ファスナー強度検査方法

ファスナーについて知っていただきたいこと
強度検査方法
ファスナー強度検査方法
ファスナーの強度検査には様々な検査方法があります。基本的な強度は、以下の検査方法により
測定されます。(JIS S 3015:2007に基づく)
※引張試験機:引張速度は300mm/min. クランプ幅は25mm。
■チェーン横引強度(2.5cm当り)
ファスナーをかみ合わせた状態でチェーンかみ合い方向に
対して図のように一定速度でテープを引っ張り強度を測る。
一般的なファスナー強度を表わす方法。
■上止部縦引強度
ファスナーについて
知っていただきたいこと
ファスナーの下部を固定し、スライダーを上止部まで引き上げた
状態から、強く引き、縦引き強度を測る。
強度検査方法
■下止部引裂強度
スライダーを下止に接するまで下げチェーンを左右に開き、
下止部の引裂強度を測る。
■開部横引強度
最終エレメント末端がクランプ縁線と一致するように
開具部分のみを引張試験機に固定し、横引強度を測る。
■スライダーロック強度
スライダーのロックがかかった状態でチェーンを左右に開き、
ロックする強度を測る。
■スライダー総合強度(90°)
90°
スライダーの胴体下面を固定し、引手を垂直方向に引っ張り、強度を測る。
※引張試験機:引張速度100mm/min.
上記以外の強度検査として往復開閉耐久試験などがあります。
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Apr.2014
ファスナーについて知っていただきたいこと
 強度規格(JIS S 3015:2007)
■YKKのスタンダードファスナーはJIS規格値をクリアしています。
ファスナーをご使用の際は、用途に応じた必要強度をご確認のうえ、製品を選択してください。
また、YKKではより高い品質のファスナーを生産するために、独自の品質規格を設けています。
JISと同じ等級であっても、アイテムにより強度値が異なる場合がありますので、より詳細な数値が必要な際は、営業
担当者までご相談ください。
JIS等級区分表
単独エレメント
YG
YAN
MA
軽量級
L
4.0以上 5.5未満
3MG
4MG
3MA
4MA
5RA
3YGR
4YG
中量級
M
5.5以上 7.0未満
5RG
7MG
7MA
5YG
中重量級
MH
7.0以上 8.5未満
重量級
超重量級
H
UH
8.5以上 12.0未満
12.0以上
記号
超軽量級
8MA
10MG
連続エレメント
EF
CH
VS
CF
2CF
3YAN
4YAN
3VS
4VS
3CF
45CF
4EF
5YAN
5VS
75VSFF
5CNF
5EF
8VS
95VSFF
10VF
15VF
8YAN
10MA
FK
2CH
3CH
25FK
ファスナーについて
知っていただきたいこと
MG
UL
チェーン幅
単位[mm]
2.5以上 4.0未満
種類
8CF
10CF
※単独エレメント:エレメントが一つ一つ独立したファスナー
(主にメタル、ビスロン ® ファスナー)
※連続エレメント:エレメントが連続したファスナー
(主にコイルファスナー)
強度項目
JIS等級別強度規格表
チェーン横引強度
単独
エレメント
補強テープ
ファスナー種類
UL 300
L
400
M
500
MH 600
H
単位[N:ニュートン]
700
UH 800
上止部縦引強度
200
100
150
250
150
300
200
450
200
390
200
540
250
490
300
590
300
350
−
690
− − 金属
樹脂
スライダー スライダー
単独
単独
単独
エレメント
エレメント エレメント
(アルミ・綿・
ニットテープ)
アルミ
エレメント 綿・ニット
綿・ニット
テープ
テープ
230
下止部引裂強度
連続
金属
樹脂
金属
樹脂
エレメント スライダー スライダー スライダー スライダー
綿・ニット
以外の
綿・ニット
テープ
以外の
テープ
150
スライダー スライダー
開部横引強度 開具箱縦引強度 スライダーロック強度 総合強度 引手ねじり
(90°)
強度
単独
単独
金属
金属
エレメント エレメント スライダー スライダー
連続
連続
連続
エレメント エレメント
エレメント
40
30
50
40
70
60
100
80
120
100
200
170
15
15
30
40(30)
50
20
30
50
50
70
30
40
70
80
80
60
150
120
120
150
120
150
− 80
90
100
150
50
60
120
100
-
150
300
− − 強度規格(JIS S 3015:2007)
※種類はチェーン幅(かみ合ったエレメントの幅)によって区分します。
連続
連続
樹脂
樹脂
エレメント エレメント スライダー スライダー
40
50
60
80
120
200
15
10
10
25
60
10
20
10
40
80
10
25
35
50
60
−
50
70
45
70
150
300
− 35
100
200
−
− 45
170
50
10
100
35
60
15
150
35
10
50
25
50
15
40
60
−
300
− 引張試験機:引張速度は300mm/min. クランプ幅は25mm。但し、スライダー総合強度は100mm/min.
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ファスナーについて知っていただきたいこと
ファスナーの上手な使い方
1 すべりの悪いとき
開閉がスムーズにできない場合、スライダーを無理に動かすと、エレメントの
噛み合いに支障が生じることがあります。そんなときはパラフィン、または潤
滑スプレー『ファスナーメイト®』をエレメントの表と裏に塗ってから、スラ
イダーを数回移動させてなじませるとすべりが軽くなります。
2 エレメント抜け
ファスナーについて
知っていただきたいこと
過剰に物が詰められたバッグのファスナーを無理に閉めようとするとエレメント
に負担がかかり、エレメントが破損したり、テープが切れてしまいます。内容
物を減らし、無理な負担がかからないよう、左右のエレメントを接近させなが
ら、閉めるようにしてください。
ファスナーの上手な使い方
3 布などをかんだとき
開閉時に、糸や布をかむとスライダーが動かなくなることがあります。
こんなとき、無理にスライダーを動かすと、更にくい込みがひどくなるため、
かみこんだものを外しながらスライダーを引き上げてください。
完全にくい込んでしまった場合は、力まかせにスライダーを動かさず徐々に戻
すようにしてください。
なお、ファスナーを縫い付けるときにはトラブルの原因を作らないよう注
意が必要です。
4 着るとき、脱ぐとき
衣服の着脱はファスナーを完全に開いた状態で行なってください。
スライダー位置が途中(開口部が狭い)のままでの無理な着脱は、エレメン
ト、スライダーロック機能が破損する等、故障の原因になります。閉じる際には、
カギホック・トップボタン等を留めてから、スライダーが傾かないようエレメ
ントに沿ってまっすぐ引き上げてください。
5 アイロンをかけるとき
材質によってアイロンの温度が変わるのは、衣類だけではありません。ファス
ナーにも適温があります。適材、適温を守って、いつまでも丈夫で美しいファ
スナーにしておきたいものです。
また、ファスナーにアイロンをかけるときは、どんな材質に限らず、必ずファ
スナーを閉じ、スライダーの引手を裏返したり、立てたりせず、正常な位置に
固定し、当て布をしてからかけてください。
コンシール ®
フラットニット®
ビスロン ®
コイルファスナー
160℃
150℃
130℃
160℃
素材別ファスナーの耐アイロン温度表
(圧力1.5kg、10秒間静止)
※エレメントやスライダー部に直接当てると、思わぬ変化をおこす場
合があります。
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Apr.2014
ファスナーについて知っていただきたいこと
6 洗濯をするとき
洗濯機や乾燥機をご使用の際には必ずファスナーを閉じてください。
他の洗濯物との絡まりにより、エレメントやスライダーロック機能が破損した
り、他の洗濯物の布地を傷める等のトラブルが発生します。
また、洗濯槽の穴に引手が入り込み遠心力により、引手が取れる可能性があり
ますので、特に引手の細い・長いものは洗濯ネットのご使用をお勧めします。
乾燥機使用後、ファスナーを開閉する際は衣類の温度が十分に下がってから、
行なってください。
アルカリ性の強い洗剤や塩素系漂白剤を使用することで、ファスナーの開閉の
際のすべりが悪くなります。
その際は柔軟剤を使用するか、パラフィン、潤滑スプレーの塗布により改善し
ます。
(特に浸け置き洗いは不具合の原因になりますのでお避けください)
※潤滑スプレー『ファスナーメイト®』がございます。
ファスナーについて
知っていただきたいこと
開・逆開ファスナーの操作方法
◆閉じるとき
1. スライダーを箱にピッタリ着くまで下げます。
2. 蝶棒を根元までしっかり差し込みます。
(しっかり差し込まないと故障の原因になります)
3.右手で蝶棒側を押さえたまま左手でスライダーを引き上げ
ます。
◆開くとき
1. スライダーを箱にピッタリ着くまで下げます。
2. 右手で蝶棒を静かに抜きます。
2 逆開ファスナー
◆閉じるとき
1. スライダーを下スライダーまでしっかり下げます。
《構造》
ファスナーの上手な使い方/開・逆開ファスナーの操作方法
1 開ファスナー
2. 右手で蝶棒を根元までしっかり差し込みます。
(しっかり差し込まないと故障の原因になります)
3.左手でスライダーを引き上げます。
◆開くとき
1.左手でスライダーを下ス
ライダーまで下げます。
2.右手で蝶棒を静かに抜き
ます。
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Apr.2014
ファスナーについて知っていただきたいこと
銅合金ファスナーについて
銅合金は一般に酸、アルカリ、酸化剤、還元剤、硫化物等の薬品に反応し、変色することが知られています。お客様が
お使いになる生地等の素材にこの種の成分が残留している場合はエレメント、スライダー、上下止の金属部分に反応し
て変色を起こし易くなります。これらの反応は、高温多湿の場合に起こり易く、例えば製品縫製後にスチームアイロン
をし、すぐポリ袋にて包装して長期間保存した時に起こりがちです。中でも反応性染料を使用した生地と銅合金は、化
学反応を起こし易くなります。また、硫化染料等による銅合金の変色は以前から指摘されている通りです。
1. 金属の変色 ■ウールや綿製品の洗い加工による変色
漂白したウールのニット製品に銅合金ファスナーを使用した際、ファスナー部分が変色することがあります。
一般にウールを漂白加工する場合、次の①、②の方法で処理されます。
①酸化漂白剤による加工
(過酸化水素等)
②還元漂白剤による加工
(ハイドロサルファイト等)
ファスナーについて
知っていただきたいこと
③仕上工程で防縮加工に塩素処理
(塩素系酸化剤)
特に②、③での処理後の洗浄や中和が不十分であった場合、ウールや綿製品等では製品仕上がり後にガス(塩素ガス・
亜硫酸ガス等)が発生する恐れがあります。また、プレス後すぐに袋詰めして放置するなど湿度の高い状態では薬品・
ガスによって銅合金ファスナーのエレメント、スライダー、上下止等が変色する恐れがあります。
銅合金ファスナーについて
■生地布は十分に中和、洗浄、乾燥したものをお使いください。
■製品仕上のプレス後、包装までの時間を十分に取ってください。
■後染めや洗い加工の場合、ファスナーの変色、生地移染の事前調査が必要です。
■皮革製品での変色
皮革のなめし工程で使用されるなめし剤や酸類の残留により変色を起こす場合があります。
なめし剤には硫酸等の鉱酸やクロム化合物タンニン酸、アルデヒド化合物等が使用されています。
それらの薬液が皮革に残留している場合、金属ファスナーが変色する恐れがあります。
■皮革製品のなめし加工後の洗浄・中和を十分に行った材料を使用してください。
■事前の評価テストを必ず行ってください。
エレメント部分の変色(高温・多湿 72h)
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Apr.2014
ファスナーについて知っていただきたいこと
2. 金属ファスナーによる生地への移染 ■酸性物質、酸化剤等の残留による変色
丹銅材のアンティークゴールド
(GKB)
・黒染
(GK)ファスナー等を使用される際、生地布や材料に酸性物質・酸化剤
等が残留していると染色や仕上加工の際にファスナーの金属部分との化学変化を起こし易くエレメント剥げの原因と
なります。また、仕上げ加工あるいは保存の際に上記の物質が残留していると生地の変色の危険性があります。特に
白や淡色の生地布との接触部を汚すことがあります。
■素材、生地布は処理後の洗浄・乾燥を十分に行ったものを使用してください。
■製品をパッキングする際は、エレメントと生地の接触部分に薄い紙を挟んでください。
■パラフィンの移行
金属ファスナーのエレメント部には開閉を良くするためにパラフィンを塗布しています。
■反応性染料で染色した綿製品の色抜け&変色
綿製品の後染め等で用いられる反応性染料には、金属イオンが含まれることがあります。多湿な環境において染料と金
属ファスナーに用いられる銅合金が反応し、生地全体の色抜けあるいは変色を発生させることがあります。
■後染めの場合十分な乾燥を行い、製品自体の保存はビニール等での密閉を避け、風通しの良い湿気の少ない場
所で保管してください。
銅合金ファスナーについて
■ファスナーに直接接する部分に合紙または布をはさみ、アイロンプレス仕上げを行ってください。
ファスナーについて
知っていただきたいこと
防水加工、撥水加工の生地布に使用され、縫製後のアイロンプレス仕上げの際、加熱によってパラフィンが溶解し、衣
料生地布へシミ状に移行することがあります。
■商品を展示・陳列の場合も同様に多湿な環境を避けてください。
■エレメント表面処理ファスナーの使用上の注意
淡色系生地にGKB等エレメントに表面処理を施したファスナーをご使用になる場合、エレメントの色が生地に移染する
場合があるのでご注意ください。
■商品をパッキングする際は、エレメントと生地の接触部分に薄い紙を挟んでください。
■ファスナー発注の際、ラッカー処理
(特殊仕様)を指定することにより移染が軽減できる場合があります
生地とエレメントの接触による生地の変色(高温・多湿 72h)
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Apr.2014
ファスナーについて知っていただきたいこと
アルミ合金ファスナーについて
アルミ合金ファスナーはアルミの
“軽さ”
を活かしたファスナーです。
しかし一方においては、水・温湿度の影響を受けやすく、また、衝撃・摩擦・酸・アルカリに弱い金属です。
ゆえに、ジーンズなどの洗い処理や後染めはできません。
1. アルミのエレメント痩せ ジャケットやパンツの仕上げ工程において洗いをかける商品がございますが、アルミはアルカリに弱く、強アルカリ
溶剤を使用されますと、ファスナーのエレメントを溶かしてしまうおそれがあります。
メタ珪酸ソーダ等を使用される際は十分ご注意ください。
また、使用後はすみやかに洗浄を行なってください。
〈通 常 品〉
〈エレメント痩せ事例〉
ファスナーについて
知っていただきたいこと
アルミ合金ファスナーについて
■酸および強アルカリ溶剤を使用しますとファスナー破損の原因になります。
これらの溶剤をご使用の際は事前テストを十分に行なってください。
■洗い工程では水を十分に張った状態で溶剤を投入し攪拌した後、衣類を投入してください。
溶剤が直接ファスナーのエレメントに触れますと、ファスナー破損の原因になります。
■溶剤使用後は速やかに洗浄し、溶剤を完全に洗い流してください。
2. アルミ合金ファスナーの汚れ アルミは摩擦に弱いため、ファスナーの開閉によってエレメントが削れ、アルミの粉が生地を汚す場合があります。
ファスナー開閉時に起きる、エレメントとスライダーの摩擦を軽くするため、パラフィンを塗布しております。
このパラフィンにアルミの微粉やほこりが付着し、生地を汚す事故が報告されています。
淡色系生地にアルミ合金ファスナーをご使用になる際は十分ご注意ください。
■アルミ合金ファスナーの保管や縫製時には、ほこりが付かないようお願いいたします。
■保管の際はファスナーが生地に直接触れないよう合紙を挟んでください。
3. エレメントの摩耗 アルミ合金ファスナーは摩耗に弱いため、スライダーによるファスナー開閉でもエレメントが削れます。
特にGA/GSスライダー等銅合金スライダーとの併用はできませんのでご注意ください。ファスナー破損の原因となります。
また、パンツ等耐久性を要する用途には、エレメント表面にアルマイト処理を施し耐久性をアップしたYAN
(アルミ
YZiP ® )
をご用意しておりますが、ご使用の際は十分事前テストをお願いいたします。
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Apr.2014
ファスナーについて知っていただきたいこと
AquaGuard ® について
● 完全防水ではありません。
● ファスナー破損や布地の損傷を防ぐため、洗濯の前には必ずファスナーを閉じてください。
● 洗濯後は自然乾燥させてください。
● 塩素系ドライクリーニングをご利用になりますと、ファスナーの開閉が重くなり、色移りやテープ白濁の原因になり
ますので、石油系をご指定ください。
● ファスナーにはアイロンをかけないでください。
● 異素材からの色移りを防ぐため、重ねずに保管してください。
● テープ黄変を防ぐため、直射日光のあたらない場所で保管してください。
AQUASEAL® について
ファスナーについて
知っていただきたいこと
1. ご使用上の注意 ● ファスナー下止部に無理な力がかかりますとファスナー破損の原因となりますので、ファスナー取り付けの際に力ン
AquaGuard ® について/AQUASEAL ® について
止などで下止部の保護を行っていただくか、下止補強組仕様(B-HOKYO) 製品のご使用をお勧めします。
● スライダーが途中で動かなくなった場合は、スライダーを少し戻し、引っかかり部分を確認の上、異物等を除去して
からゆっくりと開閉を行ってください。
● 保管の際にはファスナー部が極端に折れ曲がらないようにご注意ください。
● エレメン卜内部や外側に付着した汚れはできるだけきれいに除去してください。
● 60℃以上の環境での使用や保管は、防水性の低下に繋がるためお避けください。
● 乾燥機による熱風乾燥やドライクリーニングはお避けください。
● エレメン卜に溶剤や接着剤が付着しないようご注意ください。
2. 取り付け方法 ■主な取り付け方法としては以下の4種の方法があります。
縫製:防水性能を維持するため、縫製部を目止めする必要があります。
接着剤:事前にテストを行った上で適切なプライマ一、接着剤をご使用ください。
ホットメル卜:熱接着テープによる取り付けも可能です。
高周波溶着:ポリウレタン生地への溶着が可能です。
3. メンテナンスについて ■防水性を維持し、滑りを良くするメンテナンス用シリコングリースも別途ご用意しています。
〟
①左図の斜線部に塗布してください。
②ファスナーを数回開閉して、なじませてください。
シリコングリース〝ファスナーメイト®
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Apr.2014
ファスナーについて知っていただきたいこと
PROSEAL® について
1. ご使用上の注意 ■全テープ共通
● ファスナーを開閉する前にエレメントの内側、外側についている付着物
(砂、泥等)を水またはブラシ等できれいに取
り除いてください。
● ファスナーを開閉する際は、スライダーをエレメントに沿うようにゆっくり動かしてください。引手を斜め方向に引
くとファスナーに無理な負荷が掛かり、気密性低下や破損の原因となります。
● ファスナーが背面部あるいは側面部に付いているスーツの場合、他の人に開閉してもらうによう心掛けてください。
● 下着、生地等の異物がファスナーに挟まった場合や、途中でスライダーが重くなったり動かなくなった場合は、ファ
スナーを開ける方向へスライダーを少し戻し、引っ掛かっている場所を確認し、異物を取り除いてください。
● 気密性保持のため、ファスナーを閉じる際はスライダーをしっかりと上止に密着させてください。
ファスナーについて
知っていただきたいこと
■PVCテープ
● 水温が10℃以下のところでは使用しないでください。PVCが硬化し、曲げや折れにより気密性が低下します。
● 表
素材がPVCや合成皮革等の場合、長時間にわたる接触や保管状態により、素材に含まれる可塑剤、接着剤、油剤等と
反応し、色移り現象
(移染)
が発生する恐れがあります。間に合紙を挟む等、表素材と直接触れ合わないように保管して
ください。
PROSEAL® について
● PVCの特性上、経時変化により気密性は徐々に失われていきます。
2. 保管上の注意 ● 使用した後はエレメントの内側・外側を真水等で洗い、付着物をブラシ等で取り除いてください。
● ○印内側とエレメントにはパラフィン等をつけ2回ゆっくりと開閉してください。
● ファスナーを開けた状態で保管してください。その後ファスナーが折れ曲がらないようにご注意ください。
● ファスナー部に重いものをのせないでください。
スライダー
テープ
引手
エレメント
下止
YKK
上止
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Apr.2014
ファスナーについて知っていただきたいこと
メタリオン®・コンビファスナー・透明コイルファスナー
洗濯・ドライクリーニング時の注意とお願い
メタリオン®、コンビ・透明コイルなどの染色後のテープにエレメントを縫合しているコイルファスナーは、洗濯・
ドライクリーニング時に高温乾燥を繰り返しますと、コイル
(スタンダード)に比べねじれが発生しやすくなりますので
ご注意ください。
対象アイテム メタリオン®
コイル コンビファスナー
(COMB-**)
透明コイルファスナー
ファスナーについて
知っていただきたいこと
ねじれ状態 ドライクリーニングによる再現試験 ■洗濯・ドライクリーニングをする際は必ずファスナーを閉じ、乾燥は温度を100℃以下に設定してください。
※縫製する生地の収縮率によって、条件は若干変化します。
メタリオン®・コンビファスナー・透明コイルファスナー 洗濯・ドライクリーニング時の注意とお願い
テープ・エレメント・ミシン糸の色が違うものはご注意ください!
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Apr.2014
ファスナーについて知っていただきたいこと
透明コイルファスナーの使用上の注意
● ドライクリーニングは石油系をご指定ください。
● 横引強度はコイル
(スタンダード)
に比べて若干落ちます。
● テープが透明ナイロンタイプのものは縮み防止のため、40℃以下の水で洗濯してください。
● アイロンは当て布をして
【低】
80℃~120℃で行ってください。
透明 ビスロン ® の使用上の注意
● ドライクリーニングは石油系をご指定ください。
(塩素系ではファスナーの開閉が重くなります。)
● チェーン強度はビスロン®(スタンダード)
より若干落ちるため、荷重のかかる用途には使用しないでください。
ファスナーについて
知っていただきたいこと
透明コイルファスナーの使用上の注意/透明 ビスロン ® の使用上の注意/No.3 コイルファスナー(3CF)開・逆開製品の使用上の注意
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No.3 コイルファスナー(3CF)開・逆開製品の使用上の注意
● 3CF
開・逆開製品は薄手生地用ファスナーです。開部横方向に大きな負荷
をかけたり、
ひねりの力が加わりますと、
ファスナーが壊れる恐れがあります。
また、フロントによく使用されるNo.5コイルファスナー(5CNF)の金属開
金具の5割程度の横引強度しかありませんので、重量感のあるニット製品や
厚手生地、また着用時に負荷がかかる場所へのご使用はお避け下さい。ご使
用に際しましては、十分に事前確認していただきますようお願いいたします。
樹脂開具にひねりの負荷をかけない
ようお願いします
1 使用時の注意
◆ファスナーを閉じるとき
1. スライダーを箱に密着するまでしっかり下げる
2. 蝶棒をスライダーに通し、箱の根元まで差込む
3. スライダーを引き上げる
◆ファスナーを開くとき
1. スライダーを箱に密着するまでしっかり下げる
2. 蝶棒を抜く
2 アイロン時の注意
ファスナーを閉じ、当て布をして130℃以下で行って下さい。
(高温で直接アイロンを当てると樹指開具が溶ける恐れがあります)
また、アイロン時の引っ掛けで箱が破損する事のないようご注意ください。
3 縫製時の注意
樹指部分は縫製できませんので、点線(
)の外側を
縫製して下さい。
(斜線部)
Apr.2014