聞きしたいと思いまして。
将門塚は神田明神さんと協議されてますので、もともと神職の方々なのでたたりを恐
れてのおはらいとかしなくても、ご一緒に計画を進められていらっしゃるので大丈夫だ
と思うのですが、風水的な部分ですとか、日本古来の土地の考え方とか、そういった面
でのアドバイスをしてくださる方が内部に入っているのか、現状の塀はなくなるのかと
いうのをお聞きしたいのと、あと話が今回の審議会で出ていないことだと思うのですが、
三井物産ビルというビル自体がオフィスビルの設計やプランとして、設計者の設計の歴
史の流れの中で、すごく重要な位置付けにもあると考えることもできるため、何か外観
部分の1ユニットをどこかに見えるように保存するとか、内部のリニアコアプラン等、
そういった考え方をどこかに踏襲して行われていくプランというのを簡単に教えてい
ただきたいのと、あとは広場のところにキオスクが設置され、交流のスペースとしては
すごく賑わい空間でいいと思うのですが、鈴木先生がおっしゃっていた広告物という位
置付けで、キオスクも広告物の一部という捉え方もできるのではないかと思いまして、
その点の考え方をお教えいただきたいと思いました。
【西村会長】
それでは、答えていただけますか。
【事業者(日建設計)】
では、冒頭の将門塚の件なのですが、当然じっくりお参り等も含めまして、神様でい
らっしゃいますので、一緒に検討させていただいております、あと塀につきましては、
少し開放的な設えをご希望されていることも承っているので、少しつくり変えた上で、
西側については高さを少し下げ、低くする方向で今調整をしているような状況です。
【戸田委員】
今、瓦に白い塀で、瓦屋根みたいなものはなくなるのですか。
【事業者(日建設計)】
またデザインを新しくして、つくり変えようかなという方向で調整をしております。
【戸田委員】
ああ、そうですか。わかりました。
【西村会長】
ほかにいかがでしょうか。
【事業者(三井物産)】
三井物産の本社に関しては大変立派なビルで、あそこに40年ぐらいましたが、今回
はそれに負けないビルをつくろうというのがそもそものプランでして、一部を残す等は
今のところ考えておりません。ただ、必要な歴史あるものは別立てて社内的に保管の手
続はしています。
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【戸田委員】
ぜひ1ユニットだけ保存とかそういった部分も考えていただきたいとおっしゃる専
門家もいらっしゃると思いますので、ご検討をよろしくお願いいたします。
【西村会長】
ご意見ということでお受けします。ありがとうございます。大変たくさん意見をいた
だきました。
私も一つだけ質問をしたいのですが、A棟に関して、最初の発言で見付けをほかの建
物に合わせた、そして隣棟間隔のことはおっしゃいましたよね。高さの議論もあるわけ
で、高さを抑えようとすれば幅を、間口を広げれば高さを抑えられるわけですが、そっ
ちを選ばないで隣棟間隔や見付を大事にして、結果的に少し高い高さになったと。そこ
の根拠といいますか、そういうことはどう説明されるわけでしょうか。
【事業者(日建設計)】
いくつかパターン検討の中で100mのプランも検討させていただいたという話は
しましたけれども、実際に低く抑えて間口を広げていくこととあわせて、今回の計画、
6ページをちょっと見ていただければと思うのですが、今の三井物産本社というのが右
上の図で行くと白い点線の配置なのですね。A棟は間口を縮めているだけではなくて、
実は奥にも太らせて何とか入っているという形なのです。これは実際にはもう既に40
年近く前に建てられたオフィスビルですので、今の階高の基準とも全然違う建物である
ことから、やはり大手町エリアでの水準のオフィスをつくっていこうとしていくと、ボ
リューム感としては同じ階数のものでも大きくなってしまうという状況があって、低く
抑えた検討をしていくと、もう将門塚の辺りも含めて完全に建物で囲われてしまうよう
な状況になってしまったのですね。やはりそこまで高密度な空間をつくるのが本当にい
いのかどうかというところを議論させていただきまして、パターン検討の中、A棟のこ
の形が生まれてきました。当時は、もっと北側に寄せたほうがいいのではないかという
話もありました。そこについてはこの資料の中でも整理しておりますが、やはり国際カ
ンファレンスセンターの前というのがガラス張りで一応アトリウムの空間がつくられ
てはいるのですが、その南側の空間というのは、今の三井物産の妻側であったり、昔の
三井生命本社が車寄せは持っていたのですが、どうしても妻側を向いていて、塀があっ
て、とても迎賓空間としての設えにはなってないこともありましたので、少し豊かな空
間をしっかりとつくっていくべきではないかなということも景観要素の中で出てきて、
その結果がこの形になっているというところです。
【西村会長】
ありがとうございます。
今日はこれで終わりたいと思いますけれども、この審議会の状況は、非常に微妙なタ
イミングで、計画が全部終わっているわけではないし、テナントが決まっているわけで
はないため、特に外構などは決めにくい部分があるという中でご説明をいただいている
わけです。でも逆に言うとそれはなるべく早い段階でこの議論をして計画の中にうまく
取り入れていただきたいということがあってのことですので、なかなか完全には答えに
くい部分もあるというのはご承知おきいただきたいとは思うのですが、大変いろいろな
意見が出ていたと思います。特に周辺の広場やアクティビティに関しては皆さん大変関
心が高くて、なるべく全体として調和がとれて道路とあまり切断されないような、アク
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ティビティがつながるような広場のあり方。広場の中身に関しては、今後の課題ではあ
りますけれども、ぜひ詰めていただきたいというのが1点。
それからもう一つは、高さに関しては何人かの委員の方にやはり懸念がある。また、
先ほど副会長からもあったように、もう少し工夫できる部分が、特にA棟側にないか、
ぜひ屋上部分の工夫などを含めて、B棟で高さを分節化したというところに関しては皆
さん評価が高いと思いますので、うまい工夫がないのかということの努力をしていただ
きたいと思います。また、樹種に関してもこれからの議論だと思いますけれども、樹種
やほかの生き物、特にカルガモは大変多くの方に関心が高いと思いますので、こういう
ものに関してうまくここでの固有のものというのをもう少し整理をすると。それは今の
お話のように、今たくさんあるものが固有のものかどうかも含めて整理をしていただい
て、説得力があるプランにぜひとも練り上げていっていただきたいと思います。
全体としてはこのプランはかなりよくできているのではないかということで、この計
画そのものを大きく否定する意見はなかったと思いますので、細かい整理を続けていた
だいて、それはまだタイミングとしてまだできることだと思いますので、ぜひ今日の意
見を参考に、よりよいものにしていただきたいと思います。
こういう形でディスカッションをするのはこれが最後にますけれども、今後は区の窓
口と議論をしていただいて、また景観アドバイザーと議論していただいて、我々もまた
区の担当者を通じてチェックをしたいと思いますので、これは最後ではなくて、まだこ
うした努力を継続していただきたいと、我々も見守り続けたいと思います。
長時間のディスカッションにお付き合いくださいまして、ありがとうございます。
※事業者退室
3.報告事項
(1)平成26年度 景観事前協議・届出の状況について
【西村会長】
少し時間が押しておりますけれども、報告事項に入りたいと思います。
報告事項は、平成26年度の景観事前協議と届出の状況についてです。これは事務局か
らよろしくお願いいたしたいと思います。
【峰岸主査】
平成26年度景観事前協議・届出状況について簡単にご説明させていただきます。
まず、昨年度の届出件数は延188件、前年度と比較して大きな増減はございません。
内訳としては、特に屋外広告物の届出が多くなっております。
2ページ目、地区別の届出件数として美観地域。主に皇居や大手町、丸の内、日比谷、
永田町エリアの届出です。美観地域の中でもほとんどが屋外広告物及び工作物でした。
そして、5ページのところは参考として付けさせていただきましたが、全体的には協議
回数が大分伸びています。特に大規模建築物としている敷地面積500㎡以上、延べ床面
積が3,000㎡以上のものが6.7ポイントと多いですが、平成26年度の大規模建築
物の届出が多かったため急激に上がっております。平均としても0.2ポイント増加して
おり、協議回数が多くなっているという状況です。
以上です。
-26-
【西村会長】
ありがとうございます。
この件に関しまして、何かご質問等ありますか。どうぞ、小林委員。
【小林委員】
小林です。今ご報告いただきましたけれども、年次でこれから景観審にどういうものが
かかってくるのか、今回は三井物産でしたが、景観審にこの中やまちで課題になっている
ものとか、疑問に思っているものとか、こういう報告だけではなくて、この中でこういう
指摘があるとか、課題があるとした場合、どういうものが景観審にかかってくるのか。今
後も、どう判断して景観審に入れていくのですか。景観審に入れないで報告されると、私
たち景観審議会の委員はこれに対して意見は言えないわけなので、その辺のところを。
【西村会長】
何か要件が決まっているわけですか。
【峰岸主査】
景観審議会の規模というのは、この千代田区内で特に景観上重要なものに関して審議す
るという形なのですが、特に旧美観地区の高さ100m以上または環境アセスにかかるも
の、を特に審議会で審議する形をとっております。
【小林委員】
全てですか。今言われた条件は全てかかるのですか。
【峰岸主査】
今、審議会で審議している形になっています。
【小林委員】
ということは全てかかっていると。
【峰岸主査】
はい。
【小林委員】
かかっていないものは、そうでないもので……
【峰岸主査】
そういうことです。
【小林委員】
それにかかっていなくても、重要と思ったものは反対にかかるのですか。誰が重要かと
判断するのはまた別だけれども。
-27-
【西村会長】
過去においてはこの要件にかかってなくても非常に重要なためかけたものもありますし、
それ以外に景観重要物件に指定しているものを滅失するような場合には議論していますよ
ね、解体するような場合。
【峰岸主査】
千代田区の景観まちづくり重要物件指定解除など、そういったものでもこちらの景観審
議会で審議に諮ってご意見をお伺いすることになっております。
4.その他
【西村会長】
ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、その他というところですが、何か事務局からありますか。
【小川景観・都市計画課長】
事務局から報告事項がもう1点ございます。
現在、
景観まちづくり計画の素案について、
東京都とも協議をし、修正を加えている状況です。その内容につきまして、本景観審議会
委員の方を中心に小委員会という形で専門的な見地から確認をいただくこととしました。
また、こちらは進捗しましたら本審議会でご報告させていただきたいと思っております。
以上です。
【西村会長】
ありがとうございます。
それでは、その他、何か事務連絡ありますでしょうか。
【小川景観・都市計画課長】
連絡事項です。
次回の審議会の開催時期は未定ですが、今年中に第2回の開催を予定しております。委
員の皆様には次回開催が決まり次第ご連絡をさせていただきますので、よろしくお願いい
たします。
【西村会長】
よろしいでしょうか。何かありますか。どうぞ、飯島委員。
【飯島委員】
前回も伺ったのですが、九段会館の動きが何かあるのかどうか。いろいろな物事が20
20年に向けて動いていますので、伺いたいのですが。千代田区からもどう働きかけてい
るかも含めてです。
【西村会長】
どうぞ、その件に関して何かありますか。
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【小川景観・都市計画課長】
九段会館につきましては、従前、委員会でもご説明をさせていただく機会があったかと
考えますけれども、法律が通りまして、現在、財務省がいろいろな観点で条件の整理をし
ております。そういった中で、区にも意見の照会等これから来る形になっておりますが、
区としては、
やはり景観重要物件であるという位置付けの説明をしてまいりました。
また、
こういった経緯を踏まえまして、今後とも財務省とも協議を進めたいと考えております。
【飯島委員】
その場合、審議会とは全く無縁に動くことなのですか。
【小川景観・都市計画課長】
審議会と無縁ではなくて、
やはりお力をかりるようなことを考えたいと思っております。
【西村会長】
よろしいでしょうか。
ぜひこれは景観まちづくり重要物件でもありますし、
この建物の持っている歴史的価値、
それからここの建物で起こった二・二六事件の舞台になったという文化的な価値もあるの
で、恐らく財務省の側にもそういうものも勘案していろいろなことを進めてほしいという
要望をしておかないと、いろいろなことが決まってからだと動きが後手にますので、ぜひ
前もってそうした建物が持っている、また場所が持っている文化的な意味も尊重する中で
いろいろなことを進めてほしいという要望をぜひしていただきたいと。それから、ここの
場でもそういうことが議論するのがあまり遅くならない時期にぜひやりたいと思いますの
で、そういうタイミングと会議の設定をよろしくお願いしたいと思います。
よろしいでしょうか。
※なし
【西村会長】
それでは、これをもちまして平成27年度の第1回千代田区景観まちづくり審議会を終
わりたいと思います。どうも今日はありがとうございました。
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