ホタテの活力低下と その予測指標について 中央水産試験場 加工利用G 武田忠明・水産工学G 福田裕樹 サロマ湖養殖漁業協同組合 前川公彦 東海大学 櫻井 泉 北海道大学 埜澤尚範 本日の講演内容 1.活力とエネルギー代謝 2.ストレス負荷試験 3.活力回復に必要な アルギニンリン酸の下限値 4.サロマ湖フィールド調査 エネルギーと活力の関係 (仮説) ストレス 無い A A A P P P 活力高 P 有り 持続 ATP A A A P 活力高 A A × × × 活力低 死亡 アルギニンリン酸が活力の指標 ? 2.ストレス負荷試験 ① 高水温 対照区 試験区 13℃ 13℃ 13-25℃ 対照区 試験区 <飼育条件> ・水温 :対照区 13℃、試験区13℃→25℃ ・昇温 :1℃/週 ・期間 : 88日 13℃ 25℃・4日 <分析項目> ・活力、ATP、アルギニンリン酸量 ・経時的に各区4個体採取 ① 高水温 活力低 P A 活力低下およびATP減少に先行して減少 アルギニンリン酸が活力の指標の可能性 3.活力回復に必要なアルギニンリン酸量 20 ① 高水温負荷 ストレス負荷前 初期値 水温 : 22℃ 16個体採取して分析 8個体採取して分析 32個体 16個体 高水温負荷後 水温 :22- 25℃(1℃/週) 負荷期間 :25℃10日 15 ArgP(μmol/g) 24個体 48個体 n=8 10 n=8 5 死 亡 8個体採取して分析 16個体採取して分析 16個体 回復後 水 温 :22℃ 飼育期間 : 5日 n=8 0 初期値 高水温 負荷後 回復後 8個体採取して分析 16個体採取して分析 5μmol/gが下限値の可能性 n=8 4.サロマ湖フィールド調査 アルギニンリン酸量 ArgP(μmol/g) 20 15 10 2012 2013 2014 5 0 1 7 13 19 25 1 7 13 19 25 31 6 12 18 24 30 6 12 18 24 30 5 11 17 23 29 4 10 16 22 28 4 10 16 22 28 3 9 15 21 27 4月 5月 6月 7月 8月 9月 サロマ湖定点 ・アルギニンリン酸の基準値:14.4±2.5 ・海洋環境データとの関係推定? 10月 11月 まとめ 高水温 ①活力低下および貝柱のATP減少に先行して、 アルギニンリン酸量の有意な減少。 極細泥砂 → アルギニンリン酸が活力指標の可能性 ②活力回復可能なアルギニンリン酸量 ストレス 貧酸素 低塩分 波 浪 → 5μmol/gが下限値の可能性 ○ : 活力高 ● : 活力低 ③2012-2014年におけるサロマ湖定点調査か らアルギニンリン酸基準値を把握 今後の課題 ・各種ストレスの複合による活力低下との関係検討 ・アルギニンリン酸による活力情報の発信(右図イメージ) ・養殖現場での活用法の検討 → モニタリング手法の検討(貝ルリンガルなど:東海大学の研究に協力) アルギニンリン酸(μmol/g) → 基準値:14.4±2.5μmol/g 20 15 10 5 0
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