報道資料 健康日本21推進フォーラム 2009年12月4日 ビジネスマン糖尿病実態調査 ー 40代∼60代ビジネスマン400人を対象に実施 ー 健康日本21推進フォーラム(事務局:東京都中央区、理事長:高久 史麿)は、糖尿病をもつ40代∼60代の ビジネスマン400名(男性200名、女性200名)を対象に調査を実施しました。 世界での糖尿病の急激な拡大 もさることながら、日本でも糖尿病患者の人数は予備軍を含めると20年足らずで 3倍に増え、2210万人に到達したと推計されています。(厚生労働省 国民健康・栄養調査より) 今回の調査より、糖尿病と診断されるボリュームゾーンである40代∼60代の日常の生活における治療の実態 を把握するとともに、治療に対する課題の1部が明らかになりました。 調査結果のトピックは以下の通りです。 ■最低でも2人に1人(50.8%)が、糖尿病によりビジネス上で“ハンデ”を感じている。 身体的負担は3人に1人(36.8%)、精神負担は2人に1人(50.8%)の割合で“ハンデ”を感じているという結果に。 ■全体のおよそ4割(37.3%)が、糖尿病であることを仕事の関係者に公表せず。 ■自身が「糖尿病」であることを取引先に告げている人は、わずか15.9%。 告げない理由は、 「プライベートのことを話す必要はない」(71.8%)、「病気だと思われたくない」(39.6%)、 「偏見、差別が心配」(32.2%)、「仕事をするうえでハンデになる」(25.5%)が上位に。 ■糖尿病であるがゆえの仕事上の”不安“も、3人に2人(66.5%)が感じている。 仕事上で不安を感じる瞬間トップ3は、1位「糖尿病の怖さを知った時(31.3%)」、2位「薬を飲み忘れた時 (24.3%)」、3位「飲み会・宴会(23.8%)」。 ■糖尿病薬の副作用に悩まされた経験がある人は16.8%。 全体として、悩まされた経験がある副作用の詳細で最も多いのも、やはり「低血糖」。 ■勤務中の低血糖症経験がない人でも、4割以上(43.9%)が低血糖症に対し不安を感じている。 ■ 「低血糖症」が起きてほしくない(勤務中の)場面は、 「運転中(63.3%)」「電車・バスの中(51.3%)」など移動中が上位に。 ■医師の治療指示や指導が守れない理由、 およそ3割(28.8%)が「仕事上の宴席」と回答。 部長クラス以上では、6割以上(63.0%)が「仕事上の宴席」を守れない理由として回答。 ■治療が継続できるために医師に望むことトップ3は、 1位「適切な指導(58.5%)」、2位「丁寧なインフォームド・コンセント(47.8%)」、3「治療薬の選択肢と説明(42.0%)」 ■新薬に対する受容度は比較的高く、およそ8割(77.1%)の人が新薬を受容している。 どんな新薬でも試してみたい人は31.3%、海外で実績があれば安心して服用できる人は27.3% 【報道関係お問い合わせ先】 健康日本21推進フォーラム事務局 橋本、戸上 電話:03-3544-5641 FAX:03-3544-5642 E-mail:[email protected] 目次 《疾患偏》 Q:自身が「糖尿病」と診断されたとき 1 P ■全体の77%が、35歳∼54歳までに糖尿病と診断されたと回答。 ■5人に2人(43.8%)が糖尿病を「ある程度覚悟していた」一方、 全体の40%は、「後悔」や「信じられなかった」と回答。 《仕事偏》 Q:「糖尿病」によるビジネス上のハンデ 2P ■最低でも2人に1人(50.8%)が、糖尿病によりビジネス上で“ハンデ”を感じている。 身体的負担は3人に1人(36.8%)、精神負担は2人に1人(50.8%)の割合で“ハンデ”を感じているという結果に。 ■糖尿病患者の半数以上(53.5%)が、ビジネス上で具体的な“悩み”を抱えている。 悩みトップ3は、1位「トイレが近い」 (26.3%) 、2位「集中力の減退」 (19.0%) 、3位「イライラしやすい」 (18.0%) 。 Q:仕事で関わる人への、自身の「糖尿病」告知 3P ■全体のおよそ4割(37.3%)が、糖尿病であることを仕事の関係者に公表せず。 男性76%に対し、女性は50.5%しか糖尿病であることを告げていない。 また、役職が高くなるほど、糖尿病であることを告げる傾向が強いことが判明。 ■自身が「糖尿病」であることを取引先に告げている人は、わずか15.9%。 告げない理由は、 「プライベートのことを話す必要はない」(71.8%)「病気だと思われたくない」 (39.6%)、「偏見、差別が心配」(32.2%)、「仕事をするうえでハンデになる」(25.5%)が上位に。 Q:「糖尿病」によるビジネス上の不安 4P ■糖尿病であるがゆえの仕事上の”不安“も、3人に2人(66.5%)が感じている。 仕事上で不安を感じる瞬間トップ3は、1位「糖尿病の怖さを知った時」 (31.3%) 、2位「薬を飲み忘れた時」 (24.3%) 、 3位「飲み会・宴会」 (23.8%) 。 Q:勤務中の「低血糖症」に対する不安 5P ■勤務中(通勤中含む)に「低血糖症」を起こした経験がある人はおよそ2割(22.5%)。 多忙なビジネスマン・ビジネスウーマンには、なかなか難しい血糖値コントロール。 ■勤務中の低血糖症経験がない人でも、4割以上(43.9%)が低血糖症に対し不安を感じている。 「低血糖症」が起きてほしくない(勤務中の)場面は、「運転中(63.3%)」「電車・バスの中(51.3%)」など移動中が上位に。 調査概要 【調査目的】 【調査対象】 【調査期間】 インターネット調査 以下の条件を満たす40代∼60代の ビジネスマン・ビジネスウーマンで、 現在「糖尿病」(Ⅱ型糖尿病)を患っている人から無作為に抽出 2009年10月16日∼2009年10月19日 目次 《治療偏》 Q:現在の治療の状況 6 P ■やはり最も気になるのは合併症。およそ6割(59.8%)が気になると回答。 流行の新型インフルエンザと糖尿病との関係も26%が気になると回答。 ■現在の治療方法は、やはり「飲み薬」(67.5%)や「食事・運動療法」(61.3%)が主体に。 Q:現在の治療経過の状況 7 P ■現在の治療経過について、およそ4人に1人(27.5%)が「不調」。 ■治療経過が不調の人の殆ど(93.6%)が、血糖値の改善を実感できていない。 ■継続的な糖尿病治療については、およそ4人に1人(25.8%)が「できていない」。 Q:医師の治療指示・指導は守れているか 8 P ■医師の治療指示や指導で守れているものは「薬の服用に関する指導」(78.8%)、 守れていないものは「運動の指導(35.2%)」「食事の指導(35.2%)」などの基本的な生活習慣。 ■医師の治療指示や指導が守れない理由、 およそ3割(28.8%)が「仕事の都合」と回答。 部長クラス以上では、6割以上(63%)が「仕事上の宴席」を守れない理由として回答。 Q:「糖尿病薬」の副作用に対する不安 9 P ■糖尿病薬の副作用に悩まされた経験がある人は16.8%。 ■悩まされた経験がある副作用で最も多いのは「低血糖」(14件)。 ■自分に起こってほしくない副作用で割合が高いのは、 「腎障害」(49.3%)、「肝障害」(38.0%)などの内臓機能の障害と「低血糖」(25.3%)。 《治療に望むこと偏》 Q:治療の継続のために 10 P ■糖尿病治療の継続に必要だと思うものは、基本的には「自身の意欲」(93.0%)だが、 およそ半数が「医学の進歩」(54.3%)、「家族の理解・協力」(54.0%)、「新薬の開発」(47.5%)が 必要と回答。 ■治療が継続できるために医師に望むことトップ3は、1位「適切な指導」(58.5%)、2位「丁寧なイン フォームド・コンセント」(47.8%)、3「治療薬の選択肢とその説明」(42.0%)。 Q:新薬に対する受容性 ・ 「糖尿病」が改善したら 11 P ■新薬に対する受容度は比較的高く、およそ8割(77.1%)の人が新薬を受容している。 どんな新薬でも試してみたい人は31.3%、海外で実績があれば安心して服用できる人は27.3% ■糖尿病が改善できたら心置きなく食べてみたいものトップ3は、 1位「ケーキなどの洋菓子」(16%)、2位「焼肉」(10.0%)、3位「甘いもの」(9.5%)。 自身が「糖尿病」と診断されたとき 疾患篇 ■ 全体の77%が、35歳∼54歳までに糖尿病と診断されたと回答。 ■ 5人に2人(43.8%)が糖尿病を「ある程度覚悟していた」一方、 全体の40%は、「後悔」や「信じられなかった」と回答。 糖尿病のビジネスマン・ビジネスウーマン、自身が「糖尿病」と診断された年齢を聞いたところ、「40∼44歳」(26.0%)が最も多く、次 いで多いのは「45∼49歳」(23.0%)でした。この結果は、メタボ健診(特定健診)の対象者に合致しています。また、全体の77%が、3 5歳∼54歳までに糖尿病と診断されたと回答しており、今回の調査からも、生活習慣に対するケアがこの年齢で糖尿病として、顕著 に現れることがわかります。 糖尿病と診断された時の気持ちについては、「ある程度覚悟はしていたので来る日が来たと思った」(43.8%)が最も多く、「自分の 生活習慣を振り返り、後悔した」(39.3%)、「信じられなかった」(25.5%)と続きます。一度患うと完治しない疾患であるがゆえにある 程度覚悟していた人が4割と多いもののやはり、後悔の念や、信じられないという気持ちを抱いた人も多いことが伺えます。 グラフ1: 「糖尿病」と診断されたのは何歳の時か ※全体ベース: N=400 0% 20% 19歳 以前 全体(N=400) 3.5 6.0 40% 60% 80% 100% 20∼29 30∼34 35∼39 40∼44 45∼49 50∼54 55∼59 60∼64 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 14.0 26.0 23.0 13.5 65歳 以上 9.5 3.8 0.5 0.3 グラフ2: 「糖尿病」と診断されたとき、どのような気持ちになったか(複数回答) ※全体ベース: N=400 60% 43.8 40% 39.3 25.5 21.3 20% 20.8 16.0 5.0 1.8 その他 家族に申し訳ないと思った 絶望的な気分になった 何とかなるだろう 仕方がない 信じられなかった 自分の生活習慣を振り返り、 後悔した ある程度覚悟はしていたので 来る日が来たと思った 0% 1 「糖尿病」によるビジネス上のハンデ 仕事篇 ■ 最低でも2人に1人(50.8%)が、糖尿病によりビジネス上で“ハンデ”を感じている。 身体的負担は3人に1人(36.8%) 、精神負担は2人に1人(50.8%)の割合で“ハンデ”を感じている。 糖尿病のビジネスマン・ビジネスウーマンは、「糖尿病」であることで現在の仕事にどの程度負担(つらさ・大変さ)を感じているでしょ うか。「身体的な負担」と「精神的な負担」に分けて聞いてみたところ、「身体的な負担」を「感じている」人は36.8%、「精神的な負担」を 「感じている」人は50.8%となりました。 グラフ3: 「糖尿病」であることで感じている、仕事への負担の程度 ※全体ベース 0% 20% かなり負担を 感じている 身体的な 負担 全体(N=400) 精神的な 負担 全体(N=400) 10.5 40% 60% やや負担を 感じている 26.3 13.3 80% あまり負担を 感じていない 感じている (計) ほとんど負担を 感じていない 40.5 37.5 100% 36.8% 22.8 31.5 17.8 50.8% ■糖尿病患者の半数以上(53.5%)が、ビジネス上で具体的な“悩み”を抱えている。 1位「トイレが近い(26.3%)」、2位「集中力の減退(19.0%)」、3位「イライラしやすい(18.0%)」。 ビジネス上のハンデを感じている糖尿病のビジネスマン・ビジネスウーマンは、意外に多いことがわかりました。そこで、具体的にど のようなことで困ったり悩んだりしているのかを聞いてみました。 過半数(53.5%)の人が、「何らかの困ったことや悩みがある」と回答しており、最も割合が高かったのは、「トイレが近い」(26.3%)で した。次いで、「仕事に対する集中力が減退した」(19.0%)、「些細なことにイライラする」(18.0%)、「酒の席に参加しにくくなった」 (17.3%)、「仕事に対するやる気・根気が減退した」(16.5%)などが続き、仕事に与える影響はかなり大きそうです。 グラフ4: 「糖尿病」になって、仕事の上で困ったこと・悩み(複数回答) ※全体ベース: N=400 60% 53.5 46.5 40% 26.3 19.0 20% 18.0 17.3 16.5 5.5 2.0 特になし 何らかの 困ったこと・悩みがある その他 薬の副作用に 悩まされる 仕事に対するやる気・ 根気が減退した 酒の席に 参加しにくくなった 些細なことに イライラする 仕事に対する 集中力が減退した トイレが近い 0% 2 仕事で関わる人への、自身の「糖尿病」告知 仕事篇 ■全体のおよそ4割(37.3%)が、糖尿病であることを仕事の関係者に公表せず。 ■男性76%に対し、女性は50.5%しか糖尿病であることを告げていない。 また、役職が高くなるほど、糖尿病であることを告げる傾向が強いことが判明。 自身が「糖尿病」であることを、仕事で関わる人に告げているかを聞いたところ、6割(62.8%)の人が「告げている」と回答しました。 男女別の「告げている」人の割合は、「女性」では5割(49.5%)程度なのに対し、「男性」では8割(76.0%)と高くなっています。 役職別では、役職が高いほど「告げている」人の割合が高い結果となりました。役職が高くなるほど、自身の「糖尿病」について周 囲に告げやすい、もしくは周囲に告げなくてはらない傾向があるようです。 グラフ5: 「糖尿病」であることを仕事で関わる人に告げているか ※全体ベース 0% 20% 40% 60% 告げている 全体(N=400) 80% 100% まったく告げていない 62.8 37.3 性別 男性(N=200) 76.0 女性(N=200) 24.0 49.5 50.5 役職別 部長クラス以上(N=73) 76.7 課長・主任クラス(N=111) 23.3 64.9 役職なし(N=216) 35.1 56.9 43.1 ■ 自身が「糖尿病」であることを取引先に告げている人は、わずか15.9%。 ■ 告げない理由は、 「プライベートのことを話す必要はない」(71.8%)、「病気だと思われたくない」 (39.6%)、「偏見、差別が心配」(32.2%)、「仕事をするうえでハンデになる」(25.5%)が上位に。 また、どういった立場の人に告げているかをみると、「上司・先輩」(81.7%)、あるいは「同期」(74.9%)の割合が多く、次いで「部下・ 後輩・アシスタント」(51.4%)となっています。「取引先」に告げている人はわずか15.9%となりました。 また、自身が「糖尿病」であることを、仕事で関わる人に「まったく告げていない」人に、告げていない理由を聞いたところ、「プライ ベートのことを話す必要はないと思う」(71.8%)の割合が突出して高く、「病気だと思われたくない」(39.6%)、「偏見、差別が心配」 (32.2%)、「仕事をするうえでハンデになると思う」(25.5%)などが続きます。 生活習慣病にもかかわらず、自らが糖尿病であると知られることが、ビジネス上マイナスになると考えている人が、少なからず存在 していることが明らかになりました。 グラフ6: 「糖尿病」であることを告げている相手(複数回答) グラフ7: 「糖尿病」であることを告げない理由(複数回答) ※自身が「糖尿病」であることを仕事で関わる人に 告げている人ベース: N=251 100% 81.7 80% ※自身が「糖尿病」であることを仕事で関わる人に 告げていない人ベース: N=149 80% 71.8 74.9 60% 60% 51.4 39.6 40% 32.2 40% 25.5 取引先 20% 15.9 20% 0% 24.8 23.5 2.7 その他 同情されたくない 恥ずかしい 仕事をするうえで ハンデに なると思う 偏見、差別が心配 病気だと 思われたくない プライベートの ことを話す必要は ないと思う 部下・後輩・ アシスタント 同期 上司・先輩 0% 3 「糖尿病」によるビジネス上の不安 仕事篇 ■ 糖尿病であるがゆえの仕事上の”不安“も、3人に2人(66.5%)が感じている。 ■仕事上で不安を感じる瞬間トップ3は、1位「糖尿病の怖さを知った時(31.3%)」、2位「薬を飲み忘れた 時(24.3%)」、3位「飲み会・宴会(23.8%)」。 今回の調査では、「糖尿病」であるがゆえに、仕事上で不安を感じることがある人が全体の66.5%を占めています。 具体的に不安を感じる瞬間は、「ニュースなどで糖尿病の怖さを見たとき」(31.3%)、「薬を飲み忘れたとき」(24.3%)、「飲み会・宴会 (接待)時」(23.8%)、「低血糖などの副作用が起きたとき」(20.5%)、「出張時に薬の携行を忘れたとき」(16.3%)など。 マスメディアからの疾患説明から、自らの糖尿病を省みる姿が思い浮かぶほか、毎日の治療薬の服用や医師の指導どおりに、過 ごせてないと不安を感じることが多いことがうかがえます。 グラフ8: 「糖尿病」であるがゆえに、仕事上で不安を感じる瞬間 ※全体ベース: N=400 80% 66.5 60% 40% 33.5 31.3 24.3 23.8 20% 20.5 16.3 7.5 6.0 何らかの 不安を感じる瞬間がある 特にない 0.5 その他 早足で歩くなど、 急いでいるとき 通常の仕事中 出張時に薬の携行を 忘れたとき 副作用が起きたとき ︵低血糖など︶ 飲み会・宴会︵接待︶時 薬を飲み忘れたとき ニュースなどで 糖尿病の怖さを見たとき 0% 4 勤務中の「低血糖症」に対する不安 仕事篇 ■ 勤務中(通勤中含む)に「低血糖症」を起こした経験がある人はおよそ2割(22.5%)。 多忙なビジネスマン・ビジネスウーマンには、なかなか難しい血糖値コントロール。 前ページで、仕事上で感じることがある不安として「低血糖などの副作用が起きた時」(20.5%)が4位に挙げられていましたが、実際 に通勤中に低血糖症を起こした経験がある人の割合は2割強(22.5%)でした。 具体的には、「食事をする時間が遅くなった時」(17件)、「昼食の少し前」(7件)、「前の食事が少なめだった時」(4件)と“次の食事 時間の前に血糖値が下がってしまった場合”や、「力仕事をした時」(6件)、「多忙だった時」(6件)など“力を使いすぎてしまった場合” が多く見られ、治療薬によって血糖値が下がりすぎないように気をつけるのは、多忙なビジネスマン・ビジネスウーマンにとって、なか なか大変なようです。 グラフ9: 勤務中(通勤中含む)に「低血糖症」を起こした経験があるか ■どんな時・場面で「低血糖症」を起こしたか(自由回答:件) ※勤務中に低血糖症を起こした経験がある人ベース 0% 20% 40% 60% あ る 順位 100% な い 22.5 全体(N=400) 80% 件数 1 食事をする時間が遅くなった時 17 2 通勤時(駅のホームや電車内で) 12 3 仕事中 9 4 昼食の少し前 7 5 力仕事をした時 6 多忙だった時 6 歩いている時 6 残業している時 4 前の食事が少なめだった時 4 接客中 3 77.5 8 ※全体ベース 10 ■ 勤務中の低血糖症経験がない人でも、4割以上(43.9%)が不安を感じている。 また、勤務中に低血糖症を起こした経験がない人でも、43.9%の人が「低血糖症」になるかもしれないという不安を感じています。糖 尿病の人にとって、「低血糖症」がいかに身近な不安であるかがうかがえる結果となりました。 グラフ10: 「低血糖症」になるかもしれないという不安を感じることはあるか ※勤務中に低血糖症を起こした経験がない人ベース 0% 20% 40% 60% あ る 全体(N=310) 80% 100% な い 43.9 56.1 ■ 「低血糖症」が起きてほしくない(勤務中の)場面は、 「運転中(63.3%)」「電車・バスの中(51.3%)」など移動中が上位に。 勤務中において「低血糖症」が起きてほしくないのは、「運転中」(63.3%)や「電車やバスの中」(51.3%)など、移動中であると回答 した人が多いようです。特に、運転中に低血糖症が起きたら命にかかわる危険な状況だけに、多くの人が“起きてほしくない”としてい ます。3位以下は、「会議、プレゼン中」(32.0%)、「得意先との打ち合わせ中」(25.0%)、「仕事で外回りしているとき」(22.0%)などが 続きます。 グラフ11: 勤務中(通勤中含む)に「低血糖症」が起きてほしくない時・場面(回答は3つまで) ※全体ベース: N=400 80% 63.3 60% 51.3 40% 32.0 25.0 20% 16.5 9.5 5.0 その他 3.0 昼食を 食べているとき 接待のとき アフター5に 同僚などと 過ごしているとき 仕事で 外回り しているとき 得意先との 打ち合わせ中 会議、プレゼン中 電車やバスの中 運転中 0% 22.0 5 現在の治療の状況 治療篇 ■やはり最も気になるのは合併症。およそ6割(59.8%)が気になると回答。 流行の新型インフルエンザと糖尿病との関係も26%が気になると回答。 糖尿病に関して、気になっていることを回答してもらったところ、「脳梗塞、失明、心筋梗塞などの合併症」(59.8%)が最も多く、「治 療の長期化」(41.0%)、「肝障害、腎障害などの障害」(39.0%)、「治療がインスリン注射に切り替わること」(28.3%)、「神経障害」 (27.0%)、「新型インフルエンザ」(26.0%)などが続きます。 グラフ12: 「糖尿病」に関して気になっていること(複数回答) ※全体ベース: N=400 80% 59.8 60% 41.0 40% 39.0 28.3 27.0 26.0 16.5 20% 3.5 その他 薬の副作用 新型インフルエンザ 神経障害 治療が インシュリン注射に 切り替わること 肝障害、腎障害 などの障害 治療の長期化 脳梗塞、失明、心筋梗塞 などの合併症 0% ■現在の治療方法は、やはり「飲み薬」(67.5%)や「食事・運動療法」(61.3%)が主体に。 現在の治療方法について聞いたところ、「飲み薬を服用している」(67.5%)と「食事・運動療法を採用している」(61.3%)という人が 多く、日々の生活改善や経口治療薬での対応が主体になっています。また、「インスリン治療をしている」(15.3%)という、かなり深刻 な症状の人も少なくないようです。一方、「治療は特にしていない」(7.0%)という人はわずかでした。 グラフ13: 現在の治療方法(複数回答) ※全体ベース: N=400 80% 67.5 61.3 60% 40% 15.3 20% 7.0 治療は特にしていない インスリン治療を している 食事・運動療法を 採用している 飲み薬を 服用している 0% 6 現在の治療経過の状況 治療篇 ■現在の治療経過について、およそ4人に1人(27.5%)が「不調」。 ■治療経過が不調の人の殆ど(93.6%)が、血糖値の改善を実感できていない。 現在の治療経過については、65.3%が「良好」と回答する一方で、「不調」という人も27.5%と少なくありません。 改善が実感できないのはどのようなことか聞いてみると、殆どの人が「血糖値の改善」(93.6%)を挙げています。「体調(症状・状 態)の改善」(疲れやすい、手足のしびれ、足や体の痛み、体重が減らない、など)と比較しても、非常に多くの人が「血糖値の改善」 が実感できていないことが伺えます。 継続的な糖尿病治療ができているかどうかについては、74.3%が「できている」と回答していますが、「きちんとできている」のは 9.3%と少数派でした。一方、「できていない」人が25.8%存在しています。グラフ●から、4人に1人が治療経過が不調であるとの結果 が得られましたが、そもそも継続的な糖尿病治療ができていない人が、少なからず存在していることが分かりました。 グラフ14: 現在の治療経過について ■改善が実感できていないのは どのようなことか(複数回答) ※現在の治療経過が 不調な人ベース: N=110 0% 20% 40% 60% 80% 93.6 100% 100% 80% 非常に良好 まあ良好 やや不調 非常に不調 変わらない 良好 (計) 不調 (計) 60% 40% 全体(N=400) 8.0 57.3 23.8 3.8 7.3 65.3% 27.5% 23.6 20% 体調︵症状・状態︶ の改善 血糖値の 改善 0% ※全体ベース ■継続的な糖尿病治療については、およそ4人に1人(25.8%)が「できていない」。 継続的な糖尿病治療ができているかどうかについては、74.3%が「できている」と回答していますが、「きちんとできている」のは 9.3%と少数派でした。一方、「できていない」人が25.8%存在しています。グラフ●から、4人に1人が治療経過が不調であるとの結果 が得られましたが、そもそも継続的な糖尿病治療ができていない人が、少なからず存在していることが分かりました。 グラフ15: 継続的な「糖尿病」の治療ができていると思うか ※全体ベース 0% 20% きちんとできている 全体(N=400) 9.3 40% まあできている 65.0 60% あまりできていない 80% 100% できていない 22.0 3.8 できて いる (計) できて いない (計) 74.3% 25.8% 7 医師の治療指示・指導は守れているか 治療篇 ■医師の治療指示や指導で守れているものは「薬の服用に関する指導」(78.8%)、 守れていないものは「運動の指導(35.2%)」「食事の指導(35.2%)」などの基本的な生活習慣。 医師の治療指示や指導で守れているものについては、「薬の服用に関する指導」は8割近く(78.8%)の人が守れているものの、「飲 酒に関する指導」(50.3%)、「喫煙に関する指導」(46.2%)といった嗜好品に対する生活習慣については50%程度に減少、「食事の 指導」(35.2%)、「運動の指導」(34.4%)といった多少の労力を必要とする項目は35%程度に留まっています。 前ページの治療方法の結果と合わせると、治療生活において、「治療薬」の存在が大きなウエイトを占めていることがわかります。 グラフ16: 医師の治療指示や指導で特に守れているもの(複数回答) ※現在、糖尿病の治療をしている人ベース: N=372 100% 78.8 80% 60% 50.3 46.2 35.2 40% 34.4 20% 運動の指導 食事の指導 喫煙に 関する指導 飲酒に 関する指導 薬の服用に 関する指導 0% ■医師の治療指示や指導が守れない理由、 およそ3割(28.8%)が「仕事の都合」と回答。 部長クラス以上では、6割以上(63%)が「仕事上の宴席」を守れない理由として回答。 医師の治療指示・指導が守れない理由では、「運動するのが面倒」(48.9%)、「外食時に食べ過ぎてしまう」(40.9%)、「間食がやめ られない」(37.4%)、「食事制限が辛い」(36.1%)など、“意志の弱さ”が主な理由となっていますが、「仕事上、宴席(接待)等に出席 しなければならない」(28.8%)、「深夜まで残業しなければならないことがある」(22.0%)など“仕事の都合による”関連の理由もみら れます。 また、役職別では、役職が高い人ほど“仕事”関連の理由を多く挙げており、「仕事上、宴席(接待)等に出席しなければならない」 の割合は部長クラス以上(63.0%)では6割を超えています。 男女別では、「間食がやめられない」や「外食時に食べ過ぎてしまう」は女性の方が多く、「仕事上、宴席(接待)等に出席しなければ ならない」「深夜まで残業しなければならないことがある」といった“仕事”関連の理由は男性の方が多いようです。 グラフ17: 医師の治療指示や指導が守れない理由(複数回答) ※医師の治療指示や指導を守れないことがある人ベース: N=313 60% 48.9 40.9 40% 37.4 36.1 31.3 28.8 22.0 20% 7.7 2.6 5.8 間食がやめられない 食事制限が辛い タバコがやめられない 仕事上、宴席︵接待︶ 等に出席しなければ な らない 深 夜まで 残業しなければ ならないことがある 通院する時間がない 自 分でも 何故だかわからない そ の他 役職別 外 食時に 食べ過ぎてしまう 性別 運動するのが面倒 0% 男性(N=163) 47.9 36.2 27.6 35.6 37.4 36.8 27.0 8.6 3.1 4.9 女性(N=150) 50.0 46.0 48.0 36.7 24.7 20.0 16.7 6.7 2.0 6.7 部長クラス以上(N=54) 50.0 35.2 25.9 35.2 38.9 63.0 33.3 22.2 1.9 1.9 課長・主任クラス(N=89) 48.3 47.2 32.6 43.8 32.6 36.0 28.1 2.2 3.4 5.6 役職なし(N=170) 48.8 39.4 43.5 32.4 28.2 14.1 15.3 5.9 2.4 7.1 8 「糖尿病薬」の副作用に対する不安 治療篇 ■糖尿病薬の副作用に悩まされた経験がある人は16.8%。 ■悩まされた経験がある副作用で最も多いのは「低血糖」(14件)。 糖尿病薬の副作用に悩まされた経験がある人は16.8%でした。具体的に、悩まされた経験がある副作用を聞いたところ、やはり「低 血糖」(14件)が最も多く、次いで「おならが出る」(11件)、「むくみ」(8件)、「下痢」(7件)、「お腹の張り」(6件)、「便秘」(5件)など、胃 腸の症状を中心に続きます。 糖尿病患者にとって、「低血糖症」に代表される治療薬の副作用は悩みの種のようです。 グラフ18: 糖尿病薬の副作用に悩まされた経験 ■悩まされた経験がある副作用 ※糖尿病薬の副作用に悩まされた経験がある人ベース 0% 20% 40% 60% 80% あ る な い 16.8 全体(N=400) 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 100% 83.3 9 ※全体ベース 件数 14 11 8 7 6 5 4 3 2 2 2 2 低血糖 おならが出る むくみ 下痢 お腹の張り 便秘 倦怠感 吐き気 筋肉痛 手足のしびれ かゆみ 眠気 ■ 自分に起こってほしくない副作用で割合が高いのは、 「腎障害」(49.3%)、「肝障害」(38.0%)などの内臓機能の障害と「低血糖」(25.3%)。 「糖尿病」の治療で、自分に起こってほしくない副作用は、「腎障害」(49.3%)、「肝障害」(38.0%)といった“内臓機能の障害”や、 「低血糖」(25.3%)、「太る」(22.0%)、そして「意識の混乱」(20.0%)、「昏睡」(16.0%)、「発語困難」(10.3%)といった“脳機能の障 害”など、さまざまな症状を恐れているようです。 グラフ19: 糖尿病治療で起こってほしくない副作用(回答は3つまで) ※全体ベース: N=400 60% 49.3 38.0 40% 25.3 20% 22.0 20.0 16.0 10.3 9.0 8.5 8.5 7.8 7.8 6.0 5.8 5.8 5.3 4.8 2.3 2.3 その他 1.0 1.8 貧血 発汗 食欲不振 皮膚のかゆみ、変化 眠気 便秘 下痢・軟便 頭痛 動悸・息切れ 吐き気・嘔吐 集中力の散漫 けいれん・震え むくみ お腹が張る 発語困難 昏睡 意識の混乱 太る 低血糖 肝障害 腎障害 0% 9.0 9 治療の継続のために 治療に望むこと篇 ■糖尿病治療の継続に必要だと思うものは、基本的には「自身の意欲」(93.0%)だが、およそ半数が 「医学の進歩」(54.3%)、「家族の理解・協力」(54.0%)、「新薬の開発」(47.5%)が必要と回答。 全体の93.0%と殆どの人が「自分自身の治そうという意欲」が必要と回答しました。 2位以下は、自分の意志でコントロールができない項目であり「医学の進歩」(54.3%)、「家族の理解・協力」(54.0%)、「新薬の開発」 (47.5%)と続きます。 グラフ20: 治療の継続に必要だと思うもの(回答は3つまで) 100% ※全体ベース: N=400 93.0 80% 54.3 60% 54.0 47.5 40% 30.3 19.8 20% 1.3 その他 職場の理解・協力 医師の対応・意欲 新薬の開発 家族の理解・協力 医学の進歩 自分自身の 治そうと思う意欲 0% ■治療が継続できるために医師に望むことトップ3は、1位「適切な指導」(58.5%)、2位「丁寧なイン フォームド・コンセント」(47.8%)、3「治療薬の選択肢とその説明」(42.0%)。 治療が継続できるために、医師に望むことは、「適切な指導」(58.5%)、「丁寧なインフォームド・コンセント」(47.8%)、「治療薬の選 択肢とその説明」(42.0%)、「治療薬の副作用、実績(海外も含めた)の詳しい説明」(30.5%)、「優しい対応」(20.5%)などでした。 また、男女別では、男性よりも女性の方が割合が高い項目が多く、特に女性は治療の継続のため、医師の対応について多くのこと を望んでいることがうかがえるほか、治療薬の副作用にも敏感のようです。 グラフ21: 「糖尿病」治療を継続できるよう、医師に望むこと(複数回答) ※全体ベース: N=400 80% 60% 58.5 47.8 42.0 40% 30.5 20.5 20% 17.5 16.0 11.8 10.5 3.8 2.8 13.5 13.0 12.0 15.5 1.5 2.5 12.5 35.5 27.5 22.0 20.0 8.0 6.0 3.0 8.5 特にない 25.5 42.0 その他 優しい言葉 42.0 51.5 サービス精神 優しい対応 44.0 63.0 厳しい叱咤激励 治療薬の選択肢と その説明 54.0 女性(N=200) くどくど 言わないこと 丁寧なインフォームド・ コンセント 男性(N=200) 治療薬の副作用、 実績︵海外も含めた︶ の詳しい説明 適切な指導 性別 0% 10 新薬に対する受容性 ・ 「糖尿病」が改善したら 治療に望むこと篇 ■新薬に対する受容度は比較的高く、およそ8割(77.1%)の人が新薬を受容している。 どんな新薬でも試してみたい人は31.3%、海外で実績があれば安心して服用できる人は27.3% 糖尿病の画期的な新薬が日本で発売された場合、どのような薬剤ならば安心して服用できるかを聞いたところ、「国内・国外に関わ らず、どんな新薬でも試してみたい」(31.3%)や、「海外で実績がある薬剤」(27.3%)の割合が約3割と高い結果となりました。新薬の 服用を受容している人は、全体の約8割(77.1%)と、新薬の服用に対して意欲的な人が多いことが分かります。 グラフ22: 画期的な「糖尿病」の新薬が日本で発売された場合、どのような薬剤なら安心して服用できると思うか ※全体ベース 0% 20% 国内・国外に 関わらず、どんな 新薬でも試してみたい 全体(N=400) 40% 実績がなくても 国内メーカーが 製造した新薬 31.3 60% 80% 100% 国内・国外に 関わらず、新薬は 安心して服用できない 海外で実績 がある薬剤 18.5 新薬受容 (計) その他 27.3 18.0 5.0 77.1% ■糖尿病が改善できたら心置きなく食べてみたいものトップ3は、 1位「ケーキなどの洋菓子」(16%)、2位「焼肉」(10.0%)、3位「甘いもの」(9.5%)。 もしも糖尿病が改善できたら、心置きなく食べてみたいものは、「ケーキなどの洋菓子」(16.0%)と回答した人が最も多く、「焼肉」 (10.0%)、「甘いもの」(9.5%)などが続きます。 男女別でみると、男性では「焼肉」(12.0%)、女性では「ケーキなどの洋菓子」(23.0%)が最も高い割合となっています。 前述の医師の指導を守れない理由としても、女性の48%が「間食がやめられない」と回答していることからも、女性にとって「洋菓 子」はとても魅惑的なもののようですね。 グラフ23: もしも「糖尿病」が改善できたら、心置きなく食べてみたいもの ※全体ベース: N=400 20% 16.0 10.0 10% 9.5 9.5 4.5 4.3 4.0 3.8 3.5 3.0 2.8 2.8 1.8 1.5 0.8 ケーキなどの洋菓子 焼肉 甘いもの 米 肉料理 制限せずに 好きなだけ食べたい ステーキ 酒 おはぎなどの和菓子 寿司 揚げ物 アイスクリーム ラーメン 果物 その他 性別 0% 男性(N=200) 9.0 12.0 9.5 6.0 5.0 5.0 4.5 3.0 3.0 2.5 2.5 1.5 1.5 1.0 10.0 女性(N=200) 23.0 8.0 9.5 3.0 3.5 3.0 3.0 4.0 3.0 3.0 3.0 2.0 1.5 0.5 9.0 11 健康日本21推進フォーラムについて 健康日本21推進フォーラムは、厚生労働省の策定した第3次国民健康づくり運動「健康日本21」 (21世紀における国民健康づくり運動)を産業界から支援する目的で1999年に設立され、 健康日本21推進全国連絡協議会の一員として活動する任意団体です。 平成21年4月現在、45の企業・団体が集い、新規会員を随時募集しています。 健康日本21推進フォーラム URL:http://www.kenko-nippon21forum.gr.jp
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