平成 年度競技規則の修改正③ 15

陸 連 時 報掲載原稿
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ませんでした。しかし、最近は判定精
であったために公認されないことにな
平成 15 年度競技規則の修改正③
度が向上してきたこと 、「チップ」も
りました。現在の世界最高はエレナ・メイヤー
ナンバーカードに取り付けて、よりト
( 南 ア フ リ カ ) の 66'44"で す 。 1999
ルソーでの判定に近づけた製品が出て
年同じ東京シティハーフマラソンです
きたこと、海外でのレースではこれら
が、こちらは台場の周回コースという
のシステムを用いて公式のタイムとし
条件なので問題なしということでし
て発表している競技会もあることなど
た。日本でもコースの再計測、点検等
から、日本国内でも規制を緩和して導
を経て、平成 15 年 12 月 31 日の時点
入に踏み切りました。道路競技の記録
での最高記録を日本最高記録として公
は1秒未満の時間は切り上げられてい
認することになります。従来の最高記
るように「最高記録(Best Record)」
録についてコースを調査の上、暫定的
としてトラック&フィールドの記録と
な最高記録を提示する予定です。
は区別されて扱われています。現在、
●競歩審判員主任の任務
自動応答計時システムのメーカー各社
第 290 条②「(2)〔注〕国内競技会で
は日本陸連と認可のための手続きを行
は競歩審判主任は競歩審判員として行
っています。終了次第、各加盟団体に
動しないが、その競技の役員を監督す
は認可されたシステムの一覧表をお送
る。
りいたします。
〔備考〕競歩審判員主任は競技会の役
●世界最高記録の公認
員を監督しなければならない。また、
第 261 条①「10km、15km、20km、ハー
……。」
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平成15年度の競技規則修改正事項
の解説第3回目です。
●自動応答計時システムの使用
IAAF 憲章第 12 条第 1 項(f)∼(h)に
該当する道路競走ならびに国内競技会
の道路競走については、自動応答計時
システムの使用は、つぎの条件が整え
ば認められる。
(1) そのシステムは、競技会の間フィ
ニッシュライン地点で、またはフィニ
ッシュライン上にいる間、競技者によ
る行為を必要としない。
(2) そのシステムの分析能力は、10分
の1秒とする(そのシステムは10分の1
秒離れてフィニッシュする競技者を区
別できる)。
(3) 競技者のユニフォームやナンバー
カードまたは靴につけて運ばれる装置
の覆いやトランスポンダーは、負担に
ならない重さとする。
(4) スタートラインおよびコースに沿
ってあるいはフィニッシュラインで使
用されるシステムのいずれもが、競技
者の前進に重大な障害または障壁にな
ってはいけない。
(5) そのシステムは、構成部品の使用
および操作上の仕様書も含み、IAAF技
術委員会によって認可されなければな
らない。
〔注〕国内競技会で使用するシステム
は、本連盟によって認可されなければ
ならない。
(6) そのシステムは、スターターの信
号器によって自動的に始動する。
(7) 公認の優勝記録の決定は、第165
条による。
いわゆる「チップ」による計時や着
順判定を認めていこうということで
す。この「チップ」が競技会に導入さ
れた初期は、片方のシューズに着ける
ものであったためトルソー(胴体)で
判定するやり方でないこと、また着順
判定の精度に問題があり大集団で通過
する競技者がいた場合に順位やタイム
が欠落するトラブルが発生していたた
め、あくまで参考としてしか用いてい
フマラソン(21.0975km)、25km、 30km、マラソ
ン(42.195km)、100km、ロードリレー
表現を一部修正し( 2)の冒頭に移動
しました。競歩審判員主任は上記のよ
世界最高記録として公認される種目
うに役員を監督する以外に警告カード
が大幅に増えました。また、その条件
の確認と整理、失格となる競技者の決
として第 240 条②、③が提示されまし
定および失格の告知を主な任務として
た(前解説目済み)。
います。非常に重要な任務を受け持っ
●日本記録として公認される種目
ていますので、競技者の歩型の判定で
第 261 条②「女子リレー( 5) ( 4 ×
はなく、前述した任務に専念すること
100m) 4 × 200m
をうたっています。
300m + 400m
100m + 200m +
4 × 400m
4 × 800m」
●競歩審判員主任補佐の追加
いわゆるスウェーデンリレーを追加。
(7)〔注〕本連盟が主催、共催する競
●日本最高記録が公認される種目
技会では、同一の都道府県陸協から2
男子(16 種目)
人以上の審判が競歩審判員として指名
競走(11) 10km
15km
ハーフマラソン( 21km0975)
35km
マラソン
10 マイル
25km
20km
30km
100km ロードリレー
ン( 21km0975)
100km
告掲示板係と競歩記録員および競歩審
判主任補佐をあらかじめ指名してお
女子(13 種目)
競走( 9) 10km
されることはない。また、主催者は警
く。
15km
25km
20km
ハーフマラソ
30km
マラソン
ロードリレー
競歩審判員主任補佐は平成14年度の
修改正で国際競技会において導入され
ました。本年度から国内競技会でも本
前回、記録の公認条件を説明いたし
格的に導入します。競歩審判員主任補
ましたが、 IAAF はそれにあわせてル
佐は競歩審判員主任の任務のうち、失
ールに合致したコースでの記録を承認
格の告知を担当します。
し、合致しないコースでの記録を抹消
してきました。例として女子ハーフマ
ラソンが挙げられます。従来は世界最
高・日本最高とも千葉真子の 66'43"で
すが、これは 1997 年東京シティハー
フマラソン出された記録です。しかし
コースのが下る一方の「ワンウエイ」
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注:原稿のため掲載された文章と一部違っています。