2 0 1 0 年 10 月 NPO法 人 いばらき山 の会 会 報 No.24 行事報告 ゆっくり歩こうハイキング 奥久慈男体山自然観察ハイキング ( 1 0 年 度 第 3 回 通 算 第 2 5回 ) 9 月 12 日 (日 ) に 奥久 慈 男体 山 自然 観 察 ハイ キ ング を 実施 し ま した 。 その 報 告と 感 想 をお 届 けし ま す。 報 告 【行動記録】 大円 地 出発 9:00 小休 止(5 分)1 回 大 円地 越 10:28~10:45 男体 山 頂 11:30 あづ ま 屋( 昼 食 休憩 )11:50~12:15 -------------------------------------------------------------------------------9時 に 大円 地 の集 落 を出 発 し、男体 山 登山 道 に入 る 手前 か ら、 磯 邉 裕一 氏 の講 習 は始 ま り ま した 。 路傍 に 生え る ヤ ブツ ル アズ キ ・オ ニ ド コ ロ・ヒメ ド コロ な ど、事 前に 配 布さ れ た資 料「 秋 に目 に つく 植 物た ち 」 をも と に丁 寧 な紹 介 が な され ま した 。 熱心 に 説 明す る 磯邉 講 師と 、 そ の 話を 聞 き漏 ら すま い と 、や は り熱 心 に聞 き 入 る 参加 者 の方 々 。今 日 一 日、 密 度の 濃 い自 然 観 察 ハイ キ ング と なる 様 相 を呈 し てい ま した 。 「 ク ズの 花 の香 り は、 喩 え て言 う なら フ ァン タ グ レ ープ の 匂い で す。 」 昭 和世 代 には す ぐに イ メ ー ジで き る説 明 です 。 そ して 花 を一 輪 取っ て 回 し てく れ まし た 。こ れ が クズ の 香り ・・・・ 私は高校で国語を教えています。「葛の花 踏み し だか れ て色 あ た らし この 山 道を 行 き し 人あ り 」と い う短 歌 は 教科 書 の定 番 です 。 『 釈 超空 ( 本名 折 口信 夫 ) が日 本 国中 の 民俗 を 調 べ る旅 の 途中 、 人気 の な い山 道 で「 ク ズ」 が 踏 ま れて い て人 が 通っ た こ とに 気 づく 。 「色 あ た ら し」 で それ も 直前 で あ るこ と がわ か る。 い っ た いど ん な人 だ ろう 、 す ぐ前 を ゆく 人 は、 と 心 を 通わ せ てい る 。』 と 、 授業 で 説明 し てい た の で すが 、 この 歌 には 色 だ けで な く、 「 ファ ン タ グ レー プ 」の 香 りも 漂 っ てい た ので す 。新 鮮 な 発 見で し た。 木 の香 り 、 草の 匂 い、 沢 の音 、 そ し て花 々 に囲 ま れて 歩 を 進め て いき ま す。 男体 神 社 14:00 大円地での集合写真 林の 中 に入 る と、一 気に 植 物の 種 類が 減 り 、地 面 は笹 に 覆わ れ て きま す 。 『 植物 た ち は光 を 巡っ て 常に 競 争 して い る、 他 より も 背 が高 く なっ た 方が 勝 ち 、そ し て林 の 中で 生 き 抜く こ とが で きる の が 笹で す 。』 と 磯邉 氏 は 話し ま す。 登 山道 の 脇 をミ ズ ヒキ が 群れ を 為 して い ます 。細い 茎 が スッ と 伸び 、散り ば め られ た 小さ な 花び ら を 、上 か ら眺 め ると 赤 色、 下か ら のぞ く と白 色 。 和名 の 語源 は 祝儀 袋 に 使う 水 引か ら きて い る そう で す。 ヌス ビ トハ ギ ・ト チ の実 ・ マメ ヅ タな ど を 観察 し てし ば らく 休 憩 。 1 出発 し てカ ヤ 、ダ イ コン ソ ウ、 イ ヌガ ヤ な どを 観 察し 、 10 時 2 8分 、 大円 地 越に 到着 。磯 邉 氏か ら 2 00 2年 に 起き た 山火 事 に よる 植 生の 変 化に つ い て説 明 があ り まし た。 資料 に は「 7 年で は 元 に戻 らな い 」と い うタ イ ト ルが 付け ら れて い ます 。Site1、 2、 3 に1 0 の方 形 枠 を設 置し 、 20 0 2年 か ら 毎年 調査 し 続け 、 写真 と グ ラフ をま と めた 資 料で あ る との こと 。 調査 方 法は 、 そ のポ イン ト 1メ ー トル 四 方 に生 えている全てのスズタケ の、 稈 (幹 の こと で す 。) の本 数 、太 さ 、高 さ を 調べ ると い うも の です 。 藪 に入 って の 地道 で かつ 根 気 のい る調 査 です 。 この 統 計 によ 大円地越での自然観察講話 り稈 の 密度 や 高さ は 徐 々に 回復 が 見ら れ ます が 、 元の 状態 に は戻 っ てい な い こと が わか り ます 。 こ のこ と は大 円 地を 出 発 して 間 もな く の所 で 実 感す る こと に なり ま し た。 1 0 時4 5 分に 出 発 し、 鬱 蒼と し た林 と 笹 藪の 茂 る道 を 進ん で 行 きま す 。 1 1時 0 3 分、 鞍 部を 越 えて 上 り に差 し 掛か っ た辺 り か ら突 然 明る く なる 、 上 部を 覆 う樹 木 がな く な った の です 。 火事 に よ り植 物 は焼 き 尽く さ れ 、そ の 後樹 木 は生 長 し てお ら ず、 空 を覆 う 木 々が な くな っ たた め に 光が 注 ぐよ う にな っ た ので す 。焼 け 跡に 様 々 な植 物 が生 命 の営 み を 始め た のも 、 火事 以 降 のこ と だそ う です 。 草 原の 草 が姿 を 現す よ う にな り 、色 鮮 やか に 点 在す る 花々 も 、か つ て はこ の 地で は 生き ら れ なか っ た植 物 であ る こ とを 聞 くと 、 この 可 憐 さに も 複雑 な 思い を 感 じま し た。 男 体 山頂 に 11 時 3 0分 に 到着 し まし た 。 男 体 山の 山 火事 は 植 生に 影 響を も たら し ただ け では あ りま せ ん でし た 。あ の 年、 こ の男 体 山を 舞 台に 全 国 高校 総 体登 山 大会 が 開催 さ れよ う とし て い たの で す。 火 事は 3 月、 大 会は 8 月で す 。 全国 か ら 約 500 人 の 選手 が 茨城 に 集結 し 、 3つ の 隊に 分 かれ て 山を 登 る、 そ の際 体 力 や歩 行 技術 ・ 読図 な ど様 々 な審 査 を行 う た め、 条 件を 満 たす 登 山コ ー スに つ いて 、 数 年前 か ら検 討 を重 ね まし た 。男 体 山・ 竜 神 峡・ 三 鈷室 山 に登 山 コー ス を定 め てか ら も 調査 を 重ね 、 20 0 2年 3 月は 大 会の 実 施 を待 つ ばか り にな っ てい た ので す 。そ の 時 の登 山 隊長 が 、当 い ばら き 山の 会 理事 長 の 市毛 努 氏で す 。折 り たた み の自 転 車を 車 に 積ん で 、下 山 口に 自 立ち枯れの目立つ山頂付近 転車 を 降ろ し 、登 山 口 まで 車 で戻 っ て単 独 でコ ー ス調 査 に入 っ た こと も 数知 れ ない そ うで す 。火 事 の直 後 大 会の コ ース 調 査に 山 に 入り 、 大会 が 実施 で き るか ど うか の 判断 を 迫 られ ま した 。 とは い え 代替 コ ース を 設定 す る 時間 は 、も う あり ま せ ん。 木 製の 橋 や階 段 が 焼け 落 ちて は いた も の の、 登 山が で きな い ほ どで は なく 、 予定 通 り とい う 決断 を 強い ら れ まし た 。大 子 町の 協 力 で橋 や 階段 は 復旧 し 、 大会 も 無事 に 完遂 す る こと が でき ま した 。 山 頂か ら 神社 に 下る 途 中 にあ っ た橋 が その 名 残 です 。 山 火 事は そ の後 登 山 道に も 影響 を 及ぼ す よ うに な りま し た。 山 肌 に立 つ 木々 は 、そ の 根 で大 地 を支 え てい ま す 。そ の 支え が なく な っ たた め に、 健 脚コ ー ス の岩 場 が脆 く なり 崩 落 2 が始 ま って し まっ た の です 。 落石 の 危険 性 が 出て き たた め 、こ の コ ース は 数年 間 歩く こ と が禁 止 され て いま し た 。火 事 は植 生 のみ な ら ず、 山 自体 に も影 響 を 与え る こと と なっ た の です 。 磯 邉 氏は 結 びに 、 「 山火 事 はほ と んど が 人 為的 な 原因 で 発生 し ま す。 」 とい う 言葉 を 残 しま し た。 今 回 スタ ッ フで 参 加 した 岡 田氏 も、 茨 城イ ン ター ハ イ に参 加 して いま し た。 女 子隊 の 行 動役 員 とし て、 佐 中か ら 釜沢 越 ・ 鷹取 岩 を経 て大 円 地越 に 下り 、 男 体山 頂 から 袋田 の 滝に 向 かう 予 定 でし た 。山 頂付近で降り出した雨は雷を伴 い、 女 子隊 約 200 人 に カッ パ を着 せ、 今 回昼 食 をと っ た U字 形 の窪 地に 避 難し て 待機 さ せ たの で す。 頭上 の 雷が 行 き過 ぎ る のを 待 つこ と2 時 間。 真 夏と は い え雨 に 打た れ続 け ると 寒 くな り 、 震え て いる 者も 多 かっ た とい う こ とで す 。全 員男 体 神社 へ 下山 さ せ て登 山 行動 を中 止 しま し た。 ス タ ッフ に は何 男体 山頂にて かと 思 い出 の ある 山 で す。 1 1 時5 0 分、 あ づ ま屋 で 昼食 をと る 間に 驟 雨に 見 舞 われ 、 カッ パ を着 て 下 山開 始 。1 2 時1 5 分 でし た 。 男 体 神社 到 着1 4 時 00 分 お 疲 れ様 で し た。 文責:割貝隆仁 感 想 奥久慈男体山、自然観察会に参加して 今 月 から 賛 助会 員 に させ て いた だ きま し た 。昨 年 の鍋 足 山、 今 回 の奥 久 慈男 体 山で 2 回 目で す 。今 回 は自 然 観 察と 言 う事 で 、半 年 ぶ りで 歩 く私 に はゆ っ く りな の で大 変 楽で し た。 でも 、 月曜 日 には し っ かり と 筋肉 痛 がで ま し た! ! 奥 久 慈男 体 山 は、 桜 の季 節 か紅 葉 の 時期 に よく 来 ます 。 実 は、 今 頃行 っ ても お 花 はあ る のか し ら? と 疑 問を い だき な がら 家 を 出ま し た。 滝 倉口 か ら 大円 地 まで バ スで 行 き 、自 己 紹介 ( 苦手 で す )、 準 備運 動 をし て い よい よ 出発 。 今回 は 生 物の 先 生の 指 導の も と に歩 く ので 楽 しみ で す 。登 山 口の お 蕎麦 屋 さ んの と ころ に も、 お 花 があ る のに は びっ くり ! もう 少 し行 っ た 場所 に は、 と ても 良い 香 りの す る( 忘 れ まし た が) ピ ンク のお 花 があ り まし た 。 みず ひ きと は 、下 から 見 ると 白 いん で す 。も う 知ら な いこ とば か り。 そ うこ う し てい る と、 第 一休 憩場 所 の大 円 地越 に 着 きま し た。 こ こで も先 生 の説 明 を受 け ま した が 、も う 暑く て な ん の こ と や ら ・・・多 分 樹 木 の こ と だ った と 思い ま す。 少 し 雨が 降 って き たよ うで す が、 樹 木の 中 な ので 余 り気 に なら ず歩 い てい る とも う 頂 上で す 。雨 も 降っ て来 て るの で 、記 念 撮 影を し て少 し 下っ たと こ ろの あ ずま や で 昼食 に しま し た。 ヤマハギ 早めに切り上げカッパを着ての下山で す。 私 は 40% 位 の確 率 で雨 に 遭い ま す。 3 た ぶ ん 雨 ・・・・・な ん で し ょ う ね ! 神 社 ま で の 下 り は 山 火 事 の 影 響 で 黒 い 焦 げ 後 の 枯 れ 木 が 多い で す。急 な場 所 が たく さ んあ り 、お も し ろい の です が 、お 花 を 見る 余 裕は あ りま せ ん。 先生 が 観察 す るに は こ のコ ー スが 良 いと 選 ば れた の が納 得 です 。 私 の疑 問 はみ ご とに は ず れ、 た くさ ん のお 花 が あり ま した 。 気づ か な かっ た だけ で すね 。 土 曜日 は 都合 に より 出 席 出 来 な い の で 、 11 月 の 八 溝 山 を 楽 し み に し て 毎 日 少 し ず つ ト レ ー ニ ン グ し た い と 思 い ま す。 又 、皆 様 に元 気 で お会 い した い です 。 ス タッ フ の方 々 に心 よ り 感謝 い たし ま す。 有 難 うご ざ いま し た。 後藤 ゆり子 山旅シリーズ 両神山 ( 2010 年 度 第 4 回 通 算 第 14 回 ) 報 告 10 月2 日 ( 土) に、本 年度 最 後 の山 旅 シ リー ズ 第 4回 両 神 山登 山を 実施しました。報 告書と感想文をご覧下さい。 【行動記録】 両神 山 荘 9:30 会所 10:05~10:10 清 滝 小屋 ( 昼食 休 憩 )11:55~12:25 両神 神 社 13:22~13:35 両神 山 頂 14:10~14:30 両神 神 社 14:59~ 15:05 清滝 小 屋 15:53~16:00 会所 17:35~17:45 両 神 山荘 18:30 【報告文】 小 鹿 野町 か ら両 神 村 に向 か う途 中 、 期待 し てい た 両神 山 の 鋸の 刃 のよ う な 特異 な 山容 を 眺望 で き ず、 が っか り し なが ら 登山 口 の日 向 大 谷に 到 着。 両神 山 荘前 で 開会 式 を 行う 。 入念 な 準 備運 動 のの ち 、両 神 山 荘を バ ック に 集 合写 真 を撮 影 。天 気 は 曇り 、 昼頃 か ら 晴れ て くる と いう 予 報 を信 じ て、 元 気 に出 発 9:30。 山荘 脇 斜面 の ダイ コ ン 畑の 間 を通 り 、 小さな沢を越えて杉林の登山道に入 る。 鳥 居を く ぐり 、 小 さな ア ップ ダ ウ ンを 繰 り返 し 徐々 に 高 度を 上 げる 。 急 出発前に記念写真(両神山荘前で) 斜面をトラバースするような登山道 は、 左 側が 絶 壁で あ っ たり 、 鎖場 な どが あ っ たり し て変 化 に富 ん で いる 。 宗教 登 山の 山 ら しく 、 小祠 や 石仏 、 石 碑、 丁 目石 な どが 次 々 と現 れ る。 ツ リフ ネ ソ ウ、 ミ ズヒ キ 、シ ロ ヨ メナ な どの 花 を見 な が ら、 参 加者 の 足取 り も 軽快 で ある 。 七滝 沢 コ ース と の分 岐 を過 ぎ 、 会所 で 小休 止 10:05。七 滝沢 を 渡り 、薄 川 を何 度か 渡 る 。樹 木 が 茂り 薄暗 い 急坂 の 連続 だ。 薄 川 を 4 度 渡 っ た と こ ろ で 小 休 止 10:46。 オ ク モ ミ ジ ハ グ マ 、 キ バ ナ ア キ ギ リ 、 カ メ バ ヒ キオ コ シ、 シ ロヨ メ ナ 、フ シ グロ セ ンノ ウ 、 レイ ジ ンソ ウ など の 花 を見 つ けな が ら、 石 碑 の建 つ 八海 山 、大 杉 の 石仏 、 弘法 の 井戸 と 過 ぎて 清 滝小 屋 に到 着 11:55。 昼 食休 憩 。 体調 の 悪い 2 名と ス タ ッフ 1 名を 残 して 出 発 12:25。霧 が 立ち こ める 木立 の 斜面(鈴 が 坂) を急 登 し、 産 泰尾 根 の 稜線 に 出る 。 晴れ て い れば 両 神山 頂 が見 え る はず だ った が ・・ ・ 。 3箇 所 の鎖 場 も難 な く 通過 し 、横 岩 を過 ぎ 、 両神 神 社前 の 広場 に 到 着 13:22。小 休 止。 両神 神 社奥 宮 は、 狛 犬 の代 わ りに 、 お犬 さ ま (ニ ホ ンオ オ カミ ) が 番を し てい た 。 4 霧の 立 ちこ め る木 立 の 尾根 を 、ト リ カブ ト 、 ダイ モ ンジ ソ ウ、 ア キ ノキ リ ンソ ウ など の 花 を見 つ けな が ら進 み 、 最後 の 急坂 を 登り 、 両 神山 山 頂に 到 着 14:10。 祠と 展 望図 盤 の置 か れ る山 頂 から は 奥秩 父 連 山や 八 ヶ岳 な ど、眺望 を 楽し む はず だ った が、 霧の た め、 集 合写 真 を 撮り 、 早々 に 下山 を 開 始す る 14:30。 両 神 神 社 奥 宮 ま で 戻 り 小 休 止 14:50。 心 配 し てい た 3箇 所 の鎖 場 も 無事 通 過し 、 産泰 尾 根 か ら 鈴 が 坂 を 下 り 、 清 滝 小 屋 に 到 着 15:53。 小屋 に 残っ た 3名 の 姿 はな く 、先 に 下山 し た よう だ 。小 休 止の の ち 出 発 16:00。 カメバヒキオコシ (葉の形が亀のしっぽに似ている) 樹木 が 茂り 、 薄暗 い 登 山道 を 、弘 法 の井 戸 、 大杉 の 石仏 、 八海 山 と 下る 。 弘法 の 井戸 を 過 ぎて 、 参加 者 の1 人 が 5~ 6 m下 の 涸れ 沢 へ 滑落 し 、腰 と 頭部 を 岩 にぶ つ ける 。 腰と 頭 部 に応 急 手当 を し、 幸 い 裂傷 も 無く 歩 ける と い うこ と で、 ス タッ フ 2 名が 前 後に つ いて 下 山 する 。 薄川 を 4度 渡 り終 え た 17:23 頃 は、 足 下が ほ とん ど 見え な い状 態 で あっ た 。七 滝 沢を 渡 り 会 所 に 到 着 17:35。 小 休 止 。 辺 り は 真 っ 暗 。 沢 の 水 の 音 だ け が 良 く 聞 こ え る 。 ヘ ッ ド ラ ン プを 点 け、日向 大 谷に 向 けて 出 発 17:45。全 員 で 声を 掛 け合 い なが ら、日 向大 谷 に到 着 18:30。 両神 山 荘の 管 理人 に 、 全員 無 事下 山 した 旨 を 報告 し 、待 っ てい る バ スに 向 かう 。 先に 下 山 した 3 人と 合 流。 着 替 えを し 、帰 路 に着 く 19:30。 登山 道 から 沢 に滑 落 す ると い う事 故 に遭 っ た が、 参 加者 全 員、 自 力 で、 無 事に 下 山で き ま した 。 参加 者 の皆 様 の ご協 力 、心 よ り感 謝 い たし ま す。 有 難う ご ざ いま し た。 20 名 参加 ( 参加 者 1 6名 、 スタ ッ フ4 名 ) 文責:高野康司 両 神山 ( 他 日撮 影 ) 両神 山 頂 で 5 感 想 ある中 登 山 につ い ては 幾 つ かの 楽 しみ が ある 。 今 回の 山 行は そ の行 程 が 雲の 中 だっ た と言 う こ と。 晴 れ上 が った 青 空 の下 登 山道 を 歩く 楽 し さも 良 い。 今 回の 山 行 は霧 が 立ち こ め樹 木 が 浮か ん でい た 。霧 の 為 全体 に 奥行 き があ り 想 像力 を 巧ま せ なが ら 歩 いた 。 徒渉 を 数回 繰 り返 し 足 の幅 し かな い 狭隘 な 登 山道 で 高度 を 稼い で ゆ く。 会所 、 八海 山 、弘 法 の 井戸 。 山中 に は面 白 い 地名 が あり そ の由 来 を 尋ね る のも 面 白い 。 登山 道 が出 会 うか ら 会 所。 日 本 の山 は その 多 く が神 が 鎮座 す る、 両 神 山の 登 山道 の 傍ら に 石 塔が 多 くあ っ た。 山岳 信 仰か ら 多く の 信 者が 立 てた も のだ 。 当 然 その 行 程は 厳 し い。こ の山 は 両神 山 荘 が高 度 670 メ ート ル 位 、頂 上 が 1723 メ ート ル なの で 高度 差 が 1000 メ ート ル にな り 累積 高 度 差と す る と 2000 メー ト ルと な り脚 力 レベ ル とし て は中 級 レベ ル で ある 。 足 下 を見 る と登 山 靴 でな い 人も い た、 徒 渉 し鎖 場 を登 り 下り す る ので ハ イカ ッ トの 登 山 靴は 必 要で あ ろう 。 普 段 の鍛 え 方に も 方 法が あ る。 私 は休 日 に は散 歩 と称 し 8キ ロ か ら1 0 キロ 歩 いた り 走 った り 、昇 降 運動 を 200 回 ス クワ ッ トを 4 0 回か ら 50 回 をや る 。千波 湖 なら 一 週 27 分 で 歩 き 3 週す る 。 清 滝 小屋 ま で樹 林 帯 を喘 ぎ 喘ぎ 登 り、 小 屋 から 先 が又 つ らい 登 り にな る 。こ の 辺り か ら 鍛え 方 で差 が 出て く る 。安 定 した 歩 き方 を し てい る 人に 聞 いた 。 そ の人 は 自転 車 が得 意 で どう や ら 20 キ ロ 前後 は 軽く 走 るら し い、 素 晴 らし い 事だ 。 霧の 中 にブ ナ やナ ナ カ マド の 木が 見 えた 、 も うす ぐ この 山 が紅 葉 す る。 赤 く黄 色 く。 日本 が 誇る 錦 秋の 世 界 の幕 開 け、 今 度は 何 処 の山 に 出か け よう か ? さて 表 題の あ る 中 で すが 、 歩く の を趣 味 と して い る私 に 妻が 名 付 けた 歩 き中 毒 1 か ら で す。 小貫郁夫 霧 の 中、 鈴 が坂 を 登 り、 産 泰尾 根 へ。 山頂直下 メラピーク登 頂!笹 本さん い ば らき 山 の会 の 事 務局 ス タッ フ とし て 活 動中 の 笹本 明 子さ ん が 10 月 14 日 、ネ パ ー ルの メ ラピ ー クに 見 事 、登 頂 しま し た。 メ ラ ピー ク はエ ベ レス ト 街 道沿 い にあ る 有名 な 高 峰で す 。こ の 快挙 は い ばら き 山の 会 会員 の 皆 さん に も勇 気 と力 を 与 えて く れる も のと 思 い ます 。 6 メラピーク登 山 ( 6 4 7 0 m ) ネ パ ー ル に は5 0 0 0 ~ 6 0 0 0m 級 の 山 が 3 3 座 あ り、 日 本 で は 一 般 に 「 トレ ッ キ ン グピ ー ク」 と 表現 さ れ てい ま す。 メ ラピ ー ク は技 術 的に 困 難な 山 で ない と いう こ とで ア イ ラン ド ピー ク (エ ベ レ スト 街 道沿 い )に 次 い で多 く 登ら れ てい る 山 です 。 今 回 は 3 人 での 個 人 登 山 で 、 山 中2 0 日 の 行 程 で す 。 3人 と も 6 4 、 6 5 、 71 歳 と 高 齢で 高 度順 化 のた め の 日を 多 くと っ てあ り ま す。 登 山者 3 人に 対 し てク ラ イミ ン グシ ェ ル パ3 人 ・コ ッ クス タ ッ フ4 人 ・ポ ー ター 6 人 と3 人 のた め に全 部 で 16 人 の大 所 帯で 出 発 です 。登頂 し た日 は 1 1日 目 、1 0 日間 か け て徐 々 に高 度 を上 げ て いき ま す。1 日目 (1 0 月4 日 )は ル クラ の 2 80 0 mか ら スタ ー ト 。2 日 目は 3 45 0 m 、3 日 目は 4 61 0 m のツ ェ ット ラ ・ラ を 越 えて 4 30 0 m( こ の 頃高 山 病の 症 状が 出 て きま し た) 、 4日 目 は 37 5 0m ま で下 り ま す。 5 日目 か ら再 度 メ ラピ ー クを 目 指し 高 度 を上 げ てい き ます 。 タ グナ ッ ク4 3 50 m は メラ の 基点 に なり 唯 一 のヘ リ ポー ト があ り 、 順化 が うま く 行か な い 人は こ こか ら ヘリ で 下 ろさ れ ます 。 6日 目 は タグ ナ ック で 休養 。 7 日目 ( 移動 ) ・8 日 目 (休 養 )は カ ーレ B C 50 5 0m 。 9日 目 は メラ ピ ーク B C5 3 0 0m 、 51 0 0m を 越 える と 氷河 の 末端 が 現 れ雪 の 世界 へ と変 わっ て いき ま す。 1 0 日目 は ハイ キ ャン プ5 7 80 m 、快 晴 に 恵ま れ 36 0 度の 景観 に 息を 呑 む( エ ベ レス ト 山域 の 山々 が一 望 )。 1 1日 目 ( 10 月 14 日 )は いよ い よ登 頂 日、 6 4 70 m まで 登 りま す。 A M1 時 半出 発 、 登り 5 時間 、 下り 2時 間 半、 と うと う 立 ち止 る 程度 の 休憩 3回 で 飲ま ず 食わ ず 歩 き続 け まし た 。登 りは 真 っ暗 で 足元 し か 見え ず 山頂 近 くで ぼん や り丸 い ドー ム ( 山頂 ) が見 え ホッ トし ま した 。 山頂 直 下 の3 0 m位 は 直登 のた め 、フ ィ ック ス ロ ープ が 張ら れ 登り はユ マ ール を 使用 し 懸 垂で 下 りま し た。 山頂 で は写 真 を撮 っ た だけ で すぐ 下 山で 山頂で す。 雲 行き が 悪く な り 帰り も 霧で 景 色は 何も 見 えず ハ イキ ャ ン プで 休 憩後 メ ラB Cを 経 てカ ー レB C ま で下 り まし た 。A M 1 時半 か らP M 4時 半 ま で1 5 時間 の 行程 で し た。 山 頂を 極 める 日 は どの 山 でも 大 変な 1 日 とな り ます 。 ヒ マ ラ ヤ の 山々 は 秋 の 色 に 染 ま り雄 大 さ に 感 激 し ま す が何 回 も 谷 ・ 尾 根 を 越 えア ッ プ ・ ダウ ン が多 く あり ま す 。3 5 00 m 近く ま で は樹 林 帯で 覆 われ 黄 色 く色 付 いて い まし た 。 その 上 は山 一 面石 楠 花 の群 落 、春 に は山 々 す べて が 赤・黄・白・ピ ンク に 染ま る そう で す。 40 0 0m 以 上の 高 地 はカ ル カ地 帯 (ヤ ク の 放牧 地 )に な りま す 。 日本 の 草紅 葉 のよ う に 赤く 染 まっ た 草原 、 夏 には 様 々な 高 山植 物 が 咲い た と思 わ れる 痕 跡 。今 は 、リ ン ドウ 科 の 花が 一 面に 咲 き乱 れ き れい で した 。 エベ レ ス ト街 道 のよ う な混 雑 さ はな く 道々 に 建つ バ ッ ティ ( 山小 屋 )の 人 々 は素 朴 でし た 。 笹本明子 ネパールの人 花 7 カーレBCの途中から (全 景 ) これからのイベント ゆっくり歩こうハイキング ☆ 八 溝 山自然観察ハイキング ~深まり行く秋、八溝の森を歩く~ や み ぞ さ ん 八溝 山(1,022m )は 茨城 、栃木 、福 島県 に また がる 茨 城県 の 最高 峰 で す。 山 頂付 近 には 2 時 間 30 分ほ ど で一 周 でき る 登山 道 があ り ます 。ブ ナや ミズ ナ ラな ど の落 葉 広 葉樹 が 紅葉 に 色づ き 、 秋が 深ま り ゆく 中 、八 溝 山 の森 を 自然 観 察し な が ら歩 きま す 。 自 然 観察 の 講師 に 茨 城県 自 然博 物 館の 小 幡 和男 氏,湯原 徹 氏を 招 きま す 。 八 溝 嶺神 社 旧参 道 入 口か ら 歩き 始 める こ の コー スに は 、「 八 溝五 水 」 の湧 水 群や 、 那須 連 山 、日 光連 山 など を 眺望 で き る山 頂 、弘 法 大師 に よ って 開か れ た日 輪 寺( 板 東 二十 一 番の 霊 場) な ど があ りま す 。豊 か な自 然 と 景観 、 歴史 的 な文 化 が 織り なす 変 化に 富 んだ ハ イ キン グ コー ス です 。 ウリハダカエデ 実施日 募 集 人数 講師 平 成 22 年 11 月 14 日(日 ) 約 2 5人 茨 城 県自 然 博物 館 小 幡 和 男氏 茨城 県 自然 博 物館 湯原 徹氏 申 し 込み 期 間 平 成 22 年 10 月 4日 ( 月 )~ 1 1月 1 0日 ( 水 ) 参加費 1 人 あた り 会員 3,5 00 円 非 会 員4 ,5 0 0 円 ( 往 復車 代 ・保 険 代な ど を 含む ) 登 山 難易 度 体 力度 ☆ 技術 度 ☆ (初 級者 向 けの コ ース ) ※ 歩 行時 間 約4 時 間 ( 自 然 観察 で 講師 の 話を 聞 き なが ら の時 間 を含 む) (☆印は3段階で示します。☆初級者向け ☆☆入門者向け ☆☆☆中級者向け あく ま で目 安 です の で 、参 考 にし て 下さ い) ☆ 雨引山・ 加波山 ハ イ キ ン グ ~坂東二十四番札所の雨引観音から加波山の禅定道へ~ 雨 引 山 は 歴 史 的 に由 緒 の あ る山 で す 。 中 腹 に あ る雨 引 観音 は 板東 2 4 番札 所 とし て 有名 で す 。そ の名 称 の由 来 をた ど る と「 嵯 峨天 皇 の弘 仁 12 年 (821)夏 、大 旱 魃が 国 中を 見 舞う や 、天 皇 は 親ら 写経 し 給い 、 当山 に 納 めて 、 ひた す ら降 雨 を 祈ら せら れ た… 国 中は 大 雨 に潤 い 五穀 た めに 実 っ たの で」 命 名さ れ たと あ り ます ( 雨引 観 音公 式 サ イト より ) 。 初冬 の 凛と し て澄 ん だ 空気 の 中 、落 葉 した 樹 林 の整 備 され た 尾根 道 を 、雨 引 観音 登 山口 か ら 雨引 山( 409m )、 経 由し て 双耳 峰 の燕 山 (701m ) 、 加波 山 を目 指 しま す 。 加波 山 山頂 部 には 加 波 山神 社 が祀 ら れ 、禅 定 道 には 修 験道 の 雰囲 気 が 残り ま す。 さ らに 加 波 山事 件で 有 名な 旗 立て 石 を 経て 一 本杉 峠 に至 り ま す。 山行 途 中で は ,読 図 講 習を 兼 ねて 歩 く予 定 で す。 実施日 平 成2 2 年1 2 月4 日 (土 ) 8 燕山(左側)と加波山 募 集 人数 約 25 人 登 山 難易 度 体 力度 ☆ 技 術度 ☆ (初 級 者向 け のコ ー ス) ※ 歩 行時 間 約5 時 間 (☆ 印 は3 段 階 で示 し ます 。☆は 初 級 者向 け ☆ ☆ 入門 者 向 け ☆ ☆☆ 中 級者 向 け) 申 し 込み 期 間 平 成 22 年 11 月 15 日 ( 月) ~ 12 月 1日 ( 水 ) 参加費 1 人あ た り会 員 3,50 0 円 非 会員 4,5 00 円 後記 最 近 、各 地 で熊 が 人 里に 出 没し て 、人 を 襲 撃し 、 射殺 さ れる と い うニ ュ ース が あい つ い でい ま す。 な ぜ、 熊 が 人里 に 次々 と 現れ る の でし ょ うか 。 今 年 は猛 暑 の影 響 で 熊の 食 糧で あ るブ ナ 、 ミズ ナ ラ、 コ ナラ な ど の木 の 実が 不 足し て い るこ と が背 景 にあ る 、 とも い われ ま す。 数 年 前に 、 日本 熊 守 協会 の 会長 、 森山 ま り 子さ ん の話 を 聞い た こ とを 思 い出 し まし た 。 「人 間 がど ん どん 奥 山 に入 り 込み 、 クマ の 生 息地 を 破壊 し 、ク マ は すみ か もエ サ 場も 失 い まし た 。山 の 実り の 少 ない 年 は人 里 に出 て こ ない と 生き ら れま せ ん 」「 ク マは 、 日本 の 森 のア ン ブレ ラ 種。 豊 か な森 の あら ゆ る恩 恵 を 受け て 生き て いま す 。 つま り 、ク マ の棲 め る 環境 を 残す と いう こ と は、 他 の全 て の生 物 が 生息 で きる 保 水力 抜 群 の一 級 の森 を 残す こ と にな る ので す 。そ し て 、こ の 森に よ って 、 人 間生 活 や全 産 業が 、 支 えら れ てい ま す! 」 と いう よ うな 内 容で し た 。 熊 は 森の 生 態系 の 頂 点に い いま す 。そ の 熊 が森 に 住め な くな っ て いる と いう こ とは 山 の 自然 の 生態 系 が大 き く 壊れ つ つあ る とい う こ との 証 なの で しょ う か 。 一 方 で、 県 内の 森 に はク マ は棲 息 して い ま せん が 、筑 波 山を は じ めと し たブ ナ 林に は 稚 樹が 育 たず 、 衰退 に 向 かっ て いる と いう 報 告 もあ り ます 。 豊か な 森 が衰 退 して い く、 と い う点 で は共 通 性が あ る よう に 思い ま す。 い ば らき 山 の会 で は 、八 溝 山で 自 然観 察 ハ イキ ン グを 1 1月 1 4 日に 県 自然 博 物館 か ら 専門 家 お二 人 を招 い て 実施 し ます 。 八溝 山 に は県 内 最大 の ブナ の 群 落が 分 布す る 、と い わ れま す 。地 元 茨城 の 森 がど の よう な 状態 に な って い るの か 、大 い に 関心 が ある と ころ で す。 秋の 紅 葉が 美 しい 樹 林 の中 を 歩き な がら 、 地 元の 森 を見 つ め直 す 良 い機 会 かと 思 いま す 。 会員 の 皆さ ん の積 極 的 なご 参 加を お 待ち し て いま す 。 T・I 連絡先 NP O 法人 い ばら き 山の 会 〒310-0801 茨城 県 水戸 市 桜川 1 丁 目7番24-404号 TEL/FAX 0 29 - 23 2 -8 7 3 4 http://www7b.biglobe.ne.jp/~ibarakiyamanokai/ 携帯 代表090-4702-9966 9 10
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