2009年8月 タイ視察報告書 - ステッカーで地雷除去キャンペーン

2009.8.19~8.27
POM2
タイ視察報告書
行程表
日程
活動内容(メンバー:大竹陽 飯田麻友
8 月 19 日
10:30 成田出発
岩田幹
島本雄太
15:00 バンコク着
バンコクからウボンラチャタニ空港へ移動
ウボンラチャタニ空港からタクシーでカンタラという町へ
カンタラで PRO のマネージャーと除去員2名に迎えられる
20 日
地雷被害者・現地小学校訪問
21 日
カンタラを出発してアランヤプラテートに移動する
途中で MUENG TAM, PHANOM RUNG 遺跡に寄る。
夜は PRO メンバーと共に食事をして、交流
22 日
PRO の地雷除去キャンプに行く
サドックコクトム寺院視察
夕食は PRO メンバーによる歓迎パーティー
23 日
終始 PRO メンバーと行動し、交流を深める
24 日
アランヤプラテートからバンコクへ移動
25 日
除去員とのバンコク観光
26 日
アユタヤにて寺院巡り
バンコク出発
27 日
6:40 成田着
友田茂樹
西村朊子)
PRO とは
POM²は 2006 年まで、特定非営利活動法人「人道目的の地雷除去支援の会(JAHDS、ジャッズ)」に寄
付をしていました。
「JAHDS」とは、日本の企業が力を合わせ、タイとカンボジアの国境沿いに埋まる地雷の除去、地雷探知
機の開発、地雷除去に伴う資機材の提供などを行った日本の NGO です。「その後の経済復興」に目を向け
た地雷除去支援活動が特徴であり、ソニー、ホンダ、トヨタ、オムロンなど日本の有力企業がアイディア、
資金、技術など様々な面で力を合わせ、“日本が誇るオールスター型 NGO 集団”とも言われました。
2006年9月、タイ王国の遺跡「カオ・プラヴィーハン」地域での地雷除去事業を完了して、JAHDSはその
使命を終え同年11月に解散しました。
JAHDSのあとを引き継いだのが、現地NGOである「PRO(Peace Road Organization)」です。2006年10月
にタイ人によって設立され、「自分たちの土地は自らの手で」という考え方のもと、地雷除去活動に取り
組んでいます。2007年には、PROの活動を1年間モニターしてきた在タイ日本国大使館によって、草の根・
人間の安全保障無償資金協力「カオ・プラヴィーハン地域における不発弾および対人地雷除去支援計画」
に約3,000万円の支援を受けるなど、着実に実績を重ねています。
現在、「ステッカーで地雷除去キャンペーン」の収益は、PRO に寄付しています。
今回のタイ視察ではその寄付に対する感謝状が PRO より授与されました。
現地視察コンテンツ①
被害者訪問
8月 20 日の朝、我々は PRO マネージャーに連れられカンボジアとの国境付近に赴いた。そこで、計3
名の地雷被害者との交流を行った。彼らの話に共通していたことは、事後の日常生活に大きな影響を与え
ているということ、政府からの生活補助が不十分であるということ、また最も意外であったのが想像以上
に淡々としゃべっていたことである。彼らは、事後も仕事を行いながら生計を立てていかなければならな
い。しかし足の痛みや歩行の困難さから、事故以前の仕事を行うことは難しいとおっしゃっていた。また
これに関連して、地雷被害に遭遇した国民には、政府から生活補助を受けることができる。しかしこれも
微々たるものであり、以前の生活水準とは程遠いものであると述べていた。
しかし話の中で我々が、最もある種の「違和感」を覚えたものは、彼
らが地雷を踏んだ時の状況、様子、痛みを淡々と述べていたことである。
当初我々は、地雷被害者3名がなぜそのように述べることができるのか
に疑問を感じた。しかし、PRO のマネージャーは「彼らにとって地雷
は日常生活に隣接するものであり、日本における交通事故に近いものな
のかもしれない」とおっしゃっていた。地雷は「兵器」であるという認
識が万国共通の常識であり、概念だと思っていた我々にとって、現地の実
情は重くのしかかるものであった。
その夜に行われたミーティングでは、初めて知る地雷問題の現状に、メ
ンバーはうまく言葉にすることができなかった。初めて知る地雷問題の現
状や被害者のお話は、現地を知らない我々にとってとてつもなく重いもの
であった。
感想
地雷被害者のお話を伺うことは、この現地視察のメインともいえるものでありました。我々のメンバー
のほとんどは現地の状況を知りません。そのような中で活動してきた我々にとっての活動目的は、「タイ
のため」というよりも「POM²のため」に傾いていました。社会貢献を身近なものするというビジョンを
持っている我々にとってこれは間違っているとは思いませんが、メンバー皆がこの視察を通し、さらなる
POM²の拡大のため活動を続けようと感じたことは言うまでもありません。我々のような国際社会問題に
関係している団体にとって現地を知るということは、団体そのものの存在意義を再確認するそのような絶
好の機会なのであると強く思います。
現地視察コンテンツ②
学校訪問
20 日はその後、訪問した地雷被害者3名が住む家の近隣にある小・中学校を訪問した。今回の訪問は、
予定されていたものではなく突然の訪問であった。それにも関わらず、児童
は笑顔で接してくれ、教師も授業中にも関わらず我々の訪問を歓迎してくれ
た。当初我々は、彼らがなぜここまで歓迎してくれるのか分からなかった。
しかし、PRO のマネージャー曰く、彼らが我々に心をこめて歓迎してくれる
理由、それはただ「歓迎したいから」であると
言う。彼らが歓迎するのは、我々が PRO に資
金援助をしているからでもなく、日本人という人種が彼らにとって物珍しい
からでもない。純粋に学校に遊びに来てくれたから歓迎する。心のどこかで
「援助する側」「援助される側」という位置づけを決めていた我々に、その
ような「境界線」を外してくれた貴重な体験になった。
感想
突然の訪問にも笑顔で出迎えてくれる児童や教師を見て、私は日本との文化的差異を感じました。この
ような突然の訪問を日本で実現することは不可能であり、国や文化が違えば人間の育ち方も大きく異なる
ことを実感しました。
また、私は彼らの足を見て安堵と不安の気持ちを覚えました。安堵した理由は彼らが皆、足を失ってい
なかったからです。この学校は、訪問した地雷被害者の家から近い場所にあり、それはもちろん近隣に地
雷が埋まっていることを意味します。それにも関わらず、彼らは楽しく走り回り、玩具もなく充実した施
設とはお世辞にも言えなかった学校の中で、精一杯の学校生活を満喫しているように感じました。しかし、
私は同時に不安にもなりました。それは、彼らがいつ地雷を踏むか分から
ない状況下に置かれているからです。今日楽しく鬼ごっこをしていた子供
が、明日から自分の足で走れなくなるかもしれない。そう考えると、我々
の活動の価値というものを再確認できました。PRO のマネージャーがわ
ざわざここに我々を連れてきたのには、単なる子供たちとの交流以上のも
のを感じました。
現地視察コンテンツ③
PRO キャンプ
22 日に我々は実際に活動をしている PRO キャンプの視察に赴いた。キャンプでは地雷についての説明
を受けた後、地雷除去のデモンストレーションへと移った。地雷除去は、平地であればまず専用の機械で
土地をならす。その後、2人1組で人間が地道に作業をしていく。急な坂など、機械で作業を行うのが困
難な場所は機械を使わず全て人間の手で作業を行う。どの程度の面積を1
日に処理できるのかを伺ったところ、平地であっても2人で1日に 100
㎡、機械を使った作業が困難な場所では 30 ㎡が限界であるとマネージャ
ーはおっしゃっていた。また、我々は地雷除去に使用する器具を実際に身
につけてみた。重量は約 20 キロであり、想像していたよりも重くはなか
ったが、しかし現地のような気温と湿度では長時間身につけて作業するの
は困難であろうと感じた。また当日は目にすることはなかったが、地雷除去には現地の地雷探知犬も活用
される。犬が地雷の火薬の臭いを嗅ぎつけ、そこを人が掘り起こ
して地雷除去を行う。しかし、犬が活躍できるのは草や木の生い
茂っていない場所に限られる。結局は、人間が手作業で行わなけ
れば作業は終了しない。
マネージャーのお話の中に、昔地雷を製造していたのは米軍で
あり、その後に地雷除去に携わる犬を教育したのも米軍であると
いう現実があった。我々は、そのような実態に激しい皮肉を感じ
た。
感想
我々は資金を送り、除去員はその資金を使い地雷を除去する。私はそのような役割分担というものを知
らず知らずのうちに意識していたように思います。しかし、このような役割分担は必要不可欠である一方
で、意識するべきではない問題であると感じました。日本において地雷問題を広めること、資金を集める
ことは我々のような団体の役割であり、その資金で除去員は作業をするという役割があります。つまり、
我々にしかできない仕事、彼らにしかできない仕事があります。しかし私はここに明らかな線引きをし、
現地の作業方法や実態を知らず、また知らなくてもかまわないと考えていたと思います。この結果 POM²
に対するメンバーのモチベーションは維持が難しいものとなっていました。頑張っても本当に現地の人は
感謝してくれているのか、本当に活用されているのか、それを分からないまま活動していた我々にとって、
これは切実な問題でした。しかし、現地でのデモンストレーションや説明を受けることで、私たちの活動
が現地で実際に使われている様子を目にしました。これによって、以前の隔たりはなくなり自らの活動の
重要性も再確認できたと思います。
現地視察コンテンツ④
PRO メンバーとの交流
23 日の夜に PRO メンバーとの交流会が開かれた。その中で、仕事の状況や除去員になった経緯などを
伺いながら交流を深めた。彼らの中には実際に家の周りが地雷原であ
り、家族が安全に暮らせるような環境がないことから、自らと同じ問
題に苦しむ人々のために地雷除去という活動を行おうと決心した除
去員もいた。このように彼らの多くは、幼い時期から地雷と「共同生
活」をしていたという経緯がある。幼い時期から地雷の危険にさらさ
れていた人間が、地雷の危険と戦いながら除去活動を行う。これは、
ある種絶えない活動の理由へと繋がっていると我々は感じた。
また交流会では PRO メンバーの親密さというものに驚かされた。彼らは、単なる「仕事」をしているわ
けではなく、常に地雷の恐怖と闘いながら「仕事」をしているので
ある。一歩踏み出せば、死ぬかもしれないという環境は、ある種の
戦争状態といえる。しかし彼らはお互いに冗談を言い合ったり、ゲ
ームをして遊んだりと毎日が楽しそうであった。もちろん、我々を
接待するという目的があったことは明らかであるが、それにしても
彼らの家族のような関係には目を奪われるのもがあった。
感想
POM²は、今までいわばドメスティックな面に焦点を当てて活動してきました。活動理念にもある、「社
会問題を身近なものに」というのがその表れです。しかし、それはまた活動の目的喪失という事態にも繋
がってしまいました。POM²のミーティングにおいて、そもそもなぜ活動するのかという根本的な話し合
いをすることが多々あります。それは活動の対象を忘れてしまっているからであると思います。今回の交
流から、私たちはドメスティックな目標として地雷問題という社会問題を広めることにある一方で、活動
の対象はタイにあるのだということを再確認しました。今回の交流から、POM²のメンバーの多くは「も
っとたくさんステッカー売ろう」という感想を持ちました。実際の彼らの活動を知り、彼らの生活を知っ
た上での感想です。
また私は、今でもスカイプを通じタイの除去員と交流を行っています。これは彼らが、私たちを単なる
客としてではなく、パートナーとして扱ってくれた証だと感じます。(文責:島本)
今後の活動について
最後にこの度の活動の総括と、今後の POM²の活動について述べる。
POM²は非常に少人数の学生団体である。しかし、それにも関わらず扱っている問題は大きい。結果、
一人一人にかかる重みというのは非常に重たいものになってしまっていた。既述のように、それによって
メンバーのやる気の維持は課題となっていた。しかし現地にメンバーが赴き、支援している団体と交流す
ることで、自分たちの努力が PRO の活動を支えているということを身を持って体験することができた。ま
た今回は支援証明書をいただき、実際に我々が支援をしているということをより一層実感できた。昨年度
の寄付額は 131,560.4 バーツ(約 40 万円)である。
[支援証明書]
POM²には資金不足や活動の限界など、まだまだ問題は山積している。しかし新しい WEB サイトの完
成、福岡での retired weapons との共同イベントそして今回の現地視察と、今年は POM²結成以降非常に
多様な方面への活動を行ってこれた。今年で POM²が結成されてから 6 年が経過する。少人数の学生団体
でここまで活動を続けてきた POM²の存在価値は非常に大きい。今後も、さらに活動の幅を広げ「社会貢
献を身近なものに」できるよう努めていきたい。
メンバーの感想
大竹陽
私にとっては 2 度目となる地雷原視察でした。はじめて除去員のキャンプに行ったときに感じた、地雷が
すぐそばにあるという恐ろしさ、地雷除去の過酷さ、そしてあの赤い看板を見るだけで背筋が凍った記憶
は今でも忘れません。でも、今回の視察での一番の収穫は除去員と仲良くなれたこと、なのではないでし
ょうか。POM2 の活動は、地雷除去団体にお金を送るという一方通行の形ではなく、地雷問題や地雷原の
状況を、寄付者、日本人に伝えるという、タイと日本をつなぐ懸け橋のような役割もあると思っています。
その中で、どんな人が、どんな思いで、どれだけ大変な仕事をしているのかというのをこの目で見ること
ができたのは、そうした懸け橋の役割としても、POM2 のメンバーにとっても、これからの活動にプラス
になることでしょう。そして、彼らの活動を私たちが知るだけでなく、私たちの活動の内容を彼らにしっ
かりと伝えられたときには、日本、タイと場所は違っても、自分たちは一緒になって地雷除去活動に取り
組んでいるのだというふうに感じられました。地雷原に近づくことというのは、日本で普通に生活してい
て決してあることではありません。私たちは、そうした経験ができた数少ない日本人であるという自覚を
持って、これからの活動の中でも地雷問題についてしっかりと伝えていかなければいけない、そう思いま
した。
飯田 麻友
今まで、どのような状況でどのようにどんな人たちによって地雷が除去されているのか、具体的にわから
ないままに活動を続けてきました。しかし、今回初めてタイに赴き、現地の除去団体 PRO の皆さんと交流
することで、いままでどうしても遠く感じていたタイという世界のリアリティを感じ、同時に活動の重み
を再確認することができました。今回の視察での一番の収穫は、本当の意味での「the Problem Of Mines is
the Problem Of Mine.」に、一歩近づけたことだと思います。PRO の皆さんをはじめとするタイの方々に
感謝すると同時に、私たちがしていることがどういうことなのか、さらにこの人たちのためにどんなこと
ができるのか、再度深く考える必要性を感じました。
やはり、同じ星の上に生きていて、インターネットが普及した現代に生きているとはいえ、海を隔てた
土地のことを自分の問題として現地の人と同じようにとらえることには壁があると思います。より多くの
寄付金を送って、少しでも広い土地の除去が実現すること、そのために、日本のみなさんにも現地の「リ
アル感」を伝えていくことが、私たちができるひとつの援助の仕方なのか、と、思いました。
島本 雄太
今回のタイの地雷原現地視察は非常に有意義なものであり、今後の POM²の発展に大きな意味を与えるも
のであった。それは、今までスタッフが現地の様子を知り、地雷除去員と触れることで、自身のモチベー
ションの向上に繋がったからだ。
今まで、タイの地雷原の視察に行ったことがあるスタッフはほとんど POM²に在籍していなかった。さら
に現在の支援団体である PRO の除去員と面識のあるスタッフは1人もいなかった。こういう状況下で活動
してきた我々にとって、なにより困難だったのがスタッフのモチベーション維持であった。POM²の活動
は非常に時間と労力を費やすものであり、決して楽しいことばかりではない。その中で、除去員と面識も
なく地雷原の実態を知らないスタッフが、いくら除去団体に除去費用を送ろうとも、自分たちが国際問題
解決のための資金援助をしているという実感が湧かないのである。しかし、今回の訪問によってその問題
が解消された。
以上のように今回の現地調査は、現地の状況を知り、活動の幅を広めるという事以上に、我々の「やる気」
というものを最大限高めることができたという点において、価値あるイベントとなったと言えるのではな
いか。
友田 樹希
私は今回の視察の始まりであるウボンラチャタニへ降りて驚いた。私には地雷のことばかりが頭にいき、
タイの地誌に関してまでまわっていなかったので、タイの中でも最果てであろうカンボジアとの国境地域
にまでインフラが敷いてあるとは思わなかったのだ。地図を見ると首都バンコクからの鉄道も通っていた。
灯りの数こそまばらで下水のにおいもやや気になるが電気も水道もコンビニまでもあった。日本で触れて
いたタイの情報は大都市に人口が集中していて、地方は過疎化しているというもで、映像には藁葺き屋根
の家々ばかりが映し出されていた。この情報から来た私の中のタイのイメージとはずいぶん違っていた。
また、現地の声ではタクシン派と反タクシン派の衝突のこともセンセーショナルなメディアの報道ほど危
険なものではないようであった。言葉は勿論だが、カメラも見たままを写すとは言うものの写し手が絵を
切り取る限りバイアスがかかる。現地に立つことの大切さを実感した。
また、今回の視察では現地の地雷除去員の方々と長く共にすることができた。このおかげで行程もスム
ーズに行ったのだが、何より彼らと仲良くなったおかげで私たちメンバーも彼らのためにもがんばりたい
と思うことができた。とても良い動機付けとなったと思う。さらに、私は今回の視察で現地の人々と触れ
合ったことで、より多くの資金を送り役に立ちたいという思いが先行して今までの生活者の社会参加を中
心とした活動に疑問を持った。だが、よくよく考えるとこの考えは単なる自己欲でしかないと思い、自分
の考えをさらに固めることができた。今回の現地視察は本当に実りの多いものだったと思う。
岩田幹
タイに行くまでの私は弱い問題意識のもと POM2 の活動に参加しており、POM2 が本来目的とする「地雷
除去」の為というよりも、むしろそれ以外の理由でこの活動を行っていた。それはボランティアをしてい
ることで少しいい恰好ができることや、一度やると決めた責任感などであるが、POM2 の活動をするには
どれも弱いものであった。やはり、実際に現地を直接に見たわけではないのに、何千キロ先の地雷原を想
像するのは難しく、どうしても他人事になってしまうのは仕方ないことである感じていた。おそらくその
ような気持ちを持っていったのは、自分だけでなくタイに行ったことないメンバーが共通して感じていた
ことではないかと思う。
今回のタイ視察での成果は、当初考えていた目的や予想とは大きく違い、地雷除去員の人々と共に行動
し、彼らと深く関われたことであった。私は、実際に地雷被害者の人にも会い、話を聞いたり、町中で足
のない人をたまに見かけたりはしたが、正直地雷がどれだけ惨いものなのかはよくわからなかった。地雷
の惨さ、悲惨さを一番よく知っているのは、少し見たり聞いたりしただけの私たちではなく、地雷除去員
の人たちであると私は思った。彼らは 1 人ひとり明確な強い理由があり、その為に非常に危険な仕事であ
る地雷除去を行っているのだ。8日間のタイ視察でそんな地雷除去員の人たちと触れ合い、彼らの人柄に
惹かれ、彼の強い思いを出来る限り応援したいと思うようになった。この思いを大切にして今後、POM2
の活動を行っていきたいと思う。
西村朊子
現地のタイでは、実際に除去員の人達と交流出来る時間がたくさんあったので、どんな人がどのような思
いで除去を行っているかよくわかりました。POM²として寄付をする事がただの国際協力ではなく、あの
人達の力になっていることを実感しました。PRO メンバーは本当に仲が良く、マネージャーさんをはじめ
みなさんは温かく私たちを迎え入れてくれまるで家族のように接してくれました。そのような交流があっ
たからこそ、今回のタイ視察は私にとって意味がありました。「この人達に死んで欲しくない」そう思っ
たからです。それは POM²として日本でステッカーを販売しているだけは決して思わなかった事です。今
まで私は地雷を除去する側にはあまり注意を払っていなかったのです。
「地雷を除去するシステム」は日々
人の命を危険にさらして成り立っているものであるとタイ視察に行かなければ理解出来なかった事でした。
そういう体験があるからこそ、今後も色々な活動を通して彼らの役に立ちたいと思っています。